JPH0761472B2 - 流動する液体の磁気処理用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、液体中に溶解した物質が沈澱して生じるスケ
ールの成長を妨ぎ、また導管に及ぼす液体の腐食作用や
この液体と接触する付帯設備への腐食作用を防ぐことを
目的とする、水のような流動液体の磁気処理用装置に係
る。

（従来の技術） そうした液体の磁気処理およびこの処理を行なう装置
は、例えばノルウエー国特許第111.291号、第131.006号
および第145.209号から従来より周知であり、ボイラー
のスケールのようなカルシウム塩の沈澱し易い種類の水
や、腐食を生じ易い水の処理を特に対象としている。

そうした流動する液体の処理を行なう装置は、液体が通
り抜けるハウジングを備えている。このハウジング内に
は永久磁石が配置され、磁石の一方の極シユーにより部
分的に形成された磁界隙間を液体が通り抜けるようにな
つている。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の技術においては、磁石の一方の極シューにより部
分的に形成された磁界隙間において、磁界を効率良く確
立することができなかった。磁気回路が有効に形成され
ていなかったから、漏洩する磁界が大きかったのであ
る。

本発明は、磁界隙間における磁界を強力なものとするよ
うに、改善された磁気回路を備えた、液体の磁気処理装
置を提供することを目的とする。

本発明はまた、液体の物理的性質及び液体の流速に適応
させるように、磁界隙間における磁界の強さを調節する
ことを可能ならしめる、液体の磁気処理装置を提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 後に本発明の実施例を説明するときに用いられている符
合を参考のために付記して記載すると、本発明は、液体
の入口２と出口３とを有するハウジング１と、内部に円
筒状の空間を画定していて、前記入口２からの液体が前
記円筒状の空間を通って前記出口３へ向かって流れるよ
うに前記ハウジング１内に装架された少なくとも１つの
環状の永久磁石４と、該永久磁石４の環状の両端面にそ
れぞれ装着された極シュー5,6とを含み、これら極シュ
ー5,6は前記円筒状の空間とほぼ同軸的に配置された中
央開口を有する、流動する液体の磁気処理装置におい
て、ほぼ円筒状のカップ部材７が、前記極シューのうち
の一方５と磁気的に連結して配置されて、前記永久磁石
４の前記円筒状の空間及び前記極シュー5,6の前記中央
開口を通り、それらと同軸的に延びており、このカップ
部材７はスロットまたは開口８が形成された周壁を有
し、強磁性材料で作られたカラー10が、ほぼ該カップ部
材７と同軸的に、かつ、前記カップ部材７の半径方向外
側に配置されており、前記カップ部材７の開口端は前記
ハウジング１の前記入口２と連通しており、前記カップ
部材７の前記スロットまたは開口８は該カップ部材７の
内側を前記永久磁石４の前記円筒状の空間に連通させて
おり、前記カラー10は、前記極シューのうちの他方６と
協働して、それらの間に電磁隙間11を画定しており、こ
の磁界隙間11は前記永久磁石４の前記円筒状の空間に連
通し且つ前記ハウジング１の前記出口３に連通している
ことを特徴とする。

また、本発明は、前記カラー10は前記カップ部材７に対
して軸線方向に可動に該カップ部材７に装架されたキャ
ップ９の一部であることを特徴とする。

（発明の作用及び効果） 特許請求の範囲第１項に記載された発明によれば、カッ
プ部材７が、極シューのうちの一方５と磁気的に連結さ
れ、このカップ部材７の半径方向外側には強磁性材料で
作られたカラー10が配置され、このカラー10と極シュー
のうちの他方６との間に磁界隙間11が画定されて成る磁
気回路が形成される。かくて、磁界隙間11は、極シュー
６と、極シュー５に有効に磁気的に連結されたカラー10
との間に形成され、磁界隙間11には、永久磁石が発生す
る磁界を有効に集中させることができ、磁界を強力なも
のとなし得る。

特許請求の範囲第２項に記載された発明によれば、液体
の物理的性質及び液体の流速に適合させるべく、磁界隙
間の幅を調節することができる。

以下、添付図面に沿つて本発明の好ましい一実施例につ
き詳細に説明する。

（実施例） 図面は、円筒状のカツプ１の形をしたプラスチツクまた
はその他の非磁性材料からなるハウジングを示してい
る。前記円筒状のカツプの軸線は、ハウジングの入口２
と出口３にほぼ直角に延びている。入口２はカツプ１の
底にある中央開口につながり、また出口３はカツプの底
にある偏心開口と連絡している。カツプ１の内部に当該
カツプと同軸的に環状の永久磁石４が設けられている。
この永久磁石の環状の両端面には下部と上部の極シユー
５と６を備えている。磁石４内の円筒状空間の内部には
当該磁石と同軸的に、強磁性材料からなるほぼ円筒状の
カツプ部材７が設けられている。このカツプ部材７は下
部の極シユー５と伝導結合した状態にあり、またカツプ
部材７の下部の開口端は入口と連絡した状態にあり、ま
たカツプ部材の壁と必要に応じて設けられる底には８の
位置にスロツトまたは開口が設けられ、液体を流すこと
ができるようになつている。カツプ部材７の上部の閉鎖
端には、半径方向に突き出たカラー10を持つキヤツプ９
が設けられている。前記カラー10はカツプ部材７を通じ
て下部の極シユー５と磁性的に連絡し、また上部の極シ
ユー６と協働して磁界隙間11を形成している。液体はカ
ツプ部材７にあるスロツトまたは開口８を通り抜けた
後、前記磁界隙間を通り抜けて流れる。液体は前記隙間
11から永久磁石４の外側を通り、出口３に向けて流れて
いく。カツプ１は、蓋またはキヤツプ12、例えばねじ締
めキヤツプにより上端を閉じられている。

カツプ部材７とカラー10を持つキヤツプ９は２つに分か
れた部品に作られ、キヤツプとカラーのユニツトを取り
外して磁界隙間の表面を掃除することができる。

図示された好ましい実施例では、キヤツプとカラーのユ
ニツトは、ねじ13によりカツプ部材７に対して軸方向に
移動するようになつている。従つて磁界隙間の幅は、装
置を使用する現場で、装置を取り付けようとするシステ
ムの箇々のパラメータ（処理しようとする液体の種類、
液体の硬度、液体の量）に合わせて簡単に調節すること
ができる。図中にて、中心線の右側に示されたキヤツプ
９は狭い磁界隙間を形成する低い位置にあり、また中心
線の左側に示されたキヤツプ９は広い磁界隙間を形成す
る高い位置にある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る装置の好ましい一実施例を示して
いる。 １……カツプ、２……入口 ３……出口、４……永久磁石 5,6……極シユー、７……カツプ部材 ８……スロツトまたは開口、９……キヤツプ 10……カラー、11……磁界隙間 12……蓋またはキヤツプ、13……ねじ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体の入口（２）と出口（３）とを有する
   ハウジング（１）と内部に円筒状の空間を画定してい
   て、前記入口（２）からの液体が前記円筒状の空間を通
   って前記出口（３）へ向かって流れるように前記ハウジ
   ング（１）内に装架された少なくとも１つの環状の永久
   磁石（４）と、該永久磁石（４）の環状の両端面にそれ
   ぞれ装着された極シュー（5,6）とを含み、これら極シ
   ュー（5,6）は前記円筒状の空間とほぼ同軸的に配置さ
   れた中央開口を有する、流動する液体の磁気処理装置に
   おいて、 ほぼ円筒状のカップ部材（７）が、前記極シューのうち
   の一方（５）と磁気的に連結して配置されていて、前記
   永久磁石（４）の前記円筒状の空間及び前記極シュー
   （5,6）の前記中央開口を通り、それらと同軸的に延び
   ており、このカップ部材（７）はスロットまたは開口
   （８）が形成された周壁を有し、強磁性材料で作られた
   カラー（10）が、ほぼ該カップ部材（７）と同軸的に、
   かつ、前記カップ部材（７）の半径方向外側に配置され
   ており、前記カップ部材（７）の開口端は前記ハウジン
   グ（１）の前記入口（２）と連通しており、前記カップ
   部材（７）の前記スロットまたは開口（８）は該カップ
   部材（７）の内側を前記永久磁石（４）の前記円筒状の
   空間に連通させており、前記カラー（10）は、前記極シ
   ューのうちの他方（６）と協働して、それらの間に磁界
   隙間（11）を画定しており、この磁界隙間（11）は前記
   永久磁石（４）の前記円筒状の空間に連通し且つ前記ハ
   ウジング（１）の前記出口（３）に連通していることを
   特徴とする流動する液体の磁気処理装置。
2. 【請求項２】前記カラー（10）は前記カップ部材（７）
   に対して軸線方向に可動に該カップ部材（７）に装架さ
   れたキャップ（９）の一部である、特許請求の範囲第１
   項記載の流動する液体の磁気処理装置。