JPH0770726A - 超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH0770726A JPH0770726A JP21840393A JP21840393A JPH0770726A JP H0770726 A JPH0770726 A JP H0770726A JP 21840393 A JP21840393 A JP 21840393A JP 21840393 A JP21840393 A JP 21840393A JP H0770726 A JPH0770726 A JP H0770726A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 深絞り性と良好なパウダリング性を兼ね備え
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提案。 【構成】 極低炭素鋼にTiを0.01〜0.15wt%含有させ、
亜鉛浴中の全Al濃度を0.15〜0.20wt%とし、合金化時の
鋼板温度を 450〜530 ℃とする。
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提案。 【構成】 極低炭素鋼にTiを0.01〜0.15wt%含有させ、
亜鉛浴中の全Al濃度を0.15〜0.20wt%とし、合金化時の
鋼板温度を 450〜530 ℃とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTiを含有する冷延鋼板を
素材とする超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法に関するものであり、特にプレス加工時に起こるパ
ウダリングと呼ばれる耐亜鉛剥離性を良好にするための
ものである。
素材とする超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法に関するものであり、特にプレス加工時に起こるパ
ウダリングと呼ばれる耐亜鉛剥離性を良好にするための
ものである。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっきはその耐食性から
自動車用鋼板として幅広く用いられているが、近年、さ
らにプレス加工性の観点から高延性・高ランクフォード
(r)値を持つ超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板が必要と
されている。超深絞り用鋼板としては深絞り性に悪影響
をおよぼすCを低減した極低炭素鋼が用いられるが、さ
らに炭窒化物形成元素であるTiを添加することにより高
延性・高r値を持つ鋼板が得られる(例えば、特開平4
−66647 号公報)。これはTiが固溶CやNと結合して T
iC、TiN を形成し、C、Nを無害化するためである。
自動車用鋼板として幅広く用いられているが、近年、さ
らにプレス加工性の観点から高延性・高ランクフォード
(r)値を持つ超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板が必要と
されている。超深絞り用鋼板としては深絞り性に悪影響
をおよぼすCを低減した極低炭素鋼が用いられるが、さ
らに炭窒化物形成元素であるTiを添加することにより高
延性・高r値を持つ鋼板が得られる(例えば、特開平4
−66647 号公報)。これはTiが固溶CやNと結合して T
iC、TiN を形成し、C、Nを無害化するためである。
【0003】しかし、Tiを添加し、固溶C、N量を減ら
すことで溶融亜鉛めっき時の合金化速度が極めて速くな
る。そのため、素地鋼板とめっき層界面との間に硬くて
脆いΓ相を形成し易くプレス加工時に亜鉛が剥離すると
いったパウダリング性の劣化が著しく、また合金化が速
いため過合金が起こり易いという欠点が生じている。
すことで溶融亜鉛めっき時の合金化速度が極めて速くな
る。そのため、素地鋼板とめっき層界面との間に硬くて
脆いΓ相を形成し易くプレス加工時に亜鉛が剥離すると
いったパウダリング性の劣化が著しく、また合金化が速
いため過合金が起こり易いという欠点が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、深絞り性と良好な耐パウダリング性
を兼ね備える超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法を提案することを目的とするものである。
術の欠点を解消し、深絞り性と良好な耐パウダリング性
を兼ね備える超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法を提案することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.003 wt
%以下、Si:0.1 wt%以下、Mn:1.0 wt%以下、P:0.
05wt%以下、S:0.015 wt%以下、Sol.Al:0.01〜0.10
wt%以下、N:0.005wt%以下及び次の2式を満たすTi
を含み、 0.01wt%≦Ti≦0.15wt% ……(1) 1≦〔Ti/{(48/14) N(wt%) +(48/32) S(wt
%) +(48/12) C(wt%) }≦4………(2) 残部は鉄及び不可避的不純物からなる冷延鋼板を使用
し、溶融亜鉛めっき時のZn浴中のAl濃度を0.15〜0.20wt
%でめっきを行うことによりAl−Fe合金層中Al量を0.15
〜0.40g/m2 とし、合金化時の鋼板温度を 450〜530
℃とすることを特徴とする超深絞り用合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法であり、さらに必要に応じて冷延鋼
板中に、B:0.0001〜0.001 wt%、Nb:0.02%以下のい
ずれか、あるいは両方とも含有することができる。
%以下、Si:0.1 wt%以下、Mn:1.0 wt%以下、P:0.
05wt%以下、S:0.015 wt%以下、Sol.Al:0.01〜0.10
wt%以下、N:0.005wt%以下及び次の2式を満たすTi
を含み、 0.01wt%≦Ti≦0.15wt% ……(1) 1≦〔Ti/{(48/14) N(wt%) +(48/32) S(wt
%) +(48/12) C(wt%) }≦4………(2) 残部は鉄及び不可避的不純物からなる冷延鋼板を使用
し、溶融亜鉛めっき時のZn浴中のAl濃度を0.15〜0.20wt
%でめっきを行うことによりAl−Fe合金層中Al量を0.15
〜0.40g/m2 とし、合金化時の鋼板温度を 450〜530
℃とすることを特徴とする超深絞り用合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法であり、さらに必要に応じて冷延鋼
板中に、B:0.0001〜0.001 wt%、Nb:0.02%以下のい
ずれか、あるいは両方とも含有することができる。
【0006】
【作用】本発明は、極低炭素鋼にTiを含有する超深絞り
用鋼板の製造方法に関するものであり、溶融亜鉛めっき
時のZn浴中へAl濃度を0.15〜0.20wt%で行うことにより
Al−Fe合金層中Al量を0.15〜0.40g/m2 とし、合金化
時の鋼板温度を 450〜 530℃とするものである。その結
果、深絞り性を損なうことなくΓ相形成の抑制および過
合金防止により良好なパウダリング性を持つことを見い
だした。
用鋼板の製造方法に関するものであり、溶融亜鉛めっき
時のZn浴中へAl濃度を0.15〜0.20wt%で行うことにより
Al−Fe合金層中Al量を0.15〜0.40g/m2 とし、合金化
時の鋼板温度を 450〜 530℃とするものである。その結
果、深絞り性を損なうことなくΓ相形成の抑制および過
合金防止により良好なパウダリング性を持つことを見い
だした。
【0007】ここで言う、Al−Fe合金層とはZn浴浸漬時
にめっき層と鋼板の界面に生成する主成分がFe2Al5であ
る層のことであり、本発明ではこの合金層中のAl量を規
制するものである。以下に本発明の目的である耐パウダ
リング性に優れた超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法について詳細に説明する。
にめっき層と鋼板の界面に生成する主成分がFe2Al5であ
る層のことであり、本発明ではこの合金層中のAl量を規
制するものである。以下に本発明の目的である耐パウダ
リング性に優れた超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法について詳細に説明する。
【0008】本発明で用いる冷延鋼板中の成分は以下の
理由に基づいて決定したものである。 C:鋼中のCは深絞り性に悪影響を与え、r値を下げる
働きがあるため0.003wt%以下とする。 Si:Siは酸化物を形成し鋼板とZnめっき浴との密着性を
低下させ不めっきの原因となるため、0.1 wt%以下とす
る。
理由に基づいて決定したものである。 C:鋼中のCは深絞り性に悪影響を与え、r値を下げる
働きがあるため0.003wt%以下とする。 Si:Siは酸化物を形成し鋼板とZnめっき浴との密着性を
低下させ不めっきの原因となるため、0.1 wt%以下とす
る。
【0009】Mn:Mnは鋼に強度を持たせるために必要で
あるが、1.0 wt%を超えると深絞り性に悪影響を及ぼす
ため、1.0 wt%以下とする。 P:Pも鋼強度を増すために有効であるが、2次加工脆
性を起こしやすく、また深絞り性にも悪影響であるので
0.05wt%以下とする。 S、N:SとNは鋼中に固溶して深絞り性に悪影響を及
ぼし、またTiと結合をつくりやすく TiS、TiN を生成
し、固溶Cを固定する有効なTi量を減少させるためS:
0.015 wt%以下、N:0.005 wt%以下とする。
あるが、1.0 wt%を超えると深絞り性に悪影響を及ぼす
ため、1.0 wt%以下とする。 P:Pも鋼強度を増すために有効であるが、2次加工脆
性を起こしやすく、また深絞り性にも悪影響であるので
0.05wt%以下とする。 S、N:SとNは鋼中に固溶して深絞り性に悪影響を及
ぼし、またTiと結合をつくりやすく TiS、TiN を生成
し、固溶Cを固定する有効なTi量を減少させるためS:
0.015 wt%以下、N:0.005 wt%以下とする。
【0010】sol.Al:Alは溶鋼段階で脱酸剤として用い
られ、TiやNbの酸化による損失を防ぐ役割をしている。
そのため、0.01wt%以上必要であるが、コスト面から0.
10wt%以下とする。 Ti:TiはTiC 、TiS 、TiN を生成して深絞り性に悪影響
を及ぼす固溶C、S、Nを無害化するため、その添加に
より高延性・高r値を持つ鋼板が得られる。しかし、Ti
とC+S+Nとの原子比1では固溶C、S、Nの固定力
が不足で目的の超深絞り用鋼板は得られない。そこで、
さらに固溶C、S、N量を減少させ、より高r値の鋼板
を得るために以下の2式を満足するTiを添加する必要が
ある。上限はC、S、Nの固溶効果の飽和と経済性から
決定した。 0.01wt%≦Ti≦0.15wt% ……(1) 1≦〔Ti/{(48/14) N(wt%) +(48/32) S(wt
%) +(48/12) C(wt%) }≦4………(2) Nb:Nbは鋼板の伸び及びr値の面内異方性をなくす効果
があるため添加しても良い。0.02wt%を超えてはその効
果が飽和するため上限を0.02wt%とした。
られ、TiやNbの酸化による損失を防ぐ役割をしている。
そのため、0.01wt%以上必要であるが、コスト面から0.
10wt%以下とする。 Ti:TiはTiC 、TiS 、TiN を生成して深絞り性に悪影響
を及ぼす固溶C、S、Nを無害化するため、その添加に
より高延性・高r値を持つ鋼板が得られる。しかし、Ti
とC+S+Nとの原子比1では固溶C、S、Nの固定力
が不足で目的の超深絞り用鋼板は得られない。そこで、
さらに固溶C、S、N量を減少させ、より高r値の鋼板
を得るために以下の2式を満足するTiを添加する必要が
ある。上限はC、S、Nの固溶効果の飽和と経済性から
決定した。 0.01wt%≦Ti≦0.15wt% ……(1) 1≦〔Ti/{(48/14) N(wt%) +(48/32) S(wt
%) +(48/12) C(wt%) }≦4………(2) Nb:Nbは鋼板の伸び及びr値の面内異方性をなくす効果
があるため添加しても良い。0.02wt%を超えてはその効
果が飽和するため上限を0.02wt%とした。
【0011】B:Bは粒界に偏析し2次加工脆性を防ぐ
役割をし、また、溶接性の改善にも良好な結果を与える
ため添加しても良い。0.0001wt%未満ではその効果はほ
とんど見られず、0.001 wt%を超えては効果は飽和す
る。次に上記成分を含有する鋼において、超深絞り用鋼
板に必要な高r値を得るための熱延条件、冷延条件につ
いて述べる。
役割をし、また、溶接性の改善にも良好な結果を与える
ため添加しても良い。0.0001wt%未満ではその効果はほ
とんど見られず、0.001 wt%を超えては効果は飽和す
る。次に上記成分を含有する鋼において、超深絞り用鋼
板に必要な高r値を得るための熱延条件、冷延条件につ
いて述べる。
【0012】熱延条件:加熱温度は1000〜1300℃が良
く、熱延仕上げ温度が 800〜1000℃が良く、好ましくは
850〜920 ℃がよい。また、巻き取り温度は 500〜750
℃がよい。 冷延条件:圧下率60%以上が良く、好ましくは70%以上
がよい。 次に冷間圧延に続く焼鈍還元の条件に付いて述べる。
く、熱延仕上げ温度が 800〜1000℃が良く、好ましくは
850〜920 ℃がよい。また、巻き取り温度は 500〜750
℃がよい。 冷延条件:圧下率60%以上が良く、好ましくは70%以上
がよい。 次に冷間圧延に続く焼鈍還元の条件に付いて述べる。
【0013】焼鈍還元条件:焼鈍還元前の鋼板表面の清
浄化は脱脂、酸洗、燃焼などの常法によれば良く、焼鈍
雰囲気は数%から数十%の水素を含む窒素雰囲気を用い
ると良い。露点は0℃以下にすることが望ましい。焼鈍
還元温度は 780℃以上が好ましい。焼鈍還元された鋼板
はそのまま還元性雰囲気中で溶融亜鉛めっき浴温付近ま
で冷却されてめっき浴に浸漬され、その後合金化処理が
なされる。そのめっき浴の条件および合金化の条件につ
いて以下に述べる。
浄化は脱脂、酸洗、燃焼などの常法によれば良く、焼鈍
雰囲気は数%から数十%の水素を含む窒素雰囲気を用い
ると良い。露点は0℃以下にすることが望ましい。焼鈍
還元温度は 780℃以上が好ましい。焼鈍還元された鋼板
はそのまま還元性雰囲気中で溶融亜鉛めっき浴温付近ま
で冷却されてめっき浴に浸漬され、その後合金化処理が
なされる。そのめっき浴の条件および合金化の条件につ
いて以下に述べる。
【0014】めっき浴中Al濃度:本発明はめっき浴中Al
量を規制してAl−Fe合金層量を制御し、加工時のめっき
層剥離に悪影響を及ぼすΓ相の低減をはかるとともに、
めっき層中Fe含有率の上昇を遅くしてFe含有率が12%以
上になる過合金を防止し、優れた耐パウダリング性を確
保するものである。本発明の成分の超深絞り用鋼板にお
いては、従来のめっき浴中Al濃度、Al−Fe合金層量が少
ないため合金化が極めて速く、またΓ相の形成が容易に
なされ耐パウダリング性は悪化する。Γ相の生成を抑制
するためには従来のめっき浴より浴中Al濃度を高くし、
合金化を抑制するAl−Fe合金層を多く形成することが効
果的であることがわかった。そのため、浴中Al濃度は0.
15wt%以上が必要であり、好ましくは0.155 wt%以上が
よく、そのときのAl−Fe合金層量は0.15g/m2 以上と
する。また、浴中Al濃度が0.20wt%を超えるとAl−Fe合
金層が0.40g/m2 以上と過剰に形成され合金化がきわ
めて遅く生産性に悪影響を及ぼす。そのため、浴中Al濃
度は0.15〜0.20wt%とする。そのときの合金化抑制の指
標となるAl−Fe合金層中Al量は0.15〜0.40g/m2であ
る。このようにめっき浴中Al濃度、Al−Fe合金層中Al量
を規制することにより、Γ層の生成抑制およびめっき層
中Fe含有率が上昇し過ぎる過合金も防止でき、耐パウダ
リング性に優れた鋼板が得られる。
量を規制してAl−Fe合金層量を制御し、加工時のめっき
層剥離に悪影響を及ぼすΓ相の低減をはかるとともに、
めっき層中Fe含有率の上昇を遅くしてFe含有率が12%以
上になる過合金を防止し、優れた耐パウダリング性を確
保するものである。本発明の成分の超深絞り用鋼板にお
いては、従来のめっき浴中Al濃度、Al−Fe合金層量が少
ないため合金化が極めて速く、またΓ相の形成が容易に
なされ耐パウダリング性は悪化する。Γ相の生成を抑制
するためには従来のめっき浴より浴中Al濃度を高くし、
合金化を抑制するAl−Fe合金層を多く形成することが効
果的であることがわかった。そのため、浴中Al濃度は0.
15wt%以上が必要であり、好ましくは0.155 wt%以上が
よく、そのときのAl−Fe合金層量は0.15g/m2 以上と
する。また、浴中Al濃度が0.20wt%を超えるとAl−Fe合
金層が0.40g/m2 以上と過剰に形成され合金化がきわ
めて遅く生産性に悪影響を及ぼす。そのため、浴中Al濃
度は0.15〜0.20wt%とする。そのときの合金化抑制の指
標となるAl−Fe合金層中Al量は0.15〜0.40g/m2であ
る。このようにめっき浴中Al濃度、Al−Fe合金層中Al量
を規制することにより、Γ層の生成抑制およびめっき層
中Fe含有率が上昇し過ぎる過合金も防止でき、耐パウダ
リング性に優れた鋼板が得られる。
【0015】めっき浴温度・侵入板温:浴温は 440〜50
0 ℃程度で良く、侵入板温は 400〜550 ℃程度がよい。
これはワイピングによる付着量の制御、鋼板とめっき浴
との反応性の低下による不めっきなどを防ぐためであ
る。 合金化度:合金化後のめっき層中Fe含有率(合金化度)
は8%未満ではZn(η)相の残存やζ相量が多くなり摺
動性が劣り、また、めっき浴中Al濃度によりΓ量の生成
の抑制はなされているが耐パウダリング性は悪化するた
め8〜12%程度がよい。
0 ℃程度で良く、侵入板温は 400〜550 ℃程度がよい。
これはワイピングによる付着量の制御、鋼板とめっき浴
との反応性の低下による不めっきなどを防ぐためであ
る。 合金化度:合金化後のめっき層中Fe含有率(合金化度)
は8%未満ではZn(η)相の残存やζ相量が多くなり摺
動性が劣り、また、めっき浴中Al濃度によりΓ量の生成
の抑制はなされているが耐パウダリング性は悪化するた
め8〜12%程度がよい。
【0016】合金化温度:合金化温度は、450 ℃未満で
は合金化に時間がかかるため経済性が悪く、また、 530
℃を越える場合はめっき層中Fe含有率の制御が困難にな
りパウダリングに悪影響を及ぼすΓ相が多量に生成しや
すいため、 450〜530 ℃とする。以下に本発明を実施例
に基づいて説明する。
は合金化に時間がかかるため経済性が悪く、また、 530
℃を越える場合はめっき層中Fe含有率の制御が困難にな
りパウダリングに悪影響を及ぼすΓ相が多量に生成しや
すいため、 450〜530 ℃とする。以下に本発明を実施例
に基づいて説明する。
【0017】
【実施例】実験用鋼板は以下に示すように作成した。真
空溶解炉で溶製、仕上げ温度 890℃にて熱間圧延を行い
3mm厚とし、高温巻き取りのシミュレートとして熱間圧
延後 600℃にて2時間保持した。酸洗にて表面酸化層を
除き、冷間圧延(圧下率77%)を施し 0.7mm厚にした板
を70mm×180mm に切断し、電解脱脂および塩酸酸洗を行
った。表1にめっき原板に使用した鋼板の組成およびr
値を示した。
空溶解炉で溶製、仕上げ温度 890℃にて熱間圧延を行い
3mm厚とし、高温巻き取りのシミュレートとして熱間圧
延後 600℃にて2時間保持した。酸洗にて表面酸化層を
除き、冷間圧延(圧下率77%)を施し 0.7mm厚にした板
を70mm×180mm に切断し、電解脱脂および塩酸酸洗を行
った。表1にめっき原板に使用した鋼板の組成およびr
値を示した。
【0018】続く焼鈍還元・めっきはCGLをシミュレ
ートした縦型めっき装置にて焼鈍還元条件は5%水素−
窒素、露点−20℃で行った。表2には溶融亜鉛めっき条
件および生成したAl−Fe合金層中のAl量、合金化条件お
よびそのときのめっき層中Fe含有率、耐パウダリング性
評価を示した。溶融亜鉛めっき後の合金化は直接通電炉
を用いた。
ートした縦型めっき装置にて焼鈍還元条件は5%水素−
窒素、露点−20℃で行った。表2には溶融亜鉛めっき条
件および生成したAl−Fe合金層中のAl量、合金化条件お
よびそのときのめっき層中Fe含有率、耐パウダリング性
評価を示した。溶融亜鉛めっき後の合金化は直接通電炉
を用いた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】表1、2に用いた値は以下のようにして求
めた。 r値…縦型めっき装置にて焼鈍還元 850℃×20sec 施し
た後、溶融めっきおよび合金化のシミュレートとして 5
00℃×60sec 保持したサンプルで引っ張り試験を行っ
た。 Al−Fe合金層中Al量…縦型めっき装置にて作成した溶融
亜鉛めっき鋼板を発煙硝酸にてZn(η)層を除去し、不
動態化してとけ残ったAl−Fe合金層を1:1塩酸で溶解
し原子吸光にてAl量を求めた。
めた。 r値…縦型めっき装置にて焼鈍還元 850℃×20sec 施し
た後、溶融めっきおよび合金化のシミュレートとして 5
00℃×60sec 保持したサンプルで引っ張り試験を行っ
た。 Al−Fe合金層中Al量…縦型めっき装置にて作成した溶融
亜鉛めっき鋼板を発煙硝酸にてZn(η)層を除去し、不
動態化してとけ残ったAl−Fe合金層を1:1塩酸で溶解
し原子吸光にてAl量を求めた。
【0023】Γ量…合金化処理しためっき鋼板を接着剤
により冷延鋼板を接着した後、引っ張り試験をしてめっ
き層を剥離した。剥離しためっき層(接着剤側)及び冷
延鋼板を剥離界面からX線回折測定した。表に用いた値
は接着剤側と冷延鋼板側のカウント数を合計した値であ
る。 耐パウダリング性の評価…合金化しためっき鋼板にセロ
テープを貼り付け、90℃曲げ曲げ戻しを行い、セロテー
プに付着しためっき量を5段階で評価した。
により冷延鋼板を接着した後、引っ張り試験をしてめっ
き層を剥離した。剥離しためっき層(接着剤側)及び冷
延鋼板を剥離界面からX線回折測定した。表に用いた値
は接着剤側と冷延鋼板側のカウント数を合計した値であ
る。 耐パウダリング性の評価…合金化しためっき鋼板にセロ
テープを貼り付け、90℃曲げ曲げ戻しを行い、セロテー
プに付着しためっき量を5段階で評価した。
【0024】 評価 良 ← 1 2 3 4 5 → 不良
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、Tiを含有する超深絞り
用鋼板において優れた耐パウダリング性を持つ溶融亜鉛
めっき鋼板が製造できる。
用鋼板において優れた耐パウダリング性を持つ溶融亜鉛
めっき鋼板が製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯部 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 森戸 延行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.003 wt%以下、Si:0.1 wt%以
下、Mn:1.0 wt%以下、P:0.05wt%以下、S:0.015
wt%以下、Sol.Al:0.01〜0.10wt%以下、N:0.005 wt
%以下及び次の2式を満たすTiを含み、 0.01wt%≦Ti≦0.15wt% ……(1) 1≦〔Ti/{(48/14) N(wt%) +(48/32) S(wt
%) +(48/12) C(wt%) }≦4………(2) 残部は鉄及び不可避的不純物からなる冷延鋼板を使用
し、溶融亜鉛めっき時のZn浴中のAl濃度を0.15〜0.20wt
%でめっきを行うことによりAl−Fe合金層中Al量を0.15
〜0.40g/m2 とし、合金化時の鋼板温度を 450〜530
℃とすることを特徴とする超深絞り用合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の冷延鋼板が、さらにBを
0.0001〜0.001 wt%を含むことを特徴とする超深絞り用
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の冷延鋼板が、さらにNbを
0.02wt%以下を含むことを特徴とする超深絞り用合金化
溶融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項4】 請求項3記載の冷延鋼板が、さらにBを
0.0001〜0.001 wt%を含むことを特徴とする超深絞り用
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21840393A JPH0770726A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21840393A JPH0770726A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0770726A true JPH0770726A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=16719370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21840393A Pending JPH0770726A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 超深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0770726A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022089152A (ja) * | 2020-12-03 | 2022-06-15 | 攀▲鋼▼集▲団▼研究院有限公司 | 超深絞り用溶融Zn-Al-Mg合金めっき鋼板及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-09-02 JP JP21840393A patent/JPH0770726A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022089152A (ja) * | 2020-12-03 | 2022-06-15 | 攀▲鋼▼集▲団▼研究院有限公司 | 超深絞り用溶融Zn-Al-Mg合金めっき鋼板及びその製造方法 |
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