JPH0768396A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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Publication number
JPH0768396A
JPH0768396A JP5218505A JP21850593A JPH0768396A JP H0768396 A JPH0768396 A JP H0768396A JP 5218505 A JP5218505 A JP 5218505A JP 21850593 A JP21850593 A JP 21850593A JP H0768396 A JPH0768396 A JP H0768396A
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JP
Japan
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laser
lens
laser beam
work
fourier transform
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Application number
JP5218505A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Shimomura
義昭 下村
Naoki Mitsuyanagi
直毅 三柳
Nobuhiko Tada
信彦 多田
Shigeyuki Sakurai
茂行 桜井
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ワークの加工面上におけるレーザ光のスポット
径を、短時間かつ容易に、加工目的に応じた適切な大き
さに調整することができるレーザ加工装置を提供する。 【構成】レーザ光2より取り出したサンプル光32をフ
ーリエ変換レンズ34で集光し、光検出器35でそのフ
ーリエ変換像を得る。また、そのフーリエ変換像に基づ
くデジタル信号38をもとに演算部37でレーザ光2の
拡がり角θを算出し、さらにこの拡がり角θから調整機
構部、即ち凸レンズ5及び集光レンズ9の調整量を算出
する。そして、この調整量の値に基づいてコントローラ
17の制御のもとに位置調整装置7及び11、従って凸
レンズ5及び集光レンズ9の位置を自動的に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工装置に係わ
り、特にワークの加工面上におけるレーザ光のビーム径
を変更することが可能なレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザ加工装置の構成について図
7及び図8により説明する。図7において、レーザ発振
器101から出力されたレーザ光102は、ビームエキ
スパンダ103に備えられた凹レンズ104と凸レンズ
105とより、そのビーム径が拡大されるように構成さ
れる。ビームエキスパンダ103に備えらた凸レンズ1
05には位置調整装置107が設けられており、凸レン
ズ105を移動させることによって凹レンズ104と凸
レンズ105の間の距離を図中矢印106で示す光路方
向に変更することができる。凹レンズ104と凸レンズ
105の間の距離を変更すると、ビームエキスパンダ1
03からのレーザ光102aのビーム断面の径を変える
ことができる。ビームエキスパンダ103から出力され
たレーザ光102aは、ベンディングミラー108でそ
の進路が曲げられる。
【0003】次いで、レーザ光102aは集光レンズ1
09で集光され、集光状態のスポット102bとしてワ
ーク110の加工面に照射される。集光レンズ109に
ついても、位置調整装置111が設けられ、その位置を
図中矢印112で示す光路方向に調整することができ
る。ワーク110は、Xテーブル113AとYテーブル
113Bとからなる加工テーブル114の上に載置され
る。Xテーブル113Aは、X軸方向への移動を行うた
めのモータ113aを備え、Yテーブル113BはY軸
方向への移動を行うためのモータ113bを備える。但
し、X軸及びY軸はワーク10の加工面内に設定した相
直交する軸である。
【0004】レーザ発振器101とビームエキスパンダ
103との間には、機械的にレーザ光102を遮断する
シャッタ115が配設される。このシャッタ115は、
シャッタ駆動装置116により、加工テーブル114の
移動動作に同期して開閉動作を行い、レーザ発振器10
1から出力したレーザ光102が、所定のタイミングで
ワーク110の方へ導かれる。また、ビームダンパ11
8はシャッタ115が閉状態の時のレーザ光を吸収す
る。さらに、レーザ発振器101、位置調整装置10
7,111、モータ113a,113b、シャッタ駆動
装置116のそれぞれの動作は、コントローラ117に
より制御される。ワーク110の加工面では、加工テー
ブル114の移動動作により、ワーク110の加工面に
2次元の軌跡を自由に描くことができ、そしてこの軌跡
に沿ってレーザ光が照射される。
【0005】以上のような構成において、ワーク110
の加工面でのスポット102bのエネルギ密度を制御す
ることにより、切断や表面熱処理等の種々の加工を行う
ことができる。この時のワーク110の加工面における
スポット径やエネルギ密度等の制御は、位置調整装置1
07で凸レンズ105の位置を調整するか、位置調整装
置111で集光レンズ109の位置を調整し、集光レン
ズ109の焦点位置を変更することによって行われる。
特に、レーザ光でワークに切断加工を施す場合には、エ
ネルギ密度を高くし、かつ切断幅を狭くすることが要求
されるため、ワーク110の加工面に集光レンズ109
の焦点が位置するように、位置調整装置107,111
を制御する必要がある。
【0006】上記のうち、凸レンズ105によってワー
ク110の加工面に焦点を結ばせる方法について述べ
る。位置調整装置107で凸レンズ105の位置を変化
させれば、集光レンズ109に入射するレーザ光102
aの拡がり角が変化し、集光レンズ109で集光される
レーザ光102aの焦点の位置が変化する。例えば、集
光レンズ109の焦点距離の位置にワーク110の加工
面が存在する場合、上記拡がり角を0として平行ビーム
で集光レンズ109に入射させると、ワーク110の加
工面上で焦点を結ぶことになる。また、レーザ発振器1
01から出力されるレーザ光102が平行ビームの場合
に、凹レンズ104と凸レンズ105の間の距離を両レ
ンズそれぞれの焦点距離の和になるようにしておけば、
レーザ光102aは集光レンズ109へ平行ビームで入
射し、必ずワーク110の加工面で焦点を結ぶ。一方、
これ以外の場合には、レーザ光2aはワーク110の加
工面上に集光せず、ワーク110の加工面から外れるこ
とになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザ発振
器101から出力されるレーザ光102は、一般に平行
ビームではなく、最初から或る拡がり角を有している。
また、レーザ発振器101から出力されるレーザ光10
2の拡がり角は、そのレーザ発振器101の出力レベル
に応じても変化する。このため、ある出力レベルの時に
おいて、凸レンズ105や集光レンズ109の位置がワ
ーク110の加工面上で焦点を結ぶ位置関係を満足する
ように設定されていたとしても、他の出力レベルの時に
はレーザ光102aはワーク110の加工面で集束せ
ず、焦点が外れることになる。
【0008】従来、ワーク110の加工面でレーザ光1
02aが集束されているか否かは、ワークサンプル12
0に集束させたレーザ光102aを照射して実際に加工
を行い、図8(a)及び(b)のように形成された穴1
21の径を観測することにより判断していた。そして、
ワーク110の加工面にレーザ光102aの焦点がくる
ようにするためには、凸レンズ105および集光レンズ
109を、それぞれの位置調整装置107,111によ
って適宜に移動させて、ワークサンプル120に形成さ
れた穴121の径が最小になるように調整することが必
要である。かかる調整作業は、レーザ加工の作業中にお
いてレーザ発振器101の出力レベルが変動するたびに
行なわなければならず、しかも、実際にワークを加工し
なければならないため、長時間を要し、かつ手間がかか
るものであった。
【0009】本発明の目的は、ワークの加工面上におけ
るレーザ光のスポット径を、短時間かつ容易に、加工目
的に応じた適切な大きさに調整することができるレーザ
加工装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、レーザ光を出力するレーザ発振器
と、ワークの加工面におけるレーザ光のスポット径を調
整する調整機構部を備え前記レーザ光を前記加工面まで
誘導する加工用光学系と、前記ワークを載置する加工テ
ーブルとを有するレーザ加工装置において、前記レーザ
発振器から出力されたレーザ光の一部をサンプル光とし
て取り出す減光光学系と、前記サンプル光をフーリエ変
換するフーリエ変換レンズと、前記フーリエ変換レンズ
によるフーリエ変換像を検出する光検出手段と、前記フ
ーリエ変換像を解析することによりエネルギ分布を得る
解析手段と、前記エネルギ分布より前記レーザ光の拡が
り角を算出しこの拡がり角の値より前記調整機構部の調
整量を演算する演算手段と、前記調整量の値に基づいて
前記調整機構部を制御する制御手段とを有することを特
徴とするレーザ加工装置が提供される。
【0011】
【作用】以上のように構成した本発明においては、減光
光学系によってレーザ発振器からのレーザ光の一部が取
り出され、この取り出された一部のレーザ光がフーリエ
変換レンズによってフーリエ変換され、そのフーリエ変
換像が光検出手段によって検出される。そして、上記フ
ーリエ変換像におけるエネルギ分布が解析手段で解析さ
れ、演算手段で上記エネルギ分布をもとにレーザ光の拡
がり角が求められると共に、この拡がり角の値より調整
機構部の調整量が演算される。さらに、制御手段によっ
て、集光レンズやビームエキスパンダ等の調整機構部が
上記調整量の値に基づき制御される。これにより、ワー
クの加工面上におけるレーザ光のスポット径を、短時間
かつ容易に、加工目的に応じた適切な大きさに調整する
ことが可能となる。特に、切断加工を行う場合には、ワ
ークの加工面上にレーザ光の焦点を位置させることがで
きる。
【0012】
【実施例】本発明によるレーザ加工装置の一実施例につ
いて、図1〜図7を参照しながら説明する。
【0013】図1において、本実施例のレーザ加工装置
は、レーザ光2を出力するレーザ発振器1と、凹レンズ
4及び凸レンズ5を備えたビームエキスパンダ3と、ビ
ームエキスパンダ3からのレーザ光2aの進路を曲げる
ベンディングミラー8と、レーザ光2aを集光する集光
レンズ9と、ワーク10を載置する加工テーブル14
と、レーザ発振器1とビームエキスパンダ3との間で機
械的にレーザ光2を遮断するシャッタ15と、レーザ発
振器1、凸レンズ5の位置調整装置7、集光レンズ9の
駆動装置11、加工テーブル14、及びシャッタ15の
駆動装置16の制御を行うコントローラ17とを備え
る。
【0014】上記レーザ発振器1は固体レーザ発振器で
あって固体結晶1aと、2枚の共振ミラー1b,1cと
から構成され、固体結晶1aは図示しない励起ランプに
より励起され、共振ミラー1b,1cによって誘導放出
とその増幅が行われレーザ光2が出力される。また、ビ
ームエキスパンダ3に備えらた凸レンズ5には位置調整
装置7が設けられており、凸レンズ5を移動させること
によって凹レンズ4と凸レンズ5の間の距離を図中矢印
6で示す光路方向に変更することができる。尚、凸レン
ズ5を固定し、凹レンズ4を移動させてもよい。また、
集光レンズ9についても、位置調整装置11が設けら
れ、その位置を図中矢印12で示す光路方向に調整する
ことができる。また、加工テーブル14は、Xテーブル
13A及びYテーブル13Bを備え、Xテーブル13A
はモータ13aによってX軸方向へ移動し、Yテーブル
13Bはモータ13bによってY軸方向へ移動する。但
し、X軸及びY軸はワーク10の加工面内に設定した相
直交する軸である。
【0015】さらに、本実施例のレーザ加工装置は、レ
ーザ光2の一部をサンプル光32として取り出す減光ミ
ラー31、サンプル光32を反射させる反射ミラー3
3、サンプル光32をフーリエ変換するフーリエ変換レ
ンズ34、フーリエ変換されたフーリエ変換像を検出す
る光検出器35、フーリエ変換像を解析してレーザ光2
のエネルギ分布を得るための解析手段である画像処理部
36、エネルギ分布をもとにレーザ光2の拡がり角を算
出すると共に、これらの値より凸レンズ5や集光レンズ
9の調整量を演算する演算部37を備える。
【0016】但し、上記ビームエキスパンダ3、位置調
整装置7、集光レンズ9、及び位置調整装置11によっ
て調整機構部が構成され、この調整機構部と、ベンディ
ングミラー8によって加工用光学系が構成される。ま
た、上記調整機構部を調整する調整手段はコントローラ
17に含まれる。
【0017】以上のような構成において、レーザ発振器
1から出力されたレーザ光2は、シャッタ15が開いて
いる状態で、ビームエキスパンダ3に備えられた凹レン
ズ4と凸レンズ5とを通過し、そのビーム径が拡大され
る。ビームエキスパンダ3から出力されたレーザ光2a
は、ベンディングミラー8でその進路が曲げられ、集光
レンズ9で集光された後に、集光状態のスポット2bと
してワーク10の加工面に照射される。また、シャッタ
15は、シャッタ駆動装置16により加工テーブル14
の移動動作に同期して開閉動作を行い、レーザ発振器1
から出力したレーザ光2が、所定のタイミングでワーク
10の方へ導かれる。また、ビームダンパ18はシャッ
タ15が閉状態の時のレーザ光を吸収する。
【0018】ワーク10の加工面では、加工テーブル1
4の移動動作により、ワーク10の加工面に例えば図2
に示すような2次元の軌跡19を自由に描くことがで
き、この軌跡に沿ってレーザ光2aが照射される。そし
て、ワーク10の加工面でのスポット2bのエネルギ密
度を制御することにより、切断や表面熱処理等の種々の
加工を行うことができる。この時のワーク10の加工面
におけるスポット径やエネルギ密度等の制御は、位置調
整装置7で凸レンズ5の位置を調整するか、位置調整装
置11で集光レンズ9の位置を調整し、集光レンズ9の
焦点位置を変更することによって行われる。特にレーザ
光でワークに切断加工を施す場合には、エネルギ密度を
高くし、かつ切断幅を狭くすることが要求されるため、
ワーク10の加工面に集光レンズ9の焦点が位置するよ
うに、位置調整装置7,11を制御する必要がある。
【0019】上記のうち、凸レンズ5、従ってビームエ
キスパンダ3によってワーク10の加工面に焦点を結ば
せる方法について述べる。図3は、凸レンズ5の位置、
即ち凹レンズ4と凸レンズ5の距離Z2を変化させた時
の状態を模式的に示す図である。但し、図3において、
φは集光レンズ9に入射するレーザ光2aの拡がり角で
あり、(a)はφ=φa>0、(b)はφ=0、(c)
はφ=φc<0の場合を示す。ここに、φはレーザ光が
拡がる方向を正とした。また、レーザ発振器1から出力
されるレーザ光2は平行ビームであり、集光レンズ9の
焦点距離F3の位置にワーク10の加工面が存在するも
のとする。
【0020】図3に示すように、位置調整装置7で凸レ
ンズ5の位置を変化させれば、集光レンズ9に入射する
レーザ光2aの拡がり角が変化し、集光レンズ9で集光
されるレーザ光2aの焦点の位置が変化する。そして、
図3(b)のようにφ=0としてレーザ光2aを平行ビ
ームで集光レンズ9に入射させると、レーザ光2aは集
光レンズ9より焦点距離F3の位置にあるワーク10の
加工面で焦点を結ぶことになる。この場合、レーザ発振
器1から出力されるレーザ光2が平行ビームであること
から、レーザ光2aを集光レンズ9へ平行ビームで入射
させる条件は、凹レンズ4、凸レンズ5の焦点距離をそ
れぞれF1,F2とすると、 Z2=F1+F2 …(1) となり、この式を満たす時レーザ光2aは必ずワーク1
0の加工面で焦点を結ぶ。
【0021】一方、図3(b)以外の場合、即ちφ=φ
a>0及びφ=φc<0の場合は、図3(a)及び(c)
にそれぞれ示すように、レーザ光2aはワーク10の加
工面上に集光せず、ワーク10の加工面から外れた位置
に集光することになる。このように、凹レンズ4と凸レ
ンズ5の間の距離を変更することにより、レーザ光2a
の焦点位置が変わり、ワーク10の加工面上におけるビ
ーム径が変わる。
【0022】ところで、レーザ発振器1から出力される
レーザ光2は、一般に図3に示すような平行ビームでは
なく、最初から或る拡がり角を有している。また、レー
ザ発振器1から出力されるレーザ光2の拡がり角は、そ
のレーザ発振器1の出力レベルに応じても変化する。こ
のため、ある出力レベルの時において、凸レンズ5や集
光レンズ9の位置がワーク10の加工面上で焦点を結ぶ
位置関係を満足するように設定されていたとしても、他
の出力レベルの時にはレーザ光2aはワーク10の加工
面で集束せず、焦点が外れることになる。
【0023】従来、ワーク10の加工面でレーザ光2a
が集束されているか否かは、ワークサンプル120に実
際に集束させたレーザ光2aを照射して加工を行い、図
8(a)及び(b)のように形成された穴121の径を
観測することにより判断する。そして、ワーク10の加
工面にレーザ光2aの焦点がくるようにするためには、
凸レンズ5および集光レンズ9を、それぞれの位置調整
装置7,11によって適宜に移動させて、ワークサンプ
ル120に形成された穴121の径が最小になるように
調整することが必要である。かかる調整作業は、レーザ
加工の作業中においてレーザ発振器1の出力レベルが変
動するたびに行なわなければならず、しかも、実際にワ
ークを加工しなければならないため、長時間を要し、か
つ手間がかかるものであった。
【0024】これに対し、本実施例では、次に述べる動
作により、上記のような問題点が解決する。以下、本実
施例の動作について図1及び図4〜図7により説明す
る。図1において、レーザ発振器1から出力されたレー
ザ光2は前述のように一般に平行光とはならず、ある拡
がり角θ(図6参照)を有する。このレーザ光2の一部
がサンプル光32として減光ミラー31により取り出さ
れ、取り出されたサンプル光32は反射ミラー33で反
射して、フーリエ変換レンズ34に誘導される。サンプ
ル光32はフーリエ変換レンズ34で集光され、光検出
器35に照射される。この光検出器35の受光面35a
はフーリエ変換レンズ34の焦点距離Fの位置に置かれ
ており、これによって光検出器35の受光面35a上に
レーザ光2のエネルギ分布を表すフーリエ変換像が得ら
れる。光検出機35としてはCCDカメラが使用され、
このCCDカメラの受光素子35bは図4に示すマトリ
ックス状に配列された画素35cから構成される。
【0025】光検出機35で検出されたサンプル光32
のフーリエ変換像は電気信号に変換され、画像処理部3
6に転送され、ここでデジタル信号38に変換される。
図5は、レーザ光のフーリエ変換像より得られたプロフ
ァイル(エネルギ分布)の一例を示すものであって、光
検出機35として有限の受光面積を有するCCDカメラ
を使用し、このCCDカメラから得たフーリエ変換像の
データをA/D変換し、コンピュータ表示させたもので
ある。図5では、フーリエ変換像の中央に向かうほどエ
ネルギが高くなっている。但し、図中I(X,Y)はエ
ネルギの大きさを表す。
【0026】続いて、デジタル信号38は演算部37に
転送され、ここでレーザ光2の拡がり角θの算出が行わ
れる。さらに演算部37では算出された拡がり角θから
調整機構部、即ち凸レンズ5及び集光レンズ9の調整量
が算出される。この調整量の値をもとにコントローラ1
7は位置調整装置7及び11を制御し凸レンズ5及び集
光レンズ9の位置を自動的に調整する。
【0027】次に、演算部37で行われる拡がり角θの
算出方法及び凸レンズ5及び集光レンズ9の調整量の算
出法について、詳細に述べる。まず、光検出機(CCD
カメラ)35の座標(Xn,Ym)における画素の光強度
分布データをI(Xn,Ym)とし、またX軸及びY軸方
向の各画素ピッチをΔX,ΔY(図4参照)とすると、
プロファイル(エネルギ分布)の重心rG *は、
【0028】
【数1】
【0029】と表すことができる。ここで記号の右肩に
付した*はベクトルを表し、rn,m *は座標(Xn,Ym
の位置ベクトルである。また、この式(2)で求めたプ
ロファイルの重心rGを用いるとプロファイルの標準偏
差σは、
【0030】
【数2】
【0031】のように表される。
【0032】上記プロファイルはフーリエ変換レンズ3
4からその焦点距離Fだけ離れた位置(焦点面)におけ
る光の強度分布であるので、レーザ光2の拡がり角θと
標準偏差σとの間には、 σ=F・θ …(4) なる関係式が成り立つ。つまり、フーリエ変換レンズ3
4からその焦点距離Fだけ離れた位置におけるプロファ
イルの標準偏差σを求めることにより、式(4)よりレ
ーザ光2の拡がり角θを知ることができる。
【0033】次に、以上の手法で算出された拡がり角θ
を用い、調整機構部である凸レンズ5及び集光レンズ9
の位置を設定する方法について述べる。図6は図1にお
ける加工光学系の各光学部品間の寸法及び光路を詳細に
示した図である。図6において、レーザ光2は、一般に
は前述のようにある拡がり角θ(>0)をもって伝搬す
る。尚、図中レーザ光2A及び2Bは特別な場合であっ
て、拡がり角θが0の場合を示す。ここで、凸レンズ5
及び集光レンズ9のみが可動であるとし、他の光学部品
は固定とする。つまり、 Z1=L1 …(5) Z2+Z3=L2 …(6) Z4+Z5=L3 …(7) なる一定値L1,L2,L3が存在するものとする。ここ
に、Z1はレーザ発振器1の固体結晶1aの出力側端面
と凹レンズ4との距離、Z2は凹レンズ4と凸レンズ5
との距離、Z3は凸レンズ5とベンディングミラー8の
中心との距離、Z4はベンディングミラー8の中心と集
光レンズ9との距離、Z5は集光レンズ9とワーク10
の加工面との距離である。
【0034】また、凹レンズ4、凸レンズ5の焦点距離
をそれぞれF1,F2とし、L0=F1+F2とすると、距
離Z2,Z3は、 Z2=L0+δZ1 …(8) Z3=L2−L0−δZ1 …(9) と表すことができる。但し、δZ1は位置調整装置7に
よる凸レンズ5の可動距離であって、δZ1>0とす
る。
【0035】さらに、集光レンズ9の焦点距離をF3
すると距離Z4,Z5は、 Z4=L3−F3−δZ2 …(10) Z5=F3+δZ2 …(11) と表すことができる。但し、δZ2は位置調整装置11
による集光レンズ9の可動距離である。
【0036】以上の条件を有する加工光学系において、
δZ1=0かつδZ2=0とすると、拡がり角θ=0であ
るレーザ光2Aは最終的にワーク10の加工面に集束さ
れる。一方、0ではない拡がり角θ(>0)を有するレ
ーザ光2は最終的にワーク10の加工面より下方にて集
束される。この場合の集光レンズ9から集束位置までの
距離をZ6、ワーク10の加工面から集束位置までの距
離をδZ3とすると、 δZ3=Z6−Z5 …(12) の関係が成り立つ。切断を行う場合には、ワーク10の
加工面上にレーザ光2の焦点を結ばせるため、加工光学
系の調整は一般的には式(12)のδZ3を0にするよ
うに行われる。
【0037】ところで、集光レンズ9で集光されたレー
ザ光2aのビーム径の変化は、集光レンズ9の主点から
の距離Zの関数としてW(Z)で表すことができる。こ
のW(Z)はレーザ光2の拡がり角θ、凸レンズ5の可
動距離δZ1、及び集光レンズ9の可動距離δZ2の関数
である。また、ビーム径W(Z)は波面係数P(Z)を
求めることにより、 W(Z)=(Re(P(Z)))-0.5 …(13) より算出される。ここに、P(Z)は一般に複素数であ
り、Re(P(Z))はP(Z)の実部を示す。
【0038】上記波面係数P(Z)は、レーザ発振器1
の固体結晶1a端面における波面係数をP0とすると、
係数A,B,C,Dを用いて、
【0039】
【数3】
【0040】と表される。ここで、波面係数P0はレー
ザ光2の拡がり角θを用いると、
【0041】
【数4】
【0042】となる。但し、kは波数(=2π/λ;λ
はレーザ光2の波長)、W0は固体結晶1aの半径であ
る。
【0043】また、式(14)中の係数A,B,C,D
は、
【0044】
【数5】
【0045】で示される行列Mの成分である。この行列
Mは、
【0046】
【数6】
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
【数10】
【0051】
【数11】
【0052】
【数12】
【0053】
【数13】
【0054】を用いて、 M=M1・M2・M3・M4・M5・M6・M7・M8 …(25) と表される。但し、iは虚数単位である。
【0055】レーザ光2は集光レンズ9からの距離がZ
6のところで集束するから、Z6は上記説明したビーム径
W(Z)の最小値を与える。つまり、W(Z)の微分係
数が0となる条件、 δW(Z)/δZ=0 …(26) を満たすZがZ6となる。このZ6は、拡がり角θ、可動
距離δZ1及びδZ2の関数、即ち、 Z6=Z6(θ,δZ1,δZ2) …(27) となっている。
【0056】凸レンズ5及び集光レンズ9の調整は、前
述の式(12)において、 δZ3=0 …(28) を満たすように行われるから、式(11),(12),
(28)より、δZ1及びδZ2は、 Z6(θ,δZ1,δZ2)−F3−δZ2=0 …(29) の条件を満たすように変動することになる。この式(2
9)より(δZ1,δZ2)を求めるためには、δZ1
たはδZ2の一方の値を固定しておき、その時の他方の
解を求めればよい。
【0057】例えば、δZ1=0に固定すれば、 Z6(θ,0,δZ2)−F3−δZ2=0 …(30) より解δZ2を求めることになる。この場合、δZ1=0
であるので凸レンズ5は固定とし、集光レンズ9のみを
δZ2だけ調整すればよい。この調整はコントローラ1
7の制御のもとに、位置調整装置11によって行われ
る。
【0058】逆に、δZ2=0に固定すれば、 Z6(θ,δZ1,0)−F3=0 …(31) の解δZ1が凸レンズ5の調整量となり、集光レンズ9
は固定し、凸レンズ5のみを調整すればよいことにな
る。この調整もコントローラ17の制御のもとに、位置
調整装置7によって行われる。
【0059】このように、上記動作によって、凸レンズ
5や集光レンズ9の調整量が算出され、これに従ってコ
ントローラ17の制御のもとに位置調整装置7,11が
自動的に調整されるので、短時間かつ容易に、ワーク1
0の加工面上でレーザ光2を集束させることができる。
【0060】以上の本実施例においては、レーザ光2よ
り取り出したサンプル光32をフーリエ変換レンズ34
で集光し、光検出器35でそのフーリエ変換像を得る。
また、そのフーリエ変換像に基づくデジタル信号38を
もとに演算部37でレーザ光2の拡がり角θを算出し、
さらにこの拡がり角θから調整機構部、即ち凸レンズ5
及び集光レンズ9の調整量を算出する。そして、この調
整量の値に基づいてコントローラ17の制御のもとに位
置調整装置7及び11、従って凸レンズ5及び集光レン
ズ9の位置を自動的に調整する。これにより、短時間か
つ容易に、ワーク10の加工面上でレーザ光2を集束さ
せることができ、切断加工に必要なスポット径やエネル
ギ密度等を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、減光光学系によって取
り出したレーザ光の一部よりフーリエ変換像を得、この
フーリエ変換像におけるエネルギ分布をもとにレーザ光
の拡がり角を求め、この拡がり角の値より調整機構部の
調整量を演算し、この調整量の値に基づき調整機構部を
調整するので、ワークの加工面上におけるレーザ光のス
ポット径を、短時間かつ容易に、加工目的に応じた適切
な大きさに調整することができる。
【0062】また、上記調整機構部の調整は自動的に行
うことができ、レーザ加工装置全体の自動化に役立てる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるレーザ加工装置の構成
を示す図である。
【図2】図1のレーザ加工装置によってワークの加工面
上に描かれる2次元の軌跡の一例を示す図であって、加
工テーブルに載置されたワークを上面からみた図であ
る。
【図3】図1の凹レンズと凸レンズの距離Z2を変化さ
せた時の状態を模式的に示す図であって、(a)はφ=
φa>0の場合、(b)はφ=0の場合、(c)はφ=
φc<0の場合を示す。但し、φは集光レンズに入射す
るレーザ光の拡がり角であり、レーザ光が拡がる方向を
正とする。
【図4】図1の光検出機として使用されるCCDカメラ
の受光素子の表面を示す図である。
【図5】図1の画像処理部において、レーザ光のフーリ
エ変換像より得られたプロファイル(エネルギ分布)の
一例を示す図である。
【図6】図1の加工光学系の各光学部品間の寸法及び光
路を詳細に示した図である。
【図7】従来のレーザ加工装置の構成を示す図である。
【図8】図7のレーザ加工装置を用い、ワークの加工面
でレーザ光が集束されているか否かを判断する方法を説
明する図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB
−B断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2,2a レーザ光 2b スポット 2A,2B レーザ光 3 ビームエキスパンダ 4 凹レンズ 5 凸レンズ 7 位置調整装置 8 ベンディングミラー 9 集光レンズ 10 ワーク 11 位置調整装置 14 加工テーブル 17 コントローラ 31 減光ミラー 32 サンプル光 34 フーリエ変換レンズ 35 光検出器 36 画像処理部 37 演算部 38 デジタル信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 茂行 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を出力するレーザ発振器と、ワ
    ークの加工面におけるレーザ光のスポット径を調整する
    調整機構部を備え前記レーザ光を前記加工面まで誘導す
    る加工用光学系と、前記ワークを載置する加工テーブル
    とを有するレーザ加工装置において、 前記レーザ発振器から出力されたレーザ光の一部をサン
    プル光として取り出す減光光学系と、前記サンプル光を
    フーリエ変換するフーリエ変換レンズと、前記フーリエ
    変換レンズによるフーリエ変換像を検出する光検出手段
    と、前記フーリエ変換像を解析することによりエネルギ
    分布を得る解析手段と、前記エネルギ分布より前記レー
    ザ光の拡がり角を算出しこの拡がり角の値より前記調整
    機構部の調整量を演算する演算手段と、前記調整量の値
    に基づいて前記調整機構部を制御する制御手段とを有す
    ることを特徴とするレーザ加工装置。
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