JPH0761550B2 - 高周波溶接装置の溶接電力制御方法 - Google Patents

高周波溶接装置の溶接電力制御方法

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JPH0761550B2
JPH0761550B2 JP9052886A JP9052886A JPH0761550B2 JP H0761550 B2 JPH0761550 B2 JP H0761550B2 JP 9052886 A JP9052886 A JP 9052886A JP 9052886 A JP9052886 A JP 9052886A JP H0761550 B2 JPH0761550 B2 JP H0761550B2
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welding
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plate
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忠昭 荻野
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高周波誘導溶接における溶接装置の溶接電力制
御方法に関するものである。
〔従来技術〕
電縫管の製造は連続送給される金属板を所定径寸法に曲
成して端縁を互いに対向させたオープンパイプを形成
し、高周波誘導コイル内に挿通させるとともに、スクイ
ズロールにて側圧を加えて端縁同士を高周波溶着する。
ところで、真空管により高周波を発振させて高周波誘導
溶接を行う場合には、作業者は真空管の陽極直流電圧、
陽極直流電流を指標とするとともに、溶接火色、ビード
形状を見て被溶接材の材質、寸法等に適合した入熱量を
得るよう制御している。
そして、このような作業者の熟練及び勘によって入熱量
が制御される溶接状態を安定化するために、溶接部電流
脈動を含む状態を検出し、この検出電流を入熱制御量と
して溶接部電流を一定にする制御方法(特開昭55−1095
82号)が提案されており、また被溶接物の回路形状の周
期的変化にともなって変動する高周波の発振周期変動幅
を設定値範囲内に制御する方法(特公昭56−46472号)
も提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、真空管を使用しているこの種の溶接装置は、
効率が悪く、例えば真空管の効率は60〜80%程度であ
り、溶接装置としての総合効率は50%程度となってい
る。そして、この効率は電縫管製造ラインに設けている
加熱コイルとスクイズロールとの距離,帯鋼の突き合せ
角度、被加熱材の肉厚、外径の大小等の負荷状態によっ
て大きく変化する。
溶接装置の効率がこのように負荷によって変化するの
は、負荷インピーダンスの変化によって、真空管のプレ
ート交流電圧が変化して真空管のグリッド直流電圧が変
化するためであり、この種の溶接装置が自己バイアスに
よってグリッド直流電圧を得ていることに起因してい
る。このように従来のこの種溶接装置における入熱量の
制御は、入力電圧の調整によって出力を増加させている
ものであり、真空管効率の変化に対する補償を無視した
効率の悪い溶接電力制御をしている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前述した問題に鑑み、高周波溶接装置の負荷イ
ンピーダンスの変化に対する出力が、常にプレート交流
電流の基本波周波数成分の最大値となるように溶接電力
を制御する方法を提案するものである。
本発明に係る高周波溶接装置の溶接電力制御方法は、真
空管をC級増幅動作させて高周波を発振させることによ
り高周波溶接を行う溶接装置の溶接電力制御方法におい
て、前記真空管のプレート電流電圧EPと、プレート交流
電圧振幅εと、グリッド直流電圧Egと、グリッド交流
電圧振幅εとを計測し、 但し、μ:真空管の増幅率 となすべく真空管のグリッド直流電圧を調節することを
特徴とする。
〔実施例〕
まず、本発明の溶接電力制御方法を実施するための溶接
装置を図面によって詳述する。第1図は高周波溶接装置
の概略図であり、第2図は溶接装置各部の電圧,電流波
形を示したものである。
第1図において、真空管1はC級増幅動作を行うもので
あって、10〜15kV程度の直流高電圧からなるプレート直
流電圧EPを真空管1のプレートPに与えている。
また真空管1のプレートPとカソードKとの間には、結
合コンデンサ6を介して共振コイルLと共振コンデンサ
Cとが並列接続された共振回路(タンク回路)2が接続
されていて、この共振回路2と並列にコンデンサ3,4を
直列接続してなる分圧回路が接続されている。コンデン
サ3,4の接続点を真空管1のグリッドGに接続してい
て、共振回路2から分圧コンデンサ3,4によって帰還さ
れる信号をグリッドGに与えている。またグリッドGは
グリッド抵抗5で第2図(b)に示す如きグリッド直流
電圧−Egが加えられている。これにより真空管1はグリ
ッド交流電圧eg〔第2図(b)参照〕に同期するスイッ
チング動作をする。即ち、第2図(b)に示すようにグ
リッド交流電圧egがグリッドGに加わるプレート交流電
圧ePの寄与分−eP/μ(μは真空管1の増幅率)より上
回った期間だけプレート交流電流iPが流れて〔第2図
(c)参照〕、共振回路2にエネルギーを供給する。共
振コイルLには1ターンの2次コイルLaがリンクしてい
てその両端は図示しない前述した高周波誘導コイルに接
続されていて、共振回路2の電力エネルギーは溶接電力
として溶接部に与えられるようになっている。そして、
このときのプレート交流電流iPは一種の脈流となってお
り、種々の周波数成分を含有している。プレート交流電
流iPに含まれている周波数成分のうち共振回路2の共振
周波数成分以外は共振回路2内で減衰して第2図(c)
に破線で示す波形の共振周波数成分(基本波成分)のみ
が残って溶接電力として有効に作用する。そしてこのプ
レート交流電流iPの流通角φは、プレート交流電圧の
位相0点、即ちφ=0の時点とプレート交流電流iPの通
電開始時点又は通電終了時点との夫々の期間〔第2図
(c)参照〕である。このプレート交流電流iPの流通角
φは真空管1のグリッドGに加わるグリッド交流電圧
egで制御されるものであり、グリッドGのグリッド直流
電圧−Egは第2図(d)に示したグリッド直流電流Ig
グリッド抵抗5の抵抗値Rgとの積の電圧により与えられ
る。
ところで、プレート交流電圧ePは負荷インピーダンスに
よって変化するから、プレート交流電流iPの流通角φ
も負荷状態によって変わる。即ち、負荷状態の変化によ
り、溶接装置の効率が大きく変化するのはこの真空管1
のグリッド直流電圧が変化することに起因するからであ
る。しかして、この高周波溶接装置における動作の基本
式は eP=EP−εPcosφ …(1) eg=−Eg+εgcosφ …(2) iP=Gm′{eg+(eP/μ)} =Gm′{(ε−εP/μ)cosφ −(Eg−EP/μ)} …(3) 但し、EP:プレート直流電圧 Eg:グリッド直流電圧 εP:プレート交流電圧振幅 εg:グリッド交流電圧振幅 Gm′:真空管の相互コンダクタンス φ:位相角 で表わされる。
また、プレート交流電流の基本波成分iPOは(3)式を
フーリエ変換して、 ここでiPOを最大とするために適当なxを選択すべく、 の条件を求めるとx=1となる。
即ち、(ε−εP/μ)=(Eg−EP/μ)とするように
制御することにより、プレート交流電流の基本周波数成
分を最大値にすることが可能である。したがって、真空
管1のプレート交流電圧振幅ε及びグリッド交流電圧
振幅ε、並びにプレート直流電圧EP及びグリッド直流
電圧Egを夫々測定して、真空管1のグリッド直流電圧を
調整することにより、プレート交流電流の基本周波数成
分を常に最大値にすることができる。
10は真空管1のプレート電圧振幅計測器であって、第2
図(a)に示すプレート交流電圧ePの振幅εと、プレ
ート直流電圧EPとを測定するものである。11は真空管1
のグリッド電圧振幅計測器であって、第2図(b)に示
すグリッド交流電圧egの振幅εと、グリッド直流電圧
Egとを測定するものである。12は演算器であって、プレ
ート電圧振幅計測器10とグリッド電圧振幅計測器11とで
得た夫々の測定値に基づき、適正グリッド直流電圧E
g(op)を下記式により演算する。
但し、EPは第3図に示すプレート交流電圧波形の
最大値eP max及び最小値eP minから ε=eP max−eP minである。
また、Egも同様である。
そして、この演算器12が演算した出力を、真空管1のグ
リッド回路のバイアス抵抗5と直列接続したグリッド電
圧調整用電源13に与えている。このグリッド直流調整用
電源13は、−3kVから+3kV程度の範囲で電圧を調節でき
るものである。したがってこのグリッド電圧調整用電源
13により真空管1のグリッド直流電圧Egを適正グリッド
直流電圧Eg(op)に補正制御すれば、真空管1のプレー
ト交流電流の基本周波数成分、即ち溶接電力を最大値と
なし得る。
つまり、適正グリッド直流電圧Eg(op)からグリッド直
流電圧Egを差引いたものが補正グリッド直流電圧(ma
t)であり、 Eg(mat)=Eg(op)−Eg の関係により真空管1のグリッド直流電圧を補正制御す
れば、溶接電力の効率最大点を保持して常に高効率で溶
接作業を行うことができる。
このように溶接電力を、真空管をC級増幅動作させて真
空管のプレート電圧とグリッド電圧とを測定して、その
測定値に基づき溶接装置の出力を、プレート交流電流の
基本周波数成分の最大値となるように真空管1のグリッ
ド直流電圧を調節するので、負荷の変動、即ち溶接状態
の変化に拘わらず、溶接装置の効率を高いものとするこ
とができる。また、従来のように出力電流を一定にする
制御方法と組合せれば、消費電力の無駄を省くととも
に、溶接状態を安定させて品質の安定を図ることができ
る。
なお、本実施例では、真空管のプレート、グリッド回路
の定格電圧及び最大許容電力を越えないように常に真空
管の電圧、電力損失を監視しておく必要がある。
〔効果〕
以上詳述した如く、本発明の高周波溶接装置の溶接電力
制御方法は、真空管をC級増幅動作させて、真空管のプ
レート電圧とグリッド電圧とを測定して、その測定値に
基づいてグリッド直流電圧を調整し、溶接装置の出力が
真空管のプレート交流電流の基本周波数成分の最大値と
なすべく制御するから、溶接装置を効率の高い制御とな
し得て、高周波溶接における省電力化を図ることができ
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る溶接電力制御方法を実施するため
の溶接装置の概略回路図、第2図は第1図における各部
の電圧、電流波形図、第3図は真空管のプレート交流電
流の最大、最小値を説明する説明図である。 1……真空管、2……共振回路(タンク回路)、10……
プレート電圧振幅計測器、11……グリッド電圧振幅計測
器、12……演算装置、13……グリッド電圧調整用電源、
EP……プレート直流電圧、ε……プレート交流電圧振
幅、Eg……グリッド直流電圧、ε……グリッド直流電
圧振幅、μ……真空管の増幅率

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空管をC級増幅動作させて高周波を発振
    させることにより高周波溶接を行う溶接装置の溶接電力
    制御方法において、前記真空管のプレート直流電圧E
    Pと、プレート交流電圧振幅εと、グリッド直流電圧E
    gと、グリッド交流電圧振幅εとを計測し、 但し、μ:真空管の増幅率 となすべく真空管のグリッド直流電圧を調節することを
    特徴とする高周波溶接装置の溶接電力制御方法。
JP9052886A 1986-04-18 1986-04-18 高周波溶接装置の溶接電力制御方法 Expired - Lifetime JPH0761550B2 (ja)

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