JPH0763016A - エンジンの吸気装置 - Google Patents
エンジンの吸気装置Info
- Publication number
- JPH0763016A JPH0763016A JP23434293A JP23434293A JPH0763016A JP H0763016 A JPH0763016 A JP H0763016A JP 23434293 A JP23434293 A JP 23434293A JP 23434293 A JP23434293 A JP 23434293A JP H0763016 A JPH0763016 A JP H0763016A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- intake
- valve
- port
- cylinder
- engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 1気筒当たり3個の吸気弁を用いて吸気装置
を構成するに当たり、中央の吸気弁の下方に点火時に影
ができないようにする。 【構成】 中央の吸気弁11の傾斜角度αを、図11の
角度β以上とした。角度βを、発火点26aと弁体下面
の端点11cとを通る仮想線Pと、シリンダ軸心から端
点11cへ向きかつシリンダ軸線Cとは直交する仮想線
C2 とのなす角度とした。中央の吸気弁11の下面は発
火点26aに対して全面が露呈するから、点火時に影と
なる部分がなくなる。したがって、点火時に火炎が中央
の吸気弁にもその下面全域にわたって伝わるから、未燃
ガスが生じなくなり燃焼効率が向上する。
を構成するに当たり、中央の吸気弁の下方に点火時に影
ができないようにする。 【構成】 中央の吸気弁11の傾斜角度αを、図11の
角度β以上とした。角度βを、発火点26aと弁体下面
の端点11cとを通る仮想線Pと、シリンダ軸心から端
点11cへ向きかつシリンダ軸線Cとは直交する仮想線
C2 とのなす角度とした。中央の吸気弁11の下面は発
火点26aに対して全面が露呈するから、点火時に影と
なる部分がなくなる。したがって、点火時に火炎が中央
の吸気弁にもその下面全域にわたって伝わるから、未燃
ガスが生じなくなり燃焼効率が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1気筒当たり3個の吸
気弁を備えたエンジンの吸気装置に関し、特に吸気弁の
構造に関するものである。
気弁を備えたエンジンの吸気装置に関し、特に吸気弁の
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの吸排気弁には軽量化を
図るために弁体の底面にリセスを設けることがある。こ
のリセスは弁体中央の底面を平面視円形に凹ませて形成
されていた。
図るために弁体の底面にリセスを設けることがある。こ
のリセスは弁体中央の底面を平面視円形に凹ませて形成
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このリセス
が形成された吸排気弁を1気筒当たり3個の吸気弁を備
えた吸排気弁装置に採用すると、燃焼効率が低下してし
まうという問題があった。これは、3個の吸気弁のうち
中央の吸気弁のリセス内に未燃ガスが残り易いからであ
った。
が形成された吸排気弁を1気筒当たり3個の吸気弁を備
えた吸排気弁装置に採用すると、燃焼効率が低下してし
まうという問題があった。これは、3個の吸気弁のうち
中央の吸気弁のリセス内に未燃ガスが残り易いからであ
った。
【0004】すなわち、吸気弁を1気筒当たり3個設け
ると、中央の吸気弁はカム軸方向から見た場合にシリン
ダ軸線に対する傾斜角度が両側の吸気弁や排気弁より小
さくなってその下面が他の弁に較べて水平に近くなる。
このため、下面にリセスが形成されている場合、リセス
内は点火プラグの発火点から見たときにリセス周縁部の
影になり易く、リセス内に存在する混合気には火炎が伝
播し難くなってしまう。
ると、中央の吸気弁はカム軸方向から見た場合にシリン
ダ軸線に対する傾斜角度が両側の吸気弁や排気弁より小
さくなってその下面が他の弁に較べて水平に近くなる。
このため、下面にリセスが形成されている場合、リセス
内は点火プラグの発火点から見たときにリセス周縁部の
影になり易く、リセス内に存在する混合気には火炎が伝
播し難くなってしまう。
【0005】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、1気筒当たり3個の吸気弁を用いて
吸気装置を構成するに当たり、中央の吸気弁の下方に点
火プラグから見て影となる部分が存在しないようにし、
燃焼効率を高めることを目的とする。
になされたもので、1気筒当たり3個の吸気弁を用いて
吸気装置を構成するに当たり、中央の吸気弁の下方に点
火プラグから見て影となる部分が存在しないようにし、
燃焼効率を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るエンジ
ンの吸気装置は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラ
グの発火点とこの吸気弁の弁体下面における全閉状態で
発火点から最も離れる端点とを通る仮想線と、シリンダ
軸線に対して直交してシリンダ軸心から前記端点へ向け
て延ばされた仮想線とのなす角度より大きく設定したも
のである。
ンの吸気装置は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラ
グの発火点とこの吸気弁の弁体下面における全閉状態で
発火点から最も離れる端点とを通る仮想線と、シリンダ
軸線に対して直交してシリンダ軸心から前記端点へ向け
て延ばされた仮想線とのなす角度より大きく設定したも
のである。
【0007】第2の発明に係るエンジンの吸気装置は、
中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラグの発火点とこの
吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最も離
れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して直交
してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた仮想
線とのなす角度と略等しく設定したものである。
中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラグの発火点とこの
吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最も離
れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して直交
してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた仮想
線とのなす角度と略等しく設定したものである。
【0008】
【作用】中央の吸気弁の下面は点火プラグの発火点に対
して全面が露呈するから、点火時に影となる部分がなく
なり、火炎がこの吸気弁の下面全域に伝わる。
して全面が露呈するから、点火時に影となる部分がなく
なり、火炎がこの吸気弁の下面全域に伝わる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図15
によって詳細に説明する。図1は本発明に係るエンジン
の吸気装置を備えたシリンダヘッドの平面図、図2は同
じく底面図、図3は図1におけるA矢視図、図4は図1
におけるB矢視図である。これら図1〜図4は吸・排気
弁および動弁装置等を組み込んでいない状態のシリンダ
ヘッドを示している。図5は吸・排気弁および動弁装置
を組み込んだ状態のシリンダヘッドの断面図で、同図は
図2におけるV−V線断面図を示している。
によって詳細に説明する。図1は本発明に係るエンジン
の吸気装置を備えたシリンダヘッドの平面図、図2は同
じく底面図、図3は図1におけるA矢視図、図4は図1
におけるB矢視図である。これら図1〜図4は吸・排気
弁および動弁装置等を組み込んでいない状態のシリンダ
ヘッドを示している。図5は吸・排気弁および動弁装置
を組み込んだ状態のシリンダヘッドの断面図で、同図は
図2におけるV−V線断面図を示している。
【0010】図6は要部を拡大して示す断面図、図7は
図6におけるVII−VII線断面図、図8は吸・排気弁が装
着された状態の燃焼室上壁を示す平面図、図9は図2に
おける隔壁部分のIX−IX線断面図、図10は図2におけ
る吸気通路部分のX−X線断面図である。図11は中央ポ
ート開閉用吸気弁の配置を説明するための断面図、図1
2はシリンダヘッドの搭載形態を示す平面図、図13は
図12におけるA−A線断面図、図14は図12におけ
るB−B線断面図で、図13および図14はシリンダヘ
ッドにカム軸やカバー類を取付けた状態で描いてある。
図15は二次絞り弁の動作を説明するためのグラフであ
る。
図6におけるVII−VII線断面図、図8は吸・排気弁が装
着された状態の燃焼室上壁を示す平面図、図9は図2に
おける隔壁部分のIX−IX線断面図、図10は図2におけ
る吸気通路部分のX−X線断面図である。図11は中央ポ
ート開閉用吸気弁の配置を説明するための断面図、図1
2はシリンダヘッドの搭載形態を示す平面図、図13は
図12におけるA−A線断面図、図14は図12におけ
るB−B線断面図で、図13および図14はシリンダヘ
ッドにカム軸やカバー類を取付けた状態で描いてある。
図15は二次絞り弁の動作を説明するためのグラフであ
る。
【0011】これらの図において、1はV形8気筒エン
ジン用シリンダヘッド、2および3はこのシリンダヘッ
ド1の側部に開口した1気筒毎のプライマリ吸気ポー
ト、セカンダリ吸気ポートである。これらの吸気ポート
2,3によって本発明に係る吸気通路が構成されてい
る。この吸気通路は、吸気流の上流側が不図示のサージ
タンク、スロットル弁(一次絞り弁)およびエアフィル
タ等を介して大気に連通され、図2中に二点鎖線で示す
ようにシリンダヘッド1より上流側で分岐されて前記プ
ライマリ吸気ポート2とセカンダリ吸気ポート3とに連
通されている。
ジン用シリンダヘッド、2および3はこのシリンダヘッ
ド1の側部に開口した1気筒毎のプライマリ吸気ポー
ト、セカンダリ吸気ポートである。これらの吸気ポート
2,3によって本発明に係る吸気通路が構成されてい
る。この吸気通路は、吸気流の上流側が不図示のサージ
タンク、スロットル弁(一次絞り弁)およびエアフィル
タ等を介して大気に連通され、図2中に二点鎖線で示す
ようにシリンダヘッド1より上流側で分岐されて前記プ
ライマリ吸気ポート2とセカンダリ吸気ポート3とに連
通されている。
【0012】また、この吸気通路におけるセカンダリ吸
気ポート3の上流側開口部の近傍には、図5に示すよう
に二次絞り弁4が介在されている。この二次絞り弁4
は、シリンダヘッド1に取付けられた吸気マニホールド
連結部材5に装着されている。なお、この吸気マニホー
ルド連結部材5にはプライマリ吸気ポート2に燃料を噴
射する燃料噴射装置6が取付けられている。そして、こ
の二次絞り弁4は、図15に示すように、吸気の必要量
に応じて開閉するように構成されている。図15はスロ
ットル開度あるいは吸気負圧とエンジン回転数とに対す
るエンジンのトルクを示すグラフである。すなわち、二
次絞り弁4は、スロットル開度あるいは吸気負圧や、エ
ンジン回転数が図15中にハッチングを施した範囲にあ
るときに閉じられ、それ以外のときには開くことにな
る。ように構成されている。
気ポート3の上流側開口部の近傍には、図5に示すよう
に二次絞り弁4が介在されている。この二次絞り弁4
は、シリンダヘッド1に取付けられた吸気マニホールド
連結部材5に装着されている。なお、この吸気マニホー
ルド連結部材5にはプライマリ吸気ポート2に燃料を噴
射する燃料噴射装置6が取付けられている。そして、こ
の二次絞り弁4は、図15に示すように、吸気の必要量
に応じて開閉するように構成されている。図15はスロ
ットル開度あるいは吸気負圧とエンジン回転数とに対す
るエンジンのトルクを示すグラフである。すなわち、二
次絞り弁4は、スロットル開度あるいは吸気負圧や、エ
ンジン回転数が図15中にハッチングを施した範囲にあ
るときに閉じられ、それ以外のときには開くことにな
る。ように構成されている。
【0013】前記プライマリ吸気ポート2はセカンダリ
吸気ポート3より内径が大きく設定されており、図2に
示すように、シリンダヘッド1内で隔壁7によって内径
の異なる2つのポートに分岐されて下流側端部がシリン
ダヘッド1の下面における燃焼室上壁8に開口してい
る。また、セカンダリ吸気ポート3は、プライマリ吸気
ポート2に対して気筒の並列方向に隣合う位置に形成さ
れ、下流側端部が前記プライマリ吸気ポート2の2つの
開口に隣接して開口している。これによってシリンダヘ
ッド1における燃焼室Sの近傍となる部位に図10に示
すように1気筒当たり3つの吸気ポートが形成されてい
る。なお、これらプライマリ吸気ポート2およびセカン
ダリ吸気ポート3は、図2に示すように平面視において
上流部分の中心がシリンダ軸心より気筒の並列方向一方
と他方とにずれるように形成されている。
吸気ポート3より内径が大きく設定されており、図2に
示すように、シリンダヘッド1内で隔壁7によって内径
の異なる2つのポートに分岐されて下流側端部がシリン
ダヘッド1の下面における燃焼室上壁8に開口してい
る。また、セカンダリ吸気ポート3は、プライマリ吸気
ポート2に対して気筒の並列方向に隣合う位置に形成さ
れ、下流側端部が前記プライマリ吸気ポート2の2つの
開口に隣接して開口している。これによってシリンダヘ
ッド1における燃焼室Sの近傍となる部位に図10に示
すように1気筒当たり3つの吸気ポートが形成されてい
る。なお、これらプライマリ吸気ポート2およびセカン
ダリ吸気ポート3は、図2に示すように平面視において
上流部分の中心がシリンダ軸心より気筒の並列方向一方
と他方とにずれるように形成されている。
【0014】すなわち、プライマリ吸気ポート2には、
前記3つの吸気ポートのうち中央に位置する中央ポート
9と、この中央ポート9に隣接する側部ポート10とが
形成されることになる。本発明に係る吸気装置では図1
0に示すように中央ポート9は側部ポート10より内径
(軸線と直交する面の断面積)が小さく形成されてい
る。また、側部ポート10は、セカンダリ吸気ポート3
の下流部と略同径かつ中央ポート9を中心として略対称
に形成されている。なお、中央ポート9が第3の発明に
係る中央分岐路を構成し、側部ポート10が側部分岐路
を構成している。
前記3つの吸気ポートのうち中央に位置する中央ポート
9と、この中央ポート9に隣接する側部ポート10とが
形成されることになる。本発明に係る吸気装置では図1
0に示すように中央ポート9は側部ポート10より内径
(軸線と直交する面の断面積)が小さく形成されてい
る。また、側部ポート10は、セカンダリ吸気ポート3
の下流部と略同径かつ中央ポート9を中心として略対称
に形成されている。なお、中央ポート9が第3の発明に
係る中央分岐路を構成し、側部ポート10が側部分岐路
を構成している。
【0015】図5において11は前記中央ポート9を開
閉する吸気弁、12は側部ポート10を開閉する吸気弁
である。前記吸気弁11は中央ポート9が側部ポート1
0より細径である関係から、側部ポート用吸気弁12よ
り細径に形成されている。なお、セカンダリ吸気ポート
3を開閉する吸気弁は図5には示されていないが、前記
吸気弁12と同じものが使用されている。13は1気筒
当たり2個の排気弁、14は排気弁毎に形成された排気
ポートである。
閉する吸気弁、12は側部ポート10を開閉する吸気弁
である。前記吸気弁11は中央ポート9が側部ポート1
0より細径である関係から、側部ポート用吸気弁12よ
り細径に形成されている。なお、セカンダリ吸気ポート
3を開閉する吸気弁は図5には示されていないが、前記
吸気弁12と同じものが使用されている。13は1気筒
当たり2個の排気弁、14は排気弁毎に形成された排気
ポートである。
【0016】15は前記各吸・排気弁を所定のタイミン
グをもって開閉させるための動弁装置で、この動弁装置
15は、吸気カム軸16、排気カム軸17、バルブリフ
タ18,19、バルブスプリング20,21等を備えた
従来周知の構造になっている。なお、前記3個の吸気弁
のうち中央の吸気弁11は両側の吸気弁12より細径で
ある関係から、バルブリフタ18、バルブスプリング2
0等の関連部材も吸気弁12用のものより細径に形成さ
れている。このため、図1に示したようにシリンダヘッ
ド1の上面に開口するバルブリフタガイド22,23も
開口径が異なっている。バルブリフタガイド22には中
央の吸気弁11用のバルブリフタ18が挿入され、バル
ブリフタガイド23には両側の吸気弁12用のバルブリ
フタ18が挿入される。
グをもって開閉させるための動弁装置で、この動弁装置
15は、吸気カム軸16、排気カム軸17、バルブリフ
タ18,19、バルブスプリング20,21等を備えた
従来周知の構造になっている。なお、前記3個の吸気弁
のうち中央の吸気弁11は両側の吸気弁12より細径で
ある関係から、バルブリフタ18、バルブスプリング2
0等の関連部材も吸気弁12用のものより細径に形成さ
れている。このため、図1に示したようにシリンダヘッ
ド1の上面に開口するバルブリフタガイド22,23も
開口径が異なっている。バルブリフタガイド22には中
央の吸気弁11用のバルブリフタ18が挿入され、バル
ブリフタガイド23には両側の吸気弁12用のバルブリ
フタ18が挿入される。
【0017】図1において24は排気弁13用のバルブ
リフタ19が挿入されるバルブリフタガイド、25は後
述する点火プラグ26(図6)がねじ込まれるプラグホ
ールである。また、27および28は吸気カム軸16、
排気カム軸17をカム軸ホルダ29(図5)と共に回転
自在に支持するカムジャーナル、30は前記カム軸ホル
ダ29をシリンダヘッド1に固定するボルト31(図
5)が螺着されるボルト穴で、これらは何れも各気筒の
吸気弁11,12の間と、排気弁13,13の間とに配
設されている。また、これらのボルト穴30のうち前記
プラグホール25の近傍に位置するものは、プラグホー
ル25の中心からの距離が等しくなるように配設されて
いる。このようにすることによってプラグホール25の
開口縁部に比較的幅広な円環状シール面25aを形成す
ることができ、シリンダヘッド1に後述するヘッドカバ
ーを取付けてプラグホール25の内外をシールするとき
のシール性を高めることができる。32はこのシリンダ
ヘッド1をシリンダブロック33(図5)に固定するた
めのシリンダヘッドボルト(図示せず)が挿通されるボ
ルト穴、34は後述するヘッドカバー35(図9)をシ
リンダヘッド1に固定するためのヘッドカバーボルト
(図示せず)が螺着されるボルト穴、36は潤滑油戻し
穴、37はシリンダヘッド1を鋳造するとき用いた中子
砂を排出させるための砂抜き穴である。
リフタ19が挿入されるバルブリフタガイド、25は後
述する点火プラグ26(図6)がねじ込まれるプラグホ
ールである。また、27および28は吸気カム軸16、
排気カム軸17をカム軸ホルダ29(図5)と共に回転
自在に支持するカムジャーナル、30は前記カム軸ホル
ダ29をシリンダヘッド1に固定するボルト31(図
5)が螺着されるボルト穴で、これらは何れも各気筒の
吸気弁11,12の間と、排気弁13,13の間とに配
設されている。また、これらのボルト穴30のうち前記
プラグホール25の近傍に位置するものは、プラグホー
ル25の中心からの距離が等しくなるように配設されて
いる。このようにすることによってプラグホール25の
開口縁部に比較的幅広な円環状シール面25aを形成す
ることができ、シリンダヘッド1に後述するヘッドカバ
ーを取付けてプラグホール25の内外をシールするとき
のシール性を高めることができる。32はこのシリンダ
ヘッド1をシリンダブロック33(図5)に固定するた
めのシリンダヘッドボルト(図示せず)が挿通されるボ
ルト穴、34は後述するヘッドカバー35(図9)をシ
リンダヘッド1に固定するためのヘッドカバーボルト
(図示せず)が螺着されるボルト穴、36は潤滑油戻し
穴、37はシリンダヘッド1を鋳造するとき用いた中子
砂を排出させるための砂抜き穴である。
【0018】ここで、前記プライマリ吸気ポート2およ
びセカンダリ吸気ポート3の構成についてさらに詳細に
説明する。プライマリ吸気ポート2およびセカンダリ吸
気ポート3は、図5に示すようにカム軸方向に見てシリ
ンダ軸線Cに対して傾斜されており、燃焼室Sの近傍に
おいて燃焼室側開口からシリンダヘッド側部へ向かうよ
うに湾曲形成されている。なお、これらのポート2,3
の燃焼室側開口部には、図中符号38で示す吸気弁用バ
ルブシートが装着されている。
びセカンダリ吸気ポート3の構成についてさらに詳細に
説明する。プライマリ吸気ポート2およびセカンダリ吸
気ポート3は、図5に示すようにカム軸方向に見てシリ
ンダ軸線Cに対して傾斜されており、燃焼室Sの近傍に
おいて燃焼室側開口からシリンダヘッド側部へ向かうよ
うに湾曲形成されている。なお、これらのポート2,3
の燃焼室側開口部には、図中符号38で示す吸気弁用バ
ルブシートが装着されている。
【0019】プライマリ吸気ポート2の中央ポート9
は、上述したように側部ポート10より吸気通路の軸線
と直交する面の断面積が小さく(細径に)形成されると
共に、前記湾曲部分のうち上側(シリンダ軸心側)とな
る通路内壁面が扁平に形成されている。この扁平な通路
内壁面は吸気流の下流側へ向かうにしたがって次第に燃
焼室Sに近づくような直線的な傾斜面になっている。こ
の直線的な傾斜面を図6および図7において符号9aで
示す。
は、上述したように側部ポート10より吸気通路の軸線
と直交する面の断面積が小さく(細径に)形成されると
共に、前記湾曲部分のうち上側(シリンダ軸心側)とな
る通路内壁面が扁平に形成されている。この扁平な通路
内壁面は吸気流の下流側へ向かうにしたがって次第に燃
焼室Sに近づくような直線的な傾斜面になっている。こ
の直線的な傾斜面を図6および図7において符号9aで
示す。
【0020】このように傾斜面9aを形成すると、隔壁
7によって構成される分枝部から中央ポート9に流入し
た吸気は、流れ方向が大きく変えられることなく燃焼室
Sにシリンダ軸心側へ向けて上方から斜めに流入する。
これは、吸気は燃焼室側開口に達する直前に前記湾曲部
によって流れ方向がシリンダ下方へ変えられるが、流れ
向きが変えられるときに吸気が慣性によって当たる通路
内壁面が燃焼室側開口へ向けて直線的に延びているから
である。なお、従来のこの部分の形状を図6中に二点鎖
線Dで示す。従来に較べると吸気が燃焼室Sに斜めに流
入し易くなっていることが分かる。
7によって構成される分枝部から中央ポート9に流入し
た吸気は、流れ方向が大きく変えられることなく燃焼室
Sにシリンダ軸心側へ向けて上方から斜めに流入する。
これは、吸気は燃焼室側開口に達する直前に前記湾曲部
によって流れ方向がシリンダ下方へ変えられるが、流れ
向きが変えられるときに吸気が慣性によって当たる通路
内壁面が燃焼室側開口へ向けて直線的に延びているから
である。なお、従来のこの部分の形状を図6中に二点鎖
線Dで示す。従来に較べると吸気が燃焼室Sに斜めに流
入し易くなっていることが分かる。
【0021】また、この中央ポート9の前記傾斜面9a
には、吸気弁11のバルブガイド11aが挿通されるバ
ルブガイド孔11bがドリルによって穿設されている。
このバルブガイド孔11bは、ドリルを燃焼室側から傾
斜面9aに押し付けられて形成されている。このように
すると、傾斜面19aに凹凸が可及的少なくなり、吸気
抵抗が小さくなる。なお、側部ポート10やセカンダリ
ポート3のバルブガイド孔は、シリンダヘッド1を鋳造
するときに予めポート上壁部分に凹みを設けておき、こ
の凹みにドリルで穿孔させて形成されている。すなわ
ち、前記凹み分だけポート上壁に凹部が大きく形成され
てしまうのを、中央ポート9では防いでいる。
には、吸気弁11のバルブガイド11aが挿通されるバ
ルブガイド孔11bがドリルによって穿設されている。
このバルブガイド孔11bは、ドリルを燃焼室側から傾
斜面9aに押し付けられて形成されている。このように
すると、傾斜面19aに凹凸が可及的少なくなり、吸気
抵抗が小さくなる。なお、側部ポート10やセカンダリ
ポート3のバルブガイド孔は、シリンダヘッド1を鋳造
するときに予めポート上壁部分に凹みを設けておき、こ
の凹みにドリルで穿孔させて形成されている。すなわ
ち、前記凹み分だけポート上壁に凹部が大きく形成され
てしまうのを、中央ポート9では防いでいる。
【0022】さらに、この中央ポート9の前記湾曲部分
のうち下側となる通路内壁面には、稜線が通路内周方向
に沿って延びる角9bが形成されている。このように角
9bを通路内壁面に形成すると、吸気がこの部分に沿っ
て流れるに当たり抵抗が大きくるため、角9bに沿って
流れる吸気の流速が低下する。
のうち下側となる通路内壁面には、稜線が通路内周方向
に沿って延びる角9bが形成されている。このように角
9bを通路内壁面に形成すると、吸気がこの部分に沿っ
て流れるに当たり抵抗が大きくるため、角9bに沿って
流れる吸気の流速が低下する。
【0023】すなわち、この中央ポート9を通る吸気は
その大部分が燃焼室側開口から燃焼室Sにシリンダ軸心
側へ向けて上方から斜めに流入するようになる。
その大部分が燃焼室側開口から燃焼室Sにシリンダ軸心
側へ向けて上方から斜めに流入するようになる。
【0024】さらに、中央ポート9が開口する燃焼室上
壁8には、中央ポート9の開口に対してシリンダ軸心と
は反対側となる部分に、下面がシリンダヘッド下端面1
aと面一に形成されたマスキング部39が設けられてい
る。
壁8には、中央ポート9の開口に対してシリンダ軸心と
は反対側となる部分に、下面がシリンダヘッド下端面1
aと面一に形成されたマスキング部39が設けられてい
る。
【0025】このマスキング部39は、図2および図6
に示すように、中央の吸気弁11の弁体を側方から囲む
ように形成され、側部ポート10やセカンダリ吸気ポー
ト3の開口部における燃焼室上壁8の外周縁部に近接す
る部分へ延びている。このようにマスキング部39を設
けると、吸気弁11,12のリフトが小さいときには、
シリンダ軸心Cとは反対側へ流れる吸気の流路がマスキ
ング部39によって絶たれることになるから、吸気は主
にシリンダ軸心Cへ向けて流れるようになる。
に示すように、中央の吸気弁11の弁体を側方から囲む
ように形成され、側部ポート10やセカンダリ吸気ポー
ト3の開口部における燃焼室上壁8の外周縁部に近接す
る部分へ延びている。このようにマスキング部39を設
けると、吸気弁11,12のリフトが小さいときには、
シリンダ軸心Cとは反対側へ流れる吸気の流路がマスキ
ング部39によって絶たれることになるから、吸気は主
にシリンダ軸心Cへ向けて流れるようになる。
【0026】側部ポート10は、前記中央ポート9より
シリンダ軸線Cに対する傾斜角度が大きくなるように形
成され、通路内形状が中央ポート9とは異なり全域にわ
たって断面略円形に形成されると共に、本実施例では前
記湾曲部分の下側となる通路内壁面に中央ポート9と同
様の角10aが形成されている。なお、セカンダリ吸気
ポート3はこの側部ポート10と略同等の形状に形成さ
れているものの、この角は形成されておらず、可及的吸
気抵抗が小さくなるように構成されている。セカンダリ
吸気ポート3の湾曲部分の下側通路内壁面の形状を図6
中に二点鎖線Eで示す。
シリンダ軸線Cに対する傾斜角度が大きくなるように形
成され、通路内形状が中央ポート9とは異なり全域にわ
たって断面略円形に形成されると共に、本実施例では前
記湾曲部分の下側となる通路内壁面に中央ポート9と同
様の角10aが形成されている。なお、セカンダリ吸気
ポート3はこの側部ポート10と略同等の形状に形成さ
れているものの、この角は形成されておらず、可及的吸
気抵抗が小さくなるように構成されている。セカンダリ
吸気ポート3の湾曲部分の下側通路内壁面の形状を図6
中に二点鎖線Eで示す。
【0027】このため、側部ポート10を通って燃焼室
Sに流入する吸気は、湾曲部で多少シリンダ下方に流れ
向きが変えられるものの、慣性によって燃焼室Sにシリ
ンダ軸心側へ上方から斜めに流入することになる。しか
も、燃焼室Sに流入するときに吸気弁12に当たり、流
れ方向がシリンダ軸心側へ変えられる。このような吸気
の流れはセカンダリ吸気ポート3を通る吸気にも生じ
る。また、湾曲部の下側となる通路内壁面に沿って流れ
る吸気は、角10aによって流速が低下されて燃焼室S
に流入する。
Sに流入する吸気は、湾曲部で多少シリンダ下方に流れ
向きが変えられるものの、慣性によって燃焼室Sにシリ
ンダ軸心側へ上方から斜めに流入することになる。しか
も、燃焼室Sに流入するときに吸気弁12に当たり、流
れ方向がシリンダ軸心側へ変えられる。このような吸気
の流れはセカンダリ吸気ポート3を通る吸気にも生じ
る。また、湾曲部の下側となる通路内壁面に沿って流れ
る吸気は、角10aによって流速が低下されて燃焼室S
に流入する。
【0028】これら中央ポート9と側部ポート10との
間に設けられた隔壁7は、図9に示すように、その上部
7aが下部7bに対して吸気流の上流側へ側部ポート1
0の軸線と平行になるように延在されている。このよう
に隔壁7を形成すると、側部ポート10へより多く吸気
が分配され、シリンダ内により強いタンブルが生成され
ることになる。これは、プライマリ吸気ポート2は上述
したように燃焼室近傍で湾曲しており、湾曲部分の上側
となる方が下側となる方より吸気の流速が速いからであ
る。
間に設けられた隔壁7は、図9に示すように、その上部
7aが下部7bに対して吸気流の上流側へ側部ポート1
0の軸線と平行になるように延在されている。このよう
に隔壁7を形成すると、側部ポート10へより多く吸気
が分配され、シリンダ内により強いタンブルが生成され
ることになる。これは、プライマリ吸気ポート2は上述
したように燃焼室近傍で湾曲しており、湾曲部分の上側
となる方が下側となる方より吸気の流速が速いからであ
る。
【0029】すなわち、流速の速い吸気が隔壁7によっ
て側部ポート10へ向かうよう方向性がつけられること
になるから、側部ポート10へ吸気がより多く流入す
る。なお、湾曲部分の下側となる部分を通る比較的流速
の遅い吸気は隔壁7の下部に沿うことになるので、この
遅い流れに対する抵抗を小さくすることができ、吸入空
気量を確保し易い。
て側部ポート10へ向かうよう方向性がつけられること
になるから、側部ポート10へ吸気がより多く流入す
る。なお、湾曲部分の下側となる部分を通る比較的流速
の遅い吸気は隔壁7の下部に沿うことになるので、この
遅い流れに対する抵抗を小さくすることができ、吸入空
気量を確保し易い。
【0030】また、プライマリ吸気ポート2に燃料を供
給する前記燃料噴射装置6は、図2に示すようにプライ
マリ吸気ポート2をシリンダ軸方向に見たときにプライ
マリ吸気ポート2の上流部の中心となる位置に配置され
ており、同図および図5に示すように燃料を中央ポート
9方向と側部ポート10方向との2方向に噴射させる構
造になっている。この燃料噴射装置6から噴射される燃
料を図2および図5において二点鎖線Fで示す。燃料噴
射方向は吸気弁11,12の弁体中心を向くように設定
されている。なお、中央ポート9と側部ポート10とは
カム軸方向から見たときの延設方向が平行ではないの
で、この燃料噴射装置6は燃料が各ポートに略沿って飛
ぶよう吸気マニホールド連結部材5にその軸線6a回り
に僅かに回した状態で固定されている。
給する前記燃料噴射装置6は、図2に示すようにプライ
マリ吸気ポート2をシリンダ軸方向に見たときにプライ
マリ吸気ポート2の上流部の中心となる位置に配置され
ており、同図および図5に示すように燃料を中央ポート
9方向と側部ポート10方向との2方向に噴射させる構
造になっている。この燃料噴射装置6から噴射される燃
料を図2および図5において二点鎖線Fで示す。燃料噴
射方向は吸気弁11,12の弁体中心を向くように設定
されている。なお、中央ポート9と側部ポート10とは
カム軸方向から見たときの延設方向が平行ではないの
で、この燃料噴射装置6は燃料が各ポートに略沿って飛
ぶよう吸気マニホールド連結部材5にその軸線6a回り
に僅かに回した状態で固定されている。
【0031】さらに、プライマリ吸気ポート2の中央ポ
ート9を開閉する吸気弁11は、図6および図8に示す
ように下面が全面にわたって平坦に形成されている。な
お、この吸気弁11以外の吸気弁12や排気弁13に
は、従来周知のエンジンでバルブ軽量化を図るために採
用されているように、下面を平面視で円形に凹ませてな
るリセス40が弁体中心部に形成されている。そして、
この吸気弁11は、図11に示すように、その軸線CV
がシリンダ軸線Cに対して角度αだけ傾斜するように配
置されている。図11においてC1 はシリンダ軸線Cと
平行な仮想線である。そして、前記角度αは、点火プラ
グ26の発火点26aと吸気弁11の弁体下面における
全閉状態で発火点26aから最も離れる端点11cとを
通る仮想線Pと、シリンダ軸線Cに対して直交してシリ
ンダ軸心から前記端点11cへ向けて延ばされた仮想線
C2 (シリンダヘッド下面と平行な仮想線C2 )とのな
す角度βと等しいか、あるいは角度βより大きくなるよ
うに設定されている。実施例では角度αと角度βとが略
等しい状態を示している。このため、吸気弁11は図6
に示すように、その下面を延長させた仮想平面が全閉状
態で点火プラグ26の発火点26aより上方を通る位置
に配置されている。図6において発火点26aから放射
状に延びる二点鎖線Gは点火プラグ26からの火炎伝播
方向を示している。なお、図6中符号41はピストンで
ある。
ート9を開閉する吸気弁11は、図6および図8に示す
ように下面が全面にわたって平坦に形成されている。な
お、この吸気弁11以外の吸気弁12や排気弁13に
は、従来周知のエンジンでバルブ軽量化を図るために採
用されているように、下面を平面視で円形に凹ませてな
るリセス40が弁体中心部に形成されている。そして、
この吸気弁11は、図11に示すように、その軸線CV
がシリンダ軸線Cに対して角度αだけ傾斜するように配
置されている。図11においてC1 はシリンダ軸線Cと
平行な仮想線である。そして、前記角度αは、点火プラ
グ26の発火点26aと吸気弁11の弁体下面における
全閉状態で発火点26aから最も離れる端点11cとを
通る仮想線Pと、シリンダ軸線Cに対して直交してシリ
ンダ軸心から前記端点11cへ向けて延ばされた仮想線
C2 (シリンダヘッド下面と平行な仮想線C2 )とのな
す角度βと等しいか、あるいは角度βより大きくなるよ
うに設定されている。実施例では角度αと角度βとが略
等しい状態を示している。このため、吸気弁11は図6
に示すように、その下面を延長させた仮想平面が全閉状
態で点火プラグ26の発火点26aより上方を通る位置
に配置されている。図6において発火点26aから放射
状に延びる二点鎖線Gは点火プラグ26からの火炎伝播
方向を示している。なお、図6中符号41はピストンで
ある。
【0032】このように中央の吸気弁11を構成する
と、爆発行程で生じる未燃ガスが少なくなって燃焼効率
をより一層高めることができる。この理由は下記の通り
である。3個の吸気弁のうち中央の吸気弁11は、両側
の吸気弁12,12に較べてシリンダ軸線Cに対する傾
斜角度が小さくなってその下面が両側の吸気弁12,1
2に較べて水平に近くなる。このため、その配置如何に
よっては、発火点26aから吸気弁11の弁体を見たと
きに弁体下面に影となる部分が生じることがある。すな
わち、この影となる部分に存在する混合気には火炎が伝
播し難くなってしまう。本実施例で示したように、中央
の吸気弁11からリセスを廃止すると共に、上述したよ
うに角度αと角度βとを略等しくしてその下面を発火点
26aから延びる仮想線より上側に位置づけることで、
上述した影となる部分がなくなり、火炎を下面全域に伝
えることができる。なお、角度αを角度βより十分に大
きくとることができれば、中央の吸気弁11にもリセス
を形成してその軽量化を図ることができる。
と、爆発行程で生じる未燃ガスが少なくなって燃焼効率
をより一層高めることができる。この理由は下記の通り
である。3個の吸気弁のうち中央の吸気弁11は、両側
の吸気弁12,12に較べてシリンダ軸線Cに対する傾
斜角度が小さくなってその下面が両側の吸気弁12,1
2に較べて水平に近くなる。このため、その配置如何に
よっては、発火点26aから吸気弁11の弁体を見たと
きに弁体下面に影となる部分が生じることがある。すな
わち、この影となる部分に存在する混合気には火炎が伝
播し難くなってしまう。本実施例で示したように、中央
の吸気弁11からリセスを廃止すると共に、上述したよ
うに角度αと角度βとを略等しくしてその下面を発火点
26aから延びる仮想線より上側に位置づけることで、
上述した影となる部分がなくなり、火炎を下面全域に伝
えることができる。なお、角度αを角度βより十分に大
きくとることができれば、中央の吸気弁11にもリセス
を形成してその軽量化を図ることができる。
【0033】上述したように構成された吸気装置が設け
られたシリンダヘッド1は、V形エンジンの2つの気筒
列の両方に使用することができるように形成されてい
る。このシリンダヘッド1のシリンダブロック33への
搭載形態を図12に示す。なお、図12においてはシリ
ンダヘッド1の吸・排気弁取付部は省略してある。ここ
で、シリンダヘッド1の構造について説明する。
られたシリンダヘッド1は、V形エンジンの2つの気筒
列の両方に使用することができるように形成されてい
る。このシリンダヘッド1のシリンダブロック33への
搭載形態を図12に示す。なお、図12においてはシリ
ンダヘッド1の吸・排気弁取付部は省略してある。ここ
で、シリンダヘッド1の構造について説明する。
【0034】シリンダヘッド1のカム軸方向両端部に
は、図1、図3および図4に示すように、吸・排気カム
軸16,17の軸端支持用カムジャーナル27,28を
カム軸方向から見て塞ぐようにシール壁42が形成され
ている。このシール壁42は上面がシリンダヘッド1の
他の部位の上面と面一に形成され、シリンダヘッド1の
幅方向(図1において左右方向)に沿って一側から他側
へ向けて途切れることなく一連に形成されている。ま
た、このシール壁42には、前記カムジャーナル27,
28に連なる凹陥部43が形成されている。
は、図1、図3および図4に示すように、吸・排気カム
軸16,17の軸端支持用カムジャーナル27,28を
カム軸方向から見て塞ぐようにシール壁42が形成され
ている。このシール壁42は上面がシリンダヘッド1の
他の部位の上面と面一に形成され、シリンダヘッド1の
幅方向(図1において左右方向)に沿って一側から他側
へ向けて途切れることなく一連に形成されている。ま
た、このシール壁42には、前記カムジャーナル27,
28に連なる凹陥部43が形成されている。
【0035】このシリンダヘッド1を用いてV形エンジ
ンを組立てるには、先ず、シリンダヘッド1を2つ用意
する。そして、一方のシリンダヘッド1の図1において
上側に位置するシール壁42を切削除去すると共に、他
方のシリンダヘッド1の図1において下側に位置するシ
ール壁42を切削除去する。このときに切削除去する範
囲を図1中にハッチングを施して示す。このようにする
と、シール壁42が切削除去された部分にカムジャーナ
ル27,28が露出することになる。
ンを組立てるには、先ず、シリンダヘッド1を2つ用意
する。そして、一方のシリンダヘッド1の図1において
上側に位置するシール壁42を切削除去すると共に、他
方のシリンダヘッド1の図1において下側に位置するシ
ール壁42を切削除去する。このときに切削除去する範
囲を図1中にハッチングを施して示す。このようにする
と、シール壁42が切削除去された部分にカムジャーナ
ル27,28が露出することになる。
【0036】このようにシール壁42が除去されたこれ
らのシリンダヘッド1は、一方のシリンダヘッド1をカ
ム軸の軸方向に対して180度回し、プライマリ吸気ポ
ート2およびセカンダリ吸気ポート3が開口する側部を
互いに対向させると共に、シール壁42が除去された部
分をエンジン前側に位置づけてシリンダブロック33に
搭載される。なお、エンジン前側とは、エンジンのカム
軸駆動機構が装着される側部のことである。すなわち、
図12に示すように、シール壁42が除去された部分か
ら吸・排気カム軸16,17をシリンダヘッド外へ導出
させ、この吸・排気カム軸16,17の軸端部にカム軸
駆動機構を組み付ける。
らのシリンダヘッド1は、一方のシリンダヘッド1をカ
ム軸の軸方向に対して180度回し、プライマリ吸気ポ
ート2およびセカンダリ吸気ポート3が開口する側部を
互いに対向させると共に、シール壁42が除去された部
分をエンジン前側に位置づけてシリンダブロック33に
搭載される。なお、エンジン前側とは、エンジンのカム
軸駆動機構が装着される側部のことである。すなわち、
図12に示すように、シール壁42が除去された部分か
ら吸・排気カム軸16,17をシリンダヘッド外へ導出
させ、この吸・排気カム軸16,17の軸端部にカム軸
駆動機構を組み付ける。
【0037】このカム軸駆動機構はV形エンジンの各気
筒列毎に設けられ、図12に示すように吸・排気カム軸
16,17どうしを連結する第1巻掛伝動手段44と、
この巻掛伝動手段44にエンジンのクランク軸45の回
転を伝える第2巻掛伝動手段46等から構成されてい
る。左右の第2巻掛伝動手段46はクランク軸45との
連結位置を軸方向にずらして配置されている。なお、本
実施例で示したようなV形エンジンでは、通常は一方の
シリンダヘッドが他方のシリンダヘッドに対して図12
中に寸法Lで示すように軸方向へオフセットされてい
る。
筒列毎に設けられ、図12に示すように吸・排気カム軸
16,17どうしを連結する第1巻掛伝動手段44と、
この巻掛伝動手段44にエンジンのクランク軸45の回
転を伝える第2巻掛伝動手段46等から構成されてい
る。左右の第2巻掛伝動手段46はクランク軸45との
連結位置を軸方向にずらして配置されている。なお、本
実施例で示したようなV形エンジンでは、通常は一方の
シリンダヘッドが他方のシリンダヘッドに対して図12
中に寸法Lで示すように軸方向へオフセットされてい
る。
【0038】次に、シリンダブロック33およびシリン
ダヘッド1のエンジン前側となる端部に、図11に示す
ようにフロントカバー51を取付け、さらに、シリンダ
ヘッド1および前記フロントカバー51の上部に、これ
らを上方から覆うヘッドカバー35を取付ける。前記フ
ロントカバー51は、前記カム軸駆動機構の側方、下方
および前方を覆う構造になっており、上部はシリンダヘ
ッド1の上部シール面に連なるようにそのシール面と面
一に形成されている。そして、このフロントカバー51
は、シリンダヘッド1のクランク軸方向の両端部(前後
両端部)に軸方向外側へ向けて形成された凸壁52〜5
5に、不図示のシール部材を挟んだ状態で固定される。
ダヘッド1のエンジン前側となる端部に、図11に示す
ようにフロントカバー51を取付け、さらに、シリンダ
ヘッド1および前記フロントカバー51の上部に、これ
らを上方から覆うヘッドカバー35を取付ける。前記フ
ロントカバー51は、前記カム軸駆動機構の側方、下方
および前方を覆う構造になっており、上部はシリンダヘ
ッド1の上部シール面に連なるようにそのシール面と面
一に形成されている。そして、このフロントカバー51
は、シリンダヘッド1のクランク軸方向の両端部(前後
両端部)に軸方向外側へ向けて形成された凸壁52〜5
5に、不図示のシール部材を挟んだ状態で固定される。
【0039】前記凸壁52〜55は、上述したオフセッ
トLによって一方のシリンダヘッド1が他方に対して後
側へずれたとしても突出側端面(エンジン前側の端面や
エンジン後側の端面)が同一平面上に位置づけられるよ
うにクランク軸方向の長さが設定されている。すなわ
ち、他方のシリンダヘッド1に対して後側にずれる方の
シリンダヘッド1(図12において右側に示したシリン
ダヘッド1)のエンジン前側凸壁54,55が他方の凸
壁52,53より所定寸法だけ長く形成されている。こ
のため、フロントカバー51のシール面の高さが気筒列
毎に異なることがなく、このシール面を同一平面上に形
成することができる。
トLによって一方のシリンダヘッド1が他方に対して後
側へずれたとしても突出側端面(エンジン前側の端面や
エンジン後側の端面)が同一平面上に位置づけられるよ
うにクランク軸方向の長さが設定されている。すなわ
ち、他方のシリンダヘッド1に対して後側にずれる方の
シリンダヘッド1(図12において右側に示したシリン
ダヘッド1)のエンジン前側凸壁54,55が他方の凸
壁52,53より所定寸法だけ長く形成されている。こ
のため、フロントカバー51のシール面の高さが気筒列
毎に異なることがなく、このシール面を同一平面上に形
成することができる。
【0040】また、ヘッドカバー35は、シリンダヘッ
ド1の上面と、この上面と面一に形成された前記フロン
トカバー51の上面とに、図13,14に示すようにシ
ール部材56を挟んだ状態で固定される。図12におい
てこのヘッドカバー35の外側輪郭線の内側に描かれた
二点鎖線は、ヘッドカバー35の下面に形成されたシー
ル面の内側輪郭線である。すなわち、このようにヘッド
カバー35を取付けることによって、動弁装置15やカ
ム軸駆動機構が密閉されることになる。
ド1の上面と、この上面と面一に形成された前記フロン
トカバー51の上面とに、図13,14に示すようにシ
ール部材56を挟んだ状態で固定される。図12におい
てこのヘッドカバー35の外側輪郭線の内側に描かれた
二点鎖線は、ヘッドカバー35の下面に形成されたシー
ル面の内側輪郭線である。すなわち、このようにヘッド
カバー35を取付けることによって、動弁装置15やカ
ム軸駆動機構が密閉されることになる。
【0041】次に、上述したように構成されたエンジン
の吸気装置の動作について説明する。エンジン回転数が
低回転域にあり吸気必要量が少ないときには、二次絞り
弁4が閉じているために吸気はプライマリ吸気ポート2
のみを通って燃焼室Sに吸い込まれる。このプライマリ
吸気ポート2を流れる吸気は、隔壁7によって中央ポー
ト9と側部ポート10とに分けられ、燃料噴射装置6か
ら噴射された燃料がこれらのポート内で混合されて混合
気となる。このとき、吸気は、隔壁7の上部7aが下部
7bに対して上流側へ側部ポート10に沿って延びてい
ることと、中央ポート9が側部ポート10より細く形成
されていることとに起因して中央ポート9より側部ポー
ト10に多く流れる。
の吸気装置の動作について説明する。エンジン回転数が
低回転域にあり吸気必要量が少ないときには、二次絞り
弁4が閉じているために吸気はプライマリ吸気ポート2
のみを通って燃焼室Sに吸い込まれる。このプライマリ
吸気ポート2を流れる吸気は、隔壁7によって中央ポー
ト9と側部ポート10とに分けられ、燃料噴射装置6か
ら噴射された燃料がこれらのポート内で混合されて混合
気となる。このとき、吸気は、隔壁7の上部7aが下部
7bに対して上流側へ側部ポート10に沿って延びてい
ることと、中央ポート9が側部ポート10より細く形成
されていることとに起因して中央ポート9より側部ポー
ト10に多く流れる。
【0042】中央ポート9と側部ポート10とでは側部
ポート10の方がシリンダ軸線Cに対する傾斜角度が大
きいため、側部ポート10を通る混合気は燃焼室Sに上
方からシリンダ軸心へ向けて比較的斜めに流入する。ま
た、中央ポート9から燃焼室Sに流入する混合気も、傾
斜面9aと角9bおよびマスキング部39による作用に
よって前記同様に燃焼室Sに上方からシリンダ軸心へ向
けて斜めに流入する。すなわち、シリンダ内に図5中に
矢印Tで示すタンブルが生じることになる。なお、この
ときには、側部ポート10の方が中央ポート9より吸気
の流量が多い関係から、シリンダ内には図2においてシ
リンダ軸心を中心として左回りに回る旋回流も生じる。
このシリンダ軸回りの旋回流をスワールという。
ポート10の方がシリンダ軸線Cに対する傾斜角度が大
きいため、側部ポート10を通る混合気は燃焼室Sに上
方からシリンダ軸心へ向けて比較的斜めに流入する。ま
た、中央ポート9から燃焼室Sに流入する混合気も、傾
斜面9aと角9bおよびマスキング部39による作用に
よって前記同様に燃焼室Sに上方からシリンダ軸心へ向
けて斜めに流入する。すなわち、シリンダ内に図5中に
矢印Tで示すタンブルが生じることになる。なお、この
ときには、側部ポート10の方が中央ポート9より吸気
の流量が多い関係から、シリンダ内には図2においてシ
リンダ軸心を中心として左回りに回る旋回流も生じる。
このシリンダ軸回りの旋回流をスワールという。
【0043】このようにシリンダ内にタンブルやスワー
ルが生じると、混合気がシリンダ内の全域にわたって略
均等に分配されるようになるため、点火時に火炎伝播が
効率よく行われて燃焼効率を高めることができる。点火
時には火炎が図6中に二点鎖線Gで示すように燃焼室S
内を伝播するが、この燃焼室Sの内壁を構成する部材は
略全てが点火プラグ26の発火点26aに晒されている
ために前記火炎が直接内壁まで到達することができる。
一般に、吸気弁を3個備えた吸気装置では、中央の吸気
弁はその弁体が水平に近づいてその下面が発火点26に
晒され難くなり、この弁体にリセスが形成されていると
そのリセス内に未燃ガスが残り易い。しかし、本実施例
で示したように3個の吸気弁のうち弁体が水平に近づく
中央の吸気弁11にはリセスを設けず、しかも、この吸
気弁11のシリンダ軸線Cに対する傾斜角度αを、発火
点26aと吸気弁端点11cとを通る仮想線Pと、シリ
ンダ軸線に対して直交する仮想線C2 とのなす角度βに
略等しくすることによって、吸気弁下面を延長した仮想
平面が発火点26aの上方を通る位置に位置づけること
で、未燃ガスが残るのを防ぐことができる。
ルが生じると、混合気がシリンダ内の全域にわたって略
均等に分配されるようになるため、点火時に火炎伝播が
効率よく行われて燃焼効率を高めることができる。点火
時には火炎が図6中に二点鎖線Gで示すように燃焼室S
内を伝播するが、この燃焼室Sの内壁を構成する部材は
略全てが点火プラグ26の発火点26aに晒されている
ために前記火炎が直接内壁まで到達することができる。
一般に、吸気弁を3個備えた吸気装置では、中央の吸気
弁はその弁体が水平に近づいてその下面が発火点26に
晒され難くなり、この弁体にリセスが形成されていると
そのリセス内に未燃ガスが残り易い。しかし、本実施例
で示したように3個の吸気弁のうち弁体が水平に近づく
中央の吸気弁11にはリセスを設けず、しかも、この吸
気弁11のシリンダ軸線Cに対する傾斜角度αを、発火
点26aと吸気弁端点11cとを通る仮想線Pと、シリ
ンダ軸線に対して直交する仮想線C2 とのなす角度βに
略等しくすることによって、吸気弁下面を延長した仮想
平面が発火点26aの上方を通る位置に位置づけること
で、未燃ガスが残るのを防ぐことができる。
【0044】エンジン回転数が高回転域に達すると、二
次絞り弁4が開き、吸気はセカンダリ吸気ポート3から
も吸い込まれるようになる。このセカンダリ吸気ポート
3は前記側部ポート10と略同等の形状に形成されてい
るので、セカンダリ吸気ポート3から吸気がシリンダ内
に吸い込まれるようになると、前記タンブルTがより強
く生じるようになる。
次絞り弁4が開き、吸気はセカンダリ吸気ポート3から
も吸い込まれるようになる。このセカンダリ吸気ポート
3は前記側部ポート10と略同等の形状に形成されてい
るので、セカンダリ吸気ポート3から吸気がシリンダ内
に吸い込まれるようになると、前記タンブルTがより強
く生じるようになる。
【0045】したがって、上述した吸気装置によれば、
中央の吸気弁11の下面は点火プラグ26の発火点26
aに対して全面が露呈するから、点火時に影となる部分
がなくなり、火炎がこの吸気弁11の下面全域に伝わる
ようになる。このため、シリンダ内に吸入された燃料を
略全て燃焼させることができるようになる。
中央の吸気弁11の下面は点火プラグ26の発火点26
aに対して全面が露呈するから、点火時に影となる部分
がなくなり、火炎がこの吸気弁11の下面全域に伝わる
ようになる。このため、シリンダ内に吸入された燃料を
略全て燃焼させることができるようになる。
【0046】なお、本実施例では中央の吸気弁11の下
面を平坦に形成した例を示したが、発火点26aに対し
て影ができない程度の小さな凹部(リセス)を前記下面
に形成してもよい。
面を平坦に形成した例を示したが、発火点26aに対し
て影ができない程度の小さな凹部(リセス)を前記下面
に形成してもよい。
【0047】また、前記実施例ではプライマリ吸気ポー
ト2とセカンダリ吸気ポート3をシリンダヘッド1に形
成し、プライマリ吸気ポート2を中央ポート9と側部ポ
ート10とに分岐させて吸気弁毎の吸気通路を設けた
が、吸気通路の全体構成は適宜変更することができる。
すなわち、シリンダヘッド1には吸気弁毎に個別に吸気
ポートを形成し、シリンダヘッドより上流側で各吸気通
路を連通させる構成を採ることもできる。また、図16
に示すように、プライマリ吸気ポート2とセカンダリ吸
気ポート3とを連通路によって連通させるようにしても
よい。
ト2とセカンダリ吸気ポート3をシリンダヘッド1に形
成し、プライマリ吸気ポート2を中央ポート9と側部ポ
ート10とに分岐させて吸気弁毎の吸気通路を設けた
が、吸気通路の全体構成は適宜変更することができる。
すなわち、シリンダヘッド1には吸気弁毎に個別に吸気
ポートを形成し、シリンダヘッドより上流側で各吸気通
路を連通させる構成を採ることもできる。また、図16
に示すように、プライマリ吸気ポート2とセカンダリ吸
気ポート3とを連通路によって連通させるようにしても
よい。
【0048】図16は吸気通路の他の例を示す図で、同
図において前記図2で説明したものと同一もしくは同等
部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。図16において、61はプライマリ吸気ポート2と
セカンダリ吸気ポート3とを連通する連通路で、この連
通路61は、両ポート2,3における燃料噴射装置6よ
り下流側となる位置に形成されている。また、この連通
路61は同図中に符号62で示すドリルによって穿設さ
れている。連通路61を形成するに当たっては、ドリル
62をプライマリ吸気ポート2の上流側開口部からその
内方へ挿入させるようにして行う。
図において前記図2で説明したものと同一もしくは同等
部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。図16において、61はプライマリ吸気ポート2と
セカンダリ吸気ポート3とを連通する連通路で、この連
通路61は、両ポート2,3における燃料噴射装置6よ
り下流側となる位置に形成されている。また、この連通
路61は同図中に符号62で示すドリルによって穿設さ
れている。連通路61を形成するに当たっては、ドリル
62をプライマリ吸気ポート2の上流側開口部からその
内方へ挿入させるようにして行う。
【0049】このように連通路61によってプライマリ
吸気ポート2とセカンダリ吸気ポート3とを連通させる
と、二次絞り弁4が閉じているときにも連通路61を介
してセカンダリ吸気ポート3内へ負圧によって吸気が吸
い込まれるようになる。このため、二次絞り弁4が閉じ
ているときであっても吸気および燃料がセカンダリ吸気
ポート3へ流入するから、これらによってセカンダリ吸
気ポート3用吸気弁12を冷却することができる。
吸気ポート2とセカンダリ吸気ポート3とを連通させる
と、二次絞り弁4が閉じているときにも連通路61を介
してセカンダリ吸気ポート3内へ負圧によって吸気が吸
い込まれるようになる。このため、二次絞り弁4が閉じ
ているときであっても吸気および燃料がセカンダリ吸気
ポート3へ流入するから、これらによってセカンダリ吸
気ポート3用吸気弁12を冷却することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るエ
ンジンの吸気装置は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火
プラグの発火点とこの吸気弁の弁体下面における全閉状
態で発火点から最も離れる端点とを通る仮想線と、シリ
ンダ軸線に対して直交してシリンダ軸心から前記端点へ
向けて延ばされた仮想線とのなす角度より大きく設定し
たものであり、第2の発明に係るエンジンの吸気装置
は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラグの発火点と
この吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最
も離れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して
直交してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた
仮想線とのなす角度と略等しく設定したものであるた
め、中央の吸気弁の下面は点火プラグの発火点に対して
全面が露呈するから、点火時に影となる部分がなくな
る。
ンジンの吸気装置は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火
プラグの発火点とこの吸気弁の弁体下面における全閉状
態で発火点から最も離れる端点とを通る仮想線と、シリ
ンダ軸線に対して直交してシリンダ軸心から前記端点へ
向けて延ばされた仮想線とのなす角度より大きく設定し
たものであり、第2の発明に係るエンジンの吸気装置
は、中央の吸気弁の傾斜角度を、点火プラグの発火点と
この吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最
も離れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して
直交してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた
仮想線とのなす角度と略等しく設定したものであるた
め、中央の吸気弁の下面は点火プラグの発火点に対して
全面が露呈するから、点火時に影となる部分がなくな
る。
【0051】したがって、点火時に火炎が中央の吸気弁
にもその下面全域にわたって伝わるから、未燃ガスが生
じることがなくなって燃焼効率を向上させることができ
る。
にもその下面全域にわたって伝わるから、未燃ガスが生
じることがなくなって燃焼効率を向上させることができ
る。
【図1】本発明に係るエンジンの吸気装置を備えたシリ
ンダヘッドの平面図である。
ンダヘッドの平面図である。
【図2】本発明に係るエンジンの吸気装置を備えたシリ
ンダヘッドの底面図である。
ンダヘッドの底面図である。
【図3】図1におけるA矢視図である。
【図4】図1におけるB矢視図である。
【図5】吸・排気弁および動弁装置を組み込んだ状態の
シリンダヘッドの断面図で、同図は図2におけるV−V線
断面図を示している。
シリンダヘッドの断面図で、同図は図2におけるV−V線
断面図を示している。
【図6】要部を拡大して示す断面図である。
【図7】図6におけるVII−VII線断面図である。
【図8】吸・排気弁が装着された状態の燃焼室上壁を示
す平面図である。
す平面図である。
【図9】図2における隔壁部分のIX−IX線断面図であ
る。
る。
【図10】図2における吸気通路部分のX−X線断面図で
ある。
ある。
【図11】中央ポート開閉用吸気弁の配置を説明するた
めの断面図である。
めの断面図である。
【図12】シリンダヘッドの搭載形態を示す平面図であ
る。
る。
【図13】図12におけるA−A線断面図である。
【図14】図12におけるB−B線断面図である。
【図15】二次絞り弁の動作を説明するためのグラフで
ある
ある
【図16】吸気通路の他の例を示す図である。
1 シリンダヘッド 1a シリンダヘッド下端面 6 燃料噴射装置 11 吸気弁 12 吸気弁 26 点火プラグ 26a 発火点 40 リセス α 傾斜角度
Claims (2)
- 【請求項1】 1気筒当たり3個の吸気弁を備えたエン
ジンの吸気装置において、3個の吸気弁のうち中央の吸
気弁をシリンダ軸線に対して予め定めた角度だけ傾斜さ
せてなり、この傾斜角度を、点火プラグの発火点とこの
吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最も離
れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して直交
してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた仮想
線とのなす角度より大きく設定したことを特徴とするエ
ンジンの吸気装置。 - 【請求項2】 1気筒当たり3個の吸気弁を備えたエン
ジンの吸気装置において、3個の吸気弁のうち中央の吸
気弁をシリンダ軸線に対して予め定めた角度だけ傾斜さ
せてなり、この傾斜角度を、点火プラグの発火点とこの
吸気弁の弁体下面における全閉状態で発火点から最も離
れる端点とを通る仮想線と、シリンダ軸線に対して直交
してシリンダ軸心から前記端点へ向けて延ばされた仮想
線とのなす角度と略等しく設定したことを特徴とするエ
ンジンの吸気装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23434293A JPH0763016A (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | エンジンの吸気装置 |
US08/297,615 US5555869A (en) | 1993-08-27 | 1994-08-29 | Multi-valve engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23434293A JPH0763016A (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | エンジンの吸気装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0763016A true JPH0763016A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16969492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23434293A Pending JPH0763016A (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | エンジンの吸気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0763016A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013011229A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の吸気ポート |
-
1993
- 1993-08-27 JP JP23434293A patent/JPH0763016A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013011229A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の吸気ポート |
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