JPH076940B2 - 濃度測定装置 - Google Patents

濃度測定装置

Info

Publication number
JPH076940B2
JPH076940B2 JP63314445A JP31444588A JPH076940B2 JP H076940 B2 JPH076940 B2 JP H076940B2 JP 63314445 A JP63314445 A JP 63314445A JP 31444588 A JP31444588 A JP 31444588A JP H076940 B2 JPH076940 B2 JP H076940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
concentration
measured
concentration measuring
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63314445A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02159549A (ja
Inventor
紘一 山崎
達彦 大阪
保広 永田
貞明 中岡
進 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP63314445A priority Critical patent/JPH076940B2/ja
Priority to EP19890123057 priority patent/EP0373629B1/en
Priority to DE1989621438 priority patent/DE68921438T2/de
Publication of JPH02159549A publication Critical patent/JPH02159549A/ja
Publication of JPH076940B2 publication Critical patent/JPH076940B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は濃度測定装置に関し、さらに詳細にいえば、
測定対象物質を拡散制限膜を通して拡散させ、拡散した
測定対象物質に基づく濃度測定を行なう場合において、
測定対象溶液の点着位置と点着された測定対象溶液に基
づく測定位置とを異ならせた新規な濃度測定装置に関す
る。
<従来の技術> 従来から非常に複雑な有機化合物、蛋白質等を極めて高
感度に、かつ選択的に検知することができるという物質
に着目して、電極の表面に生理活性物質を固定してなる
酵素電極により上記有機化合物、蛋白質等の測定を行な
うための研究開発が行なわれている。
そして、上記酵素電極を使用して対象物質の測定を行な
う場合には、通常測定対象物質の酸化、還元等を上記生
理活性物質の存在下において行なわせ、生成物質、或は
消失物質の量を測定することにより測定対象物質の濃度
を測定するのであるから、測定可能な濃度の上限が、酸
化、還元等を行なわせる物質、例えば酸素等の存在量に
より制限されることになってしまう。
このような点に着目して、生理活性物質を固定した固定
化酵素膜の表面側に拡散制限膜を取付け、測定対象物質
の透過割合を制限することにより測定限界濃度を高める
試みがなされている。
具体的には、棒状の酵素電極基部に対してねじ止めさる
キャップに拡散制限膜を取付けておき、キャップのねじ
込みにより自動的に拡散制限膜を固定化酵素膜に密着さ
せる構成が採用されている。
そして、このような構成を採用することにより、拡散制
限膜が測定対象物質の透過割合を制限し、かなり高い濃
度までの測定を可能とすることができる。また、上記拡
散制限膜は、測定対象溶液に含まれる妨害物質の影響
(例えば妨害物質の付着に起因する拡散制限効果の増大
等)を排除して良好な測定を行なうために、取外し可能
とすることが必要であり、キャップによるねじ込み機構
が採用されている。
<発明が解決しようとする課題> 上記の構成の拡散制限膜保持具を採用した場合には、拡
散制限膜の交換を比較的簡単に行なうことができるので
あるが、使用に伴なう目詰りを解消させるために拡散制
限膜を交換する頻度を多くしなければならないので、全
体として濃度測定作業が著しく繁雑化してしまうという
問題があるとともに、特に体液に含まれる物質の濃度を
測定する場合に、濃度測定電極の表面に残留している病
原菌により疾病が感染する危険性があるという問題があ
る。
また、酵素電極基部が小径になり、この結果としてキャ
ップが小さくなると手動操作が非常に困難になり、濃度
測定作業が繁雑化するという問題が一層顕著になるので
ある。
このような問題点を考慮して、薄板材の所定位置に開口
を形成し、開口の一側を覆うように拡散制限膜を貼着し
た構成の拡散制限膜保持具を採用し、拡散制限膜保持具
に予め測定対象物質を含む溶液(以下、測定対象溶液と
略称する)を滴下しておいて、拡散制限膜を固定化酵素
膜に圧接した状態で被検溶液の濃度測定を行なうことが
考えられるが、薄板材は通常こしがなく、測定対象溶液
の滴下作業および測定装置本体に対する装着が困難にな
っててしまうという問題があるとともに、かなり多い回
数の拡散制限膜保持具交換作業が必要になるので、全体
として濃度測定作業が繁雑化するという問題がある。ま
た、上記拡散制限膜は使用に伴なって目詰り等が発生す
るので、所定回数の濃度測定を行なう毎、好ましくは、
1回の濃度測定を行なう毎に廃棄し、新しい拡散制限膜
が貼着された薄板材を使用しなければならないため、必
要以上の薄板材が廃棄されることになり、不経済である
とともに、薄板材の廃棄および新たな薄板材の取出しが
必要になるので、測定対象物質の濃度測定を行なうため
の一連の操作が著しく繁雑化してしまうという問題があ
る。
操作が繁雑化する点についてさらに詳細に説明すると、 測定装置本体の電源スイッチを投入し、 測定装置のカバーを開き、 拡散制限膜が貼着された薄板材を開封して取出し、 測定対象溶液を薄板材上に滴下し(測定対象溶液が
血液の場合には、採血し、次いで薄板材に血液を点着す
る)、 薄板材を測定装置に挿入し、 挿入した薄板材に貼着された拡散制限膜を濃度測定
用の電極表面に密着させ、この状態で測定対象物質の濃
度を測定する。
その後、拡散制限膜の電極表面に対する密着状態を
解除し、 薄板材を測定装置から抜取り、 測定装置のカバーを閉じ、 抜取った薄板材を廃棄し、 測定装置の電源スイッチを開放する。
という一連の操作が必要になるのであり、しかも部分的
には操作が困難な箇所もあるので、濃度測定作業が全体
として著しく繁雑化することになる。
また、以上には濃度が既知の標準液に基く較正作業には
全く触れていないのであるから、実際には較正作業が必
要になることに伴なって必要な作業が一層繁雑化してし
まうことになる。
尚、以上は、酵素電極を用いて測定対象物質の濃度を測
定する場合についてのみ説明したが、酵素電極以外の電
極を用いて測定対象物質の濃度を測定する場合にも同様
な問題が生じる。
<発明の目的> この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、
拡散制限膜の装着、廃棄頻度を著しく減少させ、ひいて
は濃度測定作業を著しく簡素化することができる濃度測
定装置を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 上記の目的を達成するための、この発明の濃度測定装置
は、薄板シートに所定間隔毎に測定対象溶液通過用の開
口が形成されているとともに、各開口を覆うように拡散
制限膜が設けられてなる拡散制限膜保持具を所定方向に
移動可能に収容するケーシングの所定位置に濃度測定電
極が設けられているとともに、ケーシングの上面に、上
記開口に対する溶液点着部と、濃度測定電極を拡散制限
膜に接触させる測定部とがシート移動方向に所定間隔離
れた状態で配置されている。但し、上記薄板シートとし
ては、長尺シートであってもよく、または円板状のシー
トであってもよいが、長尺のシートの場合には長手方向
に移動可能であり、円板状のシートの場合には自転方向
に移動可能であればよい。
そして、上記薄板シートを一方向にのみ移動させるシー
ト駆動機構が設けられていてもよいが、所定方向に往復
移動させるシート駆動機構が設けられていてもよい。
また、上記溶液点着部が、測定対象溶液通過用の開口よ
りも大きい大径開口であるとともに、溶液点着部と測定
部とが、測定対象溶液通過用の開口同士の距離だけ離さ
れていることが好ましい。但し、特別には開口が形成さ
れておらず、所定範囲にわたって拡散制限膜保持具を露
呈させておくだけの簡単な構成であってもよい。
さらに、上記溶液点着部が所定距離離れた状態で2箇所
に設けられているとともに、何れかの溶液点着部を選択
的に覆うカバーが設けられていることが好ましい。この
場合において、上記カバーの所定位置に、一方の大径開
口を通して露呈される測定対象溶液通過用の開口と正対
し得る小径開口が形成されていることが一層好ましい。
さらには、上記溶液点着部が、測定対象物質透過用の開
口同士の距離に対応する距離だけ離れた状態で2箇所に
設けられているとともに、一方の溶液点着部に正対させ
て長尺シートより下方に発光素子が設けられていること
が好ましい。
<作用> 以上の構成の濃度測定装置であれば、薄板シートに所定
間隔毎に測定対象溶液通過用の開口が形成されていると
ともに、各開口を覆うように拡散制限膜が設けられてな
る拡散制限膜保持具を、濃度測定装置のケーシングの所
定位置に所定方向に移動可能に収容しておき、溶液点着
部を通して上記開口に測定対象溶液を点着し、次いで拡
散制限膜保持具を開口形成方向に所定距離だけ移動させ
て濃度測定電極を拡散制限膜に接触させることにより、
測定対象溶液に含まれている測定対象物質の濃度を測定
することができる。
したがって、拡散制限膜保持具に設けられた拡散制限膜
の数と等しい測定を行なう間は拡散制限膜の着脱作業が
不要になるのみならず、測定対象溶液を点着する箇所と
濃度測定電極により濃度測定が行なわれる箇所とが離れ
ているので、体液の測定を行なう場合であっても疾病が
感染する危険性を解消させることができる。
そして、上記薄板シートが長尺のシートであれば、長尺
のシートを長手方向に移動させることにより上記の作用
を達成することができ、また、上記薄板シートが円板状
のシートであれば、円板状のシートを自転させて拡散制
限膜を移動させることにより上記の作用を達成すること
ができる。
また、上記薄板シートを一方向にのみ移動させるシート
駆動機構が設けられている場合には、薄板シートに手を
触れることなく薄板シートを一方向に移動させることが
できる。逆に、上記薄板シートを所定方向に往復移動さ
せるシート駆動機構が設けられている場合には、薄板シ
ートの2つの開口に溶液を予め点着しておいて、その
後、復動および往動をこの順に行なわせることにより、
濃度測定を行なう順序を反転させることができる。した
がって、例えば、先ず、濃度が未知の測定対象溶液を点
着してから濃度が既知の測定対象溶液を点着しておい
て、濃度が既知の測定対象溶液および濃度が未知の測定
対象溶液の濃度測定をこの順に行なわせることができ
る。
さらに、上記溶液点着部が、測定対象溶液通過用の開口
よりも大きい大径開口であるとともに、溶液点着部と測
定部とが、測定対象溶液通過用の開口同士の距離だけ離
されている場合には、溶液点着部を通しての溶液点着作
業を簡単に行なうことができ、溶液点着後に測定対象溶
液通過用の開口同士の間隔だけ拡散制限膜保持具を移動
させるだけでそのまま濃度測定動作を行なうことができ
るとともに、次の溶液点着作業を行なうことができる。
さらにまた、上記溶液点着部が所定距離離れた状態で2
箇所に設けられているとともに、何れかの溶液点着部を
選択的に覆うカバーが設けられている場合には、濃度が
未知の溶液を点着する溶液点着部と濃度が既知の溶液を
点着する溶液点着部とを予め区分しておくことができ、
濃度が既知の溶液に基づく較正動作および濃度が未知の
溶液に基づく濃度測定動作を確実に行なわせることがで
きる。この場合において、カバーの所定位置に、一方の
大径開口を通して露呈される測定対象溶液通過用の開口
と正対し得る小径開口が形成されていれば、カバーの状
態に対応して濃度が未知の溶液のみを点着し得る状態と
濃度が既知の溶液および濃度が未知の溶液を点着し得る
状態とを選択することができ、後者の状態が選択された
場合には、両溶液を同時に点着しておいて、薄板シート
を往復移動させることにより較正動作および濃度測定動
作をこの順に遂行させることができる。
さらに、上記溶液点着部が、測定対象物質透過用の開口
同士の距離に対応する距離だけ離れた状態で2箇所に設
けられているとともに、一方の溶液点着部に正対させて
長尺シートより下方に発光素子が設けられている場合に
は、両溶液点着部を通して各測定対象物質透過用の開口
に溶液を点着することができるとともに、濃度が既知の
測定対象溶液を点着すべき溶液点着部と濃度が未知の測
定対象溶液を滴下すべき溶液点着部とを明確に識別させ
ることができる。
<実施例> 以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第1図はこの発明の濃度測定装置の一実施例を示す一部
切欠斜視図、第2図は縦断面図であり、ケーシング
(2)の所定位置にカートリッジ(11)に収容された長
尺シート(1)を収容するための空間が形成されてい
る。そして、長尺シート(1)の走行路の上流寄り所定
位置に点着用の開口(20)が形成されているとともに、
下流寄り所定位置に形成された測定位置(21a)の上方
に保存液収容タンク(21)が配置されている。そして、
濃度測定電極(22)を長尺シート(1)に密着する位置
および保存液収容タンク(21)に密着する位置まで選択
的に上昇させるための電極昇降機構(3)が配置されて
いる。さらに、長尺シート(1)の位置決め用の孔(1
3)(13a)、終端検知用の孔(14)と正対し得る所定位
置に1対のセンサ(24)(25)が配置されている。上記
1対のセンサ(24)(25)は、終端検知用の孔(14)が
存在する場合にのみ同時動作させられ、他の場合には同
時動作させられないように配置された反射型フォトセン
サである。尚、(26)は濃度測定電極(22)を昇降させ
るとともに、長尺シート(1)を送るためのモータであ
り、さらに濃度測定電極(22)により取出される電気信
号に基づいて必要な処理を行なって濃度データを生成す
る処理部(図示せず)およびモータ(26)を駆動するた
めの制御部(図示せず)を有している。
第3図は拡散制限膜保持具の斜視図であり、所定幅の長
尺シート(1)の中央部に所定間隔毎に測定対象溶液通
過用の開口(15)および濃度測定電極挿通用の大径開口
(15a)が形成されているとともに、各開口(15)を覆
うように長尺シート(1)の下面に拡散制限膜(16)が
貼着されている。そして、終端の開口(15)を除く全て
の開口および大径開口(15a)に対して所定の位置関係
で位置検出用の孔(13)(13a)が形成されているとと
もに、終端の開口(15)に対して所定の位置関係で終端
検知用の孔(14)が形成されている。尚、上記長尺シー
ト(1)は被検溶液に耐性を有する材質であればよい。
また、上記拡散制限膜(16)は血球等の妨害物質の分離
を主機能とするもの、例えば微小孔を多数有するポリカ
ーボネート膜等であり、後述する濃度測定電極(22)に
測定対象物質の透過を制限する拡散制限膜が装着されて
いる場合に、濃度測定電極(22)に装着された拡散制限
膜の目詰りを阻止することができる。但し、上記拡散制
限膜(16)として測定対象物質の透過を制限し得るもの
を使用し、濃度測定電極(22)には拡散制限膜を装着し
ない構成を採用するすることもできるが、妨害物質によ
る目詰りに起因する測定精度の低下を排除するために
は、妨害物質の分離を主機能とする拡散制限膜(16)を
長尺シート(1)に貼着し、測定対象物質の透過を制限
する拡散制限膜を濃度測定電極(22)に装着することが
好ましい。さらに、上記開口(15)の近傍位置に拡散制
限膜(16)の残量を表示するための数字が印刷されてい
ることが好ましい。
第4図は上記長尺シートをカートリッジに収容した状態
を示す一部切欠斜視図であり、長尺シート(1)が予め
巻回してある供給部(17)と、長尺シート(1)をロー
ル状に巻き取る巻取部(18)と、供給部(17)および巻
取部(18)を一体的に連結するブリッジ部(19)とを有
している。そして、ブリッジ部(19)の中央部に開口
(10)が形成されている。また、上記巻取部(18)に設
けられた巻取軸(18a)はカートリッジ(11)の外部に
突出させられており、上記モータ(26)により回転力が
伝達される。
上記濃度測定電極(22)を昇降させるための電極昇降機
構(3)は、第5図A〜Dにも示すように、長尺シート
(1)を送るための機構をも兼ねており、昇降動作およ
び送り動作を互に同期させて遂行するためにワンウェイ
クラッチを介在させた2系統の回転力伝達機構(31)
(41)を有している。
長尺シート(1)を送るための回転力伝達機構(31)
は、モータ(26)により正逆転させられる円板(32)の
所定位置に係合ピン(33)が設けられているとともに、
円板(32)が所定角度だけ回転することにより係合ピン
(33)と係合して追従回転するカム(34)が設けられて
いる。そして、カム(34)の軸と巻取軸(18a)とが同
心状に配列されているとともに、両軸に、長尺シート
(1)巻取り方向にのみ回転力を伝達させるべく巻回さ
れたコイルばねからなるワンウェイクラッチ(35)が設
けられている。
濃度測定電極(22)を昇降させるための回転力伝達機構
(41)の構成は以下の説明のとおりである。
モータ(26)により正逆転させられる円板(42)の中央
部に円柱状の突軸(43)が設けられているとともに、突
軸(43)と同心の筒状突部(44)が設けられている。そ
して、上記突軸(43)と同径の突軸(45)および筒状突
部(44)と同径の筒状突部(46)とが互に一体的に、か
つ上記突軸(43)および筒状突部(44)と正対するよう
に配置されているとともに、両突軸(43)(45)の外周
および筒状突部(44)(46)の外周にそれぞれコイルば
ねからなるワンウェイクラッチ(47)(48)が設けられ
ている。
上記ワンウェイクラッチ(47)(48)は互に異なる方向
に回転力を伝達するものであり、しかも、上記ワンウェ
イクラッチ(48)の外周に規制筒体(49)が配置されて
いる。この規制筒体(49)は、所定位置に形成した切欠
部(49a)がワンウェイクラッチ(48)を構成するコイ
ルばねの一方の端部に係合されることにより、ワンウェ
イクラッチ(48)に追従して回転するとともに、規制筒
体(49)の外周面所定範囲に形成されたフランジ(49
b)が測定装置本体の所定位置に設けられた規制突部(4
9c)と係合することによりワンウェイクラッチ(48)に
よる回転力伝達を解除する。さらに、上記筒状突部(4
6)と一体的に設けられた歯車(46a)と噛合う歯車(50
a)に回転カム(50)が連結されている。この回転カム
(50)はフランジ(49b)の形成範囲に基づいて定まる
範囲を小径カム部(50b)および半径漸増カム部(50c)
とし、残余の範囲を大径カム部(50d)としている。そ
して、上記回転カム(50)により濃度測定電極(22)を
昇降させるパンタグラフ機構(51)を動作させるように
している。上記パンタグラフ機構(51)は所定距離だけ
離れた1対の基部(51a)にそれぞれX字状に回動可能
に連結された2対の旱体(51b)(51c)を有していると
ともに、2対の旱体(51b)(51c)により支持された受
け台(51d)を有しており、しかも、一方の旱体(51b)
の所定位置に上記回転カム(50)を係合する係合突部
(51e)を有している。さらに、上記旱体(51b)が受け
台(51d)に対して回転およびスライド可能に係合され
ているとともに、上位旱体(51c)が基部(51a)に対し
て回転およびスライド可能に係合されており、しかも、
両旱体(51b)(51c)の下部間に引張りばね(51f)が
設けられている。
上記の構成の長尺シート(1)をカートリッジ(11)に
収容し、さらに濃度測定装置のケーシング(2)に組込
んだ状態で、以下のようにして被検溶液の対象物質濃度
を測定することができる。但し、第6図は各部の動作を
示すタイミングチャートである。
濃度測定のために必要な作業を全く行なっていない状態
においては、両センサ(24)(25)が共に長尺シート
(1)の位置検出用の孔(13)(13a)(14)が形成さ
れていない箇所に正対しているので、両センサ(24)
(25)からON信号が出力され、長尺シート(1)の先端
を検出する。但し、この状態においては、濃度測定電極
(22)が長円形状の大径開口(15a)を通して保存液収
容タンク(21)の開口に接触させられている。
そして、この状態において、制御部によりモータ(26)
を駆動して濃度測定電極(22)を下降させた後、長尺シ
ート(1)を送る。即ち、モータ(26)を正転させ、規
制筒体(49)のフランジ(49b)が規制突部(49c)と係
合するまでワンウェイクラッチ(48)による回転力伝達
を行なわせ、回転カム(50)を回転させることにより濃
度測定電極(22)を退避させる。そして、退避動作が完
了した時点で係合ピン(33)とカム(34)とが係合する
ので、その後はワンウェイクラッチ(35)による巻取軸
(18a)への回転力の伝達が行なわれ、長尺シート
(1)を送ることができる。尚、長尺シート(1)が送
られている間は規制筒体(49)の回転が阻止されるの
で、回転カム(50)は停止させられたままである。
そして、一方のセンサ(24)からON信号が出力され、か
つ他方のセンサ(25)からOFF信号が出力されたことを
条件としてモータ(26)による長尺シート(1)の送り
を停止する。この時点において、長尺シート(1)の開
口(15)が点着用の開口(20)と正対し、大径開口(15
a)が濃度測定電極(22)と正対する。したがって、こ
の状態においてモータ(26)を逆転させることにより他
方のワンウェイクラッチ(47)を介して回転カム(50)
に回転力が伝達され、濃度測定電極(22)を上昇させる
ことができる。
次いで、点着用の開口(20)上に位置する開口(15)に
被検溶液を滴下した後、第1回目の測定スイッチ操作を
行なえば、先ずモータ(26)が正転して濃度測定電極
(22)を下降させた後、長尺シート(1)を所定距離だ
け送ることにより拡散制限膜(16)を濃度測定電極(2
2)と正対させる。この状態においては、センサ(24)
からOFF信号が出力され、かつセンサ(25)からON信号
が出力されている。次いで、濃度測定電極(22)のリフ
レッシュ等が行なわれて測定可能状態になったことを条
件としてモータ(26)を短時間だけ逆転させることによ
り濃度測定電極(22)を少しだけ上昇させ、拡散制限膜
(16)と接触させるので、被検溶液に含まれる対象物質
濃度を測定する。その後は、モータ(26)を正転させて
濃度測定電極(22)を下降させ、次いで長尺シート
(1)を所定距離だけ送った後、モータ(26)を逆転さ
せて濃度測定電極(22)を上昇させる。この状態におい
ては、再びセンサ(24)からON信号が出力され、かつセ
ンサ(25)からOFF信号が出力されている。
その後は、上記一連の動作を行なわせることにより被検
溶液に含まれる対象物質濃度、または標準液に含まれる
対象物質濃度を測定することができる。
そして、長尺シート(1)を送った結果、センサ(24)
(25)により孔(13a)(14)が検出された場合には、
最後の拡散制限膜(16)であるから、1回だけ濃度測定
動作を行なわせた後の動作を阻止するとともに、必要に
応じて全ての拡散制限膜(16)による濃度測定が行なわ
れたことを表示する。したがって、濃度測定装置のケー
シング(2)からカートリッジ(11)と共に長尺シート
(1)を取出して廃棄し、新たな長尺シート(1)を収
容することにより、再び複数回の濃度測定動作を行なう
ことができる。
以上の説明から明らかなように、測定対象溶液の点着位
置と濃度測定電極による濃度測定位置とが異なっている
ので、測定対象溶液が体液である場合においても病原菌
等に起因する疾病の感染を確実に阻止することができ
る。
<実施例2> 第7図は濃度測定装置の他の実施例を示す一部切欠斜視
図、第8図は縦断面図であり、上記実施例と異なる点
は、長尺シート(1)の移動方向に2つの点着用開口
(20a)(20b)が設けられた点および長尺シート(1)
を巻戻すためのモータ(27)と図示しない駆動力等伝達
機構とがさらに設けられた点のみである。
上記点着用開口(20a)(20b)の間隔は、長尺シート
(1)の測定対象溶液通過用の開口(15)が同時に正対
し得るように設定されている。
したがって、この実施例の場合には、下流側の点着用開
口(20a)を通して測定対象溶液を点着するとともに、
上流側の点着用開口(20b)を通して較正用標準液を点
着するように予め定めておけばよく、不慣れな人間が点
着作業を行なう場合であっても点着箇所を間違えてしま
うという不都合を解消させることができる。
さらに詳細に説明すると、単に測定対象溶液に基づく濃
度測定を行なう場合には、下流側の点着用開口(20a)
を通して測定対象溶液を点着し、その後は上記実施例と
同様にモータ(26)を駆動すればよく、必要最少限の距
離だけ長尺シート(1)を送ることにより拡散制限膜
(16)を濃度測定電極(22)と密着させて、濃度測定動
作を行なわせることができる。
また、測定対象溶液に基づく濃度測定動作を行なう前
に、濃度が既知の較正用標準液に基づく濃度測定を行な
って濃度測定装置の測定誤差の経時的拡大を防止する場
合には、第9図Aにタイミングチャートを示すように、
先ず、下流側の点着用開口(20a)を通して測定対象溶
液を点着するとともに、上流側の点着用開口(20b)を
通して較正用標準液を点着する。次いで、上記実施例と
同様にモータ(26)を駆動して長尺シート(1)を送
り、較正用標準液が点着された拡散制限膜(16)を濃度
測定電極(22)と密着させることにより較較動作を行な
わせることができる。その後は、モータ(27)を駆動し
て長尺シート(1)を巻戻し、測定対象溶液が点着され
た拡散制限膜(16)を濃度測定電極(22)と密着させる
ことにより濃度測定動作を行なわせることができる。そ
して、最後に再びモータ(26)を駆動して長尺シート
(1)を送り、未使用の測定対象溶液通過用の開口(1
5)を同時に両点着用開口(20a)(20b)と正対させる
ことにより次の濃度測定動作に備える。
尚、長尺シート(1)を巻戻す場合における位置決め精
度を向上させるためには、第9図Bに示すように、セン
サ(24)からON信号が出力されるとともに、センサ(2
5)からOFF信号が出力されるまでモータ(27)を正転さ
せて長尺シート(1)を巻戻し、次いで、センサ(24)
からOFF信号が出力されるとともに、センサ(25)からO
N信号が出力されるまでモータ(26)を正転させて長尺
シート(1)を送ればよく、位置検出用の孔(13)の大
きさ等に起因する位置決め精度の低下を確実に解消させ
ることができる。
以上の説明から明らかなように、較正動作および濃度測
定動作をこの順に連続して行なう場合であっても、測定
対象溶液の点着位置を変化させる必要がなく、点着ミス
が発生することを確実に防止することができる。
尚、この実施例において、上流側の点着用開口(20b)
と正対させて発光素子(29)を設けておけば、拡散制限
膜(16)および開口(15)を通して光を認識することが
できるので、点着ミス防止効果を一層高めることができ
る。
<実施例3> 第10図は濃度測定装置のさらに他の実施例を示す一部切
欠斜視図、第11図は縦断面図であり、第7図および第8
図に示す実施例と異なる点は、長尺シート(1)の走行
路から離れた位置に保存液収容タンク(21)が配置され
ている点、モータ(26)により濃度測定電極(22)のみ
を往復動させる点、モータ(27)により長尺シート
(1)を往復動させる点および測定対象溶液通過用の開
口(15)のみが形成された長尺シート(1)を使用する
点のみである。尚、(18b)は測定対象溶液等を拭き取
るための清掃部材である(第11図A参照)。
モータ(26)により濃度測定電極(22)を往復動させる
ための電極駆動機構(6)は、第12図A〜Cに示すよう
に、モータ(26)により正逆回転させられるねじ軸(6
1)と、ねじ軸(61)に螺合された濃度測定電極支持用
の基台(62)と、基台(62)に一体的に設けられた突部
(63)を案内する溝(64)と、突部の移動を規制する規
制部(65)とを有している。上記溝(64)は水平方向に
延びる水平部(64a)と、水平部(64a)の両端部におい
て上方に延びる垂直部(64b)(64c)から構成されてい
る。したがって、水平部(64a)と垂直部(64b)との間
においてはねじ軸(61)の回転方向を切替えるだけで、
突部(63)が水平部(64a)に沿って移動する状態と垂
直部(64b)に沿って移動する状態とを得ることができ
る。また、上記規制部(65)は、突部(63)が水平部
(64a)に沿って移動する状態と垂直部(64c)に沿って
移動する状態とを選択するためのものであり、軸(65
a)を支点として所定角度だけ回転可能であるととも
に、デッドポイントを越えることによりばね(65b)に
より逆方向に回動付勢される揺動部材(65c)を有して
いるとともに、軸(65d)を支点として所定角度だけ回
動可能であるとともに、ばね(65b)による作用点との
間に調節されたばね(65e)により選択的に何れかの側
に回動付勢されるストッパアーム(65f)を有してい
る。そして、上記揺動部材(65c)の一部が、ばね(65
b)による回動付勢力の向きに対応して水平部(64a)ま
たは垂直部(64c)にまで突出させられているととも
に、突出量が、突部(63)により強制的に押込まれるこ
とによりデットポイントを越えさせることができるよう
に設定されている。また、ストッパアーム(65f)の先
端部が、ばね(65e)による回動付勢力の向きに対応し
て水平部(64a)の端部または垂直部(64c)の端部に突
出されている。したがって、突部(63)が水平部(64
a)を移動して揺動部材(65c)を押込むことにより、ス
トッパアーム(65f)が突部(63)の復動を阻止し得る
状態になり、突部(63)が垂直部(64c)を移動して揺
動部材(65c)を押込むことにより、一旦下降した後に
おける突部(63)の復動を阻止し得る状態になる。尚、
同様の作用を達成させるために、上記の構成に代えてソ
レノイドプランジャ等を採用してもよい。
モータ(27)により長尺シート(1)を往復動させるた
めのシート駆動機構(7)は、第13図に概略を示すよう
に、モータ(27)の回転軸に原動歯車(71)を取付けて
いるとともに、原動歯車(71)と噛合う切替用の歯車
(72)を上記回転軸を中心として回動自在な支持板(7
3)に支持させている。そして、支持板(73)の双方向
への回動位置において歯車(72)と噛合って長尺シート
(1)に送り方向の回転力を伝達する第1伝達機構(74
a)と巻戻し方向の回転力を伝達する第2伝達機構(74
b)とを有している。したがって、原動歯車(71)の回
転方向に歯車(72)が回動して対応する伝達機構と噛合
うことになり、モータ(27)の回転方向を選択するだけ
で長尺シート(1)の送り、巻戻しを簡単に制御するこ
とができる。尚、(17a)は供給軸、(18a)は巻取軸で
ある。
上記の構成の濃度測定装置の動作は次のとおりである。
測定対象溶液に基づく濃度測定動作のみを行なう場合に
は、下流側の点着用開口(20a)を通して測定対象溶液
通過用の開口(15)に測定対象溶液を点着した後、モー
タ(27)を駆動することにより長尺シート(1)を所定
距離だけ送る。次いで、モータ(26)を駆動することに
より濃度測定電極(22)を下降させて保存液収容タンク
(21)から離し、水平回動させた後上昇させることによ
り拡散制限膜(16)に密着させて濃度測定を行なう。そ
の後は、モータ(26)を逆方向に駆動することにより濃
度測定電極(22)を保存液収容タンク(21)に接触させ
て次の濃度測定動作に備える。以下、上記の一連の動作
を反復させることにより、拡散制限膜の装着、廃棄を行
なうことなく複数回の濃度測定動作を行なうことができ
る。この場合において、濃度測定のための開蓋動作と連
動させて長尺シート(1)を開口(15)同士の間隔だけ
巻戻し、この状態において上記と同様に濃度側定動作を
行ない、最後に長尺シート(1)を開口(15)同士の間
隔の2倍の距離だけ送ることが好ましく、濃度測定動作
終了直後における点着された測定対象溶液の拭き取り等
を行なわせることができる。
測定対象溶液に基づく濃度測定動作を行なう前に較正用
標準液に基づく較正動作を行なう場合には、上流側の点
着用開口(20b)を通して測定対象溶液通過用の開口(1
5)に濃度が既知の較正用標準液を点着するとともに、
点着用開口(20a)を通して測定対象溶液通過用の開口
(15)に測定対象溶液を点着した後、モータ(27)を駆
動することにより長尺シート(1)を所定距離だけ送
る。但し、この場合の所定距離は、開口(15)同士の間
隔の約2倍の距離であるから、較正用標準液が点着され
た開口(15)を覆う拡散制限膜(16)が濃度測定電極
(22)と密着し得る状態になる。次いで、モータ(26)
を駆動することにより濃度測定電極(22)を下降させて
保存液収容タンク(21)から離し、水平回動させた後上
昇させることにより拡散制限膜(16)に密着させて較正
用標準液の濃度測定を行ない、較正動作を行なう。その
後は、モータ(26)を逆方向に駆動することにより濃度
測定電極(22)を拡散制限膜(16)から離し、モータ
(27)を逆方向に駆動することにより開口(15)同士の
間隔だけ長尺シート(1)を巻戻し、モータ(26)を順
方向に駆動して濃度測定電極(22)を拡散制限膜(16)
と密着させることにより測定対象溶液に基づく濃度測定
を行なうことができる。そして、最後に、モータ(26)
を逆方向に駆動することにより濃度測定電極(22)を保
存液収容タンク(21)に接触させ、さらに、モータ(2
7)を順方向に駆動することにより長尺シート(1)を
開口(15)同士の間隔だけ送って次の濃度測定動作に備
える(第14図Aに示すタイミングチャート参照)。以
下、上記の一連の動作を反復させることにより、拡散制
限膜の装着、廃棄を行なうことなく複数回の較正動作お
よび濃度測定動作を行なうことができる。この場合にお
いて、先ず較正用標準液に基づく較正動作が行なわれる
ように長尺シート(1)を送り、次いで測定対象溶液に
基づく濃度測定動作が行なわれるように長尺シート
(1)を巻戻し、最後に開口(15)同士の間隔の2倍だ
け長尺シート(1)を送ることが好ましく、動作終了直
後における点着された較正用標準液、測定対象溶液の拭
き取り等を行なわせることができる。
尚、長尺シート(1)を巻戻す場合における位置決め精
度を向上させるためには、第14図Bに示すように、セン
サ(24)からON信号が出力されるまでモータ(27)を逆
転させて長尺シート(1)を巻戻し、次いで、センサ
(24)からOFF信号が出力されるまでモータ(27)を正
転させて長尺シート(1)を送ればよく、位置検出用の
孔(13)の大きさ等に起因する位置決め精度の低下を確
実に解消させることができる。
尚、この実施例においても、上流側の点着用開口(20
b)と正対させて図示しない発光素子を設けておけば、
拡散制限膜(16)および開口(15)を通して光を認識す
ることができるので、点着ミス防止効果を一層高めるこ
とができる。
<実施例4> 第15図はさらに他の実施例を示す概略斜視図であり、上
記実施例と異なる点は、1対の点着用開口(20a)(20
b)を選択的に覆うためのカバー(28)が水平回動可能
に設けられている点のみである。
上記カバー(28)は、濃度測定装置の蓋と連動して回動
させられるものであり、濃度測定装置に装着された測定
モード選択スイッチ(図示せず)等により何れの点着用
開口を覆うべきかが制御されるようにしている。但し、
較正動作が必要であるか否かを濃度測定電極(22)の状
態に基づいて自動的に検出し、または手動操作により設
定し、この検出状態、または設定状態に対応させて、濃
度測定装置の蓋を開く動作に追従させてカバー(28)を
回動させるようにしてもよい。そして、下流側の点着用
開口(20a)を覆う側の所定位置に較正用標準液点着用
の小径孔(28a)が形成されている。
第16図はカバー(28)を回動させる機構を詳細に示す図
であり、蓋(2b)の所定位置に第1アーム(2c)が第2
アーム(2d)を介して回動自在に連結されているととも
に、濃度測定装置本体の所定位置に取付けられたガイド
部材(2e)の長尺孔(2f)により第1アーム(2c)の先
端部の動作が規制されている。そして、第1アーム(2
c)の先端部にカバー(28)の動作を規制する規制ピン
(2g)が設けられている。さらに、上記カバー(28)を
規制ピン(2g)に向かって回動付勢するばね(28b)が
設けられているとともに、カバー(28)の所定位置に規
制ピン(2g)と係合する係合部(28c)が設けられてい
る。そして、濃度測定装置本体の所定位置にカバー(2
8)を吸着保持する反発型の電磁石(28d)が設けられて
いる。
したがって、濃度測定動作のみを行なう場合には、反発
型の電磁石(28d)に対する給電が停止されるので、ば
ね(28b)に抗してカバー(28)を吸着保持し続け、上
流側の点着用開口(20b)を覆うようにカバー(28)が
回動させられた状態を保持し続ける(第16図AおよびC
参照)。この結果、下流側の点着用開口(20a)のみを
通して測定対象溶液通過用の開口(15)が露呈されるの
で、露呈された開口(15)に測定対象溶液を点着すれば
よく、その後は長尺シート(1)の送り動作および濃度
測定電極(22)の移動動作を行なわせるだけで濃度測定
動作を行なうことができる。
また、濃度測定動作に先立って較正動作を行なう場合に
は、反発型の電磁石(28d)に対して給電されるので、
ばね(28b)によりカバー(28)が逆方向に回動させら
れる(第16図B参照)。この結果、上流側の点着用開口
(20b)のみを通して測定対象溶液通過用の開口(15)
が大きく露呈され、しかも下流側の点着用開口(20a)
および小径孔(28a)を通して測定対象溶液通過用の開
口(15)が僅かに露呈されるので、大きく露呈された開
口(15)に測定対象溶液を点着するとともに、僅かに露
呈された開口(15)に較正用標準液を点着すればよく、
その後は長尺シート(1)の送り動作および濃度測定電
極(22)の移動動作を2回反復して行なわせるだけで較
正動作および濃度測定動作を順次行なうことができる。
以上の説明から明らかなようにこの実施例においては、
測定対象溶液の点着を許容する開口(15)のみを大きく
露呈させるようにしているのであるから、点着ミスの発
生を確実に阻止することができる。
尚、カバー(28)を回動させるための機構としては、上
記の構成に限定されるものではなく、例ればソレノイド
等により単独で回動させることが可能である。
<実施例5> 第17図は濃度測定装置のさらに他の実施例を示す概略斜
視図、第18図は縦断面図であり、上記各実施例と大きく
異なる点は、長尺シート(1)に代えて円板状のシート
(1a)を収容した点のみである。
さらに詳細に説明すると、ケーシング(2a)の所定位置
に薄型の大判カートリッジ(11a)に収容された円板状
シート(1a)を収容するための空間が形成されている。
そして、円板状シート(1a)の走行路の所定位置に点着
用の開口(20)が形成されているとともに、開口(20)
よりも下流寄り所定位置からやや離れた位置に保存液収
容タンク(21)が配置されている。そして、濃度測定電
極(22)を円板状シート(1a)に密着する測定位置(21
b)(開口(20)よりも下流寄り所定位置)および保存
液収容タンク(21)に密着する保存位置の間で往復動さ
せるための電極往復動機構(第11図から第13図に示す機
構と類似の機構であり、詳細な説明は省略する)が配置
されている。尚、(23)は円板状シート(1a)を回動さ
せるための回動軸であり、図示しないモータにより駆動
される。
また、上記円板状シート(1a)は、外周寄り所定位置に
測定対象溶液通過用の開口(15)を複数個有していると
ともに、各開口(15)を覆うように拡散制限膜(16)を
有している。
したがって、点着用の開口(20)を通して露呈されてい
る測定対象溶液通過用の開口(15)に測定対象溶液を点
着してから、円板状シート(1a)を所定角度だけ回動さ
せ、次いで濃度測定電極(22)を移動させて拡散制限膜
(16)に密着させることにより濃度測定動作を行なうこ
とができる。その後は、濃度測定電極(22)を逆方向に
移動させて保存液収容タンク(21)に密着させることに
より次の濃度測定に備える。
即ち、この実施例の場合にも、拡散制限膜(16)を装着
し、または廃棄する回数を著しく減少させることができ
るとともに、疾病が感染する危険性を著しく低減させる
ことができる。
また、この実施例においては、点着用の開口(20)が1
箇所だけに形成されているが、上記実施例と同様に点着
用の開口を2箇所に形成すること、2箇所に形成された
点着用の開口を選択的に覆うカバーを設けること等も可
能である。
尚、この発明の実施例においては、終端検知のために孔
(13)(13a)(14)が形成された長尺シート(1)を
使用しているが、測定動作遂行回数を計数するようにし
て孔を省略することが可能であるほか、開口(15)と大
径開口(15a)との距離は予め定められているのである
から、位置決め用の孔を省略してモータの動作量を制御
することにより開口(15)および大径開口(15a)を位
置決めすることも可能であり、さらに、先端検知のため
の孔をも形成することが可能である。
<発明の効果> 以上のように第1の発明は、拡散制限膜保持具に設けら
れた拡散制限膜の数と等しい測定を行なう間は拡散制限
膜の着脱作業は不要になるのみならず、測定対象溶液を
点着する箇所と濃度測定電極により濃度測定が行なわれ
る箇所とが離れているので、体液の測定を行なう場合で
あっても疾病が感染する危険性を解消させることができ
るという特有の効果を奏する。
第2の発明は、薄板シートに手を触れることなく薄板シ
ートを一方向に移動させることができるという特有の効
果を奏する。
第3の発明は、薄板シートの2つの開口に溶液を予め点
着しておいて、その後、復動および往動をこの順に行な
わせることにより、各溶液に基づく濃度測定を行なう順
序を反転させることができるという特有の効果を奏す
る。
第4の発明は、溶液点着部を通しての溶液点着作業を簡
単に行なうことができ、溶液点着後に測定対象溶液通過
用の開口同士の間隔だけ拡散制限膜保持具を移動させる
だけでそのまま濃度測定動作を行なうことができるとと
もに、次の溶液点着作業を行なうことができるととも
に、次の溶液点着作業を行なうことができるという特有
の効果を奏する。
第5の発明は、濃度が未知の溶液を点着する溶液点着部
と濃度が既知の溶液を点着する溶液点着部とを予め区分
しておくことができ、濃度が既知の溶液に基づく構成動
作および濃度が未知の溶液に基づく濃度測定動作を確実
に行なわせることができるという特有の効果を奏する。
第6の発明は、カバーの状態に対応して濃度が未知の溶
液のみを点着し得る状態と濃度が既知の溶液および濃度
が未知の溶液を点着し得る状態とを選択することがで
き、後者の状態が選択された場合には、両溶液を同時に
点着しておいて、薄板シートを往復移動させることによ
り較正動作および濃度測定動作をこの順に遂行させるこ
とができるという特有の効果を奏する。
第7の発明は、両溶液点着部を通して各測定対象物質透
過用の開口に溶液を点着することができるとともに、濃
度が既知の測定対象溶液を点着すべき溶液点着部と濃度
が未知の測定対象溶液を滴下すべき溶液点着部とを明確
に識別させることができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の濃度測定装置の一実施例を示す一部
切欠斜視図、 第2図は縦断面図、 第3図は拡散制限膜保持具の斜視図、 第4図は拡散制限膜保持具をカートリッジに収容した状
態を示す一部切欠斜視図、 第5図は電極昇降機構を示す図、 第6図は各部の動作の一例を示すタイミングチャート、 第7図は濃度測定装置の他の実施例を示す一部切欠斜視
図、 第8図は縦断面図、 第9図は較正用の標準液の濃度測定と被検溶液の濃度測
定とをこの順に行なう場合の動作の一例を示すタイミン
グチャート、 第10図は濃度測定装置のさらに他の実施例を示す一部切
欠斜視図、 第11図は縦断面図、 第12図は電極往復動機構を示す図、 第13図は長尺シート往復動機構を示す概略図、 第14図は較正用の標準液の濃度測定と被検溶液の濃度測
定とをこの順に行なう場合のタイミングチャート、 第15図はさらに他の実施例を示す概略斜視図、 第16図はカバーを回動させる機構を詳細に示す図、 第17図は濃度測定装置のさらに他の実施例を示す概略斜
視図、 第18図は縦断面図。 (1)……長尺シート、(1a)……円板状シート、 (2)(2a)……ケーシング、(7)……シート駆動機
構、 (15)……測定対象溶液通過用の開口、 (16)……拡散制限膜、(20)(20a)(20b)……点着
用開口、 (21a)……測定位置、(22)……濃度測定電極、 (28)……カバー、(28a)……小径孔、 (31)……回転力伝達機構
フロントページの続き (72)発明者 中岡 貞明 兵庫県西宮市宮西町10番29号 株式会社甲 南カメラ研究所内 (72)発明者 藤田 進 兵庫県西宮市宮西町10番29号 株式会社甲 南カメラ研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−137395(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄板シート(1)(1a)に所定間隔毎に測
    定対象溶液通過用の開口(15)が形成されているととも
    に、各開口(15)を覆うように拡散制限膜(16)が設け
    られてなる拡散制限膜保持具を所定方向に移動可能に収
    容するケーシング(2)(2a)の所定位置に濃度測定電
    極(22)が設けられているとともに、上記開口(15)に
    対する溶液点着部(20)(20a)(20b)と、濃度測定電
    極(22)を拡散制限膜(16)に接触させる測定部(21
    a)とがシート移動方向に所定間隔離れた状態で配置さ
    れていることを特徴とする濃度測定装置。
  2. 【請求項2】薄板シート(1)(1a)を一方向にのみ移
    動させるシート駆動機構(31)が設けられている上記特
    許請求の範囲第1項記載の濃度測定装置。
  3. 【請求項3】薄板シート(1)(1a)を所定方向に往復
    移動させるシート駆動機構(7)が設けられている上記
    特許請求の範囲第1項記載の濃度測定装置。
  4. 【請求項4】溶液点着部(20)(20a)(20b)が、測定
    対象溶液通過用の開口(15)よりも大きい大径開口であ
    るとともに、溶液点着部(20)(20a)と測定部(21)
    とが、測定対象溶液通過用の開口(15)同士の距離だけ
    離されている上記特許請求の範囲第1項から第3項の何
    れかに記載の濃度測定装置。
  5. 【請求項5】溶液点着部(20a)(20b)が所定距離離れ
    た状態で2箇所に設けられているとともに、何れかの溶
    液点着部を選択的に覆うカバー(28)が設けられている
    上記特許請求の範囲第1項から第4項の何れかに記載の
    濃度測定装置。
  6. 【請求項6】カバー(28)の所定位置に、一方の大径開
    口を通して露呈される測定対象溶液通過用の開口(15)
    と正対し得る小径開口(28a)が形成されている上記特
    許請求の範囲第5項記載の濃度測定装置。
  7. 【請求項7】溶液点着部(20a)(20b)が、測定対象溶
    液通過用の開口(15)同士の距離に対応する距離だけ離
    れた状態で2箇所に設けられているとともに、一方の溶
    液点着部(20b)に正対させて薄板シート(1)(1a)
    より下方に発光素子(29)が設けられている上記特許請
    求の範囲第1項から第4項の何れかに記載の濃度測定装
    置。
JP63314445A 1988-12-13 1988-12-13 濃度測定装置 Expired - Fee Related JPH076940B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63314445A JPH076940B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 濃度測定装置
EP19890123057 EP0373629B1 (en) 1988-12-13 1989-12-13 Test apparatus for measuring concentration of test substance in liquid
DE1989621438 DE68921438T2 (de) 1988-12-13 1989-12-13 Testvorrichtung zur Messung der Konzentration einer Testsubstanz in einer Flüssigkeit.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63314445A JPH076940B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 濃度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02159549A JPH02159549A (ja) 1990-06-19
JPH076940B2 true JPH076940B2 (ja) 1995-01-30

Family

ID=18053444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63314445A Expired - Fee Related JPH076940B2 (ja) 1988-12-13 1988-12-13 濃度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH076940B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5899641B2 (ja) * 2011-03-31 2016-04-06 大日本印刷株式会社 バイオセンサカートリッジ、測定装置及び測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02159549A (ja) 1990-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0752170B2 (ja) 拡散制限膜保持具収容容器
US5077010A (en) Long-test-film cassette for biochemical analysis, and system for loading the same
KR100699214B1 (ko) 체액 검사 장치, 검사 카세트, 시험 배지 제공 방법, 및 체액 분석 방법
WO1994010558A1 (en) Electrochemical sensor
AU2006275344B2 (en) Apparatus and method for detecting an analyte
US5515170A (en) Analyte detection device having a serpentine passageway for indicator strips
JP4653801B2 (ja) 試験エレメント用の搬送路を装備した携帯式分析装置
JPH0536102B2 (ja)
US20020057993A1 (en) Test device
CA1107985A (en) Automatic tip wiper for a sample aspirating and dispensing tube
EP2403623A1 (en) Fluid sample delivery system and method
JP2007526464A5 (ja)
JPH076940B2 (ja) 濃度測定装置
US3854320A (en) Quiescent breath testing system
US5320734A (en) Test apparatus for measuring concentration of test substance in liquid
EP0373629B1 (en) Test apparatus for measuring concentration of test substance in liquid
JPH0752168B2 (ja) 濃度測定装置
US4912986A (en) Device for the selective charging of an analysing apparatus
JPH0752169B2 (ja) 濃度測定装置
JPH076943B2 (ja) 拡散制限膜保持具
JPH0755815A (ja) 試料容器回転装置
JPH04112785A (ja) イオン・センシング・テープ,酵素テープ,テープ・カセットおよびこれらを用いたセンサ
CN219715466U (zh) 一种可多次使用的免疫层析检测装置
JPS628485Y2 (ja)
JP3219332B2 (ja) 自動輸液装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees