JPH0762570A - 耐熱・耐水性防食被膜 - Google Patents
耐熱・耐水性防食被膜Info
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- JPH0762570A JPH0762570A JP12599494A JP12599494A JPH0762570A JP H0762570 A JPH0762570 A JP H0762570A JP 12599494 A JP12599494 A JP 12599494A JP 12599494 A JP12599494 A JP 12599494A JP H0762570 A JPH0762570 A JP H0762570A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 各種ボイラの高温伝熱器表面や煙道の鋼材の
表面、特に前記ボイラのオーステナイト系鋼の伝熱器管
表面に付着形成させる耐熱・耐水性防食被膜に関する。 【構成】 ボイラ等の高温部伝熱器管表面や煙道の
表面に、MgO/SiO 2 (モル比):0.1〜1.2
のSiO2 とMgOの混合物を珪酸塩系バインダにて付
着形成させ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル
比)が0.07〜0.83であるようにしてなる耐熱・
耐水性防食被膜及び ボイラ等の高温部のオーステナ
イト系の伝熱器管表面に、MgO/SiO2 (モル
比):0.1〜1.1、Na2 SO4 /SiO2 (モル
比):0.1〜0.8よりなるSiO2 ,MgO及びN
a2 SO4 の混合物を珪酸塩系バインダにて付着形成さ
せ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル比)が0.
08〜0.70、Na2 SO4 /SiO2 (モル比)が
0.07〜0.40であるようにしてなる耐熱・耐水性
防食被膜。
表面、特に前記ボイラのオーステナイト系鋼の伝熱器管
表面に付着形成させる耐熱・耐水性防食被膜に関する。 【構成】 ボイラ等の高温部伝熱器管表面や煙道の
表面に、MgO/SiO 2 (モル比):0.1〜1.2
のSiO2 とMgOの混合物を珪酸塩系バインダにて付
着形成させ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル
比)が0.07〜0.83であるようにしてなる耐熱・
耐水性防食被膜及び ボイラ等の高温部のオーステナ
イト系の伝熱器管表面に、MgO/SiO2 (モル
比):0.1〜1.1、Na2 SO4 /SiO2 (モル
比):0.1〜0.8よりなるSiO2 ,MgO及びN
a2 SO4 の混合物を珪酸塩系バインダにて付着形成さ
せ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル比)が0.
08〜0.70、Na2 SO4 /SiO2 (モル比)が
0.07〜0.40であるようにしてなる耐熱・耐水性
防食被膜。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重油専焼ボイラ、発電用
ボイラ、ソーダ回収ボイラ、ゴミ焼却ボイラ等の高温伝
熱器管表面や煙道の鋼材表面に付着形成させる耐熱・耐
水性型防食被膜及び前記ボイラ等のオーステナイト系鋼
の伝熱器管表面に付着形成させる同被膜に関する。
ボイラ、ソーダ回収ボイラ、ゴミ焼却ボイラ等の高温伝
熱器管表面や煙道の鋼材表面に付着形成させる耐熱・耐
水性型防食被膜及び前記ボイラ等のオーステナイト系鋼
の伝熱器管表面に付着形成させる同被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年重油専焼ボイラ等において、NOx
対策のための燃焼法改善による火炉上部温度の上昇や脱
硫装置の普及による高硫黄燃料の採用等の要因により、
高温部伝熱器管表面に付着する燃焼灰によって高温部伝
熱器管の腐食が起こりつつある。この高温部伝熱器管表
面に付着する燃焼灰はV、Na、S、Oを主成分とする
腐食性の強いV2 O5 −Na2 SO4 系の物質であるこ
とが知られている。ここで、高温部とは付着燃焼灰の表
面温度が200〜1500℃の温度域である。
対策のための燃焼法改善による火炉上部温度の上昇や脱
硫装置の普及による高硫黄燃料の採用等の要因により、
高温部伝熱器管表面に付着する燃焼灰によって高温部伝
熱器管の腐食が起こりつつある。この高温部伝熱器管表
面に付着する燃焼灰はV、Na、S、Oを主成分とする
腐食性の強いV2 O5 −Na2 SO4 系の物質であるこ
とが知られている。ここで、高温部とは付着燃焼灰の表
面温度が200〜1500℃の温度域である。
【0003】このような付着燃焼灰による腐食対策とし
ては大別して、(1)高温部伝熱器管の材質の改良、
(2)高温部伝熱器管表面に付着する燃焼灰の改質(低
S、V燃料への転換や、燃料への防食剤の添加)、
(3)高温部伝熱器管の表面加工処理等の方法が現在各
方面で研究開発されつつあり、特に、前述の分類に従え
ば、(2)の応用による(3)の改良に関するもので、
特開昭59−4661号公報に記載されているボイラ等
の高温部伝熱器管表面に、Mg、Ca、Ba、Be等の
アルカリ土類金属炭酸塩の1種以上を含有した混合物
を、珪酸塩系バインダにて付着形成させた耐熱型防食被
膜がある。
ては大別して、(1)高温部伝熱器管の材質の改良、
(2)高温部伝熱器管表面に付着する燃焼灰の改質(低
S、V燃料への転換や、燃料への防食剤の添加)、
(3)高温部伝熱器管の表面加工処理等の方法が現在各
方面で研究開発されつつあり、特に、前述の分類に従え
ば、(2)の応用による(3)の改良に関するもので、
特開昭59−4661号公報に記載されているボイラ等
の高温部伝熱器管表面に、Mg、Ca、Ba、Be等の
アルカリ土類金属炭酸塩の1種以上を含有した混合物
を、珪酸塩系バインダにて付着形成させた耐熱型防食被
膜がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭59−46
61号公報に記載されているものは、ボイラ等の高温伝
熱器管表面に、Mg、Ca、Ba、Be等のアルカリ土
類金属炭酸塩を珪酸塩系バインダでたんに付着形成させ
ただけのものであり、ボイラ停止時の吸湿での膨潤によ
る剥離などが生じる欠点があった。特に高温伝熱器管の
付着灰による汚れを落すための水洗時には膨潤による剥
離、脱落が顕著であった。
61号公報に記載されているものは、ボイラ等の高温伝
熱器管表面に、Mg、Ca、Ba、Be等のアルカリ土
類金属炭酸塩を珪酸塩系バインダでたんに付着形成させ
ただけのものであり、ボイラ停止時の吸湿での膨潤によ
る剥離などが生じる欠点があった。特に高温伝熱器管の
付着灰による汚れを落すための水洗時には膨潤による剥
離、脱落が顕著であった。
【0005】そして、フェライト系鋼やマルテンサイト
系鋼のように比較的熱膨張率が小さいものについては、
剥離しにくいが、オーステナイト系鋼のように熱膨張係
数が大きいものでは熱膨張係数の違いにより剥離してし
まい、被膜の形成ができなかった。
系鋼のように比較的熱膨張率が小さいものについては、
剥離しにくいが、オーステナイト系鋼のように熱膨張係
数が大きいものでは熱膨張係数の違いにより剥離してし
まい、被膜の形成ができなかった。
【0006】本発明は上記技術水準に鑑み、各種ボイラ
等の高温部伝熱器管表面や煙道表面及び上記ボイラの高
温部のオーステナイト系鋼の伝熱器管の表面に付着形成
させる改良された耐熱、耐水性防食被膜を提供しようと
するものである。
等の高温部伝熱器管表面や煙道表面及び上記ボイラの高
温部のオーステナイト系鋼の伝熱器管の表面に付着形成
させる改良された耐熱、耐水性防食被膜を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)ボイラ等の高温部伝熱器管表面や煙道の表面に、
MgO/SiO2 (モル比):0.1〜1.2のSiO
2 とMgOの混合物を珪酸塩系バインダにて付着形成さ
せ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル比)が0.
07〜0.83であるようにしてなることを特徴とする
耐熱・耐水性防食被膜。(以下、第一発明という) (2)ボイラ等の高温部のオーステナイト系の伝熱器管
表面に、MgO/SiO 2 (モル比):0.1〜1.
1、Na2 SO4 /SiO2 (モル比):0.1〜0.
8よりなるSiO2 ,MgO及びNa2 SO4 の混合物
を珪酸塩系バインダにて付着形成させ、形成後の被膜の
MgO/SiO2 (モル比)が0.08〜0.70、N
a2 SO4 /SiO2 (モル比)が0.07〜0.40
であるようにしてなることを特徴とする耐熱・耐水性防
食被膜。(以下、第二発明という) である。
MgO/SiO2 (モル比):0.1〜1.2のSiO
2 とMgOの混合物を珪酸塩系バインダにて付着形成さ
せ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル比)が0.
07〜0.83であるようにしてなることを特徴とする
耐熱・耐水性防食被膜。(以下、第一発明という) (2)ボイラ等の高温部のオーステナイト系の伝熱器管
表面に、MgO/SiO 2 (モル比):0.1〜1.
1、Na2 SO4 /SiO2 (モル比):0.1〜0.
8よりなるSiO2 ,MgO及びNa2 SO4 の混合物
を珪酸塩系バインダにて付着形成させ、形成後の被膜の
MgO/SiO2 (モル比)が0.08〜0.70、N
a2 SO4 /SiO2 (モル比)が0.07〜0.40
であるようにしてなることを特徴とする耐熱・耐水性防
食被膜。(以下、第二発明という) である。
【0008】
(第一発明)MgOは珪酸ナトリウム、珪酸リチウム、
珪酸カリウムなどの珪酸塩系バインダに分散しにくく、
直接混合すると凝固してしまう。これに対しMgOをS
iO 2 とモル比でMgO/SiO2 :0.1〜1.2の
割合で混合すると珪酸塩系バインダによく分散し塗布の
際、均一にかつ緻密にボイラ等の高温部伝熱器管表面や
煙道の鋼材表面に密着できる。そして、防食被膜成分で
あるMgOと珪酸塩系バインダ中のSiO2 が高温時に
次式により反応して水不溶性のMgSiO3 (珪酸マグ
ネシウム)を生成する。 MgO + SiO2 → MgSiO3 これにより、ボイラ停止時の吸湿や水洗時の膨潤による
剥離、脱落が生じなくなる。但し、形成後の被膜中のM
gO/SiO2 (モル比)が0.07〜0.83である
ことが必要であることが後記の実施例より明らかになっ
た。
珪酸カリウムなどの珪酸塩系バインダに分散しにくく、
直接混合すると凝固してしまう。これに対しMgOをS
iO 2 とモル比でMgO/SiO2 :0.1〜1.2の
割合で混合すると珪酸塩系バインダによく分散し塗布の
際、均一にかつ緻密にボイラ等の高温部伝熱器管表面や
煙道の鋼材表面に密着できる。そして、防食被膜成分で
あるMgOと珪酸塩系バインダ中のSiO2 が高温時に
次式により反応して水不溶性のMgSiO3 (珪酸マグ
ネシウム)を生成する。 MgO + SiO2 → MgSiO3 これにより、ボイラ停止時の吸湿や水洗時の膨潤による
剥離、脱落が生じなくなる。但し、形成後の被膜中のM
gO/SiO2 (モル比)が0.07〜0.83である
ことが必要であることが後記の実施例より明らかになっ
た。
【0009】また、被膜中にMgOを含有する場合、重
油燃焼時に付着する腐食性の強いV 2 O5 −Na2 SO
4 系の付着灰は高温時に溶融して被膜中に浸透し、Mg
O−V2 O5 −Na2 SO4 系の化合物に変化するた
め、融点が上昇して凝固し、この作用により防食効果が
発揮される。
油燃焼時に付着する腐食性の強いV 2 O5 −Na2 SO
4 系の付着灰は高温時に溶融して被膜中に浸透し、Mg
O−V2 O5 −Na2 SO4 系の化合物に変化するた
め、融点が上昇して凝固し、この作用により防食効果が
発揮される。
【0010】(第二発明)MgOは前述したように珪酸
塩系バインダに分散しにくく直接混合すると凝固してし
まう。これに対し、MgO/SiO2 (モル比):0.
1〜1.1、Na 2 SO4 /SiO2 (モル比):0.
1〜0.8の割合のMgO,SiO2 及びNa2 SO4
の混合物にすると珪酸塩系バインダによく分散し、塗布
の際、均一にかつ緻密にボイラ等の高温部のオーステナ
イト系鋼の伝熱器管表面に密着可能となる。以下、第一
発明に関して説明したと同じような作用により、ボイラ
停止時の吸湿や水洗時の膨潤による剥離、脱落が生じな
くなり、付着する腐食性の強いV2O5 −Na2 SO4
系の付着灰に対しても第一発明に関して説明した作用に
より防食効果を発揮する。但し、形成後の被膜中のMg
O/SiO2 (モル比)が0.08〜0.70、Na2
SO4 /SiO2 (モル比)が0.07〜0.40であ
ることが必要であることが後記の実施例より明らかにな
った。次に関連する各化合物の熱膨張率を表1に示し
た。
塩系バインダに分散しにくく直接混合すると凝固してし
まう。これに対し、MgO/SiO2 (モル比):0.
1〜1.1、Na 2 SO4 /SiO2 (モル比):0.
1〜0.8の割合のMgO,SiO2 及びNa2 SO4
の混合物にすると珪酸塩系バインダによく分散し、塗布
の際、均一にかつ緻密にボイラ等の高温部のオーステナ
イト系鋼の伝熱器管表面に密着可能となる。以下、第一
発明に関して説明したと同じような作用により、ボイラ
停止時の吸湿や水洗時の膨潤による剥離、脱落が生じな
くなり、付着する腐食性の強いV2O5 −Na2 SO4
系の付着灰に対しても第一発明に関して説明した作用に
より防食効果を発揮する。但し、形成後の被膜中のMg
O/SiO2 (モル比)が0.08〜0.70、Na2
SO4 /SiO2 (モル比)が0.07〜0.40であ
ることが必要であることが後記の実施例より明らかにな
った。次に関連する各化合物の熱膨張率を表1に示し
た。
【0011】
【表1】
【0012】以上の表1から分るように、第一発明のS
iO2 とMgOを珪酸塩系バインダで付着形成させたも
のはオーステナイト系鋼に比して熱膨張率が小さい。こ
れに対して、第二発明のようにSiO2 ,MgOにさら
に熱膨張率の大きいNa2 SO4 を添加しオーステナイ
ト鋼のそれと合わせることにより、高温時においても剥
離、脱落等が生じなくなる。
iO2 とMgOを珪酸塩系バインダで付着形成させたも
のはオーステナイト系鋼に比して熱膨張率が小さい。こ
れに対して、第二発明のようにSiO2 ,MgOにさら
に熱膨張率の大きいNa2 SO4 を添加しオーステナイ
ト鋼のそれと合わせることにより、高温時においても剥
離、脱落等が生じなくなる。
【0013】
(実施例1)この実施例によって第一発明を具体的に示
す。腐食事故を起した重油専焼ボイラの高温部伝熱器管
に付着していたスケール(実缶灰の組成を表2に示す)
を採取し、粉砕後、この腐食性のスケールを充填した磁
性ルツボに表3のNo.1〜No.3の試験片を浸漬し
て電気炉にて腐食試験を行った。なお、試験条件は、酸
素濃度:5vol%、炭酸ガス濃度:15vol%、亜
硫酸ガス濃度:0.5vol%、残り窒素ガスの雰囲気
とし、試験温度:650℃、試験時間合計:200時間
とした。
す。腐食事故を起した重油専焼ボイラの高温部伝熱器管
に付着していたスケール(実缶灰の組成を表2に示す)
を採取し、粉砕後、この腐食性のスケールを充填した磁
性ルツボに表3のNo.1〜No.3の試験片を浸漬し
て電気炉にて腐食試験を行った。なお、試験条件は、酸
素濃度:5vol%、炭酸ガス濃度:15vol%、亜
硫酸ガス濃度:0.5vol%、残り窒素ガスの雰囲気
とし、試験温度:650℃、試験時間合計:200時間
とした。
【0014】なお、表3の試験片は20mm×50mm
×5mmのSTBA24(フェライト鋼)を用い、耐熱
・耐水防食被膜は50wt%の珪酸ナトリウム水溶液を
54.5wt%、SiO2 粉末を45.5wt%とした
溶液を試験片に塗布し、付着成形させたものと、50w
t%の珪酸ナトリウム水溶液を51wt%、SiO2粉
末43.0wt%とMgOの粉末6.0wt%とを混合
した溶液を試験片に塗布し、付着成形させたものとを用
いた。その結果、表4に示すような腐食試験結果が得ら
れた。
×5mmのSTBA24(フェライト鋼)を用い、耐熱
・耐水防食被膜は50wt%の珪酸ナトリウム水溶液を
54.5wt%、SiO2 粉末を45.5wt%とした
溶液を試験片に塗布し、付着成形させたものと、50w
t%の珪酸ナトリウム水溶液を51wt%、SiO2粉
末43.0wt%とMgOの粉末6.0wt%とを混合
した溶液を試験片に塗布し、付着成形させたものとを用
いた。その結果、表4に示すような腐食試験結果が得ら
れた。
【0015】さらに、表5に示したように、SiO2 粉
末、MgO粉末及び珪酸ソーダ50wt%水溶液の組成
を各々変化させ600℃にて5時間焼成、冷却したもの
について100時間の浸水試験を行った。
末、MgO粉末及び珪酸ソーダ50wt%水溶液の組成
を各々変化させ600℃にて5時間焼成、冷却したもの
について100時間の浸水試験を行った。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】この結果、表4より明らかなように第一発
明によるSiO2 とMgOとの混合物を珪酸ソーダ水溶
液によって付着成形させた耐熱型防食被膜(No.3)
は従来のSiO2 粉末を珪酸ソーダ水溶液によって付着
成形させた無機質塗料の被膜(No.2)に比して1/
5前後の腐食減量であり、耐食性が著しく向上すること
が判る。
明によるSiO2 とMgOとの混合物を珪酸ソーダ水溶
液によって付着成形させた耐熱型防食被膜(No.3)
は従来のSiO2 粉末を珪酸ソーダ水溶液によって付着
成形させた無機質塗料の被膜(No.2)に比して1/
5前後の腐食減量であり、耐食性が著しく向上すること
が判る。
【0021】また、SiO2 とMgOをMgO/SiO
2 モル比で0.1〜1.2の混合物を珪酸ソーダで付着
させた後600℃で焼成したものは表5に示したよう
に、その後水に浸しても溶解、剥離せず、耐水性がある
ことがわかる。これらのことからも第一発明の無機質被
膜は耐熱・耐水性を有し耐食性被膜として有効であるこ
とがわかる。
2 モル比で0.1〜1.2の混合物を珪酸ソーダで付着
させた後600℃で焼成したものは表5に示したよう
に、その後水に浸しても溶解、剥離せず、耐水性がある
ことがわかる。これらのことからも第一発明の無機質被
膜は耐熱・耐水性を有し耐食性被膜として有効であるこ
とがわかる。
【0022】(実施例2)この実施例によって第二発明
を具体的に示す。腐食事故を起した重油専焼ボイラの高
温部伝熱器管に付着していた前記表2の組成のスケール
を採取し、粉砕後、この腐食性のスケールを充填した磁
性ルツボに表6のNo.1〜No.3の試験片を浸漬し
て電気炉にて腐食試験を行った。なお、試験条件は実施
例1に示したものと同じ条件で行ない、表7の結果を得
た。
を具体的に示す。腐食事故を起した重油専焼ボイラの高
温部伝熱器管に付着していた前記表2の組成のスケール
を採取し、粉砕後、この腐食性のスケールを充填した磁
性ルツボに表6のNo.1〜No.3の試験片を浸漬し
て電気炉にて腐食試験を行った。なお、試験条件は実施
例1に示したものと同じ条件で行ない、表7の結果を得
た。
【0023】なお、表6の試験片は20mm×50mm
×5mmのSUS304(オーステナイト系鋼)を用
い、耐熱・耐水防食被膜は50wt%の珪酸ナトリウム
水溶液を54.5wt%、SiO2 粉末を45.5wt
%とした溶液を試験片に塗布し、付着成形させたもの
と、50wt%の珪酸ナトリウム水溶液を42.6wt
%、SiO2 を38.3wt%とMgOを9.5wt
%、Na2 SO4 を9.6wt%とを混合した溶液を試
験片に塗布し、付着成形させたものとを用いた。
×5mmのSUS304(オーステナイト系鋼)を用
い、耐熱・耐水防食被膜は50wt%の珪酸ナトリウム
水溶液を54.5wt%、SiO2 粉末を45.5wt
%とした溶液を試験片に塗布し、付着成形させたもの
と、50wt%の珪酸ナトリウム水溶液を42.6wt
%、SiO2 を38.3wt%とMgOを9.5wt
%、Na2 SO4 を9.6wt%とを混合した溶液を試
験片に塗布し、付着成形させたものとを用いた。
【0024】さらに、表8、表9に示したように、Si
O2 粉末、MgO粉末、Na2 SO 4 粉末及び珪酸ソー
ダ50wt%水溶液の組成を各々変化させ600℃にて
5時間焼成、水にて急冷する熱衝撃試験と熱衝撃後の試
験片について200時間の浸水試験を行った。
O2 粉末、MgO粉末、Na2 SO 4 粉末及び珪酸ソー
ダ50wt%水溶液の組成を各々変化させ600℃にて
5時間焼成、水にて急冷する熱衝撃試験と熱衝撃後の試
験片について200時間の浸水試験を行った。
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】この結果、表7のように、第二発明による
SiO2 とMgOとNa2 SO4 との混合物を珪酸ソー
ダ水溶液によって付着成形させた耐熱型防食被膜(N
o.3)は従来のSiO2 粉末を珪酸ソーダ水溶液によ
って付着成形させた無機質塗料の被膜(No.2)に比
して1/10前後の腐食減量であり、耐食性が著しく向
上することが判る。
SiO2 とMgOとNa2 SO4 との混合物を珪酸ソー
ダ水溶液によって付着成形させた耐熱型防食被膜(N
o.3)は従来のSiO2 粉末を珪酸ソーダ水溶液によ
って付着成形させた無機質塗料の被膜(No.2)に比
して1/10前後の腐食減量であり、耐食性が著しく向
上することが判る。
【0030】また、SiO2 とMgOとNa2 SO4 と
をMgO/SiO2 モル比で0.1〜1.1、Na2 S
O4 /SiO2 モル比で0.1〜0.8の混合物を珪酸
ソーダで付着させた後に600℃で焼成したものは表8
に示したようにその後水に浸しても溶解、剥離せず、耐
水性があることがわかる。また、表9に示したようにオ
ーステナイト系鋼に対しても耐熱衝撃性があることがわ
かる。
をMgO/SiO2 モル比で0.1〜1.1、Na2 S
O4 /SiO2 モル比で0.1〜0.8の混合物を珪酸
ソーダで付着させた後に600℃で焼成したものは表8
に示したようにその後水に浸しても溶解、剥離せず、耐
水性があることがわかる。また、表9に示したようにオ
ーステナイト系鋼に対しても耐熱衝撃性があることがわ
かる。
【0031】
【発明の効果】本発明により、各種ボイラの高温伝熱器
表面や煙道の鋼材に付着形成させる優れた耐熱、耐水性
型防食被膜が提供され、特に熱膨張係数の高いオーステ
ナイト系鋼材に対しても優れた同被膜を提供することが
できる。
表面や煙道の鋼材に付着形成させる優れた耐熱、耐水性
型防食被膜が提供され、特に熱膨張係数の高いオーステ
ナイト系鋼材に対しても優れた同被膜を提供することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ボイラ等の高温部伝熱器管表面や煙道の
表面に、MgO/SiO2 (モル比):0.1〜1.2
のSiO2 とMgOの混合物を珪酸塩系バインダにて付
着形成させ、形成後の被膜のMgO/SiO2 (モル
比)が0.07〜0.83であるようにしてなることを
特徴とする耐熱・耐水性防食被膜。 - 【請求項2】 ボイラ等の高温部のオーステナイト系の
伝熱器管表面に、MgO/SiO2 (モル比):0.1
〜1.1、Na2 SO4 /SiO2 (モル比):0.1
〜0.8よりなるSiO2 ,MgO及びNa2 SO4 の
混合物を珪酸塩系バインダにて付着形成させ、形成後の
被膜のMgO/SiO2 (モル比)が0.08〜0.7
0、Na2 SO4 /SiO2 (モル比)が0.07〜
0.40であるようにしてなることを特徴とする耐熱・
耐水性防食被膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12599494A JP3202484B2 (ja) | 1993-06-14 | 1994-06-08 | 耐熱・耐水性防食被膜 |
Applications Claiming Priority (3)
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