JPH076260U - 溶融めっきにおけるスナウト内浴面異物除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スナウト内を通過するストリップの広巾面に
対し非酸化性ガスをふきつけるノズルと、巾方向に一方
側から他方へ向かって非酸化性ガスをふきつけるノズル
を有することを特徴とするスナウト内浴面の異物除去装
置。 【効果】 送入ストリップと浴との接触部のスナウト内
浴面の異物が除去され、浴中ロールによって形成される
押疵が低減し、ストリップからのスナウト内浴面の異物
の解離とメタルポンプへの誘導のようにノズルの機能を
２つに分離することにより、スナウト内浴面の異物除去
を効率的に行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

溶融亜鉛、溶融アルミニウム等の溶融金属による溶融金属めっきにおける、ス ナウト内酸化物（スカム）および浴中に生成する合金化物（ドロス）の浴面への 浮上物といったスナウト内浴面の異物を除去する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

以下、添加元素としてＡｌを０．１〜６％含有する溶融亜鉛めっきを例として 説明する。

【０００３】 従来、溶融亜鉛めっきにおいては、溶融浴上に、スナウト内酸化物（例えばＺ ｎＯのようなスカム）および浴中で生成し浴上へ浮上してきた合金化物（例えば 、Ｆｅ₂ Ａｌ₅ のようなドロス）が浮遊し、これが溶融浴中にストリップが連続 して送入されるとき、ストリップ上に付着して、浴中に配置されたシンクロール に噛み込まれ、ストリップ上に押疵を発生して品質を低下する。

【０００４】 そのため、実開昭５５−５１３５１号公報、実開昭５５−５４３５８号公報等 に記載されているように、スナウト内のストリップの溶融浴への送入位置に、ス トリップの両側に適宜間隔を存して配し、ストリップ送入方向と逆方向にそれぞ れ回転する一対のロールを設けたり、浴面に向けて配置したノズルからＮ₂ ガス を浴面とスナウト内壁面に向けて噴射して、ストリップの送入箇所からスナウト 内浴面の異物を排除するようにしたものが提案されている。

【０００５】 これらのスナウト内浴面の異物除去装置において、装置の作動の確実性から、 Ｎ₂ ガスを浴面に噴射する方式の方が優れているといえるが、ストリップが浴に 送入される箇所でのスナウト内浴面の異物は除去しにくく、その結果、スナウト 内浴面の異物がストリップに巻き込まれて浴中に侵入するという欠点がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、溶融めっき浴に浮遊するスナウト内浴面異物のストリップへ の付着を防止するために、非酸化性ガス噴出ノズルを配置した溶融めっきにおけ るスナウト内浴面異物除去装置において、ストリップの浴内送入箇所でのスナウ ト内浴面の異物の除去効率を向上させるための手段を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、スナウト内を通過するストリップの広幅面に指向し、さらに、浴面 方向に傾斜したＮ₂ ガスのような非酸化性ガス噴出ノズルを配置した溶融めっき 装置におけるスナウト内浴面異物除去装置である。

【０００８】 この時のガス吹き付けを指向する角度は、ストリップに対して５〜９０°、望 ましくは２０〜５０°である。

【０００９】 さらに、スナウト内を通過するストリップの広幅面に指向し、さらに、浴面方 向に傾斜した非酸化性ガス噴出ノズルに加えて、送入されるストリップとめっき 浴との接触点近傍を、ストリップ表面の一方の幅方向に浴面と平行方向に指向し た第２の非酸化性ガス噴出ノズルを配置することができる。

【００１０】 第１、第２のノズルはともに多孔ノズル、スリットノズルのいずれでもかまわ ない。ただし、第２のノズルについてはスリットノズルにするのが望ましい。

【００１１】

【作用】

Ｎ₂ ガスのような非酸化性ガスをストリップの広幅面に吹き付けて、ストリッ プから浴面、次いでスナウト壁面へのガス流れを形成することにより、ストリッ プ送入部分のスナウト内浴面異物の送入されたストリップへの巻き込みが無くな る。

【００１２】 これに加え、幅方向に一方向側から他方に向かってＮ₂ ガスのような非酸化性 ガスを吹き付けることにより、スナウト内浴面の異物のストリップの幅方向の外 方までの流れが形成される。メタルポンプへの吹き込み口までの流れを作ってや り、より効率的なスナウト内浴面の異物除去を可能にする。

【００１３】

【実施例】

図１は本考案の実施例を側方から示す。

【００１４】 同図において、１はストリップＳのめっき浴Ｂへの送入面に沿って設けられた スナウトであって、その先端はめっき浴Ｂ中に浸漬されている。ストリップＳは スナウト１を通って浴Ｂに進入し、浴中ロール２を経て、垂直方向に搬出される 。３は、スナウト１内の浴面上に、送入ストリップＳの両側方から浴面方向にス トリップと３０°の傾斜を付けて、ストリップの全幅にわたって設けられたスリ ットノズル孔を有する第１のＮ₂ ガス噴出ノズルを示す。この第１のＮ₂ ガス噴 出ノズル３から噴出したガスはＧ１として示す噴出ガス流を形成し、噴出ガス流 はストリップＳの両面に沿ってめっき浴面上に流れ、さらに、浴面上を外方に向 い、浴面上に浮遊するスナウト内浴面の異物をスナウト壁面側に移動させ、送入 ストリップの送入箇所から遠ざけて、ストリップと浴との接触点付近を清浄化す る。さらに、このガス流Ｇ１は、図１の紙面に向かうガス流によって、ストリッ プＳの幅方向に流れる。

【００１５】 図２は、図１を送入ストリップの幅面から見た図を示す。

【００１６】 同図には、第１のスリットノズル３が送入するストリップＳの幅を超えて設け られており、さらに、第１のノズル３の一側方には、第１のノズル３の下方を浴 面上に沿って噴出ガスのガス流Ｇ２を形成する第２のスリットノズル４が設けら れている。さらに、５は、斜めの切り口を有し、且つ他方の開口がスナウトの外 側の浴中に開口するＵ字形のメタルポンプを示す。

【００１７】 この、第２のノズル４から噴出したＮ₂ ガスは、Ｇ２として示すガス流を形成 し、前述の第１のノズル３によって形成された第１のガス流Ｇ１を巻き込んで、 浴面上を流れ、これに伴って、スナウト内の浴面上を浮遊するスナウト内浴面の 異物をメタルポンプ５の開口から外方に搬出する。これによって、スナウト１内 のストリップの送入部分のスナウト内浴面の異物を除去することができる。

【００１８】

【発明の効果】

本考案によって、以下の効果を奏する。

【００１９】 （１）送入ストリップと浴との接触部のスナウト内浴面の異物が除去され、浴中 ロールによって形成される押疵が低減する。

【００２０】 （２）ストリップからのスナウト内浴面の異物の解離とメタルポンプへの誘導の ように、ノズルの機能を２つに分離することにより、スナウト内浴面の異物除去 を効率的に行う。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本考案の実施例を側方から示す。

【図２】 図２は、図１を送入ストリップの幅面から見
た図を示す。

【符号の説明】

１ スナウト ２ 浴中ロール ３ 第１のＮ₂ ガス噴出ノズル ４ 第２のＮ₂ ガス噴出ノズル ５ メタルポンプ Ｓ ストリップ Ｂ めっき浴 Ｇ１ 第１のガス流 Ｇ２ 第２のガス流

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スナウト内を通過するストリップの広幅
   面に指向し、さらに、浴面方向に傾斜したＮ₂ ガスのよ
   うな非酸化性ガス噴出ノズルを配置した溶融めっき装置
   におけるスナウト内浴面異物除去装置。
2. 【請求項２】 スナウト内を通過するストリップの広幅
   面に指向し、さらに、浴面方向に傾斜した第１の非酸化
   性ガス噴出ノズルを設けると共に、送入されるストリッ
   プとめっき浴との接触点近傍を、ストリップ表面の一方
   の幅方向に浴面と平行方向に指向した第２の非酸化性ガ
   ス噴出ノズルを配置した溶融めっき装置におけるスナウ
   ト内浴面異物除去装置。