JPH0766163B2 - 光遮閉包装された感光性材料のロ−ル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、昼光装填用の光遮閉包装された感光性材料の
ロールに関する。

専門家が使用する感光性ストリップ材料のロールは一般
に、内側コアに巻かれ、光に対して不透明な耐湿性容器
内に個々に包装され、これらの容器からマガジン、カセ
ット、カメラ供給室などの露光装置へ装填される。かか
る容器は、従来プラスチックまたは金属箔から形成され
ていた。かかる包装は、安価でありまた出荷中や取り扱
い中に内容物を光と湿気から防ぐという所期の目的に役
立つが、ストリップ材料を露光装置へ装填する場合に問
題が生じる。パッケージは一旦開かれるともはや光遮閉
性でなくなり、また内容物は露光装置へ装填するために
はパッケージから除去されねばならないから、かかる装
填は感光性材料のかぶりを阻止するために暗室状態で行
わなければならない。

フィルムを昼光装填できるようにするためにフィルムロ
ールを光および湿気に対して保護することは周知であ
る。米国特許第4,505,387号には、中空の支持コアに巻
かれた光遮閉包装された感光性材料のロールが開示され
ており、これはロールの各端面の端部カバーを備え、各
前記端部カバーはコアの中央開口を妨害することなくコ
アの少なくとも一部を覆い、ロールの外側巻層へ放射方
向外側に延びかつコアと前記外側巻層との間に遮光性端
部キャップを形成し、円周カバーを備えこれはコイル状
ストリップ材料へ取り付けられてリーダ区分を覆うこと
なくコイル状ストリップ材料の少なくとも最外側巻層を
覆い、端部カバーの上へ折り曲げられてこれへ付着した
円周カバーの外側リムのスリットにより形成された唇部
を備えている。

このパッケージには下記の欠点がある。

外側リムのスリットにより形成された唇部により円周カ
バーを端部カバーへシールする方法では、巻かれたスト
リップ材料のロールの寸法に高い精度が要求される。事
実、ロールの直径の幅が期待公称値よりも大きいと、円
周カバーの唇部と端部カバーの周囲リムとの重畳部が小
さくなり、スリットの内側端が端部カバーと重畳関係に
ならない恐れがある。これらの未被覆スリット部分は、
フィルムパッケージの光遮閉性を破壊することは明らか
である。実地の経験では巻かれたストリップ材料の幅の
公差は常に非常に小さいから困難の原因でないことが判
明している。しかし、巻かれた材料のロールの直径は、
実際には公称直径113mmのロールでは2mmもの大きいずれ
がある。

これらのずれは、支持部および塗布層の厚みの僅かのず
れにより生じるが、この僅かのずれはロールの巻層の数
だけ倍増する。

光遮閉性の同じ理由で、上記方法では、円周カバーの幅
およびスリットの公差に厳しい要求が課せられ、また材
料の包装中にこのカバーを巻かれたストリップ材料のロ
ールへ供給する精度にも厳しい要求が課せられる。

感光性材料の上記パッケージの他の欠点は、パッケージ
の幅が巻かれたストリップ材料の幅よりも無視できない
程度に大きいということにより生じる。増加した幅は、
端部カバーを形成するシート材料の厚み、および円周カ
バーの折り曲げられた唇部によりこれに付加される厚み
により生じる。各端部カバーに第２端部カバーが装着さ
れる場合、巻かれたストリップ材料のロールの各側に付
加される厚みは、包装材料の厚みの３倍にもなる。包装
されたロールの増加した厚みにより、感光性材料のロー
ルの昼光装填を、本来暗室装填用のみに設計された回転
可能スプールを備えたカセット内で行わなければならな
い場合には問題が生じる。かかるスプールの２個のフラ
ンジ間の距離は、写真ストリップ材料の幅と厳密に対応
する。一型式の従来使用されるカセットでは、スプール
の一フランジがカセットのヒンジ止めされた蓋へ回転可
能に取り付けられ、ロールを軸方向に開放カセット内で
スプールの軸に亙って他方のフランジまで滑らせてカセ
ットへ入れることができるようになっている。フィルム
をカセットから引き出すためのリーダを形成する巻かれ
たストリップの未被覆端はカセットの光遮閉性スロット
を通じて同時に滑らされる。次いで蓋を閉じることは困
難である、というのは（ストリップ材料の非包装ロール
の幅に比べて）昼光装填パッケージの増加した幅のため
に、特別な圧力をヒンジ可能な蓋に加えない限り、可動
フランジが正常位置を占めることができないからであ
る。

上記種類のカセットの一例は、105mm x 61mmのロール用
の一般に用いられるCOM（Computer Output Microfilm）
カセットである。

本発明の目的は、先行技術の欠点を示さない改良された
ロールパッケージを提供することである。

本発明によれば、光遮閉包装され中空支持コアに巻かれ
た感光性ストリップ材料のロールであって、ロールの各
端面に遮光性かつ可撓性の端部カバーを備え、各前記端
部カバーはコアの端にシールされかつコアの孔と同心状
の中央開口を有し、更にこの端部カバーはロールの最外
側巻層よりも半径方向外方へ拡がってロールの端面を光
が通らないように覆い、遮光性かつ可撓性の円周カバー
を備えこれはコイル状ストリップ材料へ取り付けられて
コイル状ストリップ材料の少なくとも最外側巻層を覆
い、前記円周カバーはストリップ材料の幅よりも大きい
幅を有し、前記円周カバーおよび前記端部カバーの対応
リムは巻かれたストリップ材料のロールに面する側で互
いにシールされたことである。

本発明の特に興味のある実施例によれば、シールされた
リムは、端部カバーの平面内で、巻かれた材料の放射方
向外側へ延びる。

本発明による光遮閉包装されたロールでは、巻かれたス
トリップ材料のロールの幅は各端において包装材料の一
層だけ増し、フィルムまたは紙の非包装ロールを収容す
るためにその解巻スプールが本来設計されたカセットま
たはマガジンを装填するさいに実際上問題が生じないと
いう利点がある。

本発明による光遮閉包装ロールの他の利点は、円周カバ
ーのリム、あるいは米国特許第4,148,395号記載に開示
されたごとき端部カバーのリムにスリットがないからス
リットの切削精度、およびパッケージの組み立て時のカ
バーのリムの相対的位置決めに対する要求が非常に緩和
される。本発明による包装ロールにおいて、カバー間の
シールの幅は、約３ないし6mmにできる。端部カバーお
よび円周カバーの端部は必ずしも一致する必要がなく、
而して円周カバーは普通よりも厚いフィルムロールの場
合僅かに端部カバーの上に突出し、または端部カバーは
フィルムロールの直径が普通よりも小さい場合円周カバ
ーの上に突出することができる。

本発明による包装フィルムロールと標準マガジンまたは
カセットの解巻スプールとの好適な協働作用は、普通よ
りも少なくとも５ないし10％大きい直径を持つフィルム
ロールを収容できるようにスプールが常に設計されてい
るから、軸方向、即ちフィルムのロールとスプールのフ
ランジとの間に入手可能な空間がスプールにないが、ス
プールの放射方向にはこの空間が得られるということに
基づいている。その結果、パッケージの包装箔のシール
されたリムは、マガジン内のスプールのフランジの内側
における外周リムを占めることができ、また前記シール
されたリムは、カセットまたはマガジンの壁に触れる前
に実際上１ないし数ミリの範囲の距離に亙り前記フラン
ジの周囲を越えて延びることができる。

本発明による光遮閉包装ロールの有利な面は、包装材料
のカバーが裏面または内側面に沿って互いに付着してい
ることである。このことは、前記米国特許に開示された
パッケージと異なる点であり、前記米国特許では隣接カ
バーのリムは重畳関係にある。即ち一カバーの裏側が他
のカバーの裏側と接触している。包装カバーを裏側でシ
ールすることにより、ポリエチレン塗布された紙ロール
のごとき従来の包装箔を使用できるという利点があり、
この包装箔は、製造および包装工程で箔の取り扱いを容
易にするのに有利な良好な剛直性に、二つのポリエチレ
ン面を容易にヒートシールできることによる良好なシー
ル可能性を兼備している。

次に本発明を添付図面について説明する。

第１図に関し、感光性フィルム材料の光遮閉包装された
ロール10は、感光性材料の光遮閉性包装材として、二つ
の端部カバー11、12と、前記端部カバーへシールされた
円周カバー13とから成る。包装ロールは、円周カバーか
ら突出したリーダ14を有し、これにより後述のごとくフ
ィルムを標準マガジンのスロットに通すことができる。

第２図は、第１図に示すものと同じフィルムロールを示
すが、リーダ14は、円周カバーが端部カバーから完全に
分離するまで解巻されている。

第３図は、中空コア16に巻かれたフィルムロール15を示
す第１図、第２図の包装されたロールの分解図である。
コアには端部カバー11、12の破線で示されたリム19、20
の内側をコアへヒートシールするのを可能にするプラス
チックリング17、18が両端に設けられる。

包装ロールのリーダ14は、自己接着テープ21のストリッ
プによりフィルムのロールの前縁へ取り付けられてい
る。円周カバー13は、自己接着テープ22、23のストリッ
プによりリーダへ取り付けられている（第２図をも参
照）。

包装ロールの製造工程における端部カバーへの円周カバ
ーの取り付けは、第４図に示されている。端部カバー
は、紙、アルミおよび黒色顔料付与されたヒートシール
可能ポリエチレンの層から形成できる防湿光遮閉性かつ
ヒートシール可能な箔から成るもので、先ず、カバーの
外側の内側円形帯域で熱と圧力の付与によりロールの両
端へ取り付けられ、これによりカバーのリム状帯域19、
20をコアの両端においてリング17、18へシールする。

次いで、端部カバーと同じ材料から形成できる円周カバ
ー13がロールの方へ送られ、またロールがゆっくり回転
し、円周カバーのリム44、45および端部カバーの対応リ
ム42、43が約45度に亙って外側へ折り曲げられ、円周カ
バーのリムが端部カバーのリムと漸次接触し、この間24
で示すごとく熱と圧力が付与される。円周カバーは、ロ
ールの回りに約405ないし540度に亙って延びることがで
きる。円周カバー13の最初の巻層形成時に、カバーのリ
ムのポリエチレン内側が端部カバー外側リムの対応ポリ
エチレン内側へシールされる。一巻層が完成すると、円
周カバーのリムのポリエチレン内側がこのカバーの既に
シールされたリムの外側へシールされるようになる。完
成されたパッケージのリーダは、第１図に示すごとく、
円周カバーの前縁と前記カバーの次の巻層との間を自由
に延びる。約90度ないし180度の角度に亙る円周カバー
の重畳により、フィルムロール光遮閉性シールが保証さ
れる。

光遮閉包装された感光性フィルムのロールの詳細縦断面
図が第５図に示されている。コア16は、技術上周知のご
とく、27、28のごとき放射方向リブにより相互接続され
た外側管25および26により構成されている。これらの放
射方向リブはコアの側端が僅かに凹陥しており、17、18
のごときリングを圧入できる空間が設けられている。端
部カバーの中央孔は、コア16の内径よりも僅かに大き
く、キースロット41は覆われない。第５図から判るごと
く、カバーのシールされたリムはもはや第４図に示され
た45°の位置を占めず、ロールの端面の平面内に位置す
る。この真直な位置は、包装されたロールを、ロールの
位置する解巻スピンドルのフランジ間に嵌めることによ
り自動的に得られる。

この情況は、未露出感光性フィルムを暗室で装填するよ
うに本来設計された標準マガジンを示す第６図を参照す
ることにより明らかになる。この図はアグフアーゲヴエ
ルトN.V.社のCOMレコーダ型式2300または2400に用いる
アグフアーゲヴエルトN.V.社販売の105mmx61mmトリアセ
テートフィルム用のアルミカセットを示す。マガジン31
は、ハウジング32、および適当なラッチなどによりマガ
ジンの開放壁へ光遮閉状に取り付けうる取り外し可能な
蓋33から成る。スピンドル34は、ハウジングの後壁に回
転可能に支承されている。スピンドルは、前記後壁の近
くのフランジと、ロールのコアのキースロット41と協働
するキーとを有する。前記フランジおよびキーは、図示
されていない。フィルムのロールをハウジングに挿入す
る間に、リーダ14は、ハウジングの協働する凹壁部分と
共にフィルムの光遮閉性出口スロット37を形成するロー
ラ35、36に通される。

マガジンの蓋33には蓋に固定されたピン上に自由に回転
する短いスピンドル38が設けられる。スピンドルはフラ
ンジ39を有する。

包装ロールが昼光でマガジン内に配置された後に、蓋33
が光遮閉状にハウジングへ取り付けられる。スピンドル
区分38は、フィルムロールのコア16に嵌まり、スピンド
ル34と協働してフィルムロールを回転可能に支持する。
フランジ39は、包装ロールの外側端部カバーに対接し、
またこれはスピンドル34の内側端へ取り付けられたフラ
ンジに内側端部カバーが接触するまでロールを軸方向に
押圧する。包装ロールの幅は包装材の厚さの２倍だけ増
加しており、この僅かな厚みの増加は蓋33の閉鎖を困難
または問題化するような圧力増加をフランジ39に生じな
いことが判明している。

マガジンの蓋を閉じる操作は、第４図に示すごとき傾斜
位置をなおも占めうるロールパッケージのシールされた
外側リムが真直にされスプールフランジと偏平に接触す
るという効果をも与える。前記端部カバーの直径はＤで
示されている。直径ｄは巻かれたフィルムの解巻を妨げ
ることなくＤよりも僅かに大きくできる、というのはマ
ガジンの対向壁間の距離Ｅはフランジ直径Ｄよりも大き
いからである。更に、端部カバーの縁がマガジンの壁の
内面と僅かに滑り接触しても、フィルムの解巻は妨げら
れない。

マガジンが前記のごとく負荷されると、操作員は、第１
図のごとく、マガジンスロット37から延びたリーダ舌14
を握り、円周包装材がロールおよびマガジンから完全に
離れるまでこれを引っ張る、リーダ14は円周カバーと端
部カバーとの間のシールの破壊を完全に抑制する、とい
うのはリーダの張力がカバーの張力よりも遥に大きいか
らである。而して、円周カバーが幅方向に破壊し始める
という危険はないが、これに反し、このカバーの側部リ
ムにおけるシールは、リーダによりカバーが引き出され
るに連れて漸次破壊する。リーダ形成用の好適な材料
は、ポリエチレンテレフタレートであるが、カバーのシ
ール強度が十分に小さい場合にはトリアセテートのごと
き弱い材料も使用できる。

円周カバーが完全に引き出されると、操作員は第３図に
破線40により例示された位置でフィルムを切断できる
が、二枚のテープ21、22を除去することによりリーダと
円周カバーとを取り外すこともできる。

負荷されたマガジンは、昼光のもとで露光装置に入れら
れ、フイルムの前端が装置に通され、この装置のマガジ
ン区分が完全に閉じられたと、装置はマガジンから引き
出されるフィルムの露光を順次行う態勢にある。フィル
ムロールが完全に使用された後に、マガジンは装置から
除去され、開かれ、そして端部カバーがなおも付着した
空のコアを捨てることができる。

本発明は、上記実施例に限定されない。

ヒートシールと異なるシール技術を用いて光遮閉性カバ
ーの取り付けを行いうることは理解されよう。また、ロ
ールのコアへの端部カバーの内側リムのシールは、円周
カバーへの端部カバーの外側リムのシールと異なる方法
で行いうる。

フィルムの前端を用いて別個のリーダ14の機能を果たす
ことができる。しかし、このことは50ないし80cmの長さ
の感光性材料の損失を意味するということを考慮すべき
である。故に、フィルムロールに別個ののリーダを用い
ることはより興味がある。

端部カバーに用いる包装材料と円周カバーに用いる包装
材料とは異なるものであってもよい。

最後に、感光性材料の支持部は紙、複合材料などにでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による光遮閉包装ロールの実施例の斜面
図、第２図は歳１図のロールの斜面図、第３図は第１
図、第２図による包装ロールを示す分解図、第４図は包
装ロールの略縦断面図、第５図は包装ロールの詳細断面
図、第６図はフィルムのロールと標準マガジンとの協働
を示す詳細図である。 10……包装フィルムのロール、11、12……端部カバー、
13……円周カバー、14……リーダ、15……フィルムのロ
ール、16……コア、17、18……シールリング、19、20…
…内側リム、21、22、23……テープ、24……ヒートシー
ル、25、26……コアの管区分、27、28……リブ、29、30
……端部カバーの開口、31……マガジン、32……ハウジ
ング、33……蓋、34……スピンドル、35、36……出口ロ
ーラ、37……スロット、38……スピンドル区分、39……
フランジ、40……切断線、41……キースロット、42、43
……外側リム、44、45……側部リム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−55756（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−21168（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭56−16608（ＪＰ，Ｙ２) 米国特許4505387（ＵＳ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中空支持コアに巻かれた感光性ストリップ
   材料の光遮閉包装されたロールにおいて、前記ロールの
   各端面に設けられた遮光性かつ可撓性の端部カバー（1
   1,12）を具備し、この端部カバーは中央開口を有すると
   共に前記中空支持コアの端にシールされており、コイル
   状ストリップ材料の最外側巻層を覆うためにコイル状ス
   トリップに取り付けられた遮光性かつ可撓性の円周カバ
   ー（13）を具備し、この円周カバー（13）は前記ストリ
   ップ材料の幅よりも大きい幅を有し、前記の巻かれた感
   光性ストリップ材料のロールの円周を越えて拡がってい
   る前記端部カバーのリム（42,43）の内面に前記円周カ
   バー（13）のリム（44,45）の内面がシールされている
   ことを特徴とする光遮閉包装されたロール。