JPH0769915A - ウィルス感染・増殖抑制剤 - Google Patents

ウィルス感染・増殖抑制剤

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JPH0769915A
JPH0769915A JP5240284A JP24028493A JPH0769915A JP H0769915 A JPH0769915 A JP H0769915A JP 5240284 A JP5240284 A JP 5240284A JP 24028493 A JP24028493 A JP 24028493A JP H0769915 A JPH0769915 A JP H0769915A
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一人 長谷川
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亘 持地
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重明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副作用の少ないペプチド性のウィルス感染・
増殖抑制剤の提供。 【構成】 次の式(1)または式(2)で示されるペプ
チドを有効成分とするウィルス感染・増殖抑制剤。式
(1)は、ヒトラクトフェリン(LF)の25〜40残基で
あり、そのLF(25-52) 、LF(1-52)も用いることがで
きる。また式(2)は、ウシLFの24〜39残基であり、
そのLF(25-51) 、LF(1-51)も用いることができる。 【効果】 抗ウィルス剤としてHIV、インフルエンザ
ウィルス等の感染の防止あるいは治療に有用である。 A-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-Val-Ser-
Cys-Ile-Lys-Arg-B(式1) A-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-Ile-Thr-
Cys-Val-Arg-Arg-B(式2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、副作用の少ないペプチ
ド性のウィルス感染・増殖抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ウィルス感染による疾患の克服のため
に、これまで多くの努力がなされてきた。しかし近年、
世界的にも猛威をふるっているヒト免疫不全ウィルス
(HIV)や毎年流行するインフルエンザウィルスのよ
うにいまだ有効な予防法や治療法の無いものもある。ウ
ィルス感染による疾患に対する治療法として抗ウィルス
剤による化学療法がある。しかし現在のところ、全身的
に投与され明白な効果を示す抗ウィルス剤はほとんど無
い。その理由として、ウィルスは細胞内で増殖し、増殖
のための機能をほとんど細胞に依存している。つまりウ
ィルスは感染後、その増殖を治療すべき人体の構成細胞
自体の増殖機能を利用して行っている。従ってウィルス
の増殖を抑える化学物質の多くは細胞にも作用して毒性
を示すからである。抗ウィルス剤の問題点としては上述
のように薬剤の選択毒性が低いこと以外にもウィルス感
染症の特徴から由来するいくつかの問題点がある。特に
急性・全身性のウィルス感染症では、症状が現れる時期
がウィルスの体内増殖のピークが過ぎてしまった後なの
で、むしろウィルスの感染を阻止し増殖を抑制する物質
が求められている。この様なウィルスの感染を防御する
方法としてワクチンの予防接種による方法があるが、こ
の方法はしばしばアレルギー反応や種々の副作用を示す
ことが知られており、しかもウィルスの変異に対しては
対処できないのが現実である。
【0003】この様な状況において、本発明者らは、ラ
クトフェリン(LF)、トランスフェリン、オボトラン
スフェリンなど鉄結合能を有するタンパク質が、インフ
ルエンザウィルスやサイトメガロウィルス(CMV)の
感染・増殖を抑制することを見出し特許出願を行った
(特開平2−233619)。LFは、乳中に分泌され
る鉄結合性のタンパク質で抗菌活性があることが知られ
ている。LFは、ヒトおよびウシ由来のものについて詳
細な研究が行われており、ヒトLF、ウシLFともその
全アミノ酸配列がすでに決定されている(M.W. Rey,et a
l.,Neucleic AcidRes.,Vol.18,5288,1990およびP.E. Me
ad et al.,Neucleic Acid Res.,Vol.18,7167,1990)。特
開平1−233226にはLF等の乳タンパク質を有効
成分とする抗ウィルス剤が開示されており、この中にL
Fが、外被性ウィルスおよび非外被性ウィルスに対して
有効であることが記載されている。また最近、本発明者
らは、HIVに対するこれら鉄結合性タンパク質の感染
・増殖抑制効果についても確認し、LFを有効成分とす
るHIV感染・増殖抑制剤について特許出願を行った
(特願平4−220635)。
【0004】この様に、LFなど鉄結合性タンパク質は
ウィルスの感染・増殖抑制効果を持つことが次第に明ら
かとなり、抗ウィルス剤として、その実用化が期待され
てきた。これらタンパク質が実際に感染・増殖抑制剤と
して用いられるためには、体内に投与した場合抗原性
の点で問題が無いこと、大量に供給できることが必要
である。これらの鉄結合性タンパク質のうち、ウシLF
やウシトランスフェリン、又は鶏卵から得られるオボト
ランスフェリンは大量に供給できるが人体内に投与した
場合抗原性を示すという問題がある。一方、ヒトLFは
抗原性に関しては問題無いが大量に供給することが困難
である。この様な問題を解決するために、本発明者らは
LF由来のペプチドフラグメントのうち〔化7〕および
〔化8〕が抗ウィルス活性を持つことを見出し特許出願
をおこなった(特願平5─69210)。
【0005】
【化7】Cys-Phe-Gln-Trp-Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Va
l-Arg-Gly-Pro-Pro-Val-Ser-Cys
【0006】
【化8】Cys-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Le
u-Gly-Ala-Pro-Ser-Ile-Thr-Cys (ただし、これらの式中Cys は還元型でもよく、またペ
プチド内の2個のCysが−S−S−結合して酸化型とな
ってもよい。)
【0007】これらのペプチドはそれぞれヒトLFの2
0〜37残基およびウシLFの19〜36残基に相当す
るもので分子内のS−S結合は抗ウィルス活性に必須で
はなかった。これらのペプチドは天然のLFに比べて極
めて鎖長が短いため、化学合成や遺伝子操作による合成
により容易に供給することができる。またマウスを用い
た感染防御試験においては、CMVの感染を完全に抑制
するのに必要な〔化7〕および〔化8〕のペプチド量
は、 0.1g/体重kgであった。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者らは、さら
に強力な抗ウイルス活性を有するLFフラグメントを得
る目的で、いくつかのLFフラグメントを化学的に合成
し、その抗ウィルス活性を検討することで、ヒトLFの
抗ウィルス活性に関する必須部分を検索した。その結
果、ヒトLFでは次の〔化9〕で示される25〜40残
基部分が、またウシLFでは次の〔化10〕で示される
24〜39残基部分が抗ウィルス活性に必須であること
を見出した。なお以後のLFペプチドの残基の番号は天
然のヒトまたはウシラクトフェリンのアミノ酸配列に付
与された番号を用いる。
【0009】
【化9】Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-Va
l-Ser-Cys-Ile-Lys-Arg
【0010】
【化10】Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-
Ile-Thr-Cys-Val-Arg-Arg
【0011】本発明者らは、この活性部分を含み、さら
に高活性な抗ウィルスペプチドを開発する目的で、〔化
9〕および〔化10〕に示したペプチドを中心にN端側
およびC端側にペプチド鎖を延長したところ、ヒトLF
では1〜52残基〔化11〕に相当する部分および25
〜52残基〔化12〕に相当する部分が、これまで知ら
れていたLF由来ペプチドに比べてより高活性であるこ
とを見出した。また、ウシLFでは1〜51残基〔化1
3〕に相当する部分および24〜51残基〔化14〕に
相当する部分がこれまで知られていたLF由来ペプチド
に比べてより高活性であることを見出した。
【0012】
【化11】Gly-Arg-Arg-Arg-Arg-Ser-Val-Gln-Trp-Cys-
Ala-Val-Ser-Gln-Pro-Glu-Ala-Thr-Lys-Cys-Phe-Gln-Tr
p-Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-Val-
Ser-Cys-Ile-Lys-Arg-Asp-Ser-Pro-Ile-Gln-Cys-Ile-Gl
n-Ala-Ile-Ala-Glu
【0013】
【化12】Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-
Val-Ser-Cys-Ile-Lys-Arg-Asp-Ser-Pro-Ile-Gln-Cys-Il
e-Gln-Ala-Ile-Ala-Glu
【0014】
【化13】Ala-Pro-Arg-Lys-Asn-Val-Arg-Trp-Cys-Thr-
Ile-Ser-Gln-Pro-Asp-Ser-Phe-Lys-Cys-Arg-Arg-Trp-Gl
n-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-Ile-Thr-
Cys-Val-Arg-Arg-Ala-Phe-Ala-Leu-Glu-Cys-Ile-Arg-Al
a-Ile-Ala-Glu-Lys
【0015】
【化14】Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-
Ile-Thr-Cys-Val-Arg-Arg-Ala-Phe-Ala-Leu-Glu-Cys-Il
e-Arg-Ala-Ile-Ala-Glu
【0016】また、これらのペプチドフラグメントのう
ち〔化11〕および〔化13〕は、分子内に2つのS−
S結合をもつことができるが、このS−S結合はウイル
ス活性の発現には必須ではなかった。S−S結合は存在
していても、存在していなくとも良い。従って、〔化1
1〕及び〔化13〕のCys は還元型であってもあるいは
相互にS−S結合して酸化型になってもよい。
【0017】これらのLFフラグメントに関するこれま
での知見としては、ヒトLFの1〜50残基部分がLF
分子の受容体結合領域であるとする報告(B.F. Anderso
n,etal,J.Mol.Biol.,209,711,1989)、ヒトLFの4〜
52に相当するペプチドがLFとリンパ球の結合を阻害
したという報告(D.Legrand,et al,Biochemistry,31,92
43,1992)、ヒトLFの1〜47残基に相当するペプチド
およびウシLFの17〜41残基に相当するペプチドが
抗菌活性をもつという報告(W.Bellamy,et al.,Biochim.
Biophys.Acta,1121,130,1992 )などがあるが抗ウィル
ス活性についての記載は無い。またこの抗菌活性に関し
て、特開平5−78392ではヒトLFの19〜29残
基あるいはウシLF18〜28残基部分を含むペプチド
が、特開平5−148295ではヒトLFの21〜26
残基あるいはウシLF20〜24残基部分を含むペプチ
ドが、特開平5−148296ではウシLFの21〜2
5残基あるいはウシLF25〜29残基部分を含むペプ
チドが、特開平5−148297ではウシLFの20〜
24残基部分を含むペプチドについてそれぞれ記載され
ているが、いずれも本発明の抗ウィルス効果に必須な部
位とは異なっている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の〔化1
5〕または〔化16〕で表されるアミノ酸配列を有する
ペプチドを有効成分とするウィルス感染・増殖抑制剤に
関する。また、このペプチドは薬理的に許容される塩の
形となっていてもよい。
【0019】
【化15】A-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pr
o-Val-Ser-Cys-Ile-Lys-Arg-B 但し式中Aは、アミノ末端、アセチル基、ペプチド残基
のいずれかであり、Bはカルボキシル末端、アミド、ペ
プチド残基のいずれかを示す。
【0020】
【化16】A-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Se
r-Ile-Thr-Cys-Val-Arg-Arg-B 但しAは、アミノ末端、アセチル基、ペプチド残基のい
ずれかであり、Bはカルボキシル末端、アミド、ペプチ
ド残基のいずれかを示す。
【0021】また〔化15〕、〔化16〕に示す配列を
基にN末端側およびC末端側にペプチド鎖を延長したペ
プチドを有効成分とすることができる。このようなペプ
チドとしては、例えば、前記した、〔化11〕、〔化1
2〕、〔化13〕、〔化14〕に示すペプチドが例示さ
れる。さらにこれらの薬理的に許容される塩、例えば塩
酸塩、酢酸塩なども用いることができる。〔化15〕お
よび〔化16〕に示すペプチドは、それぞれヒトLFの
25〜40残基およびウシLFの24〜39残基に相当
する配列であり、前述のように本発明における抗ウィル
ス活性に必須な領域である。以下本発明のウィルス感染
・増殖抑制剤中の有効成分のLF由来のアミノ酸配列を
含むペプチドはヒトLF(25−40)あるいはウシL
F(24−51)のようにLF中のアミノ酸配列の番号
で記載する。本発明のペプチドを得るためには、通常の
化学合成による方法、LFのプロテアーゼ分解物から単
離する方法、遺伝子組み換えによる方法などどれでもよ
い。さらに、市販のペプチドシンセサイザー等の合成装
置を用いて直鎖ペプチドを得た後、通常の方法でS−S
結合を形成させることもできるし、S−S結合を形成さ
せなくても良い。
【0022】これらのペプチドまたはペプチド誘導体は
単独もしくは賦型剤、安定剤を添加して製剤化すること
ができる。本発明のウィルス感染・増殖抑制剤は、経
口、注射、座薬として投与することができる。通常は、
成人1日あたり0.1〜1.0gを投与することにより
効果を示す。またこれらのペプチドは、従来から食品素
材として用いられているタンパク質の一部なので安全性
の面でも問題無い。特にヒト由来のペプチドフラグメン
トは、その抗原性が非常に低いため実用上好ましい。
【0023】以下に本発明によるウィルス感染・増殖抑
制剤について実施例により詳細に説明する。なお、合成
は、泉谷ら著「ペプチド合成の基礎と実験」(1985年丸
善刊)p194-233に記載の方法に従い固相合成法にて行っ
た。
【実施例1】 ヒトLF(25−40)の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)により、
パラヒドロキシメチルフェノキシメチルポリスチレン
(HMP)樹脂を用い、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル(Fmoc)基をアミノ末端の保護基として
C末端側からペプチド鎖を順次延長することにより0.
25mmolスケールで直鎖保護ペプチドを合成した。
得られたHMP樹脂結合保護ペプチド1233mgをフ
ェノール、1,2−エタンジチオール、チオアニソール
存在下、トリフルオロ酢酸(TFA)によりペプチドの
HMP樹脂からの切り離しと保護基の除去を同時に行っ
た。減圧濃縮によりTFAを除去した後、エチルエーテ
ルで粗ペプチドを結晶化させ、これを5%酢酸に溶解し
凍結乾燥を行った。得られた直鎖粗ペプチド500mg
は、HPLC〔カラム: オクタデシル4PW(21.
5×150mm,東ソー社),溶出:0.1%TFAを
含む水−アセトニトリルにてグラジエント溶出〕により
精製しヒトLF(25−40)の直鎖精製ペプチド34
0mgを得た。得られた精製ペプチドの純度は、HPL
Cによる分析の結果93%であった。
【0024】
【実施例2】 ヒトLF(25−52)の合成 実施例1と同様の方法で合成し、純度96%のヒトLF
(25−52)の鎖状ペプチド386mgを得た。
【0025】
【実施例3】 N−アセチル−ヒトLF(25−40)−アミド(Ac
−ヒトLF(25−40)−NH2 )の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)によりベ
ンズヒドリルアミン樹脂を用い第3ブチルオキシカルボ
ニル(t−Boc)基をアミノ末端の保護基としてC末
端側から遂次ペプチド鎖を延長することにより0.25
mmolスケールで合成を行った。縮合反応をすべて終
えた後、アミノ末端のt−Boc基を除去し、無水酢酸
でこれをアセチル化した。HF処理によりペプチドの樹
脂からの切り離しと保護基の除去を同時に行った。減圧
濃縮によりHFを除去し目的の粗Ac−ヒトLF(25
−40)−NH2 を得た。この粗ペプチドを実施例1と
同様にしてHPLCで精製し、純度91%の上記精製ペ
プチド42mgを得た。
【0026】
【実施例4】 ヒトLF(1−52)、〔20Cys(Acm),37Cys(Acm) 〕ヒ
トLF(1−52)および〔10CysSH,20Cys(Acm),37Cys
(Acm),46CysSH 〕ヒトLF(1−52)の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)により、
パラヒドロキシメチルフェノキシメチルポリスチレン
(HMP)樹脂を用い、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル(Fmoc)基をアミノ末端の保護基とし、
20Cys および37Cys のSH基をアセトアミドメチル(A
cm)基で保護してC末端側から遂次ペプチド鎖を延長
することにより0.25mmolスケールで直鎖保護ペ
プチドを合成した。得られたHMP樹脂結合保護ペプチ
ド2337mgをフェノール、1,2−エタンジチオー
ル、チオアニソール存在下、トリフルオロ酢酸(TF
A)によりペプチドのHMP樹脂からの切り離しと保護
基の除去を同時に行った。減圧濃縮によりTFAを除去
した後、エチルエーテルで粗ペプチドを結晶化させ、こ
れを5%酢酸に溶解し凍結乾燥を行った。得られた直鎖
粗ペプチド970mgは、HPLC〔カラム:オクタデ
シル4PW(21.5×150mm,東ソー社),溶
出:0.1%TFAを含む水−アセトニトリルにてグラ
ジエント溶出〕により精製し直鎖精製ペプチド〔10CysS
H,20Cys(Acm),37Cys(Acm),46CysSH 〕ヒトLF(1−5
2)607mgを得た。得られた精製ペプチドの純度
は、HPLCによる分析の結果96%であった。このペ
プチドをフェリシアン化カリウム存在下空気酸化により
10Cys,46Cys にS−S結合を形成させさらにHPLCに
て精製することで、純度90%の〔20Cys(Acm),37Cys(A
cm) 〕ヒトLF(1−52)450mgを得た。さらに
このペプチドをヨウ素処理しAcm基の除去とS−S結
合の形成を同時に行い、HPLCで精製することでヒト
LF(1−52)120mgを得た。HPLCによる分
析の結果このペプチドの純度は89%であった。
【0027】
【実施例5】 ウシLF(24−39)の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)により、
パラヒドロキシメチルフェノキシメチルポリスチレン
(HMP)樹脂を用い、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル(Fmoc)基をアミノ末端の保護基として
C末端側から遂次ペプチド鎖を延長することにより0.
25mmolスケールで直鎖保護ペプチドを合成した。
得られたHMP樹脂結合保護ペプチド1340mgをフ
ェノール、1,2−エタンジチオール、チオアニソール
存在下、トリフルオロ酢酸(TFA)によりペプチドの
HMP樹脂からの切り離しと保護基の除去を同時に行っ
た。減圧濃縮によりTFAを除去した後、エチルエーテ
ルで粗ペプチドを結晶化させ、これを5%酢酸に溶解し
凍結乾燥を行った。得られた直鎖粗ペプチド543mg
は、HPLC〔カラム:オクタデシル4PW(21.5
×150mm,東ソー社),溶出:0.1%TFAを含
む水−アセトニトリルにてグラジエント溶出〕により精
製し直鎖精製ペプチド367mgを得た。得られた精製
ペプチドの純度は、HPLCによる分析の結果90%で
あった。
【0028】
【実施例6】 ウシLF(24−51)の合成 実施例5と同様の方法で合成し、純度93%の鎖状ペプ
チド432mgを得た
【0029】
【実施例7】 N−アセチル−ウシLF(24−39)−アミド(Ac
−ウシLF(24−39)−NH2 )の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)によりベ
ンズヒドリルアミン樹脂を用い第3ブチルオキシカルボ
ニル(t−Boc)基をアミノ末端の保護基としてC末
端側から遂次ペプチド鎖を延長することにより0.25
mmolスケールで合成を行った。縮合反応をすべて終
えた後、アミノ末端のt−Boc基を除去し、無水酢酸
でこれをアセチル化した。HF処理によりペプチドの樹
脂からの切り離しと保護基の除去を同時に行った。減圧
濃縮によりHFを除去し目的の粗Ac−ウシLF(24
−39)−NH2 を得た。この粗ペプチドを実施例1と
同様にしてHPLCで精製し、純度91%の精製ペプチ
ド42mgを得た。
【0030】
【実施例8】 ウシLF(1−51)、〔19Cys(Acm),36Cys(Acm) 〕ウ
シLF(1−51)および〔9CysSH,19Cys(Acm),36Cys
(Acm),45CysSH〕ウシLF(1− 51)の合成 ペプチドシンセサイザー431A(ABI社)により、
パラヒドロキシメチルフェノキシメチルポリスチレン
(HMP)樹脂を用い、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル(Fmoc)基をアミノ末端の保護基とし、
19Cys および36Cys のSH基をアセトアミドメチル(A
cm)基で保護してC末端側から遂次ペプチド鎖を延長
することにより0.25mmolスケールで直鎖保護ペ
プチドを合成した。得られたHMP樹脂結合保護ペプチ
ド2767mgをフェノール、1,2−エタンジチオー
ル、チオアニソール存在下、トリフルオロ酢酸(TF
A)によりペプチドのHMP樹脂からの切り離しと保護
基の除去を同時に行った。減圧濃縮によりTFAを除去
した後、エチルエーテルで粗ペプチドを結晶化させ、こ
れを5%酢酸に溶解し凍結乾燥を行った。得られた直鎖
粗ペプチド865mgは、HPLC〔カラム:オクタデ
シル4PW(21.5×150mm,東ソー社),溶
出:0.1%TFAを含む水−アセトニトリルにてグラ
ジエント溶出〕により精製し直鎖精製ペプチド〔9CysS
H,19Cys( Acm),36Cys(Acm),45CysSH 〕ウシLF(1−
51)589mgを得た。得られた精製ペプチドの純度
は、HPLCによる分析の結果95%であった。このペ
プチドをフェリシアン化カリウム存在下空気酸化により
9Cys,45CysにS−S結合を形成させさらにHPLCにて
精製することで、純度88%の〔19Cys(Acm),36Cys(Ac
m) 〕ウシLF(1−51)467mgを得た。さらに
このペプチドをヨウ素処理しAcm基の除去とS−S結
合の形成を同時に行い、HPLCで精製することでウシ
LF(1−51)101mgを得た。HPLCによる分
析の結果このペプチドの純度は87%であった。
【0031】
【実施例9】 ウィルス感染、増殖抑制剤の製造 本実施例においては、上記実施例1〜6の方法により得
ることのできたペプチドの注射製剤の生産例を示した。 ヒトLF(25−40) 100mg ヒト血清アルブミン 100mg 上記組成をpH7.0 の0.01M のPBS で溶解し、全量を20
mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍
結乾燥密封した。 ヒトLF(25−52) 100mg ツイーン80 1mg ヒト血清アルブミン 100mg 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調
製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍結乾燥
密封した。
【0032】 ヒトLF(1−52) 100mg ツイーン80 1mg ヒト血清アルブミン 100mg 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調
製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍結乾燥
密封した。 Ac−ヒトLF(25−40)−NH2 100mg ツイーン80 2mg ソルビトール 4g 上記組成をpH7.0 の0.01M のPBS で溶解し、全量を20
mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍
結乾燥密封した。 ウシLF(24−39) 4g ツイーン80 2mg グリシン 2g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調
製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍結乾燥
密封した。 ウシLF(24−51) 4g ツイーン80 1mg ソルビトール 2g グリシン 1g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調
製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍結乾燥
密封した。
【0033】 ウシLF(1−51) 4g ツイーン80 1mg ソルビトール 2g グリシン 1g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調
製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍結乾燥
密封した。 Ac−ウシLF(24−39)−NH2 4g ソルビトール 4g ヒト血清アルブミン 50mg 上記組成をpH7.0 の0.01M のPBS で溶解し、全量を20
mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2ml ずつ分注し、凍
結乾燥密封した。
【0034】
【発明の効果】本発明の実施により、ウィルス感染・増
殖抑制剤が提供される。本発明によるウィルス感染・増
殖阻止作用のある組成物の作用効果を要約すると次のと
おりである。 (1)ウィルスの感染を防ぐことができ、また、既感染
者に対しては、体内でさらにウィルスが増殖して感染細
胞が増加することを防ぐことができる。 (2)通常食品として摂取している成分を有効成分とす
る組成であるため、投与することによる副作用の心配が
少ない。 (3)低分子であるため、LFなど 結合性タンパク質
に比べ化学合成法などで比較的容易にしかも大量に調製
できる。ゆえに特定の患者の治療に使用が限定されるこ
とがなく、広くウィルスの感染・増殖を予防することも
できる。 本発明のウィルス感染・増殖抑制剤は、インフルエンザ
あるいはエイズの予防または治療や臓器移植の際のサイ
トメガロウィルス感染防御に有用である。以下に実験例
を示し、本発明の効果をさらに詳細に説明する。
【0035】
【実験例1】 LF由来ペプチドのサイトメガロウィルス(CMV)に
対する感染・増殖抑制効果 方法: LF由来ペプチドを2%血清添加MEM培地に
溶解し、濾過滅菌しストック溶液とした。このストック
溶液を必要に応じて2%血清添加MEM培地により希釈
して用いた。ヒト胎児繊維芽細胞(HEL細胞)を試料
を含む2%血清添加MEM培地に懸濁させ10分間イン
キュベートした。遠心分離により細胞を取り出しさらに
2%血清添加MEM培地で細胞を2回洗浄した後、細胞
を2%血清添加MEM培地に懸濁させた。これにヒトC
MV(TANAKA株)を添加し、24時間培養後、ヒ
トCMV陽性血清で蛍光染色し細胞へのヒトCMVの吸
着能力を測定した。
【0036】結果: 表1にヒトLF由来ペプチドのC
MVに対する感染・増殖阻害効果を示す。表1に示すペ
プチドのうち抗ウィルス活性をもつペプチドに共通する
配列から、25〜40残基部分が活性に必須な構造を含
むものと推察された。これは、ウシLFの場合24〜3
9残基部分に相当する。また表2では、ヒトLF由来ペ
プチドがCMVの感染・増殖を、コントロールと比較し
て90%阻害するのに必要な最少濃度を示している。こ
の結果より、本発明によるペプチドは、天然のLFやこ
れまで知られていたLF由来のペプチドより低濃度で抗
ウィルス効果を示すことが明らかとなった。なおここで
使用したペプチドのうち本発明を構成するペプチド以外
のものについても、実施例1に示した方法と同様にして
化学的に合成したものであり、その純度はHPLCによ
る分析の結果いずれも85%以上であることを確認して
いる。
【0037】
【表1】 ヒトLF由来ペプチドのCMVに対する感染増殖阻害効果 ──────────────────────────────────── ペプチド*1 S−S結合 感染阻害率(%) ──────────────────────────────────── LF(1−52) 10Cys-46Cys,20Cys-37Cys 95 LF(1−52) 10Cys-46Cys, 95 LF(1−52) 97 LF(18−52) 24 LF(25−52) 91 LF(1−40) 97 LF(28−40) 0 LF(19−31) 2 LF(2−19) 14 LF(4−29) 0 LF(18−42) 97 ──────────────────────────────────── *1 ペプチド濃度は、0.5mg/ml
【0038】
【表2】 LF由来ペプチドの抗CMV効果における最少活性発現濃度 ──────────────────────────────────── サンプル 最少活性発現濃度*1(mg/ml) ──────────────────────────────────── ヒトLF 1.0 ウシLF 1.0 ヒトLF(25−40) 1.0 ヒトLF(25−52) 0.5 ヒトLF(1−52) 0.05 ウシLF(24−39) 1.0 ウシLF(24−51) 0.5 ウシLF(1−51) 0.05 ヒトLF(18−42) 1.5 ウシLF(17−41) 2.0 ──────────────────────────────────── *1 90%の感染阻止率を示す濃度
【0039】
【実験例2】 LF由来ペプチドのHIVに対する感染・増殖抑制効果 方法: HIVの一株であるHTLV−III B 持続感染
株であるMOLT−4/HTLV−III B (以下MT−
4と略記する)細胞の培養上清をウィルス液として用い
た。上清は−80℃に保存した。検定に用いる細胞はヒ
トT細胞系のMT−4を用いた。MT−4は10%牛胎
児血清(FCS)を含むRPMI1640培地を用いて
継代した。試料(LF由来ペプチド)は、培地(RPM
I1640)に溶解し目的の濃度として細胞に1ml添
加した。60分間インキュベートした後、HIVをmo
i(細胞/感染ウィルス比)=0.01となるようにM
T−4細胞に感染させ、3×105 /mlに調製した細
胞液を1ml加えた。細胞を3日間培養後、HIV感染
細胞を間接蛍光抗体法を用いて測定した。HIV感染細
胞は、HIV感染患者血清を一次抗体とした間接蛍光抗
体法で測定した。蛍光顕微鏡下で細胞500個以上を観
察し、蛍光染色された細胞の割合を算出した。なお、陽
性コントロールとして試料を加えずに培養したHIV感
染MT−4細胞、陰性コントロールとしてウィルス液を
添加しない細胞培養を同時に行った。
【0040】結果:実験結果を表3に示す。結果はHI
Vの感染を90%阻止するのに必要な濃度を示してい
る。この結果より、本発明によるペプチドは、天然のL
Fやこれまで知られていたLF由来のペプチドより低濃
度で抗ウィルス効果を示すことが明らかとなった。
【0041】
【表3】 LF由来ペプチドの抗HIV効果における最少活性発現濃度 ──────────────────────────────────── サンプル 最少活性発現濃度*1(mg/ml) ──────────────────────────────────── ヒトLF 0.1 ウシLF 0.1 ヒトLF(25−40) 0.05 ヒトLF(25−52) 0.05 ヒトLF(1−52) 0.02 ウシLF(24−39) 0.05 ウシLF(24−51) 0.05 ウシLF(1−51) 0.05 ヒトLF(18−42) 0.1 ウシLF(17−41) 0.1 ──────────────────────────────────── *1 90%の感染阻止率を示す濃度
【0042】
【実験例3】 LF由来ペプチドのインフルエンザウィルスに対する感
染・増殖抑制効果 方法: インフルエンザウィルスに対するLF由来ペプ
チドの感染・増殖抑制効果は、ウィルス実験学総論、国
立予防衛生研究所学友会編、p.113−129 丸善
(1973)に従い、ふ化鶏卵内培養法によって行っ
た。ヒトLF、ウシLFおよび実施例1─6で調製した
ペプチドを生理食塩水に溶解し、濾過滅菌した。卵令1
0日のふ化鶏卵50個を5個ずつ10群にわけ、コント
ロール群には生理食塩水のみを、他の群には試料溶液1
00μlを尿液腔内に接種した。3時間後、各ふ化鶏卵
にインフルエンザウィルスA/PR/8/34のウィル
ス液100μlを尿液腔内に接種した。なおここで用い
たウィルス量は、尿液腔内に接種した後採取した尿液を
64倍希釈した溶液で赤血球凝集(HA)反応を示すこ
とのできるウィルス量である。2日後それぞれの卵を氷
室中で一夜静置しその後尿液を採取した。得られた尿液
を生理食塩水で段階的に希釈しこれにヒヨコ安定化赤血
球(武田薬品)を加え、HA反応を行うことでウィルス
を定量した。
【0043】結果:実験結果を表4に示す。結果はイン
フルエンザウィルスの感染を90%阻止するのに必要な
濃度を示している。この結果より、本発明によるペプチ
ドは、天然のLFやこれまで知られていたLF由来のペ
プチドより低濃度で抗ウィルス効果を示すことが明らか
となった。
【0044】
【表4】 LF由来ペプチドの抗インフルエンザウィルス効果における最少活性発現濃度 ──────────────────────────────────── サンプル 最少活性発現濃度*1(mg/ml) ──────────────────────────────────── ヒトLF 2.0 ウシLF 2.0 ヒトLF(25−40) 0.5 ヒトLF(25−52) 0.5 ヒトLF(1−52) 0.2 ウシLF(24−39) 0.5 ウシLF(24−51) 0.2 ウシLF(1−51) 0.2 ヒトLF(18−42) 1.0 ウシLF(17−41) 1.0 ──────────────────────────────────── *1 90%の感染阻止率を示す濃度
【0045】
【実験例4】 in vivoにおけるCMV感染防御試験 方法:4週令雄のBalbc/AJclマウス(1群1
0匹)を用いた。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に試
料を溶かし、マウス腹腔内に投与した。6時間後、1×
106 PFUのマウスCMVを腹腔内に投与し、10日
後のマウスの生存率で感染防御率を評価した。
【0046】結果:実験結果を表5に示す。本発明によ
るペプチドは0.01g/体重kg以上の投与でマウス
CMVに対して感染防御効果をもつことが明らかとなっ
た。
【0047】
【表5】 in vivoにおけるマウスCMV感染防御試験 ─────────────────────────────────── 試料 投与量(g/体重kg) 生存率(%) ─────────────────────────────────── ─ ─ 100 CMV ─ 0 CMV+ヒトLF(1−52) 0.002 40 0.005 60 0.01 100 0.02 100 0.05 100 CMV+ウシLF(1−51) 0.002 20 0.005 40 0.01 100 0.02 100 0.05 100 ───────────────────────────────────
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg 1 5 10 15
【0049】配列番号:2 配列の長さ:52 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala Val Ser Gln Pro Glu 1 5 10 15 Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly 25 30 Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro Ile Gln Cys Ile Gln 35 40 45 Ala Ile Ala Glu 50
【0050】配列番号:3 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg 1 5 10 15 Asp-Ser-Pro-Ile-Gln-Cys-Ile-Gln-Ala-Ile-Ala-Glu 20 25
【0051】配列番号:4 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 1 5 10 15
【0052】配列番号:5 配列の長さ:52 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Pro Arg Lys Asn Val Arg Trp Cys Thr Ile Ser Gln Pro Asp Ser 1 5 10 15 Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 20 25 30 Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe Ala Leu Glu Cys Ile Arg Ala 35 40 45 Ile Ala Glu Lys 50
【0053】配列番号:6 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 1 5 10 15 Ala Phe Ala Leu Glu Cys Ile Arg Ala Ile Ala Glu 20 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 重明 神奈川県綾瀬市小園1431−6 (72)発明者 山本 直樹 東京都渋谷区恵比寿南3−11−17−501

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の〔化1〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化1】A-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-
    Val-Ser-Cys-Ile-Lys-Arg-B 但しAは、アミノ末端、アセチル基、ペプチド残基のい
    ずれかであり、Bはカルボキシル末端、アミド、ペプチ
    ド残基のいずれかを示す。
  2. 【請求項2】 次の〔化2〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化2】Gly-Arg-Arg-Arg-Arg-Ser-Val-Gln-Trp-Cys-Al
    a-Val-Ser-Gln-Pro-Glu-Ala-Thr-Lys-Cys-Phe-Gln-Trp-
    Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-Val-Se
    r-Cys-Ile-Lys-Arg-Asp-Ser-Pro-Ile-Gln-Cys-Ile-Gln-
    Ala-Ile-Ala-Glu (ただし、式中Cys は還元型でもよく、またペプチド内
    の2個のCys が結合して−S−S−結合を形成した酸化
    型であってもよい)
  3. 【請求項3】 次の〔化3〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化3】Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro-Va
    l-Ser-Cys-Ile-Lys-Arg-Asp-Ser-Pro-Ile-Gln-Cys-Ile-
    Gln-Ala-Ile-Ala-Glu (ただし、式中Cys は還元型でもよく、またペプチド内
    の2個のCys が結合して−S−S−結合を形成した酸化
    型であってもよい)
  4. 【請求項4】 次の〔化4〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化4】A-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-
    Ile-Thr-Cys-Val-Arg-Arg-B 但しAは、アミノ末端、アセチル基、ペプチド残基のい
    ずれかであり、Bはカルボキシル末端、アミド、ペプチ
    ド残基のいずれかを示す。
  5. 【請求項5】 次の〔化5〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化5】Ala-Pro-Arg-Lys-Asn-Val-Arg-Trp-Cys-Thr-Il
    e-Ser-Gln-Pro-Asp-Ser-Phe-Lys-Cys-Arg-Arg-Trp-Gln-
    Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-Ile-Thr-Cy
    s-Val-Arg-Arg-Ala-Phe-Ala-Leu-Glu-Cys-Ile-Arg-Ala-
    Ile-Ala-Glu-Lys (ただし、式中Cys は還元型でもよく、またペプチド内
    の2個のCys が結合して−S−S−結合を形成した酸化
    型であってもよい)
  6. 【請求項6】 次の〔化6〕で表されるアミノ酸配列を
    有するペプチド及びその薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするウィルス感染・増殖抑制剤 【化6】Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser-Il
    e-Thr-Cys-Val-Arg-Arg-Ala-Phe-Ala-Leu-Glu-Cys-Ile-
    Arg-Ala-Ile-Ala-Glu (ただし、式中Cys は還元型でもよく、またペプチド内
    の2個のCys が結合して−S−S−結合を形成した酸化
    型であってもよい)
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