JPH0761913B2 - 糞尿処理装置 - Google Patents

糞尿処理装置

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JPH0761913B2
JPH0761913B2 JP1262807A JP26280789A JPH0761913B2 JP H0761913 B2 JPH0761913 B2 JP H0761913B2 JP 1262807 A JP1262807 A JP 1262807A JP 26280789 A JP26280789 A JP 26280789A JP H0761913 B2 JPH0761913 B2 JP H0761913B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、糞尿処理装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、牛、馬、豚などの家畜の糞尿を、発酵処理槽内に
均一に散布し堆積したものを、好気的細菌により発酵さ
せ、適時、これを撹拌して均一な発酵と空気の混入、水
分の除去を行い、最終的に乾燥熟成した堆肥を得ること
を、機械的に能率好く行うために用いられる糞尿処理装
置として、撹拌機を設けた台車と生糞散布機を設けた台
車を連結機構で前後に配設連結したものは公知である。
即ち、該装置は次のように使用される。即ち、その連結
台車を該発酵処理槽のピットを跨いでその両側のピット
壁の上面に載せ、その前後左右の車輪の少なくとも1側
に設けたレールに従い適時回動走行させ、その走行中に
生糞散布と撹拌とを同時に又は交互に行うことを適時繰
り返し、最終的に所定の深さまで堆積された糞尿を堆肥
に適するように熟成させるものである。
上記の回動走行式の糞尿発酵処理槽に代え、そのピット
幅が略半分ですむ長手の糞尿発酵槽を使用し、その糞尿
発酵処理槽のピット上面を、その下方向に沿い往復動自
在に走行するに適した糞尿処理装置として、台車と、該
台車に固設の円形軌道に、該円形軌道上を旋回自在の方
形架台と該方形架台上に、該ピットの幅の1側半部に対
応する1側に固設した撹拌機とから成る糞尿堆積層を撹
拌する糞尿処理装置は公知である。この糞尿処理装置
は、その長手の糞尿発酵槽のピット上面を跨ぎ、その両
側のピット壁上面に設けた平行する軌道上にその台車で
走行自在に載置して次のように使用される。即ち、その
台車の往動走行中に、該ピット内の糞尿堆積層の幅方向
の1側半部を該撹拌機で撹拌した後、その一端において
該撹拌機を180°旋回させて、該ピットの幅の他側半部
に撹拌機を配置転換させた後、台車の往動走行を行い、
かくして、1往復でピット内の糞尿堆積層全体を撹拌し
終るようにし、この往復動走行を所望回数行うことによ
り、所望の糞尿堆積層の撹拌を行うように使用される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記前者の糞尿処理装置は、夫々の台車に生糞散布機と
撹拌機とを前後に配置且つ連結する式のものであるか
ら、点検、修理が比較的困難であるばかりでなく、撹拌
機の作動においてその糞尿が生糞散布機の駆動モータ、
チェーンその他の部分に飛散付着したり、撹拌に伴い、
糞尿堆積層にこもっている水蒸気を主体とし、これに、
アンモニア、メルカブタン、硫化水素などの異臭ガスや
腐蝕性ガスなどの各種の発酵による分解生成物の各種ガ
スを含む(以下これを「ガス霧」と称する。)をまとも
にかぶるので、これら機器の腐蝕が促進され、寿命を短
縮するなどの不都合をもたらす。更に、上記後者の糞尿
処理装置は、その発酵処理槽の往復動走行において、台
車の撹拌機を有しない側は常に空走行の無駄を伴い操行
運転上不経済である。
更に、上記2種の糞尿処理装置は、いずれもその撹拌作
動中は発酵中の高温の糞尿堆積層が撹拌される結果、該
発酵処理槽は収容した室内に前記のガス霧が放散して作
業環境を悪化し、作業者の衛生を呈し、作業能率を低下
し、室内に設置した各種の機器を腐蝕するなどの不都合
を伴う。
その上、上記従来の糞尿処理装置は、いずれもその台車
を発酵槽のピット壁上を走行するようにしたので、該発
酵処理槽の両側のピット壁は、堅牢肉厚にコンクリート
壁で構築する必要があり、建造が面倒であり、又、その
コストを増大するので、簡単迅速に且つ経済的なピット
壁で足りるようにすることが望ましい。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記従来の糞尿処理装置の不都合を解消した
糞尿処理装置を提供するもので、長手の糞尿発酵処理槽
のピット上面を跨ぎ且つその長さ方向に沿い往復動走行
する台車上に、旋回自在に設けた架台に、ピットの幅の
1側半部に対応する位置に撹拌機を、その他側半部に対
応する位置に生糞散布機を併設したことを特徴とする。
更に、その追加の発明は、該長手の糞尿発酵処理槽のピ
ット上面を往復動する台車上に旋回自在に設けた架台
に、ピットの幅の1側半部に対応する位置に撹拌機を、
その他側半部に対応する位置に生糞散布機を併設し、更
にこれら撹拌機と生糞散布機の併設部の前側又は後側に
脱臭装置を付設したことを特徴とする。
更に、他の追加の発明は、上記の第1及び第2の発明の
糞尿処理装置において、該台車は、長手の糞尿発酵処理
槽の両側のピット壁を越える広幅の基台と該基台の前後
左右に支持脚とから成り、該前後左右の支持脚の車輪
を、糞尿発酵処理槽のピット壁の外側の床面上に載置
し、且つ該両ピット壁に沿い往復動走行するようにした
を特徴とする。
〔作用〕
前記第1の発明の上記糞尿処理装置によれば、往復走行
及び復動走行のいずれの走行においても、糞尿堆積層の
撹拌と生糞散布が平行に且つ同時に行われ、その往復動
走行の端部での180度捲回を介しての往復動走行の繰り
返しにより、そのピットの幅の半部づつに交互に糞尿堆
積層の撹拌と生糞散布が交互に行われて、全体に亘り均
一且つ良好な糞尿の発酵処理が行われる。而も、該撹拌
機による撹拌に伴うガス霧を側方に存する生糞散布機が
直接かぶることがない。
第2の発明の糞尿処理装置によれば、該撹拌機と該生糞
散布機との配設した場所の前側又は後側に付設した脱臭
装置により、撹拌機による糞尿堆積層の撹拌に伴い放出
されるガス霧は、吸引捕捉される。
この場合、該脱臭装置は、フードと、脱臭剤充填層を収
容した脱臭筐と、該フードと該脱臭筐を接続する導管
と、該導管内に介在させた吸気装置とから成り、且つ該
フードは、該撹拌機に隣接して設けた構成とすることに
より、該撹拌機により撹拌された糞尿堆積層内により発
散するガス霧は、該吸気装置の作動で直ちに該フードに
より捕捉され、該脱臭剤充填層に侵入し吸着除去され
る。この場合、該脱臭筐を、その内部に横設した通気棚
により該脱臭剤充填層を支持し、その下方に該導管に連
通する下部空間を形成し、その底壁にドレン装置を具備
せしめるように構成すれば、下部空間に導入されたガス
霧は、該棚を通して脱臭剤層に侵入してその異臭、腐蝕
性ガスは吸着される。ガス霧中の水蒸気の凝結水は、下
部のドレン装置より適時排出せしめる。
この場合、上記のように、台車上に撹拌機と生糞散布機
とを併設すると共にその前又は後位にフードと脱臭筐と
を併設するときは、バランス良い配備が得られ、往復動
走行及び180度反転も円滑良好になし得られる。
更に、第3の発明によれば、該糞尿発酵処理槽の両側の
ピット壁には全く上記の諸設備を備えた台車の荷重がか
ゝらないので、該ピット壁を極めて簡単に且つ経済的に
板壁などで構築でき、又、台車上に設置する各種機器の
重量の規制を緩和できる。
この場合、該槽の両側のピット壁の外側の床面上に、該
両ピット壁に沿い平行して延びるレールを配設すること
により、台車4の蛇行のない往復動走行を比較的安価で
簡単な設備で円滑容易になし得られて好ましい。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図面で1は、長方形の糞尿発酵処理槽2のピット3の上
面を跨ぎ且つその長さ方向を往復動走行自在に設けられ
た本発明の1例の糞尿処理装置を示す。
該槽2は、その両側のピット壁2a,2aはその上面に台車
4の車輪を載置せしめる場合には、支持壁とするには、
通常の肉厚のコンクリート製で構築される必要がある
が、特に、図示の実施例のように、本発明の該糞尿処理
装置1は、その方形の台車4の幅をそのピット壁2a,2a
を越える広幅に構成すると共に、その前後に左右各一対
の車輪付き支持脚5,5…をピット壁2a,2a外側のコンクリ
ート土間の床面6に載置し、その夫々の車輪5a,5a…を
介してそのピット壁2a,2aに沿いその床面を往復動走行
自在とし、該ピット壁2a,2aには糞尿処理装置1の荷重
をかけないように構成する場合は、該ピット壁2a,2a
は、合成樹脂製、木製などから成る軽量な板材で而も簡
単に構築することができ、有利である。該槽2は、太陽
光線を通す透明な合成樹脂シート、ガラス板などから成
る天井(図示しない)を備え且つ前後に出入口7aを有す
る長手の棟7内に外周に作業用スペース8を存して設け
られる。
更に詳細には、該槽2は、高さ0.8〜1.5メートル程度、
長さ20〜200メートル程度、ピット壁2a,2a間の幅5.5〜
5メートル程度とする。
該糞尿処理装置1は、前記の方形枠状台車4と、該台車
に固設の円形軌道9と、該円形軌道上を幅方向の前後に
左右一対づつ配設した回転用車輪10a,10a,10a,10aを介
して、旋回自在に設けた長短方形架台10(第7図参照)
と、該方形架台10上に該ピット3の幅の1側半部に対応
する位置に固設した撹拌機11と、該方形架台10上に該ピ
ット3の幅の他側半部に対応する他側に固設した生糞散
布機12とから成る。尚、該正方形枠から成る台車4に
は、前記の前後左右の車輪5aを往復動走行せしめるため
に前後左右に夫々走行用モータとベルトとから成る走行
駆動装置13,13…を具備し、該旋回自在の長矩形架台10
には、夫々の車輪10a,10a,10a,10aを駆動する回転用モ
ータとベルトから成る旋回駆動装置14,14,14,14を具備
する。
該撹拌機11は、該架台10より下垂する左右一対のチェー
ンケース15,15内のチェーンにより回転し且つ周面に多
数の爪11cを配設して成る横型ロータリー式撹拌機11aと
該横型ロータリー式撹拌機11aの左右前方に配設された
該架台10より下垂する竪型スクリュー式撹拌機11bとか
ら成り、これにより、その槽2のピット3内に堆積する
糞尿堆積層の幅方向の半部が撹拌されるようにした。
16は、外部の電源に接続するケーブルリール17のケーブ
ル(図示しない)に接続するコントロールボックスを示
し、該コントロールボックス16は、前記の走行駆動装置
13,13…,前記の旋回駆動装置14,14…,該架台10の上面
に設けたボックス内に収容した前記の横型ロータリー式
撹拌機11aを回転駆動するモータ18、前記の左右一対の
竪型スクリュー式撹拌機11bを回転駆動するモータ19、
前記の生糞散布機12の傾動駆動用モータ20及び生糞撹拌
掻出し駆動用モータ21を夫々駆動制御する各種制御装置
を内蔵し、且つその制御盤で制御する。
図面で20aは、生糞散布機の傾動駆動用スプロケット、2
1aは、生糞散布機の撹拌掻出し用モータの減速機、22
は、そのスプロケット、23は、台車4を往復動走行運転
用の近接スイッチ又はリミットスイッチから成る制御装
置、24は、該架台10を円形軌道9に沿い旋回走行運転用
のリミットスイッチ又は近接スイッチから成る制御装
置、25は、台車の往復動走行において、走行時の蛇行運
動を防止するため、近接スイッチ、光電スイッチ、リミ
ットスイッチ、圧力スイッチなどの検知素子とその検知
を制御する電磁開閉器、電磁クラッチなどの制御素子と
から成るコントロールボックス、26は、水平レベル器を
示す。尚、前記の生糞散布機12は、先に出願の実願昭63
-22157号に開示したと同じものを使用したが、これに限
定されず、従来公知の任意の生糞散布機を使用してもよ
いことは勿論である。
このように、本発明の糞尿処理装置1は、その台車4上
に旋回自在に設けた架台10上に、その糞尿発酵処理槽2
のピット3の幅方向の1側半部に対応した位置に該撹拌
機11とその他側に半部に対応した位置に該生糞散布機12
とを併設して成るので、該撹拌機11と該生糞散布機12と
を個々に台車に備え、これを連結機器が前後に連結して
構成した従来装置に比し構成が簡単であり、而もその夫
々の点検、保守が容易になし得られると共に、撹拌機に
より発酵中の高温の糞尿堆積層を撹拌する際に飛散する
糞尿や立ち昇るガス霧が生糞散布機12側の駆動用モータ
などの各種機器にかゝり、汚染、腐蝕する不都合を解消
できる。
更に、好ましいことには、該装置1の往復動走行におい
て、撹拌機による糞尿堆積層の撹拌作動と生糞散布作動
とを同時に且つ文字通り平行に行うことができる。又、
該台車4上の架台10は、該台車4がその往動走行及び復
動走行の夫々において、該槽2の所定の端部に達したと
き、180°旋回反転するので、第6図示のように、ピッ
ト3の幅の1側半部及び他側半部において、その台車の
走行に伴い糞尿堆積層の撹拌と糞尿堆積層上への生糞の
散布とが交互に行われて、結局、往復動走行毎にピット
3内の幅全体に亘り糞尿堆積層の均一な撹拌と生糞の均
一な散布が繰り返し行われることになり、糞尿堆積層の
良好な発酵処理、熟成が行われる。
更に、本発明の上記実施例の糞尿処置装置1を用いた糞
尿堆積層の撹拌と生糞散布の作動につき、詳述すれば、
建物7の中央において、スクリューコンベヤーより生糞
を該散布機12の傾動自在の糞尿タンク12a内に落下供給
して所定量積み込んだ後、電気的作動をONにして撹拌機
11の回転を開始した後台車4を往動走行させ、この走行
に伴い生糞散布機12の傾動回転駆動モータ20により該糞
尿タンク12aを徐々に傾動回転させると同時に生糞撹拌
掻出し駆動用モータ21によりその生糞撹拌掻出し用スプ
ロケット22を作動して生糞の散布を少量づつ行う。その
糞尿発酵処理層2の一端近傍の所定位置において、近接
スイッチの作動により、その走行が停止し、これを180
度旋回感知リミットスイッチが感知し、これに伴い旋回
駆動装置14,14が作動して架台10の180度旋回し、同時に
生糞散布機12の傾動は停止する。その旋回は旋回完了感
知リミットにより180度旋回した時点で停止し、その直
後台車4の復動走行が開始されると同時に該生糞散布機
12の傾動が再開し、少量づつの散布が再開される。台車
4が槽2の一端近傍の所定の停止位置に到達したとき、
前記と同様の180度旋回と生糞散布機の一時停止とが行
われ、その反転終了後、台車4の往動走行が開始される
と同時に生糞散布が再開される。この往復動走行中に撹
拌機11は作動し、その横型ロータリー11aの多数配設の
爪により、糞尿堆積層をその略全幅に亘り撹拌し、その
左右の竪型スクリュー11bによりピット壁2a,2aに隣接部
分の糞尿堆積層部の撹拌を確実に行うようにし、台車4
の180度旋回時にも撹拌機11を停止させる必要はない。
台車4の往復動走行は、走行駆動装置13,13…により夫
々の車輪5a,5a…を床6面を転動走行させて、その槽2
の平行するピット壁2a,2aの外側に沿ってなされるが、
前記の台車4の左右に取付けた近接又はリミットスイッ
チなどの制御装置23,23により、その台車4の蛇行走行
は防止され、直線走行が確保されるようにした。これら
制御装置23,23は、前記の台車4の所定の停止位置では
機能しないように、ピット壁2a,2aにその台車4の往復
動走行する直線走行範囲に対応する範囲には、感知部材
を設けておくが、その両端近傍の停止位置には設けない
ように設計されている。
上記の本発明の糞尿処理装置1の往復動走行により、生
糞散布と撹拌とを同時に平行に且つ左右交互に行うこと
を繰り返し、該生糞散布機12のタンク12a内に生糞がな
くなったら、建物7の中央で全停止リミットによりその
走行、撹拌生糞散布の夫々の作動を停止し、次で、該タ
ンク12aを回動起立させ、生糞供給用スクリューコンベ
ヤーにより再び所定量の生糞を積み込み、所要時期に再
び本装置を作動せしめるようにするものである。
前記では、台車走行時の蛇行防止に制御装置を設置した
が、制御装置を使用する代わりに、第8図示の如く一対
の軌条設備を配設し、そのレール上を走行せしめるよう
にすることもできる。
即ち、該床6面上に、該両側のピット壁2a,2aの外側面
に平行に左右一対の肉厚の鋼製帯状基板28,28を固設
し、その夫々の上面中央にレール29,29を溶接などで固
設して成る軌条設備を用意し、台車4の前後左右の支持
脚5,5…の車輪5a′,5a′…を前記のレール29,29上に載
置し、台車4を該レール29,29に規制された蛇行のない
往復動走行を比較的簡単で且つ安価な設備で得られるよ
うにした。
このように、本発明の好ましい糞尿処理装置1は、その
台車4を、糞尿発酵処理槽2の両側の長手のピット壁2
a,2aを越える広幅の基台4aと該基台4aの前後部の夫々左
右に一対の支持脚5,5…とから成り、その夫々の支持脚
5の夫々の車輪5a又は5a′を槽2のピット壁2a,2aの外
側の床6面に載置し、床6面で前記の諸設備を具備した
該台車4の全荷重を支受するようにしたので、即ち、本
発明の装置1全体の荷重を支受するようにしたので、該
ピット壁2a,2aを従来の肉厚のコンクリート壁に代え、
軽量、肉薄の木材、合成樹脂などの建築材板を使用で
き、経済的且つ容易に糞尿処理槽2を構築することがで
き、又、その装置1の重量の制限を緩和し自由な設計が
可能となる。
上記の本発明処理装置1においては、その撹拌作動中に
立ち昇る異臭ガス霧による室7内の環境の汚染は防止す
ることができない。追加の発明によれば、上記の本発明
の撹拌機11と生糞散布機12とを槽2の幅方向に併設した
糞尿処理装置の使用において、その作動中の上記のガス
霧による環境汚染なしに且つ台車上及び室内に設置した
電気機器その他の各種装置の腐蝕を防止し乍ら、撹拌と
生糞散布作業を行えるようにした糞尿処理装置を提供し
たもので、台車上に前記のように1側に撹拌機を他側に
生糞散布機を併設し且つ旋回自在に設けて成る糞尿処理
装置において、撹拌機と生糞散布機の併設部の前部又は
後部に脱臭装置を付設して成る。
次に、その実施例を前記の第1図乃至第7図並に第9図
乃至第11図に基づき説明する。
図面で30は、脱臭装置を示し、図示の例では、該脱臭装
置30は、台車4上の旋回架台10上に併設された該撹拌機
11と該生糞散布機12の例えば後部、即ち、台車4の進行
方向とは反対側に、その旋回架台10の後部に一体に延長
突設した脱臭装置30の取付枠台31に設置したものを示
す。
更に詳細には、該脱臭装置30は、該撹拌機11の後部に隣
接して配置され且つ下向き開口するフード32と該生糞散
布機12の後部に隣接して配置された脱臭筐33と該フード
32の頂部と該脱臭筐33の下部との間を相互に接続する導
管34と該導管34内に介在せしめたモータ35aとファン35b
(ブロアー)から成る吸気装置35とから成り、該吸気装
置35は、1側の該フード32と他側の該脱臭筐33との中間
に位置して前記取付枠台31の中間支持板31a上に設置さ
れている。該脱臭筐33の内部は、前記の導管34と連通す
る下部空間36を存してその上面に、すのこ、耐腐蝕性金
網、格子などから成る多数の小孔を有する通気棚37を横
設し、その上面に活性炭その他の任意の脱臭剤をその筐
33の上縁近傍まで充填して脱臭剤充填層38を収容せしめ
て成る。更に、好ましくは、その脱臭筐33の底壁にドレ
ン装置39を設ける。該ドレン装置39は、該下部空間36に
連通する水抜きパイプ39aと開閉パルプ39bとから成る。
上記のように、台車4に、撹拌機11と生糞散布機12の併
設に加え、該脱臭装置30を付設したので、その往復動走
行の際に、該脱臭装置30の吸気装置35を作動せしめた状
態において、台車4を該撹拌機11による糞尿堆積層の撹
拌と該生糞散布機による生糞散布とを平行して同時に行
い乍ら、往動走行及び復動走行せしめるときは、該糞尿
撹拌に伴い立ち昇るガス霧は、該撹拌機に隣接している
フード32を介して直ちに吸入されて外部への放散を防止
し得られ、その吸入されたガス霧は、該導管34を通り、
該脱臭筐33の下部空間36内に入り、直ちにその上面の通
気性棚37の無数の通気孔を通り、その上面の脱臭剤充填
層38内に侵入してガス霧に含まれる異臭ガス、腐蝕性ガ
スなどの汚染ガスはこれに吸着され、その脱臭剤層38上
面よりは無臭の空気として脱気される一方、該ガス霧水
の水蒸気は、この間冷却凝縮して下部空間36に溜まるの
で、適時、ドレン装置39より水抜きする。
かくして、本発明の上記糞尿処理装置は、その撹拌と生
糞散布の走行作動中、糞尿撹拌に伴い立ち昇るガス霧に
よる従来の上記のような各種弊害は除かれて、常に、作
業環境の良い状態で運転でき、作業能率並に衛生環境の
向上が計れる。
尚、上記のように、台車4上にピットの幅方向に、左右
に撹拌機11と生糞散布機12を併設したその後部又は前部
に、該撹拌機11側にフード32をその生糞散布機12側に脱
臭筐33を併設したので、全体の配置バランスが良く、従
って、その往復動走行及びその両端における180度旋回
運動が円滑、良好に行われる。
〔発明の効果〕
このように本発明によるときは、長手の糞尿発酵処理槽
のピット上面をその長さ方向に沿い往復動走行する台車
上に、旋回自在に架台を設け、該架台にピットの幅の1
側半部に対応して撹拌機をその他側半部に対応して生糞
散布機を配設して成る糞尿処理装置に構成したので、該
台車を走行端における180°反転を介する往復動走行に
おいて夫々そのピット内に糞尿堆積層の撹拌と生糞散布
とを平行して同時に行うことができ、従来のような空の
往復動走行の無駄をなくし、稼動率を向上し得られ、而
もその往復動走行の繰り返しにより、ピット内の1側半
部と他側半部に交互に糞尿堆積層の撹拌と生糞散布とを
交互に行うことができ、従来の糞尿撹拌機と生糞散布機
とを相互に連結した台車の前後に配置した糞尿処理装置
のような連結機構を廃止し得られ、而も保守、点検も容
易にでき、又、その走行において糞尿散布機の各種駆動
機器などに、該撹拌機により撹拌される際に飛び散る糞
尿の付着やガス霧をかぶるなどの上記従来の装置の欠点
を除去し得られるなどの効果をもたらす。
更に追加の発明によれば、上記の装置において、該撹拌
機と該生糞散布機とを併設した旋回自在の架台に、更に
その併設部の前側又は後側に脱臭装置を付設したので、
その撹拌機による糞尿堆積層の撹拌に伴い放出される異
臭ガス、腐蝕性ガスなどのガス霧を、該脱臭装置で捕捉
し、室内の作業環境を良好にし、作業を円滑に且つ衛生
的になし得られる効果をもたらす。
この場合、該脱臭装置を、フードと脱臭剤充填層を収容
した脱臭筐と該フードと該脱臭筐とを接続する導管と該
導管内に介在させた吸気装置とから構成し、且つそのフ
ードを該撹拌機に隣接して配置したので、該撹拌機によ
る撹拌に伴い放出される前記ガス霧は、直ちにフードに
より吸引捕捉されて、該導管を通り該脱臭筐内に入り該
脱臭剤充填層に入り、前記ガス霧は吸着除去され、室内
へのガス霧の逸散を良好に防止でき、本装置並に室内の
諸設備の寿命を向上する効果を有する。
更に、該脱臭筐内の脱臭剤充填層を通気棚で支持し、そ
の下方に下部空間を設け、その底壁にドレン装置を設け
るときは、ガス霧は、下部空間に流入し、次でその上方
の通気棚を通して脱臭剤充填層に導くことができる一
方、水蒸気の凝結水は、ドレン装置により外部に適宜排
出せしめることができる。
而して、この場合、台車上に左右に併設の撹拌機側にフ
ードを生糞散布機側に脱臭筐を併設したので、台車全体
の重量バランスが良く、その往復動走行、180度旋回作
動を円滑に行うことができる。
更に追加の本発明によれば、上記の夫々の本発明の装置
において、該台車の幅を該糞尿発酵処理槽の幅より大き
く形成し、その前後左右の支持脚の車輪を、該槽の外側
の床面に載置せしめ、その両側のピット壁に沿い往復動
走行せしめるようにしたので、該両側のピット壁には台
車装置の負荷が全くかゝらないようにしたので、該ピッ
ト壁を肉薄軽量な建築で構築することができ経済的且つ
容易に処理槽を構築することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例の糞尿処理装置を、糞尿処理
室内に設置した糞尿発酵処理槽の上面に具備せしめた状
態の糞尿処理施設の一部を裁除した平面図、第2図は、
その要部の1側面図、第3図は、その要部の他側面図、
第4図は、その要部の前側正面図、第5図は、その要部
の後側正面図、第6図は、本装置の作動状態の平面図、
第7図は、旋回架台の平面図、第8図は、本装置の変形
例の一部を省略した横断面図、第9図は、第1図におけ
る脱臭装置のIX-IX線裁断面図、第10図は、第9図のX
−X線裁断面図、第11図は、第9図のXI-XI線裁断面図
を示す。 1……本発明の糞尿処理装置、2……糞尿発酵処理槽 2a,2a……ピット壁、3……ピット 4……台車、架台、5……支持脚 5a,5a′……車輪、6……床面 7……棟、室、9……円形軌道 10……旋回自在の架台、11……撹拌機 11a……横型ロータリー式撹拌機、12……生糞散布機 30……脱臭装置、31……取付枠台 32フード、33……脱臭筐 34……導管、35……吸気装置 36……下部空間、37……通気棚 38……脱臭剤充填層、39……ドレン装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手の糞尿発酵処理槽のピット上面を跨ぎ
    且つその長さ方向に沿い往復動走行する台車上に、旋回
    自在に設けた架台に、ピットの幅の1側半部に対応する
    位置に撹拌機を、その他側半部に対応する位置に生糞散
    布機を併設したことを特徴とする糞尿処理装置。
  2. 【請求項2】該架台は、台車上に固設した円形軌道上
    に、該架台に配設した車輪を載置して、旋回自在として
    成る請求項1記載の糞尿処理装置。
  3. 【請求項3】該長手の糞尿発酵処理槽のピット上面を往
    復動走行する台車上に旋回自在に設けた架台に、ピット
    の幅の1側半部に対応する位置に撹拌機を、その他側半
    部に対応する位置に生糞散布機を併設し、更にこれら撹
    拌機と生糞散布機の併設部の前側又は後側に脱臭装置を
    付設したことを特徴とする糞尿処理装置。
  4. 【請求項4】該脱臭装置は、フードと、脱臭剤充填層を
    収容した脱臭筐と、該フードと該脱臭筐を接続する導管
    と、該導管内に介在させた吸気装置とから成り、且つ該
    フードは撹拌機に隣接して設けられることを特徴とする
    請求項3記載の糞尿処理装置。
  5. 【請求項5】該脱臭筐は、その内部に横設した通気棚に
    より該脱臭剤充填層を支承すると共に該通気棚の下方に
    前記導管と連通する下部空間を設け、且つ該底壁にドレ
    ン装置を設けて成る請求項4記載の糞尿処理装置。
  6. 【請求項6】該架台上に併設された撹拌機と生糞散布機
    の前側又は後側に隣接して、該撹拌機側に該フードを該
    生糞散布機側に該脱臭筐を併設して成る請求項4又は5
    記載の糞尿処理装置。
  7. 【請求項7】該台車は、長手の糞尿発酵処理槽の両側の
    ピット壁を越える広幅の基台と該基台の前後左右に配設
    した支持脚とから成り、該支持脚の前後左右の車輪は、
    該長手の糞尿発酵処理槽の両側のピット壁の外側の床面
    上に載置し且つ該両ピット壁に沿い往復動走行せしめる
    ようにしたことを特徴とする請求項1又は3記載の糞尿
    処理装置。
  8. 【請求項8】該長手の糞尿発酵処理槽の両側の該ピット
    壁の外側の床面上に、該両ピット壁に沿い平行して延び
    るレールを配設して成る請求項7記載の糞尿処理装置。
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