JPH0769949A - 2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法 - Google Patents
2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法Info
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- JPH0769949A JPH0769949A JP5234243A JP23424393A JPH0769949A JP H0769949 A JPH0769949 A JP H0769949A JP 5234243 A JP5234243 A JP 5234243A JP 23424393 A JP23424393 A JP 23424393A JP H0769949 A JPH0769949 A JP H0769949A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗てんかん薬としての作用を有するフェルバ
メートの前駆体である2−フェニル−1,3−プロパン
ジオールまたはその誘導体を、安価な原料によって、し
かも温和な反応条件下で製造する方法を提供する。 【構成】 (化1)で表示される2−アルコキシ−2−
フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体
を、触媒の存在下において加水素分解する2−フェニル
−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方
法。 【化1】
メートの前駆体である2−フェニル−1,3−プロパン
ジオールまたはその誘導体を、安価な原料によって、し
かも温和な反応条件下で製造する方法を提供する。 【構成】 (化1)で表示される2−アルコキシ−2−
フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体
を、触媒の存在下において加水素分解する2−フェニル
−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方
法。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗てんかん薬としての
作用を有するフェルバメートの前駆体である2−フェニ
ル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造
方法に関する。
作用を有するフェルバメートの前駆体である2−フェニ
ル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗てんかん薬としての作用を有するフェ
ルバメートの前駆体である2−フェニル−1,3−プロ
パンジオールは、フェニルマロン酸エステルを還元する
方法、あるいは2−ニトロ−2−フェニル−1,3−プ
ロパンジオールを接触的脱ニトロ水素添加する方法等を
利用する製造方法が知られている。
ルバメートの前駆体である2−フェニル−1,3−プロ
パンジオールは、フェニルマロン酸エステルを還元する
方法、あるいは2−ニトロ−2−フェニル−1,3−プ
ロパンジオールを接触的脱ニトロ水素添加する方法等を
利用する製造方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したフェニルマロ
ン酸エステルを還元することによる2−フェニル−1,
3−プロパンジオールの製造方法としては、水素化リチ
ウムアルミニウム等の高価な金属ハイドライド還元剤を
化学量論量使用する方法(米国特許第5091595号
明細書、米国特許第4982016号明細書、J.Org.Ch
em.,54,1198(1989))、あるいは、ラネー
ニッケル触媒の存在下に5000p.s.i.もの高圧
力を掛けて水素添加する方法(J.Am.Chem.Soc., 70,
3121(1948))等が知られている。しかしなが
らこれらの方法は、いずれも工業的に実施する観点にお
いては、経済的及び操業的に改良するべき問題を残して
いる。
ン酸エステルを還元することによる2−フェニル−1,
3−プロパンジオールの製造方法としては、水素化リチ
ウムアルミニウム等の高価な金属ハイドライド還元剤を
化学量論量使用する方法(米国特許第5091595号
明細書、米国特許第4982016号明細書、J.Org.Ch
em.,54,1198(1989))、あるいは、ラネー
ニッケル触媒の存在下に5000p.s.i.もの高圧
力を掛けて水素添加する方法(J.Am.Chem.Soc., 70,
3121(1948))等が知られている。しかしなが
らこれらの方法は、いずれも工業的に実施する観点にお
いては、経済的及び操業的に改良するべき問題を残して
いる。
【0004】また、2−ニトロ−2−フェニル−1,3
−プロパンジオールを接触的脱ニトロ水素添加する方法
(米国特許第5072056号明細書、米国特許第48
68327号明細書)は、爆発の危険性を有するニトロ
アルカン誘導体を取り扱わなければならないという問題
を有している。
−プロパンジオールを接触的脱ニトロ水素添加する方法
(米国特許第5072056号明細書、米国特許第48
68327号明細書)は、爆発の危険性を有するニトロ
アルカン誘導体を取り扱わなければならないという問題
を有している。
【0005】これに対して本発明者らは、前記した従来
の方法に比較して、安価な原料を利用して製造すること
ができ、かつ、温和な反応条件下で安全に、2−フェニ
ル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体に変換
することのできる先駆体について鋭意検討した結果、本
発明方法を完成するに至った。
の方法に比較して、安価な原料を利用して製造すること
ができ、かつ、温和な反応条件下で安全に、2−フェニ
ル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体に変換
することのできる先駆体について鋭意検討した結果、本
発明方法を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明は、(化1)で表示される2−アルコキシ−2−フェ
ニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体を、
触媒の存在下において加水素分解する2−フェニル−
1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法
からなる。
明は、(化1)で表示される2−アルコキシ−2−フェ
ニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体を、
触媒の存在下において加水素分解する2−フェニル−
1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法
からなる。
【0007】
【化2】
【0008】本発明方法で原料として使用する前記(化
1)で表示される2−アルコキシ−2−フェニル−1,
3−プロパンジオールまたはその誘導体におけるRは、
置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基
を表わし、該アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、tert−ブチル基、イソアミル基等が挙げられ
る。これらのアルキル基が有していてもよい置換基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の
炭素数1〜5のアルコキシ基、または、フェニル基、ト
リル基、エチルフェニル基等のアリール基が例示され、
置換基を有しているアルキル基の好適な例はベンジル基
である。
1)で表示される2−アルコキシ−2−フェニル−1,
3−プロパンジオールまたはその誘導体におけるRは、
置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基
を表わし、該アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、tert−ブチル基、イソアミル基等が挙げられ
る。これらのアルキル基が有していてもよい置換基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の
炭素数1〜5のアルコキシ基、または、フェニル基、ト
リル基、エチルフェニル基等のアリール基が例示され、
置換基を有しているアルキル基の好適な例はベンジル基
である。
【0009】また、Xは、炭素数1〜5のアルキル基、
炭素数1〜5のアルコキシ基、水素原子、またはハロゲ
ン原子を表わす。炭素数1〜5のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、またハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙
げられる。
炭素数1〜5のアルコキシ基、水素原子、またはハロゲ
ン原子を表わす。炭素数1〜5のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、またハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙
げられる。
【0010】本発明の2−フェニル−1,3−プロパン
ジオールまたはその誘導体の製造方法の原料である2−
アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール
またはその誘導体は、汎用性原料であるスチレンオキサ
イド類(i )に、酸触媒の存在下に、前述の一般式(化
1)のRに相当するアルキル基を有するアルコールを付
加し、開環することにより、2−アルコキシ−2−フェ
ニルエタノール類(ii)を生成させ、次いで、これを酸
化状態が1段階進んだ2−アルコキシ−2−フェニルエ
タナール類(iii )へと導き、さらに、この2−アルコ
キシ−2−フェニルエタナール類(iii )に、塩基性触
媒の存在下にホルマリンを作用させる所謂 Tollens 反
応を利用することによって合成し得る。
ジオールまたはその誘導体の製造方法の原料である2−
アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール
またはその誘導体は、汎用性原料であるスチレンオキサ
イド類(i )に、酸触媒の存在下に、前述の一般式(化
1)のRに相当するアルキル基を有するアルコールを付
加し、開環することにより、2−アルコキシ−2−フェ
ニルエタノール類(ii)を生成させ、次いで、これを酸
化状態が1段階進んだ2−アルコキシ−2−フェニルエ
タナール類(iii )へと導き、さらに、この2−アルコ
キシ−2−フェニルエタナール類(iii )に、塩基性触
媒の存在下にホルマリンを作用させる所謂 Tollens 反
応を利用することによって合成し得る。
【0011】なお、スチレンオキサイド類(i )からの
2−アルコキシ−2−フェニルエタノール類(ii)の合
成法については、Rがメチル基の場合についての合成法
が公知(Synthesis 1981,280、J.Am.Chem.So
c., 72,1480(1950))である。そして、こ
の方法に相当する反応条件及び操作を適用することによ
り、Rが他のアルキル基または置換アルキル基の場合の
2−アルコキシ−2−フェニルエタノール類(ii)も合
成できる。
2−アルコキシ−2−フェニルエタノール類(ii)の合
成法については、Rがメチル基の場合についての合成法
が公知(Synthesis 1981,280、J.Am.Chem.So
c., 72,1480(1950))である。そして、こ
の方法に相当する反応条件及び操作を適用することによ
り、Rが他のアルキル基または置換アルキル基の場合の
2−アルコキシ−2−フェニルエタノール類(ii)も合
成できる。
【0012】また、2−アルコキシ−2−フェニルエタ
ノール類(ii)から、2−アルコキシ−2−フェニルエ
タナール類(iii )を得る方法については、Rがメチル
基の場合についての合成法が公知(J.Chem.Soc.Perkin
Trans. I 1985,255)であり、かかる方法を適
用することにより、Rが他のアルキル基または置換アル
キル基の場合の2−アルコキシ−2−フェニルエタナー
ル類(iii )も得ることができる。
ノール類(ii)から、2−アルコキシ−2−フェニルエ
タナール類(iii )を得る方法については、Rがメチル
基の場合についての合成法が公知(J.Chem.Soc.Perkin
Trans. I 1985,255)であり、かかる方法を適
用することにより、Rが他のアルキル基または置換アル
キル基の場合の2−アルコキシ−2−フェニルエタナー
ル類(iii )も得ることができる。
【0013】2−アルコキシ−2−フェニルエタナール
類(iii )に、塩基性触媒の存在下にホルマリンを作用
させることにより、(化1)で表示される2−アルコキ
シ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはそ
の誘導体を得る反応は、特に溶媒を利用しなくても行な
えるが、好ましくは親水性の溶媒、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の水
溶性エーテル類、ジメチルスルホキサイド、スルホラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等を使用するのが良
い。
類(iii )に、塩基性触媒の存在下にホルマリンを作用
させることにより、(化1)で表示される2−アルコキ
シ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはそ
の誘導体を得る反応は、特に溶媒を利用しなくても行な
えるが、好ましくは親水性の溶媒、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の水
溶性エーテル類、ジメチルスルホキサイド、スルホラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等を使用するのが良
い。
【0014】反応試剤として使用するホルマリンは、入
手が容易な10〜50%ホルマリン水溶液を利用するこ
とが経済的であるが、純粋なホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド源
となるものであれば使用できる。
手が容易な10〜50%ホルマリン水溶液を利用するこ
とが経済的であるが、純粋なホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド源
となるものであれば使用できる。
【0015】反応試剤として使用するホルマリンの量
は、2−アルコキシ−2−フェニルエタナール類(iii
)に対して、ホルムアルデヒド換算で2当量以上〜大
過剰まで制限はないが、反応速度と経済性との観点から
して2〜4当量が好適である。
は、2−アルコキシ−2−フェニルエタナール類(iii
)に対して、ホルムアルデヒド換算で2当量以上〜大
過剰まで制限はないが、反応速度と経済性との観点から
して2〜4当量が好適である。
【0016】2−アルコキシ−2−フェニルエタナール
類(iii )にホルマリンを作用させる際に存在させる塩
基性触媒は、アルカリ金属またはアルカリ土属の水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩等であり、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等である。
類(iii )にホルマリンを作用させる際に存在させる塩
基性触媒は、アルカリ金属またはアルカリ土属の水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩等であり、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等である。
【0017】塩基性触媒の使用量は、反応機構上からは
2−アルコキシ−2−フェニルエタナール類(iii )に
対して1当量で良いが、反応を完結させるために、1.
1〜3.0当量程度を用いることが好ましい。
2−アルコキシ−2−フェニルエタナール類(iii )に
対して1当量で良いが、反応を完結させるために、1.
1〜3.0当量程度を用いることが好ましい。
【0018】2−アルコキシ−2−フェニルエタナール
類(iii )にホルマリンを作用させる際の反応温度は、
−10〜200℃、好ましくは10〜100℃である。
類(iii )にホルマリンを作用させる際の反応温度は、
−10〜200℃、好ましくは10〜100℃である。
【0019】(化1)で表示される2−アルコキシ−2
−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導
体を、脱アルコール加水素分解する際の溶媒は、反応を
阻害することがなく、かつ、下記(化1)で表示される
2−アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールまたはその誘導体を溶解するものであれば、特に制
限はない。
−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導
体を、脱アルコール加水素分解する際の溶媒は、反応を
阻害することがなく、かつ、下記(化1)で表示される
2−アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールまたはその誘導体を溶解するものであれば、特に制
限はない。
【0020】
【化3】
【0021】例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、iso−アミルアルコール等の低
級アルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエ
ーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽和炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の
芳香族炭化水素類、蟻酸、酢酸等の脂肪族カルボン酸
類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミ
ド類、ジメチルスルホキサイド、スルホラン等の含硫黄
溶媒、さらにはこれらの2種以上の混合溶媒等を利用す
ることができる。
ロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、iso−アミルアルコール等の低
級アルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエ
ーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽和炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の
芳香族炭化水素類、蟻酸、酢酸等の脂肪族カルボン酸
類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミ
ド類、ジメチルスルホキサイド、スルホラン等の含硫黄
溶媒、さらにはこれらの2種以上の混合溶媒等を利用す
ることができる。
【0022】2−アルコキシ−2−フェニル−1,3−
プロパンジオールまたはその誘導体を加水素分解する際
の触媒としては、一般の水素添加用の触媒、例えば、ラ
ネーニッケル、ニッケルケイソウ土、パラジウム黒、活
性炭またはアルミナ担持パラジウム、白金黒、活性炭ま
たはアルミナ担持白金等が好適である。
プロパンジオールまたはその誘導体を加水素分解する際
の触媒としては、一般の水素添加用の触媒、例えば、ラ
ネーニッケル、ニッケルケイソウ土、パラジウム黒、活
性炭またはアルミナ担持パラジウム、白金黒、活性炭ま
たはアルミナ担持白金等が好適である。
【0023】また、2−アルコキシ−2−フェニル−
1,3−プロパンジオールまたはその誘導体を加水素分
解する際の水素源としては、分子状の水素、蟻酸、蟻酸
ナトリウム、蟻酸アンモニウム、蟻酸トリエチルアンモ
ニウム塩、亜燐酸二水素ナトリウム、ヒドラジン、シク
ロヘキセン、ジシクロヘキセン等を利用し得る。
1,3−プロパンジオールまたはその誘導体を加水素分
解する際の水素源としては、分子状の水素、蟻酸、蟻酸
ナトリウム、蟻酸アンモニウム、蟻酸トリエチルアンモ
ニウム塩、亜燐酸二水素ナトリウム、ヒドラジン、シク
ロヘキセン、ジシクロヘキセン等を利用し得る。
【0024】加水素分解は、常圧〜300kg/cm
2 、好ましくは0〜100kg/cm2 ゲージ圧の圧力
で、−20〜300℃、好ましくは0〜200℃で行な
われる。
2 、好ましくは0〜100kg/cm2 ゲージ圧の圧力
で、−20〜300℃、好ましくは0〜200℃で行な
われる。
【0025】以上の工程により、2−アルコキシ−2−
フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体
を加水素分解した後、濾過等の方法によって反応混合物
から触媒を除去し、必要に応じて、水洗、溶媒抽出を行
ない、次いで、蒸留あるいは再結晶化等の精製を施し、
目的化合物である2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールまたはその誘導体を得ることができる。
フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体
を加水素分解した後、濾過等の方法によって反応混合物
から触媒を除去し、必要に応じて、水洗、溶媒抽出を行
ない、次いで、蒸留あるいは再結晶化等の精製を施し、
目的化合物である2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールまたはその誘導体を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の2−フェニル−1,3−プロ
パンジオールまたはその誘導体の製造方法の具体的な構
成を、2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたは
その誘導体の製造原料である2−アルコキシ−2−フェ
ニル−1,3−プロパンジオール類の製造例と共に説明
する。
パンジオールまたはその誘導体の製造方法の具体的な構
成を、2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたは
その誘導体の製造原料である2−アルコキシ−2−フェ
ニル−1,3−プロパンジオール類の製造例と共に説明
する。
【0027】(2−アルコキシ−2−フェニル−1,3
−プロパンジオール類の製造例) 参考例1 純度80%の2−エトキシ−2−フェニルエタナール
6.17g(30.1mmol)をメタノール15ml
に溶解した後、30%ホルムアルデヒド水溶液6.0g
(60.2mmol)を添加した。続いて、炭酸カリウ
ム5.4g(39.2mmol)を素早く添加した。こ
れにより発熱反応が起こり、反応液が35℃に上昇し
た。この反応混合物を60℃で2時間保持し、反応を完
結させた。
−プロパンジオール類の製造例) 参考例1 純度80%の2−エトキシ−2−フェニルエタナール
6.17g(30.1mmol)をメタノール15ml
に溶解した後、30%ホルムアルデヒド水溶液6.0g
(60.2mmol)を添加した。続いて、炭酸カリウ
ム5.4g(39.2mmol)を素早く添加した。こ
れにより発熱反応が起こり、反応液が35℃に上昇し
た。この反応混合物を60℃で2時間保持し、反応を完
結させた。
【0028】薄層クロマトグラフィー(TLC)によ
り、反応混合物から2−エトシキ−2−フェニルエタナ
ールが消失していることを確認した後、反応液を室温ま
で冷却し、さらにイソプロピルエーテルで希釈した。
り、反応混合物から2−エトシキ−2−フェニルエタナ
ールが消失していることを確認した後、反応液を室温ま
で冷却し、さらにイソプロピルエーテルで希釈した。
【0029】次いで、水、2N−塩酸水、飽和重曹水、
食塩水で順次洗浄してから、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧下にて濃縮することにより、褐色の
オイル状化合物7.24gを得た。この褐色のオイル状
化合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキ
サン/酢酸エチル=3/1〜1/1)により精製し、黄
色のオイル6.19gを得た。
食塩水で順次洗浄してから、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧下にて濃縮することにより、褐色の
オイル状化合物7.24gを得た。この褐色のオイル状
化合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキ
サン/酢酸エチル=3/1〜1/1)により精製し、黄
色のオイル6.19gを得た。
【0030】得られた黄色のオイルを、ヘキサン/酢酸
エチル(4/1)の混合溶媒50mlに溶解した後、−
20℃に冷却することにより、3.46gの白色結晶か
らなる2−エトキシ−2−フェニル−1,3−プロパン
ジオール(A)を得た。2−エトキシ−2−フェニル−
1,3−プロパンジオール(A)の収率は59.8%で
ある。
エチル(4/1)の混合溶媒50mlに溶解した後、−
20℃に冷却することにより、3.46gの白色結晶か
らなる2−エトキシ−2−フェニル−1,3−プロパン
ジオール(A)を得た。2−エトキシ−2−フェニル−
1,3−プロパンジオール(A)の収率は59.8%で
ある。
【0031】参考例2 参考例1の操作手順における2−エトキシ−2−フェニ
ルエタナールに変えて、2−メトキシ−2−フェニルエ
タナールを使用することにより、2−メトキシ−2−フ
ェニル−1,3−プロパンジオール(B)を得た。
ルエタナールに変えて、2−メトキシ−2−フェニルエ
タナールを使用することにより、2−メトキシ−2−フ
ェニル−1,3−プロパンジオール(B)を得た。
【0032】参考例3 参考例1の操作手順における2−エトキシ−2−フェニ
ルエタナールに変えて、2−プロポキシ−2−フェニル
エタナールを使用することにより、2−プロポキシ−2
−フェニル−1,3−プロパンジオール(C)を得た。
ルエタナールに変えて、2−プロポキシ−2−フェニル
エタナールを使用することにより、2−プロポキシ−2
−フェニル−1,3−プロパンジオール(C)を得た。
【0033】参考例4 参考例1の操作手順における2−エトキシ−2−フェニ
ルエタナールに変えて、2−イソプロポキシ−2−フェ
ニルエタナールを使用することにより、2−イソプロポ
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(D)
を得た。
ルエタナールに変えて、2−イソプロポキシ−2−フェ
ニルエタナールを使用することにより、2−イソプロポ
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(D)
を得た。
【0034】参考例5 参考例1の操作手順における2−エトキシ−2−フェニ
ルエタナールに変えて、2−ベンジロキシ−2−フェニ
ルエタナールを使用することにより、2−ベンジロキシ
−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(E)を得
た。
ルエタナールに変えて、2−ベンジロキシ−2−フェニ
ルエタナールを使用することにより、2−ベンジロキシ
−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(E)を得
た。
【0035】以上の参考例1〜5で得られた2−アルコ
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール類の融
点を[表1]に示す。
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール類の融
点を[表1]に示す。
【0036】
【表1】
【0037】また、参考例1〜5で得られた2−アルコ
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール類の 1
H−NMR(300MHz,CDCl3 )の測定結果を
[表2]に示す。
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール類の 1
H−NMR(300MHz,CDCl3 )の測定結果を
[表2]に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例1 (2−フェニル−1,3−プロパンジオールの製造)1
00mlのオートクレーブに、参考例2で得た2−メト
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(B)
5g(0.033mol)と、エタノール50mlとを
仕込み、さらに5%Pd/C 0.10gを添加し、5
0℃に昇温し、水素圧を5kg/cm2 にした。この状
態で6時間反応させた後、触媒を除去し、さらにエタノ
ールを留去することにより、5.17gの粗生成物を得
た。
00mlのオートクレーブに、参考例2で得た2−メト
キシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオール(B)
5g(0.033mol)と、エタノール50mlとを
仕込み、さらに5%Pd/C 0.10gを添加し、5
0℃に昇温し、水素圧を5kg/cm2 にした。この状
態で6時間反応させた後、触媒を除去し、さらにエタノ
ールを留去することにより、5.17gの粗生成物を得
た。
【0040】得られた粗生成物をトルエン15gに溶解
し、冷却することにより結晶を析出させた。次いで、こ
の結晶を濾取し、乾燥することにより、1.68g
(0.014mol)の目的化合物である2−フェニル
−1,3−プロパンジオールを得た。2−メトキシ−2
−フェニル−1,3−プロパンジオール(B)からの2
−フェニル−1,3−プロパンジオールの収率は42%
である。
し、冷却することにより結晶を析出させた。次いで、こ
の結晶を濾取し、乾燥することにより、1.68g
(0.014mol)の目的化合物である2−フェニル
−1,3−プロパンジオールを得た。2−メトキシ−2
−フェニル−1,3−プロパンジオール(B)からの2
−フェニル−1,3−プロパンジオールの収率は42%
である。
【0041】実施例2〜5 参考例1及び参考例3〜参考例5で得られたそれぞれの
2−アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールを、実施例1に説明したのと同様の操作により、5
%Pd/C触媒を用いて加水素分解に付し、目的化合物
である2−フェニル−1,3−プロパンジオールを得
た。それぞれの加水素分解反応条件、及び2−アルコキ
シ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールからの2
−フェニル−1,3−プロパンジオールの収率を[表
3]に示す。
2−アルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ールを、実施例1に説明したのと同様の操作により、5
%Pd/C触媒を用いて加水素分解に付し、目的化合物
である2−フェニル−1,3−プロパンジオールを得
た。それぞれの加水素分解反応条件、及び2−アルコキ
シ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールからの2
−フェニル−1,3−プロパンジオールの収率を[表
3]に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明は、(化1)で表示される2−ア
ルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールま
たはその誘導体を、触媒の存在下において加水素分解す
ることによる2−フェニル−1,3−プロパンジオール
またはその誘導体の製造方法からなる。
ルコキシ−2−フェニル−1,3−プロパンジオールま
たはその誘導体を、触媒の存在下において加水素分解す
ることによる2−フェニル−1,3−プロパンジオール
またはその誘導体の製造方法からなる。
【0044】
【化4】
【0045】本発明方法によって得られる2−フェニル
−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体は、抗て
んかん薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体
としての利用価値を有するものである。そして、本発明
方法によれば、安価な製造原料を利用し、しかも、温和
な反応条件下で安全に、かつ、的確に、前記抗てんかん
薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体である
2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘
導体を、的確に得ることができる。
−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体は、抗て
んかん薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体
としての利用価値を有するものである。そして、本発明
方法によれば、安価な製造原料を利用し、しかも、温和
な反応条件下で安全に、かつ、的確に、前記抗てんかん
薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体である
2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘
導体を、的確に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細貝 武郎 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内 (72)発明者 糸井 和男 岡山県倉敷市酒津2045−1 株式会社テク ノソフト内
Claims (1)
- 【請求項1】 (化1)で表示される2−アルコキシ−
2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘
導体を、触媒の存在下において加水素分解することを特
徴とする2−フェニル−1,3−プロパンジオールまた
はその誘導体の製造方法。 【化1】
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5234243A JPH0769949A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法 |
EP94113242A EP0641757A1 (en) | 1993-08-26 | 1994-08-24 | 2-Aryl-1,3-propanediol and dioxane derivatives and their preparation |
KR1019940021188A KR950005789A (ko) | 1993-08-26 | 1994-08-26 | 신규한 2- 알콕시 또는 아실옥시-2-아릴-1,3-프로판디올 또는 디옥산유도체 및 그의 제조방법 |
US08/297,112 US5500484A (en) | 1993-08-26 | 1994-08-26 | 2-alkoxy- or acyloxy-2-aryl-1,3-propanediol or dioxane derivative, and process for its production |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5234243A JPH0769949A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769949A true JPH0769949A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=16967929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5234243A Pending JPH0769949A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 2−フェニル−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0769949A (ja) |
-
1993
- 1993-08-26 JP JP5234243A patent/JPH0769949A/ja active Pending
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