JPH0766055A - 磁気遮蔽方法 - Google Patents

磁気遮蔽方法

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JPH0766055A
JPH0766055A JP21585093A JP21585093A JPH0766055A JP H0766055 A JPH0766055 A JP H0766055A JP 21585093 A JP21585093 A JP 21585093A JP 21585093 A JP21585093 A JP 21585093A JP H0766055 A JPH0766055 A JP H0766055A
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shield
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Hiroshi Sasaki
佐々木  寛
Takeshi Shiraishi
健 白石
Akira Kawanishi
昭 川西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高磁場の周囲への影響を防ぐための磁気遮蔽
方法において、遮蔽体の軽量化の最適条件を容易に求め
る。 【構成】 遮蔽領域内の最高磁場に見合った磁気特性を
もつ磁性材を選び、透磁率を求め、厚さ、透磁率一定と
して磁気解析を行い、解析結果により磁性材の厚み分布
を求め、遮蔽材の軽量化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療機器MRI(magnet
ic resonance imaging)、リニアモーターカー等、超伝
導による高磁場発生装置周辺の磁気遮蔽方法に係わり、
将来的には超伝導技術を利用したエネルギ貯蔵、昇降
機、磁気推進高速船等における磁気遮蔽技術への適用も
考えられ、特にリニアモーターカーにおける、有効な遮
蔽効果を有すると共に遮蔽材の可能な限りの軽量化を図
った磁気遮蔽方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来行われてきた磁気遮蔽方法は、透磁
率一定の磁性材で構成された、一様磁場におかれた球殻
か、無限長の円筒等極めて理想化されたケースについ
て、理論的に取り扱われてきた他は、一般的形状で、よ
り現実的な磁気特性を仮定した磁気遮蔽については、遮
蔽体の形状、磁場の発生源である電流分布等を境界条件
として、大型電子計算機を用いて遮蔽体自身及びその周
辺の磁気解析を、特に確たる解析に関する指導原理のな
いまま行われていた。
【0003】例えば、ある設定された磁場の発生源の下
で、特定空間内の磁場を所定の磁場強度以下とするため
の、磁気遮蔽体の形状と遮蔽材料を最小に止めるための
磁気解析については、遮蔽体の形状を逐一変えて大型電
子計算機による計算を繰返し行うというような手法が専
ら採られてきた。
【0004】これまで行われてきた磁気遮蔽の解析法は
極めて厳しい条件下での磁気遮蔽技術が求められるリニ
アモーターカー(超伝導磁気浮上式鉄道)に象徴的に認
められるので、その磁気解析法を例にとって以下に説明
する。
【0005】現在我国で開発を行っている超伝導を利用
したリニアモーターカーは、時速500Km に及ぶ、高
速の大量輸送手段として構想されており、超伝導電磁石
によって発生する高磁場(3〜5[T](テスラ)、但
し1[T]=104 [Gauss])、を客室で地球磁場の
数倍ないし、10倍程度(10-3〜10-4[T])に遮
蔽することを目標とするため、磁気遮蔽材の可能な限り
の軽量化と有効な磁気遮蔽効果が要求される。
【0006】従来の磁気遮蔽領域は、列車の構造上常識
的な拡がりをもっているが、遮蔽材の軽量化を図るた
め、遮蔽体は超伝導磁石から遠くに位置する部分では遮
蔽体が存在していない状態での磁気レベルが十分低いこ
とから、このような部位には遮蔽材の配置は不必要であ
るとの予見をもって、U字型の天井部分が欠落し、更に
進行方向についても中断した構造の遮蔽体を解析当初か
ら想定することが多い。しかし、これは必ずしも理論的
な裏付けのあってのことではない。
【0007】又、従来行われてきた解析法は、遮蔽体各
部の厚さを含めた形状を予め決め、与えられた磁場の発
生源の励起条件の下で、電子計算機による磁場解析を行
うものである。
【0008】即ち、得られた解析結果を求められている
条件、例えば遮蔽領域内の磁場レベルに照合して所定の
レベル以下となっているか否かを検討の上、総合的に判
断して遮蔽体の一部又は全体の厚さを修正して、再度磁
場解析を行うといった方法を繰返していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法は上に述べたように、明確な指導原理のないまま、
試行錯誤的に膨大な計算を繰返すだけのものであったた
め、膨大な時間と経費を費したにも拘らず、得られた結
果は最適化とは程遠いものであったという問題点があ
る。
【0010】従って、従来技術では確実な最適化へのス
テップが見出せず、遮蔽領域内の磁場レベルを所定の値
以下に抑えるための遮蔽体各点の最適厚みを求めること
など到底不可能な状況にある。
【0011】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、遮蔽体の励磁状態と遮蔽領域内の磁
場との相関関係を明確にし、これを適用することによっ
て遮蔽体の軽量化を容易に実現することのできる磁気遮
蔽方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、高磁場の周囲
への影響を防ぐための磁気遮蔽方法において、遮蔽材で
囲まれた遮蔽領域内の最高磁場に見合った磁気特性をも
つ磁性材を遮蔽材として選定し、該最高磁場に対応する
起磁力をもつ、該磁性材の磁化曲線上の動作点における
透磁率を求め、該磁性材が、一定の該透磁率をもち、全
ての点で厚さ一定として磁気解析を行い、該磁気解析の
結果に基づいて、該磁性材各点での磁束密度が前記遮蔽
領域内での最高磁場に見合った値とするように、励磁さ
れるような該磁性材の厚み分布を求めることにより、遮
蔽材の軽量化を図ったことにより、前記目的を達成した
ものである。
【0013】本発明は又、前記磁性材の厚み分布を求め
た結果、磁場が低く、遮蔽材が必要でないと思われる部
分にも、磁束の通り道を確保するために遮蔽材を配置し
たことにより同様に前記目的を達成したものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、遮蔽材の軽量化のための最適
条件を与える遮蔽材内の励磁状態が全ての点で等しくな
るための遮蔽材の厚み分布は、次のような方法で求めら
れる。
【0015】まず、理論的根拠について説明する。
【0016】図1(a )は外部に磁場の発生源があっ
て、その磁界中に漏洩磁場の少ない空間を確保したいと
きの遮蔽方法である。図1(a )において、2は遮蔽材
である。又、図1(b )はその一部分を拡大したもので
ある。
【0017】今、図1(a )のように遮蔽材で囲まれ
た、磁場の発生源のない空間で、遮蔽材の表面近傍に、
図1(b )のような長方形のループを想定し、ここにア
ンペールの法則を適用する。平行な2辺は境界面を挾ん
で十分に近い距離にあり、このループ内には電流は流れ
ていないものとする。このとき、このループでは、Hを
ループの接線方向の磁場、Hsll は遮蔽材内の磁場の強
さの境界面に平行な成分、Hall は遮蔽材近傍の空気中
の磁場の強さの境界面に平行な成分、s は境界面に平行
な線分の長さとすると、次の(1)式が成り立つ。
【0018】
【数1】
【0019】又、これより、次の(2)式が成り立つ。
【0020】Hsll =Hall …(2)
【0021】即ち、強磁性体と真空又は空気との境界近
傍では、磁性体表面を境にして、その内外の表面に平行
な磁場成分は互いに等しい。又、通常の磁気遮蔽体のよ
うに遮蔽材に沿って2点間の長さと、この2点を結ぶ真
空中の経路長が同程度である場合には、これらの経路に
沿っての磁気抵抗の比較から表面に垂直な真空中側の磁
場成分Ha*は遮蔽材内表面に平行な磁場成分Hsll と同
程度の大きさ、即ち H a*sll …(3) であることがわかる。従って、遮蔽領域内の遮蔽材表面
近くの磁場の強さの絶対値の大きさHa は Ha =√{(Ha*2 +(Hall 2 } =Hsll √{1+(Ha*/Hsll 2 } =k Hsll …(4) も又遮蔽材内の表面に平行な磁場成分Hsll とおよそ同
じ程度の大きさである。即ち(4)式のk は1に比べて
極端に大きな値ではない。遮蔽領域内の磁場の最大値は
遮蔽材近傍にあること、又遮蔽材内の厚さ方向に対する
磁場の強さの依存度は極めて小さいと考えられるから、
遮蔽領域内の磁場が所定の値を超えないようにするため
には、遮蔽材内の磁場の強さが上記遮蔽領域内の磁場の
値をk で割った値、又はそれ以下に保持されるように遮
蔽体が周辺の電磁石等磁場の発生源によって励磁されれ
ばよい。従って、遮蔽体の軽量化の最適条件は、遮蔽体
内磁場(起磁力)が全ての点で遮蔽領域内での最高磁場
に見合った値Hs =Ha /kに励磁さるように遮蔽体の
厚み分布を求めることによって実現される。但し、kは
1に近い値とは言え未知の量であるので、最適化のため
の磁気解析はk =1からスタートする。
【0022】この板厚を求める方法を以下に示す。
【0023】図1(a )に示すように、外部磁場の強さ
をB0 、遮蔽材の板厚を t0 とし、奥行き(紙面に垂直
な方向)にLの長さとする。このとき、遮蔽材の中に磁
束密度B0sの流れがあれば、遮蔽材の中の磁束(flux)
Φは、次の(5)式で与えられる。
【0024】Φ=Bos t0 L …(5)
【0025】遮蔽空間を任意の磁束密度以下にするため
には、上で述べたように遮蔽材の中の起磁力Hs をその
値以下にすればよい。その起磁力Hs に対応する遮蔽材
の磁束密度Bs は、図2に示すように、遮蔽として使用
する材料のB−H曲線から求めることができる。従っ
て、遮蔽材の中の磁束(flux)Φを閉じこめるのに必要
な板厚をt とすると、次の(6)式が成り立つ。
【0026】Φ=Bs t L …(6)
【0027】ここで、(5)式と(6)式より次の
(7)式が成り立ち、 Φ=Bos t0 L=Bs t L …(7) これより次の(8)式が得られ、任意の磁束密度以下に
するために必要な板厚t が求められる。
【0028】 t =(B0s/Bs ) t0 …(8)
【0029】従って、本発明によれば、磁気遮蔽の最適
化の最初のステップとして、まず遮蔽領域内の指定され
た最高磁場又は最大磁束密度に見合った磁気特性をもつ
磁性材を選定する。直流磁化曲線の起磁力の増加に従っ
て磁束密度も増加するが、一般には急速な磁束密度の増
加の後に穏やかな増加に転じる移行点付近の起磁力が、
遮蔽領域内最高磁場に相当するような磁化曲線をもつ磁
性材を選定するのが最も経済的な磁性材の選定である。
【0030】次に、磁化曲線そのものを仮定するか、あ
るいは便法としてその磁化曲線上、遮蔽領域内の所定最
高磁場に対応する起磁力をもつ動作点の透磁率を求め、
遮蔽材がその励磁状態に拘らず、この一定の透磁率をも
つような磁気特性をもつと仮定して、決められた境界条
件(遮蔽体の形状、磁場の発生源の電流分布等)の下
で、遮蔽材の厚さは全ての点で一定として磁気解析を行
う。
【0031】磁気解析の結果、遮蔽体周辺の磁場(又は
磁束)分布、及び遮蔽材内部の磁束分布が求められる。
更に、次のステップとして、上記の解析結果を基に、遮
蔽材の全ての点で重量の最適条件を与える厚み分布を求
める。遮蔽体内の磁束密度は厚さに逆比例するから、上
記の遮蔽材の厚さ一定として行った解析結果で得られた
遮蔽材各点での磁束密度をその点の厚さを調整して、選
定した磁性材の磁化曲線上遮蔽領域の最高磁場と等しい
起磁力に対応する磁束密度となるように遮蔽材の各点の
厚みを決める。
【0032】このようにして得られた遮蔽体の厚み分布
が遮蔽領域内の磁場あるいは磁束密度が所定の値を超え
ないための最適条件に近い厚み分布である。
【0033】又、磁場が低く、遮蔽材が不要に思われる
場所についても、遮蔽材を配置することにより、磁束の
通り道を確保し、磁気遮蔽を確実に行うことができる。
【0034】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0035】実施例として超伝導磁気浮上式鉄道(リニ
アモーターカー)の磁気遮蔽の最適化のために行った解
析手法を示す。
【0036】図3は、各車両に配置された超伝導電磁石
(SCM…super conducting mag-net )、客室、及び
車両間を連絡する貫通路の位置関係を示す車両の側面図
であり、4は車体側面、6は超伝導電磁石(SCM)で
ある。図4は、図3のIV−IVラインにおける断面図であ
る。図4において、8は客車側面、10は天井、12は
床面である。客室中央進行方向に関して車両は対称構造
となっているので、図3及び図4は車両の半分を示して
いる。
【0037】電磁石は進行方向に極性を交互に、又進行
方向に直角な方向車体の左右に配置され、磁石の極性は
磁石中心での磁場の向きが同方向になるよう励磁され
る。各電磁石コイルは、図5に示すように、ほぼ7cm×
7cmの導体断面に700KAの電流で励起される。
【0038】このとき、客室内の磁束密度は床面から
0.7m 以上は5ガウス以下、0.7m までは10ガウ
ス以下、又貫通路では20ガウス以下とするような遮蔽
条件を満たすために必要な遮蔽材の重量は、車両当り2
トン以内となることを目標とする。本実施例において
は、上記の条件を満たすための遮蔽材として、図6に示
すような磁気特性をもつ磁性材を選定した。
【0039】次に図3に示された客室、貫通路を10mm
均一の遮蔽材で完全に覆った状態で、客室床上0.7m
以上の部分、床から0.7m までの部分、更に貫通路で
それぞれ起磁力5、10及び20エルステッド(Oe )
に相当する直流磁化曲線上の動作点での透磁率をもつと
して、これらの透磁率は励磁状態、即ち起磁力に依存し
ないと仮定して磁気解析を行った。この磁気解析は、日
本総合研究所製磁気解析ソフトJMAGを用いて行っ
た。この解析によって得られた遮蔽体内各部の磁束密度
分布の一部を例として図7に示す。この遮蔽体内の磁束
分布を基に客室上部(床上0.7m 以上)、同下部(床
上0.7m まで)及び貫通路それぞれの遮蔽体内部の磁
束密度は起磁力で5、10及び20エルステッド(Oe
)に対応する磁性材の磁化曲線で決まる磁束密度とな
るように、次の磁気解析で仮定した遮蔽材の一様な厚さ
10mmを、磁性材の各点において厚さを変更する。
【0040】この板厚を決めるときの具体的手順を図8
のフローチャートに示す。
【0041】まず、遮蔽材中の磁束密度がどれほどある
かを知るために、図8のステップ100において、貫通
路部分、客室部分を板厚一定の遮蔽材で囲むように配置
し、JMAGにより、磁気解析を行う。このとき、遮蔽
材に与える物性として、比透磁率μr =B/Hは、漏洩
磁束密度の条件に対応させて与える。例えば、漏洩磁束
密度を10[Gauss]以下にしたいときは、図6のB−
H曲線の10[Oe ]と、それに対応するB=1.48
[T]からμr =1480を与える。
【0042】次に、ステップ102において、遮蔽材中
の磁束密度に応じた板厚を(8)式によって算出する。
このとき、B0sはJMAGで計算した値、Bs は磁性材
中の起磁力に対する磁束密度とする。例えば、漏洩磁束
密度を、5[Gauss]以下にしたいところでは図6のグ
ラフに示すように、5[Oe ]に対応する値よりBs
1.15[T]、又同様に、10[Gauss]以下では、
s =1.48[T]、20[Gauss]以下では、Bs
=1.56[T]とする。又、 t0 は本実施例では10
mmである。なお、本実施例においては、板厚は、得られ
た磁束密度分布を基に要素毎に手計算で算出した。
【0043】次に、ステップ104において、算出した
板厚で実際に目標とする漏洩磁束密度になっているか再
計算を行う。このときは、磁性材の磁気特性のデータを
解析モデルの遮蔽材部分に与え計算する。板厚を変える
と、磁気分布が変わるので、最適の板厚になるまで、板
厚を変更する。その板厚で再計算をする。という一連の
作業を繰返す。
【0044】即ち、ステップ106において磁場条件が
満足されているかどうか判定し、満足されていなければ
再びステップ102に戻り、再計算を行う。又、磁場条
件が満足されていれば次のステップ108へ進み、軽量
化できるかどうかを判定し、軽量化できれば再びステッ
プ102へ戻り、再計算を行う。又、もうこれ以上軽量
化できなければ、そこで作業は終了する。
【0045】このようにして得られた遮蔽体の板厚分布
が遮蔽材重量の軽量化の最適条件の目安を与える。実際
には板厚の連続的変化には入手可能な材料では完全に対
応することは不可能であり、又、解析の手続き上、使用
遮蔽材の厚さは1mm乃至0.5mm単位の一様なものか、
それらの間を直線的に結ぶテーパ付きの材料の集合で遮
蔽体が構成されているとして、以上の手続きで得られた
遮蔽体の厚み分布を置き換えて、これについて再び磁気
解析を行って遮蔽領域内の磁場分布が所定の条件を満た
しているかを確認する。
【0046】図9は、車両の1/4の部分の最終的に得
られた板厚分布の模式図で、車両当りの遮蔽材の重量は
1.33トンに止まる。このような板厚分布をもった遮
蔽体周辺の磁束密度分布を図10〜図12に示す。図1
0は、車両幅中央より300mm離れた面での磁束密度分
布を表わし、図11は、車両幅中央面での磁束密度分布
を表わし、又図12は、車両幅中央部より1.4m 離れ
た面での磁束密度分布を表わす。これらの図によれば、
客室内に予め指定された窓周辺での磁場強度を除いて、
所定の磁場レベルに遮蔽領域のほとんど全域が収まって
いることが分かる。従って、予め指定された客室内に設
けられた窓の位置と大きさは不適当であると認められ
る。このような窓の配置についても、磁気解析の結果を
基に位置並びにサイズが決められるべきである。
【0047】又、最終結果である図9に示す遮蔽体は、
特に客室部の天井部と客室中央部付近の側壁部が欠落し
た構造となっていること、しかし、客室天井並びに床面
と側面との接続点である接続部(14)には、帯状の遮
蔽材が中断することなく客室前部と後部を接続している
のが特徴である。このような接続部(14)は、磁気解
析の結果、遮蔽体内の磁束量が極めて少なく、遮蔽材の
厚さが非常に薄くてよいと認められる部分に相当する。
しかし、このような接続部(14)は、磁束(flux)は
低いが、磁束密度は大きくなっており、このような部分
に、遮蔽材を設置しないと、空中に磁束が漏洩し、高い
漏洩磁束密度を招来する原因となるので磁束の通り道を
確保してやる必要がある。
【0048】図13は、リニアモーターカーの磁気遮蔽
体の従来の他の一例である。この遮蔽体は客室部の長さ
が1.3m 、客室部、貫通路共に側壁部の一部と天井は
完全に省略した形状となっている。このように、超伝導
電磁石から遠く隔たった遮蔽体の部分を欠落させた理由
は明確ではないが、恐らく遮蔽体が存在しない場合の電
磁石によって発生する磁場分布から判断して、磁石から
遠く離れた遮蔽領域の一部は指定磁場レベル以下となっ
ているので、この近傍には遮蔽材をあえて配置する必要
性を認めないという判断によると思われる。しかし、遮
蔽体の有無は、遮蔽領域内のみならず、周辺の磁場分布
に大きな影響を与えるので、もし上記のような判断に基
づいた予断をもって遮蔽体の形状を理想的な閉じた遮蔽
体と異なったものとすることは問題である。そこで、本
実施例に対する比較例として、図13に示された遮蔽体
ではないが、客室部の長さがこれとほぼ同じ1.2m 、
しかし天井側壁部に欠落のない図13よりも遮蔽効果が
より期待される図14のような遮蔽体を用いた場合の磁
気解析を行い、これを最適化が行われた最終結果のそれ
と比較してみる。なお、図13及び図14に示された遮
蔽材重量は、車両当り、それぞれ1.09トン及び1.
61トンである。図15は、図14の遮蔽体の遮蔽領
域、特に車両中央面から1.4m 側壁寄りの面内の磁束
密度分布であり、ハッチングを施した部分は磁束レベル
に関する許容条件から逸脱した領域で、これを最適化の
手法を取り込んだ最終結果図12と比較すると、大きな
差があることが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、遮
蔽領域内の許容される最大磁場と遮蔽材の励磁状態との
相関関係を解析手続きに取り込むことによって、解析法
を定式化し、一定の手続きによって遮蔽体の軽量化の最
適条件に試行錯誤法によらず、極めて少数回の電子計算
機による計算で到達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁界中に漏洩磁場の少ない空間を確保するとき
の遮蔽方法を示す説明図
【図2】磁性材のB−H曲線を示す線図
【図3】リニアモーターカー車両半分を示す側面図
【図4】図3のIV−IVラインにおける断面図
【図5】超伝導コイルの形状を示す側面図
【図6】磁性材のB−H曲線を示す線図
【図7】車両全体を覆った遮蔽材内部の磁束密度分布を
表わす説明図
【図8】板厚の算出手順を示すフローチャート
【図9】本実施例による最適化法によって得られた遮蔽
材の板厚分布を示す説明図
【図10】車両幅中央より0.3m 離れた面での磁束密
度分布を表わす線図
【図11】車両幅中央面での磁束密度分布を表わす線図
【図12】車両幅中央より1.4m 離れた面での磁束密
度分布を表わす線図
【図13】閉じていない遮蔽構造体の例を示す斜視図
【図14】同じく一部閉じている遮蔽構造体の例を示す
斜視図
【図15】図14に示す遮蔽体で覆われた車両幅中央よ
り1.4m の面での磁束密度分布を示す線図
【符号の説明】
2…遮蔽材 4…斜体側面 6…超伝導電磁石(SCM) 14…接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 健 千葉県千葉市中央区川崎町1番 川鉄シス テム開発株式会社内 (72)発明者 川西 昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番 川鉄シス テム開発株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高磁場の周囲への影響を防ぐための磁気遮
    蔽方法において、 遮蔽材で囲まれた遮蔽領域内の最高磁場に見合った磁気
    特性をもつ磁性材を遮蔽材として選定し、 該最高磁場に対応する起磁力をもつ、該磁性材の磁化曲
    線上の動作点における透磁率を求め、 該磁性材が、一定の該透磁率をもち、全ての点で厚さ一
    定として磁気解析を行い、 該磁気解析の結果に基づいて、該磁性材各点での磁束密
    度が前記遮蔽領域内での最高磁場に見合った値となるよ
    うに励磁されるような該磁性材の厚み分布を求めること
    により、 遮蔽材の軽量化を図ったことを特徴とする磁気遮蔽方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記磁性材の厚み分布
    を求めた結果、磁場が低く、遮蔽材が必要でないと思わ
    れる部分にも、磁束の通り道を確保するために遮蔽材を
    配置したことを特徴とする磁気遮蔽方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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