JPH0771644A - ピストン・スリーブ型制御弁の固定装置 - Google Patents

ピストン・スリーブ型制御弁の固定装置

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JPH0771644A
JPH0771644A JP21893593A JP21893593A JPH0771644A JP H0771644 A JPH0771644 A JP H0771644A JP 21893593 A JP21893593 A JP 21893593A JP 21893593 A JP21893593 A JP 21893593A JP H0771644 A JPH0771644 A JP H0771644A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストン・スリーブ型制御弁の固定装置に係
り、サーボ圧の変化に影響を受けることなく、信頼性の
高い固定を行ない、機械力で固定する方法と比較して構
造の簡素化を図る。 【構成】 二つのサーボ圧供給路の途中に介在させられ
る遮断弁と、遮断弁に接続され作動流体を送り込んでサ
ーボ圧供給路の遮断を行なう高圧流体供給手段と、遮断
弁の弁体に配されピストン・スリーブ型制御弁の低圧プ
レナム部に接続される流体解放手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストン・スリーブ型
制御弁の固定装置に係り、特に、流路の制御時におい
て、一時的に流量を固定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストン・スリーブ型制御弁は、ピスト
ンの両側に加わる流体圧によって弁体を直線移動させる
ことにより、開度を正確に設定することができるため、
燃料流量の制御装置等に適用されている。
【0003】一方、サーボ圧の変化に関係なく、燃料等
の流体を一時的に一定量供給する必要がある場合には、
ピストンの移動を拘束した状態とする要求が生じる場合
がある。
【0004】ピストンの移動を拘束する方法として、ピ
ストンを大きな機械力で強制的に固定することが考えら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械力で固定
する方法であると、そのための装置や機器が大掛かりな
ものとなり易く、場合によっては、ピストンやスリーブ
に外傷を付けてしまうおそれがある等の技術的課題が残
されている。
【0006】本発明は、これらの課題に鑑みてなされた
もので、サーボ圧の変化に影響を受けることなく、信頼
性の高い固定を行なうことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する複数
の手段を提案する。第1の手段は、ピストンの両側の高
圧プレナム部及び低圧プレナム部に加わる流体圧により
弁体を移動させて、流路の制御を行なうピストン・スリ
ーブ型制御弁を、一時的に固定するための装置とする場
合に、ピストン・スリーブ型制御弁に送られる二つのサ
ーボ圧供給路の途中に介在させられる遮断弁と、該遮断
弁に接続されピストン・スリーブ型制御弁の固定時に作
動流体を送り込んでサーボ圧供給路の遮断を行なう高圧
流体供給手段と、遮断弁の弁体に配されサーボ圧供給路
の遮断時の弁体移動時にピストン・スリーブ型制御弁の
低圧プレナム部に接続される流体解放手段とを具備する
構成を採用している。第2の手段は、第1の手段におけ
る流体解放手段に代えて、遮断弁の弁体に配され高圧流
体供給口とサーボ圧供給路の接続部分との間に位置する
ピストン及びスリーブの間隙に接続される流体解放手段
を付加した構成を採用している。第3の手段は、ピスト
ンの両側の高圧プレナム部及び低圧プレナム部に加わる
流体圧により弁体を移動させて、流路の制御を行なうピ
ストン・スリーブ型制御弁を、一時的に固定するための
装置とする場合に、ピストン・スリーブ型制御弁に送ら
れる二つのサーボ圧供給路の途中に介在させられる遮断
弁と、該遮断弁に接続されピストン・スリーブ型制御弁
の固定時に作動流体を送り込んでサーボ圧供給路の遮断
を行なう高圧流体供給手段とを具備し、遮断弁の弁体
に、二つのサーボ圧供給路を接続するための接続流路が
形成され、サーボ圧供給路の接続部分が、上流側が下流
側に対して高圧流体供給口の方向にずれた位置に設定さ
れ、接続流路は、接続部分のずれよりも大きな幅寸法に
形成されるとともに、接続流路の両側に高圧流体供給手
段の作動時に二つのサーボ圧供給路の間並びにその上下
流間を密封するシール手段が配される構成を採用してい
る。第4の手段は、第3の手段に加えて、二つのサーボ
圧供給路の上下流間を隔離する遮断弁が、片方のみに配
される構成を採用している。
【0008】
【作用】第1の手段にあっては、ピストン・スリーブ型
制御弁の一時的な固定を行なう場合に、高圧流体供給手
段から高圧流体を遮断弁に送り込んで、二つのサーボ圧
供給路を遮断して、ピストン・スリーブ型制御弁への新
たなサーボ圧供給を中断する。この際に、遮断弁の弁体
の移動によりピストン・スリーブ型制御弁の低圧プレナ
ム部と流体解放手段とを接続状態として、制御弁や遮断
弁のシール部分に加えられる圧力の方向の変化を生じさ
せることなく安定状態に保持し、流体の圧力変動時にあ
っても体積不変性に基づいてピストンの移動現象の発生
を抑制する。第2の手段にあっては、第1の手段と同様
に、ピストン・スリーブ型制御弁を、一時的に固定する
場合に、高圧流体を遮断弁に送り込んで、サーボ圧供給
路を遮断して、サーボ圧供給を中断するが、加えて、遮
断弁の弁体の移動により、高圧流体供給口とサーボ圧供
給路の接続部分との間に位置するピストン及びスリーブ
の間隙の圧力を低下させて、高圧流体を流体解放手段に
導き、各シール部分に加えられる圧力の方向の変化を生
じさせることなく、加圧状態の流体における体積不変性
に基づいてピストンの移動現象の発生を抑制し、高圧流
体が遮断弁を移動させる際に、高圧流体供給手段の接続
側におけるシール部分への衝撃圧力が加わることを抑制
する。第3の手段にあっては、第1の手段や第2の手段
と同様に、遮断弁の作動によってサーボ圧供給を中断す
るが、加えて、遮断弁における弁体の移動にともなっ
て、シール手段を二つのサーボ圧供給路の間並びにその
上下流間に位置させることにより、高圧流体から接続流
路やその下流の二つのサーボ圧供給路を隔離し、制御弁
における二つのサーボ圧供給流体の平衡を保持する。第
4の手段にあっては、第3の手段による作用に準じるも
のの、遮断弁における弁体の移動にともなって、シール
手段により二つのサーボ圧供給路のうちの片方につい
て、上下流間のシールを行なって、制御弁に作用する外
力の方向が一定な場合に、制御弁における二つのサーボ
圧供給流体の平衡を保持する。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係るピストン・スリーブ型制
御弁の固定装置の実施例について、図1ないし図8に基
づいて説明する。
【0010】〔第1実施例〕図1及び図2は、本発明に
係るピストン・スリーブ型制御弁の固定装置の第1実施
例を示すもので、図中符号1はピストン・スリーブ型制
御弁(制御弁)、2はサーボ圧発生手段、3A,3Bは
サーボ圧供給路、4は遮断弁、5は高圧流体供給手段、
6は流体解放手段、7は流体供給系、8は流体消費系、
9は共通ケーシング、10はケース圧設定手段である。
【0011】前記制御弁1は、スリーブ1aの内部に収
容されたピストン1bの両側に、二つのサーボ圧供給路
3A,3Bに対して接続される高圧プレナム部1c及び
低圧プレナム部1dが形成され、ピストン1bに連結さ
れた弁体1eの移動により、流路1fの開度の制御を行
なうものであり、後述するように必要に応じて弁体1e
の位置が拘束される。また、ピストン1b及び弁体1e
の外周部には、スリーブ1aとの間をシールするシール
リング1g,1hが配される。
【0012】前記サーボ圧発生手段2は、サーボ圧供給
路3A,3Bの途中に遮断弁4を介在させた状態で、制
御弁1における高圧プレナム部1c及び低圧プレナム部
1dに二つのサーボ圧を加えて、制御弁1の開度を調整
するものである。
【0013】前記遮断弁4は、スリーブ4aと、該スリ
ーブ4aの内部に収容されるピストン4bと、電磁弁5
Bに接続されピストン4bを駆動するための高圧流体供
給口4cと、サーボ圧供給路3A,3Bの接続または遮
断を行ないピストン4bに一体に配される弁体4dと、
弾発力により弁体4dを戻してサーボ圧供給路3A,3
Bに接続状態とするためのスプリング4eと、弁体4d
の外周部に配されスリーブ4aとの間をシールする複数
のシールリング4f,4g,4h,4iとを有してい
る。
【0014】前記高圧流体供給手段5は、高圧流体発生
手段5Aと、該高圧流体発生手段5Aと遮断弁4の高圧
流体供給口4cとの間に介在状態に配され固定時に作動
流体を遮断弁4に供給してサーボ圧供給路3A,3Bの
遮断を行なうための電磁弁5Bとを有している。
【0015】前記流体解放手段6は、遮断弁4の弁体4
dの内部に形成される流路であり、スリーブ4aと弁体
4dとの間隙に対して接続状態の開口6aが配され、こ
の開口6aがシールリング4g,4hの間の位置に形成
されるとともに、遮断弁4によるサーボ圧供給路3A,
3Bの遮断時に、図2に示すように、制御弁1の低圧プ
レナム部1dに対して接続状態となるように設定され
る。
【0016】前記流体供給系7は、所望の流体を流体消
費系8に供給するものであり、供給路の途中に介在する
制御弁1によって流量が調整制御される。
【0017】前記共通ケーシング9は、図1例にあって
は、制御弁1及び遮断弁4をそれぞれ収納している。
【0018】ケース圧設定手段10は、共通ケーシング
9における遮断弁4等の余剰流体の貯留部10aや電磁
弁5Bに接続され、これらより排出される流体圧力を比
較的低圧の一定値に設定するものである。
【0019】このような構成を有する制御弁の固定装置
による制御弁1の固定方法について、以下説明する。
【0020】定常状態にあっては、図1に示すように、
電磁弁5Bが閉鎖状態となって、高圧流体発生手段5A
と高圧流体供給口4cとの間を遮断した状態となり、そ
して、遮断弁4がサーボ圧発生手段2と制御弁1とを接
続して、サーボ圧がサーボ圧供給路3A,3Bを経由し
て高圧プレナム部1c及び低圧プレナム部1dに加わる
ことにより、ピストン1bの位置制御が行なわれて、弁
体1eの移動量に基づいて流路1fの開度が設定され
る。
【0021】この定常状態における制御弁1及び遮断弁
4の弁体1e及び弁体4dのシールリング1g,1h,
4f,4g,4h,4iに加わる圧力の方向を見ると、
流路1fの圧力>サーボ圧供給路3Aの圧力>サーボ圧
供給路3Bの圧力>ケース圧力の関係があることに基づ
いて、図1に実線の矢印で示すように、シールリング1
h,1g,4g,4iにあっては左向き状態、シールリ
ング4f,4hにあっては右向き状態となる。したがっ
て、各シールリング1g,1h,4f,4g,4h,4
iは、これらの圧力の方向に圧縮されることになる。
【0022】一方、制御弁1による流路1fの開度設定
がなされている状態のまま、制御弁1を一時的に固定す
る場合には、高圧流体供給手段5の電磁弁5Bを開放状
態にして、高圧流体を高圧流体供給口4cからスリーブ
4aの内部に送り込むことにより、ピストン4b及び弁
体4dを図1の左方に移動させて、図2に示す状態とす
る。つまり、弁体4dを、二つのサーボ圧供給路3A,
3Bの遮断位置まで移動させることにより、遮断弁4よ
りも下流となるサーボ圧供給路3A,3Bを隔離して、
制御弁1への新たなサーボ圧の供給を中断するととも
に、サーボ圧の変動を抑制する。
【0023】図2に示す状態になると、制御弁1におけ
る高圧プレナム部1c及び低圧プレナム部1dが、サー
ボ圧発生手段2から切り離されることにより、新たなサ
ーボ圧の供給がなされず、かつ、流体の非圧縮性に基づ
いて、ピストン1b及び弁体1eは、遮断弁4の作動寸
前のサーボ圧に応じた位置で固定される。
【0024】この固定状態における弁体1e,4dにお
けるシールリング1g,1h,4f,4g,4h,4i
に加わる圧力の方向を見ると、流体解放手段6の開口6
aがその下流のサーボ圧供給路3Bと接続状態となるた
めに、シールリング4fの部分にあっては、高圧流体が
高圧流体供給口4cから供給されることに基づいて、図
2の矢印で示すように左向きとなるが、その他の部分
は、前述の圧力関係が成立する。
【0025】この場合、シールリング4fの部分に加わ
る圧力の方向が、図1の実線の矢印と相違するが、高圧
流体が高圧流体供給口4cに供給された瞬間には、図1
に破線の矢印で示す方向に、シールリング4fが圧縮さ
れることになり、サーボ圧供給路3Aから供給されるサ
ーボ圧との平衡が行なわれた後に、遮断弁4の弁体4d
の移動によって、その下流位置のサーボ圧供給路3Aが
隔離される。したがって、シールリング4fにあって
も、サーボ圧供給路3Aの隔離寸前と隔離後との時点で
比較すると、圧力方向の変化が生じることがなく、以
下、弁体1eの移動拘束状態が継続する。
【0026】次いで、固定状態の解除を行なう場合は、
電磁弁5Bによって高圧流体発生手段5Aからの高圧流
体の供給を中止すると、高圧流体供給口4cの内部流体
がケース圧設定手段10に送られて、遮断弁4における
作動圧力が消滅するとともに、スプリング4eの弾発力
により弁体4dが図1に示す状態まで戻されて、再びサ
ーボ圧による流量制御が行なわれる。
【0027】〔第2実施例〕図3及び図4は、本発明に
係るピストン・スリーブ型制御弁の固定装置の第2実施
例を示すものである。
【0028】該第2実施例にあっては、図1及び図2の
第1実施例と共通する多くの部分を有しているが、流体
解放手段6における開口6aが複数配されるとともに、
形成位置が、シールリング4fの近傍でかつ高圧流体供
給口4cの方向にずれた位置、シールリング4g,4h
の間の位置に設定される。
【0029】図3に示す定常状態にあっても、サーボ圧
が高圧プレナム部1c及び低圧プレナム部1dに加わる
ことにより、ピストン1bの位置制御が行なわれて、流
路1fの開度が設定される。この場合における各シール
リング1g,1h,4f,4g,4h,4iには、図3
の矢印で示す方向の圧力が加わり、これらの方向に各シ
ールリング1g,1h,4f,4g,4h,4iが圧縮
される。
【0030】次いで、電磁弁5Bを開放状態にして、高
圧流体を高圧流体供給口4cからスリーブ4aの内部に
送り込んで、弁体4dを図3の左方に移動させることに
より、図4に示すように、サーボ圧供給路3A,3Bを
遮断すると、スリーブ4aの内部に送り込まれた高圧流
体は、ピストン4b及び高圧流体供給口4cの間に位置
している環状間隙から、開口6aを経由して流体解放手
段6により遮断弁4の外(共通ケーシング9の外)に排
出される。
【0031】遮断弁4よりも下流のサーボ圧供給路3A
の内部流体は、サーボ圧供給路3Aよりも高圧流体供給
口4cの側にずれた位置に開口6aが配されているとと
もに、高圧流体が開口6aに流れ込んでいることによっ
て、圧力変動の発生が抑制される。
【0032】したがって、図4の各矢印で示すように、
各シールリング1g,1h,4f,4g,4h,4iに
加わる圧力の方向が、図3と比較して変化することがな
く、言い換えると、各シールリング1g,1h,4f,
4g,4h,4iに加わる圧力の方向は、遮断弁4の作
動の有無に関係なく一定となる。
【0033】図4において、制御弁1のピストン1bの
左側に位置する低圧プレナム部1dやサーボ圧供給路3
Bは、シールリング1g,4h,4iの変形が生じるこ
となく、かつ完全な密封状態となるので、第2実施例に
あっても第1実施例と同様に、流体の非圧縮性に基づい
て、ピストン1b及び弁体1eは、遮断弁4の作動寸前
のサーボ圧に応じた位置で固定された状態を維持する。
【0034】〔第3実施例〕図5及び図6は、本発明に
係るピストン・スリーブ型制御弁の固定装置の第3実施
例を示すものである。
【0035】該第3実施例にあっては、図5及び図6に
示すように、遮断弁4の弁体4dに、サーボ圧供給路3
A,3Bを接続するための接続流路4j,4kが形成さ
れ、図1ないし図4例と比較して、流体解放手段6や開
口6aが省略されている。
【0036】サーボ圧供給路3A,3Bの接続開口は、
上流側が下流側に対して高圧流体供給口4cの方向にず
れた位置にそれぞれ設定されており、これに対応して、
接続流路4j,4kは、図5に示すように、サーボ圧供
給路3A,3Bの接続部分のずれ寸法よりも、大きな幅
を有する円環状に形成されている。
【0037】図5に示す定常状態において、サーボ圧が
高圧プレナム部1c及び低圧プレナム部1dに加わるこ
とにより、ピストン1bの位置制御がなされて、流路1
fの開度が設定される。この場合において、各シールリ
ング1g,1h,4f,4g,4h,4iは、前述の圧
力差に基づいて、各矢印で示す方向に押し付けられる。
【0038】次いで、高圧流体を高圧流体供給口4cか
らスリーブ4aの内部に送り込んで、弁体4dを高圧流
体供給口4cの方向に移動させた図6の状態にすると、
シールリング4f,4g,4h,4iによってサーボ圧
供給路3A,3Bが遮断されることにより、各シールリ
ング1g,1h,4f,4g,4h,4iは、図6の各
矢印で示す方向に押し付けられる。
【0039】図5と図6との各矢印を比較すると、シー
ルリング4fの部分だけ方向が変化している。しかし、
図6に示すように、接続流路4j,サーボ圧供給路3
A,高圧プレナム部1cと接続流路4k,サーボ圧供給
路3B,低圧プレナム部1dは、シールリング4f,4
g,4h,4iによって周囲から密封状態で隔離されて
いるため、第1実施例や第2実施例と同様に流体の非圧
縮性に基づいて密封された流体の容積の変化が生じるこ
とがなく、ピストン1b及び弁体1eは、遮断弁4の作
動寸前のサーボ圧に応じた位置で固定された状態を維持
する。
【0040】〔第4実施例〕図7及び図8は、本発明に
係るピストン・スリーブ型制御弁の固定装置の第4実施
例を示すものである。
【0041】該第4実施例にあっては、図5及び図6例
と比較して、サーボ圧供給路3B及びその遮断手段が省
略されて、サーボ圧供給路3Aのみの開放及び遮断を行
なうようにしている。
【0042】高圧流体供給口4cから供給される高圧流
体の圧力が、サーボ圧供給路3Aの内部圧力以下である
か、あるいは大差ない場合、遮断弁4よりも上流側のサ
ーボ圧供給路3Aの容積が大きい場合、遮断弁4よりも
下流側のサーボ圧供給路3Aの容積が大きくシールリン
グ4fの変形量を無視できる場合、シールリング4fの
変形量が著しく小さく設定されている場合、これらの条
件を二つ以上満たしている場合等においては、遮断弁4
の構造の単純化が可能となる。
【0043】図7に示す定常状態において、サーボ圧供
給路3Aにサーボ圧が加わっている場合には、シールリ
ング4f,4gが、圧力差に基づいて両矢印で示す方向
に押し付けられる。
【0044】次いで、高圧流体が高圧流体供給口4cか
らスリーブ4aの内部に送り込まれると、弁体4dの移
動とともに,前述の条件に基づいて、シールリング4f
に加わる矢印の方向が、図8に示す実線または破線で示
すように設定される。
【0045】図8に破線で示す方向の圧力が、シールリ
ング4fに加わった場合には、これまで説明したよう
に、接続流路4j,サーボ圧供給路3A,高圧プレナム
部1cの内部流体の非圧縮性に基づいて、制御弁1の固
定状態の維持がなされる。そして、シールリング4fに
実線の矢印方向の圧力が加わった場合には、シールリン
グ4fの変形に基づく容積変化分だけ、制御弁1による
開度が変動するが、前述の条件下では無視し得る範囲と
なり、実質的に固定状態の維持がなされる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係るピストン・スリーブ型制
御弁の固定装置によれば、以下のような効果を奏する。 (1) 二つのサーボ圧供給路の途中に介在させられる
遮断弁と、遮断弁に接続され作動流体を送り込んでサー
ボ圧供給路の遮断を行なう高圧流体供給手段と、遮断弁
の弁体に配されピストン・スリーブ型制御弁の低圧プレ
ナム部に接続される流体解放手段とを具備することによ
り、高圧流体を遮断弁に送り込んで二つのサーボ圧供給
路を遮断し、制御弁への新たな二つのサーボ圧の供給を
中断して、制御弁の一時的な固定を行ない、開度を一定
に保持し続けることができる。 (2) 制御弁の低圧プレナム部と流体解放手段との接
続により、各シール部分に加えられる圧力の方向の変化
を生じさせることなく、流体の体積不変性に基づいて、
制御弁の弁体移動の抑制を行なうことができる。 (3) 二つのサーボ圧供給路に遮断弁を介在させるも
のであるため、機械的手段によってピストンを固定する
方法と比較して、構造の簡素化を図り、ピストン及びス
リーブ等に外傷が及ぶことを防止することができる。請
求項2に係るピストン・スリーブ型制御弁の固定装置に
よれば、以下のような効果を奏する。 (1) 遮断弁の弁体にピストン及びスリーブの間隙に
接続される流体解放手段が配される構成の採用によっ
て、高圧流体によるピストンの移動時に、ピストン及び
スリーブの間隙に入り込んだ高圧流体を抜き取り、シー
ル部分の移動現象の発生を抑制して、制御弁の固定状態
の保持を確実に行なうことができる。 (2) 高圧流体がピストン及びスリーブの間隙に入り
込んだ際に、これを排出して衝撃圧力がシール部分に加
わることを緩和して、全体の安全性を向上させることが
できる。請求項3に係るピストン・スリーブ型制御弁の
固定装置によれば、以下のような効果を奏する。 (1) 上流側のサーボ圧供給路の接続部分が、下流側
に対して高圧流体供給口の方向にずれた位置に設定さ
れ、接続流路の両側に高圧流体供給手段の作動時に二つ
のサーボ圧供給路の間並びにその上下流間を密封するシ
ール手段が配されることにより、遮断弁の作動によりサ
ーボ圧供給を中断するとともに、シール手段により高圧
流体から接続流路やその下流の二つのサーボ圧供給路を
隔離して、二つのサーボ圧供給流体の平衡状態の保持
し、制御弁の固定を長時間にわたって行なうことができ
る。 (2) 高圧流体供給口から離間したサーボ圧供給流体
の隔離と、この隔離部分の流体の体積不変性とに基づい
て、制御弁の弁体移動の抑制を効果的に行なうことがで
きる。請求項4に係るピストン・スリーブ型制御弁の固
定装置によれば、以下のような効果を奏する。請求項3
に加えて、二つのサーボ圧供給路の上下流間を隔離する
遮断弁が、片方のみに配される構成を採用しているた
め、高圧流体の圧力の程度、サーボ圧供給路の容積の大
きい場合等の条件下において、シール手段への影響を低
減し、構造の単純化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピストン・スリーブ型制御弁の固
定装置の第1実施例を示すブロック図を併記した定常状
態の正断面図である。
【図2】図1の遮断弁によるサーボ圧供給路の遮断状況
を示す一部を省略した正断面図である。
【図3】本発明に係るピストン・スリーブ型制御弁の固
定装置の第2実施例を示す定常状態の一部を省略した正
断面図である。
【図4】図3の遮断弁によるサーボ圧供給路の遮断状況
を示す一部を省略した正断面図である。
【図5】本発明に係るピストン・スリーブ型制御弁の固
定装置の第3実施例を示す定常状態の一部を省略した正
断面図である。
【図6】図5の遮断弁によるサーボ圧供給路の遮断状況
を示す一部を省略した正断面図である。
【図7】本発明に係るピストン・スリーブ型制御弁の固
定装置の第4実施例を示す定常状態の一部を省略した正
断面図である。
【図8】図7の遮断弁によるサーボ圧供給路の遮断状況
を示す一部を省略した正断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン・スリーブ型制御弁(制御弁) 1a スリーブ 1b ピストン 1c 高圧プレナム部 1d 低圧プレナム部 1e 弁体 1f 流路 1g,1h シールリング 2 サーボ圧発生手段 3A,3B サーボ圧供給路 4 遮断弁 4a スリーブ 4b ピストン 4c 高圧流体供給口 4d 弁体 4e スプリング 4f,4g,4h,4i シールリング 4j,4k 接続流路 5 高圧流体供給手段 5A 高圧流体発生手段 5B 電磁弁 6 流体解放手段 6a 開口 7 流体供給系 8 流体消費系 9 共通ケーシング 10 ケース圧設定手段 10a 貯留部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの両側の高圧プレナム部及び低
    圧プレナム部に加わる流体圧により弁体を移動させて、
    流路の制御を行なうピストン・スリーブ型制御弁を、一
    時的に固定するための装置であって、ピストン・スリー
    ブ型制御弁に送られる二つのサーボ圧供給路の途中に介
    在させられる遮断弁と、該遮断弁に接続されピストン・
    スリーブ型制御弁の固定時に作動流体を送り込んでサー
    ボ圧供給路の遮断を行なう高圧流体供給手段と、遮断弁
    の弁体に配されサーボ圧供給路の遮断時の弁体移動時に
    ピストン・スリーブ型制御弁の低圧プレナム部に接続さ
    れる流体解放手段とを具備することを特徴とするピスト
    ン・スリーブ型制御弁の固定装置。
  2. 【請求項2】 ピストンの両側の高圧プレナム部及び低
    圧プレナム部に加わる流体圧により弁体を移動させて、
    流路の制御を行なうピストン・スリーブ型制御弁を、一
    時的に固定するための装置であって、ピストン・スリー
    ブ型制御弁に送られる二つのサーボ圧供給路の途中に介
    在させられる遮断弁と、該遮断弁に接続されピストン・
    スリーブ型制御弁の固定時に作動流体を送り込んでサー
    ボ圧供給路の遮断を行なう高圧流体供給手段と、遮断弁
    の弁体に配され高圧流体供給口とサーボ圧供給路の接続
    部分との間に位置するピストン及びスリーブの間隙に接
    続される流体解放手段とを具備することを特徴とするピ
    ストン・スリーブ型制御弁の固定装置。
  3. 【請求項3】 ピストンの両側の高圧プレナム部及び低
    圧プレナム部に加わる流体圧により弁体を移動させて、
    流路の制御を行なうピストン・スリーブ型制御弁を、一
    時的に固定するための装置であって、ピストン・スリー
    ブ型制御弁に送られる二つのサーボ圧供給路の途中に介
    在させられる遮断弁と、該遮断弁に接続されピストン・
    スリーブ型制御弁の固定時に作動流体を送り込んでサー
    ボ圧供給路の遮断を行なう高圧流体供給手段とを具備
    し、遮断弁の弁体に、二つのサーボ圧供給路を接続する
    ための接続流路が形成され、サーボ圧供給路の接続部分
    が、上流側が下流側に対して高圧流体供給口の方向にず
    れた位置に設定され、接続流路は、接続部分のずれより
    も大きな幅寸法に形成されるとともに、接続流路の両側
    に高圧流体供給手段の作動時に二つのサーボ圧供給路の
    間並びにその上下流間を密封するシール手段が配される
    ことを特徴とするピストン・スリーブ型制御弁の固定装
    置。
  4. 【請求項4】 二つのサーボ圧供給路の上下流間を隔離
    する遮断弁が、片方のみに配されることを特徴とする請
    求項3記載のピストン・スリーブ型制御弁の固定装置。
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