JPH0758596A - 適応フィルタ - Google Patents

適応フィルタ

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JPH0758596A
JPH0758596A JP20664593A JP20664593A JPH0758596A JP H0758596 A JPH0758596 A JP H0758596A JP 20664593 A JP20664593 A JP 20664593A JP 20664593 A JP20664593 A JP 20664593A JP H0758596 A JPH0758596 A JP H0758596A
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filter
gradient
circuit
output
adaptive
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JP20664593A
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Toshio Adachi
敏男 安達
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Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
Asahi Kasei Microdevices Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
Asahi Kasei Microdevices Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この適応フィルタは、適応アルゴリズムによ
って各係数が更新可能なリープフロッグ型構成のGm−
Cフィルタ70と、上記各係数を修正する際の勾配係数
を発生する勾配フィルタ71〜76と、減算回路77
と、乗算器79〜83と、その乗算器の出力を積分する
積分器84〜88と、その積分器の出力に応じてGm−
Cフィルタ70の各係数を制御するGmコントロール回
路89とを有する。勾配フィルタは2次バイカッド型B
PF71〜73、4次バイカッド型BPF74,76、
および6次リープフロッグ型BPF75からなる。共通
化により2次バイカッド型BPFを更に省略することが
できる。 【効果】 適応フィルタの勾配フィルタをその性質が似
たバイカッド型フィルタで置き換えたり、勾配フィルタ
の出力が似ているものについて共通化させているので、
適応フィルタの回路規模の縮小化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適応制御によって特性
を変化させることができる適応フィルタに関する。
【0002】さらに詳述すれば本発明は、カットオフ周
波数・Q値・ゲイン値をそれぞれ修正することにより、
要求される特性を実現させることができる適応フィルタ
に関するものである。
【0003】
【従来の技術】一般に、Gm−Cフィルタに代表される
コンティニュアスタイムフィルタの特性は、フィルタの
特性を決定づけるMOSFET(MOS型電界効果トラ
ンジスタ)の性能によって決定される。
【0004】このMOSFETの特性はプロセス変動,
環境温度,電源電圧によって影響を受け易く、このため
に、PLL(位相同期ループ)回路等を用いてフィルタ
の自己補正を行っている。
【0005】しかしながらSCF(スイッチド・キャパ
シタ・フィルタ)では容量比のみでその特性が決定され
るのに対して、コンティニュアスタイムフィルタではM
OSFETの整合誤差の影響も受けるため、フィルタの
精度はSCFに比べて悪くなる。特に、Gmアンプ(例
えば、トランスコンダクタンス素子からなる電圧電流変
換増幅器)におけるGm値の整合性は容量値に比べて格
段に悪く、その結果としてGm−Cフィルタのフィルタ
特性の精度は、SCFのそれに比べて悪いという不都合
な点があった。
【0006】このような点を解消する方法として、適応
フィルタによる補正手法を用いてフィルタに要求されて
いる特性に合わせ込む方法が知られている。この適応フ
ィルタによる補正手法として、例えばKAREN A.
KOZMAらによるIEEE,CIRCUITS AN
D SYSTEMS 1991年11月号,1241〜
1245ページ掲載の方法が知られている。
【0007】図1は、上記適応フィルタによる手法を用
いたGm−Cフィルタ回路の従来の構成を示す。本図に
おいて21は理想入力信号源、22はGm−Cフィル
タ、23〜26は勾配フィルタ、27は理想出力信号
源、28〜31は乗算器、32〜35は累加算器として
の機能を果たす積分器、36は減算器である。
【0008】ここで、勾配フィルタ23〜26はフィル
タの各係数を補正するために必要な勾配係数(各ブロッ
ク中に記載してある)を発生することを目的として用い
られており、その入力信号としてはGm−Cフィルタ2
2のある定められた出力を用いている。また、各勾配フ
ィルタの回路構成は基本的にはGmアンプとキャパシタ
からなるGm−Cフィルタ22と同一となっている。
【0009】Gm−Cフィルタ22の変数を更新するた
めには、Gm−Cフィルタ22に理想入力信号源21の
理想入力信号を入力させ、そのフィルタ出力を理想出力
信号源27の理想出力信号と比較して減算器36の誤差
信号εが零となるようにフィードバック制御動作させ
る。
【0010】次に、フィルタの変数の数について説明す
る。図1に示した適応フィルタ中のGm−Cフィルタ2
2として、例えば図2に示す2次バイカッド型低域通過
フィルタ(LPF)を用いる場合、4個のGmアンプ2
01〜204と2個の容量205,206から構成され
る。ここで、図示した各Gmアンプ201〜204のG
m値はそれぞれGm1 〜Gm4 、各容量205,206
の容量値はC1 ,C2である。このとき、この回路の伝
達関数H(S)は次に示す(1)式のようになる。
【0011】
【数1】
【0012】上記(1)式から判るように、図2に示し
た回路においてGm2 ,Gm3 はそれぞれカットオフ周
波数ω1 ,ω2 を決定するパラメータ、Gm1 はゲイン
を決定するパラメータ、Gm4 はQ値(フィルタのクオ
リティファクタの値)を決定するパラメータである。こ
のとき、フィルタの入力信号には、フィルタの周波数特
性を特定(characterize)できるようにで
きるだけ多くの信号周波数を有することが求められる。
すなわち、入力信号は全ての周波数成分からなる信号で
あること、言い替えると白色信号であることが望まし
い。
【0013】そして、図1に示した勾配フィルタ23〜
26,乗算器28〜31,積分器32〜35の数は、フ
ィルタ22の変数の数(上記図1の場合は、4)と同じ
数だけ必要になる。
【0014】この適応アルゴリズムにおいて、フィルタ
のある変数aijは、
【0015】
【数2】 aij(t+1)=aij(t)−Δ・ε・∂H(s)/∂aij(t) …(2) によって更新される。ここで、Δは所定の係数値、εは
図1に示した誤差信号である。
【0016】すなわち、各勾配フィルタは∂H(s)/
∂aij(t)を発生する。従って、各乗算器の入力には
勾配フィルタの出力と、フィルタの誤差信号εが入力さ
れ、Δ・ε・∂H(s)/∂aij(t)が計算される。
さらに、各積分器からは、
【0017】
【数3】 aij(t+1)=aij(t)−Δ・ε・∂H(s)/∂aij(t) …(3) なる信号が出力されることになる。この出力信号はGm
−Cフィルタ22にフィードバックされる。これによっ
てフィルタの各係数は誤差信号εが零になるまで更新さ
れる。かくして、最終的には、理想フィルタと同じ信号
応答すなわち、同じ周波数特性が達成される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】次に、上記の勾配フィ
ルタの詳細について説明する。一般に、S領域で表現さ
れるような時間連続系のフィルタは次のような式で表現
できる。なお、以下の式で、便宜上
【0019】
【外1】
【0020】
【数4】 S・δ(S)=α・δ(S)+β・U(S) …(4) Y(S)=γT ・δ(S)+D・U(S) …(5) ここで、U(S)は入力、Y(S)は出力、δ(S)は
各状態出力(例えば、図3におけるV1〜V6)であ
る。α,β,γ,Dはフィルタの変数と関係のある係数
行列と係数である。Tは転置行列である。このような状
態方程式でフィルタを表現したときのフィルタの伝達関
数H(S)は上記(4),(5)式からベクトル表示で
次のようになる。
【0021】
【数5】 H(S)=Y(S)/U(S)=γT ・(S・ζ−α)-1・β+D…(6) となる。ζはユニット行列を表わす。
【0022】フィルタの各係数に対する勾配は伝達関数
上記(6)式を各係数に関して微分をすることによって
得られる。
【0023】
【数6】 ∂Y/∂α=γT ・(S・ζ−α)-2・β・U(S) …(7) =γT ・(S・ζ−α)-1・δ(S) =θ(S)δ(S) …(8) 但し、δ(S)=(S・ζ−α)-1・β・U(S)であ
る。
【0024】 θ(S)=γT ・(S・ζ−α)-1 ∂Y/∂β=γT ・(S・ζ−α)-1・U(S) =θ(S)U(S) …(9) ∂Y/∂γ=(S・ζ−α)-1・β・U(S) =δ(S) …(10) ∂Y/∂D=U(S) …(11) これらの式からわかるように、フィルタの各勾配係数を
求めるのに大部分はθ(S)を必要としている。このθ
(S)はその定義式からもわかるように、殆ど上記
(6)式で与えられているフィルタの式に係数部分を除
いて同じである。すなわち、∂Y/∂αを求めるにはフ
ィルタの構成と係数部分を除き、殆ど各状態出力を入力
した結果の信号と同じとなるから、殆ど同じ回路要素が
必要になる。すなわち、N次のフィルタの場合には、勾
配フィルタもやはりN次のフィルタが必要になる。この
ような手法で適応フィルタを実現しようとすると、フィ
ルタのパラメータが仮にM個でN次のフィルタならば、
勾配フィルタの総次数はN×Mとなり、回路規模は極め
て大きくなるという問題点があった。
【0025】これを更に具体的回路で説明するため、図
3にはGm−Cフィルタとしての6次リープフロッグ
(leapfrog)型構成のBPF(バンドパスフィ
ルタ)の回路構成を示す。この回路においては状態方程
式の各係数は下記のようになる。
【0026】
【数7】
【0027】このような回路において、適応フィルタの
技術を用いて、フィルタ係数を更新するには、図4に示
すような回路が用いられる。ここで40は図3で示した
Gm−Cフィルタである。41〜46は係数を更新する
のに必要な勾配フィルタである。このフィルタの構成は
Gm−Cフィルタと全く同じ回路になっている。47は
フィルタ出力と理想フィルタ出力との差信号を発生する
ための演算回路、48は理想フィルタ出力信号を発生す
るための理想フィルタ出力信号回路、49〜53は勾配
フィルタの出力41〜46と誤差信号εを入力してGm
値を更新するための信号を出力するための乗算器、54
〜58は更新されるべきGm値の源信号を発生する積分
器、59はGmアンプのGm値を発生するためのGmコ
ントロール回路である。
【0028】図4の回路によると、勾配フィルタ41〜
46はそれぞれ本体Gm−Cフィルタと全く同じ構成の
同じ特性を有するものになっている。このために、これ
らフィルタの次数はこの時には6次になる。従って、勾
配フィルタは6系統必要なため、トータルの次数として
は36次となる。一般に、勾配フィルタに必要な次数は
N次フィルタの場合にN×N次となり、適応フィルタ構
成とするために、膨大な回路が要求されることになる。
従って、実際に回路を作るにはコストが高くなりすぎる
という欠点がある。
【0029】よって、本発明の目的は、上述の点に鑑
み、より単純な方式を用いることにより回路規模を縮小
させ、そのことにより製造コストを低下させた適応フィ
ルタを提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、適応アルゴリズムによって各係数が更
新可能なリープフロッグ型構成の複数のフィルタから成
る本体フィルタと、該本体フィルタの出力信号に応じて
該本体フィルタの各フィルタの各係数を修正する際の正
しい勾配方向を発生する勾配フィルタと、理想フィルタ
出力信号と前記本体フィルタの差信号を発生する減算回
路と、該減算回路の出力と前記勾配フィルタの出力を乗
算する乗算器と、該乗算器の出力を積分する積分器と、
該積分器の出力に応じて前記本体フィルタの各フィルタ
の係数を制御する制御回路とを具備し、前記勾配フィル
タの少くとも一部が、前記本体フィルタの平均カットオ
フ周波数WとQ値の平均値を有し、その性質がリープフ
ロッグ型に似たバイカッド型フィルタで置き換えて構成
されていることを特徴とする。
【0031】また、本発明は、好ましくはその一形態と
して、前記勾配フィルタは該勾配フィルタの出力が似て
いるものについて共通化がされていることを特徴とする
ことができる。
【0032】また、本発明は、好ましくは他の形態とし
て、前記本体フィルタは、変数値のそれぞれがWoi(i
=1,2…L)であるカットオフ周波数を決定するL個
の回路要素と、変数値がそれぞれQi (i=1,2…
M)であるQ値を決定するM個の回路要素と、変数値が
それぞれAi (i=1,2…N)であるゲイン値を決定
するN個の回路素子から成り立っており、前記変数値を
適応制御することによって理想フィルタに近づける前記
制御回路は、前記Woi(i=1…L)のうちのα個を選
択して全ての周波数に関するパラメータWoi(i=1…
L)を制御し、前記Qi (i=1…M)のうちのβ個を
選択して全てのQ値に関するパラメータQi (i=1…
M)を制御し、前記Ai (i=1…N)のうちのγ個を
選択して全てのゲインに関するパラメータAi (i=1
…N)を制御することを特徴とすることができる。
【0033】
【作用】本発明では、適応フィルタの勾配フィルタをそ
の性質が似たバイカッド型フィルタで置き換えたり、勾
配フィルタの出力が似ているものについて共通化させて
いるので、回路規模の縮小化が得られる。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0035】(リープフロッグ型フィルタの原理)本発
明の具体的実施例を説明する前に、その理解を容易にす
るため、本発明実施例で用いるリープフロッグ型フィル
タの原理について図5〜図12を参照して説明する。リ
ープフロッグ型フィルタは図5に示すように原型フィル
タがL,Cからなるはしご型回路(LCラダー型フィル
タ)から作られる。図5の回路をさらに一般的な回路表
現として図6に示すようにアドミッタンス素子Y(即
ち、Y1 ,Y2 )とインピーダンス素子Z(即ち、Z
2 ,Z4 )で表現できる。このとき、図6の回路の各岐
路の関係式はI1 ,I3 を電流、V1 ,V2 ,V4 を電
圧とすると、次のようになる。
【0036】
【数8】 I1 =Y1 (V1 −V2 ) …(14) V2 =Z2 (I1 −I3 ) …(15) I3 =Y3 (V2 −V4 ) …(16) V4 =Z43 …(17) これらの式ははしご型回路を記述する唯一の手法ではな
いが、電流と電圧の関係を次々に書いていくというこの
手法は、フィルタを構成するにあたり有用である。
【0037】上記(14)〜(17)式をブロック図で
表すと、図7に示すようになる。ここで、Y1 ,Y3
アドミッタンス素子、Z2 ,Z4 はインピーダンス素子
で丸印は加算回路である。
【0038】LCラダー回路(はしご型回路)において
は、また次式が成立する。
【0039】
【数9】 Y1 =1/SL1 …(18) Z2 =1/SC2 …(19) Y3 =1/SL3 …(20) Z4 =1/SC4 …(21) たとえば、上記(14),(18)式から導かれるI1
=(V1 −V2 )/SL1 は図8に示すような回路で表
現できる。図8のGm1 ,Gm2 はGmアンプのGm値
である。従って、この回路の伝達関数は、図8から、
【0040】
【数10】 I1 =(Gm11 +Gm22 )/SC01 …(22) となるので、それぞれのGm値はGm1 /C01=1/L
1 、Gm2 /C01=−1/L1 となると、これらを上記
式(22)に代入すると分るように、図8の回路で上記
式のI1 =(V1 −V2 )/SL1 が表現できることに
なる。
【0041】同様に、上記(15),(19)式から導
かれるV2 =(I1 −I3 )/SC2 は図9に示すよう
な回路で表現できる。図9のGm3 ,Gm4 はGmアン
プのGm値である。この回路の伝達関数は、図9から
【0042】
【数11】 V2 =(Gm31 +Gm43 )/SC02 …(23) となるので、それぞれのGm値はGm3 /C02=1/C
2 ,Gm4 /C02=−1/C2 となると、これらを上記
式(23)に代入すると分るように、図9の回路で上記
式のV2 =(I1 −I3 )/SC2 が表現できることに
なる。
【0043】このようにして上記図5をGm−Cフィル
タで実現すると図10の回路になる。図10において各
Gm値は次のようになる。
【0044】
【数12】 Gm1 /C01=1/L1 ,Gm2 /C01=−1/L1 Gm3 /C02=1/C2 ,Gm4 /C02=−1/C2 Gm5 /C03=1/L3 ,Gm6 /C03=−1/L3 Gm7 /C04=1/C4 このようにして作られた図10のGm−C型フィルタを
リープフロッグ型によって構成されたフィルタと呼び、
2次バイカッド型フィルタ(双二次型フィルタ)と比べ
てその構成が異なる。この構成手法で設計されたフィル
タはLCラダーフィルタを原形として作られるため、素
子のパラメータ変化に対して低感度であるという特徴を
有している。
【0045】(第1実施例)図11は本発明の第1実施
例の適応フィルタの構成を示す。本例の適応フィルタは
6次リープフロッグ型バンドパスフィルタである。この
回路の状態方程式に対応するパラメータを図中に示す。
図11において、70は図3で示したと同様のGm−C
フィルタである。71〜76は係数を更新するのに必要
な勾配フィルタである。77はGm−Cフィルタ70の
フィルタ出力信号と理想フィルタ出力信号との差信号
(誤差信号)εを発生するための減算回路、78はその
理想フィルタ出力信号を発生するための回路である。7
9〜83は勾配フィルタ71〜76の出力信号と上記誤
差信号εを入力してこれら信号に基づいてGm値を更新
するための信号を出力する乗算器である。84〜88は
乗算器79〜83の出力信号に基づいて更新されるべき
Gm値の源信号を発生する積分器である。89は積分器
84〜88の出力信号に基づいてGmアンプのGm値を
発生するためのGmコントロール回路である。90は入
力信号発生回路である。
【0046】図11の回路構成では、71〜73の勾配
フィルタは2次バイカッド型BPF(帯域通過フィル
タ)であり、74および76の勾配フィルタは4次バイ
カッド型BPFであり、75の勾配フィルタは図4の元
のフィルタと同じの6次のリープフロッグ型BPF構成
となっている。
【0047】図12の(A),(A′)は図4に示した
従来の適応フィルタに用いられている勾配フィルタ41
〜46のGmアンプのQ1 値を制御するために用いてい
る初段部分のBPF出力端子におけるゲイン、および位
相の周波数特性を示したものである。また、図12の
(B),(B′)は図11の本発明の第1実施例の適応
フィルタに用いている2次バイカッド型勾配フィルタ7
1〜73のBPF出力端子におけるゲイン、および位相
の周波数特性を示したものである。
【0048】勾配フィルタにとって重要な特性は位相特
性である。勾配フィルタの位相がずれると誤差信号と位
相差が生じてくる。その結果として、補正が完全でなく
なったり、別の補正を必要としないGm値の変更をもた
らすといういわゆる干渉現象を生じるので、フィルタの
最終特性結果が理想特性に一致しなくなる。一方、ゲイ
ンのずれは修正の際の大小に関係するだけなので、回路
の補正の速度にしか影響を及ぼさず、本質的な問題は生
じない。
【0049】従って、図12の(B′)の位相特性が図
12の(A′)の位相特性にできるだけ近ければ好まし
いということが分る。この目的のためには、バイカッド
型勾配フィルタのQ値を動かして図12の(A′)の位
相特性に合うように合わせ込みをすれば良い。このよう
にして図11の勾配フィルタ71,72,73のフィル
タ位相特性について合わせ込みをしていけば、勾配フィ
ルタの特性が決定できる。また、同様に4次バイカッド
型の勾配フィルタ74,76についても位相特性ができ
るだけ元のフィルタ(6次のリープフロッグ型BPF)
に一致するようにQ値を動かし、さらに必要ならばカッ
トオフ周波数をも選択してフィルタ特性を決定すればよ
い。
【0050】勾配フィルタ75は必要な出力端子の関係
から6次分必要なので、元のリープフロッグ構成と全く
同じフィルタとしている。このようにしてできる本実施
例の適応フィルタに用いられている勾配フィルタの総次
数は20次となり、回路規模が図4の従来例の36次の
ものと比べ、非常に小さくできる。
【0051】図12の(C),(C′)は図4の従来の
勾配フィルタ46のGm値の−Q5を制御する出力端子
におけるゲイン、および位相の周波数特性を示したもの
である。図12の(D),(D′)は図11の2次のバ
イカッド型BPF71〜73をそれぞれ2段縦続接続し
て、Q値とカットオフ周波数を制御して、位相の周波数
特性が図12の(C),(C′)のものに近づけるよう
にした時のゲインおよび位相の周波数特性を示したもの
である。完全に特性を合わせることは実際上不可能であ
るが、図示のように、実用上十分な程度に近づけること
は容易である。
【0052】(第2実施例)図13は本発明の第2実施
例の適応フィルタの構成を示す。本例の適応フィルタは
図11の本発明の第1実施例と同じく6次リープフロッ
グ型バンドパスフィルタである。この回路の状態方程式
に対応するパラメータを図中に示す。図13において、
100は図3で示したと同様のGm−Cフィルタであ
る。101〜106は係数を更新するのに必要な勾配フ
ィルタである。107はGm−Cフィルタ100のフィ
ルタ出力信号と理想フィルタ出力信号との差信号εを発
生するための減算回路、108はその理想フィルタ出力
信号を発生するための回路である。109〜113は勾
配フィルタ101〜106の出力信号と誤差信号εを入
力してこれら信号に基づいてGm値を更新するための信
号を出力する乗算器である。114〜118は乗算器1
09〜113の出力信号に基づいて更新されるべきGm
値の源信号を発生する積分器である。119は積分器1
14〜118の出力信号に基づいてGmアンプのGm値
を発生するためのGmコントロール回路である。120
は入力信号発生回路である。
【0053】図13の回路と図11の回路の相違点は、
図11の勾配フィルタ74のQ2 を制御することを目的
とする勾配信号を、図13では勾配フィルタ105のQ
3 を制御する制御用出力と共通化させていると同時に、
図11の勾配フィルタ76のQ6 を制御することを目的
とする勾配信号も図13の勾配フィルタ105内のQ4
制御用出力と共通化させている点である。
【0054】これは次の理由による。図11において、
2 を発生するための回路74とQ3 を発生するための
回路75を比較すると、その相違点はGm−Cフィルタ
70内のフィルタサブブロック91とサブブロック92
の違いのみである。フィルタサブブロック91,92の
特性は勿論通常は異なるが、その位相特性は似ているこ
とが多い。このため、結果的には勾配フィルタ74のQ
2 出力と勾配フィルタ75のQ3 出力は似ていることに
なり、共通化してもその特性に大きく影響しないで済む
ことが多い。これと同様に、勾配フィルタ75のQ4
力と勾配フィルタ76のQ6 出力も似ており、それらの
共通化が可能となる。
【0055】このように共通化することで本例の勾配フ
ィルタ104,106のフィルタ次数は4次から2次に
変更できて、回路の縮小化が更にできる。またこの共通
化によって乗算器109〜113、積分器114〜11
8の共通化も可能となり、一層の回路規模縮小化が期待
できる。
【0056】(第3実施例)図14は本発明の第3実施
例の適応フィルタの構成を示す。本例の適応フィルタは
図11の本発明の第1実施例と同じく6次リープフロッ
グ型バンドパスフィルタである。この回路の状態方程式
に対するパラメータを図中に示す。図14において、1
30は図3で示したと同様のGm−Cフィルタである。
131〜133は係数を更新するのに必要な勾配フィル
タである。134はGm−Cフィルタ130のフィルタ
出力信号と理想フィルタ出力信号との差信号εを発生す
るための減算回路、135はその理想フィルタ出力信号
を発生するための回路である。136〜140は勾配フ
ィルタ131〜133と誤差信号εを入力してこれら信
号に基づいてGm値を更新するための信号を出力する乗
算器である。141〜145は乗算器136〜140の
出力信号に基づいて更新されるべきGm値の源信号を発
生する積分器である。146は積分器141〜145の
出力信号に基づいてGmアンプのGm値を発生するため
のGmコントロール回路である。147は入力信号発生
回路である。
【0057】図14の回路と図13の回路の相違点は、
回路規模をさらに縮小するために、図13の回路のW
2 ,W4 ,W6 を制御するための信号をそれぞれW1
3 ,W5 と共通化した点にある。
【0058】即ち、図13の回路において位相特性に着
目すると、W1 を発生する端子に至る経路もW2 を発生
する端子に至る経路のときもいずれもBPF出力とLP
F出力を生成するGmアンプ121を一回だけ介してい
る。そのため、それらの位相特性が似ていることが類推
できる。従って、図13の勾配フィルタ回路101〜1
03は不要になり、図14の131〜133の勾配フィ
ルタに示すように勾配出力を共通化することで、同時に
乗算器136〜140、積分器141〜145も図13
の回路に比べ3組不要となる。
【0059】上述のように、本発明では、勾配フィルタ
を似た性質を有している別のフィルタに置き換えるこ
と、また似た性質を有しているフィルタを共通化させる
ことで、回路規模を大幅に縮小することが可能となる。
なお、これらフィルタの置き換えやフィルタの共通化
は、その位相特性が似ているか否か、また適応動作後の
フィルタ性能がスペック(設計仕様)を満足できるか否
かを見極めながらなされることになる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
適応フィルタの勾配フィルタをその性質が似たバイカッ
ド型(双二次形)フィルタで置き換えたり、勾配フィル
タの出力が似ているものについて共通化させるようにし
ているので、回路規模の縮小化を図ることができる。こ
れにより、本発明によれば製造コストを低下させた適応
フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の適応フィルタの概略回路構成例を示すブ
ロック図である。
【図2】従来のGm−C型2次バイカッド型低域通過フ
ィルタ(LPF)の構成例を示す回路図である。
【図3】従来のGm−C型6次リープフロッグ型帯域通
過フィルタ(BPF)の構成例を示す回路図である。
【図4】フィルタ係数の更新機能を有する従来の適応フ
ィルタの詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】従来のLCラダー型フィルタの構成例を示す回
路図である。
【図6】図5のLCラダー型フィルタの一般的な回路表
現例を示す回路図である。
【図7】図5のLCラダー型フィルタの電流と電圧の関
係の各岐路の関係式をブロックで表現したブロック図で
ある。
【図8】Gm−C型回路のI1 =(V1 −V2 )/SL
1 の表現例を示す回路図である。
【図9】Gm−C型回路のV2 =(I1 −I3 )/SL
2 の表現例を示す回路図である。
【図10】図5のLCラダー型フィルタ回路で実現した
Gm−C型リープフロッグ型フィルタの回路構成例を示
す回路図である。
【図11】本発明の第1実施例の適応フィルタの構成を
示すブロック図である。
【図12】適応フィルタの中に用いられている勾配フィ
ルタのゲインおよび位相に対する周波数特性を示すグラ
フであり、(A),(A′)および(C),(C′)は
従来例のもの、(B),(B′)および(D),
(D′)は本発明のものに関する。
【図13】本発明の第2実施例の適応フィルタの構成を
示すブロック図である。
【図14】本発明の第3実施例の適応フィルタの構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
21,60 理想入力信号源(入力信号発生回路) 22,40 Gm−Cフィルタ 23〜26,41〜46 勾配フィルタ 27,48 理想出力信号源(理想フィルタ出力信号発
生回路) 28〜31,49〜53 乗算器 32〜35,54〜58 積分器 59 Gmコントロール回路 70,100,130 Gm−Cフィルタ 71〜73,101,102,103,104,10
6,131,133 2次バイカッド型BPFによる勾
配フィルタ 74,76 4次バイカッド型BPFによる勾配フィル
タ 75,105,132 6次リープフロッグ型BPFに
よる勾配フィルタ 77,107,134 減算回路 78,108,135 理想フィルタ出力信号発生回路 79〜83,109〜113,136〜140 乗算器 84〜88,114〜118,141〜145 積分器 89,119,146 Gmコントロール回路 90,120,147 入力信号発生回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応アルゴリズムによって各係数が更新
    可能なリープフロッグ型構成の複数のフィルタから成る
    本体フィルタと、 該本体フィルタの出力信号に応じて該本体フィルタの各
    フィルタの各係数を修正する際の正しい勾配方向を発生
    する勾配フィルタと、 理想フィルタ出力信号と前記本体フィルタの差信号を発
    生する減算回路と、 該減算回路の出力と前記勾配フィルタの出力を乗算する
    乗算器と、 該乗算器の出力を積分する積分器と、 該積分器の出力に応じて前記本体フィルタの各フィルタ
    の係数を制御する制御回路とを具備し、 前記勾配フィルタの少くとも一部が、前記本体フィルタ
    の平均カットオフ周波数WとQ値の平均値を有し、その
    性質がリープフロッグ型に似たバイカッド型フィルタで
    置き換えて構成されていることを特徴とする適応フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記勾配フィルタは該勾配フィルタの出
    力が似ているものについて共通化がされていることを特
    徴とする請求項1に記載の適応フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記本体フィルタは、変数値のそれぞれ
    がWoi(i=1,2…L)であるカットオフ周波数を決
    定するL個の回路要素と、変数値がそれぞれQi (i=
    1,2…M)であるQ値を決定するM個の回路要素と、
    変数値がそれぞれAi (i=1,2…N)であるゲイン
    値を決定するN個の回路素子から成り立っており、 前記変数値を適応制御することによって理想フィルタに
    近づける前記制御回路は、前記Woi(i=1…L)のう
    ちのα個を選択して全ての周波数に関するパラメータW
    oi(i=1…L)を制御し、前記Qi (i=1…M)の
    うちのβ個を選択して全てのQ値に関するパラメータQ
    i (i=1…M)を制御し、前記Ai (i=1…N)の
    うちのγ個を選択して全てのゲインに関するパラメータ
    i (i=1…N)を制御することを特徴とする請求項
    2に記載の適応フィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014039517A1 (en) * 2012-09-05 2014-03-13 Newlans, Inc. Bi-quad calibration

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