JPH0762224B2 - 高強度高耐食性ジルコニウム基合金部材の製造法 - Google Patents

高強度高耐食性ジルコニウム基合金部材の製造法

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JPH0762224B2
JPH0762224B2 JP61020128A JP2012886A JPH0762224B2 JP H0762224 B2 JPH0762224 B2 JP H0762224B2 JP 61020128 A JP61020128 A JP 61020128A JP 2012886 A JP2012886 A JP 2012886A JP H0762224 B2 JPH0762224 B2 JP H0762224B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な燃料集合体用ジルコニウム基合金部材の
製造法に係わり、特にノジユラ腐食並びに白色状の全面
腐食が発生しない、すぐれた耐食性を有する原子炉燃料
集合体部材の製造法に関する。
〔従来の技術〕
BWR燃料集合体は第5図の概要図で示すように、多数の
燃料棒(燃料ペレツト:1とそれを被覆している燃料被覆
管:2及び端栓:3に大別される)、それらを相互に所定の
間隔で保持するスペーサ:4、さらにそれらを収納するう
角筒のチヤンネルボツクス:5で構成されている。またこ
れら燃料集合体の製造に際しては複雑な製造工程を経て
製作され、各構造物ともに溶接で組立られる(第6図)
燃料被覆管は第7図に示すように内側が燃料ペレツトに
接し、外側が炉水と接するもので、強度部材であると共
に燃焼時に発生する腐食性ガス及び炉水(高温高圧の水
及び蒸気)との腐食環境下で使用される。特に炉水に接
する外表面のノジユラ腐食防止が重要とされている。溶
接は上下の端栓と被覆管との接合である。
燃料スペーサは燃料集合体の長手方向に沿つていくつか
の位置で多数の燃料棒を所定の間隔に保ち、かつ固定し
ており、燃料棒の横振動、長手方向の曲がりなどを防止
している。第8図はスペーサの平面図、第9図はスペー
サの側面図を示しており、被覆管:2はスペーサブリツ
ト:9とランタン型板バネ:8によつて固定される。なおス
ペーサは溶接(:10)で組立てられる。このためスペー
サは燃料棒からの応力が負荷された状態で使用される。
また同部材は炉水に接することからノジユラ腐食を生ず
る懸念がある。
燃料チヤンネルボツクスは燃料スペーサで組込まれた燃
料棒を内部に収納するかたちであり、上部タイプレー
ト:6と下部タイプレート:7で燃料棒を固定した状態で使
用される。第10図は燃料チヤンネルボツクスを拡大した
図を示すが、2分割した板加工材を溶接:10で接合した
角筒形状を呈す。当部材はプラント運転時に燃料棒で発
生した高温水及び蒸気を強制的に上部へ導く働きをさせ
るものであり、角筒が外側に広がる応力が常時負荷され
る状態で長期間使用される。この部材も炉水に接するこ
とからノジユラ腐食が発生する懸念がある。更にこの部
材に対してはジルコニウム基合金の酸化反応の際に水素
が発生(Zr+2H2O→ZrO2+2H2)し、この水素が材料中
に取り込まれ部材強度を大きく阻害する懸念がある。
以上示した様に燃料構造体を構成する被覆管、チヤンネ
ルボツクス並びにスペーサ用材料には主として耐食性並
びに耐水素脆化性が要求される。従つて、従来、燃料集
合体の部材として燃料被覆管には主として耐食性向上の
観点からSnを添加したジルコニウム合金ではあるジルカ
ロイ−2(1.5Wt%Sn,0.1Wt%Fe,0.1Wt%Cr及び0.05Wt
%Ni残Zr)、チヤンネルボツクス及びスペーサには耐食
性及び耐水素脆性の観点からNiを除いたジルカロイ−4
(1.5Wt%Sn,0.2Wt%Fe及び0.1Wt%Cr残Zr)が用いられ
ている。これらは現状の原子炉の運転条件下では部材の
製造法の改善(β及びα+β焼入処理)などにより、そ
の機能を果している。しかしながら、今後、原子力発電
プラントの経済性向上の観点から運転期間の長期化(又
は燃料棒の高燃焼度化)がなされると、更に過酷な使用
条件が加わることが予測される。このための部材の特性
は従来材に比べ、さらに高強度でかつ耐食性にすぐれた
ジルコニウム基合金が望まれている。
すなわち、ジルカロイを用いたBWR燃料集合体の構造部
材においては、ノジユラ腐食と呼ばれる斑点状の灰白色
の腐食生成物が表面に生ずる場合がある。このノジユラ
腐食は長期間使用することにより、腐食が進展した場合
には剥離し肉厚減少をきたす恐れがある。今後の部材で
はこれら腐食の発生を抑える必要がある。一方、燃料ス
ペーサにおいては低圧損構造を図るので、部材を芸肉化
する。この場合は耐食性はもとより、高強度を有する必
要がある。またチヤンネルボツクスにおいては、長期間
使用に対し、強度、特にクリープ強度にすぐれることな
ど、高燃焼度用部材としては従来よりきびしい条件が加
わる。
この条件を満す高強度高耐食性の材料としては従来のジ
ルカロイでは必ずしも十分でない。高強度材のひとつと
して、Zr−Nb合金があげられる。その中でZr−2.5Wt%N
b合金はカナダのプラントの圧力管に使用されている。
しかしこのZr−2.5Wt%Nb合金はその溶接部が使用環境
下(高温高圧水)でノジユラ腐食とは異なる白色の全面
腐食が発生する可能性がある。当構造部材は前図(第5
〜10図)で示したように複雑な形状を示すことから溶接
施工はさけられない。したがつて、このZr−2.5Wt%Nb
合金は高強度であるが、その溶接部の耐食性に対する配
慮はなされていない。
また、従来材でスカターク合金(特開昭50−148213,告
昭54−7494),0.5〜1.5Wt%Nb−2.5〜4.0Wt%Sn−0.5〜
1.5Wt%Mo合金(特開昭51−134304),Ozhennite0.5合金
(0.1Wt%Nb−0.2Wt%Sn0.1Wt%Fe−0.1Wt%Ni)及びGE
社***のZr−1.0Wt%Nb−1.0Wt%Sn0.5Wt%Fe合金などが
ある。しかしこれら低Nb含有のZr合金では溶接部の白色
腐食が生じ難いものの、高強度を得ることが出来ない。
高Nb含有のZr合金としてはZr−3Nb−1Sn**が知られてい
るが溶接部の白色腐食が懸念される。このように燃料集
合体用材料として従来開発されている材料は長期使用に
対する配慮がなされていなかつた。したがつて運転の長
期化に対応する部材の特性は強度、加工性及び溶接性な
ど特性を具備していることはもちろんのこと、特に溶接
によつて耐食性が低下しないことが重要である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術はプラントの経済性向上の観点から運転期
間の長期化に対し、使用中ノジユラ腐食による部材の減
肉及び劣化の問題、高強度Zr−Nb合金の使用に対する溶
接部の白色腐食発生の可能性があるなどの問題があつ
た。
本発明の目的は従来の製造プロセスの溶接が可能で製作
できる、高強度,高耐食性(耐ノジユラ腐食,耐白色腐
食)のジルコニウム合金部材の製造法、特に燃料被覆
管,燃料スペーサ及び燃料チヤンネルボツクスの製造法
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
運転サイクルの長期化に伴い、それに用いる部材は炉内
滞在時間の長期間によつてもノジユラ腐食及び白色腐食
(特にZr−2.5%Nb溶接部で生じる可能性が大きい)が
生じないものが必要である。
本発明者らはジルカロイ及びZr−Nb系の合金組成を改良
することによつて、合金溶接部の耐食性を改善すること
を見出した。
即ち、本発明は、重量で、Nb1.55〜2.5%、Sn0.95〜2.2
%及びMo0.2〜1.0%を含有するジルコニウム基合金を、
最終熱間塑性加工後に冷間圧延と焼鈍とを繰返し施し、
次いで溶体化処理、冷間加工及び溶接を順次施すととも
に、前記冷間加工後の前記溶接の後に670〜750℃の熱処
理を施すことにより、288℃、85kg/cm2の高温水中に300
時間浸漬後でも白色腐食が発生しないものであることを
特徴とする高強度高耐食性ジルコニウム基合金部材の製
造法にある。また、本発明は上述のジルコニウム基合金
にFeを0.04〜1.0重量%含有し、FeとMoとの合計量が0.2
4〜1.0%である合金部材を適用しても良い。
本発明の製造法によれば、前記ジルコニウム基合金から
なるスペーサ枠体にばね部を打出し加工によって一体成
形し、その枠体を溶接で組立てることによって燃料集合
体用燃料スペーサを製造することができる。
更に、前記ジルコニウム基合金からなるインゴットを鍛
造、溶体化処理、熱間塑性加工、冷間塑性加工及び焼な
ましを施した部材を用い本発明の製造法によって燃料重
合体用燃料被覆管を製造することができる。
また、前記ジルコニウム基合金からなる板材を半角筒に
成形し、その継目を溶接で組立てる燃料集合体用チャン
ネルボックスを製造することができる。
これらの製品製造工程において、溶接後に670〜750℃の
熱処理する工程を組入れることにより白色腐食が発生し
ないジルコニウム基合金が得られる。
〔作用〕
部材の化学組成を定めたのは次に述べる理由からであ
る。Snの添加はジルコニウム基合金の窒素による耐食性
低下の働きを抑えること、ならびにSnの添加は溶接部の
組織におけるZr−α相を安定化し耐食性を保つ働きがあ
る。つまり、Zr−Nb系合金(Nb<20Wt%)の室温におけ
る平衡相は、0.6Wt%以下のNbを固溶したα−Zr相と1.5
Wt%以下のZrを固溶したβ−Nb相であり、β相温度から
除冷すると610℃以上で、初析のα−Zr相とβ−Zrとに
分離し、さらに冷却するとβ−Zr相からβ−Nb相が析出
する。組織観察で識別できるように丸みを帯びた黒色部
分がα−Zr相に対応し、白色析出物がβ−Nb相である。
Zr−1.0Wt%Nb−1.0Wt%Sn合金のα−Zr相部分はZr−1.
0Wt%Nbの2元合金のそれより多くなつている。これは
α安定化元素であるSnの添加により平衡状態図における
α−Zr相領域が拡大したためである。Zr−Nb系合金溶接
部においては溶接時の熱サイクルによつて高温度から急
冷される部分が過飽和にNbを固溶しα−Zr相あるいは残
留β−Zr相の非平衡相になりやすいが、Snの添加により
平衡相となる。このα−Zr相領域の拡大、つまり腐食が
生じ難いα相の安定化が耐食性向上に寄与することが明
らかとなつた。しかし0.5Wt%を下まわる場合ではその
効果がない。2.2Wt%を越える添加では耐食性に問題な
いものの部材の延性及び加工性の低下が生じ箔板構造部
材として適用できない。特に0.7〜2.0%が好ましい。
Feの添加はジルコニウム基合金の腐食における酸化皮膜
の改質効果がある。これら元素は金属間化合物相として
析出し、α相の安定化と相まつて耐食性を改善する。つ
まりSnの添加によりα−Zr相が安定化し、β−Nbの析出
が促進されたこと及びα−Zr相中に固溶できないFeがFe
−NbあるいはFe−Zrの金属間化合物相が析出し、非平衡
相中のNb固溶量を低下させるためである。Fe添加によつ
ても非平衡相が認められるが、Nbの固溶量は無添加の合
金に比べればかなり低い。Zr中においてFeは不純物とし
て約0.03Wt%含有するが少なくとも0.04Wt%を上まわる
Fe添加でないと、それらの効果が得られない。Fe添加に
よる金属間化合物相の析出は強度向上にも寄与する。し
かし1.0Wt%を上まわる多量のFe添加は合金の延性並び
に核特性に悪影響を及ぼす。
Moは微量の添加で耐食性向上に効果が、特にSnとMoの4
元合金あるいはSn,Fe及びMoの5元合金で効果的であ
る。これら合金元素の作用はSnの添加によつてα−Zr相
が安定化し、β−Nbの析出を促進する。さらにMoの添加
によつて、α−Zr相中に固溶できないNbをβ−Nb相を析
出させると同時にMoとNbとの金属間化合物相の析出によ
つて、非平衡相中にNb固溶量を低下せしめる。
このMoの効果は第3図に示すように0.02Wt%以下の添加
では小さい。一方、上限値を設定した理由は硬さが上昇
し、加工性を低下すること並びに部材の延性が低くなる
からである。また同時に多量のMo添加は核特性に対して
もよくない。つまりこれら元素は熱中性子吸収断面積が
Zrに比べて著しく大きいことから、中性子経済性が低下
する悪い影響を及ぼす。
NbはZr−Nb系の基本化学組成であり、時効処理によつて
β−Nbを析出せしめ強度向上を得るものである。第4図
は合金溶接部の酸化皮膜とNb含有量の関係を示す。Zr−
Nb2元合金では白色腐食の感受性が著しく高く、1.0Wt%
の添加ですでに白色腐食が生じ、それ以上のNb添加では
さらに腐食が進む。一方本発明のZr−Nb−Sn−Fe−Moの
5元合金では2.5Wt%Nb以下では白色腐食が生じない
が、それを越えた多量のNb添加では2元合金と同じく白
色腐食が生じる。Nb含有量が増すと腐食が生じやすくな
る理由は、その組織が非平衡相のα′−Zrあるいはβ−
Zr相を形成しやすくなるためであり、多量のNbを固溶し
たものとなる。これはZr−Nbの2元合金で顕著である。
これに対し、本発明のSn,Fe及びMo5元合金はSn添加によ
るβ−Nb析出の促進及びFe−Nb,Fe−Zr,Mo−Nbなどの金
属間化合物の析出によつて非平衡相中のNb固溶量が低下
したためである。しかし多量のNb含有ではその添加の効
果が失なわれる。β−Nbの析出による耐食性向上は通常
の時効処理(約500℃24h)でも認められ、多少高耐食範
囲が高含有側に広がる。しかし、燃料集合体の製造工程
を考慮した場合、最終工程に時効処理が組入られないこ
とを考慮すれば、Nb含有量の上限値は2.5Wt%が最適で
ある。一方、Nb含有量の下限値(1.7Wt%)については
1.7Wt%を下まわると、時効による強度向上(引張強度
及びクリープ強度)が得られず低強度部材となること、
並びにノジユラ腐食感受性が増すことなどから制限し
た。
なお合金の残部はZr及び不可避的な不純物からなる。
本発明における冷間圧延後の溶体化処理は焼鈍によって
析出した析出物を均一に固溶させ、その後のβ−Nb相を
析出させる熱処理においてβ−Nb相をより均一に析出さ
せることによってより高い強度を得ることができるもの
である。
従来の燃料被覆管、燃料スペーサ及びチヤンネルボツク
スはその形状の複雑さのため製造工程を変更するのは容
易でなく、溶接も不可避である。
本発明の化学組成範典であれば従来材に比べ、塑性加工
性,溶接性に大幅な変化がないことが判つた。また耐食
性に対しては通常の製造工程(溶接が可能)で製造した
場合で耐ノジユラ腐食,耐白色腐食を改善できる。さら
に十分な耐食性を付与するには第11図に示すように溶接
後670〜750℃の後熱処理を施すことで可能となる。溶接
後の後熱処理を設定した理由は合金のマトリツクスに固
溶しているNbを十分に析出させるためであり、670℃を
下まわるとその析出が十分得られず、また750℃を上ま
わるとNbの再固溶が起り、その効果が減少することによ
る。なお本発明合金は燃料棒端栓材としても有効であ
り、溶接後の熱処理を行わなくともすぐれた耐食性を有
する。
実験例1 材料は工業用純ジルコニウムを用い、第1表に示すジル
コニウム合金を各々溶製した。なお溶解にはアーク溶解
炉を用いた。各々の試料は1000℃溶体化処理し、その後
750℃で熱間塑性加工、冷間圧延と焼なまし(650℃)を
繰返して2mmtの箔板にした。次に880℃1h溶体化処理
し、さらに10%冷間加工した後に溶接し、最終的に時効
処理(500℃24h)を施こした。
溶接継手材より腐食試験片を採取して高温蒸気中試験を
行つてノジユラ腐食感受性,高温水中腐食試験を行つて
白色腐食感受性をそれぞれ評価した。高温蒸気中腐食試
験は510℃105kg/cm2過熱蒸気中に20h保持した。また高
温水中腐食試験は288℃,85kg/cm2高温水中に約300h保持
した。耐食性の評価は試験後の外観々察及び酸化皮膜厚
さを測定して行つた。
腐食試験の結果、第1表に示すように試番1〜8の材料
はノジユラ腐食並びに白色腐食が発生せず、耐食性にす
ぐれていることがわかる。
次に前述の溶接工程において、溶接施工前に時効処理を
行つた後に溶接した試料(最終工程は溶接のまま)につ
いても同様な耐食性評価を行つた。
第1図は試験後の試料外観写真を、第2図は溶接まま材
の酸化皮膜厚さ測定結果を示す。
その結果、溶接まま材の耐食性は従来のZr−2.5Wt%Nb
では著しく白色腐食が生じるが、試番1〜8の材料では
黒色の緻密な均1酸化皮膜を呈し、白色腐食が発生せず
耐食性にすぐれていることがわかつた。
実験例II 工業用純Zrに重量で約2.5%Nb,1.0%Sn及びを含む母合
金を溶製し、その母合金にMoを約0.05%,0.3%.0.6%及
び1.5%添加した合金を溶製した。試料は1000℃溶体化
処理、750℃熱間塑性加工し、その後冷間圧延と焼なま
し(650℃)を繰返して箔板(5mmt)にした。その後8
80℃1h溶体処理−40%冷間加工した後に時効(500℃24
h)し溶接を行つた。
これら箔板の溶接継手材より腐食試験片を採取し、実験
例Iにおける高温水腐食試験を行つて白色腐食の有無並
びに酸化皮膜厚さの計測に行つた。
第3図は酸化皮膜厚さとMo含有量の影響を示す。本図よ
りMoを添加することによつて酸化皮膜厚さが減少するこ
とが知られた。特に微量のMo含有量で効果が表われ、約
0.6Wt%Mo以上ではその効果が飽和するようである。Mo
を含まない試験片は白色腐食が認められるが、0.6Wt%M
o以上の試験片は黒色の均一酸化皮膜を呈している。
このようにMoはわずかな添加によつて耐食性が顕著に向
上することが判つた。
一方前述の溶接継手材より引張試験片を採取し室温で引
張試験を行つた。それによると、1.5Wt%Mo以下の試験
片の伸びは約30〜40%であるに対し1.0Wt%Moを越える
と次第に低下し、脆弱化することが知られた。
実験例III 工業用純ジルコニウムを用い、これにNbを0.5〜3.5Wt%
添加の2元合金チヤージ、並びに1.0Wt%Sn,0.05Wt%F
e,0.2Wt%Moをベースとし、これにNbを0.〜3.5Wt%添加
の5元合金8チヤージを溶製した。なお溶解はプラズマ
ビーム溶解炉を用いた。
各々の試料は750℃で熱間加工後、冷間圧延と焼なまし
(650℃)を繰返して約2mmtの箔板にした。その後880
℃1h溶体化処理し、10%冷間圧延、時効処理(500℃24
h)した後溶接を施こした。この溶接継手材より腐食試
験を切出して、高温水中腐食試験(288℃,85kg/cm2,300
h)を行つて溶接部の耐食性を評価した。なお引張強さ
は母材での常温引張試験によつた。
第4図は試料の試験結果を示す。Zr−Nbの2元合金は1W
t%以上のNb添加で酸化皮膜厚さの増加と共に白色腐食
が生じる。これに対し、Zr−Sn−Fe−Moの5元合金では
酸化皮膜厚さのレベルが低く耐食性にすぐれることが判
つた。しかしその酸化皮膜はNb含有量の増加するに従つ
て厚さを増し2.5Wt%を越える試料では白色腐食が生
じ、第3元素(Sn,Fe,Mo)の効果がなくなる。このこと
から、Nbの上限値を2.5Wt%に設定した理由が判断でき
た。なお、試料の引張強さはNb含有量の増加に伴つて上
昇するが、1.5Wt%を下まわる試料ではかなり低い強度
レベルであり、高強度部材としては不十分である。以上
の実施例でわかるように本発明のNb量は1.5〜2.5Wt%が
最適であることがわかつた。
〔実施例〕
実施例I 製品の耐食性評価は実験例Iで溶製した発明材No.5のイ
ンゴツトを分割し第11図に示す工程で板材に加工し、そ
の後スペーサの製造工程並びにチヤンネルボツクスの製
造工程を通した試料で行つた。
燃料スペーサは1000℃2h溶体化後10%冷間圧延した板材
を第8図及び第9図に示す形状に成形、溶接を行いさら
にオートクレーブ処理を施こした。試料は溶接部を含む
ように切断して板状の試験片に加工し試料Aとした。ま
た溶接後700℃再加熱したものを試料Bとした。
一方、燃料チヤンネルボツクスは950℃溶体化後15%冷
間圧延した板材を第10図に示す形状に曲げ加工並びに溶
接を行い、その後通常の焼なまし(650℃)を行つた。
これを試料Dとした。また溶接後700℃再加熱したもの
を試料Cとした。
なお、試料C及びD試験片はともに溶接部を含むよう製
品から切出した。
耐食性評価は実験例Iで述べた高温蒸気中腐食試験及び
高温水腐食試験を行つて総合評価した。高温蒸気中腐食
試験の結果、試験後の外観はいずれの試料でも黒色の均
一酸化皮膜を呈し、ノジユラ腐食は生じない。またその
酸化皮膜厚さは5μm以下である。高温水腐食試験後の
試験片外観は、試料A及び試料Dでは溶接熱影響にわず
かな白色腐食が発生する程度で全体的にみれば黒色の均
一酸化皮膜を保つている。一方、試料B及び試料Cの試
験片外観は白色腐食が全く認められない。このように製
品切出し材での評価結果でも本発明材はすぐれた耐食性
を有することがわかつた。
実施例2 管材の特性について、材料は実験例Iで溶製した発明材
No.6のインゴツト分割して試験に供した。管材の製造は
第6図の被覆管製造工程に準じて製造した。最終焼なま
しの後に実施例1と同様に溶体化処理を施した。腐食試
験片は端栓溶接直後に溶接部を含む管材を切出して加工
した。腐食試験は実験例Iで行つた試験条件で行つた。
その結果、本発明材のいずれも腐食試験でも黒色の酸化
皮膜を形成しており、ノジユラ腐食並びに白色腐食は全
く認められず、すぐれた耐食性を示した。
〔発明の効果〕
本発明によれば耐食性の著しくすぐれたジルコニウム合
金製の燃料被覆管及びその端栓燃料スペーサ、燃料チヤ
ンネルボツクスが製造できるので、高経済性の燃料集合
体を製造でき、かつ信頼性の向上が期待できる。
本発明はBWRプラントばかりでなく、PWRプラントさらに
ATRプラントや高転換炉用の燃料構造部材としても適用
できる。また燃料構造部材のみらなず高温高圧水が接
し、高速中性子(E>1MeV)照射量が1×1018n/cm2
上照射される環境下で使用される構造部材として適用す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は腐食試験片の外観の金属組織を示す写真、第2
図は酸化皮膜厚さを示す棒グラフ、第3図及び第4図は
酸化皮膜厚さのMo量及びNb量との関係を示す線図、第5
図は燃料集合体の断面図、第6図は燃料集合体各部材の
製造工程、第7図は燃料棒の部分断面図、第8図は燃料
スペーサの平面図、第9図は同スペーサの側面図、第10
図は燃料チヤンネルボツクスの斜視図、第11図は燃料ス
ペーサ及びチヤンネルボツクスの製造工程図である。 1……燃料ペレツト、2……燃料被覆管、3……端栓、
4……燃料スペーサ、5……燃料チヤンネルボツクス、
6……上部タイプレート、7……下部タイプレート、8
……ランタン型板バネ、9……スペーサブリツト、10…
…溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 寿美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 国谷 治郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 正岡 功 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 安田 哲郎 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭61−170552(JP,A) 特公 昭45−13226(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で、Nb1.55〜2.5%、Sn0.95〜2.2%及
    びMo0.2〜1.0%を含有するジルコニウム基合金を、最終
    熱間塑性加工後に冷間圧延と焼鈍とを繰返し施し、次い
    で溶体化処理、冷間加工及び溶接を順次施すとともに、
    前記冷間加工後の前記溶接の後に670〜750℃の熱処理を
    施し、288℃、85kg/cm2の高温水中300時間浸漬後に白色
    腐食が発生しないものであることを特徴とする高強度高
    耐食性ジルコニウム基合金部材の製造法。
  2. 【請求項2】重量で、Nb1.55〜2.5%、Sn0.95〜2.2%、
    Fe0.04〜1.0%、Mo0.2〜1.0%を含有し、前記FeとMoと
    の合計量が0.24〜1.0%であるジルコニウム基合金を、
    最終熱間塑性加工後に冷間圧延と焼鈍とを繰返し施し、
    次いで溶体化処理、冷間加工及び溶接を順次施すととも
    に、前記冷間加工後の前記溶接の後に670〜750℃の熱処
    理を施し、288℃、85kg/cm2の高温水中300時間浸漬後に
    白色腐食が発生しないものであることを特徴とする高強
    度高耐食性ジルコニウム基合金部材の製造法。
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