JPH0765360A - 磁気記録媒体の表面形状測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触状態を観
察、測定する。 【構成】磁気ヘッド23を、サポート部材22の先端部に取
り付ける。また透明なスライドガラス25をベース21に取
り付け、磁気ディスク26を磁気ヘッド23とスライドガラ
ス25との間に挟み込み、スプリング24の弾性力で磁気デ
ィスク26に荷重を加えるようにする。そしてガラス面か
ら磁気ディスク26とスライドガラス25との接触状態を観
察、測定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の表面形
状測定装置に関し、特に磁気ヘッドが磁気記録媒体に接
触する状態で表面形状を測定する技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば磁気ディスク等の磁気
記録媒体の表面形状を測定する磁気記録媒体の表面形状
測定装置が知られている。かかる従来の装置を示す図３
において、圧力チャンバ１は、ステージ２、３、及び壁
４に囲まれ、圧力チャンバ１内には壁４の側面からパイ
プ５を介して高圧空気が注入されるようになっている。
ステージ３には孔６が設けられ、磁気ディスク７は、孔
６の周囲に配設されたＯリング８を介して、ステージ３
上に載置される。そして透明なガラス９が磁気ディスク
７の片面に配設されて固定されている。

【０００３】次に動作を説明する。高圧空気がパイプ５
から圧力チャンバ１内に注入されるが、圧力チャンバ１
内の高圧空気は、ステージ２、３、壁４、磁気ディスク
７、Ｏリング８により密封されているので、孔６を介し
て磁気ディスク７には圧力がかけられる。そしてこの圧
力が荷重となって磁気ディスク７の片面がガラス９に押
し付けられる。

【０００４】磁気ディスク７の表面には、マイクロスケ
ールオーダの粗さがあり、接触は表面突起の頂点でまず
起こる。磁気ディスク７表面の突起は、荷重がかけられ
ることにより押しつぶされ、接触面積の増加を引き起
し、摩擦、磨耗の増加につながる。この接触状態を透明
なガラス９側から例えば顕微鏡等で観察し、ガラス面と
磁気ディスク７の接触面積を評価することにより、磁気
ディスク７の表面形状が測定される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の磁気
記録媒体の表面形状測定装置では、高圧空気で磁気ディ
スク７に荷重を加えているため、実際において磁気ヘッ
ドで磁気ディスクに荷重をかけている状態とは異なって
いる。また磁気ヘッドと磁気ディスクの接触が極めて限
定された界面での現象であるがゆえ、このような測定方
法で磁気ディスクを評価することは困難であり、また評
価も不十分であった。

【０００６】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、磁気ヘッドを接触させて磁気記録媒体の
表面形状を測定することが可能な磁気記録媒体の表面形
状測定装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、磁気
記録媒体の片面に透明な平板を配設し、もう一方の面か
ら磁気記録媒体に荷重を加え、前記平板に押し付けられ
た磁気記録媒体の面の形状を測定する磁気記録媒体の表
面形状測定装置において、磁気ヘッドで前記磁気記録媒
体に荷重を加える構成とした。

【０００８】

【作用】上記の構成によれば、磁気ヘッドで磁気記録媒
体に荷重が加えられるので、磁気記録媒体の表面形状を
容易に測定することが可能となり、評価も正確なものと
なる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び２に基づ
いて説明する。本装置は、フロッピィ・ディスク・ドラ
イブ（以後、ＦＤＤと記す）のside０側の磁気ヘッドの
代わりにスライドガラス25を取り付けたものである。即
ち、夫々、側面図、平面図である図１、２において、ベ
ース21の一方の側には、通常の通り、サポート部材22を
介してside１側の磁気ヘッド23が取り付けられている。

【００１０】磁気ヘッド23は、例えばレールの寸法１mm
×４mm程度の２レールスライダとなっており、プラスチ
ック製のサポート部材22の先端部に取り付けられてい
る。サポート部材22は、基端部がベース21に取り付けら
れていて、スプリング24によって付勢力が与えられる。
ベース21のもう一方の側には、side０側の磁気ヘッドの
代わりに、スライドガラス25が磁気ヘッド23と対向する
ように取り付けられている。

【００１１】このスライドガラス25は、例えば板厚1.04
mm程度の透明な平板である。図１に示すように磁気記録
媒体である例えば磁気ディスク26は、スライドガラス25
と磁気ヘッド23との間に挟み込まれるように配設され、
磁気ディスク26には、通常のＦＤＤと同様にスプリング
24の弾性力によって付勢された磁気ヘッド23により荷重
が加えられる。そして磁気ディスク26の表面状態は図１
の矢印方向から非接触式３次元表面粗さ計により測定さ
れる。

【００１２】次に動作を説明する。磁気ディスク26を、
磁気ヘッド23とスライドガラス25との間に挟み込めば、
スプリング24の弾性力によって付勢された磁気ヘッド23
が磁気ディスク26を押圧し、磁気ディスク26に荷重が加
えられ、磁気ディスク26がスライドガラス25と接触す
る。

【００１３】磁気ヘッド23と磁気ディスク26は、マイク
ロスケールオーダーの粗さを有し、磁気ディスク26がス
ライドガラス25と接触した時、接触が表面突起の頂点で
起こり、磁気ディスク26表面の突起は、ヘッド荷重によ
って押しつぶされる。スライドガラス25と接触している
磁気ディスク26の表面は図１の矢印方向から透明なスラ
イドガラス25を介して、非接触式３次元表面粗さ計によ
って測定される。

【００１４】また、例えば接触面積が増加し、摩擦、磨
耗が増加するような極めて限定された界面での接触状態
も観察される。かかる構成によれば、磁気ディスク26を
磁気ヘッド23とスライドガラス25との間に挟み込み、磁
気ヘッド23で磁気ディスク26に荷重を加えて磁気ディス
ク26をスライドガラス25に接触させるように構成したの
で、反対側のガラス面を通して実際に磁気ヘッド23が磁
気ディスク26表面に接触する状態を観察、測定すること
が出来、しかも測定を容易に行うことが出来る。

【００１５】また本装置をＦＤＤに組み込めば、実走行
中のヘッドタッチを測定することも出来、磁気ディスク
が摩擦、磨耗の増加につながる様子も観察することが出
来る。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
気ヘッドで磁気記録媒体に荷重を加えるように構成した
ので、透明な平板を通して実際に磁気ヘッドが磁気記録
媒体表面に接触する状態を観察、測定することが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す側面図。

【図２】同上平面図。

【図３】従来の磁気記録媒体の表面形状測定装置。

【符号の説明】

21 ベース 22 サポート部材 23 磁気ヘッド 25 スライドガラス 26 磁気ディスク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸根 延幸 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気記録媒体の片面に透明な平板を配設
   し、もう一方の面から磁気記録媒体に荷重を加え、前記
   平板に押し付けられた磁気記録媒体の面の形状を測定す
   る磁気記録媒体の表面形状測定装置において、 磁気ヘッドで前記磁気記録媒体に荷重を加える構成とし
   たことを特徴とする磁気記録媒体の表面形状測定装置。