JPH076267U - メッキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ ワークの曲がり、変形、絡み合い等を防止
し、かつ、需要者には低価格で製品の供給ができるよう
にする。 ［構成］ 上面開口としたメッキ槽と、そのメッキ槽の
上面開口を閉塞する着脱蓋とを有し、前記メッキ槽の底
面に陰極を備え、着脱蓋の裏面に陽極を備えるととも
に、前記メッキ槽の底面沿いの周壁に、その周壁の内面
方向に向けたメッキ液の噴射ノズルを備えていることと
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はメッキ装置、特に重量が比較的軽く、曲がり易い性質を持ったワー クを対象としたメッキ装置に関する。

【０００２】

【考案の背景】

従来、上記したようなワークもバレルを用いてメッキ加工処理が施されてい るが、その場合、ワークは変形したり絡み合ったりする現象が生じ、自動のワー ク搬送供給システム等に乗せた場合、組立あるいは組付け機がその変形したワー ク等を受入れずラインがストップしてしまうことが生じてしまい、大きな時間的 、生産性のロスを生じてしまうものとなっている。また、変形を皆無とするため 監視を行なうことは管理費用が莫大なものとなり、経済的に見合うものではない 。

【０００３】

【考案の目的】

そこで、本考案は上記した従来の問題点に着目してなされたもので、かかる 問題点を解消して、ワークの曲がり、変形、絡み合い等を防止し、かつ、需要者 には低価格で製品の供給ができることとしたメッキ装置を提供することを目的と している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係るメッキ装置は上面開口としたメッ キ槽と、そのメッキ槽の上面開口を閉塞する着脱蓋とを有し、前記メッキ槽の底 面に陰極を備え、着脱蓋の裏面に陽極を備えるとともに、前記メッキ槽の底面沿 いの周壁に、その周壁の内面方向に向けたメッキ液の噴射ノズルを備えているこ とを特徴としている。

【０００５】

【作用】 上記した構成としたことにより、メッキ槽内に投入されたワークは噴射ノズ ルから噴射されるメッキ液とともにメッキ槽内を回り、その回転を伴いながらメ ッキ処理が施されるため、曲がりや変形を与える程の衝突等がなくなり、すべて のワークが原形を保持したままメッキ加工処理を終了できることとなるのであり 、構成的に、複雑な部材や部品等を必要とすることもなく、価格も低廉なものと できるのである。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して説明する。図１は本考案を実施 したメッキ装置の斜視図、図２は同じくメッキ槽の平面図である。

【０００７】 これらの図にあって１は上面を開口した円筒形のメッキ槽である。なお、本 実施例ではメッキ槽１を円筒形のものとしたが、これにこだわらず、六角形、八 角形等、角が鈍角を形成する多角形状のものでも実施できる。このメッキ槽１は 底面に陰極２を備えており、本実施例ではこの陰極２はリング状のものとして埋 設もしくは固設しているが、この陰極２もリング状のものに代えて、ボタンコン タクトを環状に配置する等としてもよい。

【０００８】 また、このメッキ槽１の底面近くの周壁には複数本のメッキ液噴射ノズル３ ・３…が貫通して備えられており、各噴射ノズル３・３…はそのメッキ槽１の壁 面の内周方向に向けて噴射口が配置されている。各噴射ノズル３・３…には各々 ポンプＰによってメッキ液が送られるものとなっている。

【０００９】 一方、図中４はメッキ槽１の上面開口に被冠され、メッキ槽１を閉塞する着 脱蓋であり、この着脱蓋４の裏面には陽極５が固設されている。また、この着脱 蓋４の一部には内部と連通する屈曲管６が取り付けられているもので、この屈曲 管６からはメッキ槽１内に余ったメッキ液を逃がして予備槽７へ送るものとされ 、流量調節が行なわれる。

【００１０】 本実施例に係るメッキ装置は上記のように構成される。ここで、その作用を 説明すると、メッキ槽１内に目的とするワークを投入し、着脱蓋４を装着して噴 射ノズル３・３…からメッキ槽１内へメッキ液を噴射させると、そのメッキ液は メッキ槽１の内周壁面に沿って旋回流を生じる。するとワークもこの旋回流に乗 って伴にメッキ槽１内で回転させられ、その回転中にメッキ加工処理が終了させ られる。そして、メッキ液がメッキ槽１内に満たされてくると、屈曲管６から予 備槽７へ逃がされ、メッキ槽１内のメッキ液量が所定に保持されることとなる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係るメッキ装置は上述のように構成され作用する。そのため、ワー クに曲がりや変形、絡み合い等が生じることがなくなり、そのワークを自動組立 等のラインに流してもラインが停止してしまうような事態を避けられる。不良品 の発生もなくなり、格別な監視も不要となるので、作業性やそれに伴う経済性も 向上し、装置自体の構成は簡易なものとなっているため故障することもなく、製 品価格も低廉なものとして需要者に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施したメッキ装置の斜視図である。

【図２】メッキ槽の平面図である。

【符号の説明】

１ メッキ槽 ２ 陰極 ３ 噴射ノズル ４ 着脱蓋 ５ 陽極 ６ 屈曲管 ７ 予備槽

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面開口としたメッキ槽と、そのメッキ
   槽の上面開口を閉塞する着脱蓋とを有し、前記メッキ槽
   の底面に陰極を備え、着脱蓋の裏面に陽極を備えるとと
   もに、前記メッキ槽の底面沿いの周壁に、その周壁の内
   面方向に向けたメッキ液の噴射ノズルを備えていること
   を特徴とするメッキ装置。
2. 【請求項２】 前記噴射ノズルは複数備えていることを
   特徴とする請求項１に記載のメッキ装置。
3. 【請求項３】 前記陰極はリング状あるいはボタンコン
   タクトの環状配置としたことを特徴とする請求項１また
   は請求項２に記載のメッキ装置。
4. 【請求項４】 前記着脱蓋には液の逃がし部が形成され
   ていることを特徴とする請求項１、請求項２または請求
   項３に記載のメッキ装置。