JPH0770410A - 低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ - Google Patents

低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ

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JPH0770410A
JPH0770410A JP23896293A JP23896293A JPH0770410A JP H0770410 A JPH0770410 A JP H0770410A JP 23896293 A JP23896293 A JP 23896293A JP 23896293 A JP23896293 A JP 23896293A JP H0770410 A JPH0770410 A JP H0770410A
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epoxy resin
prepreg
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low temperature
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JP23896293A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Toshima
宏 戸島
Osamu Watabe
修 渡部
Hiroyuki Omae
博之 御前
Takashi Hino
隆 日野
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2官能エポキシ樹脂50〜95重量部及び2
官能より以上の多官能エポキシ樹脂5〜50重量部から
なるエポキシ樹脂(A)100重量部と、該エポキシ樹
脂(A)1当量に対して常温で潜在性を示した反応開始
温度が40〜115℃である低温硬化剤(B)0.2〜
3倍当量並びにシランカップリング剤(C)0.3〜3
重量部からなる低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組
成物並びに該低温硬化型エポキシ樹脂組成物を用いた、
50℃におけるマトリックス樹脂組成物の粘度が1,0
00〜1,000,000cpsであることを特徴とす
るエポキシ樹脂プリプレグ。 【効果】 本プリプレグ用エポキシ樹脂組成物による
と、樹脂の保存安定性、含浸性、取り扱い性、反応速度
等を損なわずに、FRP硬化物における強化繊維(主
に、ガラス繊維)と樹脂との界面接着強度を大幅に向上
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂の保存安定性等に
優れしかも強化繊維(特にガラス繊維)と樹脂との界面
接着強度に優れた成形体が得られる低温硬化型プリプレ
グ用エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いたプリプレグ
に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その硬化物の耐熱性、
弾性率、硬度及び耐薬品性等に優れており、特にアラミ
ド繊維、ガラス繊維及び炭素繊維などの強化繊維を使用
したプリプレグ用樹脂組成物として広く用いられてい
る。このようなプリプレグは種々の技術分野において広
く用いられており、特に、ゴルフクラブシャフト、釣り
竿、テニスラケットフレーム、スキー板等の製造におい
て、軽量で且つ機械的強度も高いという理由から多く利
用されている。
【0003】従来、プリプレグにはその製造法により、
プリプレグ用樹脂組成物として溶媒を用いた低粘度の含
浸液を使用するソルベント型のものと、溶媒を用いず、
ある程度の温度で流動化する高粘度のものを使用するホ
ットメルト型のものと、溶媒を用いず、室温で流動性の
ある低粘度の樹脂を使用する室温含浸型のものがある。
【0004】前述の各スポーツ部材の成形にはソルベン
ト型のプリプレグが用いられているが、ソルベント型は
溶媒を使用しているため、反応の進行により、保存安定
性やプリプレグの取扱い性が悪く、FRP成形品の物性
や表面仕上がり状態がばらつき、更に作業環境が悪いと
いう問題点をかかえている。また、室温含浸型は初期粘
度が低く均一な厚みに含浸することができないため、表
面性や取扱い性が悪く、また1000cps程度の低粘
度から100,000cps程度の高粘度へ粘度を上昇
させる必要があり、粘度上昇巾が大きいため、反応の制
御が難しく、得られるプリプレグの物性にバラツキを生
じるという欠点がある。
【0005】一方、ホットメルト型は、保存安定性が良
好である、プリプレグの取り扱い性の制御が容易であ
る、溶媒を用いないクリーンなプリプレグが得られる等
という利点を有する上に、低温速硬化による生産効率の
大幅アップや耐熱性の低いコア材との低温一体成形を可
能とするという長所がある。
【0006】現状のスポーツ分野では、例えばゴルフヘ
ッドやシャフト、各種ラケットのアーム部、更には各種
ボート等の部材にプリプレグを用いた一体型成形が行な
われているが、同成形法においては、耐熱性の低い(1
00℃以下)コア材との一体成形が主であるため、より
低温で且つ短時間で硬化・成形可能な低温硬化型プリプ
レグが熱望されている。
【0007】詳しく言うと、従来のホットメルト型のプ
リプレグでは、高温(120〜130℃)且つ長時間
(1〜2時間)を硬化に要するため、低温速硬化による
生産効率の大幅アップ、耐熱性の低いコア材との低温一
体成形が依然として不可能である。このことがプリプレ
グの用途を制限し、製造工程を非効率なものとしてい
る。
【0008】一方、ホットメルト型の低温硬化プリプレ
グを用いた場合については、本発明者らも種々の提案を
行なっている(例えば、特開平4−325518号公報
等)が、保存安定性を維持しつつ、低温(70〜100
℃)且つ短時間(20分〜1時間程度)で硬化可能であ
るため、生産効率の大幅アップ、耐熱性の低いコア材と
の低温一体成形が可能となる。更には、速硬化により硬
化成形品の表面性は著しく向上する。しかしながら、低
温硬化型プリプレグを用いた場合、樹脂の低温速硬化性
能は優れているものの、硬化温度が低いために強化繊維
と樹脂との化学的ないし物理的な結合が充分ではなく、
両者の界面接着強度が一般のプリプレグの場合と比較し
て充分に発現されないという問題点がある。これらはF
RPの曲げ物性の低下(強化繊維と樹脂との剥離破壊、
破壊後の糸ばらけ)につながり、最終製品の性能や信頼
性をも損なう可能性があり、早急に解決すべき重大な問
題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、樹脂の
保存安定性、プリプレグ製造時の強化繊維に対する樹脂
の含浸性、プリプレグの取り扱い性等を損なわずに、得
られる成形体(FRP)における樹脂相と強化繊維との
接着強度(界面強度)が大幅に改善される低温硬化型プ
リプレグ用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプ
レグを提供すること、をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、2官能
エポキシ樹脂50〜95重量部及び2官能より以上の多
官能エポキシ樹脂5〜50重量部からなるエポキシ樹脂
(A)100重量部と、該エポキシ樹脂(A)1当量に
対し常温で潜在性を示し反応開始温度が40〜115℃
である低温硬化剤(B)0.2〜3倍当量並びにシラン
カップリング剤(C)0.3〜3重量部からなることを
特徴とする低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組成物
が提供され、またシート上に、前記低温硬化型プリプレ
グ用エポキシ樹脂組成物をコーティングし、片側又は両
側から補強材を狭合しつつ50〜70℃に加熱し、含浸
させてなり、マトリックス樹脂組成物の50℃おける粘
度が1,000〜1,000,000cpsであること
を特徴とするエポキシ樹脂プリプレグが提供される。
【0011】即ち、本発明のプリプレグ用エポキシ樹脂
組成物は、主剤に2官能エポキシ樹脂95〜50部及び
2官能より以上の多官能エポキシ樹脂5〜50重量部
(両者併せて100重量部)を用い、該エポキシ樹脂1
00重量部に対して、低温硬化剤0.2〜3倍当量及び
シランカップリング剤0.3〜3重量部を添加してなる
ものとしたことから、また、該組成物を用いたプリプレ
グのマトリックス樹脂組成物の50℃における粘度が
1,000〜1,000,000cpsであるものとし
たことから、樹脂の保存安定性、プリプレグ製造時の強
化繊維に対する樹脂の含浸性、プリプレグの取り扱い
性、反応速度等を損なわずに、FRP硬化物における強
化繊維(主に、ガラス繊維)と樹脂との界面接着強度を
大幅に向上させることができるものとなる。本発明によ
って、低温硬化型樹脂の性能を、低温短時間という硬化
条件でより確実に発現させることが可能となった。
【0012】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(A)
は、2官能エポキシ樹脂95〜50部と2官能より以上
の多官能エポキシ樹脂5〜50部、併せて100重量部
からなる。2官能エポキシ樹脂には、油化シェル
(株)、住友化学(株)、旭化成(株)、大日本インキ
(株)等で上市されているbisAタイプ(ジグリシジ
ルエーテルタイプ、ジグリシジルエステルタイプ等)の
樹脂がある。これらの2官能エポキシ樹脂の具体例とし
ては、以下のものが挙げられる。 油化シェル(株) :エピコート801、802、80
7,815、819、828,834、1001、10
02、1003、1004等、 大日本インキ(株):エピクロン840、850、85
5、860、900、830等、 住友化学(株) :ELA115、127、128、
134等、 旭化成(株) :A.E.R.330、331、3
54、337、661、662等、 日本化薬(株) :RE−403S、−404S、−
410S、−310S、−304S等。
【0013】また、多官能エポキシ樹脂には、油化シェ
ル(株)、住友化学(株)、旭化成(株)、大日本イン
キ(株)等で上市されているオルソクレゾールノボラッ
クタイプ、フェノールノボラックタイプ,グリシジルア
ミン系等の2官能より以上の樹脂があり、ノボラックタ
イプではエポキシ当量170〜250、グリシジルアミ
ン系ではエポキシ当量90〜150である。これらの多
官能エポキシ樹脂の具体例としては、以下のものが挙げ
られる。フェノールノボラックタイプ: 油化シェル(株) :エピコート152(2.2官
能)、エピコート154(3.5官能+)、 大日本インキ(株):エピクロンN730(2.5官
能)、エピクロンN740(3.6官能)、エピクロン
N738〜740(3.5〜4.5官能)、 日本化薬(株) :EPPN201、RE300
等。 クレゾールノボラックタイプ: 油化シェル(株) :エピコート180シリーズ、 旭化成(株) :A.R.E273、280、29
9、 住友化学(株) :ESCN−195X、220、 大日本インキ(株):エピクロンN−665、670、
673、680、690、695、 日本化薬(株) :ECON−100、102S、1
03S、104S等。 グリシジルアミン系: 油化シェル(株) :エピコート604〔テトラグリシ
ジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)〕、 住友化学(株) :ELM−100(3官能)、EL
M−120(3官能)、ELM−434(4官能)、 大日本インキ(株):エピクロン421L(3官能)、
430(4官能)。 その他のグリシジルアミン系: トリグリシジル−p−アミノフェノール(3官能) 〔チバガイギー(株)、東部化成(株)〕 テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(4官能) 〔三菱ガス化学(株)〕 テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン(4
官能) 〔三菱ガス化学(株)〕 トリグリシジル−メタアミノフェノール(3官能) 〔住友化学(株)〕
【0014】これらの多官能エポキシ樹脂は、エポキシ
樹脂100重量部中、5〜50重量部添加されるが、1
0〜30重量部の添加が好ましい。この添加により、樹
脂とガラス繊維との界面接着強度が向上する。その理由
は、分子内官能基を多くすることにより、樹脂相とガラ
ス表面酸素官能基とのカップリンク確率が上がるためと
推定される。このことから、従来の低温硬化型樹脂の強
化繊維との界面接着性を向上するものとなる。添加量が
全エポキシ樹脂100重量部中の5重量部より少ないと
効果が現われない。逆に添加量が50重量部を越える
と、樹脂組成物の反応速度が低下する傾向が顕著とな
り、硬化不足による曲げ物性、界面強度並びにTgの低
下を招く。(過剰に添加した場合、グリシジル基の込み
合い(立体障害)により反応速度が遅くなる傾向にあ
り、70〜100℃という低温ではフルキュア不可とな
る。)
【0015】常温で潜在性を示し、反応開始温度が40
〜115℃である低温硬化剤(B)としては、例えば、
特開平3−177418号公報記載のアミン化合物とエ
ポキシ樹脂と尿素を加熱反応させてなる硬化剤化合物、
特開昭64−70523号公報記載のアミン化合物をマ
イクロカプセル化した硬化剤等が挙げられる。また、低
温硬化剤(B)の使用割合は、エポキシ樹脂(A)1当
量に対して0.2〜3倍当量である。0.2倍当量より
少ないかあるいは3倍当量より多いと、硬化が不充分で
あり、得られたプリプレグの特性発現が不充分となる。
【0016】なお、本発明でいう反応開始温度とは、D
SCを用い、昇温速度10℃/mmで昇温し、例えば図
1に示されるような発熱曲線から求められるon se
t温度を意味する。
【0017】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
シランカップリング剤(C)が配合されるが、本発明で
使用されるシランカップリング剤は、末端にトリメトキ
シシランやトリエトキシシラン等のアルコキシシランを
持ち、他端に有機相とのカップリングを可能にするエポ
キシ基(グリシジル基)やアミノ基を持つものである。
その具体例としては、例えば、末端にエポキシ基を有す
るものとして、日本ユニカー(株)で上市されているA
186〔β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ル・トリメトキシシラン〕、A187(γ−グリシドキ
シプロピル・トリメトキシシラン)などが、また末端に
アミノ基を有するものとして、A−1100(γ−アミ
ノプロピル・トリエトキシシラン)、A−1110(γ
−アミノプロピル・トリメトキシシラン)、A−112
0〔N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル・
トリメトキシシラン〕等が挙げられる。
【0018】本発明で使用されるシランカップリング剤
においては、グリシジル基はやアミノ基エポキシ樹脂の
硬化に関与して、樹脂相との結合を生成する。一方、他
端アリコキシシランは加水分解によりシラノールに変わ
り、これとガラス表面の酸素官能基(例えば水酸基)と
の重合により、ガラス繊維との結合を生成する。従っ
て、加水分解並びにその後のカップリングを促進するた
めに、水を併用添加することも好ましい(シランカップ
リング剤1部に対して、水0.2〜2部程度)。シラン
カップリング剤(C)の添加量は、エポキシ樹脂(A)
100重量部に対して0.3〜3重量部、好ましくは1
〜2重量部である。0.3重量部未満では接着強度向上
効果が小さいし、逆に3重量部を越えると物性の低下を
招く。なお、シランカップリング剤の添加は、上記範囲
内の量においては、樹脂組成物の保存安定性や硬化速度
に影響を与えない。
【0019】本発明においてエポキシ樹脂組成物をコー
ティングするシート(支持体)としては離型紙、離型フ
ィルム、金属箔等が挙げられる。離型紙は、離型性があ
り、プリプレグ製造工程における温度や張力に耐える耐
熱性や強度があるため好ましく使用される。
【0020】また、本発明のプリプレグに用いる補強繊
維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、マイカ、ア
スベスト、合成樹脂繊維、またはこれらの織布、不織布
等が挙げられるが、ガラス繊維の場合に接着強度向上効
果が著しい。これら補強繊維は、前記エポキシ樹脂組成
物に対して繊維含有率で20〜70%使用する。
【0021】更にまた、本発明のプリプレグ用エポキシ
樹脂組成物においては、諸特性を失わない程度の範囲で
充填剤、着色剤、希釈剤等の各種添加剤を配合してもよ
い。
【0022】本発明のプリプレグを製造するには、例え
ば、先ず、シートに前記エポキシ樹脂からなるプリプレ
グ用マトリックス樹脂組成物をコーティングし、樹脂コ
ートされたシートを製造する。次に該樹脂コートされた
2枚のシートを樹脂コート面を向い合わせて、間に補強
材を挾合しつつ、ホットプレスローラ等が加圧下に常温
〜70℃に加熱し含浸され、その後シートを除去するこ
とにより目的のプリプレグを得ることができる。
【0023】得られたプリプレグのマトリックス樹脂組
成物の50℃における粘度は1,000〜1,000,
000cps、好ましくは50,000〜300,00
0cpsである。1,000cpsより低くても、1,
000,000cpsより高くても、プリプレグの取り
扱い性が著しく劣る。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
多官能エポキシ樹脂及びシランカップリング剤、いずれ
も界面接着強度の向上に貢献し、上述添加量の範囲内で
併用した場合(場合によっては水も併用)には、界面接
着強度は最大となる。また、界面接着強度が低い場合
は、曲げ破壊時に樹脂と強化繊維との界面で破壊が生じ
る、いわゆる層間破壊モードでFRPが破壊するが、前
述した界面接着強度の高いFRPは、曲げ破壊モード
(引張と圧縮)で破壊する(曲げ応力付加時に層間での
破壊は生じない)。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、以下において示す部はいずれも重量基準で
ある。
【0026】実施例1 〈プリプレグの製造(ホットメルト式)〉離型紙上に、
下記組成のプリプレグ用エポキシ樹脂組成物を55℃で
コーティングし、これと、補強繊維としての一方向に配
列したガラス繊維〔旭ファイバーグラス(株)製、規格
名Eガラス繊維〕とを、ガラス繊維含有率50重量%の
割合で60℃にてラミネーションしてプリプレグを製造
した。なお、製造一週間後のプリプレグマトリックス樹
脂組成物の50℃における粘度は、156,000cp
sであった。
【0027】 〈樹脂組成〉 エピコート828 60部 〔油化シェル(株)製のグリシジルエーテルタイプエポキシ樹脂:2官能〕 エピコート1001 30部 〔油化シェル(株)製のグリシジルエーテルタイプエポキシ樹脂:2官能〕 エピコート154 10部 〔油化シェル(株)製のフェノールノボラックタイプ:3.5官能+〕 FXE1000 20部(1倍当量) 〔富士化成(株)製の低温硬化剤、反応開始温度92℃:図1参照〕 A187(シランカップリング剤) 0.5部 〔日本ユニカー(株)製のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン〕 DDM(ジアミノジフェニルメタン) 樹脂組成物の50℃における粘度 製造直後: 15,400cps 一週間後:156,000cps
【0028】〈保存安定性、取り扱い性〉得られたプリ
プレグの保存安定性、取り扱い性についてプリプレグ製
造後、常温で放置し評価した。その結果を下記表1に示
す。
【0029】
【表1】 注)○…タック性良好 △…タック性余り良くない ×…タック性悪い
【0030】〈硬化特性〉パーキンエルマー社製示差走
査型熱量計DSC−7を使用して、得られたプリプレグ
の硬化における反応率を測定した。 反応条件 反応率 70℃−5時間 85% 80℃−30分 87% 90℃−20分 90%
【0031】〈物性測定〉得られたプリプレグを厚さ2
mmになるように、カッティング、積層し、熱プレス機
を用いて90℃−20分で硬化成形した。樹脂組成物の
配合比を表2及び表3に、得られた成形体の曲げ物性を
表4に示す。なお、物性測定方法は下記の通りである。 曲げ強度及び弾性率(ASTM D790−80に準
拠) 試験片方法:2×12.7×120mm 治具半径 :圧子3.2mm 支点3.2mm 支点間距離:32mm(試験片厚み2.0mmの16
倍) 試験速度 :3.0mm/min ILSS※(ASTM D2344に準拠) 試験片方法:2×6×12mm 治具半径 :圧子5mm 支点2mm 試験速度 :2.0mm/min ※同測定値は、強化繊維と硬化樹脂層との界面接着強度
を表わす。
【0032】実施例2〜4 実施例1において、シランカップリング剤A187の配
合量を1.0部、2.0部及び3.0部としたこと以外
は、実施例1と同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂
組成物を調整し、それを用いてプリプレグの製造及び成
形体の製造を行ない、評価した。
【0033】実施例5〜6 実施例1において、シランカップリング剤A187の配
合量を1.0部とし、これに更に水を1.0部及び2.
0部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、プリ
プレグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、それを用いてプ
リプレグの製造及び成形体の製造を行ない、評価した。
【0034】実施例7〜9 実施例1において、シランカップリング剤をA186に
変え、それを1.0部、2.0部及び3.0部配合した
こと以外は、実施例1と同様にして、プリプレグ用エポ
キシ樹脂組成物を調整し、それを用いてプリプレグの製
造及び成形体の製造を行ない、評価した。
【0035】実施例10 実施例7において、更に水を1部添加したこと以外は、
実施例7と同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成
物を調整し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体
の製造を行ない、評価した。
【0036】実施例11〜12 実施例2において、多官能エポキシ樹脂エピコート15
4の配合量を30部及び50部とし、2官能エポキシ樹
脂エピコート828の配合量を40部及び20部とした
こと以外は、実施例2と同様にして、プリプレグ用エポ
キシ樹脂組成物を調整し、それを用いてプリプレグの製
造及び成形体の製造を行ない、評価した。
【0037】実施例13 実施例2において、2官能エポキシ樹脂エピコート82
8の配合量を30部及び同エピコート1001の配合量
を60部とし、且つ低温硬化剤をHX3722〔旭化成
(株)製〕30部(1.0倍当量)に変え、更にDDM
を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、
プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、それを用い
てプリプレグの製造及び成形体の製造を行ない、評価し
た。
【0038】実施例14 実施例13において、多官能エポキシ樹脂エピコート1
54の配合量を30部とし、2官能エポキシ樹脂エピコ
ート828の配合量を10部としたこと以外は、実施例
13同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調
整し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造
を行ない、評価した。
【0039】実施例15 実施例14において、多官能エポキシ樹脂エピコート1
54の配合量を50部とし、2官能エポキシ樹脂エピコ
ート1001の配合量を40部としたこと以外は、実施
例14同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を
調整し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製
造を行ない、評価した。
【0040】実施例16 実施例2において、多官能エポキシ樹脂エピコート15
4をエピコート152(フェノールノボラックタイプ、
2.2官能)10部に変更したこと以外は、実施例2同
様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、
それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を行な
い、評価した。
【0041】実施例17 実施例16において、多官能エポキシ樹脂エピコート1
52の配合量を30部に、且つ2官能エポキシ樹脂エピ
コート828の配合量を40部に変更したこと以外は、
実施例16と同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組
成物を調整し、それを用いてプリプレグの製造及び成形
体の製造を行ない、評価した。
【0042】実施例18 実施例17において、多官能エポキシ樹脂エピコート1
52を同エピコート604(グリシジルアミン系、4官
能)30部に変更したこと以外は、実施例17と同様に
して、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、それ
を用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を行ない、
評価した。
【0043】比較例1 実施例1において、、多官能エポキシ樹脂エピコート1
54及びシランカップリング剤A187を使用せず、2
官能エポキシ樹脂エピコート828の使用量を70部と
したこと以外は、実施例1と同様にして、プリプレグ用
エポキシ樹脂組成物を調整し、それを用いてプリプレグ
の製造及び成形体の製造を行ない、評価した。なお、樹
脂組成物の配合比を表5及び表6に、得られた成形体の
曲げ物性を表7に、夫々示す。
【0044】比較例2〜4 比較例1において、多官能エポキシ樹脂エピコート15
4を10部、30部及び50部配合し、2官能エポキシ
樹脂エピコート828の配合量を60部、40部及び2
0部としたこと以外は、比較例1と同様にして、プリプ
レグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、それを用いてプリ
プレグの製造及び成形体の製造を行ない、評価した。
【0045】比較例5〜6 比較例1において、シランカップリング剤A187を
1.0部及び2.0部添加したこと以外は、比較例1と
同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整
し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を
行ない、評価した。
【0046】比較例7〜8 比較例1において、シランカップリング剤A186を
1.0部及び2.0部添加したこと以外は、比較例1と
同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整
し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を
行ない、評価した。
【0047】比較例9〜10 比較例5において、多官能エポキシ樹脂エピコート15
4を3部及び70部配合し、2官能エポキシ樹脂エピコ
ート828を67部及び10部、並びに同エピコート1
001を30部及び20部配合したこと以外は、比較例
5と同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調
整し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造
を行ない、評価した。
【0048】比較例11〜12 比較例2において、シランカップリング剤A187を
0.2部及び5.0部添加したこと以外は、比較例2と
同様にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整
し、それを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を
行ない、評価した。
【0049】比較例13 比較例1において、低温硬化剤をHX3722−30部
に変更し、2官能エポキシ樹脂の配合量をエピコート8
28−40部及びエピコート1001−60部とし、更
にDDMを使用しなかったこと以外は、比較例1と同様
にして、プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を調整し、そ
れを用いてプリプレグの製造及び成形体の製造を行な
い、評価した。
【0050】比較例14 実施例1において、エポキシ樹脂(エピコート828、
エピコート1001及びエピコート154)を多官能エ
ポキシ樹脂エピコート154−100部に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして、プリプレグ用エポキシ
樹脂組成物を調整し、それを用いてプリプレグの製造及
び成形体の製造を行ない、評価した。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0056】
【発明の効果】本発明のプリプレグ用エポキシ樹脂組成
物は、2官能エポキシ樹脂50〜95重量部及び2官能
より以上の多官能エポキシ樹脂5〜50重量部からなる
エポキシ樹脂(A)100重量部と、該エポキシ樹脂
(A)1当量に対し常温で潜在性を示し反応開始温度が
40〜115℃である低温硬化剤(B)0.2〜3倍当
量並びにシランカップリング剤(C)0.3〜3重量部
からなるものとしたことから、また、該組成物を用いた
プリプレグのマトリックス樹脂組成物の50℃における
粘度が1,000〜1,000,000cpsであるも
のとしたことから、樹脂の保存安定性、含浸性、取り扱
い性、反応速度等を損なわずに、FRP硬化物における
強化繊維(主に、ガラス繊維)と樹脂との界面接着強度
を大幅に向上させる。本発明により低温硬化型樹脂の性
能を、低温短時間という硬化条件でより確実に発現させ
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7で用いた低温硬化剤FXE−1000
〔富士化成(株)〕の反応開始温度を算出するグラフで
ある。
フロントページの続き (72)発明者 日野 隆 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2官能エポキシ樹脂50〜95重量部及
    び2官能より以上の多官能エポキシ樹脂5〜50重量部
    からなるエポキシ樹脂(A)100重量部と、該エポキ
    シ樹脂(A)1当量に対し常温で潜在性を示し反応開始
    温度が40〜115℃である低温硬化剤(B)0.2〜
    3倍当量並びにシランカップリング剤(C)0.3〜3
    重量部からなることを特徴とする低温硬化型プリプレグ
    用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シート上に、請求項1記載の低温硬化型
    プリプレグ用エポキシ樹脂組成物をコーティングし、片
    側又は両側から補強材を狭合しつつ50〜70℃に加熱
    し、含浸させてなり、マトリックス樹脂組成物の50℃
    おける粘度が1,000〜1,000,000cpsで
    あることを特徴とするエポキシ樹脂プリプレグ。
JP23896293A 1993-08-31 1993-08-31 低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ Pending JPH0770410A (ja)

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EP0826481A2 (en) * 1996-08-27 1998-03-04 Daiwa Seiko Inc. Pipe-shaped body
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JP2015117352A (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 本田技研工業株式会社 繊維強化樹脂成形品の製造方法

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