JPH0763363B2 - 融合細胞の取得方法 - Google Patents

融合細胞の取得方法

Info

Publication number
JPH0763363B2
JPH0763363B2 JP3356551A JP35655191A JPH0763363B2 JP H0763363 B2 JPH0763363 B2 JP H0763363B2 JP 3356551 A JP3356551 A JP 3356551A JP 35655191 A JP35655191 A JP 35655191A JP H0763363 B2 JPH0763363 B2 JP H0763363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
cells
cell
culture
basal medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3356551A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05176763A (ja
Inventor
秀昭 萩原
英雄 湯浅
Original Assignee
萩原 義秀
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 萩原 義秀 filed Critical 萩原 義秀
Priority to JP3356551A priority Critical patent/JPH0763363B2/ja
Priority to US07/991,596 priority patent/US5602027A/en
Priority to AU30229/92A priority patent/AU665594B2/en
Priority to IL10415792A priority patent/IL104157A/en
Priority to EP92311793A priority patent/EP0552569B1/en
Priority to TW081110356A priority patent/TW265364B/zh
Priority to KR1019920025534A priority patent/KR100280241B1/ko
Priority to DE69230930T priority patent/DE69230930T2/de
Priority to DK92311793T priority patent/DK0552569T3/da
Publication of JPH05176763A publication Critical patent/JPH05176763A/ja
Publication of JPH0763363B2 publication Critical patent/JPH0763363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/10Cells modified by introduction of foreign genetic material
    • C12N5/12Fused cells, e.g. hybridomas
    • C12N5/16Animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2510/00Genetically modified cells
    • C12N2510/02Cells for production

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、融合細胞の取得方法に関し、さ
らに詳しくは、制癌活性物質、インターェロン、インタ
ーロイキン、TNF、CSF、モノクローナル抗体等の
各種の有用な生理活性物質の生産能を有し且つ基礎培地
で増殖可能な融合細胞の取得方法に関する。
【0002】制癌活性物質、免疫賦活性物質、インター
フェロン、インターロイキン、TNF、CSF、モノク
ローナル抗体等のヒトに有用な各種の生理活性物質は、
通常、ヒトの株化細胞を用いて生産されているが、これ
らの株化細胞を培養する場合、一般には、基礎培地に5
〜10%(v/v)程度の仔牛血清を添加した完全細胞
培養培地や、基礎培地にインシュリン、トランスフェリ
ンなどのペプチド性成長因子を添加した完全細胞培養培
地が使用されている。
【0003】しかしながら、かかる完全細胞培養培地を
用いる株化細胞の培養法は、高価な仔牛血清や成長因子
を使用するために有用生理活性物質の生産コストが高く
なり及び/又はロット毎の有用生理活性物質の生産量の
バラツキが大きくなる、有用生理活性物質中に異種タン
パクが混入する等の問題があり、工業的規模での培養に
は不向きである。
【0004】そこで、本発明者らは、仔牛血清や成長因
子の添加を必要としない基礎培地で有用生理活性物質の
生産能を有する細胞を培養すれば、上記の如き問題点を
克服することができると考え、基礎培地で増殖可能な有
用物質生産性細胞を取得すべく研究を行なった。
【0005】その結果、基礎培地で増殖可能な動物細胞
と、目的の有用生理活性物質の生産能を有し、完全培地
で増殖するが基礎培地では実質的に増殖しない動物細胞
とを融合させることによって、上記目的を達成しうるこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明によれば、 (a) 基礎培地で増殖可能な動物細胞と、 (b) 有用物質の生産能を有し、完全培地で増殖する
が基礎培地では実質的に増殖しない動物細胞 を融合せしめ、そして有用物質の生産能を有し且つ基礎
培地で増殖可能な融合細胞クローンを採取することを特
徴とする有用物質の生産能を有し且つ基礎培地で増殖可
能な融合細胞の取得方法が提供される。
【0007】以下、本発明の方法についてさらに詳細に
説明する。なお、本明細書において、「基礎培地」と
は、アミノ酸類、塩類、糖、ビタミン類、微量元素等を
含有する動物細胞の培養に関して最低限度細胞を生かす
に必要な栄養源を有する培地である。たとえば、イーグ
ルの基礎培地、ダルベッコの基礎培地、L−15培地、
マッコイ5A培地、RPMI 1640培地、ハムF−
12培地などがあげられる。また、これらのうちのいく
つかを適当な割合で混合した培地も基礎培地に包含され
る。たとえば、ダルベッコの基礎培地とハムF−12培
地を1:1で混合したDF培地があげられる。また、
「完全培地」とは、基礎培地に各々の細胞の増殖、機能
発現にとって必要な栄養源を添加した培地であって、代
表的には、ウシ胎児血清を10%(v/v)程度添加し
たものがあげられる。さらに血清の代わりに、アルブミ
ン、トランスフェリンなどの担体タンパク質;インスリ
ン、ステロイドホルモンなどのホルモン類;EGFなど
の細胞成長因子;コラーゲン、フィブロネクチンなどの
細胞外マトリクス物質などを基礎培地に添加して、各々
の細胞の増殖機能発現を可能とした無血清培地も完全培
地に包含される。
【0008】さらに「有用物質」には、細胞が産生する
物質であって、ヒトを含めた動物種に対して重要な生理
活性をもつ物質が包含され、たとえば、造血因子エリス
ロポエチン、血栓溶解作用をもつTPA(ティシュー・
プラスミノーゲンアクチベーター)、ある種の癌腫に効
果があると言われているインターフェロン、ある特定の
抗原に反応するモノクローナル抗体、ヒトリンパ球を活
性化するインターロイキン、白血球の増殖を促すCSF
(コロニー・スティミュレイティング・ファクター)な
どがあげられる。
【0009】本発明の方法の主たる特徴は、前述したと
おり、 (a) 基礎培地で増殖可能な動物細胞[以下、動物細
胞(a)という]と、 (b) 有用物質の生産能をを有し、完全培地で増殖す
るが基礎培地では実質的に増殖しない動物細胞[以下、
動物細胞(b)という] とを融合せしめる点にある。
【0010】動物細胞(a)としては、細胞内又は細胞
外に、自己の増殖に必要な成長因子を分泌する能力のあ
る、いわゆるオートクリナル(autocrinal)
な性質を有するタイプの細胞株が包含され、例えば、A
431(ヒト、類表皮癌)、HeLa−P3(ヒト子宮
癌)、HuL−1−P3(ヒト胚肝臓)、MDCK−P
3(イヌ肝臓)、MDBK−P3(ウシ肝臓)、L−P
3(マウス胚)、JTC−21−P3(ラット肝臓)、
JTC−25−P3(ラット肝臓)、JTC−16−P
3(ラットヘトーマ)、RSP−2−P3(ラット脾
臓)、ヒト赤血白血病由来細胞株K−562等が挙げら
れる[上記においてカッコ内は細胞起源(種、組織)を
意味する]。
【0011】なお、本明細書において、「動物細胞」な
る語は、動物から採取したそのままの細胞のみならず、
それを遺伝子操作技術によって組み換え及び/又は融合
させることによって創製された細胞をも包含する意味で
使用する。
【0012】上記動物細胞(a)と融合せしめられる動
物細胞(b)は、前述した如き有用物質の生産能を有
し、完全培地で増殖する好ましくは、永久継代培養でき
るが基礎培地では実質的に増殖しないものであれば、特
に制限はなくどのような種類のものであってもよいが、
通常、少なくとも1種の選択マーカー、例えば抗生物質
耐性を有しているものが望ましい。そのような動物細胞
(b)の具体例としては、インターフェロンαの生産能
をもつBALL−1細胞、インターフェロンαの生産能
をもつNAMALWA細胞、種々の癌細胞由来の細胞株
に対して結合能を有するIgMモノクローナル抗体の生
産能をもつTOS/H8ハイブリドーマ;IL−1の生
産能を有するTHP−1細胞又はU−937細胞;IL
−2生産能を有するJurkat細胞又はHuT−78
細胞CSF、L−2又はインターフェロンの生産能
を有するMo細胞等が挙げられる。
【0013】動物細胞(a)と動物細胞(b)の融合は
それ自体既知の方法、例えば、Hideaki Hagiwara and J
unzo Nagao,J.Immunol,Methods,135、263−
271(1990)等の文献に記載されている方法によ
って行なうことができる。
【0014】例えば、融合操作は、液媒中で融合促進剤
の存在下に動物細胞(a)と動物細胞(b)とを接触さ
せることにより行なうことができる。ここで使用しうる
融合促進剤としては、例えば、仙台ウィルス(HV
J)、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。ま
た、液媒の例としては、水、生理食塩水、5%ジメチル
スルホキシド水溶液、5%グリセリン水溶液などが挙げ
られる。
【0015】しかして、融合操作は、例えば、上記の如
き水性媒体中において、上記の如き融合促進剤の存在下
に、所望により緩かに撹拌して系を均一にし、次いで動
物細胞(a)と動物細胞(b)とからなる融合細胞が形
成されるに充分な時間、例えば数分間のオーダーで静置
することにより目的とする融合細胞を形成せしめること
ができる。
【0016】このようにして融合細胞が産生された系
を、例えば、遠心分離により細胞群を集め、再び適当な
基礎培地、たとえば動物細胞(b)がある種の薬剤に対
する耐性を持っていれば、その薬剤を加えた基礎培地に
該細胞群を分散させ、この分散液をたとえば組織培養用
96穴プレートに一定量ずつ分注し、たとえば5%CO
2存在下37℃で培養する。各穴中の培養液をたとえば
3日毎に新しい培地と交換し、たとえば2週間培養を続
けた後、顕微鏡下で融合細胞の有無を調べ、コロニーの
認められた穴の培養液を採取し、たとえば、ELISA
法を用いて培養液中の目的とする有用物質の有無を検出
する。
【0017】有用物質の産生が認められたコロニーを新
しい培養液に移して培養し、融合細胞を増殖させること
により融合細胞クローンを得ることができる。更に、必
要に応じてサブ・クローニングして有用物質生産能のす
ぐれたクローンを得ることができる。
【0018】以上に述べた如くして採取される本発明の
融合細胞は、動物細胞(b)の形質に由来する有用物質
の生産能を有しており、しかも基礎培地で継代的に増殖
(培養)が可能なものである。
【0019】従って、本発明の方法によって提供される
融合細胞は、従来のように、高価な仔牛血清や各種成長
因子無添加の培地で培養増殖を行なうことができ、培養
コストの大幅な低減化を図ることができる。また、本発
明によれば、各ロット各に変動する活性を有している血
清や成長因子類を採用することなく安定した細胞培養が
可能であり、培地作製時に各種成長因子類の管理、秤
量、調製操作がいらず簡便な培地作製ができる。さら
に、本発明の方法によれば、多種の未知の栄養因子を含
んでいる血清などと異なり調製時の培地組成が明らかで
あり、かつ単純であるため、細胞の増殖、有用物質の産
生に影響を与える因子の検討を容易に行なうことができ
る。また、得られる融合細胞は、基礎培地中に有用物質
を産生するため、有用物質の精製の際に血清を含む培地
や成長因子類を含む培地に比べて、除去すべき有用物質
以外の物質が圧倒的に少なく、精製工程の簡略化が可能
となる等、種々の利点がある。
【0020】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1:基礎培地で増殖可能な動物細胞A431のク
ローニング 類表皮癌由来細胞株A431(ATCC CRL 155
5)より基礎培地のみで増殖するクローンを得るため
に、次のようにしてセルクローニングを行った。まず、
ハイブリドーマ・ティシュー・カルチャー・ディッシュ
(グライナー社、カタログ No.633160)に、A4
31 104個をDF培地(DMEM:F−12=1:
1)5mlに懸濁してまいた。37℃、5%CO2条件
下で約1週間培養後、約300個のウェルに細胞の増殖
が見られた。このうち、特に増殖のよいウエル10個を
選んで、96ウェルプレートに移し培養した。この中か
ら特に増殖の良いクローン3個を選び、24ウェルプレ
ート、6ウェルプレート、10cmディッシュと順次培
養スケールを大きくして細胞を増やした。一部を凍結保
存後、1つのクローンを用いて増殖曲線の作成を行っ
た。このクローンをA431cと命名する。
【0022】φ=60mmの組織培養用ディッシュに、
1枚当り104個のA431cをまき、37℃、5%C
2条件下で培養を開始した。約24時間毎に細胞の測
定を行つた。細胞の測定は、培地を吸引除去後、0.2
5%トリプラン及び0.02%EDTAを含むPBSに
より細胞をはがし、コールターカウンターを用いて実施
した。その結果を図1に示す。培養開始後、A431c
は、約15時間の培化速度で増殖した。5日間培養後、
培地は黄色となり増殖は止まるが、新しい培地に置きか
えると再び増殖を開始し、2×106個まで増殖しコン
フルエントに達した。
【0023】実施例2:A431cとTOS/H8ハイ
ブリドーマとの細胞融合 実施例1で得られたA431cとTOS/H8ハイブリ
ドーマ[Hideaki Hagiwara and
Junzo Nagao,J.Immunol,Met
hods,135、263−271(1990)参照]
の細胞融合を行った。TOS/H8は、6−チオグアニ
ン及びウバイン耐性のヒトリンパ芽球HIH/T
1と胃癌患者由来リンパ球との細胞融合により得られた
ヒト・ヒトハイブリドーマであり、種々の癌細胞由来細
胞株に対して結合能を有するIgMモノクローナル抗体
を分泌する。
【0024】融合は Hagiwara らの方法[H
ideaki Hagiwaraand Junzo
Nagao,J.Immunol,Methods,1
35、263−271(1990)]に従って行なっ
た。すなわち、対数増殖期のA431c 1.2×10
個及び、TOS/H8 5.5×10個を50ml
の遠心チューブ内で混合し、1500回転、15分遠心
した。上清を除去し、細胞ペレットに50%(v/v)
ポリエチレングリコール1540を1ml滴下する。そ
の後、2分毎に、DF培地を1ml、2ml、4ml、
8mlの順に加える。500回転、5分間の遠心後、上
清を除去し、10mlのDF培地を静かに加えゆっくり
細胞ペレットをほぐす。96ウェルプレートに細胞懸濁
液を1ウェル当り100μlとなるように分注し、37
℃、5%CO条件下で培養する。1晩培養後10−6
Mウバインを含むDF培地を1ウェル当り100μl
添加する。さらに1晩培養後、培地の交換、すなわち、
100μlの培地を除き、新たに、100μlのウアバ
インを含むDF培地を添加した。その後、2〜3日毎に
培地の交換を行ないながら培養を継続した。約1ケ月培
養後、96ウェルプレートのすべてのウェル内の細胞を
24ウェルプレートに移し、培養を継続した。24ウェ
ルプレートで特に増殖のよいクローン5個選んで培養ス
ケールを上げた。一部を凍結保存し、1つのクローンを
用いて限界希釈法によるクローニングを行ない6個のク
ローンを得た。この中で最も抗体産生のよかったものを
TriH8と命名した。
【0025】実施例3:TriH8の基礎培地中での増
殖及び抗体産生 TriH8のDF培地中での増殖及び抗体産生量を調べ
た。DF培地30mlに、TriH8が1ml当り10
個となるように接種し、37℃、5%CO条件下で
培養を開始した。対象としてTOS/H8をDF培地及
び10%FBSを含むDF培地で培養して比較した。約
24時間毎に、培養液のサンプリング、細胞数の測定を
行った。細胞数の測定はコールターカウンターを用いて
行なった。抗体産生量は次の方法で測定した。イムノ・
アッセイ用96ウェルプレート(ヌンク社)に、抗ヒト
IgM抗体(Cppel社)1μg/mlを100μ
l分注後、37℃で30分インキュベートする。0.3
%ゼラチンを含むリン酸緩衝生理食塩水(ゼラチン・バ
ッファー)により洗浄後、1%(w/v)ウシ・血清ア
ルブミンによりブロッキングを行なう。洗浄後、標準ヒ
トIgM及び被検サンプルを希釈したものを50μl分
注し、37℃、1時間インキュベートする。洗浄後、ペ
ルオキシダーゼ結合抗ヒトIgM抗体(タゴ社)を10
0μl分注し、37℃、30分インキュベートする。こ
の間に、基質溶液を作成する。12mgの塩酸o−フェ
ニレンジアミンを30mlのクエン酸バッファー(pH
5.0)に溶解し、30%Hを6μl加えて基質
溶液とする。洗浄後、基質溶液50μl加えて暗所にて
15分反応させる。5N HSOを50μl添加し
て反応を止め、マイクロ・プレートリーダー(コロナ
社)にて492nmの吸光度を測定した。標準曲線より
抗体濃度を決定した。増殖及び抗体産生量を図2に示
す。TriH8はDF培地中で30〜40時間の培化時
間で増殖する。TOS/H8はDF培地中ではほとんど
増殖しなかった。抗体産生に関しては特異性、生産量と
もにTOS/H8の性質を具現していた。
【0026】次に、数代の継代培養が可能かどうかを調
べた。DF培地30mlに105個/mlとなるように
TriH8を接種し、3日〜4日培養後、再び105
/mlで培養を始める。これを繰り返し、各代の培養終
了時の抗体産生量を測定した結果が25代目まで継続培
養を行なっても抗体生産が枯かつすることなく続いた。
【0027】実施例4:TriH8の細胞化学的な分析 (1)相対DNA含量の比較 TriH8がA431とTOS/H8の融合によって得
られた細胞かどうかを確かめるために、セルソーターに
よる相対DNA含量の比較を行った。
【0028】細胞を70%(v/v)エタノールで固定
し、洗浄後、RNase処理を37℃、30分行った。
蒸留水で洗浄後、50μg/mlのプロピデイウム・ア
イオダイドを室温で20min反応させた。蒸留水で洗
浄後、適当な濃度に希釈し、セルソーターによる分析を
行った。
【0029】TOS/H8及びTriH8の分析結果を
図3に示す。TriH8のピークがTOS/H8のもの
に比べて右へシフトしているのがわかる。すなわち、相
対DNA含量が多くなっていることを示している。
【0030】(2)細胞表面EGFリセプターの存在 A431が細胞表面に異常に多くのEGF(上皮細胞成
長因子)リセプターを発現していることはよく知られた
事実である。TriH8がA431cとの融合により得
られたものであれば、TriH8の細胞表面にもEGF
リセプターが存在するはずである。次の方法でTriH
8、TOS/H8及びA431cの各細胞表面のEGF
リセプターの存在を調べた。
【0031】まず細胞をDF培地で洗浄後、3.5%ホ
ルムアルデヒドで室温、5分間の固定を行った。PBS
で洗浄後、0.5%スキムミルクで、37℃、30分ブ
ロッキングを行った。洗浄後、マウス抗ヒトEGFリセ
プター抗体(UBI社)を37℃で1時間反応させた。
洗浄後FITC(fluorescent isoth
iocyanate)結合ヤギ抗マウスIgG抗体(C
ppel社)を37℃で30min反応させた。洗浄
後、蛍光顕微鏡により観察した。その結果、TOS/H
8ではEGF−リセプター陰性であるが、TriH8、
はEGF−リセプター陽性であった。
【0032】(3)EGFに対する反応性 A431は細胞表面にEGFリセプターを発現している
一方、培養液中にEGFを添加すると増殖が抑制される
[DAVID W.BARNES,J.Cell Biol.,93、1(198
2)、参照]。A431cと融合して得られたTriH
8がEGFの影響を受けるかどうか調べた。
【0033】24ウェルプレートに、A431c及びT
riH8を1ウェル当り104個となるようにDF培地
に懸濁し、分注した。それにヒトEGF(UBI社、N
O.01−107)を0〜10μg/mlとなるように
添加し培養を開始した。7日間培養後、A431cは培
養液を吸引除去後、プレートに付着している細胞をED
IA−トリプシン溶液によりはがし、コールターカウン
ターにより細胞数を測定した。TriH8は抗体濃度測
定のために、一部培養液をサンプリングした後、コール
ターカウンターにより細胞数の測定をした。
【0034】A431cは5μg/mlで対照の15%
しか増殖せず、10μg/ml以上ではほとんどの細胞
が死滅してしまった。一方、TriH8は1μg/ml
以上で増殖抑制傾向が見られた。そこで、EGF濃度を
50μg/mlまで上げて同様の実験を行った。対象と
してTOS/H8を用いた。TOS/H8は血清入り培
地中での増殖に関してEGFによりほとんど影響を受け
ないのに対して、TriH8は10μg/mlで急激に
細胞が減少し、濃度が上がるにつれて増殖が抑制され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1でクローン化されたA431c
の増殖曲線(DF培地中)であり、
【図2】図2はTriH8及びTOS/H8のDF培地
中で増殖及び抗体産生量のグラフであり、
【図3】図3はTriH8及びTOS/H8の相対DN
A含量を比較したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 基礎培地で増殖可能な動物細胞
    と、 (b) 有用物質の生産能を有し、完全培地で増殖する
    が基礎培地では実質的に増殖しない動物細胞 を融合せしめ、そして有用物質の生産能を有し且つ基礎
    培地で増殖可能な融合細胞クローンを採取することを特
    徴とする有用物質の生産能を有する基礎培地で増殖可能
    な融合細胞の取得方法。
JP3356551A 1991-12-25 1991-12-25 融合細胞の取得方法 Expired - Fee Related JPH0763363B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3356551A JPH0763363B2 (ja) 1991-12-25 1991-12-25 融合細胞の取得方法
US07/991,596 US5602027A (en) 1991-12-25 1992-12-16 Cell line TriH8 obtained by the fusion of the human epidermoid carcinoma cell line A431 with the TOS/H8 hybridoma
AU30229/92A AU665594B2 (en) 1991-12-25 1992-12-16 Method for obtention of fused cell
IL10415792A IL104157A (en) 1991-12-25 1992-12-18 Method for obtaining fused cells
EP92311793A EP0552569B1 (en) 1991-12-25 1992-12-24 Method for obtention of fused cell
TW081110356A TW265364B (ja) 1991-12-25 1992-12-24
KR1019920025534A KR100280241B1 (ko) 1991-12-25 1992-12-24 융합 세포의 수득방법
DE69230930T DE69230930T2 (de) 1991-12-25 1992-12-24 Verfahren zur Herstellung von fusionierten Zellen
DK92311793T DK0552569T3 (da) 1991-12-25 1992-12-24 Fremgangsmåde til opnåelse af fusioneret celle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3356551A JPH0763363B2 (ja) 1991-12-25 1991-12-25 融合細胞の取得方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05176763A JPH05176763A (ja) 1993-07-20
JPH0763363B2 true JPH0763363B2 (ja) 1995-07-12

Family

ID=18449596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3356551A Expired - Fee Related JPH0763363B2 (ja) 1991-12-25 1991-12-25 融合細胞の取得方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US5602027A (ja)
EP (1) EP0552569B1 (ja)
JP (1) JPH0763363B2 (ja)
KR (1) KR100280241B1 (ja)
AU (1) AU665594B2 (ja)
DE (1) DE69230930T2 (ja)
DK (1) DK0552569T3 (ja)
IL (1) IL104157A (ja)
TW (1) TW265364B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5251936A (en) * 1991-06-05 1993-10-12 Fitzgibbons Gary W Overlap check construction or similar business form
US5643745A (en) * 1994-02-03 1997-07-01 University Of Hawaii Heterologous dimeric proteins produced in heterokaryons
US5683899A (en) 1994-02-03 1997-11-04 University Of Hawaii Methods and compositions for combinatorial-based discovery of new multimeric molecules

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4594325A (en) * 1981-03-26 1986-06-10 The Regents Of The University Of Calif. High fusion frequency fusible lymphoblastoid cell line
JPS60141285A (ja) * 1983-12-29 1985-07-26 Hironori Murakami ヒトハイブリド−マ作成用親細胞株
US4757018A (en) * 1985-02-11 1988-07-12 Hazleton Biotechnologies, Inc. Myeloma cell lines and uses thereof
JP2599123B2 (ja) * 1985-12-28 1997-04-09 萩原 義秀 新規なヒトbセル・リンパ芽球細胞変異株
WO1987005929A1 (en) * 1986-04-01 1987-10-08 Genelabs Incorporated Immortalized cells which produce tissue-specific products
IL87737A (en) * 1987-09-11 1993-08-18 Genentech Inc Method for culturing polypeptide factor dependent vertebrate recombinant cells

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05176763A (ja) 1993-07-20
TW265364B (ja) 1995-12-11
DK0552569T3 (da) 2000-07-17
AU665594B2 (en) 1996-01-11
US5602027A (en) 1997-02-11
DE69230930D1 (de) 2000-05-25
AU3022992A (en) 1993-07-01
IL104157A (en) 1999-06-20
EP0552569A1 (en) 1993-07-28
KR930013098A (ko) 1993-07-21
KR100280241B1 (ko) 2001-04-02
IL104157A0 (en) 1993-05-13
EP0552569B1 (en) 2000-04-19
DE69230930T2 (de) 2000-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100416680B1 (ko) 세포 융합 방법에 의한 다성분 단백질의 제조
US20060073591A1 (en) Cell culture media
JP2011518790A (ja) ポリクローナルタンパク質を製造する方法
JP6972022B2 (ja) グルタミンシンセターゼ遺伝子内相補ベクターを用いた高レベルのヘテロマータンパク質発現細胞の直接選択
CN101815786A (zh) 来自多个核酸的蛋白质表达
JP2002531125A (ja) 哺乳類遺伝子発現のためのヒトハイブリッド宿主細胞
JP2022022475A (ja) 細胞培養プロセス
US8859278B2 (en) Fully human hybridoma fusion partner cell lines
CN101010341A (zh) 包含与抗原偶联的ⅱ类mhc配体的疫苗组合物、其制备方法和用途
EP2009094B1 (en) Fusion partner cells
JPH0763363B2 (ja) 融合細胞の取得方法
CN114395041B (zh) 一种制备抗il-12和/或il-23单克隆抗体的方法
US8361790B2 (en) Human host cell for producing recombinant proteins with high quality and quantity
US20200172615A1 (en) Novel method for producing antibodies
US20180237538A1 (en) RECOMBINANT HUMAN IgM-ANTIBODY EFFECTIVE AGAINST CANCER CELLS
JP6232907B2 (ja) 融合細胞およびその作製方法
CA2005744A1 (en) Method for transforming human b lymphocytes
WO2021060467A1 (ja) 巨核球前駆細胞および巨核球細胞の製造方法並びに得られた巨核球前駆細胞および巨核球細胞
US8563303B2 (en) Method for increasing recloning efficiency
JP3415840B2 (ja) 外来蛋白質の産生方法
AU768101B2 (en) Production of a multimeric protein by cell fusion method
Hay Development, Availability and Characterization of ATCC Human and Animal Cell Lines
WO1991016418A1 (en) Feeder cells for monoclonal antibody production

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees