JPH0763131B2 - 表面波装置の周波数調整方法 - Google Patents

表面波装置の周波数調整方法

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JPH0763131B2
JPH0763131B2 JP60051336A JP5133685A JPH0763131B2 JP H0763131 B2 JPH0763131 B2 JP H0763131B2 JP 60051336 A JP60051336 A JP 60051336A JP 5133685 A JP5133685 A JP 5133685A JP H0763131 B2 JPH0763131 B2 JP H0763131B2
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道雄 門田
利昭 池田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、表面波基板上に薄膜を形成して表面波装置
の周波数調整を行なう方法に関するものである。
発明の概要 この発明は、表面波装置の周波数調整方法において、 表面波基板上にポリイミド系樹脂からなる薄膜をスプレ
ーにより形成し、その形成される膜厚を変えることによ
り、 表面波装置の周波数調整を行なおうとするものである。
従来の技術 表面波装置において、電極形成後に周波数調整を行なう
ことは、実用上、ほとんど不可能であるとされていた。
なぜなら、周波数特性は、表面波伝搬速度(音速)に依
存するが、この音速は表面波基板の材料によって決まっ
てしまうからである。なお、表面波基板上に薄膜を形成
することにより、表面波装置の周波数特性が変わること
が知られているが、これは、わずかに実験室レベルの規
模でしか実施されておらず、未だ実用化には至っていな
い。
上述した周波数調整のために用いられる薄膜材料として
は、SiO2、Al2O3等の無機材料、あるいは、エポキシ系
樹脂、シリコーン系樹脂などの有機材料がある。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述の材料を用いての薄膜形成には、以
下のような欠点があった。
まず、Si02、Al2O3などの無機薄膜は、その膜形成にス
パッタや電子ビーム蒸着などの手法を用いなければなら
ず、そのため、装置が大形化されるとともに、長時間を
要するという欠点を有している。
他方、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などの有機薄
膜は、膜形成については容易であるが、この薄膜により
表面波が吸収,ダンピングされ、結果として、表面波の
伝搬損失および変換損失が大きくなるという欠点を有す
る。
また、エポキシ系樹脂の場合、有機溶剤に溶けやすいと
いう欠点もある。有機溶剤は、次のような2つの典型的
な場面で、表面波装置と接する可能性がある。第1に、
バルク波を除去するために、表面波基板の裏面に溝また
は凹凸を形成することがある。この場合、サンドブラス
ト等の実施により汚れた表面波装置をイソプロピルアル
コールのような有機溶剤で洗浄することが行なわれる。
第2に、表面波装置を樹脂モールドする場合がある。こ
の場合、樹脂には、酢酸エチル、アセトン、各種アルコ
ールなどの有機溶剤が含まれている。このような意味か
ら、上述の薄膜は、有機溶剤に耐え得る材料でなければ
ならない。
また、エポキシ系樹脂などの有機材料による薄膜形成に
は、加熱による硬化処理を行なわなければならない。こ
の場合、エポキシ系樹脂の硬化処理には、比較的高温を
必要とするため、たとえばアルミニウムなどから構成さ
れる電極やZnOなどから構成される圧電薄膜が腐蝕され
るおそれもある。
そこで、この発明は、上述の従来技術の欠点を解消し、
簡単に薄膜形成ができ、薄膜形成による伝搬損失および
変換損失も少なく、有機溶剤に強い、薄膜形成による表
面波装置の周波数調整方法を提供するものである。
問題点を解決するための手段 この発明は、特に基板上に圧電薄膜が形成されてなる表
面波基板を備える表面波装置の周波数調整方法に向けら
れるものであって、上述した技術的課題を解決するた
め、薄膜を、表面波基板のインターディジタルトランス
デューサが設けられた領域を覆うようにスプレーにより
形成するとともに、薄膜としてポリイミド系樹脂を用
い、その形成される膜厚を変えることにより周波数調整
を行なおうとするものである。
発明の作用効果 この発明によれば、ポリイミド系樹脂に適当な希釈剤を
加えることにより、その粘度を調整すれば、スプレーを
用いて簡単に薄膜を形成することができる。このとき、
適当なマスクを用いると、表面波装置の周波数調整を所
望する箇所にのみ選択的に薄膜を形成することが容易で
ある。
そして、ポリイミド系樹脂の場合には、このようなマス
クの裏側にまで回り込むことがないことが確認されてい
るので、薄膜が形成される領域を厳密に限定することが
できる。これらのことから、ポリイミド系樹脂を用いる
ことにより、膜厚が均一な薄膜が得られ、たとえばスプ
レーの時間を調整するだけで膜厚の制御が可能となる。
表面波装置の周波数は、この膜厚に依存し、膜厚を変え
ることにより、周波数調整ができる。すなわち、膜厚を
増すことにより周波数を下げる方向に調整することがで
きる。このようなことから、所望の周波数からずれた表
面波装置にこの発明を適用すれば、製造される表面波装
置の良品率を大幅に向上させることができる。
また、ポリイミド系樹脂からなる薄膜は、前述したエポ
キシ系樹脂やシリコーン系樹脂の薄膜に比べて、それが
形成されたとしても、基板上に圧電薄膜を形成してなる
表面波基板上に形成される場合には、表面波の伝搬損失
および変換損失の増加が少ないことがわかった。したが
って、伝搬損失および変換損失を増大させるどの問題を
引起こすことなく、周波数を下げる方向への周波数調整
を簡単に行なうことができる。
また、ポリイミド系樹脂は、ほとんどの有機溶剤によっ
て侵されることがないので、表面波装置の有機溶剤によ
る洗浄や樹脂モールドを問題なく行なうことができる。
また、ポリイミド系樹脂は、200〜250℃という比較的低
い温度で硬化処理できるので、アルミニウム電極やZnO
のような圧電薄膜等の腐蝕を生じさせることはない。ま
た、硬化処理されたポリイミド系樹脂からなる薄膜は、
酸化されやすいアルミニウム電極等の保護膜としても働
く。
実施例 第1図は、表面波基板1上にポリイミド系樹脂からなる
薄膜を形成する状態を図解している。図示されないが、
表面波基板1には、既に電極が形成されている。表面波
基板1上には、たとえばステンレスからなるマスク2が
配置される。これによって、薄膜の形成は、マスク2の
窓3が形成された部分に限定される。第1図に示す表面
波基板1は、後で切断して複数個の表面波装置を得るこ
とが意図されていて、各窓3に対応して1個の表面波装
置が得られる。窓3の形状および大きさは、表面波装置
に含まれる端子電極に薄膜が形成されないように考慮さ
れる。
薄膜を構成するポリイミド系樹脂は、スプレーガン4の
ような簡単なスプレー装置で表面波基板1上に付与され
る。スプレーによる場合、ポリイミド系樹脂は、たとえ
ばN−メチルピロリドンを主成分とする希釈剤で10〜60
cpsの粘度状態に希釈されて、スプレーガン4に供給さ
れる。ポリイミド系樹脂の薄膜の厚みは、スプレー時間
および粘度により容易に調整することができる。
第2図は、得られた表面波装置の一例としての、表面波
フィルタの一部を断面図で示したものである。ここに例
示した表面波フィルタは、ガラス等の誘電体基板5上に
ZnOなどの圧電薄膜6を形成して表面波基板1を構成し
たものである。誘電体基板5上には、インターディジタ
ルトランスデューサ(IDT)7が形成されている。圧電
薄膜6上には、少なくともIDT7が設けられた領域を覆う
ように、第1図に示すスプレー工程を経てその後硬化処
理されたポリイミド系樹脂からなる薄膜8が形成されて
いる。その薄膜は“h"で表わされる。
第3図および第4図は、それぞれ、表面波フィルタの挿
入損失および6dBバンド幅の中心周波数foの変化量の、
ポリイミド薄膜8の膜厚hへの依存性を示すグラフであ
る。なお、比較例として、ポリイミド薄膜8に代えてシ
リコーン系樹脂からなる薄膜を形成した場合も併せて示
されている。
第3図および第4図を併せて参照することにより、この
発明にかかるポリイミド薄膜8によれば、挿入損失をあ
まり増加させることなく、中心周波数foを低下させるこ
とができる。たとえば、挿入損失の増加を約+1dBまで
許容すれば、ポリイミド薄膜では、中心周波数foを1%
低下させることができるのに対し、シリコーン薄膜で
は、約0.4〜0.5%しか低下させることができない。さら
に、シリコーン薄膜では、膜厚が大きくなるにつれて、
挿入損失の増加が極めて大きくなり、実用的でないこと
がわかる。
なお、この発明が適用される表面波装置としては、上述
したようなフィルタには限らない。その他、表面波共振
器、表面波発振器、遅延線などにも同様に適用可能であ
る。
また、ポリイミド薄膜8が形成される領域は、表面波基
板1上の端子電極が形成された領域を除く全領域であっ
てもよいが、一部だけでもよい。たとえば、表面波共振
器の場合、インターディジタルトランスデューサの部分
だけにポリイミド薄膜を設けても、インターディジタル
トランスデューサおよびリフレクタの両部分にポリイミ
ド薄膜を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例によるポリイミド薄膜を
形成するための工程を図解したものである。第2図は、
ポリイミド薄膜8が表面波基板1上に形成された状態を
示す表面波フィルタの断面図である。第3図は、表面波
フィルタの挿入損失の増加の膜厚に対する依存性を、ポ
リイミド薄膜とシリコーン薄膜との比較で示したグラフ
である。第4図は、表面波フィルタの6dBバンド幅中心
周波数foの変化量の膜厚に対する依存性を、ポリイミド
薄膜とシリコーン薄膜との比較で示したグラフである。 図において、1は表面波基板、4はスプレーガン、5は
誘電体基板、6はZnO圧電薄膜、7はインターディジタ
ルトランスデューサ、8はポリイミド薄膜である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−180318(JP,A) 特開 昭56−149813(JP,A) 実開 昭58−158527(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に圧電薄膜を形成してなるものであ
    ってインターディジタルトランスデューサが設けられた
    表面波基板上に薄膜を形成して表面波装置の周波数調整
    を行なう方法において、 前記薄膜を、少なくとも前記インターディジタルトラン
    スデューサが設けられた領域を覆うようにスプレーによ
    り形成するとともに、前記薄膜としてポリイミド系樹脂
    を用い、その形成される膜厚を変えることにより周波数
    調整を行なうことを特徴とする表面波装置の周波数調整
    方法。
JP60051336A 1985-03-13 1985-03-13 表面波装置の周波数調整方法 Expired - Lifetime JPH0763131B2 (ja)

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JPS56149813A (en) * 1980-04-23 1981-11-19 Fujitsu Ltd Elastic surface wave device
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JPH0642618B2 (ja) * 1984-02-28 1994-06-01 日本無線株式会社 弾性表面波フィルタ

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