JPH0760548B2 - 記録又は再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、記録担体を収納するカセットを第１の方向
に沿って移動させてカセット載置台に取りつけた状態に
おいて前記第１の方向と異なる第２の方向に沿ってカセ
ットと可回転ドラムとを相対的に移動させてカセットの
装着を行う記録又は再生装置に関し、特に同装置におけ
るリールロックの解除を適切に行う手段に関する。

（従来の技術） 前述の種類の記録又は再生装置では、従来、リールロッ
クの解除は、カセットを装置本体内のカセットホルダに
挿入した時点で行う構成が通常であった。

（発明が解決しようとする問題点） 上記の構成によれば、カセットの装着又はイジェクト操
作の際のカセットの上昇又は下降に伴う振動によりカセ
ット内のリールが回転し、記録担体、例えば磁気テープ
がゆるむため、これがガイドポストその他の部材に当接
して不測の損傷を受けるおそれがあった。

上記のような損傷を避けるためには、カセットホルダを
下降させてカセット載置台に固定した時点でリールロッ
クの解除を行うことが考えられるが、このような構成を
前記のカセットと可回転ドラムとを相対的に移動させて
カセットの装着を行う方式の装置に適用する場合には、
上記のカセットと可回転ドラムとの相対的な移動の際の
振動等によりテープがゆるむため前記と同様な損傷を受
けるおそれがある。

したがって、この発明は、記録担体を収納するカセット
を第１の方向に沿って移動させてカセット載置台に取り
つけた状態において前記第１の方向と異なる第２の方向
に沿って前記カセットと可回転ドラムとを相対的に移動
させて前記カセットの装着を行う記録又は再生装置につ
いて、カセットの前記第１の方向に沿う移動の際のみな
らず前記第２の方向に沿う可回転ドラムとの相対的移動
の際の振動等により記録担体がゆるんでガイドポスト等
に当接し、不測の損傷を受けるのを防止する手段を備え
る記録又は再生装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この発明の記録又は再生装置は、リールに巻回されたテ
ープを収納するとともに前記リールをロックするロック
部材を備えたカセットを、第１の方向に沿って移動させ
てカセット載置台に取り付けた状態において、前記第１
の方向と異なる第２の方向に沿って前記カセットと可回
転ドラムとを相対的に近接させて前記カセットの装着を
行う記録又は再生装置であって、前記カセットが第１の
方向に移動した際にこのカセット内に挿入され、前記第
２の方向に沿って前記カセットと可回転ドラムとが相対
的に近接する動作に伴って前記ロック部材に係合してこ
のロック部材によるリールのロックを解除する解除手段
を備えるものである。

（作用） 上記の構成において、カセットの装着のためにカセット
を前記第１の方向へ移動させてカセット載置台に取りつ
けた時点ではカセット内のリールは未だロックされてい
るが、カセットと可回転ドラムとの相対的移動に伴って
リールのロックがはじめて解除される。

（実施例） 以下図面を参照して、この発明を、記録担体として磁気
テープを使用する磁気記録又は再生装置に適用した例に
ついて、この発明の実施例の構成及び作用の順序で詳細
に説明する。なおこの発明は、例えば光学式等の他の記
録又は再生方式及びワイヤ状等の他の記録担体を使用す
る装置にも同様に適用することができる。

（この発明の記録又は再生装置の実施例の構成） 第３図〜第５図はこの発明が適用される記録又は再生装
置の外観を示し、第３図はカセット５を図中矢印方向に
カセットホルダ２内に挿入しようとする状態、第４図は
カセットホルダ２が押し下げられてカセット載置台３に
固定され、カセット５が載置台３に取りつけられた状
態、第５図はカセットホルダ２が固定されたカセット載
置台３が可回転ドラム（第６図の４）に対して移動して
カセット５の装着が完了した状態をそれぞれ示してい
る。これらの図において、１は記録又は再生装置本体、
２はカセットホルダであり、カセットホルダ２は図中前
記第１の方向であるＡ方向及びその逆方向へ上下移動可
能であって、上方へ付勢された状態において、記録担体
である磁気テープを収納するカセット５の挿入又は取り
出しが行われる。３はカセット５が取りつけられるカセ
ット載置台であって不図示のカセット蓋開放機構及びモ
ータ等で直接駆動されるリール台を備え、図中前記第２
の方向であるＢ方向及びその逆方向へ移動可能であり、
Ｂ方向へ移動して第５図の状態になったときにカセット
の装着が完了する。

第６図〜第８図は、この発明に適用されるテープ走行系
の一例を示し、図中４は回転ヘッドを含む可回転ドラ
ム、５はカセット、６はカセット５より引き出されるテ
ープである。7,7′はテープ５をドラム４に巻きつける
ガイドであってカセット載置台３、したがってカセット
５とともに移動可能になっている。８は装置本体に固定
されたテープガイドのひとつを示している。

第６図は、第４図の状態に対応し、この状態からカセッ
ト載置台３が同図中Ｂの方向へ移動すると、第７図の状
態を経て第８図の状態になる。第８図は第５図に対応す
る状態を示し、ドラム４はカセット５の開口部に位置し
ている。第８図に示す状態において、ガイド7,7′はド
ラム４に相対的に近づき、ガイド８はカセット５に相対
的に近づいている。

第１図は、この発明の一実施例の要部を示し、この例
は、カセット載置台３の移動によりカセット５とドラム
４との相対的移動が行われる例である。なお第１図及び
第２図中、第３図〜第８図に示す部材と基本的に同じ構
成及び機能を有する部材は同一の符号を付し、その説明
を省略する。第１図において、９はリールロック解除
爪、10はばねである。ばね10は、その一端が解除爪９
に、その他端が載置台の固定部3aに掛けられており、解
除爪９はばね10により図中Ｃ方向へ付勢されているが、
図示の状態において装置本体１に設けられた係止部材12
によりその位置が規制されている。11はカセット５の本
体中に組みこまれているリールロック部材である。

（この発明の記録又は再生装置の実施例の作用） 上記の構成において、カセットホルダ２にカセット５を
挿入して第３図中Ａ方向へホルダ２を押し下げると第１
図、第４図及び第６図に示す状態になる。このとき、リ
ールロック解除爪９はばね10に引かれているが係止部材
12に当接しているので、第１図に示す位置を越えてＣ方
向へは移動できない。

ここで、カセット載置台３が不図示のモータ等に駆動さ
れて図中Ｂ方向へ移動しはじめるのに伴ってリールロッ
ク解除爪９は、係止部材12との当接がはずれ、ばね10の
付勢により図中Ｃ方向へ移動し、リールロック部材11を
同じくＣ方向へ押圧してカセット５のリールロックを次
第に解除し、第７図に示す状態を経て、リールロックを
解除したまま第２図、第５図、第８図に示す状態にな
る。なおこの状態で、前述のようにカセット５の装着も
完了する。

カセット５のイジェクト時には、第２図の状態におい
て、リールロックが解除されたまま（前記と同様にリー
ルロック解除爪９が、ばね10の付勢によりリールロック
部材11をＣ方向へ押圧している）カセット載置台３は公
知の手段により図中Ｃ方向へ平行移動させられ、第１図
の状態になる直前に、係止部材12にリールロック解除爪
９が当接しはじめ、解除爪９は、ばね10の付勢に抗して
リールロック部材11に対する押圧を解き、リールロック
部材11はカセット５内部の不図示の公知の手段によりも
との位置に戻り、再びリールがロックされて第１図の状
態になる。

第１図及び第２図に示すリールロック解除手段において
は、第６図の状態から第８図の状態に移行し、又はその
逆に移行する過程において第８図に示すようにドラム４
とガイド7,7′とが相対的に接近し、カセット５とガイ
ド８とが相対的に接近する結果、テープがこれらのドラ
ム及びガイドに部分的に接触するが、すでにリールロッ
クが解除されているのでテープに損傷を与えることはな
い。

リールロックの解除及びその再ロックのための変形例と
して、カセット載置台３又はドラム４の移動位置を接点
スイッチ又は光学センサ等によって検出するようにし、
一方リールロック解除爪９に対して係止片を設け（ほぼ
第１図の係止部材12の位置に相当する位置）、かつ前記
の接点スイッチ又は光学センサの検出信号に応じて動作
するソレノイド等の駆動によって前記の係止片によるリ
ールロック解除爪の係止を引きはずすようにすればよ
い。

この場合、リールロック解除爪９は第１図に示す状態に
おいてばね10の付勢にかかわらず、図中Ｃ方向へ移動せ
ずリールロック部材11を押圧することはないが、前記の
接点スイッチ等により載置台３又はドラム４の移動が検
出されると、前記のソレノイド等の動作により前記の係
止片による係止が引きはずされ、リールロック解除爪９
がばね10の付勢によりリールロック部材11を押圧してリ
ールロックを解除する。

カセット５のイジェクト時には、カセット載置台３又は
ドラム４の移動を検出して、リールロック解除爪９をば
ね10の付勢に抗して移動させ、すでに係止位置に戻って
いる係止片により係止するようにする。

（発明の効果） 本願発明の構成によれば、カセットの装着のためにカセ
ットを前記第１の方向へ移動させてカセット載置台に取
り付けた時点では、カセット内のリールを未だロックし
たままであり、カセットと可回転ドラムとの相対的に近
接する動作に伴って、リールのロックが初めて解除され
るので、カセットの前記第１の方向に沿う移動の際のみ
ならず、第２の方向に沿う可回転ドラムとの相対的に近
接する際の振動によりテープがゆるんでガイドポスト等
に当接し、不測の損傷を受けるのを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの発明の一実施例の要部を示し、
第１図はカセットホルダが押し下げられ、カセット載置
台に固定された状態の側断面図、第２図は同じくカセッ
ト載置台が可回転ドラムの方向へ移動完了した状態の側
断面図、第３図ないし第５図はこの発明が適用される記
録又は再生装置の外観を示し、第３図はカセットをカセ
ットホルダ内に挿入しようとする状態の斜視図、第４図
はカセットホルダが押し下げられ、カセット載置台に固
定された状態の斜視図、第５図は同じくカセット載置台
が可回転ドラムの方向へ移動完了した状態の斜視図、第
６図ないし第８図はこの発明が適用される記録又は再生
装置におけるガイド類と可回転ドラム及びカセットとの
関係位置を示し、第６図はカセットホルダが押し下げら
れ、カセット載置台に固定された状態の平面図、第７図
はカセット載置台が可回転ドラムの方向へ移動中の状態
の平面図、第８図はカセット載置台が可回転ドラムの方
向へ移動完了した状態の平面図である。 符号の説明 1:記録又は再生装置本体、2:カセットホルダ、3:カセッ
ト載置台、4:可回転ドラム、5:カセット、9:リールロッ
ク解除爪、10:ばね、11:リールロック部材、12:係止部
材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−203437（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−230655（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−56949（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】リールに巻回されたテープを収納するとと
   もに前記リールをロックするロック部材を備えたカセッ
   トを、第１の方向に沿って移動させてカセット載置台に
   取り付けた状態において、前記第１の方向と異なる第２
   の方向に沿って前記カセットと可回転ドラムとを相対的
   に近接させて前記カセットの装着を行う記録又は再生装
   置であって、 前記カセットが第１の方向に移動した際にこのカセット
   内に挿入され、前記第２の方向に沿って前記カセットと
   可回転ドラムとが相対的に近接する動作に伴って前記ロ
   ック部材に係合してこのロック部材によるリールのロッ
   クを解除する解除手段を備えることを特徴とする記録又
   は再生装置。