JPH0767418A - 野菜移植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 従来の吸引空気流によるブロック苗の取出搬
送装置の場合には、ポットからのブロック苗の取出力が
弱く、欠株の発生の可能性が高いという不具合いが発生
していたのでこれを解消する。 【構成】 ブロック苗３を移植機により圃場に移植する
構成において、ポット２の内部にブロック苗３を配置し
た状態で、ブロック苗３をポット２から押し出す方向に
エアージェットを噴射し、ブロック苗３をポット２から
押出し、シュート４又は開孔器に押し込むべく構成し
た。また、ブロック苗３をポット２から押し出す方向に
エアノズル６の先端を接触させて、ブロック苗３をポッ
ト２から押し出し、更にエアノズル６から吐出するエア
ージェットにより、ブロック苗３をシュート４又は開孔
器に加速を付けて押し込むべく構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、育苗トレイのポット内
にて育成したブロック苗を移植する野菜移植機の構成に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、エアージェットを使用して移
植する野菜移植機に関する技術は公知とされているので
ある。特開平２−２００１０６号公報や、特開平４−７
１４０５号公報や、特開昭５３−９８２１８号公報や、
特開昭５６−９２７０５号公報や、特開昭５６−１２４
３１１号公報や、実開昭５６−８９３３５号公報や、特
開昭５７−５４５１１号公報に記載の技術の如くであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、該従来の技術
においては、ブロック苗を搬送する空気流は吸引流であ
り、ブロック苗を一定の位置まで吸引して、ポットから
引き出した後に、或る地点で、吸引空気流をブロック苗
から分離して、ブロック苗だけを圃場面に落下すべく構
成していたのである。このような、吸引空気流によるブ
ロック苗の取出搬送装置の場合には、ポットからのブロ
ック苗の取出力が弱く、確実性が低くなり、欠株の発生
の可能性が高く、また吸引空気流とブロック苗との分離
方法が複雑であり、ブロック苗が依然として吸引空気流
に吸いつけられており、分離しないという不具合いも発
生していたのである。本発明はこのような従来技術の不
具合いを解消する為に、ブロック苗を搬送する空気流
を、押圧空気流とし、ポットからブロック苗をエアージ
ェットにより押し出す方向としたものである。また、該
エアージェットにより、ポットからブロック苗が押し出
し可能なように、ポット周囲にスリットを構成したもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、育苗トレイ１に複数のポット
を成形し、該ポット２内に構成した育苗床に播種して、
ブロック苗３を育成し、該ブロック苗３を移植機により
圃場に移植する構成において、該ポット２の内部にブロ
ック苗３を配置した状態で、ブロック苗３をポットから
押し出す方向にエアージェットを噴射し、ブロック苗３
をポット２から押出し、シュート４又は開孔器５に押し
込むものである。

【０００５】また、育苗トレイ１に複数のポットを成形
し、該ポット２内に構成した育苗床に播種してブロック
苗３を育成し、該ブロック苗３を移植機により圃場に移
植する構成において、該ポット２の内部にブロック苗３
を配置した状態で、ブロック苗３をポットから押し出す
方向にエアノズル６の先端を接触させて、ブロック苗３
をポット２から押し出し、更に該エアノズル６から吐出
するエアージェットにより、ブロック苗３をシュート４
又は開孔器５に加速を付けて押し込むものである。

【０００６】また、上記ポット２において、下方の径を
徐々に小になる漏斗形としたポット２の周囲に、スリッ
トを設けて、ブロック苗３が下方へ抜き出し可能とした
ものである。

【０００７】

【作用】次に作用を説明する。従来の如く、吸引空気流
によりブロック苗を吸引してポットから取り出す場合
の、不確実性を改善することが出来たのである。また吸
引空気流の場合の如く、途中で空気流とブロック苗とを
分離する部分が無いので、エアージェットによりブロッ
ク苗をシュート内に加速的に押し込むことが出来るの
で、空気流とブロック苗との分離性が向上したのであ
る。以上の理由により、欠株を減少することが出来たの
である。また、ポット２からブロック苗３を押し出すの
はエアノズル６の接触による強制力を使用するので、こ
の位置での押出不良を無くすことが出来たのである。ま
た、吸引空気流の場合の分離部分が必要ないので、エア
ージェットにより更に分離したブロック苗３をシュート
４に押し込むことが出来るのである。また、スリットを
設けたので、育成土を投入した場合には、スリット８は
閉鎖状態であるので、通常の如くブロック苗３を育成す
ることができ、上方からエアノズル６によりエアージェ
ットを当てた場合にのみ、スリット８が開いてブロック
苗３の取出を可能とすることが出来たのである。故に、
漏斗を逆にした形のポット２として、育成土の落下を防
ぐ為の受けポット部分を下方に追加して育成する必要が
無くなったのである。

【０００８】

【実施例】次に実施例を説明する。図１は本発明の野菜
移植機の全体側面図、図２は同じく野菜移植機のシュー
ト４と植付部の部分の後面断面図、図３はエアノズル６
とポット２とブロック苗３とシュート４の位置関係を示
す拡大側面断面図、図４はエアノズル６により直接にブ
ロック苗３を押し出す実施例の拡大側面断面図、図５は
円筒形のポット２とスリット８を示す斜視図、図６は同
じく円筒形のポット２とスリット８の関係位置を示す平
面図、図７は角筒形のポット２とスリット８を示す斜視
図、図８は角筒形のポット２とスリット８の位置関係を
示す平面図である。

【０００９】図１において、野菜移植機の全体構成から
説明する。圃場に形成された移植畝１７の上面に、ブロ
ック苗３を一定間隔をおいて、載置移植することを目的
としている。前輪１１・１１と後輪１２・１２の４輪に
より操向し、後輪１２・１２はミッションケース１６か
らチェーンケース２２を介して動力伝達され強制駆動さ
れている。該ミッションケース１６は、エンジン１５か
らクラッチハンジング１８を介して動力伝達されてい
る。ミッションケース１６の内部には操向変速機構が構
成されている。４４はハンドルである。

【００１０】該エンジン１５の側方に高圧エアポンプ１
４が設けられており、該高圧エアポンプ１４からの圧縮
空気が高圧エアパイプ１３を経て、空気分配弁２０に供
給されている。該空気分配弁２０により各ポット２に対
して、順番に高圧空気が供給されて、ポット２内のブロ
ック苗３を下方へ押し出すのである。該ポット２を成形
した育苗トレイ１は、その端部を搬送ベルト２１・２１
の上に載置されており、該搬送ベルト２１・２１の間歇
的な移動により、エアノズル６の下に順番に移動され
る。

【００１１】該エアノズル６の下方に、押し出されたブ
ロック苗３を植付溝に案内するシュート４が配置されて
いる。該シュート４の上部には、合流シュート１９が配
置されている。該シュート４の下端前部に、作溝板を配
置し、その作溝板で形成された植付溝にシュート内を搬
送されたブロック苗が移植される。該移植位置の溝に移
植されたブロック苗３に覆土を行う覆土輪１０が配置さ
れている。

【００１２】図２においては、育苗トレイ１と空気分配
弁２０の部分の後面図を示している。該育苗トレイ１に
は、前後左右に複数の列を構成して、ポット２が成形さ
れており、該複数併置されたポット２からブロック苗３
を１個ずつ落下させて、移植畝１７の頂上部分に移植す
るのであるから、合流シュート１９により、シュート４
の１箇所にブロック苗３を合流すべく構成している。ま
た、並列に配置されたそれぞれのポット２から、順番に
ブロック苗３を押し出す必要があり、ミッションケース
１６からの動力で、搬送ベルト２１・２１と同期して回
転する空気分配弁２０が構成されている。

【００１３】該空気分配弁２０の内部には、回転する回
転筒弁２３が配置されており、該回転筒弁２３には移送
をずらして、ポット２の数と同じ孔が開口されている。
該開口が、それぞれのポット２の上のエアノズル６と合
致する位置で、エアージェットがエアノズル６から噴出
されて、その下方のポット２からブロック苗３がシュー
ト４の方向に押し出されるのである。そして、１列分の
ブロック苗３の押し出しが終了すると、搬送ベルト２１
・２１により、１列分だけ育苗トレイ１が間歇移動され
る。

【００１４】育苗トレイ１には、その縁部に係合孔部２
４が写真フィルムの如く穿設されており、搬送ベルト２
１・２１の係合突起プーリー２５の突起が、該係合孔部
２４に係合されており、育苗トレイ１と搬送ベルト２１
・２１がスリップすることなく、間歇移動可能に構成さ
れている。図３においては、上方に固定されてエアージ
ェットを噴出するエアノズル６の実施例が開示されてい
る。該エアノズル６はエアージェット２６を噴出するこ
とにより、このエアージェット２６の力で、ポット２か
らブロック苗３を押し出すのである。そして該育苗トレ
イ１に成形したポット２は、徐々に小径となる漏斗状に
成形されているので、上方からエアージェット２６を噴
出しても、通常はブロック苗３が下方へ抜けないのであ
るが、本発明においては、該ポット２の周囲に複数のス
リット８を構成して、ブロック苗３が押圧されると自然
にスリット８が開いてブロック苗３が抜けるように構成
している。効果としては、エアー噴流で直接シュート４
に落とし込む為に、途中で苗の向きを変える機構の必要
が無くなるのである。これにより構造の簡易化を図るこ
とが出来る。またシュート４に落下した苗に、継続的に
エアー噴流力を伝えることが出来るため、シュート４内
の詰まりの心配が無くなる。また直接にシュート４に落
とし込む為に植付けスピードを速くすることが出来る。

【００１５】図４における実施例においては、ポット２
からブロック苗３の抜け出しには、相当に強い押し出し
力を必要とするので、この押し出し力は、エアノズル６
を直接にブロック苗３に当てることにより行っている。
エアノズル６の接触と同時にエアージェットの力でポッ
ト２とブロック苗３とを分離し、押し出された後のブロ
ック苗３の落下をエアージェットにより加速させるべく
構成している。エアノズル６の先端は、図３の実施例に
おいては開口されているが、図４の実施例の場合には、
ブロック苗３を押す為に土により詰まりが発生する可能
性があるので、エアノズル６の先端は閉鎖し、エアージ
ェットの為の小孔が穿設されている。ブロック苗３のト
レイ１による保持力が大きい時、エアー噴流力のみで抜
けない場合等に、ノズル本体をプッシャーに使用し抜け
力の補助に利用するのである。効果としては、トレーか
ら苗が抜け易くするように育苗する技術にあまり神経を
使わなくて済む、またプッシャーの先端にノズル孔を設
けている為、プッシャーへの苗の食い付きの心配が無く
なるのである。

【００１６】図５と図６においては、育苗トレイ１に形
成した円筒状のポット２のスリット８の構成を図示して
いる。該実施例においては円筒状のポット２の５等分の
位置にスリット８を切っている。また図７と図８におい
ては、育苗トレイ１に角筒状に構成したポット２の場合
のスリット８の構成を開示している。該構成において
は、スリット８を４隅に切り込みしている。図１におい
ては、シュート４と作溝器３０によりブロック苗３を植
え込む方法を図示したが、図９においては、シュート４
と作溝器３０に変わって、開孔器５を上下して、該開孔
器５の内部にブロック苗３を入れて、土壌面まで移動
し、開孔し植えつける構成が開示されている。即ち、マ
ルチングフィルムに移植孔を穿設し、内部に落下したブ
ロック苗３を移植位置に落下させる開孔器５が配置され
ている。該開孔器５は、強制的に間歇開閉されるのであ
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項１の如く、
育苗トレイ１に複数のポットを成形し、該ポット２内に
構成した育苗床に播種して、ブロック苗３を育成し、該
ブロック苗３を移植機により圃場に移植する構成におい
て、該ポット２の内部にブロック苗３を配置した状態
で、ブロック苗３をポットから押し出す方向にエアージ
ェットを噴射し、ブロック苗３をポット２から押出し、
シュート４又は開孔器５に押し込むべく構成したので、
従来の如く、吸引空気流によりブロック苗を吸引してポ
ットから引きだす場合の、不確実性を改善することが出
来たのである。また吸引空気流の場合の如く、途中で空
気流とブロック苗とを分離する部分が無いので、エアー
ジェットによりブロック苗をシュート内に加速的に押し
込むことが出来るので、空気流とブロック苗との分離性
が向上したのである。以上の理由により、欠株を減少す
ることが出来たのである。

【００１８】請求項２の如く、ポット２の内部にブロッ
ク苗３を配置した状態で、ブロック苗３をポットから押
し出す方向にエアノズル６の先端を接触させて、ブロッ
ク苗３をポット２から押し出し、更に該エアノズル６か
ら吐出するエアージェットにより、ブロック苗３をシュ
ート４又は開孔器５に加速を付けて押し込むべく構成し
たので、ポット２からブロック苗３を押し出すのはエア
ノズル６の接触による強制力を使用するので、この位置
での押出不良を無くすことが出来たのである。また、吸
引空気流の場合の分離部分が必要ないので、エアージェ
ットにより更に分離したブロック苗３をシュート４に押
し込むことが出来るのである。

【００１９】請求項３の如く、ポット２において、下方
の径を徐々に小になる漏斗形としたポット２の周囲に、
スリットを設けて、ブロック苗３が下方へ抜き出し可能
としたので、育成土を投入した場合には、スリット８は
閉鎖状態であるので、通常の如くブロック苗３を育成す
ることができ、上方からエアノズル６によりエアージェ
ットを当てた場合にのみ、スリット８が開いてブロック
苗３の取出を可能とすることが出来たのである。故に、
漏斗を逆にした形のポット２として、育成土の落下を防
ぐ為の受けポット部分を下方に追加して育成する必要が
無くなったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の野菜移植機の全体側面図。

【図２】同じく野菜移植機のシュート４と作溝器３０の
部分の後面断面図。

【図３】エアノズル６とポット２とブロック苗３とシュ
ート４の位置関係を示す拡大側面断面図。

【図４】エアノズル６により直接にブロック苗３を押し
出す実施例の拡大側面断面図。

【図５】円筒形のポット２とスリット８を示す斜視図。

【図６】同じく円筒形のポット２とスリット８の関係を
位置を示す平面図。

【図７】角筒形のポット２とスリット８を示す斜視図。

【図８】角筒形のポット２とスリット８の位置関係を示
す平面図。

【図９】植付け部を開孔器５により構成した実施例の全
体側面図。

【符号の説明】

１ 育苗トレイ ２ ポット ３ ブロック苗 ４ シュート ５ 開孔器 ６ エアノズル ８ スリット ３０ 作溝板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 育苗トレイに複数のポットを成形し、該
   ポット内に構成した育苗床に播種して、ブロック苗を育
   成し、該ブロック苗を移植機により圃場に移植する構成
   において、該ポットの内部にブロック苗を配置した状態
   で、ブロック苗をポットから押し出す方向にエアージェ
   ットを噴射し、ブロック苗をポットから押出し、シュー
   ト又は開孔器に押し込むことを特徴とする野菜移植機。
2. 【請求項２】 育苗トレイに複数のポットを成形し、該
   ポット内に構成した育苗床に播種してブロック苗を育成
   し、該ブロック苗を移植機により圃場に移植する構成に
   おいて、該ポットの内部にブロック苗を配置した状態
   で、ブロック苗をポットから押し出す方向にエアノズル
   の先端を接触させて、ブロック苗をポットから押し出
   し、更に該エアノズルから吐出するエアージェットによ
   り、ブロック苗をシュート又は開孔器に加速を付けて押
   し込むことを特徴とする野菜移植機。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２記載のポットにお
   いて、下方の径を徐々に小になる漏斗形としたポットの
   周囲にスリットを設けて、ブロック苗が下方へ抜き出し
   可能としたことを特徴とする野菜移植機。