JPH07592Y2 - 床点検口の取手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、床点検口の蓋体に取り付けられる取手に関す
るものである。

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

一般に床点検口は、床開口に嵌合、固定される外枠内に
蓋体を着脱可能に嵌合して構成されており、蓋体には、
点検作業時に該蓋体を取り除くための取手が設けられて
いる。 この取手は、第６図に示すように、内枠に固定される取
手ケース３に握り手１を回動自在に軸着して構成されて
おり、握り手１は、不使用時に歩行等の邪魔にならない
ように、通常、握り手１の表面部に凹設された収容溝２
に収容されている。 しかし、かかる従来の取手における収容溝２の底部壁８
は、握り手１の一側壁面10が全面に渡って当接するよう
に形成され、握り手１と収容溝２の外周部との隙間から
泥、塵埃等が侵入した場合には、その逃げ場がないため
に、該収容溝２の底部壁８に積層し、握り手１が蓋体の
表面から浮き上がってしまうという欠点を有するもので
あった。 本考案は、かかる欠点を解消すべくなされたものであっ
て、握り手１が泥等の侵入により容易に浮き上がること
のない蓋体の取手を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

本考案によれば上記目的は、実施例に対応する第１図お
よび第２図に示すように、平面視略Ｕ字状に形成される
握り手１と、この握り手１の自由端部を回動自在に軸着
し、不使用時に前記握り手１を表面部に凹設した収容溝
２に収容する取手ケース３とからなる床点検口の取手に
おいて、前記取手ケース３の収容溝２の底部壁８を断続
的に下方に窪ませて塵埃収容凹部４を形成したことを特
徴とする床点検口の取手を提供することにより達成され
る。

【作用】

上記構成に基づき、本考案による握り手１の収容溝２の
底部壁８には、塵埃収容凹部４が形成される。 塵埃収容凹部４は、握り手１と取手ケース３との隙間か
ら侵入した泥、あるいは塵等を一時的に収容し、握り手
１が蓋体表面から浮き上がるのを防止する。

【実施例】

以下、本考案の望ましい実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。 第３図において、本考案による取手が固定された床点検
口の蓋体が示されている。この蓋体は、内方に底板支持
片50を突設させた矩形枠５と、上記底板支持片50により
四側縁を支持されて該矩形枠５内に配設される底板51を
有して形成され、これら底板支持片50と、底板51に固定
される取手支持具６により取手が固定されている。 取手は、第１図に示すように、取手ケース３に平面視略
Ｕ字状の握り手１を回動自在に枢着して構成され、不使
用時には、取手ケース３の表面部に凹設された収容溝２
に握り手１を収納しておき、蓋体の取り外し作業時に
は、握り手１を軸杆７回りに回動させて握り手１を外方
に引出し、作業者に手掛け部を提供するようにされてい
る。 この実施例による取手ケース３は、第４図に示すよう
に、合成樹脂材を射出成型して形成したケース本体30の
表面部をカバー金属31によって覆って構成されており、
ケース本体30の成型に際してインサートされて同時成型
されるカバー金属31は、ステンレス板材に絞り加工を施
して形成されている。このカバー金属31には、ケース本
体30の収容溝２と、指掛け用の凹部35とに対応した開口
溝32が開設されており、開口溝32、および周縁部の立ち
上がり壁33の適宜位置に引っ掛け爪34を設けることによ
り、第５図に示すように、ケース本体30への固着後の剥
離が防止されている。 上記取手ケース３に形成される収容溝２は、握り手１が
完全に収容され得るように平面視略Ｕ字状に形成されて
おり、第１図および第２図に示すように、その屈曲部に
おける底部壁８をやや窪ませることにより、塵埃収容凹
部４が形成されている。 かかる構成により、握り手１と収容溝２との隙間から泥
等が侵入した場合には、握り手１を上方に回動させた際
にコーナー部に設けられた塵埃収容凹部４に掃き出して
おき、蓋体の清掃の際に取り除いておけば握り手１の受
け面に積層することがなく、長期の使用により握り手１
が浮き上がることを完全に防止される。 一方、握り手１は、その自由端部に設けられたピン孔11
に軸杆７を挿通させることにより取手ケース３に軸着さ
れるが、握り手１を手掛け部として蓋体を持ち上げた際
に、蓋体の自重が軸杆７を介して合成樹脂製のケース本
体30に負荷され、該ケース本体30に破断することのない
ように、ケース本体30の裏面には、断面略Ｕ字状のヒン
ジ部材９が装着されており、上記軸杆７にかかる荷重を
ヒンジ部材９の孔部90のみで負担させるように考慮され
ている。 なお、第１図および第２図において、36、37は、取手支
持具６に取手ケース３を固定される際に使用される係止
フック、および係止爪を示すものである。

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案による取手によ
れば、握り手の収容溝に泥等を一時的に収容することが
できるので、握り手の浮き上がりを効果的に防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による取手の一部を破断して示す斜視説
明図、 第２図は第１図のII−II線断面図、 第３図は取手の蓋体への取付状態を示す斜視説明図、 第４図は握り手を示す斜視説明図、 第５図は第４図の断面図、 第６図は従来例を示す斜視図である。 １……握り手 ２……収容溝 ３……取手ケース ４……塵埃収容凹部 ８……底部壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面視略Ｕ字状に形成される握り手と、こ
   の握り手の自由端部を回動自在に軸着し、不使用時に前
   記握り手を表面部に凹設した収容溝に収容する取手ケー
   スとからなる床点検口の取手において、 前記取手ケースの収容溝の底部壁を断続的に下方に窪ま
   せて塵埃収容凹部を形成したことを特徴とする床点検口
   の取手。