JPH0770182A - クローン化グルタミン酸デカルボキシラーゼ - Google Patents

クローン化グルタミン酸デカルボキシラーゼ

Info

Publication number
JPH0770182A
JPH0770182A JP4158195A JP15819592A JPH0770182A JP H0770182 A JPH0770182 A JP H0770182A JP 4158195 A JP4158195 A JP 4158195A JP 15819592 A JP15819592 A JP 15819592A JP H0770182 A JPH0770182 A JP H0770182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gad
polypeptide
amino acid
polypeptides
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4158195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4072922B2 (ja
Inventor
Allan J Tobin
ジェイ トビン アラン
Mark G Erlander
ジー アーランダー マーク
Daniel L Kaufman
エル カーフマン ダニエル
Michael J Clare-Salzler
ジェイ クラレ−サルズラー マイケル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of California
Original Assignee
University of California
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of California filed Critical University of California
Publication of JPH0770182A publication Critical patent/JPH0770182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4072922B2 publication Critical patent/JP4072922B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/52Genes encoding for enzymes or proenzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y401/00Carbon-carbon lyases (4.1)
    • C12Y401/01Carboxy-lyases (4.1.1)
    • C12Y401/01015Glutamate decarboxylase (4.1.1.15)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/88Lyases (4.)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/04Endocrine or metabolic disorders
    • G01N2800/042Disorders of carbohydrate metabolism, e.g. diabetes, glucose metabolism

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自己免疫疾患の診断及び治療に有用なグルタ
ミン酸デカルボキシラーゼポリペプチドを提供する。 【構成】 以下のアミノ酸配列を有する単離されたポリ
ペプチド、又はその類似体、化学誘導体、若しくは医薬
的に許容される塩。 X−Pro−Glu−Val−Lys−Y−Lys−Z (式中、Xは1から10個のアミノ酸から選択されるア
ミノ酸配列であるか、或いは省略されており;YはTh
r又はGluであり;そしてZは1から8個のアミノ酸
から選択されるアミノ酸配列であるか、或いは省略され
ている)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、1990年9月21日出願の
U.S.Serial No.07/586,536の
一部継続出願である。
【0002】本発明はNational Instit
utes of Healthからの基金NS2225
6によって支援されたものである。アメリカ合衆国政府
は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
【産業上の利用分野】本発明はグルタミン酸デカルボキ
シラーゼ65(GAD65)ポリペプチドの発現のために、
GAD65で宿主生物を形質転換する組み換えDNA手法
の使用に関する。また、GAD65ポリペプチドを、自己
免疫疾患において診断的及び治療的に使用する方法も包
含する。
【0004】
【従来の技術】インシュリンー依存性真性糖尿病(in
sulin−dependent diabetes
mellitus:IDDM;I型糖尿病)は、最も普
遍的な代謝性疾患の一つである。アメリカ合衆国では、
IDDMはおよそ300から400人に1人の割合で見
られ、疫学的研究によると、この疾患は増加しているこ
とを示唆している。この疾患は膵臓のインシュリン生産
性β−細胞の自己免疫破壊の結果生じる。更に特定すれ
ば、この疾患の始まる前段階は、リンパ球が膵臓のラン
ゲルハンス島に浸潤し、βー細胞を選択的に破壊す
る、”インスリティス”という状態を特徴とする。典型
的なIDDMの過血糖症は、インシュリンー生産性βー
細胞の少なくとも80%がうしなわれた後に、初めて現
れる。残りのβー細胞は次の数年間に破壊される。
【0005】インシュリン治療によって大半のIDDM
患者は普通の生活を送ることができるが、この補充は不
完全なものであって、代謝恒常性を完全に元に戻すもの
ではない。従って、目、腎臓、心臓、及びその他の器官
の機能低下に至る深刻な合併症が、インシュリン治療を
受けているIDDM患者には多い。このために、β−細
胞破壊の開始時と、実際にインシュリン補充が必要とな
る時(即ち、βー細胞の80%が破壊されたとき)との
間の潜伏期間を伸ばすこと(例えば、免疫抑制剤の投与
によって)が極めて望ましい。従って、βー細胞破壊の
開始を決定する診断テストがあれば、医者が潜伏期間を
伸ばすための免疫抑制剤を投与することができ(Silver
stein et al., New England Journal of Medicine, 31
9:599-604, 1988) 、それによってインシュリン補充に
よる副作用の開始を遅らせることができる。
【0006】IDDM患者の多くは、64kD分子(Ba
ekkeskov et al., J.Clin.Invest.79:926-934, 1987; A
tkinson et al., Lancet, 335:1357-1360, 1990) 、島
細胞細胞質(islet cell cytoplas
mic:ICA)分子又は島細胞表面(islet c
ell surface:ICSA)分子(Bottazzoet
al., Lancet, 1:668-672, 1980) 、或いはインシュリ
ン(Palmer et al., Science, 222:1137-1139, 1983; A
tkinson et al., Diabetes, 35:894-898, 1986) に対す
る抗体を含む血清を有している。Atkinsonとそ
の共同研究者ら(Atkinson et al., Lancet, 335:1357-
1360, 1990) は、ヒト血清中における64kD分子に対
する抗体の存在が、IDDM症状が実際に起きる始まり
についての、最も初期でかつ最も信頼できる指標である
ことを示した。
【0007】最近になって、Baekkeskovとそ
の共同研究者らは、64kD分子と、グルタミン酸デカ
ルボキシラーゼ(GAD)とは幾つかの共通の抗原エピ
トープを有しており、従ってこれらは同じものである
か、或いは非常によく似た分子である、ということを確
立した。この同定は重要な発見ではあるが、GADの分
子生物学に関する知識が未知である限りは、この情報を
IDDM予知の診断法として用いることは極めて厄介で
あり、かつ限定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、大量の64k
D分子、又は64kD分子と抗原的に実質的に同一なG
AD分子をクローニングし、次いで生産することができ
れば、IDDM予知のための診断キットの開発が可能と
なろう。本発明は、かかる結果を達成するための手段を
提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、組み換えDN
A手法を用いて真核性GAD65ポリペプチドの生産が可
能であり、かつGAD65ポリペプチドを自己免疫疾患の
患者の診断及び治療に用い得るという知見に基づいてな
された。特定すれば、クローン化真核性GAD65ポリペ
プチドを、インシュリン依存性真性糖尿病(IDDM)
を有する患者、或いは有する危険性のある患者の診断に
用いることに関する。
【0010】本発明の主な利点は、天然の真核性GAD
65ポリペプチドをその他の真核性非−GAD65ポリペプ
チドから分離する際に、その単離に関して生じる問題を
回避しつつ、天然源から精製したものに対応する真核性
GAD65ポリペプチドの容易な生産源を当業界に提供す
ることである。その他の真核性非−GAD65ポリペプチ
ドが存在しないということは、GAD65ポリペプチドと
特異的に反応する抗体のみを検出する試験システムの開
発が可能となるので、重要なことである。
【0011】宿主細胞中において真核性GAD65ポリペ
プチドを提供する他の利点は、そうすることによって天
然源から現在実際に得られているよりも、はるかに大量
のポリペプチドを得ることが可能となることである。そ
の結果、本発明のポリペプチドを用いてIDDMのよう
な自己免疫疾患を有する患者をより正確に分類すること
が可能となるばかりでなく、診断システムに使用するた
めの商業的に使用可能な量のGAD65ポリペプチドを提
供することも可能となる。
【0012】本発明は、グルタミン酸デカルボキシラー
65(GAD65)に対する自己抗体と結合するための、
1又はそれ以上のエピトープ(抗原決定基)の1次構造
コンホメーションの一部又は全てを有するポリペプチド
の生産を可能にする組み換え手法によって、遺伝的物質
を操作することに関する。これらのポリペプチドは、こ
れと反応する自己抗体を免疫学的に検出するのに極めて
有用である。なぜなら、このような自己抗体は、インシ
ュリン依存性真性糖尿病や”スティッフマン(stif
f man)”症候群のような自己免疫疾患の指標とな
るからである。これらのポリペプチドは、GAD機能を
変えるようなスクリーニング医薬として、また、GAD
65を診断的に検出するために用いるポリクローナル及び
モノクローナル抗体の製造用としても使用できる。
【0013】DNAベクター中にスプライシングするた
めの真核性GAD65ポリペプチドをコードする特異的D
NA配列の作製は各種の方法を用いて実施できる。例え
ば、(1)真核生物のゲノムDNAから二本鎖DNA配
列を単離する;(2)興味のあるポリペプチドにとって
必要なコドンを提供するためのDNA配列を化学的に製
造する;及び(3)真核生物ドナー細胞から単離したm
RNAの逆転写によってin vitroで二本鎖DN
A配列を合成する、といった方法を含む各種の方法を用
いることができる。後者の場合、実際には、cDNAと
一般に呼ばれる、mRNAと相補的な二本鎖DNAが形
成される。
【0014】所望のポリペプチド産物のアミノ酸残基の
全配列が公知の場合には、DNA配列の製造方法はしば
しば選択の問題である。所望のポリペプチドのアミノ酸
残基の全配列が公知でない場合には、DNA配列の直接
製造は不可能で、選択しうる方法はcDNA配列の形成
である。興味のあるcDNA配列を単離するための標準
的方法には、高レベルでの遺伝子発現を有するドナー細
胞中に豊富にあるmRNAの逆転写に由来する、プラス
ミド運搬性のcDNAライブラリーを形成することがあ
る。ポリメラーゼ鎖反応法と組み合わせて用いると、ま
れな発現産物でもクローニングすることができる。ポリ
ペプチドのアミノ酸配列の重要な部分が公知の場合に
は、ターゲットのcDNA中に存在すると推定される配
列と重複するような、ラベルした一本鎖又は二本鎖DN
A又はRNAプローブ配列を作成して、あらかじめ一本
鎖形に変性しておいたcDNAのクローン化コピー上で
行うDNA/DNAハイブリダイゼーション法を用いる
ことができる(Jay et al.,Nucleic Acid Research, 1
1:2325, 1983) 。
【0015】ラベルした混合合成オリゴヌクレオチドプ
ローブを用いることによって(ここで各プローブは、変
性化二本鎖DNAの異種混合物を含むハイブリダイゼー
ションサンプル中において、特定のDNA配列の完全な
相補体である可能性がある)、ハイブリダイゼーション
法は組み換え体クローンをスクリーニングするのに有用
である。このようなスクリーニングのためには、ハイブ
リダイゼーションは、一本鎖DNAか、或いは変性化二
本鎖DNAのいずれかで実施するのが好ましい。このよ
うな方法は、興味のあるポリペプチドと関連するmRN
A配列の量が極めて少ししか存在しない材料に由来する
cDNAクローンを検出する際には特に有用である。言
い換えると、非−特異的な結合を避けるための緊縮的(s
tringent) ハイブリダイゼーション条件を用いることに
よって、例えば、ターゲットDNAがその完全な相補体
である、混合物中の1個のプローブとハイブリダイゼー
ションすることによって、特定のcDNAクローンをオ
ートラジオグラフで可視化することができるようになる
(Wallace et al., Nucleic Acid Research, 9:879, 19
81) 。
【0016】更に、各種cDNAをオーサイト(oocyte)
に注入して、cDNA遺伝子産物の発現が起きるのに十
分な時間をおき、そして所望のcDNA発現産物の存在
を、例えばGAD65に, 特異的な抗体を用いるか、或い
はGAD65酵素活性の機能的ッセイを用いることによっ
て試験することにより、GAD cDNAライブラリー
をスクリーニングすることができる。
【0017】若しくは、GAD65に対する抗体を用い
て、少なくとも1個のエピトープを有するGAD65ペプ
チドに対して、cDNAライブラリーを間接的にスクリ
ーニングすることができる(Chang and Gottlieb, J.Ne
urosci., 8:2123, 1988)。このような抗体は、ポリクロ
ーナル又はモノクローナル由来であり、GAD65cDN
Aの存在を示す発現産物を検出するのに使用することが
できる。GAD65のN−末端部分の最初の100アミノ
酸にみられるエピトープに対する抗体が好ましい。
【0018】遺伝子組み換えにおいて使用できる、特定
のDNA配列作製のための上記3つの方法のうちでは、
ゲノムDNA単離を用いる方法が最も一般的でない。こ
れは、哺乳動物ポリペプチドを微生物の発現で得たいと
いう場合には、イントロンの存在のために、特にそうで
ある。
【0019】本発明は、GAD65に対する抗体への少な
くとも1個のエピトープを有する1次構造コンホメーシ
ョン、即ち、アミノ酸残基の連続的配列、の一部又は全
てを有する、GAD65の新規ポリペプチドを提供する。
【0020】GAD65に対する自己抗体を検出するため
には、完全なGAD65よりもむしろ本発明のポリペプチ
ド断片を用いることができる。GAD65ポリペプチドに
用いる場合の”ポリペプチド”の語は、GAD65に対す
る自己抗体へのエピトープを有するいかなるアミノ酸配
列をも示すが、ここで該アミノ酸配列は、本発明のcD
NA配列の一部又は全てによってコードされる。
【0021】本発明のDNA配列の微生物発現から得ら
れるポリペプチドは、他の真核性ポリペプチド、或いは
天然の細胞環境中で、又は血漿(plasma)や尿のような細
胞外液体中で、さもなければGAD65と関連している他
の汚染物を含まない、という特徴を更に有している。
【0022】本発明者による研究により、GAD65とG
AD67とは別々の遺伝子でコードされるものであり、例
えば、共通のゲノム性配列が転写後、又は翻訳後に修飾
されることによって生産されるのではないことが明白に
確立された。GAD65とGAD67とが別々の遺伝子によ
ってコードされることを示す証拠には以下のものが含ま
れる:(a)GAD65及びGAD67cDNAの間の正確
に一致する部分の最大の連続した配列は、たった17ヌ
クレオチドの長さである、(b)GAD65及びGAD67
からのcDNAは、低い緊縮調節(stringency conditio
ns) 下で(2.0xSSC,0.01%SDS,23
℃)お互いにクロスハイブリダイゼーションしないし、
またお互いのmRNAともクロスハイブリダイゼーショ
ンしない、そして(c)GAD65及びGAD67cDNA
は、それぞれGAD67及びGAD65をコードする単離し
たゲノム性クローンとクロスハイブリダイゼーションし
ない。
【0023】”宿主”の語は、原核生物のみでなく、酵
母菌、糸状菌のような真核生物、また植物及び動物細胞
のように、複製可能で、かつ真核性GAD65のイントロ
ンを含まないDNA配列を発現することのできるものを
意味する。しかしながら、宿主生物としては原核生物が
好ましい。
【0024】”原核生物”の語は、GAD65の発現のた
めの遺伝子で形質転換又はトランスフェクションされる
全てのバクテリアを含む。原核生物宿主は、グラム陰性
菌や、例えばE.coli,S.typhimuriu
m,Serratia marcescens及びBa
cillus subtilisなどのグラム陽性菌を
含む。
【0025】GAD65ポリペプチドをコードする組み換
えDNA分子によって、当業者に公知の方法を用いて、
宿主を形質転換又はトランスフェクションすることがで
きる。特に好ましいのは、GAD65コーディング配列を
含むプラスミド又はウィルスを、それぞれ原核生物の形
質転換又はトランスフェクションのために用いることで
ある。
【0026】融合し、作動的に(operably)連結した遺伝
子を調製し、またそれらをバクテリア中で発現させる方
法は当業者に公知である(Maniatis et al., Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor、 NY, 1989)。ここで
記載する遺伝的構築物及び方法は、原核生物宿主中での
GAD65の発現に用いることができる。
【0027】一般に、挿入された真核生物性遺伝子配列
の効率よい転写を容易にするプロモーター配列を含む発
現ベクターを、宿主との関連で使用する。発現ベクター
は典型的には複製起点、プロモーター、及びターミネー
ター、並びに形質転換細胞の表現型選択を与えることの
できる特定遺伝子を含む。形質転換された原核生物宿主
は、発酵槽中で成長させて、当業者に公知の方法によっ
て最適成長条件で培養することができる。次いで本発明
のポリペプチドを成育培地、細胞分解物、又は細胞膜分
画から単離することができる。
【0028】微生物で発現された本発明のポリペプチド
の単離及び精製は、例えば、プレパラティブクロマトグ
ラフ分離や、モノクローナル又はポリクローナル抗体の
使用を含む免疫的分離のようないかなる慣用的方法によ
ってもよい。
【0029】GAD65のアミノ酸残基の配列を既に提供
したことによって、本発明は、1又はそれ以上のアミノ
酸残基の種類又は位置において天然型と異なっており、
かつ天然型ポリペプチドの幾つかの又は全てのエピトー
プを共有する、GAD65のポリペプチド類似体又は誘導
体の宿主発現をコードするDNA配列の製造を提供す
る。
【0030】本発明の新規なDNA配列は、GAD65
対する自己抗体と反応することができる1又はそれ以上
のエピトープのための1次構造コンホメーションの少な
くとも一部を有するポリペプチドを、原核生物又は真核
生物宿主細胞中で発現させるのに有用な全ての配列を含
み、該GAD65は以下のものと理解される:(a)図2
〜4又は図5〜8に示されるDNA配列、又はその相補
的鎖;(b)(a)で定義したDNA配列又はその断片
とハイブリダイズするDNA配列;及び(c)遺伝暗号
の縮重のために、(a)及び(b)で定義したDNA配
列とハイブリダイズするDNA配列。特に(b)で定義
したものは、GAD65の対立遺伝子変異型をコードする
ゲノムDNA配列と理解される。(c)では特に、その
DNA配列が、無脊椎動物宿主中でのmRNAの翻訳を
容易にするコドンを導入するような、GAD65、GAD
65断片、及びGAD65類似体をコードするDNA配列を
製造するものと理解される。
【0031】本発明のcDNA配列は本質的に全てのヒ
ト又はラットGAD65分子をコードするものであるの
で、これからcDNAの小さいポリペプチド断片、又は
ヒト又はラットGAD65に対する自己抗体のための少な
くとも1個のエピトープをコードする対応するcDNA
配列を調製し、サブクローニングし、そして発現させる
ことは今や日常的なことである。次いでクローン化ポリ
ペプチド上にこのようなエピトープが存在することを、
例えばGAD65に対する自己抗体を有する患者からの血
清を用いて確認できる。このような小さいペプチドの例
としては、GAD65のN−末端からの最初の約100ア
ミノ酸がある(図5〜8に示す)。このアミノ酸配列に
は本質的にGAD67が欠けている。
【0032】本発明のGAD65はイムノアッセイに用い
るのに特に適しており、液相又は固相担体に結合して使
用できる。更に、これらのアッセイに用いるGAD65
各種の方法で検出できるように標識することができる。
【0033】本発明のGAD65を用いるイムノアッセイ
の例としては、直接又は間接法における、競合的又は非
競合的イムノアッセイがある。このようなイムノアッセ
イの例としては、ラジオイムノアッセイ(RIA)、サ
ンドイッチイムノアッセイ及びウェスタンブロットアッ
セイがある。本発明のGAD65と結合する抗体の検出
は、生理学的サンプルでの免疫組織化学的アッセイを含
む、順相、逆相、又は同時モードのいずれかで行うイム
ノアッセイを用いて実施することができる。用いるGA
65の濃度は、イムノアッセイのタイプ及び使用する検
出可能な標識の性質に依って変化する。しかしながら、
どのようなタイプのイムノアッセイを用いるにせよ、使
用するGAD65の濃度は定法を用いて、当業者には容易
に決定できる。
【0034】本発明のGAD65は多くの種類の担体と結
合させて、このポリペプチドと特異的に反応する抗体の
存在を検出することができる。よく知られた担体の例と
しては、ガラス、ポリスチレン、塩化ポリビニル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキス
トラン、ナイロン、アミロース、天然及び修飾セルロー
ス、ポリアクリルアミド、アガロース、及びマグネタイ
トがある。担体の性質は本発明の目的のためには可溶性
又は不溶性のいずれであってもよい。当業者はGAD65
と結合するためのその他の適当な担体を知ることができ
るし、また定法によってこれを確認することができる。
【0035】多くの異なる標識及び標識法が当業者には
公知である。本発明に使用できる標識のタイプの例とし
ては、酵素、放射性同位体、コロイド金属、蛍光化合
物、化学発光化合物、及び生物的発光化合物がある。
【0036】更に、本発明のポリペプチドはGAD酵素
活性を測定することによって、GAD65に対する抗体を
検出することができる。例えば、GAD65と、GAD65
に対する抗体を有している疑いのある標本とを、一定期
間、GAD65と抗体との間に結合を起こさせるに十分な
条件下にインキュベーションする。反応生成物を沈殿化
して、このGAD酵素活性を試験する。
【0037】本発明の目的のためには、本発明のGAD
65と結合する抗体は、各種の生物的液体及び組織中に存
在する。検出可能な量のGAD65に対する抗体を含むい
かなるサンプルも用いることができる。普通、サンプル
は尿、唾液、脳脊髄液、血液、血清などの液体である
か、或いは組織、糞などの固体又は半固体である。
【0038】本発明のアッセイに用いる物質は、そのま
まキットの製造にも適している。このようなキットは、
バイアル、チューブなどの1又はそれ以上の容器手段を
密に閉じ込めるために仕切られた担体手段を含み、該容
器手段の各々はこの方法で使用する別々の要素のうちの
1つを含む。例えば、容器手段のうちの1つは担体と結
合したGAD65を含む。第2の容器は可溶化、検出可能
な第2の抗体を凍結乾燥又は溶液の形で含む。
【0039】更に、担体手段はまた複数の容器を含み、
各容器は異なる、所定量のGAD65を含む。次いでこの
後者の容器を用いて標準曲線を描き、これに未知の量の
GAD65に対する自己抗体を含むサンプルから得られた
結果を挿入する。
【0040】キットを使用するに当たって使用者がしな
ければならないことは、測定可能であるが、未知の量の
GAD65に対する自己抗体を含む、あらかじめ測定した
量の検出用サンプルと、第1の容器中に存在するあらか
じめ測定した量の担体結合したGAD65と、第2の容器
中に存在するあらかじめ測定した量の検出可能な標識化
第2抗体とを容器に加えることである。若しくは、検出
不能な標識化GAD65を容器に付けて提供し、これにサ
ンプルと、検出可能な標識化第2抗体とを加えることも
できる。適当な時間インキュベーションした後、免疫複
合体が形成され、これを上清液から分離し、免疫複合体
又は上清液を、放射能カウントするか、又は酵素基質を
加えて発色させるなどによって検出する。
【0041】”改良する(ameliorate)”の
語は、患者が受け取る治療において自己免疫応答の有害
な効果を減少することを意味する。”治療的に有効な”
の語は、使用するGAD65ポリペプチドの量が自己免疫
応答による疾患誘発を改良するのに十分な量であること
を意味する。
【0042】本発明の組み換えGAD65ポリペプチド
は、GAD65に対する自己免疫応答を有する患者の治療
に用いることもできる。このような治療は、例えば、組
み換えGAD65ポリペプチドを投与することによって実
施できる。このような投与には非標識化又は標識化GA
65ポリペプチドを用いることができる。非標識化GA
65ポリペプチドを用いるのが有利な場合には、例え
ば、免疫応答を刺激するには小さすぎるが、自己免疫応
答の継続を束縛したりブロックしたりするには十分大き
い断片の形でGAD65ポリペプチドを投与する。例え
ば、GAD65をエピトープーサイズのペプチド(典型的
には5−12アミノ酸の長さ)に酵素的に消化して、自
己免疫疾患を有する患者の体液中、又は免疫細胞の表面
上に存在するFab結合部分に結合させる。
【0043】或いは、本発明の組み換えGAD65ポリペ
プチドは、治療剤で標識して投与することができる。こ
れらの治療剤は本発明のGAD65ポリペプチドと直接又
は間接にカップリングさせることができる。間接的カッ
プリングの一例はスペーサー部分を用いることである。
このスペーサー部分は可溶性又は不溶性であることがで
き(Diener et al., Science, 231:148, 1986) 、ターゲ
ット部分でGAD65ポリペプチドから医薬の放出をでき
るように選択される。免疫治療用に本発明のGAD65
リペプチドとカップリングすることができる治療剤の例
としては、医薬、放射性同位体、レクチン、及び毒素が
ある。
【0044】本発明のGAD65ポリペプチドと結合する
ことができる医薬には、マイトマイシンC、ダウノルビ
シン、及びビンブラスチンのような古典的に医薬と呼ば
れていたものを含む。
【0045】免疫治療用に放射性同位体と結合した本発
明のGAD65ポリペプチドを使用する際には、白血球の
分布、安定性及び放射のような要因に依って、ある同位
体が他の同位体よりも好ましいことがある。自己免疫応
答に依って、ある放射体が他のものよりも好ましいこと
がある。一般に、免疫治療ではα及びβ粒子放射性の放
射性同位体が好ましい。 212Biのような近距離、高エ
ネルギーのα放射体が好ましい。本発明のGAD65ポリ
ペプチドと結合することができる放射性同位体の例とし
ては、 125I, 131I,90Y,67Cu, 212Bi, 211
At, 212Pb,47Sc, 109Pd及び 188Reがあ
る。
【0046】レクチンは通常植物から単離されるタンパ
ク質であって、特定の糖部分と結合する。多くのレクチ
ンが細胞を凝集させ、リンパ球を刺激することができ
る。しかし、リシン(ricin)は免疫治療に用いら
れてきた毒性レクチンである。これは、毒性の原因であ
るリシンのαーペプチド鎖を、抗体分子と結合させて、
毒性効果を特異的に配給することによって達成できる。
【0047】毒素は植物、動物、又は微生物によって産
出される毒性物質であって、十分な投与量でしばしば死
に至る。ジフテリア毒素は治療的に用い得るCoryn
ebacterium diphtheriaによって
産出される物質である。この毒素はα及びβサブユニッ
トからなっており、適当な条件下に分離できる。毒素A
部分は、GAD65ポリペプチドと結合させて、GAD65
ポリペプチドに対するリセプターを発現する白血球への
部分特異的な配給に用いられる。
【0048】本発明のGAD65ポリペプチドとカップリ
ングすることができるその他の治療剤は、ex viv
o及びin vivoの治療法共に、公知であり、又は
当業者によって容易に確認できる。
【0049】本発明はまた、この疾患を有する患者、又
は有する危険のある患者における疾患過程を改良するた
めに治療的に投与するすることのできるポリペプチドに
関する。各種アミノ酸を表すために用いる便宜的な一字
の記号は以下の通りである: Phe:F Leu:L Ile:I Met:
M Val:V Ser:S Pro:P Thr:
T Ala:A Try:Y His:H Gln:
Q Asn:N Lys:K Asp:D Glu:
E Cys:C Trp:W Arg:R Gly:
【0050】本発明のポリペプチド配列は、ヒトGAD
65、ヒトGAD67、及びピコマウィルス、コクサッキー
ウィルスのP2−Cタンパク質のアミノ酸配列を比較す
ることによって同定された。P2−Cポリヌクレオチド
は複製複合体と結合したウィルス膜中で一定の役割を演
じている。これらの分析によって、いずれのGAD65
子とコクサッキーウィルスとの間にも広範な配列類似性
のあることが明らかとなった。GAD65とP2−Cポリ
ペプチドの6個の隣接するアミノ酸残基からなる中心ポ
リペプチドは、そのアミノ酸配列が同一である。実際、
ポリペプチド中の24アミノ酸のうち、19個が同一で
あるか、又は保存されている(conserved) 。更に、高電
荷密度と、この領域に高い抗原性を与えているプロリン
残基の存在がある(表1)。
【0051】
【表1】 表1において、実線は同一のアミノ酸を囲み、破線は類
似の電荷、極性、又は疎水性を有するアミノ酸残基を囲
む。
【0052】この共通のポリペプチド領域の発見は、糖
尿病の促進における”分子擬態(molecular
mimicry)”にとっての病原学的役割を裏付け
る。かくして、遺伝的にIDDMの疑いのある患者はコ
クサッキーウィルスで感染され、コクサッキーウィルス
ポリペプチドに対する免疫応答は、患者のβー細胞中の
類似のGAD配列に対する交差反応的免疫応答という結
果をもたらす。抗原的に類似のGADポリペプチドによ
って免疫応答は維持され、その結果βー細胞が実際に破
壊されて、次いでIDDMを呈するようになる。
【0053】現在のところ、膵臓β−細胞の消失は細胞
の自己免疫応答によって仲介されると信じられている。
その結果、本発明のポリペプチドはこのようになされる
細胞性の自己免疫応答をブロックする能力を有している
はずである。自己免疫疾患の複雑さのために、本発明の
ポリペプチドをこのような疾患の改良のために用いるこ
とのできる多くの治療様式を企画することが可能であ
る。従って、抗原提供細胞(antigen pres
enting cell:APC)表面上の自己免疫抗
原を提供する特定のT細胞リセプター(TCR)又はM
HCリセプターによる認識をブロックするために、本発
明のポリペプチドを用いることが可能である。例えば、
患者に本発明のポリペプチドを与えて、これがMHCリ
セプターの抗原の裂け目(cleft) に存在している自己免
疫抗原と置き換わることによって、或いはT−ヘルパー
細胞の表面上の適当なTCRとの直接的相互作用によっ
て、このような認識の阻害が起きるのかも知れない。こ
の後者のTCRとの直接的相互作用による治療の試み
は、高濃度の可溶性ポリペプチドを用いることによる大
領域寛容(high-zone tolerance) の誘導によって達成す
ることができる。
【0054】若しくは、本発明のポリペプチドは、自己
認識を修復し、それによって自己免疫疾患を改良するた
めにT−サプレッサー細胞集団を刺激するために用いる
ことができる。T−サプレッサー細胞集団の刺激は、例
えば、MHCIIリセプターの裂け目にある自己免疫抗原
上に存在するエピトープに特異的な1個の可変領域と、
CD8+ リセプター上に存在するエピトープに特異的な
第2の可変領域とを有する二特異的(bi−speci
fic)抗体を用いることによって達成できる。本発明
のポリペプチドに特異的な抗体の生産は当業者には慣用
的であり、2又はそれ以上のエピトープに特異性を有す
る二特異的抗体の生産もまた当業者には慣用的である。
【0055】本発明のポリペプチド類似体は抗原提供の
レベルでの自己抗原の認識と競合するようにデザインで
きる。MHC分子は1個のペプチド結合部位を含んでい
るので、疾患−関連性MHC分子とは高い親和性で結合
するが、疾患−誘発性T−ヘルパー細胞を活性化しない
ポリペプチドをデザインすることが可能である。このよ
うなポリペプチドは自己−抗原認識のための拮抗剤とし
て作用する。このようなアプローチの先例は、それ自体
は非−免疫原性であるマウスリゾチームポリペプチド
が、ニワトリ卵白リゾチームからの免疫原性ポリペプチ
ドとのMHCの結合と競合することができ、それによっ
てこのポリペプチドによるT細胞活性化を減少させるこ
とができる、という観察に由来する(Adorini et al.,
Nature, 334:623-624, 1988)。同様に、有効なポリペプ
チド類似体をスクリーニングするためのこのような治療
的アプローチは、実験的自己免疫脳脊髄炎(exper
imental autoimmune enceph
alomyelitis:EAE)のような自己免疫疾
患に用いられてきた(Wraith et al., Cell, 59:248,19
89; Urban et al., Cell, 59:257, 1989)。
【0056】本発明のポリペプチドにおけるアミノ酸を
表すために用いる一字の記号は当業者に慣用的に用いら
れているものである。”類似体”の語は、ここで提供さ
れるポリペプチドと実質的に同一なアミノ酸配列を有
し、かつその1又はそれ以上のアミノ酸が化学的に類似
したアミノ酸で置換されたポリペプチドをいう。例え
ば、グリシンやセリンのような極性アミノ酸は、他の極
性アミノ酸で置換できるし;或いはアスパラギン酸のよ
うな酸性アミノ酸は、グルタミン酸のような他の酸性ア
ミノ酸で置換できるし;或いはリシン、アルギニンやヒ
スチジンのような塩基性アミノ酸は、他の塩基性アミノ
酸で置換できるし;或いはまたアラニン、ロイシンやイ
ソロイシンのような非極性アミノ酸は、他の非極性アミ
ノ酸で置換することができる。
【0057】”類似体”の語はまた、本発明のポリペプ
チドから1又はそれ以上のアミノ酸が欠失されたか、或
いはこれに付加されてはいるが、このようなペプチドと
実質的に相同なアミノ酸配列を保持しているポリペプチ
ドをも意味する。実質的な配列相同とは50%以上のい
かなる相同をもいう。”断片”の語は、少なくとも6ア
ミノ酸残基を有する、ここで同定するポリペプチドのよ
り短い形のものをいい、この断片は小島侵潤性Tリンパ
球(islet infiltratingT lym
phocytes:IITLs)の増殖を刺激すること
ができるか、或いは刺激性ポリペプチド断片によるこの
ような細胞の刺激を阻害することのできる断片である。
【0058】”化学的誘導体”の語は、本発明のポリペ
プチドに由来するいかなるポリペプチドも意味し、ここ
でポリペプチド中に存在するアミノ酸残基の側鎖官能基
の反応によって、1又はそれ以上のアミノ酸を化学的に
誘導体化したものをいう。従って、”化学的誘導体”と
は、1又はそれ以上の化学的工程によってここで同定す
る配列又はポリペプチドから誘導されるポリペプチドで
ある。このような誘導体は、例えば、遊離のアミノ基を
誘導体化してアミン塩酸塩、p−トルエンスルフォアミ
ド、ベンゾキシカルボアミド、t−ブチルオキシカルボ
アミド、チオウレタンー型誘導体、トリフロロアセチル
アミド、クロロアセトアミド、又はフォルムアミドを形
成するような分子を含む。遊離のカルボキシル基は誘導
体化して、塩、メチル又はエチルエステル、又はその他
の型のエステル又はヒドラジドを形成する。遊離の水酸
基は誘導体化してO−アシル又はO−アルキル誘導体を
形成する。ヒスチジンのイミダゾール窒素を誘導体化し
てN−im−ベンジルヒスチジンとすることができる。
20の標準アミノ酸の天然に起きるアミノ酸誘導体を1
又はそれ以上含むポリペプチドも化学的誘導体に含まれ
る。例えば、4−ヒドロキシプロリンはプロリンと置換
でき;5−ヒドロキシリシンはリシンと置換でき;3−
メチルヒスチジンはヒスチジンと置換でき;ホモセリン
はセリンと置換でき、そしてオルニチンはリシンと置換
できる。
【0059】本発明は表1に示される例示的ポリペプチ
ドに限定されるものではなく、むしろ、あるポリペプチ
ドの実質的部分がコクサッキーウィルスP2−Cのアミ
ノ酸28とアミノ酸50との間の領域、GAD65のアミ
ノ酸250とアミノ酸273との間の領域、又はGAD
67のアミノ酸258とアミノ酸281との間の領域から
のアミノ酸配列、又はそのセグメント、又はその組み合
わせによって特徴付けられるものである限り、そして該
ポリペプチドが自己免疫疾患に対して所望の免疫学的又
は生物学的活性を示すものである限り、本発明の範囲に
入るポリペプチドは上記の領域を越えて伸びるか、或い
はこれよりも少ないものからなることができる。更に、
本発明のポリペプチドは、そのようなポリペプチドが表
1に示すアミノ酸領域から実質的になっており、かつ免
疫学的又は生物学的活性を示すものである限り、表1に
示すポリペプチドのアミノ酸配列よりも長いか、或いは
短いアミノ酸配列、又はそのセグメント又はその組み合
わせからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含
む。更に、本発明のポリペプチドは、表1のGAD65
リペプチドのアミノ酸配列よりも長いか、或いは短いア
ミノ酸配列、又は該ポリペプチドのセグメントからなる
アミノ酸配列で特徴付けられるポリペプチドであって、
自己免疫疾患に対する免疫学的又は生物学的活性を示す
ポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドは全て、自
己免疫疾患を刺激したり、或いは増強するものであって
はならない。
【0060】従って、本発明のポリペプチドの中からい
ずれか1個のポリペプチドを特定して選択することは過
度の実験を含むものではない。多数のポリペプチドを調
製して、自己免疫疾患の改善におけるその免疫学的及び
生物学的活性を試験することによって、かかる選択を行
うことができる。糖尿病を改善することのできる本発明
のポリペプチドをスクリーニングするためには、NOD
マウスが優秀でかつよく特徴付けられたモデルを提供し
てくれる。
【0061】本発明のポリペプチドは、組み換え法、又
は固体支持体上での合成を含む公知のポリペプチド合成
法を用いる慣用的合成法によって生産することができ
る。適当な固相合成法の例は、Merriweather, J.Am.Che
m.Soc., 85:2149, 1963 に記載されている。その他のポ
リペプチド合成法は、例えば、Bodanszky et al., Pept
ide Synthesis, John Wiley & Sons, 2d ed., 1976 及
び当業者に公知のその他の文献に記載されているポリペ
プチド合成法の要約は、Stewart et al., SolidPhase P
eptide Synthesis, Pierce Chemical Company,Inc., Ro
ckford, III., 1984 に記載されている。例えば、The P
roteins, Vol. II, 3d ed., Neurath etal., eds., 10
5, Academic Press, New York, NY, 1976 に記載され
ている溶液法によるポリペプチド合成を使用してもよ
い。このような合成で使用する保護基は、上記の文献に
記載されているが、また J.McOmie, Protective Groups
in Organic Chemistry, Plenum Press, New York, NY,
1973 にも記載されている。
【0062】本発明のポリペプチドは所望のポリペプチ
ドをコードするDNA配列で形質転換した適当な宿主中
で生産することもできる。例えば、あらかじめ形質転換
されており、かつ該ポリペプチドをコードするDNA配
列を発現する適当な宿主を発酵させることによってポリ
ペプチドを生産できる。若しくは、本発明のポリペプチ
ドのいくつかをコードするDNA配列を連結し、次いで
これらの配列を用いて自己免疫疾患に関与するポリペプ
チドを発現できるような適当な宿主を形質転換する。
【0063】本発明のGAD65ポリペプチドの投与量
は、自己免疫応答の症状又は細胞破壊が改善されるよう
な所望の効果を生じるのに十分な量である。投与量は、
好ましくない交差反応や、アナフィラキシー反応(過敏
症)などの副作用を引き起こす程大きいものであっては
ならない。一般に、投与量は年齢、症状、性別、及び患
者の病気の重症度によって変化し、当業者によって決定
される。万一何か好ましくない症状があった場合には、
投与量は個々の医師により調節される。投与量は、1回
の投与当たり、約0.1mg/m2 から約2000mg
/m2 まで、好ましくは約0.1mg/m2 から約50
0mg/m2 までで、1日に1回又は数回、1日又は数
日間投与する。
【0064】本発明のGAD65ポリペプチドは、注射又
は時間をかけた勾配還流によって非経口的に投与され
る。本発明のGAD65ポリペプチドは、静脈内、腹腔
内、筋肉内、皮下、空洞内、又は経皮的に投与される。
【0065】非経口的投与のための製剤は、滅菌水性、
又は非水性溶液、懸濁液、及びエマルジョンを含む。非
水性溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、オリーブ油のような植物油、及びエ
チルオレエートのような注射可能な有機エステルがあ
る。水性担体は、食塩水及び緩衝液を含む、水、アルコ
ール/水性溶液、エマルジョン、又は懸濁液を含む。非
経口的担体は、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキス
トロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸化
リンガー液、又は固定油(fixed oil) を含む。静脈内担
体は、液体及び栄養補充物、電解補充物(リンガーのデ
キストロースに基づくようなもの)などを含む。保存
料、及びその他の添加物、例えば抗微生物剤、抗酸化
剤、キレート剤、及び不活性ガスなども存在する。
【0066】本発明はまた、本発明のGAD65ポリペプ
チドを含む医薬、又は医薬組成物の製造法にも関し、該
医薬はGAD65に対する自己免疫応答の治療に使用す
る。
【0067】上記の記載は本発明を一般的に述べたもの
である。以下の特定の実施例を参照することによって、
より完全な理解が得られるが、ここで述べる実施例は説
明のためのみになされるものであり、本発明の範囲を限
定するものではない。
【0068】
【実施例】実施例1 GAD65のクローニング及び発現 A.組み換えDNA手法 GAD65及びGAD67に特異的なcDNAプローブを得
るために、Chirgwin et al., Biochemistry, 18:5294,
1979の方法を用いて、成熟ラットの脳から、グアニジン
イソチオシアネートーセシウムグラジエントによって、
全RNAを抽出した。Bethesda Resear
ch Laboratories(BRL社)による実
験計画書を用いて、ポリ(A)RNAをオリゴdTセル
ロース上で精製した。ポリd(N6 )−mers(Ph
armacia社製)をプライマーとして用いた以外
は、指示された条件を用いて、MMLV−逆転写酵素
(BRL社製)を用いて一本鎖合成を行った。このcD
NA−RNA混合物を65℃で15分間加熱して不活性
化して、−20℃に貯蔵した。PCRのためには、サン
プルの1/50を反応物100μlに加えた。ネコ(c
DNAから)(Kobayashi et al., J.Neurosci., 7:276
8, 1987) 及びラット(ペプチドから)(Changand Got
tlieb, J.Neurosci., 8:2123, 1988) GAD(図1)
の下線を施した共通のアミノ酸配列をコードするために
変性(degenerate)オリゴヌクレオチドを合
成した(Applied Biosystems)。各
変性オリゴヌクレオチドの5’末端配列は、SstI 及
びHindIII (5’末端オリゴ)又はSstI 及びS
stII(3’末端オリゴ)のいずれかによって認識され
るDNA配列の1本鎖を含む。これらのプライマーを用
いて、Gould et al., Proc.Natl.Acad.Sci.,USA, 86:19
34, 1989 に記載されたように、生じたcDNA鋳型の
ポリメラーゼ鎖反応によって選択的増幅を行った。PC
R産物をHindIII/SstI で二重消化されたBl
uescript SKベクター(Stratagen
e)にサブクローニングし、DH5(BRL社製)に形
質転換して、標準法(Maniatis et al., Molecular Clo
ning: A Laboratory Manual, Cold Spring Habor Labor
atory, Cold Spring Habor, NY, 1989) によって接種し
た。
【0069】ネコGAD67に特異的な5’−32P末端標
識化オリゴヌクレオチドでコロニーハイブリダイゼーシ
ョンを行った(Kobayashi et al., J.Neurosci., 7:276
8, 1987)。ニトロセルロースフィルターを50℃で15
分間洗浄した以外は、文献(Wallace et al., in Guide
to Molecular Cloning Techniques; Berger et al.,Ed
s.in Methods of Enzymology; Abelson et al., Eds.Ac
ademic Press,Inc. San Diego, 432-442, 1987) 記載
のようにして、オリゴヌクレオチドの末端標識、ハイブ
リダイゼーション条件、及び洗浄条件を実施した。ハイ
ブリダイゼーションで陽性及び陰性であったコロニーを
個々に取り上げて、Terrific液体培地中で一夜
成長させた(Tartof et al., Focus, 9:12, 1987) 。煮
沸法(Maniatis et al., Molecular Cloning: A Labora
tory Manual 、 Cold Spring Habor Laboratory 、 Col
d Spring Habor, NY, 1989) を用いてDNAを単離し、
0.2N NaOHで鋳型を変性し、Sephacry
l S400スパンカラム(Pharmacia)で精
製した。変性された二本鎖鋳型の配列決定は、T7−シ
ークエンスキット(Pharmacia)を用いて、鎖
−末端法(Sanger et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 7
4:5463, 1977) によって行った。
【0070】図1に示すように、PCRで生じたラット
GAD65及びGAD67cDNAをプローブとして用い
て、標準的手法(Maniatis et al., Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual 、 Cold Spring Habor Labora
tory 、 Cold Spring Habor, NY, 1989) によって、
S.Heinemann(Salk Institut
e)から供与されたラムダZAP(Stratagen
e)ラット海馬ライブラリーをスクリーニングした。2
400ヌクレオチドのGAD65cDNA(最大クロー
ン)を単離して、Stratageneに記載するよう
に”ザッピング(zapping)”によってサブクロ
ーニングした。手元に既にあった3.2kbのラットG
AD67cDNAクローンよりも小さいラットGAD67
DNAを得たら、より大きなcDNAの配列決定を行っ
た。GAD65及びGAD67について両方の方向にExo
III 削除(Henikoff, Gene, 28:351, 1984) を行って、
鋳型を調製し、上記のようにして配列決定を行った。ラ
イブラリースクリーニングにおいて単離された元のcD
NAクローン中には現れていなかったGAD65及びGA
67mRNAの残りの5’末端をクローニングするため
に、アンカーPCRを行った(Frohman et al., Proc.N
atl.Acad.Sci.USA, 85:8998, 1988)。これらのクローン
の配列決定を行ったところ、GAD65又はGAD67mR
NAのいずれも、フレーム中に元のcDNAクローンの
開始コドンであると以前に同定されたものと共に、更に
別の開始コドン(AUG)をなんら含んでいないことが
明らかとなった。
【0071】実施例2 クローン化GAD65の特徴 A.ノーザンブロットハイブリダイゼーション GAD67及びGAD65cDNAは2個の異なるmRNA
に由来するのかどうかを決定するために、2個のPCR
−由来のcDNAプローブを、ラットの脳RNAを含む
ノーザンブロットにハイブリダイゼーションした。RN
Aは実施例1に記載したように抽出した。ホルムアルデ
ヒド中の電気泳動によってポリ(A)RNAを分離し、
Biotrans(ICN)膜上に移して、100μl
/mlのポリ(A)を加えた以外は、Well et al., J.N
eurosci., 16:311, 1986 に記載の方法によってハイブ
リダイゼーションを行った。Feinberg and Vogelstein,
Anal.Biochem., 132:6, 1983 に記載のオリゴラベリン
グ法によって、プローブを約109 dpm/μgまで標
識した。次いでGAD65及びGAD67cDNAの全長ク
ローンで同じ結果が得られた。
【0072】図11に示すように、レーン1及び2は、
ラット小脳から抽出したポリ(A)選択RNA1μgを
含む。レーン1はネコGAD67(Kobayashi et al., J.
Neurosci., 7:2768, 1987) のラット起源のcDNAプ
ローブとハイブリダイゼーションさせたものであり、レ
ーン2はラットペプチド配列(GAD65と対応する)の
cDNAプローブとハイブリダイゼーションさせたもの
である。
【0073】ラットペプチド配列のcDNAプローブは
5.7kbのRNAとハイブリダイゼーションし、一方
ネコcDNAのラット起源のcDNAプローブは3.7
kbのRNAとハイブリダイゼーションした。これは、
GAD65とGAD67が同じmRNAに由来するものでは
ないことを示している。
【0074】B.GAD67及びGAD65のゲノム性ハイ
ブリダイゼーション GAD67及びGAD65が別々の遺伝子に由来する可能性
を調べるために、GAD67及びGAD65の両方のcDN
Aを、ゲノム性DNAを含むDNAブロットとハイブリ
ダイゼーションした。
【0075】サザンブロットのために、DNAはKaiser
et al., in DNA Cloning, vol.1,A Practical Approac
h, D.M.Glover ed., IRL Press, Oxford, 38-40, 1985
の記載に従って、ラット肝臓から抽出した。製造者
(BRL,Gaithersburg,MD)の指示す
る条件を用いて、DNA(10μg/サンプル)をEc
oRI 及びHindIII で完全に消化した。0.8%ア
ガロース中、1.5v/cmで16時間、電気泳動を行
ってDNA断片を分離した。次いで、Denhardt
溶液の代わりにCarnationドライミルク5μg
/mlを用いた以外は、Gatti et al., Biotechniques,
2:148, 1984 の記載に従って、DNAをZeta−P
robe膜(Bio−Rad)に移して、ハイブリダイ
ゼーションし、洗浄した。サザンブロットのためのプロ
ーブは、上記実施例1に記載したように標識した。
【0076】図12に示すように、HindIII 及びE
coRI で消化したゲノム性DNAは、それぞれレーン
1、3とレーン2、4にある。GAD67cDNAはレー
ン1及び2とハイブリダイゼーションさせ、一方GAD
65cDNAはレーン3及び4とハイブリダイゼーション
させた。ゲル横にある数字はキロベースで表したDNA
断片サイズである。
【0077】このデータは、2個のcDNAは、異なる
サイズのゲノム断片とハイブリダイズすることを示して
いる。更に、GAD65とGAD67cDNAとの同一のヌ
クレオチド配列のうち最大の連続した配列は、たった1
7ヌクレオチド塩基の長さである。従って、GAD67
GAD65とは2個の異なる遺伝子によってコードされて
いる。
【0078】C.GAD67及びGAD65の酵素的比較 GAD67及びGAD65の活性におけるPLPの効果を比
較する研究を行った。そのために、両方のcDNAをバ
クテリア中でその発現ができるようなベクター中にサブ
クローニングした(Studier et al., J.Mol.Biol., 18
9:113, 1986) 。GAD65cDNAをpET−8cベク
ターのNcoI 部位にサブクローニングし、かつGAD
67cDNAをpET−5cベクターのNheI 部位にサ
ブクローニングすることによって、”融合しない(fu
sionless)”GAD65及びGAD67の過発現を
実施した(Studier et al., J.Mol.Biol., 189:113, 19
86)。
【0079】両方のcDNAを正しいフレーム内でサブ
クローニングするための両立性の付着末端を得るため
に、United States Biochemic
al(USB)の指示する条件を用いて、混合物中にお
ける200μM dNTPと1.5mM MgCl
2 で、PCRによる選択的増幅を行い、AmpliTA
Q(USB)の不確実さを減少するために55℃、20
サイクルでアニーリングした。GAD65及びGAD67
特異的なプライマーは、それぞれNcoI 及びSpeI
制限酵素切断部位の1本のDNA鎖を含んでいた。GA
67のコーディング領域にはNheI 切断部位があるの
で、SpeI (NheI と両立性)を用いた。
【0080】PCR産物をそれぞれのpETベクターに
サブクローニングし、DH5に形質転換して、上記のよ
うに接種した(Maniatis et al., Molecular Cloning:
A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laborator
y, Cold Spring Harbor、 NY,1989)。コロニーを取り出
して、アンピシリン50μg/mlを含むLB液体培地
中で一夜成育させた。正しい方向性を有するサブクロー
ンを過発現のためにBL21(DE3)株(Studier et
al., J.Mol.Biol. 189:113, 1986) に形質転換した。
ネガティブコントロールとして、挿入物をもたないpE
T−8cベクターを形質転換して、誘導した。1個のコ
ロニーを取り出して、成育し、1mMのイソプロピルー
B−D−チオガラクトーピラノシド(IPTG)で誘導
して、文献(Sambrook et al., Molecular Cloning a L
aboratory Manual, Cold SpringHarbor Laboratory Pre
ss, Cold Spring Harbor, 17.15-17.16, 1989) 記載
のようにSDS−PAGEゲル上で分析した。
【0081】GAD活性を測定するために、OD600
0.5のバクテリア培養物10mlをIPTG1mMで
誘導した。誘導後2時間で、バクテリアを遠心して、ホ
モジェナイズ用バッファー(1mMフッ化フェニルメチ
ルスルホニル(PMSF)、1mM 臭化2−アミノエ
チルイソチオウロニウム(AET)、及び60mMリン
酸カリウム、pH7.1)1ml中に再懸濁して、超音
波処理した。超音波処理後、細胞カスを遠心で除去し、
上清(少量の上清をー70℃で貯蔵した)中のタンパク
質濃度を測定した(Bradford, Anal.Biochem., 72:248,
1986)。文献(Legay et al., J.Neurochem., 46:1478
、 1986) 記載のように脳のホモジネートを調製し
た。Krieger et al., J.Neurochem., 33:299, 1984 の
記載に従って、0.2mM PLPの存在下、又は不存
在下に、インキュベーション混合物中に脳ホモジェネー
ト又はバクテリア溶菌物20μlを入れて、GAD活性
を測定した。バクテリア溶菌物中の14CO2 の生産量
は、インキュベーション時間及びタンパク質濃度に比例
していた。
【0082】
【表2】 表2に示すように、GAD65又はGAD67を含むバクテ
リア溶菌物は[1−14C]ーグルタミン酸と、GABA
及び14CO2 との変換を触媒する。
【0083】PLPは、GAD67よりもGAD65の酵素
活性を刺激する。このより大きな刺激は多分、Mart
in及びその共同研究者(Martin, Cell.Mol.Neurobio
l., 7:237, 1987) が提唱した不活性サイクルを通し
て、GAD65がより速く循環することを示している。こ
のより速い循環は、in vivoで存在するapo−
GADのプールに、GAD65がより貢献していることを
示している(Miller et al., Brain Res.Bull., 5(Supp
l.2):89, 1980)。従って、in vivoではPLP
は、GAD67活性よりもGAD65活性をより制御してい
ると考えられる。
【0084】バクテリア溶菌物中のGAD65活性は、ラ
ット黒質から調製したシナプトソーム中に見られるGA
D活性の5倍のPLP刺激にほぼ等しい(Miller et a
l., J.Neurochem., 33:533, 1979)。いずれのGAD
も、粗ラット脳ホモジネート中のGAD活性よりもバク
テリア中に加えたPLPにより依存するので、バクテリ
ア溶菌物の内在PLP濃度は、ラット脳ホモジネートよ
りも少ないかも知れない。
【0085】D.GAD65及びGAD67の免疫学的同定 上記のようにしてラット脳ホモジェネートとバクテリア
溶菌物を抽出した。Harlow et al., Antibodies, A Lab
ratory Manual, Cold Spring Harbor Labratory 、 Col
d Spring Harbor, NY, 1988 に記載されたように、各サ
ンプルに等量の電気泳動用バッファーを加えた。SDS
中の10%アクリルアミドゲルで電気泳動を行って、タ
ンパク質を分離し、電気泳動的にニトロセルロースに移
した(Harlow et al., Antibodies 、 A Labratory Man
ual 、 Cold Spring Harbor Labratory 、 Cold Spring
Harbor, NY, 1988)。未反応部分を、2%ウシ血清アル
ブミン(フラクションV)、1%ゼラチン、及び1%ト
リトンーX−100を含むリン酸バッファー溶液(PB
S)を用いて、42℃で、1時間ブロックした。洗浄
後、ニトロセルロースフィルターを3つの部分に切断
し、以下の一次抗体と共にインキュベーションした:レ
ーン1から4は、GAD67及びGAD65の両方を認識す
るOertel et al., Neuroscience, 6:2689, 1981 の抗血
清の1/2000希釈と共に;レーン5から8は、GA
67のみを認識するK−2抗血清の1/2000希釈と
共に;レーン9から12は、GAD65に特異的なGAD
−6モノクローナル抗体(Chang et al., J.Neurosci.,
8:2123, 1988)の1/2000希釈と共にインキュベー
ションした。全てのフィルターをよく洗浄して、適当な
二次抗体をインキュベーションして、洗浄した。結合し
た抗体は、 125I−標識タンパク質A及びオートラジオ
グラフィーにより検出した。各レーンは以下のものを含
んでいた:レーン1、5及び9は、BL21(DE3)
+pET−GAD67;レーン2、6及び10は、BL2
1(DE3)+pET−GAD65;レーン3、7及び1
1は、ラット脳ホモジネート;そしてレーン4、8及び
12は、BL21(DE3)+pET−8c。
【0086】バクテリア産出性のGAD65及びGAD67
のイムノブロットは、GAD65が脳抽出物中の小さいG
ADとよく対応し、そしてGAD67は大きい形とよく対
応することを示している(図13)。これまでの研究
は、GAD67がネコGAD67及びマウスGAD67にとっ
ての大きいGADと対応することを示している(Kataro
va et al., Eur.J.Neurosci., 2:190, 1990; 235, 198
7) 。バクテリア産出性のGAD65及びGAD67の可動
性(Oertel et al., Neuroscience, 6:2689, 1981の抗
血清で検出した場合)は、ラット脳ホモジネートに見ら
れる免疫反応ダブレット(immunoreactive doublet)と同
じである。
【0087】ラット脳中のGADの低分子量及び高分子
量形は、それぞれGAD65及びGAD67cDNAの産物
と、抗原的にまた大きさ的に同じものである。その結
果、ラット脳中の2つのGADは、GAD65とGAD67
である。このデータから、既に報告されているタピア
(Tapia)によるPLP−依存性GADと、PLP
−非依存性GAD(Bayon et al., J.Neurochem., 29:5
19, 1977) は、それぞれGAD65及びGAD67と分子的
に同じものである、と結論付けることができる。Mar
tin及びその共同研究者(Spink et al., Brain Re
s., 421:235, 1987)は、ラット脳GADには4つの運動
力学的に異なる形が存在することを報告している。しか
しながら、これらの形のイムノブロッティング(ここで
用いたような抗血清を用いる)については報告されてい
ない。
【0088】E、脳組織中のRNAにおけるGAD65
びGAD67の分布 その場での(in situ)ハイブリダイゼーション
を用いて、小脳のRNAにおけるGAD65及びGAD67
の分布を決定するための実験を行った。
【0089】GAD65及びGAD67cDNAからの、そ
れぞれ3.2kb及び2.3kbの転写物を、Wuensche
ll et al., Proc.Natl.Acad.Sci.,USA, 83:6193, 1986
の方法に従って、35Sで放射性標識した。200bpの
加水分解断片を、ラット小脳の冠状セクションとハイブ
リダイズさせた。動物はハロタンで麻酔して断首した。
脳をドライアイス中で急速に冷凍して、冠状凍結セクシ
ョン(12μm)を、新たに調製したリン酸緩衝液(P
BS;130mM NaCl,10mM リン酸ナトリ
ウム、pH7.0)中の4%ホルムアルデヒド中で、3
0分間固定した。組織を勾配化エタノール溶液中で脱水
し、−70℃で貯蔵した。
【0090】組織の透過性を増加するために、セクショ
ンを以下の前処理に付した:勾配化エタノール溶液(9
5%、85%、70%、50%及び30%エタノール中
に各5分)中での再水和;PBS(5分);0.002
N HCl(10分);PBS(5分);PBS中の
0.01%トリトンN−101(1分);PBS(2x
5分);1μg/mlプロテナーゼK(7.5分);及
びPBS中のグリシン(プロテナーゼKを阻害するた
め)(3x5分)。プロテナーゼKは使用前に37℃で
30分間消化した。次いでセクションを37℃、50%
ホルムアミド、750mM NaCl、25mM ED
TA,0.2% SDS,0.02% BSA、0,0
02% フィコル(Ficol) 、0.02% ポリビニルピ
ロリドン、250μg/ml イーストtRNA、25
0μg/ml ポリA、及び25mMPPES(pH
6.8)中でインキュベーションした。
【0091】ハイブリダイゼーションのためには、10
0mM DTT、10% 硫酸デキストラン、及びセン
ス(sense) 又はアンチセンス(antisense) の35S−RN
Aを、ハイブリダイゼーション溶液に加えた。プローブ
(センス又はアンチセンス)約3ng(106 cpm)
を含むハイブリダイゼーション溶液の少量(50μl)
をスライド上に加えた。各スライドのカバーをして、5
0℃で16時間インキュベーションし、次いでシリコン
処理したカバーを4xSSC(1xSSC−150mM
NaCl,60mM クエン酸ナトリウム、pH7.
0)で短時間洗浄した。
【0092】次いでセクションをリボヌクレアーゼA
(0.5M NaCl、10mM チオ硫酸ナトリウ
ム、1mM EDTA,10mM TrisHCl、p
H8.0中、50μg/ml)で、37℃、20分間処
理して、2xSSC中、室温で2時間リンスし、10m
M チオ硫酸ナトリウム中、55℃で30分間リンスし
た。セクションをエタノール中で脱水し、キシレン中で
脱脂して、Kodak NTB2エマルジョンでコーテ
ィングし、4℃で10日間露光した。エマルジョンをK
odak D19で現像して、組織をクレシルバイオレ
ットで対比染色した。
【0093】反射偏光を用いてオートラジオグラフ粒子
を検出し、粒子数、密度、nd細胞領域をAnalyt
ic Imaging Conceptsイメジアナラ
イザーシステムで測定した。バックグラウンドレベルが
低いために、細胞が”標識された”と定義するための基
準を、5以上の集団化した粒子の存在においた。GAD
標識された細胞が脳中に分散して見受けられ、個々の細
胞上の粒子数の測定を可能とした。細胞と、粒子によっ
て覆われた領域との境界によって、1細胞当たりの領域
数の計算が可能となった。染色された細胞と、上におか
れた粒子とを同時に見ることができるように、反射偏光
と透過光との両方を用いて、高倍率(800x)で分析
を行った。数は、”n”細胞の平均±S.E.M.であ
る。
【0094】
【表3】 全ての神経性細胞タイプにおいて、GAD67mRNAレ
ベルの方が大きい。in situでのハイブリダイゼ
ーションにおける観察は、小脳中の非依存性GAD活性
に対するPLPの依存率は、試験した脳領域中で最も低
いものの一つである、という従来の知見(Nitsch, J.Ne
urochem., 34:822, 1980; Denner et al., J.Neuroche
m., 44:957, 1985; Itoh et al., Neurochem.Res. 6:12
83, 1981)と一致している。更に、表3に示すように、
GAD67mRNAに対する量は、プルキニエ>ゴルジII
>籠>星細胞の順であり、一方GAD65に対する量は、
ゴルジII>プルキニエ>籠>星細胞の順である。
【0095】このようにGAD65及びGAD67mRNA
の発現はニューロンのクラスによって異なる。つまり、
全GADに対するそれぞれの貢献度は、いかにGABA
生産が制御されているかに影響している。例えば、黒質
は、PLP−非依存性GAD活性に対して、最も高いP
LP−依存率の一つを含む(Nitsch, L.Neurochem.,34:
822, 1980) 。GABA異化作用の阻害剤を局部的に注
射することによって、黒質におけるGABA濃度を増加
させることは、捕獲感受性(seizuresusce
ptibility)の減少に特に有効である(Gala,
Fed.Proc., 44:2414, 1985) 。従って、PLP−アンタ
ゴニストによって誘導される捕獲を受ける実験動物は、
特に黒質内の神経末端におけるGAD65の阻害のため
に、捕獲の伝達を阻害することができない。
【0096】F.GAD65及びGAD67の無細胞系配置 GAD65及びGAD67の分布をS2 及びシナプトソーム
無細胞分画において評価した。S2 は、脳中の全細胞の
細胞質ゾルからなる高速上清であり、一方シナプトソー
ム分画は、主として神経終末からなる(Gray et al.,
J.Anat., Lond,96:79, 1962)。これらの研究のために
は、全ラット脳分画を、Booth and Clark,Biochem.J.,
176:365, 1978 の記載するように行った。タンパク質
濃度をSchaffner and Weissman (Schaffner et al., An
al.Biochem. 56:502, 1973) の方法によって測定した。
Kaise et al., DNA Cloning, Vil.1, A Practical Appr
oach, D.M. Glover ed.,IRL Press, Oxford, 1985, pp.
38-40 に記載の方法でサンプルを調製し、GAD−6モ
ノクローナル抗体及びK−2抗血清を用いて上記のよう
にしてイムノブロッティングを行った。等量のタンパク
質(16μg)を各レーンに加えた。オートラジオグラ
フィーは、1、3、10、30、100μgのタンパク
質濃度で、K−2抗血清及びGAD−6モノクローナル
抗体の両方と抗体結合した 125I−タンパク質Aの量が
線状に増加する応答を示している(データ示さず)。
【0097】この結果は、どちらの分画にも等量のGA
67が存在することを示している。S2 分画は神経膠
(及びその他の非ニューロン性)の細胞質ゾルタンパク
質と、ニューロン細胞とを含んでいるので、GAD67
濃度は、神経末端よりもニューロン細胞体部における方
が大きいに違いない。これとは対照的に、GAD65の濃
度はS2 よりもシナプトソームにおける方が大きい。こ
れらの無細胞分画実験は、GAD65とは対照的に、神経
末端よりもニューロンの細胞体部において、はるかに大
きいGAD67分画が存在することを示唆している。従っ
て、免疫組織化学的研究におけるのと同様に、無細胞分
画化は、GAD65及びGAD67が異なる無細胞分布を有
していることを示している。
【0098】GABAの合成及び分解阻害剤を用いるi
n vivo実験において、ニューロン細胞体部におけ
るGABAプールは、神経末端におけるGABAプール
とは異なることを示唆している(Iadarola et al., Mo
l.Cell.Biochem., 39:305, 1981) 。GAD67によって
生産されるGABAは細胞代謝において(例えばGAB
Aシャント(shunt) において)、そして神経細胞樹状突
起シナプスにおいて、より係わっている。僧帽樹状突起
と共に神経細胞樹状突起シナプスを形成し(Shepard, P
hysiol.Rev., 52:864, 1972)、そして多分GABAを放
出している(McLennan, Brain Res., 29:177-184, 197
1) 嗅神経球にある顆粒細胞の樹状突起は、K−2抗血
清で強く標識する。ここに示してはいないが、嗅神経球
においてはGAD65よりもGAD67mRNAレベルの方
が大きい(2−3倍)ことが見いだされている。この分
布は、嗅神経球におけるGAD活性のほとんどがシナプ
トソームにではなく、S2 及びP1 (粗核ペレット)に
存在する、という知見(Quinnet al., Neurochem., 35:
583, 1980) と一致している。
【0099】GAD65とGAD67の無細胞分布の相違
は、細胞体質の係留性(cytoskeletal a
nchoring)又は未知のタンパク質標的機構によ
るものかも知れない。いくつかの細胞体質タンパク質で
は、GAD65とGAD67で似た分布を有している。例え
ば、培養交感神経細胞において、Peng et al., J.Cell.
Biol., 102:252, 1986は、タウ(tau) の84%は軸索に
存在するが、一方MAP−2の100%が細胞体及び樹
状突起に存在することを示した。更に、細胞体質タンパ
ク質である、43kdのタンパク質が、アセチルコリン
レセプターをその下にある膜細胞体質に係留するための
ものである、と考えられている(Flucheret al., Neuro
n, 3:163, 1989)。
【0100】実施例3 臨床標本中のGAD自己抗体の検出 A.材料及び方法 1.患者標本: Atkinson及びその共同研究者
(Atkinson et al., Lacet, 335:1357-1360, 1990) の
以前の研究から、4グループの患者の血清を選択した。
このグループは以下のものからなる:グループ(1)以
前にはUniversity of Florida,
Diabetes Clinicsと呼ばれていた権威
あるNational Diabetes Data
Group(NDDG)の基準(Gleichman et al., Di
abetes, 36:578-584, 1987) に従って診断された、1人
の新規発病IDD患者;グループ(2)家族に自己免疫
疾患の病歴をなんら持たない、5人の無作為に選択され
た小島細胞細胞質抗体(islet cell cyt
oplasmic antibody:ICA)陰性の
非−糖尿病性コントロール;グループ(3)IDDの発
病が記録される前の3から66カ月間、血清が収集され
てきた13人;グループ(4)非−糖尿病性コントロー
ル及び親族、及びIDD発病前に研究された人達;及び
グループ(5)IDDMの危険があるが、まだ発病には
至っていない3人の患者。この後者のグループは、ID
D発端者(probands)の第1級親族5000人以上、及び
一般人8200人(このうち4813人が学童である)
の継続的ICAスクリーニングによって確認した。
【0101】2.小島細胞自己抗体: 血液型Oのクリ
オカット(cryocut)膵炎を間接免疫蛍光法でI
CAアッセイした(Atkinson et al., Lancet, 335:135
7-1360, 1990) 。全ての結果をコードしたサンプルで、
各バッチにおける陰性及び陽性コントロール血清と比較
しつつ解釈した。ICA陽性の程度はICA標準化(Gl
eichman et al., Diabetes, 36:578-584, 1987) のため
のImmunologyDiabetes Works
hop(IDW)によって確立されたガイドラインに沿
って分析した。全ての陽性な血清を端点希釈によって滴
定し、あらかじめ80ユニットの国際若年層糖尿病協会
(Juvenile DiabetesFoundat
ion:JDF)標準に調整しておいた標準血清との比
較によって、JDFユニットを測定した。ここで報告す
る研究においては、陽性なICA結果とは10JDFユ
ニット又はそれ以上の応答力価で定義される。
【0102】3.HLA DRタイピング: DRトレ
イ(One Lamda Laboratories,
Los Angeles社製,CA)を用いて、Van Ro
od andVan Leuwen, Nature, 262:795-797, 1976 に記
載の方法でHLA DRタイピングを実施した。
【0103】4.ヒト小島細胞: ヒト膵臓小島をカダ
ベリン性(cadaveric)膵炎から単離し、上記
したように(Ricoedi et al., Diabetes, 37:413-420,
1988)in vitroで維持した。小島細胞をin
vitroで(95%空気/5%CO2 35Sメチオニ
ン(Amersham,Arlington Heig
hts,IL)で代謝的に標識した。
【0104】5.小島細胞の抽出及び免疫沈降: Atki
nson et al., Lancet, 1357-1360, 1990 に記載の方法
で、以下の修飾を用いて小島細胞を抽出した。免疫沈降
の研究のためには、小島細胞溶解物を、各1000小島
細胞毎にコントロール、IDD血清(100μl)、又
はGAD−6(Chang et al., J.Neuro., 8:2123-2130,
1988)(トリスバッファー99μl中に1μl) (Atkin
son et al., Lancet, 335:1357-1360, 1990) のいずれ
かと共にインキュベーションする(2時間、4℃)こと
によって、2度前処理した。次いで免疫複合体を、過剰
のタンパク質AセファロースCL−4B(Pharma
cia,NJ)に吸着させた。次いで、非結合性(前処
理した)溶解物を含む1000個の小島細胞を含む少量
を、IDD又はコントロール血清(25μl)、又はG
AD−6(Chang et al., J.Neuro., 8:2123-2130, 198
8)(トリスバッファー99μl中に1μl) でインキュ
ベーションした。タンパク質AセファロースCL−4B
でもう一度インキュベーションした(1時間、4℃)
後、複合体を0.1% SDS、1.0% トリトンX
−114、及び2mM EDTAを含む50mM トリ
ス塩酸(pH7.4)で5回洗浄し、次いで二重蒸留水
で1回洗浄した。タンパク質AセファロースCL−4B
を次いでLaemmliサンプルバッファー(Laemmli,
Nature, 227:680-685, 1970) 中で煮沸し、そのサンプ
ルをSDS−PAGE及びEnhance(New E
ngland Nuclear社製)を用いる蛍光ラジ
オグラフィー(Kodak社製,X−omat AR
5)に付した。或いは、オートラジオグラフをBETA
GEN(Boston社製,MA)アナライザーによっ
て分析した。64KAの陽性又は陰性の血清を各アッセ
イで用いて、アッセイ内コントロールとした。全ての蛍
光ラジオグラフィーを分析して、既知のアッセイ内コン
トロールと比較して陽性又は陰性と区分けした。陽性な
血清サンプルは、もしもサンプルが64,000Mx
ンドの低い強度の免疫沈降であったなら、これを1と
し、もしも中程度の強度のバンドが観察されたら2と
し、そしてもしも免疫沈降タンパク質の強度が大きいと
きは、これを3とした。免疫沈降した35S−GAD65
35S−GAD67に対応するバンドの強度についても同
様の区分けを用いた。
【0105】6.免疫沈降35S−GAD65又は35
−GAD67、及びヒト脳ホモジネートからのGADを含
むバクテリア溶解物の免疫沈降を、上記のヒト小島細胞
抽出物の免疫沈降研究で記載したのと同様に行った。
【0106】7.GADアッセイ: ヒト脳ホモジネー
トを、上記のヒト小島細胞で記載したように、患者血清
と共にインキュベーションした。吸着及び洗浄後、タン
パク質Aアガローススラリーの少量を3回、等量で採取
し、GAD活性をKrieger et al., Neurochem. 33:299,
1984 に記載のように測定した。簡単に言うと、タンパ
ク質Aアガロースビーズを(1−14C)−グルタミン酸
(Amersham)と共に、指定のインキュベーショ
ン混合物(Krieger et al., Neurochem. 33:299,1984
)中でインキュベーションし、液体シンチレーション
カウンターで14CO2 の生産を定量した。
【0107】8. 35S−GAD65及び35S−GAD67
生産: ラットGAD65及びGAD67cDNAを上記し
たようにバクテリア発現系にサブクローンした。35S−
GADの標識は、IPTG誘導化バクテリア(最小培地
で成育)をTRAN35S−ラベル(ICN)で15分間
パルスすることによって行った。次いで培養物を遠心し
て、ホモジナイズバッファー[1mM フェニルメチル
スルホニルフロリド(PMSF),1mM 2−アミノ
エチルイソチオウロニウムブロミド(AET)及び60
mM リン酸カリウム、pH7.1]中に再懸濁して、
超音波処理した。超音波処理の後、遠心によって細胞カ
スを除去し、上清(上清はー70℃で少量貯蔵した)中
のタンパク質濃度を測定した(Bradford, Anal.Bioche
m., 72:248,1986)。
【0108】B.IDDM標本の免疫反応性 IDDMを有する患者からの血清を用いて、ヒト脳ホモ
ジネートからのGADを沈降させる能力を試験した。
【0109】
【表4】 表4に示すように、IDDMの危険があるか、或いはI
DDM患者の(5例のうち)4例の血清は、コントロー
ル患者の血清よりも、有意に大量のヒト脳抽出物の酵素
的に活性なGADと結合している。更に、患者のうちの
1人からの血清は前−IDDM時期に採取されており、
従ってGADに対する自己抗体はIDDM症状の発病前
に存在していたことになる(下記のC参照)。
【0110】更に別の実験(結果を示さず)では、ID
DMの危険がある患者2人(DA,DC)からの血清
は、組み換え法で生産された35S−GAD65を免疫沈降
させるが、一方組み換え法で生産された35S−GAD67
は、患者DAの血清のみによって認識された(そしてこ
れは35S−GAD65よりも弱い)ことを示した。またそ
れ以後の研究で、神経病の合併症を有するIDDM患者
の血清中には、GAD65よりもGAD67自己抗体の力価
が大きいことが見いだされた(ここでは示さず)。
【0111】患者DAの血清を用いる別の研究におい
て、ヒト膵臓小島細胞で生産される特異的ポリペプチド
を認識する抗体の存在が示された。結合ポリペプチドの
電気泳動分析によって、他の研究者によって以前にヒト
IDDM(Baekkeskov et al.,Nature, 298:167-169, 1
982) 及び動物モデル(Baekkeskov et al., Science, 22
4:1348-1350, 1984; Atkinson et al., Diabetes, 37:1
587-1590, 1988) で示されたような、64kDの成分
に対する自己抗体の存在が明らかとなった。GAD65
認識するが、GAD67は認識しない、GAD−6モノク
ローナルで、或いはバクテリアで生産されるGAD65
これらの血清をあらかじめ吸着させると、64kDの膵
炎ポリペプチドを血清が認識する能力が失われる。従っ
て64kDの自己抗原に対する自己抗体によって認識さ
れるエピトープがGAD65中に存在し、このことは該自
己抗原がGAD65であることを示唆している。GAD65
の予測される価値を研究するために、IDDMの臨床的
発現の発病前の患者から血清を採取して、このGAD65
に対する自己抗体を調べた。
【0112】
【表5】 表5に示すように、12標本中の9標本(75%)は35
S−GAD65と免疫反応性であった。更に、2人の患者
(VA及びVC)はこの条件下でGAD67と免疫反応性
であったが、GAD65とは免疫反応性でなかった。従っ
て、組み合わせると、これらの患者の血清の12例中、
11例(91%)にGAD65及びGAD67に対する自己
抗体が存在した。このことは、GAD65に対する自己抗
体はGAD67に対する自己抗体よりも一般的であるが、
アッセイにおいて両方の組み換えGAD(GAD65及び
GAD67)を用いると、IDDMをより広く予測できる
ようになることを示唆している。これらの血清について
の以前の試験(Atkinson et al., Langet, 335:1357-13
60, 1990) は、12例のうちの11例、又は92%がヒ
ト膵臓小島細胞からの35S−64kD分子と免疫反応性
であることを示している。64kD分子に対する検出可
能な自己抗体を含むが、GAD65に対する自己抗体は含
んでいない血清は、64kD分子にとって最低の力価
(又は”1”)を含む血清であった。従って、ここで得
られた誤りの陰性はこのアッセイの感度が低いために起
きたことである。更に、このアッセイは、64Kに対し
て陰性な1人の患者(BR)にIDDMを予測してい
る。
【0113】これらの結果は、ヒト膵臓のβー細胞中に
同定された64kDは、ラットGAD65とサイズ及び抗
原性が同一であることを示している。更に、IDDM発
病前の患者から採取した血清は、GAD65に対する自己
抗体を含んでいる。結論として、GAD65組み換え分子
は、IDDM予測の診断手段として非常に有用である。
実際に症状がでる前に医師がIDDMを診断できるとい
うことは、疑いもなくインシュリン治療が必要となるま
での時間がおおいに伸びる結果となる。このような免疫
アッセイの感度は、膵臓のβー細胞に存在するGAD形
を表すヒト由来の組み換えGAD65を用いて改良される
であろう。
【0114】実施例4 ポリペプチドへの免疫増殖応答 自動合成機(Applied Biosystems社
製)と標準条件とを用いてポリペプチドを合成した。次
いでこれらのポリペプチドの、脾臓リンパ球及び小島侵
潤性Tリンパ球(IITL)の増殖を刺激する相対的能
力を比較するために、これらのポリペプチドを試験し
た。この研究においては、GAD65コア配列に由来する
ポリペプチドと、ポリオウィルスの相同領域に由来する
ポリペプチドとを比較した。適当な細胞をそれぞれのポ
リペプチドと共に5日間、5x104 の照射脾臓細胞の
存在下に培養した。培養の最後の16時間に 3H−チミ
ジンを加えた。
【0115】
【表6】 これらの研究において、脾臓リンパ球の培養物の増殖活
性においては、ポリオウィルス又はGAD65ポリペプチ
ドのいずれと接触させたものにも有意の差は見られなか
った。しかしながら、いずれのポリペプチドも、コント
ロール培地に見られた応答よりも高いT細胞応答を刺激
した。脾臓細胞集団における差異がないことは、T細胞
に特異的なGADポリペプチドの頻度が低いことによる
ものかも知れない。
【0116】同様の方法で評価したときのIITL集団
は、細胞増殖において顕著な差異を示した。このシステ
ムにおいては、GAD65ポリペプチドに対する応答は、
培地又はポリオウィルスポリペプチドのいずれの応答よ
りも9倍大きかった。このデータはGAD65がIITL
集団におけるT細胞応答のための重要な抗原であること
を強く示唆している。このデータは糖尿病の病原学にお
いて分子擬態(mimicry) が一定の役割を果たしているこ
とを示唆している。
【0117】今や本発明は十分に説明されたので、当業
界で通常の知識をもった人には、本発明の範囲を逸脱す
ることなく、多くの変更や修飾が可能であることが明ら
かであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】GAD65及びGAD67特異的cDNAプローブ
を得るためのクローニング計画を示す図である。
【図2】ラットGAD65のDNA配列及び対応するアミ
ノ酸配列を示す図である。(図3に続く)
【図3】ラットGAD65のDNA配列及び対応するアミ
ノ酸配列を示す図である。(図4に続く)
【図4】ラットGAD65のDNA配列及び対応するアミ
ノ酸配列を示す図である。
【図5】ヒトGAD65のDNA配列及び対応するアミノ
酸配列を示す図である。(図6に続く)
【図6】ヒトGAD65のDNA配列及び対応するアミノ
酸配列を示す図である。(図7に続く)
【図7】ヒトGAD65のDNA配列及び対応するアミノ
酸配列を示す図である。(図8に続く)
【図8】ヒトGAD65のDNA配列及び対応するアミノ
酸配列を示す図である。
【図9】ラットGAD65とヒトGAD65アミノ酸配列の
比較を示す図である。(図10に続く)
【図10】ラットGAD65とヒトGAD65アミノ酸配列
の比較を示す図である。
【図11】GAD65及びGAD67cDNAの異なるサイ
ズのRNAへのハイブリダイズを示す図である。
【図12】GAD65及びGAD67に特異的なcDNAプ
ローブでハイブリダイズしたサザンブロットを示す図で
ある。
【図13】GAD65及びGAD67の免疫学的同定を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/00 C12N 9/04 Z 9359−4B C12P 21/08 9161−4B G01N 33/53 D 33/573 A // A61K 38/00 ABC (C12N 9/04 C12R 1:91) (72)発明者 マーク ジー アーランダー アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92024、エンシィニタス、ヴィア テラッ サ 1352 (72)発明者 ダニエル エル カーフマン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90404、サンタモニカ、エーピーティー. C、センティネラ 1453 (72)発明者 マイケル ジェイ クラレ−サルズラー アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90068、ロサンジェルス、フロイド テラ ス 3333

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のアミノ酸配列を有する単離された
    ポリペプチド、又はその類似体、化学誘導体、若しくは
    医薬的に許容される塩。 X−Pro−Glu−Val−Lys−Y−Lys−Z (式中、Xは1から10個のアミノ酸から選択されるア
    ミノ酸配列であるか、或いは省略されており;YはTh
    r又はGluであり;そしてZは1から8個のアミノ酸
    から選択されるアミノ酸配列であるか、或いは省略され
    ている)
  2. 【請求項2】 XがLysを含み、YがGluであり、
    そしてZがLeuを含む、請求項1に記載のポリペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】 Xが更にMetを含み、そしてZが更に
    Arg及びLeuを含む、請求項2に記載のポリペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 XがLysを含み、YがThrであり、
    そしてZがLeuを含む、請求項1に記載のポリペプチ
    ド。
  5. 【請求項5】 Xがアミノ酸配列Ala−Met−Me
    t−Ile−Ala−Arg−Phe−Lys−Met
    −Pheであり、そしてZがアミノ酸配列Gly−Me
    t−Ala−Ala−Leu−Pro−Arg−Leu
    である、請求項3に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 Xがアミノ酸配列Ser−Ile−Me
    t−Ala−Ala−Arg−Tyr−Lys−Tyr
    −Phe−であり、そしてZがアミノ酸配列Gly−M
    et−Ala−Ala−Val−Pro−Lys−Le
    uである、請求項4に記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のポリペプチドをコード
    する単離されたポリヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 DNAである、請求項7に記載のポリヌ
    クレオチド。
  9. 【請求項9】 cDNAである、請求項8に記載のポリ
    ヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項1のポリペプチドに対する抗
    体。
  11. 【請求項11】 モノクローナル抗体である、請求項1
    0に記載の抗体。
JP15819592A 1991-06-18 1992-06-17 クローン化グルタミン酸デカルボキシラーゼ Expired - Lifetime JP4072922B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US71690991A 1991-06-18 1991-06-18
US716909 1991-06-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0770182A true JPH0770182A (ja) 1995-03-14
JP4072922B2 JP4072922B2 (ja) 2008-04-09

Family

ID=24879950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15819592A Expired - Lifetime JP4072922B2 (ja) 1991-06-18 1992-06-17 クローン化グルタミン酸デカルボキシラーゼ

Country Status (9)

Country Link
EP (2) EP0519469B1 (ja)
JP (1) JP4072922B2 (ja)
KR (1) KR100262247B1 (ja)
AT (2) ATE207537T1 (ja)
AU (1) AU661684B2 (ja)
CA (1) CA2070004C (ja)
DE (2) DE69233685T2 (ja)
DK (1) DK0519469T3 (ja)
ES (2) ES2281317T3 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07285996A (ja) * 1994-01-20 1995-10-31 Boehringer Mannheim Gmbh 抗原特異的活性化tリンパ球、その検出及び使用

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5674978A (en) * 1990-09-21 1997-10-07 The Regents Of The University Of California Peptides derived from glutamic acid decarboxylase
DK88093D0 (da) * 1993-07-28 1993-07-28 Novo Nordisk As Stabilt praeparat
DE19525784A1 (de) * 1995-07-14 1997-01-16 Boehringer Mannheim Gmbh Autoreaktive Peptide aus der humanen Glutamin-Decarboxylase (GAD)
EP0869815A1 (en) * 1995-09-21 1998-10-14 University Of Utah Research Foundation Targeting of conjugates of poly(ethylene glycol) and antibodies against glutamic acid decarboxylase to islet cells
CA2601208C (en) * 2000-04-17 2009-12-15 Loma Linda University Method of preventing or treating type 1 diabetes by gene therapy with a secreted form of glutamic acid decarboxylase.
GB0105360D0 (en) * 2001-03-03 2001-04-18 Glaxo Group Ltd Chimaeric immunogens
US20030054414A1 (en) * 2001-09-17 2003-03-20 George Jackowski Diagnosis and treatment of early pre-type-1 diabetes utilizing glial fibrillary acidic protein

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5205274A (en) * 1989-09-22 1993-04-27 Patentsmith Ii, Inc. Turntable convection oven
ES2093714T3 (es) * 1990-08-17 1997-01-01 Univ Florida Metodos y composiciones para la deteccion y el tratamiento precoces de la diabetes mellitus insulinodependiente.
DK0547164T3 (da) * 1990-09-07 2004-10-25 Univ California Fremgangsmåder til diagnosticering og behandling af diabetes
EP0572478B1 (en) * 1991-02-22 2005-09-07 The Walter And Eliza Hall Institute Of Medical Research Hbgad and higad polypeptides and nucleic acids and their use for the diagnosis and treatment of gad autoantigen associated diseases

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07285996A (ja) * 1994-01-20 1995-10-31 Boehringer Mannheim Gmbh 抗原特異的活性化tリンパ球、その検出及び使用

Also Published As

Publication number Publication date
DK0519469T3 (da) 2001-12-10
EP0519469B1 (en) 2001-10-24
ES2165350T3 (es) 2002-03-16
JP4072922B2 (ja) 2008-04-09
CA2070004C (en) 2007-08-21
ES2281317T3 (es) 2007-10-01
AU661684B2 (en) 1995-08-03
ATE355364T1 (de) 2006-03-15
DE69232147D1 (de) 2001-11-29
KR100262247B1 (ko) 2000-07-15
AU1516392A (en) 1992-12-24
ATE207537T1 (de) 2001-11-15
DE69233685D1 (de) 2007-04-12
DE69232147T2 (de) 2002-06-20
EP0519469A1 (en) 1992-12-23
CA2070004A1 (en) 1992-12-19
DE69233685T2 (de) 2007-12-06
KR930000684A (ko) 1993-01-15
EP1026238A2 (en) 2000-08-09
EP1026238B1 (en) 2007-02-28
EP1026238A3 (en) 2000-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8926966B1 (en) Cloned glutamic acid decarboxylase
US6277586B1 (en) Cloned glutamic acid decarboxylase
US5705626A (en) Cloned glutamic acid decarboxylase nucleic acids
US5998366A (en) Method for ameliorating glutamic acid decarboxylase associated autoimmune disorders
AU661828B2 (en) Methods and compositions for early detection and treatment of insulin dependent diabetes mellitus
JP4072922B2 (ja) クローン化グルタミン酸デカルボキシラーゼ
US5645998A (en) Methods and compositions for the early detection and treatment of insulin dependent diabetes mellitus
JP2002505844A (ja) 新規な遺伝子及びその使用
AU657501C (en) Cloned glutamic acid decarboxylase used in the detection of IDDM
AU727683B2 (en) Cloned glutamic acid decarboxylase

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020513

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060616

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 5