JPH0768796A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JPH0768796A
JPH0768796A JP5221928A JP22192893A JPH0768796A JP H0768796 A JPH0768796 A JP H0768796A JP 5221928 A JP5221928 A JP 5221928A JP 22192893 A JP22192893 A JP 22192893A JP H0768796 A JPH0768796 A JP H0768796A
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JP
Japan
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recording
ink
color
head
ejection
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JP5221928A
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Mineo Kaneko
峰夫 金子
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録装置において、画質の低
下や記録速度の低下等の問題を派生させずに、記録画像
における異なる色の画素間で発生する“滲み”の問題を
防止する。 【構成】 2色インクで1つの色を表現するR,G,B
のインクドットを形成する画素が存在する場合のみ、所
定時間間隔をおいた2回の走査で記録を行う。これによ
り、異なる色の画素間で生じる“滲み”による問題を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録方法
に関し、詳しくは、2色以上のインクを用いて普通紙等
へ多値画像を形成するためのインクジェット記録方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置による多色記
録、すなわち2以上の色から構成される画像の形成は、
例えば図1(a)および(b)に示す構成のインクジェ
ット記録装置を用いて行う。すなわち、この装置が有す
る4色のインクに対応した記録ヘッド1を搭載したキャ
リッジ2を摺動軸3に沿って走査させ、記録情報に応じ
て、例えば図2に示すように、記録ヘッド1から1回の
走査時に各色のインクを記録情報に応じて吐出させて、
単色(Y,M,C,Bk)あるいは2色のインクによる
混色部(R,G,B)を表現することにより行われてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の記録方式では、コート紙など比較的吸水性の高
い被記録媒体への良好な画像の形成は可能であるが、吸
水性の低い普通紙やOHP(オーバーヘッドプロジェク
ト)用紙では記録液(インク)の乾燥に比較的時間を要
するため、異なる色を表現する画素間の色の“滲み”が
発生し、形成される画像の品位が著しく低下する場合が
あった。
【0004】すなわち、図2に示すように、異なる色の
インクを一度の走査で被記録媒体に一括して付着させて
多色記録部(2以上の異なる色を表現する画素が隣接す
る記録部)の一行を形成すると、各画素に形成されるイ
ンクドットインクが乾燥,定着するまでに各インクドッ
トの重なり合う部分でインクの混合が起きる。このよう
なインクの混合は、互いに異なる色を表現する隣接画素
間(例えば画素Y,M)の境界で起きると記録画像にお
ける色の“滲み”の原因となる。
【0005】この“滲み”を抑えるための1つの方法と
して、インクの被記録媒体への浸透性を上げて定着速度
を向上させる方法があるが、浸透性を上げると染料も紙
の表面から内部へと浸透していくため発色性が悪くな
り、実用に耐えないという問題がある。
【0006】また、その他の方法として、インクドット
径を小さくして隣接画素間での互いのドットの接触を防
止する方法があるが、ドット径を小さくしすぎると、い
わゆるベタ記録を行う場合にその記録部にすき間を生じ
て画質が低下する。このため、ドット径を小さくするた
めには限界がある。
【0007】さらに、Y,M,C以外の色を表現するた
め、通常、Y,M,Cのインクを同一画素に2色以上打
ち込むことを行うが、この場合、単位面積に打ち込まれ
るインク量はY,M,C単色の場合の略2倍となり、上
述した“滲み”の発生も著しくなる。
【0008】さらに、上述した“滲み”に関する問題を
解決するために、以下のような多くの提案もなされてい
る。
【0009】例えば特公昭63−33460号公報に
は、同一画素に2色以上のインクを打ち込む場合、各色
インクの量を半分ずつとし、1画素に打ち込むインク量
の合計が、単色部と等しくなることが開示されている。
しかし、この場合、記録物の濃度が所望の値より低くな
る傾向にあり、これによって画質を低下させる場合があ
る。
【0010】また、例えば特開昭60−253551号
公報には、図3に示すように、1画素に2色以上のイン
クを打ち込む場合においても、各色ドットが画素内で占
める位置を異ならせることによって各色のインクが重な
らないようにする方法が開示されている。しかし、この
場合、色の再現性に限界を生じ、画質を低下させること
がある。
【0011】さらに、例えば特開平2−4523号公報
には、図4に示すように、1行分の記録を各色ごとに数
回に分けて記録し、各記録の間に、直前に記録した色の
インクが定着するための間隔を設けるようにする構成が
開示されている。しかし、この場合、1行分を複数回、
間隔を置いて記録するため、全体として、記録速度が低
下する。この記録速度の低下を防ぐために、各色の吐出
口群を縦にずらして配置する方法が、例えば特開平1−
208143号公報に開示されているが、一行分の記録
部の面積が大きくなり、装置の大型化、記録紙を保持す
る機構の複雑化といった弊害を生じる。
【0012】さらに、1行分の記録を2回に分けて行
い、1回目の記録でドットを互いに隣り合わない、いわ
ゆる千鳥格子に記録し、インクが定着するだけの時間間
隔を置いて、2回目の記録で1回目に記録されなかった
部分のドットを記録する方法も提案されている。しか
し、この場合も、1回目の記録で同一画素に2色以上の
インクが打ち込まれている場合は、2回目の記録までの
間隔を長くとる必要があり、記録速度の面で大きな改善
にはならない。
【0013】本発明の目的は、画質の低下や記録速度の
低下、装置の大型化,複雑化といった問題を派生させる
ことなく、“滲み”の発生を防止し、良好な多色画像記
録が行えるインクジェット記録方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
互いに異なる種類のインクを吐出する複数の記録ヘッド
を用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うイン
クジェット記録方法において、連続する所定量の画素毎
の記録データからそれぞれの画素を形成する色を判別
し、該判別において、当該判別される色が複数種のイン
クによって表わされる色である場合を含むときに、所定
時間をおいた複数回のインク吐出により、前記所定量の
画素を形成する各ステップを有したことを特徴とする。
【0015】
【作用】以上の構成によれば、例えば1走査分の記録デ
ータの中に複数種のインクによって表現される色が含ま
れる場合には、上記1走査分の記録を所定時間をおいた
複数回の走査(インク吐出)で記録を行う。これによ
り、上記色の画素は、複数回のインク吐出によって記録
されることが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】(実施例1)本発明のインクジェット記録
方法は、例えば上述した図1に示すような構成のインク
ジェット記録装置によって実施することができる。
【0018】すなわち、図1(a)および(b)に示す
ように、この装置は、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4色分の記
録ヘッド単位1Y,1M,1Cおよび1Bkを複合化し
た記録ヘッド1がヘッドキャリッジ2上に搭載された構
成を有し、摺動軸3に沿って不図示のキャリッジ駆動モ
ータによってキャリッジ2を走査し、記録紙(被記録媒
体)4上に多色記録画像を形成するものである。
【0019】なお、図1(b)は図1(a)に示される
記録ヘッド1の要部を示し、各ヘッド単位1Y,1M,
1C,1Bkがそれぞれ複数の吐出口7を有し、記録紙
4に向けてインクの飛翔液滴8を吐出する。
【0020】なお、本発明の適用にあたって、インクの
種類(色数)および各色用の記録ヘッド単位の数は、上
記4色に限定されるものではなく、所望に応じて適宜変
更し得るものである。
【0021】本発明の記録方法の一例を、図5に示す。
【0022】この方法では、多色記録部の一行を構成す
る各画素に1色のインクについて同量のインクが打ち込
まれる。すなわち、2色のインクが打ち込まれる画素で
は、1色のインクのみが打ち込まれる画素の2倍の量の
インクが打ち込まれることになる。
【0023】この方法では、まず第1回目の記録ヘッド
走査時に、記録情報に応じて、各画素1色のみのインク
が打ち込まれる。すなわち、最終的に2色のインクが打
ち込まれるべき画素においても、第1回目の記録走査時
には、いずれか1色のインクしか記録しない。図1の例
においては、イエロ(Y)とマゼンタ(M)が打ち込ま
れるべき画素の場合にはMのインクが、シアン(C)と
マゼンタ(M)が付着すべき場合にはCのインクが、C
(マゼンタ)とY(イエロー)が付着すべき場合にはC
のインクが、それぞれ第1回目の記録走査で打ち込まれ
る。なお、この順序については、最終的の色あいを考慮
して変更してもよい。
【0024】次に、第2回目の記録走査時に、第1回目
で記録されなかったインクドットを記録し、この行の記
録を終了する。
【0025】以上の記録走査の間隔は、先に記録したド
ットと、後に記録したドットの間でインクの混合を起き
にくい程度に設定する。その結果、例えば、図5に示す
BkとR、RとG、GとBの間では、2倍のインク量が
打ち込まれているにもかかわらず、先に記録されたイン
クの定着,乾燥がある程度進行した状態で、2色目のイ
ンクが打ち込まれるため“滲み”の発生は起きにくくな
る。
【0026】なお、上記の各走査は記録ヘッドの被記録
媒体上での往復走査で行っても良いし、記録ヘッドの往
復走査における往路または復路のみの走査で行っても良
い。
【0027】さらに、図5に示す実施例では同一画素に
2色のインクの打ち込みを行う場合について示したが、
3色以上のインクの打ち込みを行う場合も同様にでき、
走査回数を増して記録すれば良い。
【0028】図6は、図1に示す実施例の記録方法を実
行するための回路の一例を示す。
【0029】ホスト装置より転送された画像データは、
各色に対応したBk,C,M,Y,R,G,Bの各バッ
ファ10Bk,10C,10M,10Y,10R,10
Gおよび10Bに格納される。各バッファと各記録ヘッ
ドとの関係は、Bkヘッド1BkにはBkバッファ10
Bk、Cヘッド1CにはC,G,Bバッファ10C,1
0G,10B、Mヘッド1MにはM,R,Bバッファ1
0M,10R,10B、Yヘッド1YにはY,R,Gバ
ッファ10Y,10R,10Gからのデータラインが接
続されるよう関係付けられており、CPUからの指令に
より、記録すべきデータラインの信号がセレクタ11,
12または13で選択されることにより記録が行われ
る。
【0030】図7は、図5に示す記録方法を用いた記録
プロセスを示すフローチャートである。
【0031】記録データがホスト装置から送信されると
(ステップS1)、ステップS2で各バッファ内のデー
タの有無を確認し、1つのバッファ内にしかデータが存
在しない場合、すなわち1色のデータのみ存在する場合
は、ステップS3へ進み、そのデータに基づいて1色で
記録した後、ステップS4で改行し、次行のデータを待
つ。この場合、行内には異なる色の境界が無いので“滲
み”は発生しない。
【0032】2つ以上のバッファ内にデータが存在する
場合には、ステップS5でR,G,Bの各バッファ内に
データが存在するか否かを調べる。いずれのバッファに
もデータが存在しない場合にはステップS6へ進み、
Y,M,C,Bkの各バッファ内のデータに基づいて記
録を行った後改行し、次行のデータを待つ。この場合に
は、1画素に打ち込まれるインク量が少ないため“滲
み”は問題にならない。
【0033】ステップS5で、R,G,Bの各バッファ
のいずれかにデータが存在すると判断した場合は、ステ
ップS7へ進み、Cヘッド1CはC,G,Bバッファの
データに基づき、Mヘッド1MはM,Rバッファのデー
タに基づき、Yヘッド1YはYバッファのデータに基づ
き、Bkヘッド1BkはBkバッファのデータに基づ
き、吐出を行い記録を行う。そして、所定の時間、例え
ば1〜5(秒)経過後(ステップS8)、Mヘッド1M
はBバッファのデータに基づき、Yヘッド1YはR,G
バッファのデータに基づいて記録を行い、その後改行
し、次行のデータを待つ。この場合には、1画素に2倍
の量のインクが打ち込まれるが、先に記録されたインク
ドットの定着,乾燥がある程度進行した状態で2色目の
インクが打ち込まれるため、“滲み”の発生は起きにく
くなる。上述の記録プロセスにより被記録媒体上に記録
される色と走査の関係を図8に示す。
【0034】なお、ステップS5の判断で記録データと
してRのみまたは、GまたはBのみが存在する場合に
は、1回の走査で各画素のドットを形成するようにして
もよい。
【0035】ところで、インク打ち込み量と“滲み”と
の関係は図9に示すものとなる。これは通常よく用いら
れる普通紙に、従来の図2に示す方法で記録した場合で
ある。
【0036】図9から明らかなように、記録紙上の単位
面積当りのインクの打ち込み量が少ないほど“滲み”は
良化し、20×10-9 l/mm2 以下であれば、実用
上許容されるレベルとなる。ただし、図2に示した方法
では、1色当りの打ち込み量を20×10-9 l/mm
2 としても、2色のインクが打ち込まれる画素では40
×10-9 l/mm2 となり、実用上許容できない“滲
み”が発生する。
【0037】これに対し、本発明を用いた上記実施例で
は、1画素に2色を打ち込んだ場合でも“滲み”は許容
できる範囲となる。また、従来で示したように、各色ご
とに走査を繰り返して1色ごとに記録する方法では、同
様の効果を得るのに通常4回の走査を必要としたが、上
記実施例によれば、通常2回の走査で済み、記録速度の
低下が少なくて済む。
【0038】さらに、多くの種類の記録紙について検討
した結果、約半数の紙については、上記実施例により、
“滲み”の少ない良好な画像を得られることがわかっ
た。
【0039】(実施例2)図7に示した実施例1の記録
プロセスに示す各色の記録順序は、これに限定されるも
のではなく、記録順序を変えることにより、実施例1の
効果に加えてさらに別の効果が期待される。
【0040】記録順序を変えた実施例2を図10および
図11に示す。図10は本実施例によって記録されるイ
ンクの種類と、その結果を示したものであり、図11は
記録プロセスを示すフローチャートである。以下、図1
1に沿って説明する。
【0041】本実施例では、1つのバッファにしかデー
タが存在しない場合や、R,G,Bのいずれかのバッフ
ァにもデータが無い場合は、上記実施例1と同様の記録
プロセスとなるが、ステップS25でR,G,Bのいず
れかのバッファにデータが有ると判断された場合は、実
施例1と異なり、まずステップS27でCヘッド1Cは
G,Bバッファのデータ、Mヘッド1MはRバッファの
データにそれぞれ基づいて記録を行う。この第1走査が
終了した状態では、図10に見られるように、記録紙上
にはM,Cインクが一部打ち込まれているだけである。
次に、所定時間経過後、Cヘッド1CはCバッファのデ
ータ、Mヘッド1MはM,Bバッファのデータ、Yヘッ
ド1YはY,R,Gバッファのデータ、Bkヘッド1B
はBkバッファのデータにそれぞれ基づいて吐出を行い
記録がなされる。
【0042】この実施例2に係る記録プロセスによる効
果は、以下の通りである。
【0043】一般には普通紙にインクを大量に打ち込ん
だ場合には、記録紙は膨潤して“波打ち”現象を起こす
ことが多い。この部分をキャリッジが通過すると、この
“波打ち”によって記録紙の浮き上がった部分とキャリ
ッジとが干渉して記録紙を破いてしまうことがある。
【0044】これに対し、本実施例では、図10に示す
ように、第1回目の走査で打ち込まれるインク量を実施
例1と比較しても少量とする(図5参照)。したがっ
て、記録紙の“波打ち”は起きにくく、第2回目の走査
時に上記の問題が発生する可能性は低い。
【0045】もちろん、記録順は、この2例に限定され
るわけではなく、第1回目の走査で1画素に打ち込まれ
るインク量が、十分に少なければ、どのような順序でも
よい。
【0046】(実施例3)図12は本発明の第3の実施
例を示す図である。
【0047】本実施例ではまず第1回目の走査で記録ヘ
ッドにおける下半分の吐出口を用い記録を行う。そし
て、記録ヘッドにおける吐出口列の幅(記録幅)の半分
(L/2)だけ紙送りを行い、第2回目の走査による記
録を行う。このとき、記録ヘッドの上半分の吐出口は前
回の走査で記録された部分に対して第2回目の走査を行
うとともに、記録ヘッドの下半分の吐出口は次行の上半
分に対する第1回目の走査を行う。そして、L/2の紙
送りと記録走査を繰り返して1ページの記録を完成す
る。
【0048】この記録法は前述の2実施例と比較し、最
初と最後の行の記録に無駄を生じるだけで、スループッ
トの低下はほとんどない。また、1回の紙送りが上記2
実施例と比較して半分であるので、紙送り精度の向上が
容易であるという効果がある。
【0049】(実施例4)図13は本発明の第4の実施
例を示す図である。
【0050】一般に塗工紙に比べて普通紙は記録物の濃
度が薄くなる傾向にある。そのため彩度の低い色、特に
黒の見栄えが悪くなる。そこで、本実施例では、図13
に示すように、2回の走査でBkインクのみ、同じ画素
に2回打ち込むようにする。これによって、記録速度を
低下させることなく、また、装置の大きな改良もなく、
より品位の高い記録物を得ることができる。
【0051】(実施例5)図14は本発明の第5の実施
例を示す図である。
【0052】上記第4の実施例によってBk(黒)の画
質は改善されるが、この場合には他色に比べて吐出口の
使用回数が増す。このため、特に黒を多用する記録、例
えばキャラクタ記録を多く行うと、Bkインクの吐出口
の不良が起きやすい。そこで、Bkヘッド1Bkのみ、
吐出量を他色の記録ヘッドの倍すれば、その吐出口の使
用(吐出)回数を増すことなく上記第4実施例と同一の
効果を得ることができる。
【0053】図14を用いて、この場合の記録方法を示
す。Bkのインク量は他色の2倍なので、他色と同時に
印字すると、“滲み”が発生する。そこで、1回目と2
回目の走査でBkを除く色を記録し、3回目の走査でB
kを記録する。これによって“滲み”がなく、黒の画質
もよい記録結果が得られる。もちろん、この場合にもバ
ッファ内のデータによっては、不必要な走査を省略して
記録速度を向上させることができる。
【0054】上記実施例5に係る、記録すべき情報と記
録走査との関係を図15に示す。なお、上記実施例5で
はBkの記録を3回目の走査で行うものとしたが、他色
と同時に記録しない限り、1回目でも2回目でもよい。
【0055】(実施例6)本発明の第6の実施例を図1
6に示す。
【0056】本実施例では、Bkのヘッド1Bkは他色
のヘッドに対し、吐出口配列方向にその吐出口列分ずれ
て配置されている。この構成により1回の走査でBkの
吐出口が記録紙と向い合う領域は、他色の吐出口が記録
紙と向い合う領域と重ならない。
【0057】この装置による記録方法は、図16に示す
ように、第1回目と第2回目の走査でBk以外の色を記
録した後、記録幅Lだけ紙送りを行い、第3回目の走査
でBkの記録を行う。このとき、他色の記録ヘッドは2
行目の第1走査を行う。このように、Bkヘッドをずら
して配置することにより、実質2走査で1行の記録が行
えるので、Bkの吐出量を増しているにもかかわらず、
記録速度は低下しない。
【0058】(実施例7)本発明の第7の実施例を図1
7に示す。
【0059】本実施例では、図17に示すように、第1
走査で記録ヘッドにおける下半分の吐出口を用いて、第
1行の上半分の記録を行う。次に、紙送りを記録ヘッド
の記録幅の半分(L/2)だけ行い、記録ヘッドの上半
分の吐出口は、前回の走査で記録された部分に対して第
2回目の走査で記録を行い、記録ヘッドの下半分の吐出
口は次行の上半分に対して第1回目の走査を行う。この
とき、まだBkの記録は行われていない。
【0060】次に、(L/2)だけ紙送りを行い、Bk
の記録ヘッドにより、第1行目のBkの記録を行う。こ
れと同時に、他色の記録ヘッドにより、第2行目の第2
回目の走査、第3行目の第1回目の走査が行われる。そ
して、(L/2)の紙送りと記録走査を繰り返して1ペ
ージの記録を完成する。
【0061】この記録法によれば、前記実施例に比べて
最初と最後の行の記録に無駄を生じるだけで、スループ
ットの低下はほとんど生じない。これとともに、Bkの
1回の記録幅が半分であるので、記録ヘッドをずらして
配慮する良も半分で済み、装置を大型化させずに済むと
いう効果を得られる。
【0062】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0063】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0064】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0065】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0066】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0067】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0068】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0069】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0070】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば1走査分の記録データの中に複数種のインクによ
って表現される色が含まれる場合には、上記1走査分の
記録を所定時間をおいた複数回の走査(インク吐出)で
記録を行う。これにより、上記色の画素は、複数回のイ
ンク吐出によって記録されることが可能となる。
【0072】この結果、異なる色を表現する画素の境界
領域における“滲み”の発生が防止され、普通紙等の吸
水性が低く記録画像の乾燥,定着に比較的長い時間が必
要とされる被記録媒体にも良好な品位の多色画像を高速
かつ容易に形成できる。
【0073】しかも、本発明はキャリッジの走査法と吐
出データの選択という、インクジェット記録装置の制御
プログラムの変更という極めて簡単でコストのかからな
い手段により達成でき、装置を大型化する必要がない。
さらに、より吸水性の悪い紙や、また、吸水性のよいコ
ート紙等に対応して記録モードを切替えることも良いで
あり、最適な記録モードを常に選択することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明を適用
可能なインクジェット記録装置の要部および記録ヘッド
を示す模式的斜視図である。
【図2】従来例に係る記録方法を説明する模式図であ
る。
【図3】他の従来例に係る記録方法を説明する模式図で
ある。
【図4】さらに他の従来例に係る記録方法を説明する模
式図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る記録方法を説明する
模式図である。
【図6】上記第1実施例を実施する構成を示すブロック
図である。
【図7】上記第1実施例に係る記録プロセスのフローチ
ャートである。
【図8】上記第1実施例により記録紙上に記録されるべ
き色と走査回数との関係を表す模式図である。
【図9】被記録媒体におけるインク打ち込み良と滲みの
程度との関係を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【図11】上記第2実施例に係る記録プロセスのフロー
チャートである。
【図12】本発明の第3実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【図13】本発明の第4実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【図14】本発明の第5実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【図15】上記第5実施例により被記録媒体上に記録さ
れるべき色と走査回数との関係を表わす模式図である。
【図16】本発明の第6実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【図17】本発明の第7実施例に係る記録方法を説明す
る模式図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 1Y イエロー用記録ヘッド 1M マゼンタ用記録ヘッド 1C シアン用記録ヘッド 1Bk ブラック用記録ヘッド 2 キャリッジ 3 摺動軸 4 記録紙 5 プラテン 6 記録画像 7 吐出口 8 飛翔液滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 8808−2H B41J 3/04 104 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる種類のインクを吐出する複
    数の記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して
    記録を行うインクジェット記録方法において、 連続する所定量の画素毎の記録データからそれぞれの画
    素を形成する色を判別し、 該判別において、当該判別される色が複数種のインクに
    よって表わされる色である場合を含むときに、所定時間
    をおいた複数回のインク吐出により、前記所定量の画素
    を形成する各ステップを有したことを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記複数回のインク吐出において、先行
    するインク吐出程、当該吐出量を少なくすることを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記複数回のインク吐出の間に、前記被
    記録媒体を前記複数の記録ヘッドのそれぞれの複数のイ
    ンク吐出口の配列方向に搬送し、当該搬送量は、前記配
    列幅の1/2であることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記複数種のインクのうち異色インク
    は、他の種類のインクに対して吐出タイミングまたは量
    を異ならせて吐出されることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の記録ヘッドは、ぞれぞれ熱エ
    ネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ該気泡の生
    成に伴なってインクを吐出するものであることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009220553A (ja) * 2007-07-23 2009-10-01 Canon Inc インクジェット画像形成方法、インクジェットカラー画像形成方法、及びインクジェット記録装置
JP2012183750A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Brother Industries Ltd インクジェット記録装置
US9056997B2 (en) 2013-10-30 2015-06-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink-jet recording apparatus, ink-jet recording method, recorded matter and composite black

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