JPH0763831A - Ni−MHバッテリの残容量推定方法及びその装置 - Google Patents

Ni−MHバッテリの残容量推定方法及びその装置

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JPH0763831A
JPH0763831A JP5211448A JP21144893A JPH0763831A JP H0763831 A JPH0763831 A JP H0763831A JP 5211448 A JP5211448 A JP 5211448A JP 21144893 A JP21144893 A JP 21144893A JP H0763831 A JPH0763831 A JP H0763831A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Ni−MHバッテリについて、その残容量を精
度よく、しかも容易に推定することができる残容量推定
方法を提供する。 【構成】Ni−MHバッテリの現在の残容量における温
度と内圧とを測定することにより温度に対する内圧の変
化率を求め、さらに、該変化率と残容量との間のあらか
じめ定めた相関関係に基づいて、前記測定により得られ
た変化率の値に対応する残容量を求め、その求めた残容
量をNi−MHバッテリの現在の残容量として推定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ni−MH(ニッケル
−メタルハイドライド)バッテリの残容量を推定する方
法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、充電可能な二次電池の一つである
Ni−MHバッテリは、高容量である、充放電性能がよ
い、クリーンである等の理由により、各種民生用機器の
二次電池として注目されている。
【0003】この種の二次電池(以下、単にバッテリと
いう)においては、充電時期あるいは電池状態を使用者
に認識させること等を目的として、何等かの手法により
現在の残容量を推定することが重要であり、その手法と
しては、従来、バッテリの残容量が判明している初期状
態(例えば新品の満充電状態)から充分短いサンプリン
グタイム毎に放電電流及び充電電流を測定して、これを
積算することにより、現時点までの総放電量及び総充電
量を求め、その求めた総放電量及び総充電量をそれぞれ
初期の容量から減算及び加算することにより、現時点の
残容量を推定する手法(以下、第1手法という)が一般
に知られている。また、例えば鉛蓄電池にあっては、あ
らかじめ端子電圧と残容量との相関関係を求めておき、
その相関関係とバッテリの稼動時に測定された端子電圧
とから現時点の残容量を推定する手法(以下、第2手法
という)も知られている。
【0004】しかしながら、前記第1手法にあっては、
放電電流及び充電電流の測定値を積算するため、その測
定値の誤差が蓄積されてしまう。このため、電流を検出
する電流センサが高精度なものでないと、残容量を精度
よく推定することができず、また、高精度な電流センサ
を使用した場合には、高価なものとなるという不都合が
あった。
【0005】また、前記第2手法にあっては、一般にバ
ッテリの端子電圧はその時の放電電流等によって変動を
生じやすく、その端子電圧から精度のよい残容量推定を
行うことが困難であった。また、前記Ni−MHバッテ
リにあっては端子電圧が残容量によって変化しない領域
(所謂プラトー領域)が多いため、該端子電圧から残容
量を推定することは困難であった。
【0006】このような背景に鑑み、本発明の発明者等
が種々の検討を行った結果、Ni−MHバッテリにおい
ては、その任意の残容量における内圧と温度との間の相
関関係がその時の残容量と密接に関連しており、内圧と
温度とを測定することにより、残容量を推定することが
可能であると知見した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、Ni−MHバッテリについて、その残容量を精度
よく、しかも容易に推定することができる残容量推定方
法及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、N
i−MHバッテリについて種々の検討を行った結果、任
意の残容量におけるNi−MHバッテリの内圧と温度と
の間の相関関係は、温度の変化に対して内圧が略直線的
に変化し、逆に内圧の変化に対して温度が略直線的に変
化するような関係となり、その一方に対する他方の変化
率、換言すれば、内圧と温度との間の相関関係を直交座
標軸平面上で近似的に直線により表した場合の直線の傾
きは、残容量に応じて変化し、ある残容量における上記
変化率の値は、その残容量に特有的な値となるというこ
とを知見した。
【0009】そして、任意の温度域での各種残容量にお
ける内圧と温度との相関関係を近似する直線は、いずれ
もほぼ同一の点を通るということを知見した。尚、温度
域によって、この同一の点は変化する。
【0010】また、上記変化率と残容量との間の相関関
係は、上記変化率の変化に対して残容量が略直線的に変
化するような関係となるということを知見した。
【0011】そこで、本発明のNi−MHバッテリの残
容量推定方法は前記の目的を達成するために、Ni−M
Hバッテリの現在の残容量における温度と内圧とを測定
することにより該温度に対する該内圧の変化率または該
内圧に対する該温度の変化率を求める第1の工程と、該
変化率と前記バッテリの残容量とのあらかじめ定められ
た相関関係に基づいて前記測定により得られた前記変化
率の値に対応する残容量を求め、その求めた残容量を前
記バッテリの現在の残容量として推定する第2の工程と
から成ることを特徴とする。
【0012】そして、前記第1の工程は、前記バッテリ
の各種残容量における前記温度と内圧との相関関係を近
似する温度・内圧特性直線のいずれもが略通る点として
あらかじめ定められた基準点と、前記残容量の推定に際
して前記測定により得られた温度及び内圧に対応する測
定点とを略通る直線の傾きを求め、その求めた直線の傾
きにより前記変化率を求めることを特徴とする。
【0013】また、前記変化率と前記残容量との相関関
係をあらかじめ直線式により近似し、前記第2の工程
は、該直線式と前記測定により得られた前記変化率の値
とから該変化率の値に対応する残容量を求め、その求め
た残容量を前記バッテリの現在の残容量として推定する
ことを特徴とする。
【0014】また、本発明のNi−MHバッテリの残容
量推定装置は、Ni−MHバッテリの温度及び内圧をそ
れぞれ検出する温度検出手段及び内圧検出手段と、該温
度検出手段及び内圧検出手段により検出された前記バッ
テリの現在の残容量における温度及び内圧から該温度に
対する該内圧の変化率または該内圧に対する該温度の変
化率を求める変化率演算手段と、該変化率と前記バッテ
リの残容量とのあらかじめ定められた相関関係に基づい
て前記変化率演算手段により求められた前記変化率の値
に対応する残容量を求め、その求めた残容量を前記バッ
テリの現在の残容量として推定する残容量推定手段とか
ら成ることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の残容量推定方法によれば、前記Ni−
MHバッテリの温度と内圧とを測定することにより前記
変化率を求めると、その変化率の値は、前述したように
その時のバッテリの残容量に応じた値となる。従って、
該変化率と前記バッテリの残容量との相関関係をあらか
じめ定めておき、該相関関係に基づいて前記測定により
得られた前記変化率の値に対応する残容量を求めること
により、その求めた残容量を前記バッテリの現在の残容
量として推定することが可能となる。
【0016】この場合、前記変化率を求めるに際して
は、例えば充分短い時間間隔で前記温度または内圧が変
化し、あるいは、意図的に変化させるような場合には、
その変化の前後の温度及び内圧の測定値により前記変化
率を求めることは可能であるものの、一般的なバッテリ
の使用状態において、温度または内圧が充分短い時間間
隔で変化するような場合は少ない。しかるに、前述した
ように、各種残容量における内圧と温度との相関関係を
直線により近似すると、該温度近傍においてそれらの直
線はいずれもほぼ同一の点を通る。
【0017】そこで、前記バッテリの各種残容量におけ
る前記温度と内圧との相関関係を近似する温度・内圧特
性直線のいずれもが略通る点をあらかじめ前記基準点と
して設定しておき、その基準点と、前記残容量の推定に
際して前記測定により得られた温度及び内圧に対応する
測定点とを略通る直線の傾きを求めることにより、温度
や内圧がほとんど変化しないような場合であっても、そ
の求めた直線の傾きにより前記変化率を求めることが可
能となる。
【0018】また、前述したように、前記変化率と残容
量との間の相関関係は、該変化率の変化に対して残容量
が略直線的に変化するような関係となるので、前記変化
率と前記残容量との相関関係を直線式により近似してお
けば、該直線式と前記測定により得られた前記変化率の
値とにより前記バッテリの現在の残容量を容易に推定す
ることが可能となる。
【0019】また、本発明の残容量推定装置によれば、
前記温度検出手段及び内圧検出手段により前記Ni−M
Hバッテリの温度及び内圧を検出し、その検出した温度
及び内圧から前記変化率演算手段により現在の残容量に
おける前記変化率を求め、その求めた変化率の値から前
記残容量推定手段により前記残容量推定方法に従ってバ
ッテリの現在の残容量を推定することにより、簡略な構
成でバッテリの残容量を推定することが可能となる。
【0020】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図5を参照して説明
する。図1は本実施例の残容量推定装置のシステム構成
図、図2及び図3は図1の装置による残容量推定方法の
原理を説明するための図、図4は図1の装置による残容
量推定方法を説明するためのフローチャート、図5は図
1の装置による残容量推定の精度を説明するための図で
ある。
【0021】図1において、本実施例の残容量推定装置
は、Ni−MHバッテリ1の内圧(水素平衡圧)を検出
する圧力センサ(圧力検出手段)2と、バッテリ1の温
度を検出する温度センサ(温度検出手段)3と、これら
のセンサ2,3により検出されるバッテリ1の圧力及び
温度を基に後述の演算処理等を経てバッテリ1の残容量
を推定するコントローラ4とを備えている。バッテリ1
には、その放電を行わしめるための負荷5がスイッチ6
を介して接続され、また、該バッテリ1を充電するため
の充電器7がコネクタ8を介して着脱自在に接続可能と
されている。尚、バッテリ1は、その定格容量が例えば
24Ahのものである。
【0022】コントローラ4は、マイクロコンピュータ
等により構成されたものであり、その機能的構成とし
て、前記圧力センサ2及び温度センサ3により検出され
るバッテリ1の圧力及び温度を基に現在の残容量におけ
るバッテリ1の温度に対する圧力の変化率を求める変化
率演算手段9と、求めた変化率の値によりバッテリ1の
現在の残容量を推定する残容量推定手段10とを備えて
いる。これらの各手段9,10による処理については詳
細を後述する。
【0023】尚、図1において、11は、残容量推定手
段10により推定された残容量を表示する表示器であ
る。
【0024】ここで、かかる残容量推定装置によるバッ
テリ1の残容量推定の原理を図2及び図3を参照して説
明する。
【0025】本発明の発明者等は、上記バッテリ1(定
格容量24Ah)について、次のような実験を行った。
【0026】まず、本発明の発明者等は、バッテリ1を
満充電状態とした後に、あらかじめ定めた各種の放電量
だけ放電させ、次いで、バッテリ1の温度を例えば25
°C〜40°Cの範囲で各種の温度に設定した上で、バ
ッテリ1の内圧を測定した。そして、その内圧の測定後
に、バッテリ1を所定の条件下で全放電状態まで放電さ
せ、この時の総放電量を測定することにより前記内圧の
測定時におけるバッテリ1の残容量を実測した。かかる
実験は、バッテリ1の各種の残容量における温度と内圧
との相関関係を得るための実験である。その実験結果を
図2に示す。
【0027】図2において、□点等で示した点が各残容
量及び各温度における内圧の測定点であり、同図を参照
して明らかなように、各残容量(本実験では、23.1
Ah,18Ah,10.65Ah,5.74Ah,0A
h)における温度と内圧との相関関係は、温度の変化に
対して内圧がほぼ直線的に変化する傾向となった。そこ
で、各残容量における複数の測定点を基に、最小自乗法
等の統計手法を用いて、温度と内圧との相関関係を近似
する温度・内圧特性直線を求め、その求めた温度・内圧
特性直線を各残容量毎に図2に併記した。各残容量に対
応する温度・内圧特性直線を参照して明らかなように、
バッテリ1の内圧は、温度が同じであれば、残容量が大
きい程、大きくなる傾向があり、また、各残容量に対応
する温度・内圧特性直線の傾き、換言すれば、温度に対
する内圧の変化率は、残容量が大きい程、大きくなる傾
向がある。このことから、温度・内圧特性直線の傾き、
あるいは温度に対する内圧の変化率と残容量との間に
は、一定の相関関係があると考えられる。
【0028】本発明の発明者等は、温度・内圧特性直線
の傾き、あるいは温度に対する内圧の変化率と残容量と
の相関関係を得るために、図2に示した各残容量に対応
する温度・内圧特性直線の傾き(温度に対する内圧の変
化率)を図3に示すように、横軸を残容量、縦軸を上記
変化率とする座標グラフ上に□点でプロットした。
【0029】図3を参照して明らかなように、温度に対
する内圧の変化率は、残容量の変化に対してほぼ直線的
に変化する傾向となった。実際、各プロット点を基に、
上記変化率と残容量との相関関係を近似する直線を最小
自乗法等により求めると、図3に示すような直線が得ら
れ、各プロット点はほぼ該直線上に位置する。このこと
から、温度に対する内圧の変化率と残容量との間には一
定の相関関係があり、従って、その相関関係をあらかじ
め実験等に基づいて定めておけば、任意の残容量におい
て、上記変化率から残容量を推定することが可能である
ということが判る。
【0030】尚、前述したような温度、内圧及び残容量
に関するバッテリ1の特性は、バッテリ1の負極を構成
する水素吸蔵合金(図示しない)における水素吸蔵量
(これは残容量に対応する)が多い程、温度変化による
内圧(水素平衡圧)の変化が大きくなるというNi−M
Hバッテリの特性に起因するものと考えられる。
【0031】ところで、バッテリ1の任意の残容量にお
ける温度に対する内圧の変化率は、充分に短い時間間隔
で、温度及び内圧の互いに相違する2つ以上の測定値を
得ることができれば、それらの温度及び内圧の測定値か
ら図2に示したような温度・内圧特性直線の傾きを求
め、その温度・内圧特性直線の傾きにより現在の残容量
に対応する上記変化率を求めることができる。
【0032】しかるに、バッテリ1の一般的な稼動時に
おいて、バッテリ1の温度が短い時間間隔で比較的大き
く変化するような場合は少ない。従って、バッテリ1の
稼動時に上記変化率により残容量を推定すべく温度及び
内圧を充分短い時間間隔で測定しても、それらの測定値
にほとんど差異が生じない場合が多い。
【0033】そして、このような場合には、温度及び内
圧の測定値のみにより、現在の残容量に対応する温度・
内圧特性直線の傾きを精度よく求めることは困難であ
り、従って、現在の残容量に対応する上記変化率を精度
よく求めることも困難となる。
【0034】一方、例えば前記実験により得られた図2
を参照して明らかなように、温度25°C〜36°C付
近の内圧を測定した場合、各残容量に対応する温度・内
圧特性直線は、温度及び内圧の比較的小さい値となる領
域(図2では温度が約6〜10°C、内圧が約−0.4
〜−O.3kgf/cm2 となる領域)で収束する。
【0035】そこで、例えば温度が6.7°C、内圧が
−0.4kgf/cm2 となる点Pをあらかじめ任意の
残容量に対応する温度・内圧特性直線のいずれもがほぼ
通る基準点として設定しておけば、このような点Pは、
任意の残容量に対応する温度・内圧特性直線のいずれも
がほぼ通る点と考えられ、残容量の値に依存しない点と
考えられる。従って、その基準点Pとバッテリ1の稼動
時に測定する温度及び内圧の測定点とから現在のバッテ
リの残容量に対応する温度・内圧特性直線の傾きを比較
的精度よく求めることができ、従って、該温度・内圧特
性直線の傾きにより温度に対する内圧の変化率を求める
ことができると考えられる。そして、この場合、温度・
内圧特性直線は、2点により求めることができるので、
温度及び内圧の測定点は一つであってもよい。
【0036】具体的には、前記基準点Pの温度及び内圧
をそれぞれTO ,Po とし、バッテリ1の稼動時に測定
された温度及び内圧をそれぞれTX ,PX とすると、そ
の温度及び内圧の測定時における残容量に対応する温度
・内圧特性直線の式は、次式(1)により与えられる。
【0037】 P(内圧)=a・T(温度)+b ……(1) 但し、a=(PX −PO )/(TX −TO ) ……(2) b=(PO ・TX −PX ・TO )/(TX −TO )……(3) そして、温度に対する内圧の変化率は、上記(1)式に
より与えられる直線の傾き、すなわち上記(2)式によ
り与えられる“a”の値である。
【0038】このように、前記基準点Pを用いることに
より、バッテリ1の温度や内圧がさほど変化しないよう
な場合であっても、バッテリ1の稼動時における温度及
び内圧の測定値と基準点Pとから、その測定時における
残容量に対応する温度・内圧特性直線の傾き、すなわ
ち、温度に対する内圧の変化率を求めることが可能であ
る。そして、このように該変化率を求めれば、前述した
ように該変化率によりバッテリ1の残容量を推定するこ
とが可能である。
【0039】以上、図2及び図3を参照して説明した内
容が本発明における残容量推定の原理であり、かかる原
理に基づいて、本実施例の残容量推定装置は次のように
バッテリ1の稼動時の残容量をリアルタイムで推定す
る。
【0040】すなわち、図1及び図4を参照して、本実
施例の残容量推定装置は、バッテリ1の稼動時に残容量
を推定するに際して、前記圧力センサ2及び温度センサ
3を介してバッテリ1の内圧及び温度を逐次検出し、こ
れをコントローラ4に取り込む(STEP1)。このと
き、前記コントローラ4には、例えば図2に示した点P
(6.7°C、−0.4kgf/cm2 )があらかじめ
基準点Pとして設定されて、該基準点Pの温度及び内圧
の値が図示しないメモリに記憶保持されており、コント
ローラ4の前記変化率演算手段9は、STEP1におい
て検出された内圧及び温度の測定値と、上記基準点Pの
温度及び内圧の値とを用いてこれらの測定点及び基準点
Pを通る温度・内圧特性直線の傾き、すなわち現在の残
容量における温度に対する内圧の変化率を前記(2)式
により求める(STEP2)。
【0041】また、コントローラ4には、例えば図3に
示した直線の式がバッテリ1の温度に対する内圧の変化
率と残容量との相関関係を示すものとしてあらかじめ設
定されて、図示しないメモリ等に記憶保持されており、
コントローラ4の前記残容量推定手段10は、その直線
式とSTEP2により求めた変化率の値とから該変化率
の値に対応する残容量を求め、その求めた残容量をバッ
テリ1の現在の残容量として推定する(STEP3)。
ここで、温度に対する内圧の変化率と残容量との相関関
係を示す前記直線式は、変化率をΔP/ΔT、残容量を
Cとすると、次式(4)の通りである。
【0042】 ΔP/ΔT=1.9628×10-2+5.7941×10-4×C ……(4) STEP3においては、式(4)のΔP/ΔTの値とし
てSTEP2により求めた変化率の値を用い、該式
(4)を“C”について解くことにより、該変化率の値
に対応する残容量が求められる。
【0043】そして、コントローラ4は、STEP3に
おいて求めた残容量をバッテリ1の現在の残容量の推定
値として前記表示器11に表示する(STEP4)。コ
ントローラ4は、以上の演算・処理をバッテリ1の内圧
及び温度を検出する毎に行う。
【0044】ここで、本実施例の残容量推定装置により
推定する残容量の精度について説明する。
【0045】本発明の発明者等は、バッテリ1を満充電
状態とした後に、例えばバッテリ1の温度を30°Cと
した上で放電させ、その放電を、総放電量があらかじめ
定めた各種の放電量となるまで行った。次いで、前記残
容量推定装置により、図4のフローチャートに従って残
容量を推定した。また、その残容量の推定後に、全放電
状態まで放電させ、この時、その総放電量を測定するこ
とにより、残容量の推定時における実際の残容量を実測
した。その結果を図5に示す。
【0046】図5において、横軸は真の残容量(残容量
の実測値)、縦軸は本実施例の推定による残容量(以
下、推定残容量という)、□で示した点は上記の残容量
の推定及び残容量の実測により得られた測定点である。
【0047】この場合、推定残容量と真の残容量とが一
致した場合には、測定点は図5に示す直線k上に位置す
ることとなり、同図を参照して明らかなように、各測定
点は、ほぼ直線k上に位置している。実際、直線kとの
偏差が最も大きい測定点Qにおいても、真の残容量に対
する推定残容量の誤差は、4.23%(24Ah:10
0%)の誤差であった。
【0048】このことから、本実施例の残容量推定装置
によれば、残容量を高精度で推定することができるとい
うことが判る。
【0049】このように、本実施例の残容量推定装置に
よれば、高精度で残容量を推定することができ、また、
その推定に際しては、その推定に必要な温度に対する圧
力の変化率を基準点Pを用いて極めて簡単に求めること
ができ、さらに、該変化率から式(4)に示した簡単な
直線式により容易に残容量を推定することができる。そ
して、圧力センサ2及び温度センサ3による内圧及び温
度の測定精度は、さほど高い精度を必要とせず、また、
残容量の推定のための演算処理が極めて簡単なので、装
置構成を安価で簡略なものとすることができる。
【0050】尚、本実施例においては、温度に対する圧
力の変化率から残容量を推定するに際して、該変化率と
残容量との相関関係を前記式(4)の直線式(1次式)
により近似・設定するようにしたが、2次式、3次式等
の高次式により近似・設定するようにしてもよく、ある
いは、テーブル等により設定するようにしてもよい。
【0051】また、本実施例では、基準点Pを用いて温
度に対する圧力の変化率を求めるようにしたが、バッテ
リの温度が充分短い時間間隔で頻繁に変化するような場
合や、あるいは、意図的に温度を変化させつつバッテリ
1を稼動させるような場合には、充分短い時間間隔でバ
ッテリの温度及び内圧を2組、あるいは複数組測定し、
これらの測定値から最小自乗法等の手法を用いて上記変
化率を求めるようにしてもよい。
【0052】また、本実施例では、基準点Pと温度及び
圧力の単一の測定点とを用いて温度に対する圧力の変化
率を求めるようにしたが、充分短い時間間隔でバッテリ
の温度及び内圧を複数組測定し、これらの各組の測定点
と前記基準点Pとから最小自乗法等の手法を用いて上記
変化率を求めるようにしてもよい。このようにすること
により、温度及び圧力の測定誤差による影響を低減する
ことができる。
【0053】また、本実施例では、基準点Pを固定点と
したが、残容量の推定の際に測定される温度や内圧等に
応じて適宜変更するようにしてもよい。また、基準点の
求め方は本実施例に限定されるものではない。
【0054】さらに、本実施例では、温度に対する圧力
の変化率から残容量を推定するようにしたが、図2及び
図3を参照して明らかなように、該変化率の逆数である
内圧に対する温度の変化率も残容量との間に一定の相関
関係があるので、内圧に対する温度の変化率から残容量
を推定するようにしてもよい。
【0055】この場合には、内圧に対する温度の変化率
は、例えば前記実施例と同様に基準点Pの温度及び内圧
をそれぞれTO ,Po とし、バッテリ1の稼動時に測定
された温度及び内圧をそれぞれTX ,PX 、該変化率を
ΔT/ΔPとすると、前記式(2)から明らかなよう
に、 ΔT/ΔP=(TX −TO )/(PX −PO ) ……(5) により求めることができ、また、該変化率ΔT/ΔPと
残容量との相関関係は、例えば、残容量をCとすると、
前記式(4)から明らかなように、 ΔT/ΔP=1/(1.9628×10-2+5.7941×10-4×C)……(6) により設定することができる。
【0056】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の残容量推定方法によれば、Ni−MHバッテリの現在
の残容量における温度と内圧とを測定して該温度に対す
る該内圧の変化率または該内圧に対する該温度の変化率
を求め、さらに、該変化率及び残容量の間のあらかじめ
定めた相関関係に基づいて、前記測定により得られた変
化率の値に対応する残容量を求め、その求めた残容量を
バッテリの現在の残容量として推定することにより、N
i−MHバッテリの残容量をリアルタイムで精度よく、
しかも容易に推定することができる。
【0057】そして、Ni−MHバッテリの各種残容量
における前記温度と内圧との相関関係を近似する温度・
内圧特性直線のいずれもが略通る点としてあらかじめ定
められた基準点と、前記残容量の推定に際して前記測定
により得られた温度及び内圧に対応する測定点とを略通
る直線の傾きを求めることにより、バッテリの温度や内
圧が頻繁に変化するような場合はもちろん、該温度や内
圧があまり変化しないような場合であっても、確実且つ
容易に前記変化率を求めることができ、その変化率によ
りNi−MHバッテリの残容量を精度よく、且つ容易に
推定することができる。
【0058】また、前記変化率と前記残容量との相関関
係を直線式により近似しておくことにより、バッテリの
現在の残容量を前記測定により得られた変化率から極め
て容易に推定することができる。
【0059】また、本発明の残容量推定装置によれば、
Ni−MHバッテリの温度及び内圧をそれぞれ検出する
温度検出手段及び内圧検出手段を設け、これらの検出手
段により検出された温度及び内圧から該温度に対する該
内圧の変化率または該内圧に対する該温度の変化率を変
化率演算手段により求め、さらに、該変化率の値から残
容量推定手段により前記残容量推定方法に従ってバッテ
リの現在の残容量を推定するようにしたことによって、
バッテリの残容量を精度よく且つ容易に推定することが
でき、また、その装置構成を簡略で安価なものとするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の残容量推定装置のシステム構成
図。
【図2】図1の装置による残容量推定方法の原理を説明
するための図。
【図3】図1の装置による残容量推定方法の原理を説明
するための図。
【図4】図1の装置による残容量推定方法を説明するた
めのフローチャート。
【図5】図1の装置による残容量推定の精度を説明する
ための図。
【符号の説明】
1…Ni−MHバッテリ、2…圧力センサ(内圧検出手
段)、3…温度センサ(温度検出手段)、9…変化率演
算手段、10…残容量推定手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni−MHバッテリの現在の残容量におけ
    る温度と内圧とを測定することにより該温度に対する該
    内圧の変化率または該内圧に対する該温度の変化率を求
    める第1の工程と、該変化率と前記バッテリの残容量と
    のあらかじめ定められた相関関係に基づいて前記測定に
    より得られた前記変化率の値に対応する残容量を求め、
    その求めた残容量を前記バッテリの現在の残容量として
    推定する第2の工程とから成ることを特徴とするNi−
    MHバッテリの残容量推定方法。
  2. 【請求項2】前記第1の工程は、前記バッテリの各種残
    容量における前記温度と内圧との相関関係を近似する温
    度・内圧特性直線のいずれもが略通る点としてあらかじ
    め定められた基準点と、前記残容量の推定に際して前記
    測定により得られた温度及び内圧に対応する測定点とを
    略通る直線の傾きを求め、その求めた直線の傾きにより
    前記変化率を求めることを特徴とする請求項1記載のN
    i−MHバッテリの残容量推定方法。
  3. 【請求項3】前記変化率と前記残容量との相関関係をあ
    らかじめ直線式により近似し、前記第2の工程は、該直
    線式と前記測定により得られた前記変化率の値とから該
    変化率の値に対応する残容量を求め、その求めた残容量
    を前記バッテリの現在の残容量として推定することを特
    徴とする請求項1記載のNi−MHバッテリの残容量推
    定方法。
  4. 【請求項4】Ni−MHバッテリの温度及び内圧をそれ
    ぞれ検出する温度検出手段及び内圧検出手段と、該温度
    検出手段及び内圧検出手段により検出された前記バッテ
    リの現在の残容量における温度及び内圧から該温度に対
    する該内圧の変化率または該内圧に対する該温度の変化
    率を求める変化率演算手段と、該変化率と前記バッテリ
    の残容量とのあらかじめ定められた相関関係に基づいて
    前記変化率演算手段により求められた前記変化率の値に
    対応する残容量を求め、その求めた残容量を前記バッテ
    リの現在の残容量として推定する残容量推定手段とから
    成ることを特徴とするNi−MHバッテリの残容量推定
    装置。
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