JPH0757577A

JPH0757577A - 架空配電線用機材の洗浄装置

Info

Publication number: JPH0757577A
Application number: JP21704793A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Furukawa; 政之古川; Fumitaka Mukai; 文孝向井; Yoriyuki Sugao; 順之菅生; Takeshi Muranaka; 健村中; Atsuhide Shibata; 篤秀柴田; Koji Miyazaki; 広司宮崎
Original assignee: YUA TEC KK; Fujikura Ltd
Current assignee: YUA TEC KK; Fujikura Ltd
Priority date: 1993-08-09
Filing date: 1993-08-09
Publication date: 1995-03-03

Abstract

(57)【要約】【目的】架空配電線用機材の洗浄作業の安全を図り，
かつ機材全面を洗い残しなくきれいに洗浄する。【構成】車両６に直伸ブーム７および操作室８を設置
する。直伸ブーム７に多関節マニピュレータ９を設け，
多関節マニピュレータ９にビデオカメラ装置１０および
ノズル１１を設ける。車両６に設置した水タンク１３お
よびポンプ１５からノズル１１に到る水路系の全体を，
車両６上および操作室８に対して電気的に絶縁する。作
業者は操作室８内で，直伸ブーム７の操作杆を操作し，
ビデオカメラ装置１０が撮影した碍子（洗浄対象機材）
２近傍の映像をモニターディスプレィ１２で見ながら多
関節マニピュレータ９の操作杆を操作し，ノズル１１を
碍子２に接近させる。ポンプ１５を作動させて水タンク
１３内の水をノズル１１から噴射し，碍子２を洗浄す
る。ノズル１１を碍子２に対して多方向から向けること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は，架空配電線路におけ
る碍子，開閉機，トランス等の各種機材を洗浄するため
の洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来，海岸地区に架設された架空配電線
路における碍子その他の各種機材には海から吹き寄せる
風で運ばれる海水が付着してその絶縁性能を劣化させる
いわゆる塩害が発生する。また，海岸地区に限らず，都
市部や工場地区などで塵埃等の汚れが付着して上記各種
機材の絶縁性能が劣化する場合もある。このため，汚損
されたそれらの機材を洗浄することが行われている。従
来の洗浄方法は，高所作業車のバケット上から作業者が
高圧ホースを手に持って放水して碍子その他の各種機材
を洗浄する方法，あるいは放水車や消防車のブームある
いははしごの先端にノズルのみを取り付け，このノズル
から放水して各種機材を洗浄する方法等が実施されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の高所作業車
のバケット上から放水する洗浄方法は，活線に作業者が
近づくため，感電事故等の危険が伴う。また作業者が活
線に近づくものの至近距離にまでは近づけないため，洗
浄すべき各種機材の細部にわたり洗い残しなく確実に洗
浄することができないものであった。一方，放水車や消
防車を利用する洗浄方法では，車両と洗浄対象とを結ぶ
方向しか洗浄できないので，その反対側部分（裏側部
分）を十分に洗浄することが困難であるとともに，絶縁
装置が設けられていないため，通電事故等の危険も伴
う。また，上記のように人手に頼る作業は，特に寒冷地
の冬季等の苛酷な作業環境下では効率の低下が著しいも
のとなり，改善が望まれている。

【０００４】本発明は，上記従来の欠点を解消するため
になされたもので，作業者が活線に近づくことなく，高
所作業も必要とせず，また洗浄対象の機材の全面を洗い
残しなくきれいに洗浄することのできる配電線用機材の
洗浄装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の架空配電線用機材の洗浄装置は，車両と，この車両
に設置された直伸ブームおよびその操作室と，前記直伸
ブームの先端に設けられた多関節マニピュレータと，前
記多関節マニピュレータに具備されたビデオカメラ装置
と，同じく多関節マニピュレータに具備されたノズル
と，前記操作室内に設置され前記ビデオカメラ装置で撮
影した映像を表示するモニターディスプレィと，車両に
設置された水タンクと，同じく車両に設置され前記水タ
ンク内の水をホースを介して圧送して前記ノズルから噴
射させるポンプとからなることを特徴とする。

【０００６】請求項２の架空配電線用機材の洗浄装置
は，前記水タンクおよびポンプからノズルに到る水路系
の全体を，車両に対して絶縁し，かつ操作室に対して絶
縁したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】上記構成において，車両を架空配電線路におけ
る洗浄対象の機材の付近に停止させ，操作室内で直伸ブ
ームを操作してビデオカメラ装置およびノズルを洗浄対
象の機材に余裕のある距離を保って近づける。次いで，
ビデオカメラ装置が撮影した洗浄すべき機材付近の映像
をモニタディスプレイで見ながら多関節マニピュレータ
を操作して，ノズルを洗浄対象の機材に至近距離まで接
近させ，次いでポンプを作動させてノズルから水を噴射
し，洗浄対象の機材を洗浄する。

【０００８】ノズルは多関節マニピュレータに具備され
ているので，一方向からだけでなく多方向から放水可能
であり，また，ビデオカメラ装置により洗浄対象の機材
付近を詳細に観察できることと相まって，被洗浄機材の
全面を洗い残しなくきれいに洗浄することができる。

【０００９】

【実施例】以下，本発明の架空配電線用機材の洗浄装置
の一実施例を図１〜図２を参照して説明する。図１にお
いて符号１は電柱，符号２は被洗浄機材である碍子，符
号３は碍子２で支持された架空配電線を示す。本発明の
架空配電線用機材の洗浄装置５は，車両６と，この車両
６に設置された直伸ブーム７およびその操作室８と，前
記直伸ブーム７の先端に設けられた多関節マニピュレー
タ９と，前記多関節マニピュレータ９に具備されたビデ
オカメラ装置１０と，同じく多関節マニピュレータ９に
具備されたノズル１１と，前記操作室８内に設置され前
記ビデオカメラ装置１０で撮影した映像を表示するモニ
ターディスプレィ１２と，車両６に設置された水タンク
１３と，同じく車両６に設置され前記水タンク１３内の
水をホース１４を介して圧送して前記ノズル１１から噴
射させるポンプ１５とを備えている。

【００１０】図示例の直伸ブーム７は油圧シリンダによ
りテレスコーピックに伸縮する３段式である。図示例の
多関節マニピュレータ９は，角度自在の２つの関節９
ａ，９ｂと中心軸回りに３６０°回転可能な１つの関節
９ｃを持つ。符号９ｄは多関節マニピュレータ９の油圧
制御機器部分を示す。また，前記ノズル１１は，図２に
示すように回転可能な回転板２０に複数個取り付けられ
ており，適切なものを選択できるようになっている。前
記操作室８内には，図示は省略するが，直伸ブーム７の
操作杆とともに多関節マニピュレータ９の操作杆が設け
られている。前記ホース１４は，ポンプ１５から直伸ブ
ーム７の内部および多関節マニピュレータ９の内部を通
って前記ノズル１１に接続されている。

【００１１】前記水タンク１３からノズル１１に到る水
路系はすべて車両６と電気的に絶縁され，かつすべて操
作室８と電気的に絶縁されている。すなわち，水タンク
１３およびポンプ１５は電気絶縁シートや碍子等の電気
絶縁物１６，１７を介して車両６上に設置され，それら
の据え付けボルトも電気絶縁性ワッシャや電気絶縁性ス
リーブ等を用いることで，水タンク１３やポンプ１５と
車両６との間の電気的絶縁を図り，そして，車両用アー
スと水路用アースとを完全に分離してアース棒１９に配
線している。また，操作室８は，このような操作室を持
つ一般的な高所作業車と同様であるが，電気絶縁構造の
回転台１８上に設置して車両６との間の電気的絶縁を図
っている。また，ノズル１１は多関節マニピュレータ９
に対して電気絶縁材を介して取り付けている。なお，ホ
ース１４は樹脂製の電気絶縁材料を用いているので，特
別の対策を施さなくてもよい。

【００１２】上記の洗浄装置５において，例えば図示の
電柱１上の碍子２の洗浄を行う場合，車両６を電柱１の
近傍に停止させる。操作室８内のブーム操作杆を操作し
て直伸ブーム７を作動させ，多関節マニピュレータ９の
先端のビデオカメラ装置１０およびノズル１１を，配電
線３や電柱１上の各種機材（図示省略）に接触するおそ
れがない程度に余裕のある距離を保って碍子２に近づけ
る。次いで，ビデオカメラ装置１０が撮影した碍子２の
付近の映像をモニタディスプレイ１２で見ながら多関節
マニピュレータ９の操作杆を操作し，ノズル１１を洗浄
対象の碍子２に至近距離まで接近させ，次いでポンプ１
５を作動させ，高圧水をホース１４を経てノズル１１か
ら噴射して碍子２を洗浄する。

【００１３】この場合，ビデオカメラ装置１０およびノ
ズル１１が多関節マニピュレータ９に取り付けられてい
るので，ノズル１１を碍子２に対して多方向から向ける
ことができ，かつ適確に碍子２の所望の箇所に向けるこ
とができ，これにより，碍子２の全面を洗い残しなくき
れいに洗浄することができる。また，ビデオカメラ装置
１０およびモニターディスプレィ１２を備えているの
で，洗浄作業と併行してモニターディスプレィ１２で各
種機材の点検を行うこともできる。

【００１４】図示は省略したが，ビデオカメラ装置１０
の部分に例えば放射温度計等を取り付けて，その測定状
況をモニターディスプレィ１２に写し出すようにすれ
ば，各種機器類の過熱の有無の点検を行うこともでき
る。また，操作室８内にビデオデッキやプリンタを設
け，モニターディスプレィ１２で写し出された映像をビ
デオデッキに記録し，あるいはプリンタで用紙に出力す
ることも可能である。

【００１５】なお，直伸ブーム７の段数は図示例の３段
式の構造に限定されず，任意である。また，多関節マニ
ピュレータ９も図示例のごとき関節を持つ構造のものに
限定されない。また，操作室８が車両６の運転席と共通
のものでもよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば，碍子その他の各種架空
配電線用機材の洗浄を地上での遠隔操作により行うこと
ができるので，作業者が活線に近づくために生じる感電
事故のおそれを排除することができ，高所作業を必要と
しないので，作業の安全性が著しく向上する。また，作
業者は操作室内で各種の操作を行うだけでよいので，冬
季の寒冷地等における苛酷な作業環境下でも容易に作業
を実施することができる。さらに，ノズルは多関節マニ
ピュレータに具備されているので，ノズルを洗浄対象の
機材に対して多方向から向けることができ，ビデオカメ
ラ装置で洗浄対象の付近を詳細に観察できることと相ま
って，被洗浄機材の全面を洗い残しなく確実に洗浄する
ことが可能となる。また，ビデオカメラ装置およびモニ
ターディスプレィを装備しているので，洗浄作業と併行
して各種機材の点検を行うこともできる。

【００１７】請求項２によれば，水タンクおよびポンプ
からノズルに到る水路系の全体を車両あるいは操作室に
対して電気的に絶縁しているので，洗浄作業の際に操作
室内の作業者や運転席内の作業者が感電するおそれを確
実に排除することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る架空配電線用機材の洗浄装置の一
実施例を示す側面図である。

【図２】図１におけるノズル部分の拡大正面図である。

【符号の説明】

１電柱２碍子３架空配電線５洗浄装置６車両７直伸ブーム８操作室９多関節マニピュレータ１０ビデオカメラ装置１１ノズル１２モニターディスプレィ１３水タンク１４ホース１５ポンプ１６，１７電気絶縁物１８電気絶縁構造の回転台

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者菅生順之東京都江東区木場１丁目５番１号株式会社フジクラ内 (72)発明者村中健宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡４丁目１番１号株式会社ユアテック内 (72)発明者柴田篤秀宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡４丁目１番１号株式会社ユアテック内 (72)発明者宮崎広司宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡４丁目１番１号株式会社ユアテック内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車両（６）と，この車両（６）に設置さ
れた直伸ブーム（７）およびその操作室（８）と，前記
直伸ブーム（７）の先端に設けられた多関節マニピュレ
ータ（９）と，前記多関節マニピュレータ（９）に具備
されたビデオカメラ装置（１０）と，同じく多関節マニ
ピュレータ（９）に具備されたノズル（１１）と，前記
操作室（８）内に設置され前記ビデオカメラ装置（１
０）で撮影した映像を表示するモニターディスプレィ
（１２）と，車両（６）に設置された水タンク（１３）
と，同じく車両（６）に設置され前記水タンク（１３）
内の水をホースを介して圧送して前記ノズル（１１）か
ら噴射させるポンプ（１５）とからなることを特徴とす
る架空配電線用機材の洗浄装置。
【請求項２】前記水タンク（１３）およびポンプ（１
５）からノズル（１１）に到る水路系の全体を，車両
（６）に対して電気的に絶縁し，かつ操作室（８）に対
して電気的に絶縁したことを特徴とする請求項１記載の
架空配電線用機材の洗浄装置。