JPH0769918A - 溶血液の分離方法 - Google Patents

溶血液の分離方法

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JPH0769918A JP3229738A JP22973891A JPH0769918A JP H0769918 A JPH0769918 A JP H0769918A JP 3229738 A JP3229738 A JP 3229738A JP 22973891 A JP22973891 A JP 22973891A JP H0769918 A JPH0769918 A JP H0769918A
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邦彦 仲井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 溶血液を、赤血球膜物質と血液型物質とを含
む混合物質とヘモグロビン溶液とに分離する方法におい
て、溶血液を再生セルロースからなる多孔性中空繊維を
用いて濾過し、赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合
物質とヘモグロビン溶液とに分離することを特徴とする
溶血液の分離方法、およびこれを利用したヘモグロビン
溶液の製造方法である。 【効果】 本発明によれば、溶血液を原料として、赤血
球膜物質と血液型物質とを含む混合物質を、ヘモグロビ
ン溶液から高純度で分離することができる。また得られ
たヘモグロビン溶液は、純度が高いため、蛋白変性がな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶血液から赤血球膜物
質と血液型物質とを含む混合物質と、ヘモグロビン溶液
とを分離する方法、および、この分離方法を利用して、
前記混合物質を血液から除去するヘモグロビン溶液の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビン溶液は人工血液の材料等に
利用できる。しかし、人工血液用のヘモグロビン溶液中
に赤血球膜物質や血液型物質が残存すると、生体投与時
に血液凝固、腎障害、血管収縮および補体系の活性化等
の様々な副作用を引き起こすことから赤血球膜物質と血
液型物質を完全に除去する必要がある。
【0003】赤血球からヘモグロビンを製造する方法と
しては通常のフィルター濾過に用いられているポリサッ
カライド類、セルロース類の天然高分子、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール等の合成高分子を用いた透析
・フィルター濾過法が知られている。(Anal. Biochem.,
157, 191(1986)., Biotech.Appl. Biochem., 9. 230(1
987)., J.Chromato., 374 , 143(1986). USP 4,526,71
5) 。
【0004】さらに、平均孔径を0.05μm 以下に小さく
した前記合成高分子材質からできた透析膜、限外濾過
膜、逆浸透膜を用いる方法が知られている。また、銅ア
ンモニア法再生セルロース多孔性中空繊維を用いて血液
に存在するウイルスを除去する方法(特開昭63-88130号
公報)が知られているが、溶血液から赤血球膜物質と血
液型物質とを除去し,ヘモグロビン溶液を得ることは知
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の透析・フィルタ
ー濾過法は、赤血球膜物質と血液型物質とを十分に分離
できずヘモグロビン溶液に混入してしまうという問題が
あった。また、平均孔径0.05μm 以下に小さくした合成
高分子材質の膜を用いても、微量の赤血球膜物質と血液
型物質が残存してしまう。さらに、これらの膜は、細孔
にするにつれて濾過速度が極端に低下し目詰まりが激し
くなるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、このような問題点を解消
した赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合物質を溶血
液から分離する方法、およびこの方法を利用したヘモグ
ロビン溶液の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶血液を、赤
血球膜物質と血液型物質とを含む混合物質とヘモグロビ
ン溶液とに分離する方法において、溶血液を銅アンモニ
ア法再生セルロースからなる多孔性中空繊維を用いて濾
過し、赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合物質とヘ
モグロビン溶液とに分離することを特徴とする。
【0008】また、本発明は、溶血液からヘモグロビン
溶液を製造する方法において、溶血液を銅アンモニア法
再生セルロースからなる多孔性中空繊維を用いて濾過
し、溶血液から赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合
物質を除去することを特徴とする。本発明に用いる溶血
液は、人、牛、馬、豚、鶏等の動物由来の赤血球に低張
液を添加し、あるいは、これらの赤血球を凍結解凍する
等により、赤血球膜のみを破壊した溶液であり、ただ単
に赤血球膜の形状が変化した溶液であり、本来その性質
が化学的には何等変化していないものである。溶血液
は、赤血球に等量の生理食塩水を加え、ゆるやかに混合
した後、遠心分離操作で下層を集め、この処理を数回行
い充分に赤血球を洗浄し、得ることができる。
【0009】本発明に用いることができる再生セルロー
スは、たとえば、銅アンモニア法、ビスコース法、セル
ロースエステルのケン化法などのものであり、特に銅ア
ンモニア法再生セルロースが適している。銅アンモニア
法再生セルロースは、一般的にセルロース原料を銅アン
モニア溶液に溶解した銅安セルロース溶液から、アルカ
リ、酸、塩等の水溶液を用いた湿式紡糸により、セルロ
ースを再生することにより製造される。この方法で得ら
れる再生セルロースは、一般に分子量が高く、壁面と平
行な多層状のあみ目構造の形成が認められるため、孔の
数が多く、空孔率が高く、タンパク質の吸着も少ない性
質を持つ。
【0010】本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロ
ースからなる多孔性中空繊維は、例えば特公平2−4660
8 号公報、特公平2−57982 号公報などに記載の方法に
よって得られる。多孔性中空繊維はα−セルロース含有
量95%以上で、重合度500 以上の高純度コットンリンタ
ーを原料にセルロース銅安液を紡糸原液として二重紡口
を用いた湿式紡糸によって製造される。有機溶媒を配合
した水溶液を凝固剤に使い、中空繊維の内壁と外壁部と
からミクロ相分離を発生させ、この相分離が順次壁の内
部へ進行するように温度、組成を調整することによっ
て、膜構造を形成させることができる。ここでミクロ相
分離とは、溶液中に高分子の濃厚層あるいは希薄層が直
径0.02〜数μm の粒子として分散し、安定化している状
態を意味する。ミクロ相分離の生起は、紡糸中の糸の失
透現象によって直接肉眼観察するか、あるいは紡糸後の
糸の電子顕微鏡観察により、直径 1μm 以下、0.02μm
以上の粒子の存在によって確認することができる。
【0011】本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロ
ースからなる多孔性中空繊維の平均孔径は、0.02〜10μ
m が適しており、さらに0.02〜2 μm が最適である。0.
02μm 未満では濾過速度が遅くなり、10μm を超えると
除去率が低下するので好ましくない。極小面内空孔率は
10%以上、好ましくは20%以上必要であり、10%未満で
は濾過速度が急激に低下する。また、極小面内空孔率が
60%を超えると、多孔性中空繊維の力学的性質は著しく
低下し、ピンホール等の欠陥部が生じたり、中空繊維を
構成するセルロース分子が濾過中あるいは被濾過液中に
脱落分散する恐れがある。中空繊維の膜厚は、薄ければ
薄いほど濾過速度が大きくなるので好ましい。しかしな
がら、膜厚が10μm 未満になると、中空繊維にはピンホ
ールが多発し、赤血球膜物質と血液型物質が濾過中に漏
れ出てくる。また、膜厚が100 μm 以上になると、濾過
速度が大きく低下し、ヘモグロビン溶液中の蛋白質の吸
着量が増大する。従って、極小面内空孔率が大きくなれ
ば、膜厚をより大きく設計し、極小面内空孔率が小さく
なれば、膜厚を薄くすることができる。
【0012】このように製造した中空繊維の濾過効率を
上げるため、プラスチックあるいは金属性の円筒状の外
筒内に10〜10,000本程度の中空繊維を密に配置し、中空
繊維の両末端に接着剤等を詰め込んでモジュール化した
成形物として利用する。分離すべき流体の容積に応じ
て、中空繊維の膜面積や成形物の長さ・太さ等の形状を
目的に合わせて任意に選択作製可能である。このように
緻密に膜設計を施すことにより、赤血球膜物質と血液型
物質の混合物である微粒子と、ヘモグロビン溶液とを精
度良く分離することができ、赤血球膜物質、血液型物
質、ヘモグロビンの膜への吸着も極めて少ないため濾過
が効率的に行われ、高品質のヘモグロビン溶液の大量製
造を可能にする。
【0013】具体的には、旭化成工業株式会社が製造し
ている BMM (Bemberg MicroporousMembrame) モジュー
ルBMM 35、BMM 40、BMM 50、BMM 75 (商品名)等を、本
発明の目的に利用することができる。本発明は、溶血液
を銅アンモニア法再生セルロースからなる多孔性中空繊
維で濾過することにより、中性脂質、リン脂質、膜蛋白
質などを含む赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合物
質とヘモグロビン溶液とに分離できる。
【0014】赤血球膜物質のうち中性脂質は、コレステ
ロール、コレステロールの脂肪酸エステル、トリグリセ
ライド等である。リン脂質は、ホスファチジルコリン、
ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリ
ン、スフィンゴミエリン等である。膜蛋白質はバンドI
(スペクトリン)、II、III 、IV、V、VI(グリセロア
ルデヒド−3P−デヒドロゲナーゼ)等である。
【0015】血液型物質は、グロボシド,ヘマトシド等
の糖脂質、シアログリコプロテイン等である。本発明で
得られるヘモグロビン溶液は酵素、無機塩等を含んでい
てもよい。本発明の銅アンモニア法再生セルロースから
なる多孔性中空繊維による濾過は、垂直濾過方式で目的
を達成することができるが、処理時間・処理量等の濾過
効率の観点から、銅アンモニア法再生セルロースからな
る多孔性中空繊維をモジュール化し、ポンプ等の動力で
平行濾過する方式が最適である。この平行濾過方式は、
ほとんど目詰まりなく溶血液を濾過処理することがで
き、溶血液の固形分濃度約50%以下の場合、溶血液のp
H、浸透圧、温度等に左右されるが、平均濾過速度約10
リットル/m2・H(加圧力1Kg/cm2 以下)を維持でき
る。得られたヘモグロビン溶液は、溶血液のヘモグロビ
ン濃度、pH、浸透圧等の変化がほとんどなく、濾過に
よる損失や濾過膜への蛋白吸着および変性による分離ヘ
モグロビン等の生成も認められなかった。
【0016】本発明に用いる多孔性中空繊維の目詰まり
等による耐用時間・回数の低下や処理効率のさらなる向
上のため、銅アンモニア法再生セルロースからなる多孔
性中空繊維による濾過前に、遠心分離や通常のフィルタ
ー濾過等により、除去可能な程度の赤血球膜物質と血液
型物質を、予め除いておくことが好ましい。また、多孔
性中空繊維の平均孔径の大きいものから小さいものへ順
次濾過処理を変化させたり、平均孔径、極小面内空孔
率、膜厚等の相違した多孔性中空繊維を適宜組み合わせ
ることも、処理効率の面から工夫できる。さらに、赤血
球製剤バックから一連の操作を直接外気に触れる事無く
処理し、赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合物質を
含有しないヘモグロビン溶液を提供することも可能であ
る。
【0017】本発明によって得られるヘモグロビン溶液
または溶血液は、特開昭63−236501号公報、特開昭63−
88007 号公報、特開昭63−104615号公報などに記載の銅
アンモニア法再生セルロースからなる特定された中空繊
維を利用することができ、これらを組み合わせることに
より、肝炎、エイズ等のウイルスが混入していた場合に
も除去可能である。
【0018】本明細書中に用いられる極小面内空孔率に
ついて、その定義を以下に記す。 〔極小面内空孔率〕銅アンモニア法再生セルロースから
なる多孔性中空繊維をアクリル樹脂で包埋後、ウルトラ
ミクロトーム(LKB社(スウェーデン)製、商品名、
UltratomeIII 8800型) に装着したガラスナイフを用い
て、外壁面から膜厚方向に沿って厚さ約1μm の試料を
順に切り出す。その試料切片をクロロホルムで脱包埋
後、それぞれの切片の電子顕微鏡写真を撮る。注目する
切片の1cm2 当り、孔半径が(r)〜(r+dr)に存
在する孔の数をN(r)drと表示する。3次および4
次の平均孔半径(それぞれr3およびr4)は次式で定
義される。
【0019】
【数1】
【0020】2r3 ・r4 で(1)式および(2)式か
ら計算される。写真より2r3 ・r4を(2)式から計
算し、面内平均孔径の内壁面からの距離に対する図示よ
り、極小面内孔径を示す面を決定する。その決定された
面の空孔率を極小面内空孔率と定義する。その極小面内
空孔率は(3)式で求められる。
【0021】
【数2】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、溶血液を原料として、
赤血球膜物質と血液型物質とを含む混合物質を、ヘモグ
ロビン溶液から高純度で分離することができる。また、
得られたヘモグロビン溶液は、純度が高いため、蛋白変
性がない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。 調製例1 期限切れの人赤血球(A型)に等量の生理食塩水を加
え、ゆるやかに混合した後、遠心分離操作(3,000 G、
30分間) で下層を集めた。この処理を5回行い充分に赤
血球を洗浄し、溶血液を得た。溶血液の4倍容の5mMリ
ン酸緩衝液(pH7.4)を加え、4℃で10分間静置後、Na
Clを添加し、浸透圧をヒト血液と等張にした溶血液(ヘ
モグロビン濃度 4.2g/dl) を得た。
【0024】実施例1 調製例1で得た溶血液10mlを、垂直に立てた銅アンモニ
ア法再生セルロースからなる多孔性中空繊維(旭化成工
業株式会社製、BMM-75、商品名プラノバ75N;平均孔径
0.075 μm 、極小面内空孔率27%、膜厚35μm)中を自然
落下させることにより濾過した。濾液として得られたヘ
モグロビン濃度、赤血球膜物質除去率および血液型物質
除去率を測定した。その結果を、表1に示す。
【0025】比較例1 調製例1で得た溶血液10mlを、8,000 Gで30分間遠心処
理後、上清を、さらに36,000Gで30分間遠心処理して、
上清を取り出し、実施例1と同様に赤血球膜物質由来の
リン脂質と血液型物質の除去率を測定した。さらに、こ
の遠心処理で得た上清を0.22μm のメンブレンフィルタ
ー(マイレクス GV4、 MILLIPORE LTD.)で濾過し、ヘモ
グロビン濃度、赤血球膜物質除去率および血液型物質除
去率を測定した。その結果を表1に示す。
【0026】尚、ヘモグロビン濃度は、シアンメトヘモ
グロビン法(Medical Physics, 2,1072(1950)) によっ
て測定した。 リン脂質の定量は、過マンガン酸塩灰化法(Can. J. Re
s., 27, 160(1949))による。
【0027】 血液型物質の定量は、エンザイムイムノアッセイ法(J.
Immuno. Meth., 118,37(1989) 、日本輸血学会誌、34,
546(1989))による。
【0028】調製例2 牛から採血した血液を3,000 Gで30分間遠心分離して血
漿および皮脂凝血を除去し、等張リン酸緩衝溶液(300m
Osm)で赤血球を3回洗浄した。次いで、低張リン酸緩衝
溶液(20mOsm)2容量に対して洗浄赤血球1容量を攪拌
しながら滴下した後、20,000G で30分間遠心処理し、得
られた上清を溶血液(ヘモグロビン濃度6.8g/dl)として
得た。
【0029】実施例2 調製例2で得られた溶血液10リットルをタンクに入れ、
ペリスターポンプで50ml/分の流速で銅アンモニア法再
生セルロースからなる多孔性中空繊維で構成されたモジ
ュール(旭化成工業株式会社製、BMM 40、商品名プラノ
バ40N;平均孔径0.04μm 、極小面内空孔率24%、膜厚
35μm 、膜面積 0.3m2)中に溶血液を循環させることに
より、タンク中に赤血球膜物質と血液型物質を含む混合
物質を回収し、濾液としてヘモグロビン溶液9.8 リット
ルをそれぞれ分離した。濾液中のヘモグロビン濃度、赤
血球膜物質除去率および血液型物質除去率を測定した。
その結果を表2に示す。
【0030】比較例2 調製例2で得られた溶血液10リットルをタンクに入れ、
ペリスターポンプで50ml/分の流速でポリオレフィン系
中空樹脂で構成されたモジュール(旭化成工業株式会社
製、商品名マイクローザ PSP-113;膜面積 0.2m2、孔径
0.1μm)中に溶血液を循環させた。濾液として得られた
ヘモグロビン溶液9.5 リットルに含まれる赤血球膜物質
と血液型物質を測定した。結果を表2に示す。
【0031】調製例3 調製例1で得られた洗浄ヒト赤血球(A型)を大きめの
丸底フラスコに入れ、ドライアイス−メタノール中に浸
して回転させながら凍結させた。充分凍結させたところ
で、25℃の水中に移し、直ちに融解させた。この操作を
3回繰り返した後、少量のリン酸緩衝液を加え、浸透圧
(295mOsm)、pH7.4 に調整した溶血液(ヘモグロビン
濃度20.0g/dl) を得た。
【0032】実施例3 調製例3で得た溶血液100ml をタンクに入れ、ペリスタ
ーポンプでゆっくりと銅アンモニア法再生セルロースか
らなる多孔性中空繊維で構成されたモジュール(旭化成
工業株式会社製、BMM 35、商品名プラノバ35N;平均孔
径0.035 μm 、極小面内空孔率21%、膜厚35μm 、膜面
積 0.03m2)中に溶血液を循環させることにより、タンク
中に赤血球膜物質と血液型物質を含む混合物質を回収
し、濾液としてヘモグロビン溶液95mlをそれぞれ分離し
た。濾液として得られたヘモグロビン溶液に含まれるヘ
モグロビン濃度、赤血球膜物質除去率および血液型物質
除去率を測定した。その結果を表3に示す。
【0033】比較例3 調製例3で得た溶血液100ml をタンクに入れ、ペリスタ
ーポンプでゆっくりと限外濾過膜(ポリスルホン限外濾
過膜:300,000 NMWL、膜面積 500cm2 、MILLIPORE 社
製、限外濾過装置:ミニタンS、MILLIPORE 社製)中に
溶血液を循環させたところ、濾液が19ml得られたところ
で、目詰まりが発生し、濾過不可能になった。濾過され
たヘモグロビン溶液のヘモグロビン濃度、赤血球膜物質
除去率および血液型物質除去率を測定した。その結果を
表3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】 表からも明らかなように、本発明実施例によれば、赤血
球膜物質除去率、血液型物質除去率が、比較例に比べ非
常に高いことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/34 2/00 8318−4H (72)発明者 守澤 和也 茨城県土浦市乙戸南1−4−24 (72)発明者 デビット アール.リンデ 茨城県つくば市春日2−26−2 苅間ハイ ツC101 (72)発明者 仲地 理 茨城県牛久市下根町1044−10 (72)発明者 石川 元 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 旭 化成工業株式会社内 (72)発明者 仲井 邦彦 北海道札幌市中央区南22条西12丁目1番7 −303号 (72)発明者 小林 正友 静岡県三島市若松町4330番地の9フォーブ ル初音201 (72)発明者 関口 定美 北海道札幌市南区真駒内上町5丁目6番3 号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶血液を、赤血球膜物質と血液型物質と
    を含む混合物質とヘモグロビン溶液とに分離する方法に
    おいて、溶血液を再生セルロースからなる多孔性中空繊
    維を用いて濾過し、赤血球膜物質と血液型物質とを含む
    混合物質とヘモグロビン溶液とに分離することを特徴と
    する溶血液の分離方法。
  2. 【請求項2】 溶血液からヘモグロビン溶液を製造する
    方法において、溶血液を再生セルロースからなる多孔性
    中空繊維を用いて濾過し、溶血液から赤血球膜物質と血
    液型物質とを含む混合物質を除去することを特徴とする
    ヘモグロビン溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 再生セルロースからなる多孔性中空繊維
    が、平均孔径0.02〜10μm 、極小面内空孔率10%以上、
    膜厚10〜100 μm の多孔性中空繊維である請求項1また
    は2記載の方法。
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JP2012071250A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sepa Sigma Inc 再生セルロース多層構造平膜の製法
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