JPH0769876A - 癌転移抑制剤 - Google Patents

癌転移抑制剤

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JPH0769876A
JPH0769876A JP23884693A JP23884693A JPH0769876A JP H0769876 A JPH0769876 A JP H0769876A JP 23884693 A JP23884693 A JP 23884693A JP 23884693 A JP23884693 A JP 23884693A JP H0769876 A JPH0769876 A JP H0769876A
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JP
Japan
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methyl
chch
carbon atoms
heptane
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Application number
JP23884693A
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English (en)
Inventor
Yoshinari Tsuzaki
芳成 津崎
Koji Kiuchi
孝司 木内
Shozo Shiozaki
正三 塩崎
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なガン転移抑制剤を提供する。 【構成】 ガン転移の抑制を目的で、有効成分としてβ
作働機能を有するカテコールアミン系化合物を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な癌転移抑制剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、癌の治療法は急速な進歩をとげて
きた。特に、外科的な手術または放射線療法によって、
原発癌の除去に対する成功率が大幅に向上している。と
ころが原発癌の除去が完全になされても、癌の転移によ
って死に至る場合が少なくない。このため、最近、癌の
転移を抑制することが癌治療上克服すべき重要な問題で
あるとの認識がたかまっている。
【0003】癌転移については、現在のところ次のよう
な機構によるものと考えられている。即ち、癌細胞は原
発巣より遊離し、血管中に侵入する。血管中の癌細胞は
血管壁の血管内皮細胞層にもぐりこみ細胞外基質成分と
接着した後、分解酵素により細胞外基質を破壊する。こ
のようにして癌細胞は他の臓器に侵入し、そこで新たな
転移巣を形成すると考えられている(L.A.Liot
ta et al.,Lab.Invest.,49,
636(1983))。このような機構において、ある
特定の作用を抑制できれば癌の転移が抑制できると考え
られ、癌転移抑制剤が開発されてきている。とりわけ癌
転移抑制剤は、通常長期連用する薬物であるから副作用
の弱い物質が望ましいとされている。
【0004】一方、イソプロテレノールのようなカテコ
ールアミン類は、β受容体に特異的に作用し、臨床的に
喘息で気管支弛緩剤、心疾患で心刺激剤として一般に用
いられている。また、この作用を増強する化合物として
S−アデノシル−L−メチオニン(以下、SAMとい
う)等が報告されている(Hirata,F.,eta
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,76,368(1979))。しかし、この化合物
に癌転移を抑制する作用があることは知られていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、新たな
癌転移抑制活性を有する化合物を見出すべく鋭意検討し
た結果、β作働機能を有するカテコールアミン系化合物
に高い癌転移抑制活性を見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】
【問題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、β作働機能を有する化合物、またはその薬理学的に
許容しうる塩を有効成分とする癌転移抑制剤、および該
有効成分に次式(1)
【化3】 (式中のR1は炭素数1〜3のアルキル基、または炭素
数1〜3のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、R
2は水素原子、または炭素数1〜8の炭化水素基、Zは
炭素数1〜8のアルキレン基である)で表されるスルホ
ンアミド誘導体、次式(2)
【化4】 (式中のR1は、ヒドロキシル基、または炭素数1〜6
のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜8の炭化水素
基を表す)で表される硫酸エステル誘導体、S−アデノ
シル−L−メチオニン、またはこれらの化合物の薬理学
的に許容しうる塩からなる群より選ばれる化合物を配合
してなる癌転移抑制剤が提供される。
【0007】本発明で用いるβ作働機能を有するカテコ
ールアミン系化合物(以下、β−アゴニストという)と
しては、イソプロテレノール、クロルプレナリン、メタ
プロテノール、ビトルテロール、ヘキソプレナリン、プ
ロカテロール、サルブタモール、テルブタリン、トリメ
トキノール、ツロプテロール、ドブタミン、メトプロロ
ール、プラクトロール、アテノロール等が例示され、イ
ソプロテレノール、クロルプレナリン、メタプロテノー
ル、メトプロロール、プラクトロール、アテノロールが
好ましく、イソプロテレノールがとりわけ好ましい。
【0008】本発明で用いる式(1)で示される化合物
は、特開平5−163234号公報に記載されたスルホ
ンアミド誘導体であり、同公報の記載の方法で合成され
る。
【0009】式(1)のR1は、炭素数1〜3のアルキ
ル基または炭素数1〜3のアルキル基で置換されてもよ
いアミノ基であり、具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミノ基、メチルア
ミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロ
ピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチル
エチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルイソ
プロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルイ
ソプロピルアミノ基などが挙げられるが、好ましくは、
メチル基、エチル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基であ
る。
【0010】式(1)のR2は、水素原子または炭素数
1〜8の炭化水素基であり、この具体例としては、水素
原子、メチル基、エチル基、ヘキシル基、イソプロピル
基、2−イソブチル基、フェニル基、ベンジル基、トリ
ル基などの炭素数1〜8の脂肪族、環状脂肪族または芳
香族炭化水素が挙げられるが、好ましくは、水素原子、
あるいはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの低
級アルキル基、あるいはベンジル基のようなアリルアル
キル基、あるいはフェニル基、トリル基などの芳香族炭
化水素基である。
【0011】式(1)のZは、炭素数1〜8のアルキレ
ン基であるが、直鎖状であっても分枝状であっても構わ
ない。このようなアルキレン基の具体例として、メチレ
ン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘ
キシレン、ヘプチレン、オクチレン、イソプロピレン、
イソブチレン、イソペンチレン、2,2−ジメチルプロ
ピレン、イソヘキシレン、3−メチルペンチレン、2−
メチルペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジ
メチルブチレン、イソヘプチレン、4−メチルヘキシレ
ン、3−メチルヘキシレン、2−メチルヘキシレン、1
−メチルヘキシレン、2,3−ジメチルペンチレン、
3,4−ジメチルペンチレン、イソオクチレン、5−メ
チルヘプチレン、4−メチルヘプチレン、3−メチルヘ
プチレン、2−メチルヘプチレン、1−メチルヘプチレ
ン、2,3−ジメチルヘキシレン、4,5−ジメチルヘ
キシレン、3,4−ジメチルペンチレンなどが挙げられ
るが、好ましくは、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレ
ンである。
【0012】具体的な化合物としては、次のようなもの
が例示される。R1がアルキル基である化合物として
は、CH3(CH3)CHCH(SO2NH(CH26
3)CH2CH2CH(CH3)OHの構造を有するN−
ヘプチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘプタン
スルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH23CH(CH3)CH3)CH2CH2CH(CH
3)OHの構造を有するN−イソヘキシル−6−ヒドロ
キシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH
3(CH3)CHCH(SO2NH(CH26CH3)CH
2CH2CH(CH3)OCH3の構造を有するN−ヘプチ
ル−6−メトキシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホン
アミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH(CH2
7CH3)CH2CH2CH(CH3)OCH3の構造を有す
るN−オクチル−6−メトキシ−2−メチル−3−ヘプ
タンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2
NH(CH26CH3)CH2CH2CH(CH3)OCH
2CH2CH3の構造を有するN−ヘプチル−2−メチル
−6−プロポキシ−3−ヘプタンスルホンアミド、CH
3(CH3)CHCH(SO2NH(CH23CH3)CH
2CH2CH(CH3)OCH(CH32の構造を有する
N−ブチル−6−イソプロポキシ−2−メチル−3−ヘ
プタンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO
2NH(CH25CH3)CH2CH2CH(CH3)OC
2CH2CH2CH3の構造を有するN−ヘキシル−6−
ブチロキシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミ
ド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH(CH22
H(CH3)CH3)CH2CH2CH(CH3)OCH2
2CH2CH3の構造を有するN−イソペンチル−6−
ブチロキシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミ
ド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH(CH26
3)CH2CH2CH(CH3)OCH2CH2(CH32
の構造を有するN−ヘプチル−6−イソブチロキシ−2
−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(C
3)CHCH(SO2NH(CH26CH3)CH2CH
2CH(CH3)OCH265の構造を有するN−ヘプ
チル−6−ベンジロキシ−2−メチル−3−ヘプタンス
ルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH27CH3)CH2CH2CH(CH3)OCH26
5の構造を有するN−オクチル−6−ベンジロキシ−
2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(C
3)CHCH(SO2NH(CH26CH3)CH2CH
2CH(CH3)O(p−CH3)C64の構造を有する
N−ヘプチル−2−メチル−6−(p−トリルオキシ)
−3−ヘプタンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0013】また、R1が炭素数1〜3のアルキル基で
置換されてもよいアミノ基である化合物としては、CH
3(CH3)CHCH(SO2NH(CH26NH2)CH
2CH2CH(CH3)OHの構造を有するN−(6−ア
ミノヘキシル)−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘ
プタンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO
2NH(CH26NH2)CH2CH2CH(CH3)OC2
5の構造を有するN−(6−アミノヘキシル)−6−
エトキシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、
CH3(CH3)CHCH(SO2NH(CH23NH2
CH2CH2CH(CH3)OCH(CH32の構造を有
するN−(3−アミノプロピル)−6−イソプロポキシ
−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH
3(CH3)CHCH(SO2NH(CH26NH2)CH
2CH2CH(CH3)OC65の構造を有するN−(6
−アミノヘキシル)−6−フェノキシ−2−メチル−3
−ヘプタンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH
(SO2NH(CH26NHCH3)CH2CH2CH(C
3)OHの構造を有するN−(5−メチルアミノペン
チル)−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘプタンス
ルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH23NHCH3)CH2CH2CH(CH3)OCH
2CH2CH3の構造を有するN−(3−メチルアミノプ
ロピル)−2−メチル−6−プロポキシ−3−ヘプタン
スルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH26NHCH3)CH2CH2CH(CH3)OCH
265の構造を有するN−(6−メチルアミノヘキシ
ル)−6−ベンジロキシ−2−メチル−3−ヘプタンス
ルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH28NHCH3)CH2CH2CH(CH3)OCH
265の構造を有するN−(8−メチルアミノオクチ
ル)−6−ベンジロキシ−2−メチル−3−ヘプタンス
ルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH25N(CH32)CH2CH2CH(CH3)O
CH2CH2CH2CH3の構造を有するN−(6−ジメチ
ルアミノペンチル)−6−ブチロキシ−2−メチル−3
−ヘプタンスルホンアミン、CH3(CH3)CHCH
(SO2NH(CH26N(CH32)CH2CH2CH
(CH3)OCH265の構造を有するN−(6−ジメ
チルアミノヘキシル)−6−ベンジロキシ−2−メチル
−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(CH3)CHC
H(SO2NH(CH26NHCH2CH3)CH2CH2
CH(CH3)OHの構造を有するN−(6エチルアミ
ノヘキシル)−6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘプ
タンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2
NH(CH26NHCH2CH3)CH2CH2CH(CH
3)OC25の構造を有するN−(6−エチルアミノヘ
キシル)−6−エトキシ−2−メチル−3−ヘプタンス
ルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2NH
(CH28NHCH2CH3)CH2CH2CH(CH3
OCH265の構造を有するN−(8−エチルアミノ
オクチル)−6−ベンジロキシ−2−メチル−3−ヘプ
タンスルホンアミド、CH3(CH3)CHCH(SO2
NH(CH25N(CH2CH32)CH2CH2CH
(CH3)OCH2CH2CH2CH3の構造を有するN−
(5−ジエチルアミノペンチル)−6−ブチロキシ−2
−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(C
3)CHCH(SO2NH(CH26N(CH2CH3
2)CH2CH2CH(CH3)OC65の構造を有するN
−(6−ジエチルアミノヘキシル)−6−フェノキシ−
2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(C
3)CHCH(SO2NH(CH28N(CH2CH3
2)CH2CH2CH(CH3)OCH265の構造を有
するN−(8−ジエチルアミノオクチル)−6−ベンジ
ロキシ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、C
3(CH3)CHCH(SO2NH(CH25NH2)C
2CH2CH(CH3)OCH(CH32の構造を有す
るN−(5−アミノペンチル)−6−イソプロポキシ−
2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(C
3)CHCH(SO2NH(CH26CH3)CH2CH
2CH(CH3)OCH2CH265の構造を有するN−
ヘプチル−6−(2−フェニルエトキシ)−2−メチル
−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3(CH3)CHC
H(SO2NH(CH27CH3)CH2CH2CH(CH
3)OC49の構造を有するN−オクチル−6−ブトキ
シ−2−メチル−3−ヘプタンスルホンアミド、CH3
(CH3)CHCH(SO2NH(CH24NH2)CH2
CH2CH(CH3)OC511の構造を有するN−(4
−アミノブチル)−6−ペントキシ−2−メチル−3−
ヘプタンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0014】これらの化合物のうち、特にR1がアミノ
基でありR2がベンジル基であるスルホンアミド化合物
が特に好ましい。
【0015】また、本発明で用いられる前記(2)式で
示される硫酸エステル化合物は、特開平5−16323
7号に記載の化合物であり、同公報に記載の方法により
製造される。
【0016】式(2)のR1は、ヒドロキシル基または
炭素数1〜6のアルキル基であり、具体例として、ヒド
ロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、
イソヘキシル基であり、好ましくはヒドロキシル基、メ
チル基、エチル基である。
【0017】式2のR2の具体例として、メチル基、エ
チル基、ヘキシル基、イソプロピル基、2−イソブチル
基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、ベンジル基、トリル基などの炭素数1
〜8の脂肪族、環状脂肪族または芳香族炭化水素が挙げ
られるが、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基などの低級アルキル基、あるいはベンジル基のよ
うなアリルアルキル基、あるいはフェニル基、トリル基
などの芳香族基である。
【0018】このような化合物としては、(CH32
HCH(OSO3H)CH2CH2CH(CH3)OCH3
の構造を有する6−メトキシ−2−メチル−3−ヘプタ
ン硫酸、(CH32CHCH(OSO3H)CH2CH2
CH(CH3)OCH(CH32の構造を有する6−イ
ソプロポキシ−2−メチル−3−ヘプタン硫酸、(CH
32CHCH(OSO3H)CH2CH2CH(CH3)O
CH2CH(CH32の構造を有する6−イソブトキシ
−2−メチル−3−ヘプタン硫酸、(CH32CHCH
(OSO2CH(CH32)CH2CH2CH(CH3)O
CH2CH3の構造を有する6−エトキシ−2−メチル−
3−ヘプタンスルホン酸イソプロピル、(CH32CH
CH(OSO2CH2CH3)CH2CH2CH(CH3)O
CH(CH32の構造を有する6−イソプロポキシ−2
−メチル−3−ヘプタンスルホン酸エチル、(CH32
CHCH(OSO2CH3)CH2CH2CH(CH3)O
CH265の構造を有する6−ベンジルオキシ−2−
メチル−3−ヘプタンスルホン酸メチル、(CH32
HCH(OSO249)CH2CH2CH(CH3)OC
265の構造を有する6−ベンジルオキシ−2−メ
チル−3−ヘプタンスルホン酸ブチルなどが挙げられ
る。
【0019】これらの化合物のうち、特にR1がヒドロ
キシル基であり、R2がベンジル基である硫酸エステル
誘導体の塩は、β−アドレナリン作働性受容体を刺激す
る作用が強く、また、R1がメチル基などの低級アルキ
ル基であり、R2がベンジル基である硫酸エステル誘導
体は、抗PAF作用に優れている。
【0020】本発明で用いられるSAMは、特開昭58
−146274記載の方法に従って製造することが出来
る。
【0021】β−アゴニストまたは前記スルホンアミド
誘導体、前記硫酸エステル誘導体およびSAM(以下、
これら3つの化合物群を総称して増強剤という)は、薬
理学的に許容される塩として用いることができる。この
ような塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネ
シウム塩のようなアルカリ金属の塩、カルシウム塩、マ
グネシウム塩のようなアルカリ土類金属の塩等の金属
塩、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素
酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸
塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩、メタンスルホン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン
酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリール
スルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、蓚
酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩及びグルタミン酸塩、
アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることがで
きる。
【0022】本発明の癌転移抑制剤の有効成分であるβ
−アゴニストと増強剤との組成物における各成分の配合
比は、患者の年齢、健康状態、投与形態などに応じて適
宜選択し得るが、通常β−アゴニスト10重量部に対し
てβ作用増強剤成分が1〜500重量部、好ましくは1
〜100重量部の範囲である。
【0023】本発明の化合物を有効成分とする転移抑制
剤は、経口的または非経口的に投与することが出来る。
投与量は、患者の年齢、健康状態、体重、投与形態など
により異なるが、一般的な一日の投与量は、通常1〜5
00mg/kgであり、一回あるいはそれ以上投与され
る。用いられる形態は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒
剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、点滴剤、各種軟膏剤な
どである。製剤化のために、有効成分と反応しない適当
な賦形剤、滑沢剤、保存剤、希釈剤などを加えてもよ
い。このような添加剤の具体的な例としては、デンプ
ン、マンニット、結晶セルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、
アラビヤゴム、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラ
チン、乳糖、アミロース、ステアリン酸、マグネシウ
ム、タルク、ケイ酸、パラフィン、香料油、脂肪酸モノ
グリセライドおよびジグリセライド、水、エタノール、
生理食塩水、グルコース溶液、輸液剤などが挙げられ
る。
【0024】
【実施例】本発明の癌転移抑制剤について以下実施例を
挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
られるものではない。
【0025】試験例1 癌浸潤抑制試験 化合物の癌浸潤抑制試験を行った。イソプロテレノール
は和光純薬工業から購入したものを使用した。腹水肝癌
細胞AH−130細胞の浸潤に及ぼす化合物評価方法
は、明渡らの方法に従って行った。ラット腸間膜中皮細
胞を初代培養し、7日後にコンフルエントになった中皮
細胞培養層に、1×105個の腹水肝癌高浸潤細胞株の
添加と同時にイソプロテレノールおよび増強剤(SAM
及び表1の化合物)を表2の量で添加した。その24時
間後に、中皮細胞層の下に浸潤した腹水肝癌細胞の数を
計測して、各化合物添加群と対照(無添加)群との比較
により浸潤抑制率(%)を((対照群の浸潤細胞数−化
合物添加群の浸潤細胞数)/ 対照群の浸潤細胞数)×
100の計算式より算出し、浸潤阻害活性を測定した。
この結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】試験例2 癌転移抑制試験 癌細胞の転移抑制活性の評価に常用されるマウスメラノ
ーマB−16(以下B−16という)高転移株と、各濃
度のイソプロテレノールを各々PBS中で混合後、その
0.2mlを1群6匹のC57BL/6の雄性マウスに
静脈注射下。投与14日後にマウスの肺の癌コロニー数
を数えて、対照のPBS投与群と比較した。転移抑制率
(%)を((無処置群の平均結節数−各群の平均結節
数)/(無処置群の平均結節数))×100の計算式よ
り算出した。この結果を表3に示す。
【0029】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β作働機能を有するカテコールアミン系
    化合物またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分と
    する癌転移抑制剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有効成分に次式(1) 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜3のアルキル基、または炭素
    数1〜3のアルキル基で置換されてもよいアミノ基、R
    2は水素原子、または炭素数1〜8の炭化水素基、Zは
    炭素数1〜8のアルキレン基である)で表されるスルホ
    ンアミド誘導体、次式(2) 【化2】 (式中のR1は、ヒドロキシル基、または炭素数1〜6
    のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜8の炭化水素
    基を表す)で表される硫酸エステル化合物、S−アデノ
    シル−L−メチオニン、およびこれらの化合物の薬理学
    的に許容しうる塩からなる群より選ばれる少なくとも一
    種類の化合物を配合してなる癌転移抑制剤。
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