JPH0765519A - 磁気記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体上に磁気的に読み取りうるサー
ボピットを凹凸で作成して設けることによって、磁気ヘ
ッドの高精度なトラッキングを可能にし、信頼性の高い
高密度記録を可能とする磁気記録装置を提供すること。 【構成】 トラック方向に沿って所定間隔を有しかつ蛇
行して設けられた磁気的、ないしは電気的に読み取る凹
凸ピットを磁気記録媒体上に設ける。 【効果】 磁気ヘッドを高精度にトラッキングすること
により、高密度記録が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドをトラッキ
ング制御しながら、ディジタル情報を磁気的に記録再生
する磁気記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディジタル情報を光学的にトラッキング
制御しながら磁気ヘッドで記録する、磁気ディスク（フ
ロッピー）において、あらかじめ磁気媒体に案内溝を設
けておき、情報を記録する際に、この案内溝をたよりに
磁気ヘッドを案内し、情報を磁気的に記録していく方式
が提案されている（日経エレクトロニクス，１９８８．
９．５，No.４５５）。図２はその構成を示す。この装
置では、発光ダイオードからの光をディスク表面に照射
して磁気ヘッドの位置検出を行なう。発光ダイオードか
ら出た光はディスク表面に照射される。ディスク反面で
表射した光は、収束光レンズを通り光検出器に達する。
光検出器は図３に示す４分割の光検出部からなり、４分
割の光検出部に光トラックの映像を投影したのち、Ａ−
Ｂ間，Ｃ−Ｄ間の電圧を検出する。この検出値から磁気
ヘッドのオフトラック量を検出し、磁気ヘッドがトラッ
クを正確に追随するように制御する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は次の点
について配慮がなされていなかった。すなわち、輝度の
低い発光ダイオードからの光を広い視野に照射してトラ
ック溝の像をレンズで光検知器上に結像させるので、信
号光量が小さくなり、高いＳ／Ｎ（信号対雑音比）が得
られない。４分割光検知素子上の光分布でトラック位置
を設定するので、正確なトラック位置を検出するために
は光検知器の位置合わせおよび、４分割光検知素子から
のそれぞれの信号電圧の精密なレベル調整が必要とな
り、調整に困難なことが多く、また経時的に変動する問
題がある。また、光学系部分が磁気ヘッドに載せるには
光学系が重たくしかも大きくなるといった欠点があっ
た。

【０００４】さらに、トラック溝をディスク上に形成す
るのは、レーザで１枚ずつトリミングして形成する必要
があり、ディスク製作の時間がかかる欠点があった。

【０００５】本発明の目的は、高Ｓ／Ｎでトラッキング
信号を磁気的又は電気的に検出でき、磁気ヘッドの高精
度をトラッキングを可能とする磁気記録装置を提供する
ことにある。

【０００６】本発明の他の目的は、磁気記録装置からの
磁気的変化を用いてトラッキング信号を検出できるトラ
ッキング信号検出系を備えた磁気記録装置を提供するこ
とにある。

【０００７】本発明の他の目的は、電気容量の変化を利
用したトラッキング信号検出系を磁気ヘッドに搭載した
磁気記録装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明ではトラック方向
に沿って所定間隔を有しかつ蛇行して設けられた磁気
的、ないしは電気的に読み取り凹凸深さを有するピット
列を有する磁気記録媒体を用いる。上記ピットによって
強度変調された磁界ないし電気容量の変化を検出してト
ラッキング信号を得る。このトラッキング信号により磁
気ヘッドの記録位置（磁気ディスク記録媒体に対する半
径方向位置）を制御しながら情報を磁気的に記録再生す
る。

【０００９】磁気ヘッドは、磁気記録媒体の回転より磁
気ヘッドと磁気記録媒体の間に生じる空気圧で浮上する
浮上型磁気ヘッドを用い、この磁気ヘッドと一体で動く
電気容量センサーを設ける。そして電気容量センサーに
よって凹凸ピットから得られるトラッキング信号を用い
て磁気ヘッドの位置制御を行ない、磁気ヘッドで磁気的
に情報を記録していく。

【００１０】

【作用】本発明では、トラッキング信号を検出するため
のマークとして蛇行ピットを用い、この蛇行ピットによ
って強度変調された電気容量の変化を用いてトラッキン
グ信号を検出するので小型であり、しかも高Ｓ／Ｎでト
ラッキング信号を検出できる。

【００１１】また、回転している磁気ディスク記録媒体
の上に配置する磁気ヘッドはμｍ以下の微小な浮上量で
浮上する。この磁気ヘッドに一体的に電気容量検出ヘッ
ドを配置する。

【００１２】そして、磁気記録媒体上に、磁界ないし電
気容量の変化を生じさせるトラッキング情報を凹凸ピッ
ト列として形成しておき、このピットによりトラッキン
グ情報を読み出すことができる。

【００１３】

【実施例】図１は本発明の一実施例の要部である磁気ヘ
ッド部を示す図である。

【００１４】図１中、１，２は情報を磁気的に記録再生
するための磁気ヘッドとトラッキング信号を電気的に検
出するための電気容量検出ヘッドを示している。ディス
ク上に設けられたトラッキング信号検出のためのピット
列については図４で詳しく説明する。磁気ヘッド１は回
転すディスクの空気圧によりサブミクロンのオーダーで
浮上しており、磁気ヘッド１は磁気記録部上に情録を記
録，再生を行なうことができる。磁気容量検出ヘッド２
は浮上している磁気ヘッド１に結合して設けられてお
り、磁気ヘッド１と電気容量検出ヘッド２は一体として
支持機構３で支持されている。支持機構３はアクチュエ
ータ（図示せず）に連結しており、ヘッド部を矢印４に
示すごとく磁気ディスクの半径方向に動かすことができ
る。容量検出ヘッド２はピット列の位置を検出するため
のもので、検出された位置誤差はアクチュエータを駆動
することにより補正され、情報は磁気記録部上に磁気的
に記録再生されている。

【００１５】容量検出ヘッド２は磁気ヘッド１をトラッ
キングするために使われのみらず、電気量的に検出され
るＲＯＭ（Read Only Memory）情報が磁気記録面に凹凸
で記録されておれば、その再生にも用いることができ
る。このような方法によれば磁気ヘッドによる記録およ
び電気容量ヘッドによるＲＯＭ再生が一枚のディスクで
同時に実現できる。

【００１６】図４に磁気ディスク記録媒体６の一例を示
す。磁気ディスク６上に同心円あるいはらせん上にトラ
ック検出用の凹凸ピット列５が形成されている。図４
（ｂ)，（ｃ），(ｄ）はディスク上に形成されている凹
凸ビット列の異なる3つの実施例を示す。ピット７，８
は磁気ディスクのトラック方向に所定間隔を有しかつ蛇
行して設けられている。ピット列５の間には磁気記録部
５′があり、記録トラックを形成している。磁気ヘッド
１はこの磁気記録５′上に情報を記録，再生する。

【００１７】図４（ｂ），（ｃ），(ｄ），(ｅ）におい
ては、ディスク上に蛇行したピット列又はグループによ
りトラッキング信号を得るものである。図４（ｆ）にお
いては、一本のトラックに沿って、片側に周波数ｆ₁の
信号が容量検出ヘッド２により再生される凹凸ピット列
２０と周波数ｆ₂の信号が再生される凹凸ピット列２１
が形成されている実施例を示す。この場合、周波数ｆ₁
の再生信号の大きさと周波数ｆ₂の再生信号の大きさが
等しくなるように、容量検出ヘッド２の位置が制御され
ることにより、ピット列２０，２１の中心位置に常にト
ラッキングされ、これとともに磁気ヘッド１もトラッキ
ングされることになる。

【００１８】図５に磁気記録するための磁気コイル７と
電気量検出するための電極８がスライダー９上に一体に
形成されている実施例を示す。

【００１９】次に、磁気ディスク上に磁気的に検出でき
るトラッキング信号用情報をあらかじめ記録しておき磁
気ヘッドの高精度なトラッキングを可能とする磁気記録
装置について説明する。

【００２０】以下の実施例では、磁気ディスク記録媒体
に磁気的に読み取り得る溝あるいはピット列が設けてあ
って、該溝あるいはピット列を読み出した信号からトラ
ッキング信号を検出し、上記トラッキング信号により磁
気ヘッドの記録位置を制御しながら情報を磁気的に記録
することを特徴とする。

【００２１】すなわち、図１４（ａ）に示したよう凹み
をもった磁気記録媒体上進サブミクロンで浮上した磁気
コイルヘッド１が遂行したとき、磁気コイルヘッド１が
検出する信号は図１４（ｂ）に示すように磁気コイルヘ
ッドと磁気記録膜とのギャップに対応して変化すること
を用いる。すなわち、凹み部付近の記録膜の磁化方向が
一方向にそろえられているとした場合、磁化からのもれ
る磁界の大きさは磁化からの距離で変化することを用い
る。この凹みを溝あるいはピット形状としてディスク上
に形成しておきトラッキング信号を検出するためのもの
に用いる。

【００２２】図６は本発明の一実施例の磁気ディスク上
に形成したトラッキング用溝１０を示している。図７は
図１の溝のかわりにピット列２０が形成させてある場合
を示す。図６，図７の１３，１４，１５は、磁気ヘッド
中の３個の磁気コイルが記録膜の磁化情報を再生する領
域を示す。領域１３は記録データを用い出すためのもの
であり、領域１４，１５はトラッキング用である。図
中、矢印１６で示した方向に３個の磁気コイルを含む磁
気ヘッドが変位したとき、領域１４を再生する磁気コイ
ルの溝（あるいはピット列）に関する信号は増し、領域
１５に再生する磁気コイルの溝（あるいはピット列）に
関する信号は減少する。したがって領域１４のコイルと
１５のコイルの再生信号の差分をとることによりトラッ
キング信号が得られる図６に示した場合は直流的な信号
となるが、図７の場合は交流的な信号となる。信号の経
時的な変動によるトラッキング誤差に関しては交流的な
信号となる図７の場合の方が適している。図８は溝を形
成させているディスク６の全体形状を示した。図９，図
１０は１個の磁気コイルでデータ再生およびトラッキン
グ信号の両方を検出できるピット列がディスク上に形成
されている場合を示す。どちらの場合もトラックにはト
ラッキング信号を検出するサーボ領域とデータを記録す
るデータ領域が分離されており１個の磁気コイルで時分
割に信号を検出する。図１１を用いて図９に示したピッ
ト列１８，１９からトラッキング信号を検出する動作を
説明する。磁気コイルの中心がＡ，Ｂ，Ｃのそれぞれに
沿って通過する場合をえる。磁気コイルがＡに沿って通
過する場合、磁気コイルの中心付近をピット１８が通過
するので磁気コイルが検出するピット１８の信号は大き
く、一方、ピット１９の信号は小さくなる。したがって
図１２Ａに示した検出信号が得られる。図１２Ｂは磁気
コイルが図１１Ｂを通過する場合、図１２Ｃは磁気コイ
ルが図１１Ｃのように通過はる場合の検出波形を示す，
磁気コイルの位置がトラック中心にくるように制御する
には検出波形Ｂが常に得られるように、波形Ａの場合は
＋Ｘ、波形Ｃの場合は−Ｘに磁気コイルの位置を動かせ
ば良い。図１０ではトラック中心から−Ｘ方向にわずか
に偏位した位置に周波数ｆ₁、＋Ｘ方向に偏位した位置
にｆ₂でピット列２１，２２が形成されている。この方
式で用いられるトラッキング回路の方式の概略を図１３
で説明する。検出信号は周波数弁別器で周波数ｆ₁と周
波数ｆ₂成分に分けられている。おのおのの成分は差動
増幅器で増幅され磁気コイルを変化させるアクチュエー
タに送られる。おのおのの成分の振幅が等しいときは磁
気コイルがトラック中心にあることになる。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、磁気ヘッドを高精度に
トラッキングすることにより高密度記録が達成されるば
かりでなく、電気容量的に検出されるＲＯＭ（Rrad Onl
y Memory) 情報が磁気記録面に形成されておれば、その
再生にも用いることができる。このような方式によれば
磁気ヘッドよる記録再生および容量検出ヘッドよるＲＯ
Ｍ情報の再生が１枚のディスクで同時に実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す図。

【図２】従来の発光ダイオードを用いた光学系部を示す
図。

【図３】従来の発光ダイオードを用いた光学系部を示す
図。

【図４】本発明で用いるディスク形態を示す図。

【図５】本発明で用いるトラッキング信号検出部の構成
およびその動作原理を説明する図。

【図６】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図７】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図８】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図９】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図１０】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図１１】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図１２】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図１３】本発明の他の実施例を説明するための図。

【図１４】本発明の他の実施例を説明するための図。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気的に読み取り得る情報が記録される記
   録媒体であって、所定間隔を有する凹凸ビット列がトラ
   ック方向に沿って蛇行して設けられた磁気記録媒体から
   トラッキング信号及びコード情報を検出する手段と、上
   記トラッキング信号により、磁気記録媒体に磁気ヘッド
   の記録位置を制御しながら情報を磁気的に記録再生する
   ことを特徴とする磁気記録装置。
2. 【請求項２】上記磁気記録媒体の基板上に上記ピット列
   が凹凸で形成されており、さらに磁気記録材料が形成さ
   れたていることを特徴とする請求項１記載の磁気記録装
   置。
3. 【請求項３】上記基板と上記磁気記録材料の間に金属層
   及び電層を設けたことを特徴とする請求２記載の磁気記
   録装置。