JPH0770530B2 - エッチング方法 - Google Patents

エッチング方法

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JPH0770530B2
JPH0770530B2 JP1062037A JP6203789A JPH0770530B2 JP H0770530 B2 JPH0770530 B2 JP H0770530B2 JP 1062037 A JP1062037 A JP 1062037A JP 6203789 A JP6203789 A JP 6203789A JP H0770530 B2 JPH0770530 B2 JP H0770530B2
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gas
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temperature
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英博 小尻
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エッチング方法、特に半導体装置の製造方法
における多結晶シリコン、単結晶シリコン、シリサイ
ド、高融点メタルなどの材料を高い選択比でパターン幅
の精度良く垂直エッチングする方法に関する。
半導体装置を高密度化、高速化するために多結晶シリコ
ン、シリサイド、高融点金属などの耐熱性導電性材料の
エッチングにおいて、パターン幅の制御を厳密にし、か
つ、エッチングにおいて高い選択性をもつことが要求さ
れている。
このため、半導体装置の製造において、簡易化された工
程で、ゴミを発生させることなく、パターン幅制御が精
度良くなされ、エッチングにおいて下地に対し高い選択
比をもち下地を損傷することのない多結晶シリコン、シ
リサイド、高融点金属などの垂直エッチングが必要であ
る。
〔従来の技術〕
半導体装置を高密度化、高速化するために多結晶シリコ
ン、シリサイド、高融点金属などの耐熱性をもった導電
性材料を多層化して用いるいわゆる多層多結晶シリコン
技術が不可欠のものとなってきている。これらの導電性
材料の加工は、トランジスタの特性を左右するゲート長
を定めるものとなるので、それのエッチングにおいてパ
ターン幅の制御を厳密に行い、かつ、それの下地のゲー
ト絶縁膜に対してエッチングにおいて高い選択性をもつ
ことが要求される。これらの点で、反応性イオンエッチ
ング(Reactive Ion Etching,RIE)のように垂直にエッ
チングする方法が優れているが、下層例えば第1層の多
結晶シリコンを垂直にエッチングすると、上槽例えば第
2層の多結晶シリコンをエッチングするときに、第1層
多結晶シリコンの段差部で第2層の多結晶シリコンが厚
くなるので、この部分の第2層多結晶シリコンがエッチ
ングで除去されずに残り、隣り合った第2層多結晶シリ
コンの間でショートする問題があった。それを避けるた
めにオーバーエッチングの時間を良くして段差部の多結
晶シリコンを除去しようとすると、パターン幅が細くな
ったり下地の絶縁膜が過度にエッチングされるといった
問題があった。その理由は、ゲート絶縁膜(SiO2)と多
結晶シリコンとの選択比が大でないことによるもので、
多結晶シリコンがエッチングされると共にSiO2もエッチ
ングされるからである。
また、第2層の多結晶シリコンがエッチングしたときに
第1層多結晶シリコンの段差部で除去されずに残ってし
まう対策として、第1層の多結晶シリコン膜のパターニ
ングにおいてそれにテーパーを付けること(テーパーエ
ッチング)があるがパターン精度が問題である。また、
エッチングガスにC2H6,C2H4,C2F2などの堆積性ガスを
混合する場合は、ゴミの問題がある。
一般に、ドライエッチングにおいて、主にエッチングガ
スにはハロゲン系のガスが用いられている。そして、ゲ
ート電極材料として用いられる多結晶シリコンのエッチ
ング速度と下地絶縁酸化膜のエッチング速度との比(ま
たは選択比)を考えると、上述のように選択比の高いも
のが要求され、弗素系より塩素系、さらには臭素系がよ
いとされている。
従来のエッチングガスには、取り扱いの容易さから弗素
系及び塩素系のガスが用いられてきた。しかし、弗素系
及び塩素系のガスでは、エッチングが等方的になり、第
6図に示すように、シリコン基板61上に形成したSiO2
62上に多結晶シリコン膜63を形成し、その上にマスク68
パターンを形成して、ドライエッチングを行ったとき、
多結晶シリコン膜63の側壁がサイドエッチングされ、ア
ンダーカットが生じ易くなる。半導体デバイスの微細化
に伴い、高い寸法精度が要求されていることから、この
アンダーカットの防止対策としては、 (a)側壁保護を利用する目的でカーボンを含んだガス
でエッチングを行う、 (b)基板温度を低温に制御してエッチングを行う、 (c)臭素または臭素を含むガスをエッチングガスに用
いて多結晶シリコンのエッチングを行う、 などの方法がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、下地との選択比が大きくないと段差部で多結晶
シリコンが除去できず残る問題やテーパーエッチングを
おこなった場合、パターン幅の制御の問題や、エッチン
グガスにC2H6,C2H4,C2F2などの堆積性ガスを混合する
場合においては、エッチングチャンバーの壁面にも堆積
があり、そのためゴミが発生しやすく、歩留りが悪くな
る問題がある。
そこで本発明は、半導体装置の製造において、ゴミを発
生させることなく、パターン幅制御が精度良くなされ、
エッチングにおいて下地に対し高い選択比をもち下地を
損傷することのない多結晶シリコン、シリサイド、高融
点金属などの垂直エッチングする方法を提供することを
目的としている。
また、前記した(a)〜(c)のエッチング方法を検討
すると、(a)の場合では、カーボンが存在すると絶縁
酸化膜のエッチング速度が上がり、多結晶シリコンとの
選択比が低下する。さらに、カーボンを含むエッチング
ガスを用いた場合は、エッチングチャンバー壁面にカー
ボンを含むポリマーが堆積し、これが剥離してゴミの発
生の原因となり、歩留りの低下など今後の微細化にとっ
ては好ましくない問題があった。
(b)の場合では、エッチングガスとして六弗化イオウ
(SF6)を用いて多結晶シリコンをエッチングし、垂直
形状を得るには、基板温度を−130℃付近にまで冷やさ
ねばならず、またエッチングガスに塩素(Cl2)を用い
て多結晶シリコンをエッチングしたときも、垂直形状を
得るには基板温度を0℃付近まで冷やさねばならない。
従って、装置が複雑、高価になる。
そして、(c)の場合では、本出願人が実験により確認
したところによると、特別な低温でなくても、垂直エッ
チングで20〜50の多結晶シリコン対SiO2選択比を得るこ
とができた。しかし、今後の高集積化デバイスには、さ
らに100以上の選択比が求められている。
そこで本発明は、基板上に形成された多結晶シリコン層
の臭化水素ガスを用いるドライエッチングにおいて、10
0以上の多結晶シリコン対SiO2選択比を得ることができ
るドライエッチング方法及びその装置を提供することを
もう1つの目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記第1の目的を実現するために、真空容器
(16,42)内に置かれた被加工物(5,41)の温度を50℃
から150℃の範囲に保ち、カーボン分が120ppm以下臭化
水素を含む反応ガスのプラズマと接触させて垂直エッチ
ングを行うことを特徴とするエッチング方法を提供す
る。
また、上記第2の目的は、上記エッチング方法におい
て、エッチングチャンバー及び電極等のプラズマにさら
される部分にカーボンを含まない材料を配置してエッチ
ングするエッチング方法、さらには反応ガスの中に含ま
れる不純物のうち、カーボン分が120ppm以下、より好ま
しくは40ppm以下のカーボン分が120ppm以下臭化水素を
含むガスを用いることによって達成される。
〔作用〕
本発明を特別の理論によって限定されることを意図する
ものではないが、カーボン分が120ppm以下臭化水素ガス
を用いて50〜150℃において垂直エッチングが実現され
る理由は次のように考えられる。反応ガスのプラズマ中
の臭素は被加工物の例えばシリコンと反応してSiBr
x(x=1〜4)のような反応生成物を生成し、これが
エッチング側壁に付着して側面をエッチングから保護す
る。一方、付着する反応生成物は温度に依存する揮発性
を示すので、付着と揮発とのある平衡状態で垂直エッチ
ングが実現される。すなわち、被加工物の温度が50℃未
満ではエッチング形状はテーパ角が90°より小さい順テ
ーパに、一方150℃を越えるとノンドープ又はp型にド
ープされた多結晶シリコンではテーパ角は90°を越える
逆テーパ形状に、n型にドープされた多結晶シリコンで
はアンダーカットが入ってしまう。
また、本発明で、エッチング雰囲気からカーボンを取り
除くことによって、シリコン酸化膜のエッチングを抑
え、高い選択比を得ることができる理由は次のような説
明が可能である。
(1)エッチング中に、カーボンが存在すると、シリコ
ン酸化膜中のSi−O結合がC−O結合に置き代わること
により開裂し、エッチングがすすむが、カーボンがない
とSi−O結合が開裂しないため、シリコン酸化膜がエッ
チングされない。
(2)多結晶シリコンは、カーボンの有無にかかわら
ず、シリコン膜中のSi−Si結合が、臭素原子により、Si
−Br結合に置き代わることにより開裂し、エッチングさ
れる。したがって、カーボンを無くすと高い選択比が得
られるのであろう。
〔実施例〕
以下、本発明を図示の実施例により具体的に説明する。
第2図に本発明方法の実施に使用した反応性イオンエッ
チング装置を断面図で示す。
この装置では、電極9の上に設けられた静電チャック6
にローパスフィルター7を通じて直流電源8から±1500
Vの電圧を印加してウエハ51を静電吸着する。ウエハ5
と静電チャック6の表面の間にはガス入口15より圧力調
整機構(図示しない)により圧力0〜20TorrのHe等のガ
スを導入し、熱伝導をよくする。電極9は、冷却水10に
より温度調整する。チャンバー16を排気口14につなげる
真空ポンプ(図示せず)で排気し、ガス導入口13よりエ
ッチングガスを導入し、マッチングボックス11を通じて
高周波(RF)発振機12より高周波を印加し、プラズマを
発生させてエッチングを行う。なお、同図において斜線
を付した部分は絶縁物である。
エッチング中のウエハ温度を測定するために蛍光温度計
18を用いた。ウエハ5の裏面に蛍光物質20を被着し、電
極中の穴19より光ファイバ17を通じてパルス光を照射
し、蛍光物質20の発する蛍光を同じ光ファイバ17を通じ
て観察することによりウエハ温度を求めた。
蛍光温度計としては、LUXTRON社のLUXTRON750を用い
た。本温度計は、光ファイバを用いるので従来の熱電対
を用いた温度計とは異なりRFのノイズを受けずに正確に
ウエハ温度を測定できる利点がある。本発明ではこのよ
うな手段でウエハ温度を正確に測定することによって垂
直エッチングを十分な制御下で行なうことが可能になっ
た。
ウエハの温度はエッチングガス、圧力、RFパワー等によ
って異なるが、これらの条件を一定とした場合でも、冷
却水10の温度を変化させて電極9の温度を変えるか、ま
たはウエハ5と静電チャック6の間に導入するHe等のガ
スの種類や圧力を変えるか、静電チャック6に印加する
電圧を変えてウエハの吸着力を変えるなどの手段によ
り、ウエハ5と電極9間の熱伝導特性を変えることによ
り調整する。
第1図にこのような方法でエッチングしたリン(P)を
ドープしたn型多結晶シリコン(抵抗20Ω/□)のエッ
チング断面形状を示す。図中、4はマスクで、それには
レジストまたはSiO2,Si3N4等が用いられる。3はエッ
チングされる多結晶シリコン膜であり、2は下地のSiO2
等の絶縁膜、1はシリコン基板である。
この時のエッチング条件は、Br2(16SCCM)+He(57SCC
M)、圧力0.1Torr、パワーは300Wで、多結晶シリコン膜
3のエッチングの後に100%のオーバーエッチングを行
った。同図(a)はエッチング中のウエハ温度が最高80
℃のとき、同図(b)は最高0℃の場合のものである。
図示のように、他の条件を変えることなく、ウエハ温度
のみを変えることによりエッチング形状を変えることが
できる。
第3図にマスク材料をレジストとSiO2とし、被エッチン
グ材料をドープしない多結晶シリコンとn型及びb型に
ドープした多結晶シリコンのそれぞれとした場合のエッ
チング中のウエハ温度とテーパ角の関係を示し、図中、
黒三角印と白抜三角印とはリン(P)でドープしたm型
多結晶シリコンとドープしない又はドープしたP型多結
晶シリコン(いずれもレジストマスク使用)、黒丸印と
白抜丸印はn型にドープした多結晶シリコンとドープし
ない又はP型にドープした多結晶シリコン(いずれもSi
O2マスク)の場合を示し、線Aの上方は図示のごとく逆
台形にテーパーが得られる範囲、線Aの下方は図示の如
く台形テーパーが得られる範囲、そして線A付近は所望
の垂直形状が得られる部分である。なお、エッチング条
件は第1図の場合と同じで、テーパー角は第1図(b)
のθで測定した。
以上のように臭化水素を主とするガスを用い、ウエハ温
度を50℃〜150℃に保つことで、垂直エッチングを行え
た。また、カーボンを含む堆積性ガスを用いていないた
め、エッチングチャンバー壁面にカーボンを含むポリマ
ーが堆積し、これがはがれてゴミの原因となることもな
い。
以下に、本発明の具体例を示す。なお、参考のためBr2
を用いる例も示す。
具体例(1) シリコン基板上に熱酸化膜(SiO2膜)を1000Å成長し、
その上にリン(P)をドープしたn型多結晶シリコン
(抵抗20Ω/□)を4000Å成長し、その上に通常のフォ
トリソグラフィー技術によりレジストパターニングを行
った。
この基板を第2図の装置内に設置し、(Br216cc+He57c
c)、圧力0.1Torr、300Wのパワーでウエハと静電チェッ
ク間にHeを10Torrみたし、冷却水温度−15℃、電極温度
−10℃でエッチングを行ったところ、ウエハ温度は最大
0℃であった。
具体例(2) 同様に、冷却水温度25℃、電極温度25℃、He圧力2Torr
でエッチングを行ったところ、ウエハ温度は最大50℃で
あった。
具体例(3) 具体例(1)の試料で多結晶シリコン成長後、その上に
SiO2を2000Å成長し、SiO2をレジストパターンマスクと
し、通常のRIEでエッチングした後、レジストを剥離し
たものを用い、具体例(1)と同様な条件でエッチング
した。
具体例(4) 具体例(3)と同様な試料で、具体例(2)と同様な条
件でエッチングした。それぞれの条件で多結晶シリコン
をエッチングする時間と同じ時間のオーバーエッチング
を行った。
具体例(5) 具体例(1)と同様なサンプルで(HBr25cc、圧力0.1To
rr、300Wのパワーでエッチングを行った。
ウエハと静電チェック間にHeを10Torrみたし、冷却水温
度−15℃、電極温度−10℃でエッチングしたところ、ウ
エハ温度は最大0℃であった。
具体例(6) 同様に、冷却水温度25℃、電極温度25℃、He圧力2Torr
でエッチングしたところ、ウエハ温度は最大50℃であっ
た。それぞれ具体例(1)〜(4)と同様100%のオー
バーエッチングを行った。
以上の結果は表1にまとめて示す。
具体例(7) 具体例(1)と同様なサンプルで、シリコン酸化膜マス
クのものを用い、HBr流量50SCCM、圧力0.1Torr、高周波
電力300W(単位面積あたりの電力密度0.66W/cm2)で、
エッチングした。ウエハと静電チェックの間にHeを10To
rrみたし、電極温度を、冷却水温度を変える代わりに、
電極中に埋め込んだヒーターで加熱することにより、ウ
エハ温度を80℃から300℃まで変化させてエッチングし
た。
以上の結果をまとめて、表2および第3図にしめす。
これらのどの条件でも、エッチング断面の上部幅はマス
ク幅通りであった。したがって、表1、表2および第3
図から理解されるように、ウエハ温度を50℃〜150℃に
保つことで、多結晶シリコンのエッチングレートは大き
くなり、また下地のSiO2に対して高選択比が得られ、か
つ、パターン幅の精度の高い垂直エッチングができた。
さらには、多結晶シリコンのかわりに単結晶シリコンや
シリサイド、高融点金属をエッチング材料に用いても、
同様な垂直エッチングができることが確認された。
第4図は本発明の方法を実施するに当って使用した別の
平行平板型のRIE装置の略式断面図である。同図におい
て、41はウエハ、42はエッチング室、43は上部電極、44
は下部電極、45は静電チャック、46はウエハ41を押さえ
る石英ガラス、47はウエハ41を静電吸着する直流出力
(DCパワー)供給源、48は高周波電源、49はガス導入
口、50はガス排気口である。エッチングガスには、臭化
水素(HBr)ガスを用い、流量50SCCMの臭化水素ガスは
ガス導入口49よりエッチング室内42に導入され、ガス排
気口50より排気してエッチング室42内を0.1Torrの圧力
に保つようにし、高周波電源48で周波数13.56MHzの電力
を基板当たり300W印加して、具体例(1)と同じ試料の
多結晶シリコン膜13のドライエッチングを行った。
さらに、エッチング室42内の壁面及び上部電極43の表面
は石英ガラあるいはカーボンを含まない材料で覆った。
被エッチング物を石英ガラス46で押さえるか、または静
電チャック45に吸着させることによって保持させた。
表3にチャンバーのプラズマにさらされる部分を石英で
覆った場合の結果を示す。
具体例(8)(9) 本発明実施例では、エッチングガスに臭化水素ガス(流
量は50SCCM)を用い、マスク材にSiO2膜またはSi3N4
を用いて、本発明のカーボンフリーの条件下で多結晶シ
リコン膜のエッチングを行った場合を見ると、垂直形状
を得るウエハの温度は50〜150℃程度でよく、エッチン
グ残も観られなかった。また、選択比をみても110とき
わめて良く、再現性もあることからプロセス的にも安定
しており、本発明によるカーボンフリーのドライエッチ
ング方法及びその装置により、高選択性をもったドライ
エッチングが可能であった。
具体例(10) また、本発明のカーボンフリーの条件で、臭化水素ガス
の流量だけを増すと、多結晶シリコンのエッチング速度
が速くなり、流量が100SCCMでは多結晶シリコンエッチ
ング速度は約2900Å/minで、酸化膜との選択比は82であ
った。
具体例(11) さらには、臭化水素ガスにO2やH2Oのように酸素(O)
を含んで、かつカーボンを含まないガスを添加して、他
の条件は変えずにエッチングすると、多結晶シリコンの
エッチング速度は変わらないが、酸化膜(SiO2膜)のエ
ッチング速度は10Å/min以下と遅くなり、選択比が200
以上と、より高選択比を示すドライエッチングが可能で
あった。
具体例(12) 比較のためにマスク材にレジストを用いて具体例(5)
と同じ条件で多結晶シリコン膜をエッチングした。多結
晶シリコンのエッチング速度は変わらなかったが、レジ
ストから放出されるカーボンのため、酸化膜のエッチン
グ速度が大きくなり、選択比は15と小さくなった。
具体例(13)〜(17) 比較のために、同じ臭化水素ガスを用いるがチャンバー
内壁にテフロンコートしたAlを使用し具体例(8)〜
(12)と同じ条件でエッチングした場合の結果を表4に
示す。多結晶シリコンのエッチング速度は具体例(8)
〜(11)の実施例(表3)と変わらなかったが、酸化膜
(SiO2膜)のエッチング速度が大きくなり選択比が小さ
くなった。テフロンの他にポリアセタールのような樹
脂、高純度カーボン、SiC等のカーボンを含む材料をチ
ャンバー内壁や電極表面に用いた場合も同様に、酸化膜
のエッチング速度が大きく、大きい選択比は得られなか
った。但し、具体例(17)のレジストマスクの場合はレ
ジストから放出されるカーボンの方がチャンバー内壁か
ら放出されるカーボンより多いため、選択比は具体例
(12)と同じでさらに低くはならなかった。
具体例(18)〜(23) 表5に他のガスを用いた場合の結果を示す。この時は表
3と同じカーボンフリーのチャンバーを用いても、表4
と同じカーボンを含むチャンバーを用いても同じ結果で
あった。なお、SF6で−130℃のエッチング特性は優れて
いるが、−130℃の低温でエッチングするには液体窒素
等を用いた冷却機構が必要であり、エッチング装置が複
雑で信頼性に乏しく、かつ、高価になるという問題点が
ある。
具体例(24)(25) 第4図に示したカーボンフリーなRIE装置を用いて、反
応ガス中のカーボン含分の作用を調べた。
エッチングガスには純度4−nine、不純物のうち、ガス
クロマトグラフで求めたカーボン量がCO2換算の容量比
で30ppmのHBr(臭化水素)を用い、HBr流量50SCCM、圧
力0.1Torr、高周波出力300W(単位面積あたり0.66W/c
m2)で、試料の多結晶シリコン(厚さ4000Å)をエッチ
ングした。マスクとしては厚さ4000Åのシリコン酸化膜
又はシリコン窒化膜を用いた。
結果を表6に示す。選択比は110と大きく、ウエハ温度5
0〜150℃では断面形状は垂直(テーパ角90°)にエッチ
ングされ、エッチング残もなかった。
具体例(26)(27) 比較のため、具体例(24)(25)と同じ試料、同じ装置
を用いて、エッチングガスに、純度99.8%不純物のう
ち、ガスクロマトグラフで求めたカーボン量がCO2換算
の容量比で350ppmのHBr(臭化水素)を用い、具体例(2
4)(25)と同じ、HBr流量50SCCM、圧力0.1Torr、高周
波出力300W(単位面積あたり0.66W/cm2)で、多結晶シ
リコンをエッチングした。
結果を表6に示す。エッチング形状やエッチング残、多
結晶シリコンのエッチングレートは、具体例(24)(2
5)と全く同じであったが、シリコン酸化膜のエッチン
グレートが大きく、選択比は31と具体例(24)(25)と
較べて小さくなった。
具体例(28) 具体例(24)(25)と同じ試料、同じ装置を用いて、エ
ッチングガスに、純度4−nine、不純物のうち、カーボ
ン量がCO2換算の容量比で30ppmのHBr(臭化水素)50scc
mに、カーボン分混入の効果を調べるため、容量比3000p
pmのCH4又は3000ppmのCO2を含むカーボン入りArと、カ
ーボンを含まない高純度Arを比を変えて混合したものを
5SCCM混ぜて用い、具体例(24)(25)と同じ、HBr流量
50SCCM、圧力0.1Torr、高周波出力300W(単位面積あた
り0.66W/cm2)で、多結晶シリコンをエッチングした。
エッチング形状やエッチング残、多結晶シリコンのエッ
チングレートは、具体例(24)(25)と全く同じであっ
たが、シリコン酸化膜のエッチングレートはカーボン入
りArの流量が多い程大きくなり、選択比は小さくなっ
た。結果をまとめて第5図に選択比とHBr中のカーボン
の関係を示すが、混合ガスが、CH4の場合もCO2の場合も
結果は同じで、エッチングガス中のカーボン量がCO2
算の容量比で、40ppmでは選択比は100,120ppmで選択比
は60であった。
〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、臭化水素を含むガスを用
い、ウエハ温度50℃〜150℃でエッチングすることによ
り、被加工物のエッチングレートを高くし、また高い対
SiO2選択比と幅制御とを両立させ、かつ、ゴミが少な
く、歩留りの高い垂直エッチングが行える利点がある。
また、マスク材、エッチングガスおよびプラズまないも
のを用いることにより、またさらにカーボンの含有量の
低い反応ガスを用いることにより、高い選択比でドライ
エッチングができ、またカーボンによるゴミの発生をお
さえ、クリーンなエッチングプロセスを成し得る。
なお、ここで被エッチング材料にはリン(P)をドープ
した多結晶シリコンを主に用いたが他にノンドープ、別
の不純物をドープしたn型、p型の多結晶シリコンや、
タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタ
ンシリサイドのようなシリサイドや、タングステン、モ
リブデンのような高融点金属、タングステン窒化膜、チ
タン窒化膜のような高融点金属窒化膜、単結晶シリコン
などをエッチングする場合にも適用できる。
また本発明のエッチング方法は反応性イオンエッチング
(RIE)の他に、試料をプラズマにさらす他のプラズマ
エッチング方法、具体的には平行平板プラズマエッチン
グ方法、μ波プラズマエッチング方法、エレクトロンサ
イクロトロン共鳴プラズマ(ECRプラズマ)エッチング
方法、マグネトロンプラズマエッチング方法、電子ビー
ム励起プラズマエッチング方法等にも適用できることは
いうまでもない。
また上記具体例で使用した臭素(Br2)と臭化水素(HB
r)はエッチング速度、選択比、形状等のエッチング特
性は類似しているが、臭化水素の方が蒸気圧が高く、腐
食性も少ないので、マスフローやガス配管が腐食した
り、つまったりする心配が少なく、取扱いが容易で、又
金属不純物の混入が少ないという点で優れている。
毒性の点でも許容濃度が臭素の0.1ppmに対し臭化水素は
3ppmとより安全である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法で得られるエッチング形状を示す
断面図、第2図は反応性イオンエッチング装置の模式
図、第3図はウエハ温度とテーパ角の関係を示すグラフ
図、第4図は別の反応性イオンエッチング装置の模式
図、第5図は反応ガスのカーボン分とエッチング選択比
の関係を示すグラフ図、第6図は従来例のエッチング形
状を示す断面図である。 図中、 1はシリコン基板、2は絶縁膜、3は多結晶シリコン
膜、4はレジストマスク、5はウエハ、6は静電チャッ
ク、7はローパスフィルター、8は直流電源、9は電
極、10は冷却水、11はマッチングボックス、12はRF発振
機、13はガス導入口、14は排気口、15はガス入口、16は
チャンバ、17は光ファイバ、18は蛍光温度計、19は穴、
20は蛍光物質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗本 孝志 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−32627(JP,A) 特開 昭59−100539(JP,A) 特開 昭63−141316(JP,A) 特開 昭63−238288(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に置かれた被加工物の温度を50
    ℃から150℃の範囲に保ち、カーボン分が120ppm以下の
    臭化水素を含む反応ガスのプラズマと接触させて被加工
    物を垂直エッチングすることを特徴とするエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】エッチングチャンバーのプラズマにさらさ
    れる部分にカーボンを含まない材料を配置してエッチン
    グする請求項1記載のエッチング方法。
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