JPH076951B2 - 金属材探傷装置 - Google Patents
金属材探傷装置Info
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- JPH076951B2 JPH076951B2 JP3351502A JP35150291A JPH076951B2 JP H076951 B2 JPH076951 B2 JP H076951B2 JP 3351502 A JP3351502 A JP 3351502A JP 35150291 A JP35150291 A JP 35150291A JP H076951 B2 JPH076951 B2 JP H076951B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リモ−トフィ−ルド渦
流法を用いて、埋設ガス配管、化学プラント配管、熱交
換器配管等の金属材を探傷することにより、配管等の保
守管理を行うための金属材探傷装置に関する。
流法を用いて、埋設ガス配管、化学プラント配管、熱交
換器配管等の金属材を探傷することにより、配管等の保
守管理を行うための金属材探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リモ−トフィ−ルド渦流法を用い
て埋設ガス配管、化学プラント配管、熱交換器配管等の
金属材を探傷する金属材探傷装置は、励磁コイルと、一
つ、または、それ以上の受信コイルを管径の2倍程度離
して管軸方向に配置したリモ−トフィ−ルド渦流センサ
を信号伝達用ケ−ブルに取り付けた状態で探傷すべき管
路内に挿入し、励磁コイルに対して、通常、周波数が数
10Hz〜数100Hzの比較的低周波数で、電圧が数
ボルトから数10ボルトの励磁信号を印加して磁束を発
生させ、その磁束により供試金属材に発生されたリモ−
トフィ−ルド渦流の磁束により受信コイルに電圧を誘起
させ、その電圧を受信信号として受信コイルから出力す
るように構成されている。これを少し詳しく説明すれ
ば、励磁信号の通電により励磁コイルから発生した磁束
に基づく電磁波は、管路の肉厚部を通過するものと、管
路中空部を伝搬するものとがあり、管路中空部を伝搬す
る電磁波は、管路を導波管と考えた場合の遮断周波数よ
り遙かに低い周波数であるから急激に減衰するため、ほ
とんど伝搬しない。一方、管路の肉厚部を伝搬する電磁
波は、間接伝搬波と呼ばれ、管外を管路に沿って伝搬
し、ゆっくり減衰するとともに、一部は管路肉厚部を再
度通過し、管路内に浸透して受信コイルにより受信され
る。受信コイルにより検出された受信信号は、管路肉厚
を2度通過していることから非常に微弱であり、一般に
数μVから数10μVの値を示し、管路肉厚通過による
表皮効果により位相変化を受けている。従って前記励磁
信号と受信信号の位相差を求めれば管路肉厚に対応した
情報が得られるため、管路の肉厚変化を探査することが
できる。
て埋設ガス配管、化学プラント配管、熱交換器配管等の
金属材を探傷する金属材探傷装置は、励磁コイルと、一
つ、または、それ以上の受信コイルを管径の2倍程度離
して管軸方向に配置したリモ−トフィ−ルド渦流センサ
を信号伝達用ケ−ブルに取り付けた状態で探傷すべき管
路内に挿入し、励磁コイルに対して、通常、周波数が数
10Hz〜数100Hzの比較的低周波数で、電圧が数
ボルトから数10ボルトの励磁信号を印加して磁束を発
生させ、その磁束により供試金属材に発生されたリモ−
トフィ−ルド渦流の磁束により受信コイルに電圧を誘起
させ、その電圧を受信信号として受信コイルから出力す
るように構成されている。これを少し詳しく説明すれ
ば、励磁信号の通電により励磁コイルから発生した磁束
に基づく電磁波は、管路の肉厚部を通過するものと、管
路中空部を伝搬するものとがあり、管路中空部を伝搬す
る電磁波は、管路を導波管と考えた場合の遮断周波数よ
り遙かに低い周波数であるから急激に減衰するため、ほ
とんど伝搬しない。一方、管路の肉厚部を伝搬する電磁
波は、間接伝搬波と呼ばれ、管外を管路に沿って伝搬
し、ゆっくり減衰するとともに、一部は管路肉厚部を再
度通過し、管路内に浸透して受信コイルにより受信され
る。受信コイルにより検出された受信信号は、管路肉厚
を2度通過していることから非常に微弱であり、一般に
数μVから数10μVの値を示し、管路肉厚通過による
表皮効果により位相変化を受けている。従って前記励磁
信号と受信信号の位相差を求めれば管路肉厚に対応した
情報が得られるため、管路の肉厚変化を探査することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のリモ−トフ
ィ−ルド渦流法を用いた金属材探傷装置は、例え供試金
属材の肉厚が同じであっても、供試金属材固有の磁気特
性、特に透磁率により、前記励磁信号と受信信号の位相
差が異なることが判明したため、供試金属材の材質が変
わると、管路等の欠陥深さを精度良く評価できないとい
う問題がある。そこで本発明では、供試金属材の材質が
変わっても管路等の欠陥深さを精度良く評価できるよう
にすることを解決すべき技術的課題とするものである。
ィ−ルド渦流法を用いた金属材探傷装置は、例え供試金
属材の肉厚が同じであっても、供試金属材固有の磁気特
性、特に透磁率により、前記励磁信号と受信信号の位相
差が異なることが判明したため、供試金属材の材質が変
わると、管路等の欠陥深さを精度良く評価できないとい
う問題がある。そこで本発明では、供試金属材の材質が
変わっても管路等の欠陥深さを精度良く評価できるよう
にすることを解決すべき技術的課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のための技
術的手段は、基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記基準信号と同相の励磁信号を印加することにより磁
束を発生させて供試金属材にリモ−トフィ−ルド渦流を
発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルから所定間隔
離れて配置されるとともに前記リモ−トフィ−ルド渦流
により発生する磁束の磁路に対してコイル軸が直角方向
になるように配置され、前記磁束により誘起された電圧
を受信信号として出力させる受信コイルと、前記励磁信
号と前記受信信号の位相差に対応した位相差信号に基づ
いて前記供試金属材における探傷信号を出力する探傷信
号出力手段とを備えた金属材探傷装置を、基準とする試
験片の前記励磁信号と前記受信信号の位相差に対応した
基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧
と前記供試金属材の健全部における前記探傷信号との電
圧差がゼロになるように前記基準信号発生手段から発生
させる基準信号の周波数を自動的に補正する自動周波数
補正手段とを備えた構成にすることである。
術的手段は、基準信号を発生する基準信号発生手段と、
前記基準信号と同相の励磁信号を印加することにより磁
束を発生させて供試金属材にリモ−トフィ−ルド渦流を
発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルから所定間隔
離れて配置されるとともに前記リモ−トフィ−ルド渦流
により発生する磁束の磁路に対してコイル軸が直角方向
になるように配置され、前記磁束により誘起された電圧
を受信信号として出力させる受信コイルと、前記励磁信
号と前記受信信号の位相差に対応した位相差信号に基づ
いて前記供試金属材における探傷信号を出力する探傷信
号出力手段とを備えた金属材探傷装置を、基準とする試
験片の前記励磁信号と前記受信信号の位相差に対応した
基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧
と前記供試金属材の健全部における前記探傷信号との電
圧差がゼロになるように前記基準信号発生手段から発生
させる基準信号の周波数を自動的に補正する自動周波数
補正手段とを備えた構成にすることである。
【0005】
【作用】上記構成の金属材探傷装置によれば、基準電圧
設定手段において、基準とする試験片の前記励磁信号と
前記受信信号の位相差に対応した基準電圧が設定された
状態で、前記励磁コイルと受信コイルとを供試金属材の
所定の位置にセットし、励磁コイルに励磁信号を印加す
ることにより磁束を発生させて供試金属材にリモ−トフ
ィ−ルド渦流を発生させ、そのリモ−トフィ−ルド渦流
により誘起された電圧を受信信号として受信コイルから
出力させると、自動周波数補正手段は、基準電圧と前記
供試金属材の健全部における前記探傷信号との電圧差が
ゼロになるように前記基準信号の周波数を自動的に補正
する。基準信号の周波数が自動的に補正されると、供試
金属材固有の磁気特性の影響による位相差のバラツキが
補正されるため、供試金属材の肉厚に局部的変化があれ
ば、その肉厚変化に対応した探傷信号が探傷信号出力手
段から出力される。
設定手段において、基準とする試験片の前記励磁信号と
前記受信信号の位相差に対応した基準電圧が設定された
状態で、前記励磁コイルと受信コイルとを供試金属材の
所定の位置にセットし、励磁コイルに励磁信号を印加す
ることにより磁束を発生させて供試金属材にリモ−トフ
ィ−ルド渦流を発生させ、そのリモ−トフィ−ルド渦流
により誘起された電圧を受信信号として受信コイルから
出力させると、自動周波数補正手段は、基準電圧と前記
供試金属材の健全部における前記探傷信号との電圧差が
ゼロになるように前記基準信号の周波数を自動的に補正
する。基準信号の周波数が自動的に補正されると、供試
金属材固有の磁気特性の影響による位相差のバラツキが
補正されるため、供試金属材の肉厚に局部的変化があれ
ば、その肉厚変化に対応した探傷信号が探傷信号出力手
段から出力される。
【0006】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図1は、金属材探傷装置の全体的な構成を
示したブロック図である。図1に示すように、金属材探
傷装置により探傷される供試金属材MTには、励磁コイ
ルECと受信コイルRCとを所定の間隔で配設したリモ
−トフィ−ルド渦流センサPRBが装着されている。
尚、受信コイルRCは1個に限らず、複数個併設しても
良い。上記励磁コイルECはケ−ブルCBLのペア心線
POにより励磁信号送出回路1の端子TOに接続されて
いる。励磁信号送出回路1には、前記励磁コイルECに
印加される励磁信号と同相の基準信号を発生させる基準
信号発生器2と、その基準信号発生器2から発生された
基準信号を増幅し、励磁コイルECに印加するための励
磁信号を出力する励磁信号出力増幅器3と、基準信号発
生器2からの基準信号に基づいた参照信号を出力する参
照信号生成回路4とが設けられている。尚、基準信号発
生器2には、基準信号の周波数を可変するための可変抵
抗器VR1が接続されており、その可変抵抗器VR1を
駆動させるためにサ−ボモ−タM1が設けられている。
そして、そのサ−ボモ−タM1は後述の周波数設定モジ
ュ−ル6により駆動される。
ら説明する。図1は、金属材探傷装置の全体的な構成を
示したブロック図である。図1に示すように、金属材探
傷装置により探傷される供試金属材MTには、励磁コイ
ルECと受信コイルRCとを所定の間隔で配設したリモ
−トフィ−ルド渦流センサPRBが装着されている。
尚、受信コイルRCは1個に限らず、複数個併設しても
良い。上記励磁コイルECはケ−ブルCBLのペア心線
POにより励磁信号送出回路1の端子TOに接続されて
いる。励磁信号送出回路1には、前記励磁コイルECに
印加される励磁信号と同相の基準信号を発生させる基準
信号発生器2と、その基準信号発生器2から発生された
基準信号を増幅し、励磁コイルECに印加するための励
磁信号を出力する励磁信号出力増幅器3と、基準信号発
生器2からの基準信号に基づいた参照信号を出力する参
照信号生成回路4とが設けられている。尚、基準信号発
生器2には、基準信号の周波数を可変するための可変抵
抗器VR1が接続されており、その可変抵抗器VR1を
駆動させるためにサ−ボモ−タM1が設けられている。
そして、そのサ−ボモ−タM1は後述の周波数設定モジ
ュ−ル6により駆動される。
【0007】一方、受信コイルRCはペア心線P1によ
り受信信号処理モジュ−ル10の端子RT1とRT2に
接続されている。そして、励磁コイルECに前記励磁信
号が印加され、励磁コイルECが励磁されたときに発生
する電磁波、即ち、一部が管外を管路に沿って伝搬し、
ゆっくり減衰するとともに、一部は管路肉厚部を再度通
過し、管路内に浸透した間接伝搬波を受信コイルRCが
受信したとき、受信コイルRCから出力される受信信号
f1が受信信号処理モジュ−ル10に入力される。受信
信号処理モジュ−ル10は、上記の受信信号f1が入力
される差動増幅器11と、その差動増幅器11の出力側
に接続されたロ−パスフィルタ12と、そのロ−パスフ
ィルタ12の出力側に接続された受信信号増幅器13
と、その受信信号増幅器13の出力側に接続されたバン
ドパスフィルタ14とで構成されている。尚、上記バン
ドパスフィルタ14には可変抵抗器VR2が接続されて
おり、その可変抵抗器VR2を駆動させるためにサ−ボ
モ−タM2が設けられている。そして、そのサ−ボモ−
タM2は、後述の周波数設定モジュ−ル6により前記サ
−ボモ−タM1と同期的に駆動され、バンドパスフィル
タ14の中心周波数を基準信号の周波数に同調させるよ
うに可変抵抗器VR2を可変する。
り受信信号処理モジュ−ル10の端子RT1とRT2に
接続されている。そして、励磁コイルECに前記励磁信
号が印加され、励磁コイルECが励磁されたときに発生
する電磁波、即ち、一部が管外を管路に沿って伝搬し、
ゆっくり減衰するとともに、一部は管路肉厚部を再度通
過し、管路内に浸透した間接伝搬波を受信コイルRCが
受信したとき、受信コイルRCから出力される受信信号
f1が受信信号処理モジュ−ル10に入力される。受信
信号処理モジュ−ル10は、上記の受信信号f1が入力
される差動増幅器11と、その差動増幅器11の出力側
に接続されたロ−パスフィルタ12と、そのロ−パスフ
ィルタ12の出力側に接続された受信信号増幅器13
と、その受信信号増幅器13の出力側に接続されたバン
ドパスフィルタ14とで構成されている。尚、上記バン
ドパスフィルタ14には可変抵抗器VR2が接続されて
おり、その可変抵抗器VR2を駆動させるためにサ−ボ
モ−タM2が設けられている。そして、そのサ−ボモ−
タM2は、後述の周波数設定モジュ−ル6により前記サ
−ボモ−タM1と同期的に駆動され、バンドパスフィル
タ14の中心周波数を基準信号の周波数に同調させるよ
うに可変抵抗器VR2を可変する。
【0008】前記受信信号処理モジュ−ル10のバンド
パスフィルタ14の出力側には波形整形回路16が接続
され、バンドパスフィルタ14から出力された信号を波
形整形する。また、波形整形回路16の出力側には位相
比較回路17が接続されている。この位相比較回路17
は、前記参照信号生成回路4から出力された前記参照信
号と波形整形回路16から出力された信号との位相比較
を行い、両信号の位相差に対応した位相差信号を出力す
る。そのため、位相比較回路17は、タ−ミナルT3と
タ−ミナルT4とを介して参照信号生成回路4と接続さ
れている。位相比較回路17の出力側にはロ−パスフィ
ルタ18が接続されており、位相比較回路17から出力
された位相差信号に含まれる高周波成分を遮断したあ
と、位相差信号を直流化する。そして直流化された位相
差信号(請求項1に記載の探傷信号に相当する)がタ−
ミナルT5から出力されると、この位相差信号に基づい
て、図示していない評価装置は前記供試金属材MTの欠
陥深さを評価する。尚、図1では、前記受信信号処理モ
ジュ−ル10と、波形整形回路16と、位相比較回路1
7と、ロ−パスフィルタ18とを受信信号回路RCCの
構成回路として示している。
パスフィルタ14の出力側には波形整形回路16が接続
され、バンドパスフィルタ14から出力された信号を波
形整形する。また、波形整形回路16の出力側には位相
比較回路17が接続されている。この位相比較回路17
は、前記参照信号生成回路4から出力された前記参照信
号と波形整形回路16から出力された信号との位相比較
を行い、両信号の位相差に対応した位相差信号を出力す
る。そのため、位相比較回路17は、タ−ミナルT3と
タ−ミナルT4とを介して参照信号生成回路4と接続さ
れている。位相比較回路17の出力側にはロ−パスフィ
ルタ18が接続されており、位相比較回路17から出力
された位相差信号に含まれる高周波成分を遮断したあ
と、位相差信号を直流化する。そして直流化された位相
差信号(請求項1に記載の探傷信号に相当する)がタ−
ミナルT5から出力されると、この位相差信号に基づい
て、図示していない評価装置は前記供試金属材MTの欠
陥深さを評価する。尚、図1では、前記受信信号処理モ
ジュ−ル10と、波形整形回路16と、位相比較回路1
7と、ロ−パスフィルタ18とを受信信号回路RCCの
構成回路として示している。
【0009】タ−ミナルT5から出力された直流化位相
差信号は、上記のように評価装置に出力される一方、タ
−ミナルT1を介して周波数設定モジュ−ル6に印加さ
れるように接続されている。そして、周波数設定モジュ
−ル6には、比較器9と、すぐ後で説明する基準電圧を
設定するディジタルスイッチ7と、そのディジタルスイ
ッチ7で設定されたディジタルの基準電圧をアナログ信
号に変換するD/A変換器8とが設けられている。上記
基準電圧は、基準とする試験片の健全部に前記リモ−ト
フィ−ルド渦流センサPRBを装着して励磁コイルEC
に前記励磁信号を印加し、受信コイルRCから受信信号
f1を出力させたとき、前記ロ−パスフィルタ18から
出力される直流化位相差信号に等しいものであり、様々
な種類の供試金属材に対応できるように複数種類の試験
片毎に基準電圧が決められている。周波数設定モジュ−
ル6の比較器9は、上記基準電圧とタ−ミナルT5から
出力された位相差信号とを比較し、両信号の差に基づい
た信号を出力する。比較器9から出力された信号はタ−
ミナルT6とタ−ミナルT7を介して前記サ−ボモ−タ
M1に通電され、またタ−ミナルT2とタ−ミナルT8
を介して前記サ−ボモ−タM2に通電される。そして、
前記可変抵抗器VR1とVR2とを回動させることによ
り基準信号発生器2から出力される基準信号の周波数を
可変する一方、バンドパスフィルタ14の中心周波数を
基準信号の周波数に同調させる。そして、基準電圧とタ
−ミナルT5から出力された位相差信号との差がゼロに
なるまで基準信号発生器2から出力される基準信号の周
波数が可変されると、供試金属材MTの磁気特性の影響
による位相差信号のバラツキが補正されるため、この位
相差信号に基づいて、図示していない評価装置は、前記
供試金属材MTの欠陥深さを高精度に評価する。尚、上
記サ−ボモ−タM1,M2は供試金属材MTの減肉等の
欠陥に起因する急激な位相差信号の変化に対して応答し
ないように緩制御される一方、供試金属材MT固有の磁
気特性の影響による位相差信号のバラツキ補正のような
ゆるやかな位相差信号変化に対しては正確に追従制御さ
れる。
差信号は、上記のように評価装置に出力される一方、タ
−ミナルT1を介して周波数設定モジュ−ル6に印加さ
れるように接続されている。そして、周波数設定モジュ
−ル6には、比較器9と、すぐ後で説明する基準電圧を
設定するディジタルスイッチ7と、そのディジタルスイ
ッチ7で設定されたディジタルの基準電圧をアナログ信
号に変換するD/A変換器8とが設けられている。上記
基準電圧は、基準とする試験片の健全部に前記リモ−ト
フィ−ルド渦流センサPRBを装着して励磁コイルEC
に前記励磁信号を印加し、受信コイルRCから受信信号
f1を出力させたとき、前記ロ−パスフィルタ18から
出力される直流化位相差信号に等しいものであり、様々
な種類の供試金属材に対応できるように複数種類の試験
片毎に基準電圧が決められている。周波数設定モジュ−
ル6の比較器9は、上記基準電圧とタ−ミナルT5から
出力された位相差信号とを比較し、両信号の差に基づい
た信号を出力する。比較器9から出力された信号はタ−
ミナルT6とタ−ミナルT7を介して前記サ−ボモ−タ
M1に通電され、またタ−ミナルT2とタ−ミナルT8
を介して前記サ−ボモ−タM2に通電される。そして、
前記可変抵抗器VR1とVR2とを回動させることによ
り基準信号発生器2から出力される基準信号の周波数を
可変する一方、バンドパスフィルタ14の中心周波数を
基準信号の周波数に同調させる。そして、基準電圧とタ
−ミナルT5から出力された位相差信号との差がゼロに
なるまで基準信号発生器2から出力される基準信号の周
波数が可変されると、供試金属材MTの磁気特性の影響
による位相差信号のバラツキが補正されるため、この位
相差信号に基づいて、図示していない評価装置は、前記
供試金属材MTの欠陥深さを高精度に評価する。尚、上
記サ−ボモ−タM1,M2は供試金属材MTの減肉等の
欠陥に起因する急激な位相差信号の変化に対して応答し
ないように緩制御される一方、供試金属材MT固有の磁
気特性の影響による位相差信号のバラツキ補正のような
ゆるやかな位相差信号変化に対しては正確に追従制御さ
れる。
【0010】以上のように構成された金属材探傷装置に
おいて、ディジタルスイッチ7において基準とする試験
片の基準電圧が設定された状態で、供試金属材MTにセ
ットされた励磁コイルECに励磁信号が印加され、受信
コイルRCから受信信号が出力されると、その受信信号
は受信信号処理モジュ−ル10を介して波形整形回路1
6で波形整形され、位相比較回路17において基準信号
に対応した参照信号と受信信号との位相が比較され、そ
の位相差に対応した位相差信号が出力されると、その位
相差信号はロ−パスフィルタ18で直流化されたあとタ
−ミナルT5から出力される。比較器9はこの位相差信
号と基準電圧の差がゼロになるまでサ−ボモ−タM1,
M2を駆動し、可変抵抗器VR1,VR2を可変させ、
基準信号発生器2からの基準信号の周波数を可変させる
とともにバンドパスフィルタ14の中心周波数を基準信
号の周波数に同調させる。この状態で供試金属材MT固
有の磁気特性の影響による位相差信号のバラツキが補正
されるため、この補正がなされたあとは、リモ−トフィ
−ルド渦流センサPRBを移動させていく過程で急激な
減肉箇所があれば、その減肉度合いに応じた位相差信号
がロ−パスフィルタ18から出力される。
おいて、ディジタルスイッチ7において基準とする試験
片の基準電圧が設定された状態で、供試金属材MTにセ
ットされた励磁コイルECに励磁信号が印加され、受信
コイルRCから受信信号が出力されると、その受信信号
は受信信号処理モジュ−ル10を介して波形整形回路1
6で波形整形され、位相比較回路17において基準信号
に対応した参照信号と受信信号との位相が比較され、そ
の位相差に対応した位相差信号が出力されると、その位
相差信号はロ−パスフィルタ18で直流化されたあとタ
−ミナルT5から出力される。比較器9はこの位相差信
号と基準電圧の差がゼロになるまでサ−ボモ−タM1,
M2を駆動し、可変抵抗器VR1,VR2を可変させ、
基準信号発生器2からの基準信号の周波数を可変させる
とともにバンドパスフィルタ14の中心周波数を基準信
号の周波数に同調させる。この状態で供試金属材MT固
有の磁気特性の影響による位相差信号のバラツキが補正
されるため、この補正がなされたあとは、リモ−トフィ
−ルド渦流センサPRBを移動させていく過程で急激な
減肉箇所があれば、その減肉度合いに応じた位相差信号
がロ−パスフィルタ18から出力される。
【0011】図2、及び図3は材質の異なる5種類の供
試管A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出
力(度)の関係を測定したときの測定デ−タを示したも
のである。尚、両図に示したいずれの欠陥も開口径を一
定として加工した人工欠陥である。図2は前記周波数設
定モジュ−ル6を作動させない状態、即ち、従来の手段
での測定デ−タであり、同一深さの欠陥に対する位相差
出力は、実測減肉率の増加と共に、その分散の度合いが
大きくなることが示されている。図3は前記周波数設定
モジュ−ル6を作動させ、供試金属材MTの磁気特性の
影響による位相差信号のバラツキを補正した状態、即ち
本発明による周波数調整機能を用いた測定デ−タであ
る。本発明によれば、図2のデ−タと比較すると、位相
差出力の分散の度合いは著しく小さくなり、精度の高い
解析評価ができることが明らかである。
試管A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出
力(度)の関係を測定したときの測定デ−タを示したも
のである。尚、両図に示したいずれの欠陥も開口径を一
定として加工した人工欠陥である。図2は前記周波数設
定モジュ−ル6を作動させない状態、即ち、従来の手段
での測定デ−タであり、同一深さの欠陥に対する位相差
出力は、実測減肉率の増加と共に、その分散の度合いが
大きくなることが示されている。図3は前記周波数設定
モジュ−ル6を作動させ、供試金属材MTの磁気特性の
影響による位相差信号のバラツキを補正した状態、即ち
本発明による周波数調整機能を用いた測定デ−タであ
る。本発明によれば、図2のデ−タと比較すると、位相
差出力の分散の度合いは著しく小さくなり、精度の高い
解析評価ができることが明らかである。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基準信号
を発生する基準信号発生手段と、前記基準信号と同相の
励磁信号を印加することにより磁束を発生させ、その磁
束により供試金属材にリモ−トフィ−ルド渦流を発生さ
せる励磁コイルと、前記励磁コイルから所定間隔離れて
配置されるとともに前記リモ−トフィ−ルド渦流により
発生する磁束の磁路に対してコイル軸が直角方向になる
ように配置され、前記磁束により誘起された電圧を受信
信号として出力させる受信コイルと、前記励磁信号と前
記受信信号の位相差に対応した位相差信号に基づいて前
記供試金属材における探傷信号を出力する探傷信号出力
手段とを備えた金属材探傷装置において、供試金属材固
有の磁気特性の影響による位相差信号のバラツキを補正
することができるため、供試金属材の材質が変わっても
管路等の欠陥深さを精度良く評価することができるとい
う効果がある。
を発生する基準信号発生手段と、前記基準信号と同相の
励磁信号を印加することにより磁束を発生させ、その磁
束により供試金属材にリモ−トフィ−ルド渦流を発生さ
せる励磁コイルと、前記励磁コイルから所定間隔離れて
配置されるとともに前記リモ−トフィ−ルド渦流により
発生する磁束の磁路に対してコイル軸が直角方向になる
ように配置され、前記磁束により誘起された電圧を受信
信号として出力させる受信コイルと、前記励磁信号と前
記受信信号の位相差に対応した位相差信号に基づいて前
記供試金属材における探傷信号を出力する探傷信号出力
手段とを備えた金属材探傷装置において、供試金属材固
有の磁気特性の影響による位相差信号のバラツキを補正
することができるため、供試金属材の材質が変わっても
管路等の欠陥深さを精度良く評価することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体的な構成を示したブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】従来の手段により、材質の異なる5種類の供試
管A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出力
(度)の関係を測定した測定デ−タ図である。
管A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出力
(度)の関係を測定した測定デ−タ図である。
【図3】本発明により、材質の異なる5種類の供試管
A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出力
(度)の関係を測定した測定デ−タ図である。
A,B,C,D,Eの実測減肉率に対する位相差出力
(度)の関係を測定した測定デ−タ図である。
1 励磁信号送出回路 2 基準信号発生器 3 励磁信号出力増幅器 4 参照信号生成回路 7 ディジタルスイッチ 9 比較器 10 受信信号処理モジュ−ル 17 位相比較回路 18 ロ−パスフィルタ M1 サ−ボモ−タ M2 サ−ボモ−タ EC 励磁コイル RC 受信コイル MT 供試金属材 VR1 可変抵抗器 VR2 可変抵抗器 PBR リモ−トフィ−ルド渦流センサ RCC 受信信号回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷲見 隆 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東 邦瓦斯株式会社内 (72)発明者 細原 靖治 神奈川県横浜市金沢区釜利谷町1642−212 D−2 (72)発明者 鈴木 究 神奈川県横浜市磯子区汐見台三丁目3番地 3303号棟345号室 (72)発明者 越水 雄二郎 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 森原 勝美 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−254857(JP,A) 特開 平1−235846(JP,A) 特開 昭63−298052(JP,A) 特開 平4−125464(JP,A) 実開 平4−113067(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 基準信号を発生する基準信号発生手段
と、前記基準信号と同相の励磁信号を印加することによ
り磁束を発生させ、その磁束により供試金属材にリモ−
トフィ−ルド渦流を発生させる励磁コイルと、前記励磁
コイルから所定間隔離れて配置されるとともに前記リモ
−トフィ−ルド渦流により発生する磁束の磁路に対して
コイル軸が直角方向になるように配置され、前記磁束に
より誘起された電圧を受信信号として出力させる受信コ
イルと、前記励磁信号と前記受信信号の位相差に対応し
た位相差信号に基づいて前記供試金属材における探傷信
号を出力する探傷信号出力手段とを備えた金属材探傷装
置において、基準とする試験片の前記励磁信号と前記受
信信号の位相差に対応した基準電圧を設定する基準電圧
設定手段と、前記基準電圧と前記供試金属材の健全部に
おける前記探傷信号との電圧差がゼロになるように前記
基準信号発生手段から発生させる前記基準信号の周波数
を自動的に補正する自動周波数補正手段とを備えたこと
を特徴とする金属材探傷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3351502A JPH076951B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 金属材探傷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3351502A JPH076951B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 金属材探傷装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05164746A JPH05164746A (ja) | 1993-06-29 |
JPH076951B2 true JPH076951B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=18417732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3351502A Expired - Fee Related JPH076951B2 (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | 金属材探傷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH076951B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7459776B2 (ja) * | 2020-12-02 | 2024-04-02 | 株式会社島津製作所 | 材料試験機、及び材料試験機の制御方法 |
-
1991
- 1991-12-11 JP JP3351502A patent/JPH076951B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05164746A (ja) | 1993-06-29 |
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