JPH076805Y2 - 靴の床革 - Google Patents

靴の床革

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JPH076805Y2
JPH076805Y2 JP4371192U JP4371192U JPH076805Y2 JP H076805 Y2 JPH076805 Y2 JP H076805Y2 JP 4371192 U JP4371192 U JP 4371192U JP 4371192 U JP4371192 U JP 4371192U JP H076805 Y2 JPH076805 Y2 JP H076805Y2
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leather
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JP4371192U
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功 小山
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株式会社エースコーポレーション
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は保形性に優れ、履き心地
の良い革靴を提供するための靴の床革に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】履物の中でも靴は最も生活に係りが深いも
のであるが、今日の如く生活行動が多様化した状況にお
いては、通勤や通学等に用いる一般靴はもとより運動や
競技用として用いるスポーツ靴、パーティーや儀式に用
いる礼装用靴、或いは医療上の処方靴等極めて多岐に亘
っているものの、その大勢は一般靴に占められている。
他方近年の生活水準の向上に伴い、これら靴にも一段と
高級化、高機能化が要求されつつある。これがため高級
化への対応としては強靭性を初め、軽量性、柔軟性、透
湿性の他に優れた加工性をも有するカーフやキップ等の
高級牛革やコードバンの如き高級馬革等素材的に高品質
なものの採用を初め、入念な企画やデザインに基づく多
彩な靴型も用意され、且該靴型への釣り込みも精巧な釣
り込機が使用されて、靴型デザインもより忠実に再現さ
れる状況にある。また高機能化への対応としては、多種
多様なサイズ、デザインが取揃えられ自在な選択と且そ
のデザインが崩れぬように歩行時に付加力がかかる爪先
部や踵部には、爪先芯や月形芯等を介在させる構造が採
用されている。
【0003】ところで足は朝、昼、晩に亘って、或いは
就寝時、歩行時、着席時等行動如何により足長や足囲が
著るしく変化するものであるから、仮令購入時にサイズ
やデザインが適合した靴でも、使用時において足長が増
加した場合では爪先部や踵部に歩行に伴う圧力や摩擦が
付加され、放置すればハンマートウやハグランド病、或
いは靴擦れ等の発症が危惧されるばかりか、足囲の増加
では中足骨の骨痛による歩行不能も招来されること等か
ら購入時には比較的余裕を持ったサイズ、デザインの靴
が選択されている。
【0004】反面靴の購入時に比べて足長や足囲等が減
少した場合では、歩行に際して足が靴の中を前後に滑動
し歩行性が著るしく阻害されるばかりか、踵も抜げ易く
なる等歩行に多くの問題が発生する。これがため近年で
は革靴の踵部所謂ヒールカウンター内側に図3に示す如
き形状構造の床革(すべり止め)を介在させてかかる問
題に対処することが試みられているが、該床革(A)の
形状構造には特段の技術的根拠もなく単にヒールカウン
ター内側に裏革に貼着若しくは縫合されて踵を包着保持
する目的のみに終始するものであって、ヒールカウンタ
ーのトップラインに配置される上端部(B)より下方に
向かって対称的に包着片(C)(C)が形成されてお
り、且この包着片(C)(C)の開脚点(D)を挾み開
脚辺(E)(E)が直線状に開脚形成され而もその開脚
度合も適宜に決定されてなるものである。
【0005】然るにかかる形状構造の床革(A)では、
図4に示す如く釣り込み及び接合に際して靴型(F)に
密着させ釣り込みむうえで開脚点(D)から開脚辺
(E)(E)相互を追宜位置まで縫割し或いは千鳥縫い
して立体曲面化を図らねばならないが、開脚点(D)か
ら開脚辺(E)(E)が直線状に開脚されてなるため靴
型(F)の曲面に適合する立体曲面化が図れず、而も該
床革(A)は裏革(G)と貼着若しくは縫合されたうえ
月形芯(H)や甲革(I)とともに釣り込まれ、且該床
革(A)は靴型(F)と直接密着されながら釣り込まれ
接合されねばならない。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 これがため現状の床
革(A)では、立体曲面化のための縫割り若しくは千鳥
縫いに伴って開脚点(D)近傍が最も隆起した状態とな
り、釣り込みに際しての釣り込み力が不十分な場合には
靴のヒールカウンター内側に釣り込まれた床革(A)の
一部分が隆突したままの状態で形成され、デザイン性の
滅失とともに製品価値も著しく損われる結果となるため
十分な釣り込み力を以って釣り込みがなされることか
ら、開脚点(D)より離れた上部側若しくは下部側の所
謂曲面長の短い部分が強く引き込まれ、特に開放的なト
ップライン(J)部分には下がり現象が誘発されて全体
的デザイン感の喪失とともに形崩れも発生し易くなり、
且仮令形崩れが発見されない状態でも短期の使用で形崩
れが招来されてこれにより歩行性が阻害される。更に該
床革(A)はその形状や寸法には特段の制限もなく形成
されるものであるが、釣り込みに際しては裏革(G)と
貼着若しくは縫合され且月形芯(H)が挾入されたうえ
甲革(I)とともに多層に積層されて釣り込まれるもの
であるから、釣り込み屈曲部分には外側と内側との間に
大きな屈曲伸長差が発生しこれが釣り込み斑の原因や皺
の原因ともなっている。本考案はかかる問題を解決する
ためになされたものであって、本考案は床革とともに釣
り込まれる甲革材の形状や寸法を基準として靴型の曲面
に適合でき且釣り込みに係る屈曲伸長差をも吸収しうる
形状や寸法に形成して、以て靴の形状とデザインを保
持せしめながら歩行に際しても踵を包着し良好な履き心
地が発揮される靴を作成しえる床革を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を達成するための技術的手段】上述の課題を達成
するめに本考案が用いた技術的手段は、素材として比較
的剛性が高く且表面が踵を包着し易いよう非滑性の皮革
材を用いるとともに、上辺の両側端より適宜長さを以て
対称的に外傾斜辺が形成され、且上辺の中央部位の垂線
上の分岐部より所要の曲線を以て対称的に分岐辺が形成
され、而も外傾斜辺のそれぞれ先端部と分岐辺の先端部
とが連結されて全体が翼形に形成されており、上辺中央
部位と分岐部及び分岐辺の先端部とを結ぶ曲線N−N線
が、表革所謂一枚甲革若しくは腰革の踵縫割曲線M−M
線に対して中央部位で2.5乃至3.5mm内側の点、
分岐部で4.5乃至5.5mm内側の点、及び底部で
5.5乃至7.5mm内側の点をそれぞれ結ぶ線で且先
端部と分岐部とが踵縫割曲線M−M線と平行に結んだ曲
線で形成される床革に存する。
【0008】
【作用】 本考案の技術的手段は次のような作用を有す
る。即ち使用素材として比較的剛性が高く且表面が非滑
性な皮革材よりなるため、歩行に伴う繰返し加重の付加
や摩擦の付加に対しても十分に対抗しうるとともに、月
形芯とも相俟ってヒールカウンター全体の保形性が強化
され且歩行に際し踵と高い包着性を示す。そして全体形
状が表革の一枚甲革或いは腰革の展開形状や寸法を基準
として、特に踵縫割曲線M−M線に沿った形状で中央部
位、分岐部、分岐辺の先端部を結ぶ線状に形成されてな
るから、釣り込み時の立体曲面化に際して靴型曲面との
密着性はもとより甲革材とも一体化した曲面化が図られ
て釣り込みがなされる。更に本考案で釣り込み時の屈曲
に際しても外側において屈曲される甲革材に対して上辺
で2.5乃至3.5mm、分岐部で4.5乃至5.5m
m、底部で5.5乃至7.5mmの範囲で積層される月
型芯や裏革等の屈曲伸長差を吸収しうる寸法で形成され
てなるため、釣り込み屈曲に際する釣り込み斑や皺等も
吸収されてその発生も防止される。
【0009】
【実施例】 以下に本考案実施例を図に基づき詳細に説
明すれば、本考案に使用する素材としては歩行に際して
繰返し多大な加重が付加され且大きな摩擦力も付加され
る部位に使用されること、及び他方において踵と係止性
を有し包着性を高める必要上並びに裏革材や中底材との
なじみ易さや加工性等の面から、比較的剛性が高く且表
面が非滑性の皮革素材が選択されるもので、具体的には
ピッグスキンやカウ等が上げられる。かくして選択され
た素材を用いてなる本考案は図1に示す如く上辺(1)
ヒールカウンターのトップラインに配位される部分
あって、加工方法によってはその上端より下方に略10
mm程度サライ白を設けることも考慮される。そしてこ
の上辺(1)の両側端(1A)(1A)からは適宜の長
さを以て対称的に外傾斜辺(2)(2)が形成されて
なるもので、外傾斜辺(2)(2)の上辺(1)の延長
線に対する降下傾斜角(α)は特段に制限はないが概ね
35乃至60度程度が一般的に用いられる。また該外傾
斜辺(2)(2)にはその外線より内側に略8乃至10
mmの幅で裏革(G)と貼着若しくは縫合させる張り込
白が包含されている。更に上辺(1)の中央部位(V
D)の垂線上の分岐部(VB)からは、所要の曲線を以
て対称的に分岐辺(3)(3)が形成されてなるとも
に、外傾斜辺(2)(2)のそれぞれの先端部(2A)
(2A)と該分岐辺(3)(3)のそれぞれの先端部
(3A)(3A)とが連結されて、全体的形状が翼形を
呈しているものである。無論具体的寸法は紳士靴や婦人
靴、或いはサイズ等により種異なるが婦人靴パンプス
における足長23cmの場合においては、中央部位(V
D)から外傾斜辺(2)(2)まではそれぞれ略40m
m、外傾斜辺(2)(2)の長さは略90mm、外傾斜
辺(2)の先端部(2A)と分岐辺(3)の先端部(3
A)とは略70mm程度に形成される。そして特に重要
なことは、図2に示すように中央部位(VD)と分岐部
(VB))及び分岐辺(3)の先端部(3A)とを結ぶ
曲線N−N線が表革を構成する一枚甲革若しくは腰革
(4)の踵縫割曲線M−M線に対して中央部位(VD)
で2.5乃至3.5mm内側の点を、分岐部(VB)で
4.5乃至5.5mm内側の点を、更に底部(3B)で
5.5乃至7.5mm内側の点をそれぞれ結ぶ線で、且
先端部(3A)と分岐部(VB)とが踵縫割曲線M−M
線と平行に結んだ曲線とで形成されてなることにある。
そして本考案表革を構成する一枚甲革材若しくは腰革
(4)左踵縫割曲線M−Mに対して、中央部位(V
D)が2.5乃至3.5mm内側で、分岐部(VB)が
4.5乃至5.5mm内側で、更に底部(3B)が5.
5乃至7.5mm内側で決定されるのは、甲革材が釣り
込みに際して最も外側であり且最も内側の本考案との間
に介在される月形芯(H)や裏革(G)との釣り込みに
際しての屈曲伸長差を吸収させるための理由による。
【0010】
【考案の効果】 上述の如き構成よりなる本考案は以下
のような特有の効果を発揮するものであって、使用され
る素材が比較的剛性が高く且表面が非滑性の皮革材であ
るためヒールカウンター部分が月形芯とも相俟って一段
と補強され、長期に亘って形崩れが防止されるとともに
表面が非滑性であるから、歩行時に踵との包着性が高ま
り極めて歩き易くなる。そして本考案は表革の一枚甲革
や腰革の形状寸法を基準として、分岐部から分岐形成さ
れた分岐辺の形成曲線が表革の踵縫割曲線と略等しい曲
線で且屈曲伸長差が配慮され形成されてなるため、釣り
込みに際し靴型の立体曲面と十分に適合し且表革とも適
合して釣り込み及び接合がなされて、皺や歪の発生もな
く且トップラインの崩れもなく靴型が忠実に再現され而
もデザインも損われず履き心地の良い靴が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の展開見取図
【図2】本考案の説明図
【図3】従来の床革の説明図
【図4】釣り込み状態の説明図
【符号の説明】
1 上辺 1A 上辺両側端 2 外傾斜辺 2A 外傾斜辺の先端部 3 分岐辺 3A 分岐辺の先端部 3B 底部 4 一枚甲革若しくは腰革 VD 中央部位 VB 分岐部 α 降下傾斜角 F 靴型 G 裏革 H 月形芯 I 甲革

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的剛性が高く且表面が非滑性の皮革
    素材からなり、上辺(1)の両側端(1A)(1A)か
    ら適宜の長さを以て対称的に外傾斜辺(2)(2)が
    形成されており、且上辺(1)の中央部位(VD)の垂
    線上の分岐部(VB)からは所要の曲線を以て対称的
    に分岐辺(3)(3)が形成されてなり、而も外傾斜辺
    (2)(2)のそれぞれの先端部(2A)(2A)と該
    分岐辺(3)(3)のそれぞれの先端部(3A)(3
    A)とが連結されて全体的に翼形を呈するとともに、こ
    の中央部位(VD)と分岐部(VB)及び分岐辺(3)
    の先端部(3A)とを結ぶ曲線N−N線が、表革を構成
    する一枚甲革若しくは腰革(4)の踵縫割曲線M−M線
    に対して中央部位(VD)が2.5乃至3.5mm内側
    の点、分岐部(VB)が4.5乃至5.5mm内側の
    点、及び底部(3B)が5.5乃至7.5mm内側の点
    をそれぞれ結ぶ線で、且先端部(3A)と分岐部(V
    B)とが踵縫割曲線M−M線と平行に結んだ曲線で形成
    されてなることを特徴とする靴の床革。
JP4371192U 1992-05-15 1992-05-15 靴の床革 Expired - Lifetime JPH076805Y2 (ja)

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JPH0593212U JPH0593212U (ja) 1993-12-21
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