JPH0761843A - アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物

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JPH0761843A
JPH0761843A JP5207992A JP20799293A JPH0761843A JP H0761843 A JPH0761843 A JP H0761843A JP 5207992 A JP5207992 A JP 5207992A JP 20799293 A JP20799293 A JP 20799293A JP H0761843 A JPH0761843 A JP H0761843A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アルミナセメント、アルミナセメント組成
物、及びそれを用いた不定形耐火物、特に、従来品に無
い高強度、高流動性、高耐食性、及び耐摩耗性を有する
アルミナセメント、アルミナセメント組成物、及び不定
形耐火物を提供すること。 【構成】 鉱物組成が、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、及び1
2CaO・7Al2O3の水硬性成分からなり、化学成分が、CaO20
〜40重量%、Al2O380〜60重量%である水硬性物質20〜9
5重量部とα−アルミナ80〜5重量部とを配合してなる
アルミナセメントであり、該アルミナセメントと、カル
ボン酸類、炭酸塩、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル
酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びホ
ウ酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上の添加
剤とを含有してなるアルミナセメント組成物であり、さ
らには、該アルミナセメント又はアルミナセメント組成
物と耐火骨材とを配合してなる不定形耐火物を構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミナセメント、ア
ルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火
物、特に、従来品に無い高強度、高流動性、高耐食性、
及び耐摩耗性を有する、アルミナセメント、アルミナセ
メント組成物、及び不定形耐火物に関する。
【0002】本発明のアルミナセメント、アルミナセメ
ント組成物、及び不定形耐火物は、アルミナセメントが
使用されている耐火物分野、化学プラントのライニン
グ、及び耐食材料等への利用が可能である。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来、CaOをC、Al2O3をAとす
ると、特定割合のCA、C12A7、及び非晶質からなり、α
−アルミナ、ヒドロオキシカルボン酸、及び無機炭酸塩
を含有してなるアルミナセメント組成物(特開昭49-3292
1号公報、特開昭50-102617号公報、及び特開昭55-12193
3号公報等)や、水溶性のポリアクリル酸類及び/又はメ
タクリル酸−アクリル酸共重合体と、アルカリ金属炭酸
塩とを含有してなるアルミナセメント(特開昭55-75947
号公報や特開昭55-75948号公報など)や、特定のC/A比を
持つ無定形カルシウムアルミネート(非晶質カルシウム
アルミネート)を含有するアルミナセメント、又は、C
A、CA2、C3A、C12A7、及びC11A7・CaF2等の一種又は二種
以上の鉱物組成に対応する非晶質カルシウムアルミネー
トを主成分とするアルミナセメント(特開昭61-132556号
公報、特開昭61-77659号公報、及び特開平2-175638号公
報等)や、少なくとも80重量%以上のカルシウムアルミ
ネート相のクリンカーと特定の比表面積をもつアルミナ
を含有してなるアルミナセメント、又は、アルミナセメ
ントクリンカーにアルミナ質微粉を含有してなるアルミ
ナセメント(特開昭52-111920号公報や特公昭47-40694号
公報など)、並びに、CA2を主体にし、C12A7、微粉アル
ミナ、及びスルホン酸系アニオン界面活性剤を配合して
なるアルミナセメント(特開昭55-121934号公報や特開昭
55-144456号公報など)が提案されている。
【0004】また、アルミナセメントの鉱物組成と添加
剤の種類についての基本特性を述べた文献として、「HI
GH ALUMINA CEMENT AND CONCRETES.(T.D ROBSON 1962
年発行)」がある。
【0005】これらの特許や文献に記載されているアル
ミナセメントは、高強度発現性、高耐火性、及び高流動
性等の特性改善を目的としたものであるが、いずれも一
長一短があり、従来の市販品の範疇を逸脱する物ではな
かった。
【0006】特に、アルミナセメント中のAl2O3含有量
を高め、耐食性と耐火性を向上させようとすると、養生
強度や乾燥強度が著しく低下するという課題があり、ア
ルミナセメント中のCaOとAl2O3の含有割合は必然的に制
限されるものであった。
【0007】また、多くのアルミナセメントの鉱物組成
は、カルシウムアルミネートの種類とその配合割合の多
少にかかわらず、流動性を確保するため、また、強度発
現性付与の面や適度の硬化性確保の面で、CAを主体とす
るものに限定されていた。
【0008】一方、カルシウムアルミネートの硬化速度
の調整に、C12A7のような早硬性カルシウムアルミネー
トを配合することが提案されている(特開昭54-139637号
公報)。
【0009】しかしながら、CA2やC3A5は硬化遅延性や
強度発現性が低下する傾向を示し、C 12A7、C5A3、及びC
3Aは、急硬性を示す特徴があり、添加剤等で硬化調整を
行っても、CAを主体とするアルミナセメントには、強度
発現性の面で劣るという課題があった。
【0010】このように、特許等には多数のアルミナセ
メントに関する技術が存在するものの、実際に工業化さ
れているアルミナセメントの鉱物組成は、CAを主体とす
るものに限定され、さらに、硬化調整の目的で、また、
高耐火性や強度発現性付与の目的で、C12A7やα−アル
ミナなどの各種添加剤を含有したものである。
【0011】現在、市販されているアルミナセメントと
しては、電気化学工業社製商品名「ハイアルミナセメン
トスーパー(S)」、「ハイアルミナセメントスーパー2(S-
2)」、「ハイアルミナセメントスーパー90(S-90)」、「ハイ
アルミナセメントスーパーG(S-G)」、「ハイアルミナセメ
ントスーパーF(S-F)」、「ハイアルミナセメント(HI)」、
「ハイアルミナセメント-D(HI-D)」、「ハイアルミナセメ
ント-NEO(HI-NEO)」、「ハイアルミナセメント#80(HI#8
0)」、「アルミナセメント1号」、「アルミナセメント1号
-D」、「アルミナセメント1号-NEO」、及び「アルミナセメ
ント2号」等、旭硝子工業社製商品名「アサヒアルミナセ
メント1号」や「アサヒフォンジュ」など、日本セメント
社製商品名「アサノアルミナセメント1号」や「アサノア
ルミナセメント2号」など、アルコア社製商品名「CA25
G」、「CA25R」、「CA25C」、「CA14」、及び「CA15」等、ラファ
ージュ社製商品名「セカール80」、「セカール71」、「セカ
ール51」、「セカール41」、及び「シマンフォンジュ」等、
ユニオン社製商品名「ユニオン1号」や「ユニオンHI」な
ど、並びに、リーハイ社製商品名「ルムナイト」や「レフ
コン」等が挙げられる。
【0012】これらの製品は、いずれもCAを主体にし、
要求特性に応じてC12A7、α−アルミナ、及びその他の
添加剤を含有したものである。
【0013】また、これらの製品それぞれに、流動性、
強度発現性、硬化性、及び耐火性等に特色があるが、現
在、耐火物分野、特に、製銑設備や製鋼設備で要求され
る不定形耐火物の要求レベルには、流動性、強度発現
性、耐火性、及び耐食性等の特性が不十分であった。
【0014】特に、スラグラインや取り鍋の敷き部、鋼
浴部、及び高炉内の補修等のように、高強度発現性、耐
食性、耐摩耗性、及び耐スポール性等を要求される箇所
に施工する不定形耐火物には、従来のアルミナセメント
では、流動性と強度発現性が不足し、一定量以上のアル
ミナセメントの添加が必須で、このアルミナセメント添
加量に由来する不定形耐火物中のCaO量を減少できるも
のではなかった。耐久性向上には、不定形耐火物中のCa
O量の減少化が不可欠であり、このためには、従来のア
ルミナセメントや公知技術では、多少の優劣はあるもの
の、大幅な性能向上は期待できなかった。
【0015】本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の鉱物組成と化学成分からなる水
硬性物質を配合したアルミナセメントが、高強度発現性
と流動性に優れ、適度の可使時間や硬化性が得られるこ
とを知見して本発明を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、鉱物組
成が、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、及び12CaO・7Al2O3の水
硬性成分からなり、化学成分が、CaO20〜40重量%、Al2
O380〜60重量%である水硬性物質20〜95重量部とα−ア
ルミナ80〜5重量部を配合してなるアルミナセメントで
あり、該アルミナセメントと、カルボン酸類、炭酸塩
類、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル
酸類−メタクリル酸類共重合体、及びホウ酸類からなる
群より選ばれた一種又は二種以上の添加剤とを含有して
なるアルミナセメント組成物であり、さらには、該アル
ミナセメント又はアルミナセメント組成物に、耐火骨材
を配合してなる不定形耐火物である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明に係る水硬性物質は、CaOをC、Al2O
3をAとすると、鉱物組成としてCA、CA2、及びC12A7の水
硬成分からなり、CaO20〜40重量%、Al2O380〜60重量%
の化学成分からなるものであり、特に、この特定の鉱物
組成と化学成分を両立させることが重要である。
【0019】本発明の水硬性物質は、赤ボーキサイト等
の天然原料をバイヤープロセス等の精製法により精製し
て得られた高純度アルミナやボーキサイト等のAl2O3
と、石灰石や生石灰などのCaO源とを、所定の成分割合
になるように配合し、電気炉、反射炉、縦型炉、平炉、
シャフトキルン、及びロータリーキルン等の設備で、溶
融及び/又は焼成して得られるクリンカーを粉砕したも
のである。特に、本発明においては、溶融法によって製
造した水硬性物質に比べて、焼成法により製造した水硬
性物質が、そのカルシウムアルミネートの鉱物組成の生
成割合が、本発明の範囲内で製造しやすい面から好まし
い。水硬性物質の鉱物組成は、溶融法では得られ難い。
即ち、熱力学的に、CA、CA 2、及びC12A7の三つの鉱物組
成が一度の溶融で存在することは不可能であり、本発明
の鉱物組成を得るには、CA−CA2とCA−C12A7の二成分系
の鉱物組成を、又は、CA、CA2、及びC12A7の単一の鉱物
組成を所定の割合に配合する必要がある。これに対し、
焼成法では、カルシウムアルミネートの生成が、CaO中
へのAl2O3の拡散反応によるため、熱力学的に隣接する
複合の鉱物組成が得られる。具体的には、本発明の所定
のCA−CA2−C12A7系の鉱物組成が、一度の焼成によって
得られる。焼成法のメリットは、拡散反応を主体として
カルシウムアルミネートが生成するため、目的とする化
学成分割合のものが製造しやすいことである。
【0020】本発明においては、鉱物組成の種類の他
に、これら鉱物組成の割合が重要であって、CA、CA2
及びC12A7の鉱物組成を含有することが重要である。
【0021】これら鉱物組成の含有割合(鉱物組成比)
は、Cu-Kα線を用いたX線回折によって分析可能であっ
て、得られるCAの回折線に対するCA2とC12A7の回折強度
比、CA 2/CAが0.1〜10.0/1.0、C12A7/CAが0.1〜5.0/1.
0になるように製造したものが好ましい。強度発現性、
流動性、及び硬化性のバランスの面からCA2/CAが0.5〜
5.0/1.0、C12A7/CAが0.5〜3.0/1.0のものがより好まし
い。C12A7が多いと急結性を示し、強度が低下するため
好ましくない。また、CA2が多いと可使時間は確保でき
るものの、硬化遅延するため好ましくない。
【0022】ここで、鉱物組成比とは、CA=4.67Å、CA
2=4.45Å、C12A7=4.89Å、及びα-Al2O3=2.55Åの各
種カルシウムアルミネートとα−アルミナのCu-Kα線を
用いたX線の回折線の格子定数値dの強度比によって算
出したものである。
【0023】さらに、本発明の水硬性物質の化学成分
は、CaO20〜40重量%、Al2O380〜60重量%のものである
ことが重要であり、CaO24〜32重量%、Al2O376〜68重量
%のものがより好ましい。CaOが40重量%を越えるとC12
A7、C3A、及びC5A3等の急硬性の鉱物組成が生成しやす
くなり、流動性がとれず、可使時間が短くなるので好ま
しくない。また、CaOが20重量%未満では、CA2、C3A5
及び未反応のα-Al2O3等の遅延性及び/又は非水硬性の
鉱物組成が生成しやすくなり、硬化遅延性と強度発現性
の低下が発生する傾向があり好ましくない。
【0024】本発明の水硬性物質としては、所定の、C
A、CA2、及びC12A7の鉱物組成の他に、SiO2をS、TiO2
T、及びFe2O3をFとすると、さらに、原料から混入する
不純物により生成する、C2AS、CT、及びC4AF等と示され
る鉱物組成の不純物を含有しているものも使用可能であ
る。
【0025】また、水硬性物質の特性を損なわない範囲
で、未反応のCaOや未反応のAl2O3を少量含有することも
可能である。未反応のCaOは2重量%以下が、また、未
反応のAl2O3は10重量%以下程度が好ましい。本発明の
水硬性物質は、前記の鉱物組成と化学成分を外れると必
要な高強度発現性が得られにくい。未反応原料が水硬性
物質中に存在すると、流動性が悪化したり、強度発現性
が低下したり、高温下での体積安定性が不良となったり
する傾向がある。
【0026】焼成法で本発明の水硬性物質を製造する場
合、水硬性物質は、Al2O3源とCaO源とを所定の割合で混
合、若しくは、混合粉砕し、又は、一部混合後、さら
に、混合粉砕し、例えば、ロータリーキルンを用いて、
1,000〜1,600℃の温度で焼成することで得られるクリン
カーを粉砕して得られる。そして、原料の粒度調整、焼
成温度、焼成時間、及び冷却速度が、本発明の水硬性物
質の鉱物組成を得るための管理ポイントである。
【0027】また、本発明における水硬性物質のガラス
化率は、特に限定されるものではないが、一般にガラス
化率が高いと水硬性が強くなり、高強度の硬化体が得ら
れる。ガラス化率は、溶融又は焼成した高温のクリンカ
ーを冷却する度合いにより調整可能であり、急冷すると
ガラス化率が高くなる。このガラス化率は、粉末X線回
折による鉱物組成の分析で測定可能で、その程度は、回
折線の強度が弱いもの程ガラス化率が大きいことを示
す。
【0028】クリンカーの粉砕には、通常、粉塊物の微
粉砕用に使用される、例えば、ローラーミル、ジェット
ミル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミル等の粉
砕機の使用が可能である。
【0029】これら粉砕機によって、クリンカーを、比
表面積がブレーン値で、好ましくは3,000cm2/g以上、よ
り好ましくは4,000cm2/g以上の粒度まで粉砕する。水硬
性物質のブレーン比表面積は、水硬性物質の重要特性で
ある流動性、硬化性、及び強度発現性に関連し、要求特
性を得るためには重要な管理ポイントであって、4,500
〜6,000cm2/g内のものが最も好ましい。
【0030】本発明に係るα−アルミナとは、本発明の
水硬性物質と配合してアルミナセメントとするもので、
高耐火性、高温強度発現性、及び体積安定性を付与させ
るものであり、バイヤープロセス等によって高純度化処
理された水酸化アルミニウムをロータリーキルンで焼成
して得られる精製アルミナであって、一般には、高純度
アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、及び軽
焼アルミナ等と呼ばれるものである。
【0031】α−アルミナの純度は、通常のバイヤープ
ロセスによって製造されたアルミナであれば、Al2O390
重量%以上程度の純度は確保可能であり、98重量%以上
がより好ましい。Al2O3の純度は、高ければ高いほど好
ましいが、90重量%以上あれば十分である。配合するα
−アルミナの種類によって、アルミナセメント又はアル
ミナセメント組成物の特性が大きく変化するため、α−
アルミナの選択は重要である。本発明においては、組み
合わせる水硬性物質との相互作用によって、初めて従来
品に無い特性が発揮できる。
【0032】α−アルミナは、粉砕前の一次粒子径が平
均粒子径(Dp50)で、20〜100μ程度のものであって、30
〜60μが好ましく、40〜50μがより好ましい。100μを
越えると、不定形耐火物に使用した際の焼結強度が低下
しやすく、20μ未満では流動性が低下しやすい。また、
α−アルミナの焼成度は、BET法による比表面積で0.
5〜100m2/gが好ましく、2〜10m2/gがより好ましく、6
〜8m2/gが最も好ましい。通常、この一次粒子径は、バ
イヤープロセスにおける水酸化アルミニウムの析出速度
に関連し、析出速度を遅くすると粒子径の大きいものが
得られ、逆に早くすると粒子径の小さい物が得られる。
焼成度は、比表面積が大きい物ほど軽焼タイプのアルミ
ナであることを示し、高温下で使用した際、焼結性に優
れるが収縮が大きくなる欠点も有する。α−アルミナの
比表面積が大きいとアルミナセメントにした際の流動性
が低下し、逆に小さいと流動性が向上する傾向を示す。
また、比表面積が大きいと不定形耐火物に配合した際、
高温での焼結性は向上するものの、過焼結により、耐ス
ポーリング性が低下し、収縮も大きくなる傾向を示す。
比表面積が小さいα−アルミナを配合したものは、収縮
が小さくなり、焼結強度が低下する傾向がある。
【0033】本発明に配合するα−アルミナの選択は、
アルミナセメント又はアルミナセメント組成物の特性を
大きく左右するため、慎重に行うべきであり、不定形耐
火物に配合した際の要求品質に応じて、適宜決定される
ものであるが、流動性、硬化性、強度発現性、耐スポー
リング性、及び収縮率を小さくする面から、前記のα−
アルミナの使用が好ましい。本発明でα−アルミナを使
用する場合、Al2O3純度の他に不純物としてのNa2O量が
問題であって、Na2Oが多いとアルミナセメントにした
際、流動性の低下、耐火性の低下、及び高温での収縮発
生等の課題が発生するため、Na2O量は少ない方が好まし
く、0.5重量%以下が好ましく、0.3重量%以下の低ソー
ダタイプのものがより好ましい。
【0034】本発明において、水硬性物質とα−アルミ
ナとからアルミナセメントを製造する際の混合・粉砕方
法は、α−アルミナを単独でアルミナセメント相当の粒
度まで、好ましくはDp50が2〜10μ程度まで粉砕後、前
記水硬性物質と混合するか、クリンカーと配合し、混合
粉砕する方法が可能である。本発明では、クリンカーと
混合粉砕した方がアルミナセメント又はアルミナセメン
ト組成物中に均一に混合されるため、不定形耐火物に使
用した際、硬化体組織が均一になり、耐食性が向上する
などの効果が得られ好ましい。
【0035】水硬性物質又はクリンカーと、α−アルミ
ナとの配合割合は、水硬性物質又はクリンカー20〜98重
量部に対して、α−アルミナ80〜2重量部であることが
好ましく、水硬性物質又はクリンカー60〜95重量部に対
して、α−アルミナ40〜5重量部であることがより好ま
しい。α−アルミナの配合量を増加させると、耐火性や
高温での焼結強度は増加するが、養生強度や乾燥後の強
度が低下し、流動性も低下する傾向がある。特に好まし
くは、配合する水硬性物質又はクリンカーの成分組成と
の兼ね合いがあるが、α−アルミナを配合した段階での
成分比が、CaO30〜1重量%、Al2O370〜99重量%の割合
になるように調合することが重要である。特に、本発明
においては、CaO20〜2重量%、Al2O380〜98重量%にな
るように調合することが好ましく、CaO20〜3重量%、A
l2O380〜97重量%がより好ましい。CaOが多いと、不定
形耐火物に使用した際の耐食性が低下し、Al2O3が多い
と流動性と強度発現性が低下する傾向がある。なお、ア
ルミナセメント又はアルミナセメント組成物を使用する
不定形耐火物の要求特性によっては、この成分範囲に捕
らわれる必要がなく、流動的に配合割合を変えることも
可能である。
【0036】本発明に係るカルボン酸類とは、カルボン
酸又はそのアルカリ塩である。ここで、カルボン酸と
は、オキシカルボン酸であって、具体的には、クエン
酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、及びグルコン酸等が挙げ
られる。また、カルボン酸のアルカリ塩としては、ナト
リウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられ
る。これらのうち、クエン酸又はそのアルカリ塩、中で
もクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムの使用が好ま
しく、クエン酸カリウムの使用が最も好ましい。カルボ
ン酸類の粒度は、アルミナセメントと混和した際、水に
溶解しやすいように、細かければ細かい程好ましく、10
0メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより好ま
しい。カルボン酸類の純度は、特に限定されるものでは
ないが、現在、工業的に精製されているカルボン酸類の
使用が可能であって、純度が80重量%程度以上のものの
使用が好ましい。中でも、不純物として硫酸塩が0.05重
量%以下のクエン酸又はその塩や、20℃における1重量
%水溶液のpHが7〜10のクエン酸又はその塩を使用す
ることが、可使時間に優れるためより好ましい。
【0037】本発明に係る炭酸塩としては、無機炭酸塩
のいずれも使用可能であるが、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭
酸水素カリウム等の炭酸アルカリ塩の使用が好ましく、
その含水塩や無水塩のいずれの使用も可能である。これ
らのうち、炭酸ナトリウムの使用が好ましく、JIS K120
1、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規定される炭酸ナト
リウムが使用可能である。炭酸塩の粒度は、アルミナセ
メントと混和した際、水に溶解しやすいように、細かい
程好ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ
以下がより好ましい。炭酸塩の純度は、特に限定される
ものではないが、現在、工業的に精製されている炭酸塩
の使用が可能であって、目的とする炭酸塩の純度が80重
量%程度以上のものの使用が好ましい。
【0038】本発明に係るポリアクリル酸類とは、ポリ
アクリル酸やその誘導体又はそれらのアルカリ塩であっ
て、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナト
リウム、及びポリアクリル酸エステル共重合体又はその
アルカリ塩等であって、共重合体としては、架橋分岐型
が好ましい。ポリアクリル酸のアルカリ塩としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可
能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好
ましい。特に、本発明に添加剤として配合する際は、ポ
リアクリル酸ナトリウムの使用が好ましく、中でも低重
合度の水に可溶な重合体で、固形分が95重量%以上、40
重量%濃度の水性スラリーの25℃におけるスラリー粘度
が10,000cps以下の可溶性重合度タイプのものの使用
が、カルシウムアルミネートの流動性を向上する面から
好ましい。水性スラリーの粘度は、B型粘度計によって
測定できるもので、重合度を現しており、重合度が高い
程、粘度も大きくなる傾向にあり、本発明では、100〜
2,000cpsの粘度のものが好ましい。本発明において、ポ
リアクリル酸類の水性スラリーのイオン性やpHは、特
に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合
した際、より大きな流動性を得るために、ポリアクリル
酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%スラ
リーのpHが中性からアルカリ性であることが好まし
く、特に、pHが7.5〜11のものがより好ましい。ま
た、ポリアクリル酸類は、あらかじめアルミナセメント
にプレミックスでき、施工時に別途に投入したり、混合
したりする手間が削減できる面から、粉末タイプである
ことが好ましい。ポリアクリル酸類の粉末化は、液状品
をスプレードライヤー等の乾燥機で乾燥処理することで
可能である。
【0039】本発明に係るポリメタクリル酸類とは、メ
タクリル酸メチル等の非官能性モノマー、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル等の一官能性モノマー、及びジメ
タクリル酸エチレン等の多官能性モノマーに分類される
メタクリルモノマー、ポリメタクリル酸又はそのアルカ
リ金属塩、並びに、共重合体を含むメタクリル酸エステ
ル系合成樹脂であり、水に溶解したときのイオン性がア
ニオン性であることが好ましく、スラリーのpHが中性
からアルカリ性であることが重要で、特に、pHが7〜
12のものが好ましい。ポリメタクリル酸のアルカリ金属
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウ
ム塩等が挙げられるが、アルミナセメントと併用する効
果の面からナトリウム塩の使用が好ましい。ポリメタク
リル酸類の重合度が大き過ぎるとアルミナセメントと混
練りする時にフロー値が小さくなり、流動性が低下する
ため好ましくない。50〜100,000程度の重合度が好まし
い。また、ポリメタクリル酸類は、あらかじめアルミナ
セメントにプレミックスでき、施工時に別途に投入した
り、混合したりする手間が削減できる面から粉末タイプ
であることが好ましい。ポリメタクリル酸類の粉末化
は、ポリメタクリル酸類を製造する際、液状品をスプレ
ードライヤー等の乾燥機で乾燥処理することで可能であ
る。
【0040】本発明に係るアクリル酸類−メタクリル酸
類共重合体としては、分子量が5,000〜20,000の共重合
体であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用が可
能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好
ましい。特に、本発明では、アクリル酸−メタクリル酸
共重合体のナトリウム塩の使用が好ましく、中でも、水
に可溶な重合体で、固形分95重量%以上、25℃における
40重量%濃度のスラリー粘度が10,000cps以下の可溶性
重合度タイプのものの使用が、アルミナセメントの流動
性を向上する面から好ましい。水溶性スラリーの粘度
は、B型粘度計によって測定できるもので、重合度を表
しており、重合度が高いものほど粘度も大きくなる傾向
にあり、本発明では、25℃における40重量%濃度のスラ
リー粘度が100〜2,000cpsのものを使用することが好ま
しく、300〜1,000cpsのものを使用することがより好ま
しい。アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の割合
は、アクリル酸類/メタクリル酸類が重量比で9/1〜
4/6の割合であることが好ましく、8/2〜5/5の
割合の共重合体が分散作用に優れより好ましい。特に好
ましい共重合体の組み合わせは、アクリル酸ナトリウム
/メタクリル酸ナトリウムの重量比が8/2〜5/5で
ある。アクリル酸類の割合が多過ぎると、アクリル酸類
の特徴が強くなり、流動性と凝集時間が早くなる傾向を
示し、アクリル酸類の割合が少な過ぎると、メタクリル
酸類の特徴を強く示し、混練り時の粘性が高くなり、ま
た硬化遅延を生じやすくなるばかりでなく、共重合が不
可能となる傾向があり好ましくない。本発明において、
アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体の水溶性スラリ
ーのイオン性やpHは、特に限定されるものではない
が、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性
を得るために、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体
がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%濃度の水
溶性スラリーのpHが中性からアルカリ性であることが
重要で、特に、pHが7.5〜11のものが好ましい。ま
た、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体は、あらか
じめアルミナセメントにプレミックスすることができ、
施工時に別途に投入したり、混合したりする手間が削減
できる面から、粉末タイプであることが好ましい。アク
リル酸類−メタクリル酸類共重合体の粉末化は、液状品
をスプレードライヤー等の乾燥機で乾燥処理するなどし
て製造することが可能である。
【0041】本発明に係るホウ酸類とは、ホウ酸又はそ
のアルカリ塩である。ここで、ホウ酸とは、別名ボール
酸、正ホウ酸、又はオルソホウ酸と呼ばれる物で、化学
式H3BO4で表され、ピロホウ酸、テトラホウ酸、及びメ
タホウ酸を含有するものである。ホウ酸の製造方法は、
特に限定されるものではないが、通常、ホウ酸の原鉱石
に硫酸を加えて加熱分解し、ホウ酸を分離抽出後、精製
して得られる。ホウ酸のアルカリ塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等があって、その
うち、ナトリウム塩又はカリウム塩の使用が好ましく、
その含水化合物や無水化合物のいずれの使用も可能であ
る。ホウ酸類の粒度は、アルミナセメントに混和した
際、水に溶解しやすいように小さい程好ましい。また、
ホウ酸類の純度は、特に限定されるものではないが、現
在、工業的に精製されているものの使用が可能であっ
て、ホウ酸類中のBO4分が80重量%以上のものの使用が
好ましい。
【0042】本発明は、アルミナセメントに、カルボン
酸類、炭酸塩、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸
類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びホウ
酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上の添加剤
を併用するものである。
【0043】添加剤の種類の組み合わせは、アルミナセ
メントによって、適宜選択できるもので、特に限定され
るものではないが、カルボン酸類−炭酸塩−ポリアクリ
ル酸類、カルボン酸類−炭酸塩−ホウ酸類、及びカルボ
ン酸類−炭酸塩−ポリアクリル酸類−ホウ酸類の組み合
わせが、流動性、硬化性、及び強度発現性のバランスが
確保できる面から好ましい。特に、カルボン酸類として
クエン酸ナトリウム、炭酸塩として炭酸ナトリウム、ポ
リアクリル酸類としてポリアクリル酸ナトリウム、ホウ
酸類としてホウ砂を配合したものが、アルミナセメント
組成物として流動性に優れるため、より好ましい。
【0044】これら添加剤は、アルミナセメント100重
量部に対して、添加剤の合計量が0.2〜5.0重量部になる
ように配合するのが好ましく、添加剤の合計量が0.8〜
2.0重量部が、硬化遅延が少なく、高流動性が確保でき
る面からより好ましい。また、添加剤の配合割合は、カ
ルボン酸類−炭酸塩−ポリアクリル酸類を使用する場合
は、ポリアクリル酸類100重量部に対して、カルボン酸
類20〜40重量部、炭酸塩60〜100重量部が、また、カル
ボン酸類−炭酸塩−ホウ酸類を使用する場合は、カルボ
ン酸類100重量部に対して、炭酸塩20〜50重量部、ホウ
酸類5〜25重量部が、さらに、カルボン酸類−炭酸塩−
ポリアクリル酸類−ホウ酸類を使用する場合は、ポリア
クリル酸類100重量部に対して、カルボン酸類10〜30重
量部、炭酸塩50〜80重量部、ホウ酸類25〜45重量部が好
ましい。
【0045】本発明において、添加剤の配合方法は、特
に限定されるものではなく、各添加剤を所定の割合にな
るように配合し、あらかじめ粉砕したクリンカーとV型
ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン
型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均
一混合するか、あるいは、所定の割合でクリンカーに配
合後、振動ミル、チューブミル、ボールミル、及びロー
ラーミル等の粉砕機で混合粉砕することが可能である。
【0046】さらに、本発明では、個々の添加剤を、又
は、添加剤の混合物を、100〜300℃の温度で30分以上、
好ましくは60分以上、乾燥又は軽焼の熱処理をすること
は、アルミナセメントに配合した際の流動性が向上する
ため好ましく、特に、150〜200℃で熱処理したものの効
果が著しい。
【0047】本発明の添加剤は、GC−MS、C13−N
MR、HPLC、イオンクロマト、及びFT−IR等の
機器分析や放射化分析等で分析することが可能である。
【0048】本発明に係る耐火骨材とは、通常、不定形
耐火物に使用されている耐火骨材が使用可能であって、
具体的には、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マ
グネシア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶融マ
グネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグ
ネシアスピネル、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼ア
ルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、シリカヒュ
ーム、コロイダルシリカ、軽焼アルミナ、及び易焼結ア
ルミナ等の超微粉、その他、溶融シリカ、焼成ムライ
ト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シリ
マナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジルコ
ン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキュ
ライト、煉瓦葛、陶器葛、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化
珪素、及び窒化珪素鉄等の使用が可能である。特に、本
発明の不定形耐火物においては、耐食性、耐用性、及び
耐火性の面から、マグネシア、マグネシアスピネル、ア
ルミナ、及び超微粉の中から選ばれた一種又は二種以上
の耐火骨材を使用することが好ましい。また、スラグの
不定形耐火物中への浸透抑制面から、マグネシアとアル
ミナの組み合わせや、マグネシアスピネルとアルミナの
組み合わせが好ましい。
【0049】ここで、マグネシアとは、海水法により海
水から抽出されたMg(OH)2、炭酸マグネシア、天然MgOで
あるマグネサイト、又は、天然炭酸マグシアをロータリ
ーキルン等で焼成して得られる焼結マグネシアクリンカ
ー、及び/又は、その焼結マグネシアクリンカーを電気
炉等で溶融して得られる電融マグネシアクリンカーを、
所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものであって、Mg
Oの純度が80重量%以上のものが不定形耐火物に使用し
た際、耐食性に優れる面で好ましく、SiO2やTiO2などの
不純物が少ないものが好ましく、MgOの純度が95重量%
以上であり、CaOの含有率が2重量%以下、SiO2の含有
率が0.5重量%以下、B2O3の含有率が0.5重量%以下のマ
グネシアが、耐食性に優れる面からより好ましい。この
他、スピネルコーティングしたマグネシア、粒界にチタ
ン酸マグネシウムを含有させたマグネシア、マグネシア
粒子表面にカルシウムアルミネートを生成させたマグネ
シア、及び塩基性煉瓦に使用される特開平4-357110号公
報に記載のような特殊なマグネシアクリンカーや耐熱ス
ポーリング性を向上させたマグネシア・ジルコニアクリ
ンカー等の特殊なマグネシアも使用可能である。
【0050】また、本発明に係るマグネシアスピネルと
は、水酸化マグネシウムや仮焼マグネシアなどのMgO源
と、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのAl2O3
を、所定の割合になるように調合し、ロータリーキルン
等の焼成装置を用いて、約1,800〜1,900℃の温度で反応
・焼結させてスピネルクリンカーとしたもの、電気炉な
どの溶融装置で溶融した溶融マグネシアスピネルを所定
のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これ
ら焼成したものと溶融したものを混合したもの等であ
る。マグネシアスピネルにおけるMgO/Al2O3の重量比
は、1/1〜0.1/1が好ましく、0.4/1〜0.2/1が
不定形耐火物に配合した際、耐久性に優れる面からより
好ましい。
【0051】本発明に係るアルミナとは、水酸化アルミ
ニウムや仮焼アルミナなどのAl2O3源を、ロータリーキ
ルン等の焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結
及び/又は溶融した物を、所定のサイズに粉砕し、篩い
分けしたものであって、鉱物組成としては、α-Al2O3
β-Al2O3などと示される酸化アルミニウムであり、焼結
アルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ば
れるものであって、通常、Al2O3を90重量%以上含有す
るα−アルミナの使用が最も好ましい。また、アルミナ
とジルコニアを溶融することで得られる、耐熱スポーリ
ング性を向上させたアルミナ・ジルコニアクリンカー等
の使用も可能である。
【0052】耐火骨材の粒度は、通常、5〜3mm、3〜
1mm、1〜0mm、200メッシュ下、及び325メッシュ下等
のサイズのものを、要求物性に応じて配合する。
【0053】本発明において、耐火骨材として、さら
に、粒径が微小の粉体である超微粉を使用することが可
能である。
【0054】本発明に係る超微粉とは、粒径10μ以下の
粒子が80重量%以上占める耐火性微粉末であって、平均
粒子径が1μ以下で、BET法による比表面積が10m2/g
以上のものが、不定形耐火物に配合した際、流動性が確
保でき、高強度を有するため好ましい。具体的には、シ
リカヒューム、コロイダルシリカ、易焼結アルミナ、非
晶質シリカ、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素、酸化クロ
ム、及び酸化チタン等の無機微粉が使用可能であり、こ
のうち、シリカヒューム、コロイダルシリカ、及び易焼
結アルミナの使用が好ましい。
【0055】本発明の不定形耐火物の配合割合は、施工
場所によって適宜決定すべきものであり、特に限定され
るものではないが、アルミナセメント又はアルミナセメ
ント組成物と耐火骨材の合計100重量部に対して、耐火
骨材99.5〜50重量部であることが好ましく、耐食性と強
度発現性の面から、アルミナセメント又はアルミナセメ
ント組成物と耐火骨材の合計100重量部に対して、耐火
骨材98〜85重量部の配合がより好ましい。耐火骨材の粒
度調整は、不定形耐火物の要求物性によって、適宜決定
されるもので、特に限定されるものではないが、不定形
耐火物100重量部中、アルミナセメント又はアルミナセ
メント組成物が2〜15重量部、粒径1mm以下の焼結マグ
ネシアが5〜20重量部、残部が粒径1〜10mmの電融アル
ミナ及び/又は焼結アルミナからなるもの、又は、アル
ミナセメント又はアルミナセメント組成物が2〜15重量
部、粒径1mm以下のマグネシアスピネルが5〜20重量
部、残部が粒径1〜10mmの電融アルミナ及び/又は焼結
アルミナからなるものが、流動性がよく、強度が高く、
さらには、スラグ侵食が少ない面から好ましい。
【0056】本発明において、アルミナセメントと耐火
骨材を配合してなる不定形耐火物には、さらに、添加剤
を併用することは、不定形耐火物の構成材料である1mm
以下の微粉をマトリックス中へ分散させる面から必要で
あって、超微粉の分散作用や解こう作用を有する面から
も好ましい。また、アルミナセメント、添加剤、及び耐
火骨材を配合してなる不定形耐火物に、流動性の調節の
面から、さらに、添加剤を配合することも可能である。
【0057】添加剤として、前記の添加剤の他に、リン
酸類の使用が可能である。
【0058】リン酸類としては、ヘキサメタリン酸、ト
リポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン酸、及びオル
トリン酸の混合体又はこれらの塩が挙げられ、ヘキサメ
リン酸とトリポリリン酸が分散作用に優れるため好まし
く、飽和水溶液のpHがアルカリ性であって、pHが8.
0〜11.0がより好ましい。リン酸類の塩としては、ナト
リウム、カリウム、及びカルシウム塩のいずれかであっ
て、入手のしやすさからナトリウム塩の使用が好まし
い。リン酸類の粒度は、200メッシュ以下程度のもの
が、混練り時に溶解しやすく、分散作用が優れるため好
ましく、品質的には、一般に医薬品や食品添加物などと
して市販されているものが使用可能である。
【0059】本発明においては、これら添加剤は、一種
又は二種以上の配合が可能であって、特に、カルボン酸
類とホウ酸、リン酸類とホウ酸、ホウ酸とポリアクリル
酸類、及びホウ酸とアクリル酸類−メタクリル酸類の共
重合体の組み合わせが分散作用に優れる面から好まし
い。
【0060】本発明の不定形耐火物の製造方法は、特に
限定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方
法に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V
型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パ
ン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて
均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工す
る際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
【0061】さらに、本発明の不定形耐火物に、アルカ
リ水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金
属マグネシウムなどの発泡材や、ビニロンファイバー、
ポリプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバ
ー等の有機繊維、乳酸アルミニウム等の塩基性コロイ
ド、N2ガス発生分解繊維、並びに、フミン酸類等の爆裂
防止材を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的
で、配合することも可能である。
【0062】また、従来からセメントの流動性、可使時
間、硬化時間、及び強度発現性等の性状を改善する目的
で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸
類、ポリカルボン酸類、ホルムアルデヒドの縮合物等の
界面活性剤(新コンクリート用混和材料、1989年7月31
日発行、シーエムシー社製参照)、AE減水剤(セメント
・コンクリート、No.556 P36-45 6月号 1993参照)、及
びデキストリンや澱粉等の糖類等を必要に応じて配合す
ることも可能である。
【0063】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。
【0064】実施例1 Al2O3源として仮焼アルミナを、CaO源として石灰石粉
を、生成物の鉱物組成比が表1に示すように配合し、ボ
ールミルで混合粉砕し、ロータリーキルンで1,000〜1,6
00℃の温度にて焼成後、放冷してクリンカーを製造し
た。製造したクリンカーの化学成分を表1に併記する。
【0065】
【表1】
【0066】このクリンカーをバッチ式ボールミルて、
ブレーン値約4,500〜6,000cm2/gの粒度に粉砕して、水
硬性物質を製造した。表2に示すクリンカーの水硬性物
質25重量部に、耐火骨材aの焼結アルミナ75重量部を混
合し、その混合物100重量部に対して、水を11重量部添
加し、25℃恒温室内で、モルタルミキサーで3分間混練
りして、養生し、不定形耐火物の硬化体を作成し、その
物性の測定を行った。結果を表2に併記する。
【0067】<使用材料> 仮焼アルミナ:日本軽金属社製商品名「A14アルミナ」 石灰石粉 :市ノ瀬石灰社製、100メッシュ下炭酸カル
シウム粉 耐火骨材a:焼結アルミナ、内外セラミック社製商品名
「アルミナイトA37」、8〜14メッシュ30重量部、14〜28
メッシュ20重量部、28〜48メッシュ10重量部、及び48メ
ッシュ下15重量部混合品
【0068】<物性の測定方法> 化学成分:イグロス、CaO、Al2O3、SiO2、TiO2、Fe
2O3、及びMgOは、JIS R 2522に準じ、遊離CaO(fCaO)
は、酢酸アンモニウム滴定法で測定した。 鉱物組成:リガク社製X線回折分析装置「RADIIB」に
より測定したCu-Kα線を用いたX線の回折強度比。CAは
4.67Å、CA2は4.45Å、C12A7は4.89Å、及びα-Al2O3
2.55Åの回折線の強度とし、その回折強度比で鉱物組成
比を算出した。 流動性 :3分間混練り後の不定形耐火物を用いて、フ
ローテーブルにより15回タップした後の広がり径をJIS
R 2521に準じて測定した。 硬化時間:作成した不定形耐火物を500g、ポリビーカ
ーに移し取り、白金測温抵抗体と打点記録計によって、
注水から水和発熱のピークまでにかかった時間を硬化時
間とした。 養生強度:作成した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠
に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメン
トナイフで平に整えた後、24時間養生後の圧縮強度を油
圧測定機で測定した。 乾燥強度:養生後の硬化体を110℃で24時間乾燥後、室
温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定した。 焼成強度:乾燥後の硬化体をシリコニット電気炉に入
れ、5℃/分の昇温速度で、1,000℃まで昇温後、2時
間保持し、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて
測定した。 収縮率 :24時間養生後の硬化体を基準とし、焼成後の
硬化体の残存線変化率を測定した。
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかなように、比較例に比べ
て、本発明のアルミナセメントは、養生強度、乾燥強
度、及び焼成強度とも高強度が得られ、収縮も許容範囲
であった。このため、本発明のアルミナセメントを使用
すると、不定形耐火物中の単位セメント量の低減や、耐
摩耗性や耐食性などの特性向上が可能である。
【0071】実施例2 実施例1で製造したクリンカーNo.1〜9とα−アルミ
ナとを表3に示す割合で配合し、ボールミルにて、粉砕
したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に
併記する。
【0072】<使用材料> α−アルミナ:日本軽金属社製商品名「A13アルミナ」
【0073】
【表3】
【0074】表3から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメントは、従来品に比べて、養生強度、乾燥強度、
及び焼成強度とも高強度発現性が得られ、収縮率も許容
範囲であった。また、CaO量が低いにもかかわらず、高
強度を有し、本発明のアルミナセメントを使用すると、
不定形耐火物中の単位セメント量の低減や、耐摩耗性や
耐食性などの特性向上が可能である。
【0075】実施例3 製造したクリンカーNo.10、14と、α−アルミナと
を表4に示す割合で配合したこと以外は実施例2と同様
に行った。結果を表4に併記する。
【0076】
【表4】
【0077】表4から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメントは、好ましい流動性と硬化時間が得られ、養
生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高いものが、また、
収縮率が小さいものが得られた。
【0078】実施例4 実施例1で製造したクリンカーNo.11〜13と15〜
32と、α−アルミナとを表5に示す割合で配合したこ
と以外は実施例2と同様に行った。結果を表5に併記す
る。
【0079】
【表5】
【0080】表5から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメントは、施工する際に必要な流動性と硬化性を有
し、高い養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が得られ、
収縮率も許容範囲内である。
【0081】実施例5 実施例3の表4の実験No.3- 6のアルミナセメント20重
量部と、表6に示す各種添加剤を配合してアルミナセメ
ント組成物とし、耐火骨材bの焼結アルミナの粒度3,36
0〜1,190μを28重量部、粒度1,190〜590μを17重量部、
粒度590〜297μを15重量部、粒度297μ下を14重量部、
及び粒度44μ下を6重量部と、アルミナセメント組成物
と耐火骨材の合計100重量部に対して、8.3重量部の水を
添加し、20℃恒温室内で、混練りから養生までを行い、
実施例1と同様に不定形耐火物を作成し、その特性を評
価した。結果を表6に併記する。なお、比較のため市販
のアルミナセメントを使用して同様の試験を行った。結
果を表6に併記する。
【0082】<使用材料> 耐火骨材b:焼結アルミナ、昭和電工社製商品名「SR
W」 添加剤A:クエン酸ナトリウム、石津製薬社製試薬1級
品 添加剤B:炭酸ナトリウム、石津製薬社製試薬1級品 添加剤C:ポリアクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤D:ポリメタクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤E:アクリル酸類ナトリウム/メタクリル酸ナト
リウムが7/3の共重合体 添加剤F:ホウ砂、石津製薬社製試薬1級品 市販品α:アルミナセメント、電気化学工業社製商品名
「S−2」 市販品β:アルミナセメント、アルコア社製商品名「C
A25R」 市販品γ:アルミナセメント、ラファージュ社製商品名
「セカール80」
【0083】
【表6】
【0084】表6から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメント組成物は、市販品に比べて、高流動性が得ら
れ、著しく高い養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が得
られた。また、収縮も小さいものであった。
【0085】実施例6 表7に示すように添加剤を配合したこと以外は実施例5
と同様に行った。結果を表7に併記する。
【0086】
【表7】
【0087】表7から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメント組成物は、著しい硬化遅延なく、優れた流動
性が得られ、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高い
ものであり、収縮率も小さいものであった。
【0088】実施例7 表8に示すように添加剤を配合したこと以外は実施例5
と同様に行った。結果を表8に併記する。
【0089】<使用材料> 添加剤G:クエン酸カリウム、石津製薬社製試薬1級品 添加剤H:グルコン酸カリウム、石津製薬社製試薬1級
品 添加剤I:酒石酸ナトリウム、石津製薬社製試薬1級品 添加剤J:クエン酸、石津製薬社製試薬1級品 添加剤K:炭酸カリウム、石津製薬社製試薬1級品 添加剤L:ポリアクリル酸、市販品 添加剤M:ポリメタクリル酸、市販品 添加剤N:アクリル酸類/メタクリル酸が5/5の共重
合体 添加剤O:アクリル酸類ナトリウム/メタクリル酸ナト
リウムが8/2の共重合体 添加剤P:アクリル酸類ナトリウム/メタクリル酸ナト
リウムが5/5の共重合体 添加剤Q:アクリル酸類ナトリウム/メタクリル酸ナト
リウムが4/6の共重合体
【0090】
【表8】
【0091】表8から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメント組成物は、著しい硬化遅延なく、優れた流動
性が得られ、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高い
ものであり、収縮率は小さいものである。
【0092】実施例8 表9に示すように添加剤を配合したこと以外は実施例5
と同様に行った。結果を表9に併記する。
【0093】
【表9】
【0094】表9から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメント組成物は、著しい硬化遅延なく、優れた流動
性が得られ、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高い
ものであり、収縮率は小さいものであった。
【0095】実施例9 表10に示すように添加剤の添加量を1.5重量部、配合
したこと以外は実施例5と同様に行った。結果を表10
に併記する。
【0096】
【表10】
【0097】表10から明らかなように、本発明のアル
ミナセメント組成物は、著しい硬化遅延なく、優れた流
動性が得られ、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高
いものであり、収縮率は小さいものであった。
【0098】実施例10 実施例3の表4の実験No.3- 6のアルミナセメント、耐
火骨材cの5〜3mm品40重量部、耐火骨材c3〜1mm品
45重量部、耐火骨材dの1mm下品8重量部、及び耐火骨
材dの200メッシュ下品7重量部、添加剤を表11に示
すように配合し、千代田技研社製オムニミキサーで、20
分間混合し、不定形耐火物を製造したこと以外は実施例
1と同様に行った。結果を表11に併記する。
【0099】<使用材料> 耐火骨材c:電融アルミナ、昭和電工社製 耐火骨材d:焼結マグネシア、宇部化学社製 添加剤R :ポリアクリル酸、市販品
【0100】<測定方法> 浸食テスト:JIS R 2214に準じて、C/S=1.5の合成スラ
グによる浸食試験を行い、スラグの浸食深さをEPMA
で測定した。
【0101】
【表11】
【0102】表11から明らかなように、本発明の不定
形耐火物は、アルミナセメント組成物の配合量が少な
く、また、不定形耐火物中のCaO含有量が少ないにもか
かわらず、優れた流動性と硬化時間を有するものであ
り、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高く、スラグ
の侵食が少ないものであった。
【0103】実施例11 表12に示す配合を用いたこと以外は実施例10と同様
に行った。結果を表12に併記する。
【0104】<使用材料> 耐火骨材e:焼結アルミナ、昭和電工社製 耐火骨材f:焼結マグネシアスピネル、新日本化学社製
【0105】
【表12】
【0106】表12から明らかなように、本発明の不定
形耐火物は、アルミナセメント組成物の配合量が少な
く、また、不定形耐火物中のCaO含有量が少ないにもか
かわらず、優れた流動性と硬化時間を有するものであ
り、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高く、スラグ
の侵食が少ないかった。
【0107】実施例12 表13に示す配合を用いたこと以外は実施例10と同様
に行った。結果を表13に併記する。
【0108】<使用材料> 超微粉:シリカヒューム、エルケム社製 超微粉:微粉アルミナ、アルコア社製商品名「A16S
G」 添加剤S:ホウ酸/クエン酸ナトリウム重量比1/2の
混合物 添加剤T:ホウ酸/トリポリリン酸ナトリウム重量比1
/2の混合物 添加剤U:ホウ酸/ポリアクリル酸ナトリウム重量比1
/2の混合物 添加剤V:ホウ酸/ポリメタクリル酸ナトリウム重量比
1/2の混合物 添加剤W:ホウ酸/アクリル酸ナトリウム−メタクリル
酸ナトリウム重量比1/2の混合物 添加剤X:アクリル酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリ
ウム共重合体 添加剤Y:トリポリリン酸ナトリウム、太平化学社製 添加剤Z:ホウ酸
【0109】
【表13】
【0110】表13から明らかなように、本発明の不定
形耐火物は、アルミナセメント組成物の配 合量が少な
く、また、不定形耐火物中のCaO含有量が少ないにもか
かわらず、優れた流動性と硬化時間を有するものであ
り、養生強度、乾燥強度、及び焼成強度が高く、スラグ
の侵食が少なかった。
【0111】
【発明の効果】実施例から明らかなように、本発明のア
ルミナセメント、アルミナセメント組成物、及び不定形
耐火物は、従来品に無い、高強度発現性、高流動性、高
耐食性、及び耐摩耗性を有するものである。
【0112】これを耐火物分野に使用した場合、不定形
耐火物として一定の強度を確保するために配合するアル
ミナセメント量を低減することが可能であり、アルミナ
セメント量の低減効果によって、不定形耐火物中のCaO
量を低減でき、その結果、耐食性が向上する。
【0113】そして、本発明のアルミナセメント、アル
ミナセメント組成物、及び不定形耐火物は、これまでア
ルミナセメントが使用されてきた、高炉や電気炉などの
炉周辺はもちろんのこと、吹き付け材、圧入材、及び樋
材等の不定形耐火物や、混銑車、トピード、タンディッ
シュ、取り鍋、及びランス材等、さらには、均熱炉、加
熱炉、及びコークス炉等の製銑設備や製鋼設備、並び
に、セメントキルン関連設備等に使用でき、転炉や特殊
精錬鍋など、従来のアルミナセメントでは不定形化が困
難であった、塩基性煉瓦の分野の不定形化が可能にな
り、従来品に無い高耐久性が期待できる。また、耐火物
分野のみならず、高強度発現性、高流動性、高耐食性、
及び耐摩耗性が要求される化学プラントのライニングや
耐食材料としても使用が可能である。
【0114】さらには、本発明のアルミナセメント、ア
ルミナセメント組成物、及び不定形耐火物を使用したラ
イニング材は、高耐火性、高強度発現性、耐磨耗性、及
び高耐食性が得られるため、石油精製設備等の耐食材、
耐摩耗材、及び耐火材等として使用できるばかりでな
く、水硬性セラミックス、触媒担体、及び耐食建材等に
も使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C04B 28/06 24:06 Z 22:10 24:26 E 22:08 A 24:06) A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱物組成が、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3
    及び12CaO・7Al2O3の水硬性成分からなり、化学成分が、
    CaO20〜40重量%、Al2O380〜60重量%である水硬性物質
    20〜95重量部と、α−アルミナ80〜5重量部とを配合し
    てなるアルミナセメント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミナセメントと、カ
    ルボン酸類、炭酸塩、ポリアクリル酸類、ポリメタクリ
    ル酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及び
    ホウ酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上の添
    加剤とを含有してなるアルミナセメント組成物
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルミナセメントと耐火
    骨材とを配合してなる不定形耐火物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のアルミナセメント組成物
    と耐火骨材とを配合してなる不定形耐火物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007099545A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Denki Kagaku Kogyo Kk アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物
JP2007169101A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Denki Kagaku Kogyo Kk 耐火被覆材およびそれを用いたモルタル
JP2008013426A (ja) * 2006-06-05 2008-01-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 低放射化セメント及びその製造方法
JP2009528972A (ja) * 2006-03-07 2009-08-13 ケルネオ 耐火コンクリート用バインダー、耐火コンクリートの調整、耐火コンクリート及びその製造方法

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