JPH075687Y2 - 静磁波遅延素子 - Google Patents

静磁波遅延素子

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JPH075687Y2
JPH075687Y2 JP16012988U JP16012988U JPH075687Y2 JP H075687 Y2 JPH075687 Y2 JP H075687Y2 JP 16012988 U JP16012988 U JP 16012988U JP 16012988 U JP16012988 U JP 16012988U JP H075687 Y2 JPH075687 Y2 JP H075687Y2
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JP
Japan
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thin film
delay element
substrate
yig
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JP16012988U
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JPH0282128U (ja
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誠一 内藤
弦 上原
久雄 片倉
ちづる 藤原
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Yokogawa Electric Corp
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Yokogawa Electric Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本考案は例えばVCO(voltage-controlled oscillator:
電圧制御型発振器)等に使用される静磁波遅延線型発振
器(Magnetostatic Wave Delay Line Oscillator)の遅
延素子に関し,飽和入力レベルが高く,かつ,大きな遅
延時間を得ることの出来る静磁波遅延素子に関する。
<従来の技術> まず,静磁波遅延素子について簡単に説明する。一様磁
界中に金属導体からなる2本のトランスジューサと磁性
体とを近接して配置し,この2本のトランスジューサの
一方に高周波電流を流すとその近くの磁性体中のスピン
が揺ぎ,その揺ぎが静磁波となって伝搬し,他方のトラ
ンスジューサにはスピンの揺ぎに起因する高周波の誘導
電流が流れる。スピンの揺ぎの伝搬速度は磁界の強さに
応じて変化するので遅延時間の変更可能な素子となる。
第3図は従来の静磁波遅延素子の一例を示す斜視図であ
る。図において1は例えばGGG(ガドリニウム−ガリウ
ム−ガーネット)からなる第1の基板であり,2はこの基
板の表面(図では裏面)に形成されたYIG(イットリウ
ム−鉄−ガーネット)薄膜である。3は例えばアルミナ
からなる第2の基板であり,4a,4bはこの基板の一方の面
に所定の距離を隔てて形成された導電体(薄膜)からな
る入出力トランスジューサである。これら2つの基板は
YIG薄膜2とトランスジューサ4a,4bが形成された側を接
して固定される。5は第2の基板の他方の面に形成され
た接地膜である。図中Hで示す矢印は印加磁界の方向
を示し,波形矢印は静磁波の進行方向を示している。な
お,基板の位置を動かし,静磁波遅延素子に印加する磁
界の方向をXまたはYとすることにより静磁表面波(MS
SW…Y方向)または体積後進波(MSBVW…X方向)を得
ることも出来る。
上記構成の静磁波遅延素子にZ(H)方向から直流磁
界を印加し,入力トランスジューサにマイクロ波を印加
すると体積前進波が出力トランスジューサ側に向って進
行する。
<考案が解決しようとする課題> しかしながら上記構成の静磁波遅延素子においては,YIG
の膜厚を厚くすると遅延線の飽和入力レベルは向上する
が遅延時間は減少し,膜を薄くすると遅延時間は増加す
るが遅延線の飽和入力レベルは低下するという問題があ
った。
本考案は上記従来技術の課題に鑑みて成されたもので,
遅延線の飽和入力レベルを低下させることなく遅延時間
の増大をはかった静磁波遅延素子を提供することを目的
とする。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するための本考案の構成は,一方の面に
YIG薄膜が形成された第1の基板と,一方の面に入出力
トランスジューサが形成された第2の基板からなり,前
記入出力トランスジューサと前記YIG薄膜を接して前記
第1,第2の基板が固定された静磁波遅延素子において,
前記第1の基板に形成されたYIG薄膜の膜厚を入力トラ
ンスジューサ側から出力トランスジューサ側に向かうに
従って薄く形成したことを特徴とするものである。
<実施例> 始めに本出願人が作製した遅延素子にZ方向に磁界を印
加し,体積前進波(MSFVW)を発生させた場合のYIGの膜
厚と入力パワーと出力パワーの関係および入力周波数と
群遅延時間の関係について測定した結果について説明す
る。なお,この実験では第1の基板(GGG)は6×12mm
とし,YIGの膜厚を17.2μmと44μmの2種類を使用し,
第2の基板は10×20mmとし,トランスジューサ間の距離
は8mmとした。また,印加磁界の強さは2100 Oe(固定)
とした。
第4図はYIGの膜厚を44μmとした場合の入力パワーと
出力パワーの関係を示すもので,図によれば入力パワー
が+20mdB程度あっても出力は入力に比例して増加して
おり,入力に対する飽和はない。
第5図は同じくYIGの膜厚を44μmとした場合の周波数
と群遅延の関係を示すものであるが遅延は2000MHz付近
で70ns程度となっている。
第6図はYIGの膜厚を17.2μmとした場合の入力パワー
と出力パワーの関係を示すもので,図によれば入力パワ
ーが+10dBmあたりから比例関係が崩れ,20dBmでは飽和
していることが分る。また,第7図は同じくYIGの膜厚
を17.2μmとした場合の周波数と群遅延の関係を示すも
のであるが遅延は2000MHz付近で170ns程度に遅延時間が
長くなっていることがわかる。
以上の結果から入力パワーの飽和に関してはYIG薄膜は
厚い方が有利であり、遅延時間に関しては不利であるこ
とが分る。
なお,YIG薄膜中をMSWが伝播していく過程では伝播ロス
が発生し,信号レベルが減少する。
第1図は本考案の一実施例を示す斜視図である。
図において第3図と同一要素には同一符号を付してあ
り,第3図とはYIG薄膜を入力トランスジューサ側から
出力トランスジューサ側に向かって薄く形成した点のみ
が異なっている。このYIG薄膜は例えば第1の基板を6
×12mmとした場合,入力トランスジューサ側の厚さを50
μm,出力側のトランスジューサ側を10μm程度の厚さに
形成する。
上記の構成によれば入力トランスジューサ側のYIG薄膜
の厚さを厚く形成しているので,第4図の実験結果から
明らかなように入力側では大きなレベルの信号を入力す
ることができる。そして入力した信号は伝播の過程で少
し進むと信号レベルが下がるので,その下がった分に応
じて飽和しない程度に膜厚を薄くする。更にまた少し進
むと少しロスが生じるのでまた少し膜厚を薄くする。こ
れを繰り返すと出力トランスジューサ側に向かうに従っ
てYIG薄膜の厚さが薄くなり,第7図の実験結果から明
らかなように遅延時間は長くなる。その結果,入力信号
のレベルは大きく,しかも遅延時間の大きいディレイラ
インを形成することができる。
この様な勾配を有する薄膜の形成方法としては,始めYI
G薄膜を液層エピタキシャル成長法,蒸着,スパッタ等
により60μm形成し,その表面の長手方向の一端から0.
6mm程度を残してマスクを形成し,4μm程度エッチング
する。次にマスクをエッチングした側の端部から0.6mm
程度取除いて,先にエッチングした部分も含めて4μm
エッチングする。このようにマスクを順次取除くことに
より勾配を有するYIG薄膜を形成することが出来る。な
お,YIGのエッチング液としては熱濃燐酸を用いることが
出来る。
第2図は他の実施例を示すもので,この例ではYIG薄膜
の厚さの異なる遅延素子を厚みの厚い方を入力側として
2個直列に結合したものである。このような構成にして
入力トランスジューサ側に大きなレベルの信号を入力
し,伝播の過程のロスにより信号レベルが少し下がった
出力を次の遅延素子に入力することにより,勾配を持た
せたものと同様に入力信号レベルは大きく,しかも遅延
時間は大きなディレイラインを形成することができる。
なお,一つの素子で勾配を長く形成することが困難な場
合にはYIG薄膜を順次薄くした遅延素子を2個以上結合
してもよい。
<考案の効果> 以上述べたように本考案によれば,第1の基板に形成さ
れたYIG薄膜の膜厚を入力トランスジューサ側から出力
トランスジューサ側に向かうに従って薄く形成したの
で,遅延線の飽和入力レベルを低下させることなく遅延
時間の増大をはかった静磁波遅延素子を実現することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る静磁波遅延素子の一実施例を示す
斜視図,第2図は他の実施例を示す斜視図,第3図は従
来の静磁波遅延素子を示す斜視図,第4図,第5図は入
力パワーと出力パワーの関係を示す図,第6図,第7図
は周波数と群遅延の関係を示す図である。 1……第1の基板,2……YIG薄膜,3……第2の基板,4a…
…入力トランスジューサ,4b……出力トランスジューサ,
5……接地膜。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面にYIG薄膜が形成された第1の基
    板と,一方の面に入出力トランスジューサが形成された
    第2の基板からなり,前記入出力トランスジューサと前
    記YIG薄膜を接して前記第1,第2の基板が固定された静
    磁波遅延素子において,前記第1の基板に形成されたYI
    G薄膜の膜厚を入力トランスジューサ側から出力トラン
    スジューサ側に向かうに従って薄く形成したことを特徴
    とする静磁波遅延素子。
JP16012988U 1988-12-09 1988-12-09 静磁波遅延素子 Expired - Lifetime JPH075687Y2 (ja)

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JP16012988U JPH075687Y2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 静磁波遅延素子

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Publication Number Publication Date
JPH0282128U JPH0282128U (ja) 1990-06-25
JPH075687Y2 true JPH075687Y2 (ja) 1995-02-08

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