JPH0760032B2 - 吸着式蓄熱方法と吸着式蓄熱装置及び該吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房及び給湯システム - Google Patents

吸着式蓄熱方法と吸着式蓄熱装置及び該吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房及び給湯システム

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JPH0760032B2
JPH0760032B2 JP23747291A JP23747291A JPH0760032B2 JP H0760032 B2 JPH0760032 B2 JP H0760032B2 JP 23747291 A JP23747291 A JP 23747291A JP 23747291 A JP23747291 A JP 23747291A JP H0760032 B2 JPH0760032 B2 JP H0760032B2
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俊夫 宮西
淳 森川
基司 吉原
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西淀空調機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着剤の冷媒吸脱着作
用を利用して、温熱及び冷熱を蓄熱し、それらを随意に
取り出すことができる吸着式蓄熱方法と吸着式蓄熱装置
及び該吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房及び給湯シテス
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蓄熱手段としては、水蓄熱や氷蓄
熱が一般的であるが、これらの蓄熱手段は、蓄熱容量の
点で問題があり、例えば、冷熱を蓄熱するには有利な氷
蓄熱の場合でも、その蓄熱容量は1kg当たり約80Kc
alというわずかなものであった。しかもこのような蓄熱
手段は大きな蓄熱槽が必要で、その設置スペースが巨大
化する欠点もあった。さらに、かかる蓄熱手段の場合、
蓄熱した温熱又は冷熱を取り出そうとすれば、そのとき
続けて全て取り出さなければならないという問題もあっ
た。こうした蓄熱手段において途中で取り出しを停止し
たりすれば、残りの蓄熱量がほとんど維持されず、無駄
となるのである。
【0003】そこでこのような問題を解決するため、本
出願人はさきに特開平1−228853号公報に開示す
る如く、小さなスペースで極めて効率よく蓄熱でき、し
かも温熱又は冷熱を適宜取得可能な蓄熱手段として、吸
着式蓄熱装置及び該装置を利用した冷温熱取り出しシス
テムを提案した。これは即ち、吸着剤と、該吸着剤を加
熱冷却する伝熱面、及び冷媒を凝縮液化する伝熱面を、
所定量の冷媒と共に真空容器中に配することによって吸
着式蓄熱装置を構成し、この装置に対して伝熱面を加熱
する手段及び伝熱面を冷却する手段をシステム化して設
けたもので、蓄熱は吸着剤の伝熱面を加熱手段により加
熱して、他方の伝熱面に冷媒を凝縮させることにより行
われ、冷熱や温熱を取り出す際は、各伝熱面を前記蓄熱
時と反対に加熱冷却し、冷媒を吸着剤に吸着させて、そ
のときの蒸発潜熱及び吸着熱を利用して行うようにした
ものである。蓄熱時の加熱手段としては、夜間電力等の
利用も可能となっており、蓄熱効率の点はもちろん、経
済的な効率にも秀でた蓄熱システムとなっている。その
上、冷温熱の取り出しも、伝熱面の加熱冷却を中止さえ
すれば、残りの蓄熱量を維持したままで停止できるとい
う長所をもあわせてもっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように小
型で効率よく蓄熱でき、冷温熱の取り出しができる前記
吸着式蓄熱装置も、構造的にみると、伝熱面のうちの一
方を凝縮器兼蒸発器として用いているため、この伝熱面
に対して特殊な伝熱管や蒸発皿を設ける必要があり、そ
の点では必ずしも容易に構成できるとはいえなかった。
また上記吸着式蓄熱装置において、冷媒として水を用い
た場合、凝縮器兼蒸発器側の伝熱面が0℃以下になると
その表面で冷媒が凍り、実質的に0℃以下の冷熱を取得
することが不可能となる問題があった。なお、この問題
は上記吸着式蓄熱装置に限ったものではなく、前記した
従来の蓄熱手段においても同様に生じていた問題であ
り、従来もその解決が待たれていた。
【0005】本発明は、このような実状に対処して、新
たな吸着式蓄熱方法を企図し、その蓄熱方法を可能とす
る吸着式蓄熱装置と、該吸着式蓄熱装置を利用した冷暖
房及び給湯シテスムを提供して、前記問題の解決をはか
ることを目的とするもである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち上記目的に適合する
本発明の基本的特徴は、真空容器内に所定量の冷媒と該
冷媒に対する吸着特性の互いに異なる第1の吸着剤と第
2の吸着剤とを収容し、第1の吸着剤を加熱すると同時
に第2の吸着剤を冷却することで冷媒を第2の吸着剤に
吸着させて蓄熱を行い、次いで第1の吸着剤及び第2の
吸着剤に対し夫々利用側熱媒を熱交換可能に流して、前
記冷媒を第2の吸着剤から脱着させてそのときの蒸発潜
熱により第2の吸着剤を流れる利用側熱媒を冷熱として
取り出すと共に、前記第2の吸着剤から脱着した冷媒を
第1の吸着剤に吸着させてそのときの吸着熱により第1
の吸着剤を流れる利用側熱媒を温熱として取り出す吸着
蓄熱方法にある。なお、この場合、両吸着剤の吸着特性
の違いについては、第1の吸着剤の方に、第2の吸着剤
に比してより冷媒吸着力の強いものを適用するものとす
る。そして上記蓄熱方法を実施する吸着式蓄熱装置とし
ては、請求項2に記載した装置が適用される。即ち所定
量の冷媒を封入した真空容器内の一方に、蓄熱時に高温
熱媒が流れ温熱取得時に利用側熱媒が流れる第1の伝熱
管を、また前記真空容器内の他方に、蓄熱時に低温熱媒
が流れ冷熱取得時に利用側熱媒が流れる第2の伝熱管を
夫々設け、前記第1の伝熱管周囲に第1の吸着剤を、前
記第2の伝熱管の周囲に第2の吸着剤を夫々配設すると
共に、第1の吸着剤と第2の吸着剤とを前記冷媒に対す
る吸着特性が互いに異なるものとしたことを特徴とする
吸着式蓄熱装置である。
【0007】また上記吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房
及び給湯システムとしては、前記吸着式蓄熱装置の第1
の伝熱管に対して高温熱媒と利用側熱媒とが交互に流さ
れると共に、第2の伝熱管に対して低温熱媒と利用側熱
媒とが交互に流されることがその基本的特徴となる。こ
の場合、請求項4に記載する如く、吸着式蓄熱装置の第
1の伝熱管に対して流される高温熱媒を外部からの排熱
媒とすることもできる。また、請求項5に記載した発明
は、上記システムにおいて冷熱を取得しない場合に対応
可能なもので、吸着式蓄熱装置の第2の伝熱管に対して
外気を放熱または吸熱可能な手段(例えば、空気熱交換
器)が設けられ、第2の伝熱管に流される利用側熱媒が
第2の伝熱管と前記外気を放熱または吸熱可能な手段と
の間で循環可能であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明吸着式蓄熱方法によれば、吸着特性の互
いに異なる第1の吸着剤と第2の吸着剤との間で冷媒の
吸脱着をさせて蓄熱をはかり、次に両吸着剤同志で逆に
吸脱着をさせ、そのときの蒸発潜熱や吸着熱を利用して
冷熱あるいは温熱を取得する。従って、その方法を実施
する吸着式蓄熱装置は、主として吸着特性の異なる2種
類の吸着剤を加熱冷却可能に配すればよく、極めて簡単
な構成となる。請求項2には、その具体的装置が示され
ていて、各伝熱管に対して高温熱媒あるいは低温熱媒を
流し、これによって各吸着剤を加熱又は冷却して蓄熱し
た後、各伝熱管に利用側熱媒を流せば、温熱又は冷熱の
取得が可能となる。従って請求項3に記載する冷暖房及
び給湯システムにおいては、上記吸着式蓄熱装置の第1
の伝熱管に対して高温熱媒が流されると共に、第2の伝
熱管に対しては低温熱媒が流されるようになっており、
これで蓄熱がはかられた後、冷温熱を利用する際には、
各伝熱管に夫々利用側熱媒が流されて、温熱は第1の伝
熱管側から、冷熱は第2の伝熱管側から取得可能となっ
ている。なお、請求項4記載のシステムにおいては、上
記蓄熱時の吸着剤加熱が排熱媒によりなされる。また、
請求項5記載のシステムの場合は、第2の伝熱管側の利
用側熱媒を、第2の伝熱管と、外気を放熱または吸熱可
能な手段との間で循環させることができ、これにより冬
期等、温熱だけが必要なときは、冷熱の取り出しを停止
することができる。
【0009】
【実施例】以下、さらに添付図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0010】図1は本発明に係る吸着式蓄熱装置の要部
を断面図面したものであり、図2はその正面内部図であ
る。これらの図において(1)は、所定の冷媒が封入さ
れた横置型の円筒状真空容器であり、その内部上部側
が、第1の吸着剤充填部(3)、内部下部側が、第2の
吸着剤充填部(5)となっている。各吸着剤充填部
(3),(5)は、夫々所要間隔を有して筒軸方向に複
数の角柱状金網枠(6)が並設され、各金網枠(6)の
中に夫々第1の吸着剤(2)、第2の吸着剤(4)が充
填され、さらに各金網枠(6)の中の各吸着剤(2),
(4)を夫々伝熱フィン(7)を具備した複数の、第1
の伝熱管(8)及び第2の伝熱管(9)が貫通すること
で、構成されている。しかして前記真空容器(1)の両
側部には、各熱媒入口(10),(11)及び各熱媒出
口(12),(13)が夫々開設されていて、前記各伝
熱管(8),(9)は、各吸着剤充填部(3),(5)
ごとに両端部で合流し、各熱媒入口(10),(11)
及び各熱媒出口(12),(13)に夫々接続され、容
器(1)外部と連通可能となっている。なおその場合、
上記各伝熱管(8),(9)には、後記する如く容器
(1)外から夫々熱媒が流れ込み、これによって、各吸
着剤(2),(4)を加熱したり、冷却したりするが、
第1の吸着剤(2)の加熱については、こうした伝熱管
(8)を流れる熱媒だけでなく、電気ヒータ、ガス、灯
油等(いずれも図示していない)による加熱でもよい。
その場合、例えば電気ヒータであれば、第1の吸着剤
(2)の中に電気ヒータの加熱部を埋設する等、第1の
吸着剤(2)を効率的に加熱可能な構造とすることが肝
要である。
【0011】次に、前記第1の吸着剤(2)と前記第2
の吸着剤(4)とは、本発明の特徴として前記冷媒に対
する吸着特性が互いに異なっていて、第1の吸着剤
(2)の方が第2の吸着剤(4)に比し、冷媒吸着力が
より強いものとなっている。上記条件に適合する第1,
第2の各吸着剤(2),(4)は、使用する冷媒により
夫々異なるが、例えば冷媒として水を使用した場合は、
第の1吸着剤(2)としてゼオライト、第2の吸着剤
(4)としては活性炭が好適である。その他、冷媒にア
ルコールを用るならば、第1吸着剤(2)に活性炭、第
2の吸着剤(4)にシリカゲルを用いることが考えれ
る。
【0012】ところで、この実施例では、冷媒として水
を、第1の吸着剤(2)としてゼオライトを、そして第
2の吸着剤(4)として活性炭を用いているが、ここ
で、その各吸着特性について図3及び図4により、若干
説明する。図3は、前記第1の吸着剤(2)であるゼオ
ライトを、冷却し、あるいは加熱したときの水に対する
吸脱着特性を等吸着量線上に示したものである。図にお
いて実線は暖房時のサイクル、破線は冷房時のサイクル
を示している。実線の暖房時のサイクルについて述べる
と、点Eから点Dを経て点Cに至る間は、ゼオライトが
水を吸着する工程で、ゼオライトを300℃から30℃
に冷却することにより、その含水率が約1.8 %から20
%に変化する。そして、点Cから点B,点Aを経て点E
に至る間は、水を吐き出す工程(再生工程)となり、ま
ず点Cにおいて20%の含水率のゼオライトを加熱する
と、点Bを経て点Aで300℃となり、含水率が約6%
まで低下する。さらに点Aからの再生運転では、外気温
を利用して凝縮温度を低下させることによって点Eに移
行するまでに含水率が約1.8%まで降下する。なお、破
線の冷房時の場合も、数値こそ若干異なるものの、略同
様の動きをする。これに対して活性炭は、これを第2の
吸着剤(4)として、真空容器(1)内に置くと、前記
ゼオライトの吸脱着サイクルに対応して図4の吸着等温
線に示す如く冷媒含水量が変化する。
【0013】即ち前記ゼオライトが水を吸着する間、活
性炭は水を吐き出すが、それは図4の中でEの範囲に表
示されており、活性炭は0℃の状態で水を吐き出してそ
の含水率が45%から約1%に変化する。また、前記ゼ
オライトが水を吐き出す間、活性炭は水を吸着するが、
この間はFに示すように、60℃の状態で含水率が約1
%から約45%に増加する。このことから前記したゼオ
ライトの方が、かなり高温でしか水を吐き出さず、しか
も高温でも容易に水を吸着する極めて吸着特性の強い吸
着剤であることがわかる。
【0014】本発明吸着式蓄熱装置は、こうした吸着特
性の異なる2種類の吸着剤(2),(4)同志による吸
脱着作用を利用して蓄熱や温熱,冷熱の取得を可能とす
るが、それには、前記真空容器(1)に設けられた熱媒
入口(10),(11)、熱媒出口(12),(13)
に対して夫々所要熱媒を流通させ、第1の吸着剤(2)
を加熱したり、第2の吸着剤(4)を冷却したりするこ
とが必要となる。図5〜図8はそのための手段を具備し
た上記吸着式蓄熱装置利用の冷暖房及び給湯システムを
示したもので、特に熱媒の流れを太線で示して、蓄熱運
転時及び利用運転時について順に説明してある。これら
の図中(15)は上記吸着式蓄熱装置であり、該蓄熱装
置(15)の第1の吸着剤(2)には第1の伝熱管
(8),(8´)が、第2の吸着剤(4)には第2の伝
熱管(9)が夫々設けられている。(16)は貯水槽で
あり、その上部側に水の補給口(17)が設けられてい
て、後記する給湯運転等により水位が下がった場合は、
補給口(17)から水が補給されて、一定の水位が保た
れるようになっている。また貯水槽(16)の内部に
は、伝熱管(18)が水中に位置するように設けられて
いる。さらに、(19)は、空冷ファン(20)を備え
た空気熱交換器である。本発明に係る冷暖房及び給湯シ
ステムは、これら吸着式蓄熱装置(15)、貯水槽(1
6)及び空気熱交換器(19)を、液送ポンプ(2
1),(22),(23)と三方切換弁(24)・・・
(28)及び開閉弁(29)を備えた配管で図のように
接続して構成されている。
【0015】以下、各図について説明すると、まず図5
は、蓄熱運転時の様子を示しており、第1の伝熱管(8
´)に対して高温熱媒が流れて、第1の吸着剤(2)が
加熱されている状態にある。このときの高温熱媒は、例
えば加熱ボイラー等による加熱水でもよいが、工場等か
ら排出される高温の排熱媒も使用が可能である。排熱媒
を使用すれば、それだけ省エネルギー化が達成されるこ
とはいうまでもない。ところでこうした加熱源からの配
管については、特に図示してないが、第1の伝熱管(8
´)の入口側に、加熱源から高温熱媒が送られてくる配
管を接続し、出口側に、前記加熱源が加熱ボイラーであ
ればボイラーに戻る配管を、又、加熱源が排熱であれば
排熱を外部に廃棄する配管を夫々接続する。なお図では
説明の都合上、上記吸着剤(2)を加熱するための第1
の伝熱管(8´)と貯水槽(16)側に配管接続した第
1の伝熱管(8)とを別個に描いているが、実際は、両
者同一のものが適用でき、例えば図示なき切換弁により
同一の伝熱管(8)を貯水槽(16)側と加熱源側とし
て切換えて使用する構成としてもよい。また、このとき
の第1の吸着剤(2)加熱については、高温熱媒の流通
によるものではなく、前記したように電気ヒータ等によ
る加熱も可能で、その場合は前記第1の吸着剤(2)加
熱に用いた第1の伝熱管(8´)が電気ヒータの加熱部
に相当することとなる。
【0016】一方、第2の吸着剤(4)側では第2の伝
熱管(9)に低温熱媒が流れて第2の吸着剤(4)を冷
却している。この場合の低温熱媒は、前記貯水槽(1
6)内の伝熱管(18)を流れ、貯水槽(16)内の水
により冷却されたものである。即ち、この場合の低温熱
媒は、液送ポンプ(21),(22)の起動により、配
管(30)、配管(31)、配管(32)、配管(3
3)及び配管(34)を介して、貯水槽(16)内の伝
熱管(18)と第2の伝熱管(9)との間を循環するも
のである。次に図6は、上記第2の吸着剤(4)冷却
を、貯水槽(16)内の水にはよらず、別の方法で行う
場合を示している。即ち、前記低温熱媒は、配管(3
4)から分岐する配管(35)に流れて空気熱交換器
(19)を通り、ここで冷却されるようになっている。
そしてこの後、第2の伝熱管(9)に供給され、第2の
吸着剤(4)を冷却しているなお第1の吸着剤(2)の
加熱については、図5の場合と同様である。
【0017】以上、図5,図6に示すようにして吸着式
蓄熱装置(15)おける第1の吸着剤(2)の加熱がな
され、第2の吸着剤(4)の冷却がなされると、冷媒
は、吸着剤(2),(4)同志による吸脱着作用によ
り、第2の吸着剤(4)側に吸着される。これを例えば
夜間等に一定の時間をかけて行い、冷媒のほとんど全て
を第2の吸着剤(4)に吸着させると蓄熱運転は終了す
る。続いて図7,図8は利用時の運転を示し、このうち
図7は冷房運転について示している。第1の伝熱管
(8)の入口側は配管(36)を介して貯水槽(16)
側部の排出口(16A)と接続されており、他方第1の
伝熱管(8)の出口側は配管(37)を通して貯水槽
(16)上部の流入口(16B)と連通されている。従
って配管(36)途上の液送ポンプ(23)を駆動する
と、貯水槽(16)内の水は第1の伝熱管(8)を流
れ、第1の吸着剤(2)を冷却することとなる。
【0018】一方、第2の伝熱管(9)では、その入口
側に冷房用空気調和機等、冷熱利用側からの戻り配管
(38)が三方切換弁(24)及び配管(32)により
接続され、その出口側に配管(33)及び三方切換弁
(25)を介して冷熱利用側への供給配管(39)が接
続されている。このため第2の吸着剤(4)は利用側か
ら送られてくる利用側熱媒により冷却されることにな
る。
【0019】前記したように両吸着剤(2),(4)の
冷媒に対する吸着特性は、第1の吸着剤(2)の方が大
きいため、既に前記蓄熱運転において第2の吸着剤
(4)に吸着されていた冷媒は、以上の作用により、第
1の吸着剤(2)側に吸着される。このため第2の伝熱
管(9)の伝熱フィン(7)周囲では、冷媒がさかんに
脱着して、第2の吸着剤(4)の温度を低下させ、その
結果、利用側熱媒がますます低温となって利用側の冷房
用空気調和機等に供給される。またこのとき第1の吸着
剤(2)では、吸着熱が発生するが、この熱は、伝熱フ
ィン(7)を介して第1の伝熱管(8)を流れる熱媒に
伝えられ、この熱媒が配管(37)を流れて貯水槽(1
6)の水を加熱し、これを温水に変える働きをする。し
かして貯水槽(16)の底部排出口(16C)には、利
用側へ向かって図のように給湯用配管(40)が設けら
れており、利用側において湯を必要とするときは、この
給湯用配管(40)から温水を湯として取り出すことが
できる。このときの貯水槽(16)の水位低下は前記し
たように、補給口(17)からの給水により回復する。
なお、利用側で湯を必要としないときは、貯水槽(1
6)内の水の過熱が懸念されるが、三方切換弁(2
6),(27)及び開閉弁(29)の操作と液送ポンプ
(22)の起動とにより、図のように前記空気熱交換器
(19)と貯水槽(16)内伝熱管(18)との間で熱
媒循環路を形成しておけば、こうした貯水槽(16)内
の温水過熱も防止される。
【0020】次に図8では暖房運転の場合を示してい
る。この場合も、第1の吸着剤(2)に対しては、前記
冷房運転時同様、配管(36)及び配管(37)を介し
て貯水槽(16)内の水が供給されるが、一方、第2の
吸着剤(4)に対しては、空気熱交換器(19)により
外気で加熱された熱媒が供給される。なお、暖房運転が
通常なされる冬期は、外気温が0℃以下のことがしばし
ばあり、従って第2の吸着剤(4)もまた上記作動中、
熱媒を介して0℃以下に冷却されるが、冷媒である水は
今、第2の吸着剤(4)に吸着された状態にあるから、
これが第2の吸着剤(4)側に凍り付く懸念はない。従
ってこの場合も、前記冷房運転時同様、第2の吸着剤
(4)から第1の吸着剤(2)に向かって冷媒が吐き出
され、これが第1の吸着剤(2)に吸着されて、その吸
着熱により貯水槽(16)内の水が温水に変わる。そし
てこの温水は、前記同様給湯用配管(40)を介して利
用側に供給可能である。さらにこの場合、三方切換弁
(27),(26)を操作して、例えば暖房用空気調和
機等暖房利用側からの戻り配管(38´)と、該利用側
への供給配管(39´)とを、夫々前記貯水槽(16)
内の伝熱管(18)の各入口側及び出口側に連通させる
ことで、前記利用側の熱媒を貯水槽(16)内の温水に
より加熱可能となすことができ、暖房用空気調和機等に
対する温熱供給も可能となる。
【0021】以上が図5〜図8の説明であるが、さらに
上記システムにおいて、冷房運転や暖房運転等の利用運
転を停止するときは、三方切換弁(24)〜(28)等
を操作し、かつ液送ポンプ(21)〜(23)を停止す
るなどして、第1の伝熱管(8)及び第2の伝熱管
(9)に対する熱媒の供給を止めることで直ちに停止可
能となる。そしてそのときまだ全ての蓄熱量を使い切っ
ていなければ、残りの蓄熱量はそのまま維持され、次回
利用時に使用することができる。なお、本発明の吸着式
蓄熱装置あるいは該蓄熱装置を利用した冷暖房及び給湯
システムは以上の実施例に拘泥されるものではなく、そ
の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であり、例えば
システムの配管構成にしても、冷熱温熱を同時に必要と
する場合などは、第1の伝熱管(8)及び第2の伝熱管
(9)に対し、夫々利用側を接続可能とするなどして容
易に変更し得るものである。
【0022】最後に、本発明に係る吸着式蓄熱装置の取
得冷熱、取得温熱の各熱量を氷蓄熱の場合と比較して示
す。第1の吸着剤(2)と第2の吸着剤(4)とが各1
kg宛あり、第1の吸着剤(2)における吸着熱は780
kcal/kg、第2の吸着剤(4)における蒸発潜熱は60
0kcal/kgであった。従って前記図3,図4のグラフに
徴して第1の吸着剤(2)からは(0.2 −0.018)×78
0=142kcal/kgの温熱が得られ、第2の吸着剤
(4)からは(0.45−0.01) ×600=264kcal/kg
の冷熱が得られることとなる。これに対して氷蓄熱の場
合は、周知の如く1kgあたり80kcal/kgの蓄熱量がし
かない。このことから本発明吸着式蓄熱装置は、コンパ
クトかつ大きな蓄熱量を保有するものであることが明ら
かである。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上述べたように、冷媒と該冷
媒に対する吸着特性の互いに異なる2種類の吸着剤とを
真空容器内に収め、吸着剤同志による冷媒の吸脱着作用
を利用して蓄熱を行い、かつ冷温熱の取得を行うことを
基本とするものであるから、蓄熱容量は、氷蓄熱等に比
して極めて大きく、また冷温熱を同時に取得することも
可能である。しかも前記冷媒は常に蒸気もしくは吸着剤
に吸着された状態で存在するため、冷媒が凍るようなこ
ともなく、従って低温外気中での使用も可能であれば、
マイナス温度の冷熱取得も可能である。そして請求項2
に記載する発明は、上記吸着式蓄熱方法を具体的に実践
可能な装置を示しており、装置内部では、吸着剤同志に
よる冷媒の吸脱着をさせればよく、冷媒を凝縮させたり
蒸発させたりするための特殊な伝熱管や蒸発皿を設ける
必要がないため、蓄熱装置の構造は極めて簡単、かつコ
ンパクトなものとなる。また、請求項3に記載する発明
は、上記吸着式蓄熱装置を利用する冷暖房及び給湯シス
テムであり、上記吸着式蓄熱装置を実際に機能させるこ
とができる。その場合、請求項4に記載する如く、第1
の伝熱管に対して排熱媒を供給可能としておくことによ
り、蓄熱運転時、排熱媒による第1の吸着剤加熱ができ
て、極めて省エネルギーに富んだシステム構築が可能と
なる。一方、請求項5に記載した発明では、上記システ
ムにおいて冷熱を必要としない利用時、冷熱側の利用側
熱媒を、第2の伝熱管と外気を放熱または吸熱可能な手
段との間に循環させ、外気と熱交換させて第2の吸着剤
を加熱するが、こうしたことが可能となるのも、冷媒が
前記の如く蒸気の状態で吸着剤同志の間を移動するから
であり、冬期等の冷たい外気によっても充分作動可能で
ある。最後に貯水槽を利用して給湯と暖房とが同時に可
能となる点でも、本発明に係るシステムは極めて実用的
なシステムといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明吸着式蓄熱装置の要部を一部断面示する
側面図である。
【図2】本発明吸着式蓄熱装置の内部を示す正面断面図
である。
【図3】ゼオライトの吸着特性を示す等吸着量線図であ
る。
【図4】活性炭の吸着特性を示す吸着等温線図である。
【図5】本発明冷暖房及び給湯システムの作動説明図で
ある。
【図6】本発明冷暖房及び給湯システムの作動説明図で
ある。
【図7】本発明冷暖房及び給湯システムの作動説明図で
ある。
【図8】本発明冷暖房及び給湯システムの作動説明図で
ある。
【符号の説明】
(1) 真空容器 (2) 第1の吸着剤 (4) 第2の吸着剤 (8) 第1の伝熱管 (9) 第2の伝熱管 (15) 吸着式蓄熱装置 (19) 空気熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 昌生 大阪府寝屋川市松屋町13−8−1108 (72)発明者 宮西 俊夫 京都府八幡市八幡源氏垣外37−4−405 (72)発明者 森川 淳 京都府八幡市男山八望2−C−15−402 (72)発明者 吉原 基司 京都府八幡市八幡武蔵芝6−9 (56)参考文献 特開 昭58−145887(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に所定量の冷媒と該冷媒に対
    する吸着特性の互いに異なる第1の吸着剤と第2の吸着
    剤とを収容し、第1の吸着剤を加熱すると同時に第2の
    吸着剤を冷却することで冷媒を第2の吸着剤に吸着させ
    て蓄熱を行い、次いで第1の吸着剤及び第2の吸着剤に
    対し夫々利用側熱媒を熱交換可能に流して、前記冷媒を
    第2の吸着剤から脱着させてそのときの蒸発潜熱により
    第2の吸着剤を流れる利用側熱媒を冷熱として取り出す
    と共に、前記第2の吸着剤から脱着した冷媒を第1の吸
    着剤に吸着させてそのときの吸着熱により第1の吸着剤
    を流れる利用側熱媒を温熱として取り出すことを特徴と
    する吸着式蓄熱方法。
  2. 【請求項2】 所定量の冷媒を封入した真空容器内の一
    方に、蓄熱時に高温熱媒が流れ温熱取得時に利用側熱媒
    が流れる第1の伝熱管を、また前記真空容器内の他方
    に、蓄熱時に低温熱媒が流れ冷熱取得時に利用側熱媒が
    流れる第2の伝熱管を夫々設け、前記第1の伝熱管周囲
    に第1の吸着剤を、前記第2の伝熱管の周囲に第2の吸
    着剤を夫々配設すると共に、第1の吸着剤と第2の吸着
    剤とを前記冷媒に対する吸着特性が互いに異なるものと
    したことを特徴とする吸着式蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 第1の伝熱管に対して高温熱媒と利用側
    熱媒とが交互に流されると共に、第2の伝熱管に対して
    低温熱媒と利用側熱媒とが交互に流されることを特徴と
    する請求項2記載の吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房及
    び給湯システム。
  4. 【請求項4】 吸着式蓄熱装置の第1の伝熱管に対して
    流される高温熱媒が外部からの排熱媒であることを特徴
    とする請求項3記載の吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房
    及び給湯システム。
  5. 【請求項5】 吸着式蓄熱装置の第2の伝熱管に対して
    外気を放熱または吸熱可能な手段が設けられ、第2の伝
    熱管に流される利用側熱媒が第2の伝熱管と前記外気を
    放熱または吸熱可能な手段との間で循環可能であること
    を特徴とする請求項3又は4記載の吸着式蓄熱装置を利
    用した冷暖房及び給湯システム。
JP23747291A 1991-08-22 1991-08-22 吸着式蓄熱方法と吸着式蓄熱装置及び該吸着式蓄熱装置を利用した冷暖房及び給湯システム Expired - Fee Related JPH0760032B2 (ja)

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