JPH0769711A - 押出成形用坏土組成物 - Google Patents

押出成形用坏土組成物

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JPH0769711A
JPH0769711A JP5179468A JP17946893A JPH0769711A JP H0769711 A JPH0769711 A JP H0769711A JP 5179468 A JP5179468 A JP 5179468A JP 17946893 A JP17946893 A JP 17946893A JP H0769711 A JPH0769711 A JP H0769711A
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浩昭 力丸
Toshikatsu Baba
敏勝 馬場
Yoshiyuki Yoshikawa
嘉之 吉川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】混練機や押出機内において、温度上昇に起因す
る流れ性や粘性の変化が少なく、かくして、成形に際し
ては、欠損や欠陥が少なく、乾燥に際しては、歪みや割
れの生じ難い押出成形体を与えて、生産性の高い押出成
形を可能とする押出性にすぐれる押出成形用坏土組成物
を提供することにある。 【構成】本発明による押出成形用坏土組成物は、セラミ
ックス粉100重量部に対して、滑剤として、マイクロ
クリスタリンワックス、ポリグリセリン脂肪酸エステル
系ワックス及び脂肪酸アンモニウムから選ばれる少なく
とも一種1〜10重量部と、保形剤として、ヒドロキシ
エチルセルロース1〜5重量部を含むことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出成形用坏土組成物
に関し、詳しくは、セラミックス粉を主成分とし、成形
触媒やその担体として有用である成形体を押出成形にて
製造するために好適に用いることができる坏土組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス粉の押出成形法とは、セラ
ミックス粉に種々の添加剤を配合し、通常、水のような
溶媒を加えて混練し、成形性又は可塑性を付与した坏土
組成物を押出機からダイスを通して押出して、所要の形
状を付与する成形法をいい、このような押出成形による
成形体は、近年、触媒のほか、種々の用途に広く用いら
れている。
【0003】従来、このようなセラミックス粉の押出成
形体は、セラミックス粉に適量の成形助剤を予備混合
し、これに水、可塑剤、湿潤剤、滑剤等の添加剤を加え
て混合し、これを混練機にて混練して、可塑性を有する
坏土組成物とし、これを押出機にて所要の形状に押出し
た後、乾燥させることによつて製造されている。
【0004】このような方法において、上記成形助剤と
しては、保形剤として、通常、メチルセルロースが用い
られることが多い。しかし、保形剤として、メチルセル
ロースを配合した坏土組成物は、混練及び押出成形時
に、坏土組成物が混練機や押出機に接触する部材の表面
との摩擦によつて温度が上昇し、特に、機壁やスクリュ
ーに接触する部分で局部的に温度上昇を起こし、メチル
セルロースが部分的にゲル化する等の問題がある。この
ほか、一般に、セラミックス粉を主成分とする押出成形
用坏土組成物は、その押出成形性に劣る問題がある。
【0005】このように、坏土組成物が押出成形性にお
いて劣るときは、混練機内で混練される間に温度が上昇
し、また、押出機においては、成形に際して、その出口
部に装着した押出成形用ダイスによる背圧がかかる部分
で温度が著しく上昇する。しかも、通常、このような坏
土組成物の温度上昇は、坏土組成物全体にわたつて均一
に起こるのではなく、局部的な不均一なものであり、更
に、坏土組成物は、そのように温度上昇した部分から水
分が蒸発して、硬度に変化を起こすので、通常、均一な
押出成形を不可能とする。
【0006】即ち、押出機出口の押出成形用のダイスに
温度分布をもつ坏土組成物が供給されるとき、その温度
分布に起因して、坏土組成物の粘性に不均一が生じ、ダ
イス部において、坏土組成物の流れが不均一となり、ま
た、局部的に硬化した坏土組成物が詰まる等して、押出
成形された成形体に欠損又は欠陥を生じることとなる。
更に、このように欠損や欠陥を有する成形体は、その乾
燥時に歪みや割れを生じて、乾燥収率が低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のセラ
ミックス粉を主成分とする押出成形用坏土組成物におけ
る上記した問題を解決するためになされたものであつ
て、混練機や押出機内において、温度上昇に起因する流
れ性や粘性の変化が少なく、かくして、成形に際して
は、欠損や欠陥が少なく、乾燥に際しては、歪みや割れ
の生じ難い押出成形体を与えて、生産性の高い押出成形
を可能とする押出性にすぐれる押出成形用坏土組成物を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による押出成形用
坏土組成物は、セラミックス粉100重量部に対して、
滑剤として、マイクロクリスタリンワックス、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル系ワックス及び脂肪酸アンモニウ
ムから選ばれる少なくとも一種1〜10重量部と、保形
剤として、ヒドロキシエチルセルロース1〜5重量部を
含むことを特徴とする。
【0009】即ち、本発明による押出成形用坏土組成物
は、マイクロクリスタリンワックス、ポリグリセリン脂
肪酸エステル系ワックス及び脂肪酸アンモニウムから選
ばれる少なくとも一種の滑剤と、保形剤としてのヒドロ
キシエチルセルロースとをそれぞれ所定量、併用する点
に特徴を有し、これによつて、所期の目的を達成するも
のである。
【0010】本発明において、セラミックス粉として
は、酸化チタン、酸化チタン−シリカ複合酸化物、アル
ミナ、ジルコニア、ムライト、シリコンナイトライド、
コージエライト、天然粘土、焼成カオリン、ケイ酸ジル
コニウム、マグネシア−アルミナスピネル等を挙げるこ
とができる。
【0011】本発明において、滑剤とは、坏土組成物と
それが接触する押出機の構成部材の表面との間に潤滑性
を付与する作用を有する物質であつて、特に、マイクロ
クリスタリンワックス、ポリグリセリン脂肪酸エステル
系ワックス及び脂肪酸アンモニウムから選ばれる少なく
とも一種が用いられる。
【0012】ここに、マイクロクリスタリンワックスと
は、石油精製後の脱ろう残渣分を溶媒抽出したものであ
る。ポリグリセリン脂肪酸エステル系ワックスとは、ポ
リグリセリンを脂肪酸にてエステル化してなるものであ
つて、具体例として、例えば、ジグリセリンモノイソス
テアレート、ジグリセリンモノオレエート等を挙げるこ
とができる脂肪酸アンモニウムとしては、例えば、ステ
アリン酸アンモニウム、ラウリン酸アンモニウム、パル
ミチン酸アンモニウム等を挙げることができる。
【0013】本発明において、このような滑剤は、セラ
ミックス粉100重量部に対して、1〜10重量部の範
囲で用いられる。滑剤の量がセラミックス粉100重量
部に対して1重量部よりも少ないときは、滑剤としての
効果が不十分である。しかし、10重量部を超えるとき
は、混練機や押出機のスクリュー部分においてスリップ
現象が著しくなり、坏土組成物の温度を著しく高めるの
で好ましくない。
【0014】本発明において、保形剤とは、押出成形さ
れた成形体が乾燥するまでに型くずれしないように、成
形体に保形性を与える作用を有する物質であつて、ヒド
ロキシエチルセルロースがセラミックス粉100重量部
に対して1〜5重量部の範囲で用いられる。保形剤の量
がセラミックス粉100重量部に対して1重量部よりも
少ないときは、保形剤としての効果が不十分であつて、
成形後の成形体の保形性が十分でない。しかし、5重量
部を超えるときは、坏土組成物が過大な粘性を有するよ
うになり、押出に要する圧力が著しく高くなる。
【0015】更に、本発明による坏土組成物は、上記以
外に、セラミックス粉を含む坏土組成物の調製及び成形
の技術分野において従来より既に知られているように、
坏土組成物に可塑性を与える可塑剤や、用いる材料に水
に対する濡れ性を与えたり、改善したりするための湿潤
剤、その他の添加剤を適宜に配合することができる。こ
のような可塑剤としては、例えば、グリセリン、プロピ
レングリコール、トリエチレングリコール等の多価アル
コールを挙げることができる。湿潤剤としては、例え
ば、アルコール系、エーテル系、エステル系等の種々の
溶媒類を挙げることができる。
【0016】本発明においては、可塑剤は、セラミック
ス粉が二酸化チタンであるときは、用いることが好まし
く、通常、二酸化チタン100重量部について、3〜1
5重量部の範囲で用いることが好ましい。しかし、セラ
ミックス粉が二酸化チタン以外であるときは、可塑剤
は、特に、用いることを必要としないが、必要に応じ
て、セラミックス粉100重量部について、15重量部
以下の範囲で用いてもよい。
【0017】湿潤剤は、必要に応じて、セラミックス粉
100重量部に対して、15重量部以下の範囲で用いら
れる。また、従来より知られている滑剤、例えば、パラ
フィンワツクス、脂肪族ワツクス、ポリエチレン樹脂等
も、必要に応じて、セラミックス粉100重量部に対し
て、10重量部以下の範囲にて本発明による滑剤と併用
することができる。
【0018】本発明による坏土組成物は、上述したよう
なセラミックス粉、滑剤、保形剤、可塑剤、湿潤剤等を
水と共に混練することによつて得ることができる。本発
明による坏土組成物において、水の量は、得られる坏土
組成物を押出成形が可能であるように、可塑性を有する
ように、適量が用いられる。従つて、本発明において、
用いる水の量は、何ら限定されるものではないが、通
常、セラミックス粉100重量部に対して、10〜50
重量部の範囲であり、好ましくは、15〜35重量部の
範囲である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 酸化チタン200kg、水44リットル、メタタングステ
ン酸アンモニウム溶液(WO3 として50重量%濃度)
70.6kg、保形剤としてヒドロキシエチルセルロース4
kg、滑剤としてステアリン酸アンモニウムエマルジョン
(ステアリン酸アンモニウムとして40重量%濃度)1
0kg、グリセリン10kg、及びn−ブチルアルコール2
kgを混合した後、スクリュウ式混練機にて混練し、押出
成形用坏土組成物を得た。
【0021】実施例2 実施例1において、滑剤として、ステアリン酸アンモニ
ウムエマルジョンに代えて、マイクロクリスタリンワツ
クスエマルジヨン(固形分40重量%)10kgを用いた
以外は、実施例1と同様にして、押出成形用坏土組成物
を得た。
【0022】実施例3 実施例1において、滑剤として、ステアリン酸アンモニ
ウムエマルジョンに代えて、ジグリセリンモノオレエー
ト4kgを用いた以外は、実施例1と同様にして、押出成
形用坏土組成物を得た。
【0023】実施例4 木節粘土30kg、蛙目粘土30kg、焼粉40kg、保形剤
として、ヒドロキシエチルセルロース2kg、滑剤とし
て、ステアリン酸アンモニウムエマルジヨン(ステアリ
ン酸アンモニウムとして40重量%濃度)5kg及び水3
2リットルを混合した後、スクリュウ式混練機にて混練
し、押出成形用坏土組成物を得た。
【0024】この後、直ちにこの坏土組成物を外径20
mm、内径10mm、長さ20mmのリング体に押出成形し
た。これを常温から100℃に加熱して乾燥させた後、
1000℃で5時間焼成した。
【0025】比較例1 実施例1において、保形剤として、ヒドロキシエチルセ
ルロースに代えて、メチルセルロース4kgを用いた以外
は、実施例1と同様にして、押出成形用坏土組成物を得
た。
【0026】比較例2 実施例1において、保形剤として、ヒドロキシエチルセ
ルロースに代えて、メチルセルロース4kgを用い、滑剤
として、ステアリン酸アンモニウムエマルジョンに代え
て、ステアリン酸エマルジヨン(固形分20重量%)2
0kgを用いると共に、水を34リットル用いた以外は、
実施例1と同様にして、押出成形用坏土組成物を得た。
【0027】上記実施例1〜4並びに比較例1及び2に
おいて得られた坏土組成物をそれぞれ用いて、直ちに外
径150mm角、長さ500mm、4.2mmピッチの格子状ハ
ニカム体を押出成形した。これを常温から100℃に加
熱して乾燥させた後、600℃で3時間焼成した。ま
た、上記実施例及び比較例で得た坏土組成物の見掛け粘
度をキャピラリー式粘度計にて測定し、流れ性の温度依
存性を調べた。結果を図1に示す。測定条件を下に示
す。
【0028】キャピラリー: 直径2mm×20mm 測定時間: 2時間 保持時間: 1.5時間 剪断速度: 1.875秒-1 測定温度: 30℃、50℃及び70℃ また、得られたハニカム成形体の乾燥収率は、表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】乾燥収率は、〔(N−ND )/N〕×10
0(%)にて求めた。ここに、Nは押出成形本数であ
り、ND は、押出成形に起因する割れ、歪み、格子欠陥
等の認められる本数である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明による押出成形用
坏土組成物は、マイクロクリスタリンワックス、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル系ワックス及び脂肪酸アンモニ
ウムから選ばれる少なくとも一種の滑剤と、保形剤とし
てのヒドロキシエチルセルロースとをそれぞれ所定量、
併用してなり、その粘性特性の温度依存性が少なく、か
くして、製品の乾燥収率が大幅に改善され、生産性の向
上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による押出成形用坏土組成物の粘性
特性を比較例としての押出成形用坏土組成物の粘性特性
と共に示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 吉川 嘉之 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス粉100重量部に対して、滑
    剤として、マイクロクリスタリンワックス、ポリグリセ
    リン脂肪酸エステル系ワックス及び脂肪酸アンモニウム
    から選ばれる少なくとも一種1〜10重量部、及び保形
    剤として、ヒドロキシエチルセルロース1〜5重量部を
    含むことを特徴とする押出成形用坏土組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8747729B2 (en) 2001-10-10 2014-06-10 Denso Corporation Product method for ceramic structure and production method for ceramic honeycomb structure

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US8747729B2 (en) 2001-10-10 2014-06-10 Denso Corporation Product method for ceramic structure and production method for ceramic honeycomb structure
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