JPH0756227Y2 - 筆記具等のキャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、インクの蒸発を防止するために筆記先端部に
嵌着されるサインペン、マーカー、水性ボールペン等の
改良に関する。

（従来の技術） 従来のサインペン、マーカー等に使用されるキャップは
インクの蒸発を抑止する特性に優れた樹脂成形品等によ
り形成され、キャップの内孔又は内孔に設けたインナー
キャップ部に筆記先端部を密嵌して取付けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のサインペン、マーカー等に使用されているキャッ
プは挿入側を除いて内孔部は閉塞状態にあるため、寸法
及び形状によっては極めて稀なことではあるが、幼児が
誤ってキャップを飲み込み、気管支に詰まらせて窒息し
てしまう等の事故が起こりうる。本考案の目的は、掛か
る状況下において、仮に幼児が誤ってキャップを飲み込
んでしまい、気管支に詰まらせても空気の疎通を可能と
し、窒息等の危機を回避せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本考案の筆記具等
のキャップはその内孔にインナーキャップを軸推移可能
に嵌装し、キャップとの間でキャップの内方に向かって
スプリングを附勢して、キャップに筆記体を嵌着して、
筆記先端部と空気口がインナーキャップの内孔に密嵌さ
れた時、少なくともインナーキャップの後端がキャップ
の後端孔より突出して設けると共に、インナーキャップ
と後端孔との間に隙間を設けて通気孔を形成して、キャ
ップの内孔と連通する空気流通路を構成するものであ
る。

（実施例） 第１図乃至第５図に示すように、筆記体（１）の先方部
に被嵌されたキャップ（４）の内孔（17）には嵌着溝
（10）、溝（13）、後端孔（15）が形成され、上記内孔
（17）には後端を閉塞して外周に適宜リブ（11）を形成
したインナーキャップ（７）を内孔（17）の後端とリブ
（11）との間にスプリング（８）を付勢させてキャップ
（４）に軸推移可能に嵌装して、更に外周に適宜リブ
（12）と溝（14）を形成したリング（６）を前記インナ
ーキャップ（７）のリブ（11）に当接させて内孔（17）
に挿入して、内孔（17）の溝（13）にリング（６）のリ
ブ（12）を嵌着して、インナーキャップ（７）がキャッ
プ（４）の内方に向かって押圧されるのを抜け止めす
る、又、筆記体（１）は凸起（９）、口元（２）と筆記
先端部（３）を軸の先方に備えてキャップ（４）の内孔
（17）に挿入され、上記凸起（９）が嵌着溝（10）に着
脱可能に嵌着して、上記インナーキャップ（７）の内孔
（16）には筆記体（１）の口元（２）が密嵌して口元
（２）又はその先端に形成された空気口（18）と筆記先
端部（３）がシールされている。その時、インナーキャ
ップ（７）の後端がキャップ（４）の後端孔（15）より
適宜突出する、インナーキャップ（７）の外周と後端孔
（15）との間には適宜に隙間が形成されて通気孔（５）
となり、内孔（17）と前記溝（14）と連通して空気流通
路が構成されている。

（作用） 本考案の構成は以上の通りであり、第１図に示すように
筆記体（１）の先方部にキャップ（４）を嵌着した状態
では、インナーキャップ（７）により筆記先端部（３）
と口元（２）が密嵌されてイインクの蒸発は防止され
る。

キャップ（４）がはずされた状態では、挿入側よりキャ
ップ（４）の内孔（17）とリング（６）の溝（14）を通
じてインナーキャップ（７）と内孔（17）の隙間を通じ
て通気孔（５）と連通して空気流通する。

又、インナーキャップ（７）がキャップ（４）の後端よ
り突出しているので、キャップ（４）に対してインナー
キャップ（７）の後端を衝撃的に押圧して筆記体（１）
をキャップ（４）より離脱させることができる。

（考案の効果） 本考案の構成及び作用は以上の通りであり、仮に幼児が
誤ってキャップを飲み込んでしまい、気管支に詰まらせ
てもキャップの挿入側より内孔（17）と、後端側より通
気孔（５）とがリング（６）の溝（14）で形成された空
気流通路により連通されているので、空気は挿入側と後
端側で流通して窒息等の危機を回避することができる。
又、以上のように構成することにより、外観上もまった
く遜色がない。又更に、この種の筆記具でキャップが固
着してしまって抜けないで困ることがあるが、本考案の
場合はキャップに対してインナーキャップの後端を衝撃
的に押圧すれば容易にキャップを離脱できるなどの効果
もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるサインペン、マーカ
ー、水性ボールペン等の筆記具の透視断面図を示してい
る。第２図は本考案のキャップの構造を示す部品展開
図、第３図はキャップの縦断面図、第４図は第３図の上
面図、第５図は第３図のＡ−Ａ矢視図、第６図は従来例
であるサインペン、マーカー、水性ボールペン等の筆記
具の透視断面図を示しており、第７図は従来例のキャッ
プの斜視図、第８図はその断面図、第９図は第８図に於
けるＢ−Ｂ矢視図を示している。 （１）……筆記体、（２）……口元、（３）……筆記先
端部、（４）……キャップ、（５）……通気孔、（６）
……リング、（７）……インナーキャップ、（８）……
スプリング、（９）……凸起、（10）……嵌着溝、（1
1）、（12）……リブ、（13）……溝、（14）……溝、
（15）……後端孔、（16）、（17）……内孔、（18）…
…空気口、（20）……筆記体、（21）……口元、（22）
……筆記先端部、（23）……嵌着溝、（24）……キャッ
プ、（25）……インナーキャップ部、（26）……内孔、
（27）……凸起、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インクの蒸発を防止するために筆記先端部
   に嵌着されるサインペン、マーカー、水性ボールペン等
   のキャップに於いて、キャップ（４）の内孔（17）に後
   端を閉塞したインナーキャップ（７）を軸推移可能に嵌
   装して、上記キャップ（４）との間で内方に向かってス
   プリング（８）を附勢して、キャップ（４）に筆記体
   （１）を嵌着した時、筆記先端部（３）と空気口（18）
   がインナーキャップ（７）の内孔（16）に密嵌されて、
   少なくともインナーキャップ（７）の後端が上記キャッ
   プ（４）の後端孔（15）より適宜突出して設けると共
   に、インナーキャップ（７）と後端孔（15）との間に適
   宜隙間を設けて通気孔（５）を形成して、キャップ
   （４）の内孔（17）と連通して空気流通路を構成したこ
   とを特徴とする筆記具のキャップ。