JPH0763516B2 - 電気機器又は操作用部品等を内装した開閉型操作盤内に発生した電気火災等の自動消火装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電気パネル内の火災を始めとし建造物火災、
油火災等の一般火災にも利用出来ることは勿論である。
特に電気パネル等の如く外部から遮蔽された配線やケー
ブル、又はリレー等複雑に組込まれた機器内で発生した
電気火災を早期に感知してて自動消火をする装置として
汎く利用するものである。

（従来の機能及び本発明の目的） 従来消防法等によって指定された一定規模以上の一般ビ
ルや、建造物、産業上のプラント施設や工場等における
防火対策としては、熱感知器、煙感知器及びスプリンク
ラー、その他化学消火剤等による防火、消火設備が設け
られ、これらはいづれも法的に規制されている。然し乍
らこれらの規制は何れも施設や、建造物の比較的規模構
造の広い屋内空間を対象とした警報設備又は消火設備で
ある。

しかし建造物、産業施設に多発している電気火災につい
ては、その火元が建物内の機械室や電力操作室に設置さ
れている電気機器を内蔵した大型操作盤等の内部配線か
らの発生に因ることが多く、これらの機器装置は通常外
部から遮蔽された電気パネル内に、多数の配線や、ケー
ブルによって複雑に組込まれているので、これら遮蔽さ
れた盤内の電気火災に対する消火手段は困難でいまだ適
切有効な消火装置は開発されていないばかりか、法によ
る防火設備の規制対象外となっている。

本発明は上述の主として電気火災を早期に発見し速やか
な自動的消火によって機器の損傷を防止しプラント等の
安全操業を保全する全く新規な消火装置の開発を目的と
したものである。

（本発明の解決すべき課題） 本発明の解決すべき課題としては， （Ａ）火災の発生が開閉型筐体内部で発生するので、外
部火災と異なり容易に火災の発見が出来ず尚かつどのパ
ネルが火災を発生しているのか確認手段がなかった。そ
の上初期の電線燃焼も酸素不足によってくすぶり火災に
移行するので、炎紫外線感知器と煙感知器のいづれかが
速やかに作用し、かつパネルの個別毎に移報表示手段を
備えた消火装置とすること。

（Ｂ）誤作動を防止する手段として炎と煙の発生によっ
て感知しても、予備警報の一定時間以下による不作動条
件と、一定時間以上の火災警報による作動条件とを判定
手段として消火剤を放出する消火装置とすること。

（Ｃ）消火装置は、自己電源即ちバッテリーを備え、か
つ筐体内設置に適応した強力なマグネットにより取付機
構とすること。

（Ｄ）消火剤は、火災による放出の外リーク等の不正常
検出表示その他の検知手段を備えていること。

（Ｅ）本装置の主電源は、DC9Vのバッテリーで作動する
設計仕様とし、この電源が5Vまで電圧が低下しても感知
器の機能及び消火剤の放出に不可欠なアクチュエーター
に支障を与えず、尚かつ最低６ヶ月を保持する機能を有
すること。

（Ｆ）本装置を取付けるに際しては既に運転中の器体に
損傷を与えず、然も任意のスペースに複雑な工具を用い
ず容易に、かつ簡便に脱着出来る構造であること。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記の課題を達成する手段として、第１図の装
置概要図に示すように紫外線火災感知器１と、煙感知器
２と、ハロン消火剤容器３、及び前記各機構の自動制御
部４及び火災の発生、消火剤放出の移報信号５とよりな
り、開閉型筐体内にΦ25mm×25mm以上の炎ｆによる紫外
線ｕ又は煙ｓが一秒以上継続して、紫外線火災感知器１
又は煙感知器２に入感した時予備警報を発し紫外線火災
感知器については連続20秒未満、煙感知器については連
続30秒未満の場合は前記各作動体が自動的にリセット制
御され、紫外線ｕ又は煙ｓの発生による感知が継続して
それぞれ前記時間を越えた場合は、連続した火災警報と
共にハロン消火ガスｇが筐体内に自動放出され、かつ火
災発生及び消火剤の放出もしくはリークの移報信号５が
移送表示されるように設けた構成を本発明装置の要旨と
し、本発明装置の機構は、開閉型筐体内の適切な位置に
取付ける為の強力マグネットを装着した装置本体11と、
その上部に突設したケースの前面パネルに表示ランプ
と、広角度に開放した紫外線火災感知器１を設け、その
下部の取付部に煙感知器２と警報ブザーを下設し、前記
それぞれの作動体をケースに内装したバッテリー電源及
び制御部４に回路接続すると共に、装置器枠の下端底部
の設置板上にハロン液化ガスを充填した消火剤容器３を
立設し、かつ容器上部の放出用アクチュエーター25を前
記制御部に回路接続し、更に移報信号５の接続部及び消
火剤の放出、又はリークの検知機構を設けると共に本体
フレームの背面にはパネルの固定用マグネットを装着し
た構成を要旨とするものである。

（本発明の作用） 本発明の自動消火装置については、第１図の概要図に示
した通りであるが、更に本装置システムによる自動制御
による消火作動系統、及びタイミングチャートを第２図
〜第５図において詳説する。

その場合本装置において配慮したのは、自動消火機能の
有効性を担保する手段として本装置の作動条件と不作動
条件との認定及び消火容器内の液剤の放出又はリークの
表示手段の設定であり、詳しくは筐体キャビネット内に
発生した電気火災の報知手段を炎感知器と煙感知器のブ
ザー警報を介して、ブザーの一定時間の断続鳴動による
消火器の不作動条件と前記それぞれの時間を超えた場合
の消火器の作動条件に制御され、更に消火容器内の液剤
の放出又はリークの移報表示作用による消火装置の信頼
性と確実性を図った。

すなわち本願消火装置を1m×1m×3mの筐体内に取付た場
合Φ25mm×25mm以上の炎が１秒以上火災感知器に入感し
た時予備警報を発し、更に継続して20秒以上火災感知器
に入感した場合、又は同様に煙が30秒以上イオン化式簡
易型煙感知器に入感した時、火災警報を発しハロン1301
消火剤を全域放出方式で放出する。

しかし、紫外線火災感知器の紫外線感知が20秒に達しな
い場合、煙感知器の煙感知が30秒に達しない場合は、不
作動条件として予備警報のみ発信するが、火災警報は発
信せずそれぞれ自動的にリセットされる制御手段を設定
した。

一方火災警報によるブザー信号は第１図、第３図に示す
伝達回路（有線又は無線）を介して防火センターや管理
室に移送表示され、火災信号については、係員のリセッ
ト操作によって一連の信号やブザー回路が停止する。

又火災による消火剤の正常放出、もしくはリーク等によ
る不正常検出についても移報信号によって管理センター
若しくは中央制御室等それぞれ個別に表示される。

（実施例） 次に本発明自動消火装置の機構について第６図〜第７図
により明らかする。

図面において11は消火装置をセットした長方形の装置本
体フレームで金属板で構成し、その上部に四角形の箱形
ケース12を突設し、ケース前面に火災の際に発生する炎
に含まれる紫外線を感知する紫外線火災感知器１を設け
る。

火災感知器は160゜の広角に開放した受光盤と中央の検
出管よりなり、出願人が開発した登録第1525284号特許
権（特公平１−第8879号）及び登録第1813821号実用新
案権（実公平１−第28432号）に係る炎感知器装置に係
り、ケースに内蔵した制御部４により煙感知器、消火剤
機構等他の各機構と共に本発明装置を制御する。

13は制御部に設けた紫外線火災感知器の警報ブザーであ
る。14は電源バッテリーＶのチェックランプ、15はリセ
ット押釦でテスト用を兼ねる。ケース12の下部に設けた
取付部16には、煙感知器２と警報ブザー17を下設し、取
付部に枢着した皿状のカバー−20で開閉自在に被着す
る。カバーの下面には網状に形成した多数のエア孔21を
設け、被着したカバーの上部開口部22との間に感知器２
への煙の出入を自在とする。

本体フレーム11の下部には、フレーム下端より状に突設
した取付部23上に消火剤容器３をセットし、ワンタッチ
で着脱容易なバンド24で固定する。

消火剤容器３には高圧の液化ガスハロン1301を充填し放
出の際ガス状に放出し被消火物に損傷を与えない性質の
消火ガスとする。

25は液化ガスの放出用アクチュエーターで制御部４との
間に連結部26に内蔵したセンサー等にコード27で接続す
る。

28は本体フレーム11の背面に取着した取付固定用のマグ
ネットである。29は本体フレームの上下の高さ調節ネジ
で長孔を介して調整する。

30は中央制御室又は管理センター等に第１図、第３図に
示す火災信号及び消火剤の放出又はリーク等を確実に表
示する信号５を移送する有線又は無線の接続端子で、本
発明装置を防火管理システムの一環として組込むことが
できる。

尚消火剤容器のバンド24には指示器18による消火剤の量
を示す目盛表示19による消火剤使用量を消火器の下部に
設けたスプリング31によって容易に視認する検知機構を
設ける。

32は本装置本体と消火ガスシリンダーを装着するための
ブラケットである。このブラケットはシリンダーの転倒
又は脱落を防止するためのものであってシリンダーがリ
ークのため重量が減少した場合上下動ガ出来る様緩くし
ておくものである。

本発明自動消火装置は上述の実施例機構をを適例とする
軽量かつ自動化したコンパクト型に構成しこれを電気器
機を内臓した大型筐体内の側壁等に本体フレーム11の背
面に取着したマグネット28を磁着固定する簡易な取付手
段により組込み内装するものである。

尚本実施例は設備態様に応じ適宜請求範囲内で設計変更
して実施する。

（本発明の効果） 上述した通り本発明は電気機器を内装した筐体キャビネ
ット内に発生した電気火災に対応した有効な自動消火装
置であって、筐体内部の隠蔽された発火場所について
も、炎による紫外線又は煙のいづれかにより早期に、而
も時間差を設けて感知する制御機能を備えているので、
筐体内に放出したハロンガスにより早期に、そして容易
かつ確実に消火できる効果がある。

従ってＡ、筐体内の電気火災の特殊性に応じた紫外線火
災感知器と、煙感知器を装備し、密閉されたキャビネッ
ト内の煙火災についても自装備の電源により火災の発生
信号が作動する特徴がある。

又Ｂ、火災警報については予備警報と火災警報に分け前
者を不作動条件、後者を作動条件とし消火装置の誤作動
による無用の消火起動を防止し、早期に、かつ確実な判
定手段により予備警報に止まった場合についても火災発
生のおそれを未然に防止する装置の保守、点検行為を促
す効果がある。

更にＣ、消火装置が機構的にコンパクトででかつマグネ
ットにより取付容易であり、Ｄ、火災信号の移報と共
に、消火容器に充填したハロン消火剤の正常放出量はも
とよりリーク等の不正常検出に対しても信号による移報
表示と装置内に設けた検知手段の併用によって装置の有
効性とメンテナンスの確実性、信頼性を昂めるものとし
た新規自動消火装置として提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の概要図、第２図は本発明装置の作
動系統図、第３図は同じくタイミングチャート図、第４
図は同じく制御ブロックを示す図、第５図は同じく装置
機構の正面図、第６図は同側面図を示す。 図面において１は紫外線火災感知器、２は煙感知器、３
は消火剤容器、４は制御部、５は移報信号、11は装置本
体フレーム、12はケース、13は火災感知器のブザー、15
はリセット押釦、17は煙感知器のブザー、18は指示器、
19は表示目盛、21はエア孔、22は開口部、24はバンド、
25は放出用アクチュエーター、28はマグネット、29は調
節ネジ、30は接続端子、31はスプリング、32はブラケッ
ト、ｆは火災、ｕは紫外線、ｓは煙、Ｖはバッテリーを
それぞれ示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紫外線火災感知器と、煙感知器と、ハロン
   消火剤容器と、前記各機構の自動制御部及び移報表示手
   段とよりなり、開閉型電気操作盤内にΦ25mm×25mm以上
   の火災より発する紫外線又は煙が一秒以上継続して紫外
   線火災感知器又は煙感知器に入感した時予備警報を発
   し、紫外線火災感知器については20秒未満、煙感知器に
   ついては30秒未満の場合は前記各作動体が自動的にリセ
   ット制御され、紫外線又は煙による感知が継続してそれ
   ぞれ前記時間を越えた場合は、連続した火災警報と共に
   ハロン消火ガスが筐体内に自動放出され消火を行い、か
   つ火災の発生信号及び消火剤の正常もしくはリーク等に
   よる不正常検出による移報信号表示、又は目視によるそ
   の他の検知手段を設けたことを特徴とする電気機器又は
   操作用部品等を内装した開閉型操作盤内に発生した電気
   火災等の自動消火装置
2. 【請求項２】開閉型電気操作盤内に取付ける装置本体
   と、その上部前面に設置した表示ランプ及び広角度に開
   放した紫外線火災感知器と、その下部に設けた煙感知器
   及び警報ブザーとよりなり、前記それぞれの作動体を内
   装した制御部に回路を接続すると共に、装置本体の下部
   に、液剤の充填量検知機構を附設したハロン消火剤容器
   を立設し、かつ容器上部に付設した消火剤放出用アクチ
   ュエーターを前記制御部回路に接続し、更に装置本体の
   背面には取付固定用マグネットを装着したことを特徴と
   する電気機器又は操作用部品等を内装した開閉型操作盤
   内に発生した電気火災等の自動消火装置