JPH077032B2 - 静電気放電検知装置 - Google Patents

静電気放電検知装置

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JPH077032B2
JPH077032B2 JP770991A JP770991A JPH077032B2 JP H077032 B2 JPH077032 B2 JP H077032B2 JP 770991 A JP770991 A JP 770991A JP 770991 A JP770991 A JP 770991A JP H077032 B2 JPH077032 B2 JP H077032B2
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electrostatic discharge
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敏光 高井
実 金子
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Hitachi Electronics Services Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯可能で比較的簡単
な装置により、電子機器の障害の原因となっていると見
られる静電気放電を、その他の雑音から識別して容易に
検知できるようにした静電気放電検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理装置や通信装置などの電子機器
は、静電気放電や電源の開閉や放送用の無線電波などの
電磁干渉(EMI)によって誤動作することがあり、誤
動作するものが例えばロボットの場合など、時には人身
障害などの重大な問題を生ずる恐れがある。従って、電
子機器は、このようなEMIに対して十分な対策を施し
ておく必要がある。しかし、一様にEMI対策といって
も其の原因によって対策方法が必ずしも同一ではなく、
しかも夫々かなりな費用を要するから、ある電子機器が
影響を受けている場合には、そのEMI源が何であるか
を検知、分析して、それに応じて対策する必要がある。
一方、現在EMIの存在を検知し分析するための機器と
して、例えば、トランジェント・ディジタイザ、高周波
電磁界検出装置、電界強度測定器、電力密度計、EMI
測定器、スペクトラム・アナライザなど種々あるが、非
常に高価なものもあり、また一般にこれらの機器はEM
Iが存在することを示すだけで、どのような原因による
ものであるかの識別は出来なかった。また、通常これら
の機器は、それだけではEMIが生じた時刻の記録をと
ることが出来ず、無人による自動観測が出来ず、何時発
生するか分からないEMIを捕捉することは困難であ
り、電子機器の誤動作とEMIの関係を明らかにするに
は不具合であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その発生が
不定期で且つ再現性の低い静電気放電について、種々の
EMI源の中から選択的に静電気放電の発生を検出し、
また其の放電の規模(レベル)を発生時刻と共に記録
し、静電気放電を原因とする電子機器の誤動作の対策に
広く利用できるようにした静電気放電検知装置を提供す
ることを目的とする。 これは、近年、環境の中に静電
気帯電を生じさせるような材料が広範に使用されるよう
になり、他方、あらかじめ想定したEMI源に対して或
る程度の対策を講じておいても、急速に進歩する電子機
器には、従来よりもEMIに対して繊細な一層感じ易い
ものを無意識に使用している場合が多々あるからであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、静電気放電によって生じた電磁波
により其の電界強度に応じた電圧が誘起されるアンテナ
と、その電圧を増幅する増幅回路と、増幅回路出力を検
波する検波回路と、検波回路出力を複数の基準レベル夫
々と比較して、基準レベルを越えていれば出力する複数
の基準レベル毎に設けた比較器よりなる比較回路と、比
較回路の出力を入力して其の入力継続時間が第1の特定
時間を越えず且つ1回の入力が終了してから第2の特定
時間が経過するまでに次の入力は起こらないという条件
に合致した入力だけを静電気放電に起因するものとして
出力する静電気放電識別回路と、比較回路の出力と静電
気放電識別回路の出力とに応じて、どのレベルの静電気
放電を検知したかを示す指示装置と、指示装置の出力と
内蔵する時計により静電気放電の発生、レベル、及び発
生時刻を記録する記録装置とで、静電気放電検知装置を
構成させることにした。
【0005】
【作用】上記のように、現在、電子機器、特にコンピュ
ータなどのディジタル機器はEMIの影響を受け易いの
で、その対策も種々考えられており、例えば特開昭58
−42977号公報には、EMIの誘導項を主として受
信する超小形アンテナと、該アンテナに誘起された電圧
を増幅するための増幅器と、該増幅器の出力を所定の基
準レベルと比較して該出力が該基準レベルを越えたこと
を示す信号を出力する比較回路と、該比較回路からの前
記信号を受けてそれを指示するための指示装置とを備え
ることを特徴とする高周波電磁界検出装置が開示されて
いる。この技術では、EMIの検出のために高周波電磁
界を受信するのに、放射磁界を主としてとらえる同調ア
ンテナを使用する代りに、むしろ誘導磁界を主としてと
らえるという考え方をした方が有効であるとして、長さ
10mmの超小形アンテナを使用して、例えば静電気放
電を其の放電場所の近傍数十cm程度のところで捕捉す
ることを狙っている。しかし、他の多くの静電気放電の
研究の結果によれば、静電気放電によって生じる電磁波
には広い周波数帯域のものが含まれており、あまり周波
数にこだわる必要はなく、100MHz近傍をかなり広
い範囲にカバー出来る受信装置が適しているとされ、本
発明者の実験によっても同様に認められたので、本発明
装置では、75cmの広帯域アンテナにより、30〜2
30MHzの周波数帯域の電磁波を検知するようにし
た。勿論、周波数に鋭敏な同調回路を用いた増幅器の使
用は避けた。75cm程度のロッドアンテナならば不使
用時に短く出来る構造にしておけば携帯使用にも不便は
なく、この程度の長さがある方が感度が向上し、実用上
便利だからである。
【0006】また、EMIの電磁波が存在しても其の電
界強度が弱く、実際に電子機器に障害を起こさせなけれ
ば問題にならないから、本発明においても比較回路を設
けて、ある程度以上の電界強度を有する電磁波だけを対
象にすることにしたが、其の場合に本発明者の実験、研
究に基づいて、3.2mV/m以上を低レベル、10m
V/m以上を中レベル、31.6mV/m以上を高レベ
ルとして、出力するようにした。本発明者は、コンピュ
ータなどの障害原因を調査した結果、比較的近傍、例え
ば数メートルの距離における静電気放電が原因になって
いる場合が多いのではないかと考えて上記レベルを設定
した。
【0007】また、静電気放電により生じた電磁波の識
別は、一般に静電気放電は非常に短い時間内に終了する
事象であり、静電気放電によって現われるパルスの幅も
やはり短く(数百ns程度)、また放電母体の静電容量
は、通常、200pF以下であって、放電が1回生じた
のちしばらくの間は次回の放電は生じない。これに対し
て、電源の開閉に際して生ずる電磁波は、一般に放電回
数は継続して複数回であり、静電気放電に比べると継続
時間が長い。更に、放送波や無線電波の場合は静電気放
電に比較して非常に長い時間(数ms〜数s)継続す
る。従って本発明では、比較回路から出力された静電気
放電によるパルスの幅は、短く、且つ、単発であるとい
う識別原理によって静電気放電に起因するEMIの電磁
波を識別することにした。本発明者は、実験研究の結
果、本発明に係る静電気放電識別回路では、上記パルス
の幅(第1の特定時間)が10μsを越えず、且つ、1
回の放電が生じたのち、しばらくの間(第2の特定時
間)即ち30μs経過するまでは次回の放電が生じなか
った場合だけを静電気放電によるものとして識別するこ
とにした。但し、本発明静電気放電検知装置では、アン
テナから静電気放電識別回路に至るまでにアンテナ出力
は何種類もの回路で処理されているから、上記数値は本
発明に係る静電気放電識別回路で識別の基準として採用
して実用上良好な結果が得られたというだけであって、
静電気放電が実際にそのように発生しているというもの
ではない。
【0008】なお、近年、大容量LSIメモリの開発、
実用化が急速に進んでおり、コンピュータ保守業務など
で、一般に、障害発生の状態や、それに対する保守業務
の状態を記録するための記録媒体としてICカードを使
用する機運にあるので、本発明静電気放電検知装置で
も、記録媒体として同様にICカードを使用することに
した。
【0009】
【実施例】図1(a)は本発明一実施例のブロック図を
示す。本実施例静電気放電検知装置の近辺でEMI源か
ら電磁波が発生されると、アンテナに其の電磁波の電界
強度に比例した電圧が誘起される。その誘起電圧はアン
テナ整合部を通り、増幅回路に入り、その増幅回路によ
って、例えば、電圧利得100倍に増幅され、検波回路
に入り、検波され振幅に応じたアナログ信号に変換され
る。変換されたアナログ信号は、比較回路の3個の比較
器それぞれの一方の入力に入れられる。3個の比較器そ
れぞれの他方の入力には、受信した電磁波が、やっと実
際に障害を引き起こすと見られる程度以上か、中位か、
強いか、を区別するために、低レベル、中レベル、高レ
ベルの基準レベル電圧が与えれれている。アンテナに誘
起された電圧に対応する増幅され検波された出力アナロ
グ信号が、或る比較器の一方に加えられると、他方の入
力に与えられている上記基準レベルと比較され、この基
準レベルよりもアナログ信号が大きければ其の比較器
は、入力のレベルが基準レベルを越えていることを示す
信号を出力する。比較回路から出力された信号は、静電
気放電識別回路に入れられ、信号波形が静電気放電に起
因する場合の上記条件を満たしているか否かがチェック
され、満たしていれば其の入力信号は静電気放電に起因
するものとして出力される。比較回路の出力と静電気放
電識別回路の出力により、指示装置の静電気放電検知表
示用の発光ダイオードが点灯され、また静電気放電発生
を知らせるブザーが鳴る。このブザーには切替スィッチ
がついており、ブザー音を消すこともできる。制御装置
は指示装置の出力を常時監視しており、静電気放電が検
知され、指示装置から信号が出力されると、制御装置に
内蔵された時計の時刻と指示装置の出力とを併せて記録
装置に記録し、表示装置に記録内容を表示する。記録終
了後、制御装置からリセット信号を出力し、静電気放電
検知装置の各部たとえばフリップフロップなどをリセッ
トし、次の静電気放電の検知に備える。リセットを手動
リセットボタンで行なうこともできる。
【0010】図1(b)は同実施例の外観図で、左側に
静電気放電検知部を、右側に制御、記録、表示部を、中
央に前記両者を接続するインタフェースケーブルを示
す。本実施例では静電気放電検知部と制御記録表示部が
別々になっているが一体にしても勿論差支えない。制御
記録表示部のボタンは内蔵する時計の時刻合わせなどに
用いる。表示には液晶表示装置を用いた。ロッドアンテ
ナは3段に伸ばして使用するようになっており、携帯に
際しては、短くして静電気放電検知部の図の左方に見え
る凹みの中に収納する。
【0011】図2は本発明静電気放電検知装置の中核と
なる静電気放電識別回路のブロック図で、破線に囲まれ
た部分が静電気放電識別回路1で、破線の枠外の左上部
に比較回路の一部である比較器を示す。此の比較器はア
ナログ信号入力を、低レベル(電界強度3.2mV/m
に対応)の基準レベル電圧と比較する。比較器を構成す
る2個の演算増幅器20、21のうち、演算増幅器20
は低レベルの基準レベル電圧を発生させ、演算増幅器2
1が上記アナログ信号入力を上記低レベルの基準レベル
電圧と比較し、アナログ信号入力の方が大きければ、負
の電圧を出力してLDと表示した信号の電位を立下げる
(信号LDは通常は高、比較回路が出力したとき低にな
る)。直列接続したインバータ22、23はバッファ回
路として作用する。
【0012】破線枠内の静電気放電識別回路1は、上記
比較器の出力信号LDに対し、それが立ち下がって低に
なっている期間が10μsを越えないか、信号LDが1
回立ち下がり立ち上がって(静電放電などによる電磁波
の継続発生が1回終了したことを示す)から次のLDの
立ち下がり開始までに30μs以上経過しているかとい
う静電気放電の識別条件に合致しているか否かを調べ
る。10μs以内というのは静電気放電ならば短時間で
終了する筈という条件であり、30μs以上経過という
のは静電気放電ならば繰り返して何回も生じない(単
発)筈という条件である。
【0013】LDが立ち下がり低になることによって、
RSラッチ10はとにかく一旦セットされ、Q出力が立
ち上がり高になるが、もし入力された信号が上記静電気
放電識別の2条件を満たしていなければ、間もなくリセ
ットされることになる。静電気放電識別回路1は、上記
RSラッチ10の他に、単安定マルチバイブレータ2、
3、アンドゲート4、8、9、D形フリップフロップ
5、6、7などを備えている。単安定マルチバイブレー
タ2のQの論理否定出力信号をRE、単安定マルチバイ
ブレータ3のQの論理否定出力信号をFE、アンドゲー
ト4の出力信号をTRGT、D形フリップフロップ5の
Qの出力信号をLONG、D形フリップフロップ6のQ
の出力信号をONE、D形フリップフロップ7のQの論
理否定出力信号をTWO、アンドゲート8の出力信号を
CACLと呼ぶことにする。アンドゲート8の出力CA
CL(キャンセル)が立ち下がっていれば、RSラッチ
10はリセットされ、Q出力は立ち下がる。D形フリッ
プフロップ5の出力LONGは、基準レベル以上のアン
テナ入力があったことを示す信号LDの低の時間が10
μsをこえた場合に低となって、アンドゲート8の出力
CACLを低とし、RSラッチ10をリセットして出力
Qを立ち下がらせ低にする。また、D形フリップフロッ
プ7の出力TWOは、30μs以内に信号LDの2度目
の立下りが生じた(アンテナ入力が短い時間内に2度生
じた即ち単発ではない)ときに立下って低となり、たと
え信号LONGが高の状態(その前の信号LDの低の状
態の時間が10μs以内であったことを示す)であって
もアンドゲート8の出力CACLを低とし、RSラッチ
10のQ出力を立ち下がらせ低にする。
【0014】図3はアンテナが電磁波を検知して信号L
Dが低となったが、その継続時間(パルス幅)は10μ
s以内であった場合の上記各信号の状態を示す図、図4
は信号LDが低となっていた時間が10μsを越えてい
た場合の各信号の状態を示す図、図5は信号LDに一度
立下りパルスが現われてから30μsを経過しない間に
再度立下りパルスが生じた場合の各信号の状態を示す図
である。実際には、入力信号が、増幅器、インバータ、
マルチバイブレータ、フリップフロップ、アンドゲート
などを動作させ、立ち下がったり、立ち上がったりする
際に必ずある程度の時間を必要とするが、これらの図は
其のような時間遅れはすべて省略して描いてある。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、極
めて容易に所望の場所で、静電気放電による電磁波を他
のEMI源による電磁波から識別して、静電気放電の発
生時刻、その程度などを記録することができるので、従
来は静電気放電に起因するのではないかと疑惑をもちな
がら、確固とした対策を立てるのが困難であった静電気
放電に起因してコンピュータなどの電子機器に発生した
障害を、本発明装置による記録を電子機器側の障害の記
録と照合することにより、電子機器の障害対策を無駄な
く効果的に行なうのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明一実施例のブロック図、(b)
は同実施例の外観図である。
【図2】本発明に係る静電気放電識別回路のブロック図
である。
【図3】 信号LDが低となっが、その継続時間(パルス
幅)は10μs以内であった場合の各信号の状態を示す
図である。
【図4】 信号LDが低となっていた時間が10μsを越
えた場合の各信号の状態を示す図である。
【図5】 信号LDに一度立下りパルス現れてから30μ
s経過しない間に再度立下りパルスが生じた場合の各信
号の状態を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電気放電によって生じた電磁波により其
    の電界強度に応じた電圧が誘起されるアンテナと、その
    電圧を増幅する増幅回路と、増幅回路出力を検波する検
    波回路と、検波回路出力を複数の基準レベル夫々と比較
    して基準レベルを越えていれば出力する複数の基準レベ
    ル毎に設けた比較器よりなる比較回路と、比較回路の出
    力を入力して其の入力継続時間が第1の特定時間を越え
    ず且つ1回の入力が終了してから第2の特定時間が経過
    するまでに次の入力は起こらないという条件に合致した
    入力だけを静電気放電に起因するものとして出力する静
    電気放電識別回路と、比較回路の出力と静電気放電識別
    回路の出力とに応じて、どのレベルの静電気放電を検知
    したかを示す指示装置と、指示装置の出力と内蔵する時
    計により静電気放電のレベル及び発生時刻を記録する記
    録装置とを備えていることを特徴とする静電気放電検知
    装置。
  2. 【請求項2】広帯域アンテナを備え、30〜230MH
    zの周波数帯域の電磁波を検知するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の静電気放電検知装置。
  3. 【請求項3】比較回路が、検知した電磁波の電界強度
    が、3.2mV/m以上に対する入力を低レベル、10
    mV/m以上に対する入力を中レベル、31.6mV/
    m以上に対する入力を高レベルとして、出力するように
    したことを特徴とする請求項1記載の静電気放電検知装
    置。
  4. 【請求項4】比較回路の最低基準レベルを越えた出力を
    入力し、第1の特定時間を10μs、第2の特定時間を
    30μsとして、アンテナが検知した電磁波が静電気放
    電に起因するか否かを識別するようにした静電気放電識
    別回路を備えていることを特徴とする請求項1記載の静
    電気放電検知装置。
  5. 【請求項5】記録装置の記録媒体としてICカードを用
    いたことを特徴とする請求項1記載の静電気放電検知装
    置。
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