JPH0772326B2 - 粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフエライト系ステンレス鋼 - Google Patents

粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフエライト系ステンレス鋼

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JPH0772326B2
JPH0772326B2 JP61092223A JP9222386A JPH0772326B2 JP H0772326 B2 JPH0772326 B2 JP H0772326B2 JP 61092223 A JP61092223 A JP 61092223A JP 9222386 A JP9222386 A JP 9222386A JP H0772326 B2 JPH0772326 B2 JP H0772326B2
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excellent corrosion
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正春 本田
泰男 小林
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、粗製リン酸環境で使用するフェライトステ
ンレス鋼に関するものである。
〔従来の技術〕
リン酸は、通常硫酸を使用した湿式プロセスにて製造さ
れ、大半の用途は肥料原料といわれる。湿式プロセスに
よると、リン鉱石中の不純物(P2O5以外の塩化物、フッ
化物、硫酸塩、酸化物等)の多くがそのままリン酸に混
入する。(湿式プロセスによるリン酸を湿式リン酸と呼
び、以下WPAと称す。) 即ち、リン鉱石の品位.組成がその産地によって異なる
結果、WPAの不純物濃度はおおよそ、H2SO4:2.0〜4.5
%、F-:0.1〜1.0%、Fe2O3:0.2〜1.5%、Al2O3:0.2〜1.
6%、MgO:2.5%以下、CaO:0.5%以下、Cl-:0.05%以下
等の範囲で変動する。
WPAを専門に運搬する場合その腐食性のために、従来で
はゴムライニング材をタンクに使用する例が多かった
が、最近ではタンクの汎用性とメンテナンスフリーを目
的としてステンレス鋼の使用が検討されつつある。然
し、最大の問題はステンレス鋼の耐食性である。
WPAの不純物のうち塩素イオンとフッ素イオンは、ステ
ンレス鋼の耐食性を劣化させることが知られており、0.
5%F-を含有する条件では0.03%Cl-以上になると、316
タイプのステンレス鋼は激しく腐食する。一方、ステン
レス鋼のCrとMoの含有量を増すとWPA中の耐食性は向上
することが知られているが、WPAで予想されるF-.Cl-
度に対する耐食性に必要なCr.Mo量が不明であると共
に、一般の耐酸用ステンレス鋼はオーステワイト系のた
めCr.Mo量の増加と共に高価なNi量を増すことも必要と
なり、素材費の高価格化を招来する。
以上の状況を鑑みると、WPA用ステンレス鋼として経済
的で最も厳しい腐食性が予想されるWPA中で優れた耐食
性を示し、且つNiの使用を省略した安価なステンレス鋼
の開発が望まれている。
〔発明の解決すべき問題点〕
本発明は、湿式リン酸のプロセスに用いる従来の耐食性
における問題点を解決するにあり、316タイプのステン
レス鋼が腐食するような厳しい条件でも良好な耐食性を
示すステンレス鋼を提供することを目的とする。
〔解決するための手段〕
本発明は、次に示す第1〜第2発明からなるものであ
る。即ち、 第1発明は、 重量基準にて、C;0.04%以下、Si;1.00%以下、Mn;1.00
%以下、P;0.06%以下、S;0.03%以下、Ni;6.0%以下、
Cr;19.0〜28.0%、Mo;1.0〜6.0%、N;0.03%以下を含有
し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、且つ i:Moが1.0%以上2.0%未満では −3×Mo+25.0<%Ci≦28.0を ii:Moが2.0〜6.0%では 19.0<%Ci≦28.0を 夫々満足することを特徴とする粗製リン酸中で優れた耐
食性を有するフェライト系ステンレス鋼であり、 第2発明は、前記第1発明の成分に更にNb;10×%C〜
0.8%、Ti;5×%C〜0.8%の一種または二種を含有する
粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフェライト系ステ
ンレス鋼である。
〔作用〕
本発明の、粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフェラ
イト系ステンレス鋼中に含有する各成分の限定利用につ
いて次に述べる。
C:ステンレス鋼の粒界腐食感受性を高める元素であるた
め、C含有量を0.04%以下に限定した。
Si:脱酸のために必要な元素で、耐酸性の向上にも有効
な元素であるため、その含有量を1.00%以下に限定し
た。
Mn:この元素は鋼中のSと結合して局部腐食の起点とな
るMnSを形成するので少ない方が望ましいが、1.00%以
下に含有量を限定すれば実用上の問題はない。
P:ステンレス鋼の粒界腐食感受性を上げ、また熱間加工
性にも悪影響を及ぼすため、少ない方が望ましい。但し
0.1%以下にすれば、実用上問題を生じないので、その
有有量を0.06%以下に限定した。
S:熱間加工性と耐局部腐食性を増すためには少ない方が
望ましいので、その含有量を0.03%以下に限定した。
Ni:フェライト系ステンレス鋼では、靭性を高めるが、
余り多いと塩化物中の耐応力腐食割れ性を損なうので、
その含有量を6.0%以下に限定した。
Cr:ステンレス鋼の一般の耐食性を維持する基本元素で
あるため、その含有量は多い方が望ましいが、強腐食性
の腐食WPA中で所定の耐食性を得るため、その含有量は1
9.0%以上含有する必要があるが、28.0を超えると、そ
の効果は飽和するので経済性を考慮してその含有量を次
のように限定した。
i:Moが1.0%以上2.0%未満では −3×Mo+25.0<%Cr≦28.0を ii:Moが2.0〜6.0%では 19.0<%Cr≦28.0を 夫々満足する含有量が最適である。
Mo:Crと共に含有させ、その添加量を増すと、一般の耐
食性を顕著に向上する。強腐食性のWPA中では1.0%以上
の含有でその優れた添加効果が現れ、6.0%を超えると
その効果は飽和するので、経済性を考慮して、その含有
量を1.0〜6.0%に限定した。
N:フェライト系ステンレス鋼では、Cr窒化物等の析出に
起因した材質・耐食性の劣化に生じる。そのため0.03%
以下に限定した。
以上が第1発明についての添加元素及びその数値限定理
由であるが、第2発明は第1発明添加元素に追加して必
要に応じTi,Nbの一種または二種を添加することが出来
る。
Ti,Nb:ステンレス鋼中のCをTiやNbの炭化物として固定
し耐粒界腐食性.靭性を改善する。そのためC含有量に
応じてTi,Nbの一種または二種を夫々10×%C以上、5
×%C以上加える。
また、それらの最大添加量は夫々0.8%以下とする。
Ti,Nbの添加量は、鋼中のCに対して一定量以上ないと
効果は現れず、0.8%を超えるとその効果は飽和するば
かりか、表面疵の原因にもなる。
次に本発明の実施例について述べる。
〔実施例〕
表に本実施例において供された鋼の化学成分並びに腐食
速度を示す。
表に示された組成のフェライト系ステンレス鋼、(何れ
も溶体化処理済み)について、以下の手順に従って腐食
試験を実施した。
試薬特級の薬品を用いて調製した実験室WPA(50%P2O5
+3%SO4 2-+0.5%Fe3++1.0%F-+0.05%Cl-)を恒温
水槽で50℃に加熱しておき、機械加工・湿式研摩仕上げ
により製作した試験片を120時間浸漬して腐食減量を求
めた。
耐食性の評価は、腐食減量から求めた腐食速度(g/m2.h
r)によった。
尚本実施例にて採用したWPA組成はその変動範囲で最も
多量のF-,Cl-を含むので、現在製造されているWPAのな
かで最も激しい腐食を再現するものの一つと思われる。
JIS規格の316Lに相当するM鋼を始め、比較鋼は何れも
8.0g/m2.hr以上の激しい腐食を示す。これに対し、本発
明鋼は何れも0.2g/m2.hr未満に優れた耐食性を示した。
次に腐食速度と鋼組成(CrとMo)の関係を図に示す。
図示する如く、腐食速度が0.2g/m2.hr未満の優れた耐食
性を得るためには、CrとMoとを複合して含有することが
必要で、1.0%以上2.0%Mo未満の領域では、−3×Mo+
25.0を超えるとCr量を必要とし、2.0%Mo〜6.0%Moでは
19.0%を超えるCr量を必要とする。
〔発明の効果〕
本発明の粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフェライ
ト系ステンレス鋼は、現用の316Lタイプのステンレス鋼
が腐食するような厳しい条件でも良好な耐食性を示すも
のである。
【図面の簡単な説明】
図は、実施例における腐食速度と鋼組成との関係グラフ
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量基準にて、C;0.04%以下、Si;1.00%
    以下、Mn;1.00%以下、P;0.06%以下、S;0.03%以下、N
    i;6.0%以下、Cr;19.0〜28.0%、Mo;1.0〜6.0%、N;0.0
    3%以下を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からな
    り、且つ i:Moが1.0%以上2.0%未満では −3×Mo+25.0<%Cr≦28.0を ii:Moが2.0〜6.0%では 19.0<%Ci≦28.0を 夫々満足することを特徴とする粗製リン酸中で優れた耐
    食性を有するフェライト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】重量基準にて、C;0.04%以下、Si;1.00%
    以下、Mn;1.00%以下、P;0.06%以下、S;0.03%以下、N
    i;6.0%以下、Cr;19.0〜28.0%、Mo;1.0〜6.0%、N;0.0
    3%以下及びNb;10×%C〜0.8%、Ti;5×%C〜0.8%の
    一種または二種を含有し、残部が鉄及び不可避不純物か
    らなり、且つ i:Moが1.0%以上2.0%未満では −3×Mo+25.0<%Cr≦28.0を ii:Moが2.0〜6.0%では 19.0<%Ci≦28.0を 夫々満足することを特徴とする粗製リン酸中で優れた耐
    食性を有するフェライト系ステンレス鋼。
JP61092223A 1986-04-23 1986-04-23 粗製リン酸中で優れた耐食性を有するフエライト系ステンレス鋼 Expired - Lifetime JPH0772326B2 (ja)

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