JPH0756113B2 - ゴム補強用ポリエステル繊維材料の処理方法 - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維材料の処理方法

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JPH0756113B2
JPH0756113B2 JP62282114A JP28211487A JPH0756113B2 JP H0756113 B2 JPH0756113 B2 JP H0756113B2 JP 62282114 A JP62282114 A JP 62282114A JP 28211487 A JP28211487 A JP 28211487A JP H0756113 B2 JPH0756113 B2 JP H0756113B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴム補強用ポリエステル繊維材料の接着剤処理
方法、特にゴム中へ埋め込まれた状態で長時間高温に曝
されたときの接着力が著しく改善され、かつ、接着剤処
理後の製品の柔軟性に優れ、ゴム中へ埋め込まれ繰り返
し屈曲を受けたときの繊維の劣化が抑制されたポリエス
テル繊維材料を与える処理方法に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステ
ル繊維は優れた物理的、化学的特徴を有し、タイヤ、コ
ンベアベルト等のゴム製品の補強剤として有用である
が、通常のレゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラ
テックスとの混合物(以下、RFLという)のみではゴム
との十分な接着が困難である。そのため、エポキシ化合
物、イソシアネート化合物、ハロゲン化フェノール化合
物などを用いる接着剤処方が開発され、自動車用タイ
ヤ、ホース、ベルト等のゴム製品の補強材として広く利
用されるに至った。しかしながら、かかる従来から知ら
れている接着処理を施されたポリエステル繊維は、その
新たな用途開発を考えたとき次のような問題点を有す
る。すなわち、ゴム製品中で長時間高温に曝されたとき
にゴムとポリエステル繊維との接着力(以下、耐熱接着
性という)が大幅に低下するという点である。このよう
な耐熱接着力の不良は、特に走行時の発熱の大きい大型
車両用タイヤ等へのポリエステル繊維の適用を不可能な
らしめるものであった。かかる耐熱接着性不良の原因は
ポリエステル繊維で補強されたゴム製品を高温に曝した
とき、ゴムコンパウンドより発生するアンモニアやアミ
ン、水分等の作用でポリエステル繊維そのものの劣化や
接着結合の劣化が起こることにあるといわれており、そ
の改善のため従来より種々の提案がなされてきた。
たとえば、ポリエステル繊維をヤーンの状態でエポキシ
処理し、その後の工程でブロックドイソシアネートまた
は二量化イシアネートで処理し、更にRFLで処理する2
段処理方法(特開昭50−34378号公報)では1段目処理
剤と2段目RFLとの親和性が低く2段目RFLの十分な付与
が困難であり耐熱接着力および通常使用条件における接
着力(以下、初期接着力という)ともに満足の得られる
ものではなく、かつ、1段目に付与された処理剤が硬い
樹脂層を形成するため得られた該接着剤処理ポリエステ
ル繊維材料が硬く、ゴム中に埋め込まれた状態で繰り返
し屈曲を受けたときのポリエステル繊維材料の劣化が大
きく(耐疲労性が低い)実用上不十分なものであること
を知った。また、ポリエステル繊維を紡糸または延伸工
程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含
む処理液で処理し、150℃〜260℃で熱処理した糸条また
は撚糸したコードまたはコードを製織した織物を、特定
のブロッドポリイソシアネート化合物および/またはエ
チレンウレア化合物とRFLとを特定量含む(RFLの無い場
合を含む)第1処理液で処理し、更にRFLで処理する方
法(特公昭60−55633号公報)が提案されている。この
方法によれば耐熱接着力は比較的に高いものが得られる
が、エポキシ化合物を含む処理液の付与を実質的に未延
伸状態のヤーンに行ない、かつ、エポキシ化合物付与後
に熱処理を行なうことが必須となるため、得られたゴム
補強用ポリエステル繊維材料が硬く、ゴム中に埋め込ま
れた状態で繰り返し屈曲を受けたときのポリエステル繊
維材料の劣化が大きく(耐疲労性が低い)実用上問題が
あることを知った。また、本願出願人は特開昭50−9107
3号公報においてゴムとの接着性を改善するための手段
としてポリエステル繊維に特定の平滑剤、乳化剤、トリ
アジン化合物を含有してなる繊維処理剤を付与する方法
を提案しているが、この方法で得られるゴム補強用ポリ
エステル繊維はゴムとの初期の接着力は高いものの耐熱
接着力は不十分なものであった。さらに、本願発明者等
はゴム類との高い耐熱接着力を備えたゴム補強用ポリエ
ステル繊維材料の製造法として特開昭57−187238号公報
において、第1段処理液として1分子中に少なくとも3
個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合
物をブロックしたブロックイソシアネートの水分散液ま
たは該水分散液を主成分とする水成液を用い、第2段処
理液として下記一般式〔II〕で示される化合物とレゾル
シン−ホルムアルデヒド初期縮合物とを縮合させた反応
混合物、およびゴムラテックスとの混合液を用いてポリ
エステル繊維を2段処理する方法を提案しているが、更
に一層高性能なゴム補強用ポリエステル繊維材料を得る
ために鋭意検討の結果、本発明に到達したものである。
(ただし〔II〕式中、Xは塩素原子または臭素原子であ
り、YおよびZは水素原子、水酸基、塩素原子、臭素原
子、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選
ばれた置換基を表わし、nは1〜3の整数である。) 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的はゴム類と初期接着力および耐熱接着力に
優れ、かつ、強力、柔軟性、耐疲労性に優れたゴム補強
用ポリエステル繊維材料を与える該ポリエステル繊維材
料の処理方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は溶融紡糸後の未延伸糸に紡糸油剤を
含む処理液を付与した後延伸、熱セットし、得られた延
伸糸にポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液を付与
してポリエステル繊維糸条を作成し、この繊維糸条、該
繊維糸条の撚糸コードまたは該コードからなる織物を30
℃以上、80℃以下の温度範囲で8時間以上熟成処理し、
次いで(A)ブロックドポリイソシアネート化合物およ
び/または(B)エチレンウレア化合物と(C)レゾル
シン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの混合
物(以下、RFLという)を固形分重量比で上記(A)お
よび/または(B):(C)が8:2〜1:9の範囲内であ
り、かつ、上記(A)および/または(B)と(C)と
をそれらの固形分合計量で3〜30重量%の範囲量含有す
る第1接着剤液を付与し、熱処理し、更に前記RFLを含
有する第2接着剤液を付与し、熱処理することを特徴と
するゴム補強用ポリエステル繊維材料の処理方法であ
る。
以下に本発明を更に詳しく説明する。
本発明におけるポリエステル繊維とは、ポリエチレンテ
レフタレートまたは、主としてエチレンテレフタレート
単位からなる高分子量の線状ポリエステルを溶融紡糸・
延伸後、さらに必要に応じて撚糸、製織したものであ
り、フィラメント、コード、織物、織布等、種々の形態
を含むのもである。
本発明は実質的に5つの処理工程から構成される。
第一の処理工程は溶融紡糸された未延伸糸に紡糸油剤を
含む処理液を付与し、延伸熱セットする工程である。紡
糸油剤は平滑剤を主成分とする公知のポリエステル用紡
糸油剤を使用することができる。
紡糸油剤を含む処理液中に、下記(D)〜(F)に示さ
れる化合物、 (D)シアヌール酸、イソシアヌール酸、2,4,6−エチ
ロイル−S−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイルヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアクリルシアヌレート、トリヒドロキシエチ
ルイソシアヌレートの中から選ばれた少なくとも一種類
のトリアジン化合物、 (E)モノアミノジカルボン酸化合物、 (F)下記一般式〔I〕で示される化合物 R−(OH)……〔I〕 (式中、Rは炭素数2〜10の直鎖アルキル基、または脂
環式アルキル基、または数平均分子量300以上のポリオ
キシアルキル基を表し、nは2〜3の整数を表す。) の中から選ばれた少なくとも1種類以上の化合物を含有
せしめることにより、本発明の重要な目的の一つである
ゴム補強用ポリエステル繊維材料の耐疲労性を更に一段
と向上させることができる。
前記(E)のモノアミノジカルボン酸化合物としては、
たとえばL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等が挙
げられる。また前記(F)の一般式〔I〕で示される化
合物としては、たとえばエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ペンタンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,
10−デカンジオール、ビナコール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール等のグリコール類、数平均分子量300以上の
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングルコール等
のポリオキシアルキレングリコール類、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等の三価アルコール類等が挙げら
れる。
前記の(D)〜(F)の化合物の中から選ばれた少なく
とも1種類以上の化合物は、紡糸油剤を含む処理液中に
溶解または乳化分散させて使用すればよく、化合物の合
計の添加量は紡糸油剤を含む処理液に対し0.2〜17重量
%の範囲内にするのが好ましい。添加量が前記範囲より
少ないと得られるポリエステル繊維が硬目となり、前記
範囲より多いとゴム類との接着力が低下傾向になり、更
には後の工程でローラ類に汚れが付着し操業性を低下さ
せる原因となる傾向を示し、好ましくない。
また紡糸油剤を含む処理液にはエポキシ硬化剤、ポリエ
ステルに対するキャリヤー成分等を含有させることも出
来る。
紡糸油剤を含む処理液の付与はガイド給油、オイリング
ローラ、スプレー、浸漬等の方法で溶融紡糸後の未延伸
糸に付与することが出来る。
紡糸油剤を含む処理液中の有効成分の未延伸糸に対する
付与量は0.2〜1重量%になるように付与すればよい。
このようにして紡糸油剤を含む処理液を付与された未延
伸原糸は次いで延伸熱処理される。熱処理は150℃〜250
℃で、延伸工程における延伸用の熱ピン、熱ローラ、熱
板、スチームで行なうことが出来る。
以上のごとく紡糸油剤を含む処理液を付与し延伸熱処理
された原糸は本発明の第二の工程のポリエポキシド化合
物を含む予備接着剤液を付与される。
本発明のポリエポシキド化合物を含む予備接着剤液のポ
リエポキシド化合物とは、一分子中に2個以上のエポキ
シ基を含有する化合物であり、具体的にはグリセロー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類
とエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド
類との反応生成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価
フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応
生成物、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘ
キセンエポキシド等の不飽和結合部分を酸化して得られ
るポリエポキシド化合物等をいう。特に好ましくは多価
アルコール類とエピクロルヒドリンの反応生成物(多価
アルコールのポリグリシジルエーテル化合物)を使用す
るのがよい。これらのポリエポキシド化合物は水に溶解
するか乳化分散させてガイド給油液、オイリングロー
ラ、スプレー、浸漬等の通常の方法でポリエステル繊維
材料に付与することができる。
ポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液中には、前述
した(D)のトリアジン化合物、(E)のモノアミノジ
カルボン酸化合物、(F)の一般式〔I〕で示される化
合物の中から選ばれた少なくとも一種類の化合物を含有
せしめることにより、本発明の重要な目的の一つである
ゴム補強用ポリエステル繊維材料の耐疲労性を更に一段
と向上させることができる。
前記の(D)、(E)、および(F)の化合物の中から
選ばれた少なくとも一種類の化合物は、ポリエポキシド
化合物を含む予備接着剤液中に溶解または乳化分散させ
て使用すればよく、化合物の合計添加量はポリエポキシ
ド化合物を含む予備接着剤液に対し、0.2〜17重量%の
範囲にするのが好ましい。添加量が前記範囲より少ない
と耐疲労性を更に一段と向上させる効果が小さく、前記
範囲より多いとゴム類との接着力が低下傾向になり、更
には後の工程でローラ類に汚れが付着し操業性を低下さ
せる原因となる傾向になるため好ましくない。ポリエポ
キシド化合物を含む予備接着剤液中には公知のエポキシ
硬化剤を含有させてもよい。ポリエポキシド化合物の予
備接着剤液中の濃度は5〜65重量%が好ましい。ポリエ
ポキシド化合物を含む予備接着剤液中の有効成分の該延
伸熱処理原糸に対する付与量は0.05〜2.0重量%が好ま
しい。
このように紡糸油剤を含む処理液を付与され延伸熱処理
され、次いでポリエポキシド化合物を含む予備接着剤を
付与された該原糸は、本発明の第三の工程、すなわちポ
リエポキシド化合物を含む予備接着剤液付与後の加熱処
理を行うことなく、該原糸、または必要に応じて撚糸さ
れたコード、織物、不織布の状態で、30℃から80℃以下
の温度で8時間以上の熟成処理を施される。この第三の
工程の該熟成処理は、30℃以上、80℃以下の温度で8時
間以上行なわれるが、特に好ましくは35℃以上、50℃よ
り低い温度で16時間以上処理するのがよい。該熟成処理
は熱風オーブン、恒温室等任意の方法で行うことができ
る。熟成温度範囲が上記範囲より低いと得られたゴム補
強用ポリエステル繊維材料とゴムとの十分な耐熱接着力
が得られず、温度範囲が上記範囲より高いと、得られる
ゴム補強用ポリエステル繊維材料が硬くなり耐疲労性が
低下する傾向にあり好ましくない。一方、熟成時間は8
時間より短いと耐熱接着力が安定せず好ましくない。以
上の如く熟成処理された該ポリエステル繊維材料は、次
いで第四の処理工程であるブロックドポリイソシアネー
ト化合物および/またはエチレンウレア化合物とレゾル
シン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの混合
物(RFL)とを含む第1接着剤液を付与し熱処理され
る。
第1接着剤液にブロックドポリイソシアネート化合物が
含まれる場合の、ブロックドポリイソシアネート化合物
とは、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネート化合物と分子中に活性水素原子を有
する化合物との反応物であり、具体例としてはヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,4−クロルフェニレンジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレ
ンジイソシアネート、ω,ω′−(ジトリメチレンチオ
エーテル)ジイソシアネート等のジイソシアネート類、
S−トリアジントリイソシアネート、チオリン酸トリス
(p−イソシアネートフェニル)エステル、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、ジフェニルメタントリイ
ソシアネート、ブタン−1,2,2−トリイソシアネート、
トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート3量
付加体、2,4,4′−ジフェニルエーテルトリイソシアネ
ート、等のトリイソシアネート類、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネート(粗製ジフェニルメタンジイソシ
アネートの場合も含む)等の多官能イソシアネート類等
のポリイソシアネート化合物とフェノール、クレゾー
ル、チオフェノール等のフェノール類、ε−カプロラク
タム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、
メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサンオキシム等
のオキシム類等との反応物が挙げられる。より好ましい
例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート等とε−カプロラクタムとの反応生成物であ
る。
また、第1接着剤液にエチレンウレア化合物が含まれる
場合のエチレンウレア化合物とは、エチレンイミンとヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,4−クロルフェニレンジイソシアネー
ト、4,4‖−ジフェニルメタジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、ω,ω′−(ジトリメチレ
ンチオエーテル)ジイソシアネート等のジイソシアネー
ト類、S−トリアジントリイソシアネート、チオリン酸
トリス(p−イソシアネートフェニル)エステル、トリ
フェニルメタントリイソシアネート、ジフェニルメタン
トリイソシアネート、ブタン−1,2,2−トリイソシアネ
ート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネー
ト3量体付加体、2,4,4′−ジフェニルエーテルトリイ
ソシアネート、等のトリイソシアネート類、ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアネート(粗製ジフェニルメタン
ジイソシアネートの場合も含む)等の多官能イソシアネ
ート類、等のポリイソシアネート化合物との反応物であ
り、好ましい例としては2,4−トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリ
フェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート等とエチレンイミンとの反応物
が挙げられる。
本発明の第1接着剤液におけるRFLはレゾルシンとホル
マリンとを酸またはアルカリ触媒下で反応させて得られ
る初期縮合物と天然ゴムラッテクス、スチレン・ブタジ
エン・コポリマーラテックス、ニトリルゴムラテック
ス、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン・ス
チレン・ブタジエン・ターポリマーラテックス等の中か
ら1種類ないしは数種類のゴムラテックスとの混合物で
あり、10℃〜30℃で5時間以上熟成して使用される。レ
ゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの
量比は固形分重量比で4対96ないし40対60の範囲が好ま
しい。前記のブロックドポリイソシアネート化合物およ
びエチレンウレア化合物は乳化液あるいは分散液として
使用するのがよい。
第1接着剤液に含まれるブロックドポリイソシアネート
化合物および/またはエチレンウレア化合物とRFLとの
混合比は固形分重量比で8:2ないしは1:9の範囲が好まし
く、より好ましくは7:3から1.5:8.5の範囲である。ま
た、第1接着剤液中の総固形分濃度は好ましくは2〜30
重量%、より好ましくは3〜25重量%である。該第1接
着剤液に含まれるブロックドポリイソシアネート化合物
および/またはエチレンウレア化合物とRFLとの固形分
重量比および第1接着剤液中の総固形分濃度が上記の好
ましい範囲を外れると本発明の目的を達成する事が出来
ない。すなわち該第1処理液に含まれるブロックドポリ
イソシアネート化合物および/またはエチレンウレア化
合物とRFLとの混合比は固形分重量比でブロックドポリ
イソシアネートおよび/またはエチレンウレア化合物が
8より多くRFLが2より少ないと得られるゴム補強用ポ
リエステル繊維材料が硬くなり、耐疲労性が低下し、更
には2浴目RFLとの親和性が低下し初期接着力が低下す
る傾向にあり、ブロックドポリイソシアネートおよび/
またはエチレンウレア化合物が1より少なくRFLが9よ
り多いと初期接着力および耐熱接着力が低下する傾向に
あり好ましくない。第1接着剤液中の総固形分濃度が、
上記の範囲から外れるとゴムとの初期接着力および耐熱
接着力が低下する傾向にあり好ましくない。RFLとブロ
ックドポリイソシアネート化合物および/またはエチレ
ンウレア化合物とは混合はRFLの熟成前または熟成途中
あるいは熟成後、使用直前等、任意に行なうことができ
る。
第1接着剤液の付与はコーティング、スプレー含浸等の
方法で行なわれる。第1接着剤液のポリエステル繊維材
料への付与率は乾燥重量比で、ポリエステル繊維に対し
0.3〜10%にするのが好ましい。
また、第1接着剤液付与後の熱処理は通常は熱風中で比
較的定温による乾燥と高温処理とに分割して行なうが、
乾燥を略して行なうこともできる。該熱処理時の乾燥は
40℃〜170℃で30秒〜10分間行なわれる。また高温処理
は170℃〜260℃で30秒〜10分間行なわれ、より好ましく
は180℃〜250℃で30秒〜10分間行なうのがよい。
かくして第1接着剤液を付与し熱処理されたポリエステ
ル繊維は本発明の第五の処理工程であるRFLを含む第2
接着剤液を付与し熱処理される。
第2接着剤液におけるRFLはレゾルシンとホルマリンと
を酸またはアルカリ触媒下で反応させて得られる初期縮
合と天然ゴムラテックス、スチレン・ブタジエン・コポ
リマーラテックス、ニトリルゴムラテックス、クロロプ
レンゴムラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタ
ジエン・ターポリマーラテックス等の中から1種類ない
しは数種類のゴムラテックスとの混合物であり、10℃〜
30℃で5時間以上熟成して使用される。
レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスと
の量比は固形分重量比で4対96ないし40対60の範囲が好
ましい。
RFLを含む第2接着剤液に2,6−ビス−(2′,4′−ジヒ
ドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノールを含
有せしめると耐熱接着力を一段と向上することが出来
る。2,6−ビス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメ
チル)−4−クロロフェノールをRFLを含む第2接着剤
液に含有せしめるにはRFL製造時に於いて任意の段階で
2,6−ビス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメチ
ル)−4−クロロフェノールを添加し縮合熟成すること
ができるが、高接着力がより安定に得られる点からRFL
製造後に2,6−ビス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニ
ルメチル)−4−クロロフェノールを添加して15〜35℃
にて24時間以上熟成するのが好ましい。2,6−ビス−
(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロ
ロフェノールのRFLへの添加量は添加後の全固形分中で1
0〜60%となるようにすることが好ましい。
また、RFLを含む第2接着剤液にブロックドボリイソシ
アネート化合物および/またはエチレンウレア化合物を
含有せしめると耐熱接着力を一段と向上することができ
る。ブロックドポリイソシアネート化合物およびエチレ
ンウレア化合物は前記の第1接着剤液に添加した化合物
と同じ化合物でもよく、それ等の化合物を水に乳化また
は分散して使用する。
第2接着剤液に含まれるブロックドポリイソシアネート
化合物および/またはエチレウレア化合物は第2接着剤
液のRFL総固形分に対し3〜40重量%添加することが好
ましい。添加量が上記範囲を外れると接着力がやや低下
する傾向にある。また第2接着剤液にはポリレゾルシン
ポリスルフィド等の公知の化合物を添加することもでき
る。
RFLを含む第2接着剤液の総固形分濃度は5重量%〜25
重量%の範囲に調整して使用することが好ましい。RFL
とブロックドポリイソシアネート化合物および/または
エチレンウレア化合物の混合はRFLの熟成前または熟成
途中あるいは熟成後、使用直前等、任意に行なうことが
できる。
第2接着剤液の付与はコーティング、スプレー、含浸等
の方法で行なわれる。第2接着剤液のポリエステル繊維
材料への付与率は乾燥重量比で、ポリエステル繊維に対
し0.2〜10%にするのが好ましい。
第2接着剤液付与後の熱処理は通常は熱風中で比較的低
温による乾燥と高温処理とに分割して行うが、乾燥を略
して行なうこともできる。該熱処理時の乾燥は40℃〜17
0℃で30秒〜10分間行なわれる。また高温処理は170℃〜
260℃で30秒〜10分間行なわれ、より好ましくは180℃〜
250℃で30秒〜10分間行なうのがよい。
〔発明の効果〕 本発明の方法で得られたゴム補強用ポリエステル繊維
は、 (1)溶融紡糸後の未延伸糸に紡糸油剤を含む処理液を
付与し、延伸熱セット後の原糸にポリエポキシド化合物
を含む予備接着剤液を付与したポリエステル繊維の糸
条、あるいはこれを撚糸したコード、またはコードを製
織した織物を30℃以上、80℃以下の温度範囲で8時間以
上熟成処理し次いで(A)ブロックドポリイソシアネー
ト化合物および/または(B)エチレンウレア化合物と
(C)レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテッ
クスとの混合物とを固形分重量比で上記(A)および/
または(B):(C)が8:2〜1:9の範囲で、かつ上記
(A)および/または(B)と(C)とを合計した固形
分を3〜30重量%含む第1接着剤液を付与し熱処理し、
更にRFLを含む第2接着剤液を付与し熱処理されている
ため、ゴム類との耐熱接着力およびゴム中における耐疲
労性が著しく改善された物となる。
(2)上記(1)の方法において紡糸油剤を含む処理液
および/または予備処理液が本発明の特許請求の範囲第
2項に規定する次の(D)〜(F)に示す化合物、すな
わち、 (D)シアヌール酸、イソシアヌール酸、2,4,6−エチ
ロイル−S−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイルヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリヒドロキシエチル
イソシアヌレートの中から選ばれた少なくとも一種類の
トリアジン化合物、 (E)モノアミノジカルボン酸化合物、 (F)下記一般式〔I〕で示される化合物 R−(−OH)……〔I〕 (式中:Rは炭素数2〜10の直鎖アルキル基、または脂環
式アルキル基、または数平均分子量300以上のポリオキ
シアルキル基を表し、nは2〜3の整数を表す。)の化
合物の中から選ばれた少なくとも1種類以上の化合物を
含有する場合には、柔軟でゴム中における耐疲労性が更
に一段と向上する。
(3)上記(1)の方法において第2接着剤液が2,6−
ビス(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−
クロロフェノールを含有する場合にはゴム類との耐熱接
着力が更に一段と向上する。
等のゴム補強用材料として良好な特性を有するものであ
り、大型タイヤへの適用が可能となる等、本発明の効果
は極めて顕著である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
尚、実施例における各測定値は次の方法によって求めた
ものである。
T−初期接着力およびT−耐熱接着力: 接着剤処理後のポリエステル繊維を未加硫ゴム中に埋め
込み、T−初期接着力では温度140℃、圧力50kg/cm2で4
0分間、T−耐熱接着力では170℃、50kg/cm2で75分間プ
レス加硫を行ない、室温まで放冷後、コードをゴムブロ
ックから20cm/分の速度で引抜き、その引抜き加重をkg/
cmで表わしたものである。
柔軟性: ガーレー式で測定したもので、非常に柔軟性に富むもの
を◎、柔軟性に富むものを○、やや硬目のものを△、硬
いものを×で表わしたものである。
ゴム中における耐疲労性(グッドリッチ法ディスク疲
労): ポリエステル繊維を埋めたゴムブロックを伸長率6%、
圧縮率18%になるように傾けた2枚のディスクの周囲に
取付け、1705rpmで48時間繰り返し疲労を与えた後の強
力残存率を100分率で示したものである。
実施例1、比較例1〜5 紡糸油剤を含む処理液、ポリエポキシド化合物を含む予
備接着剤液、RFL、ブロックドポリイソシアネート化合
物水分散液、第1接着剤液および第2接着剤液をそれぞ
れ、次のようにして作成した。
紡糸油剤を含む処理液: 水850重量部に脂肪酸エステルと非イオン界面活性剤を
種成分とする通常のポリエステル繊維用紡糸油剤150重
量部を混合し、ホモジナイザーを用いて乳化させて作成
した。
ポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液: 水850重量部にデナコールEX−810(長瀬産業(株)製エ
チレン・ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル)150重量部を加えてポモジナイザーを用いて乳化さ
せて作成した。
RFL: 水468.2重量部に1重量%カセイソーダ水溶液50重量部
を加えて混合した液にレゾルシン18.5重量部を加え溶解
し、更に37重量%ホルマリン水溶液27.2重量部を加えて
溶解、混合せしめ、25℃で1時間熟成した後ニッポール
2518FS(日本ゼオン(株)製ビニルピリジン・スチレン
・ブタジエンターコポリマー40重量%ラテックス)278.
8重量部とニッポールLX−100(日本ゼオン(株)製スチ
レン・ブタジエンコポリマー40重量%ラテックス)142
重量部とを加えて25℃で16時間熟成し、作成した。
ブロックドポリイソシアネート化合物水分散液: ε−カプロラクタムブロックドトリレンジイソシアネー
ト100重量部に界面活性剤としてエマルゲン931(花王石
鹸(株)製)10重量部と水390重量部とを加えボールミ
ル中で24時間混合粉砕して作成した。
第1接着剤液: 上記のブロックドポリイソシアネート化合物水分散液12
0重量部に水200重量部と上記RFL880重量部を加え撹拌混
合し、作成した。
第2接着剤液: 上記のRFLを用いた。
一方、フェノール/4塩化エタン(1/1重量比)の混合溶
媒中、20℃で測定した固有粘度1.00のポリエチレンテレ
フタレートチップを孔数288の口金より溶融紡糸し、冷
却固化させて6000デニールの未延伸糸を得た。この未延
伸糸に前記の紡糸油剤を含む処理液を付与量が0.5重量
%になるようにオイリングローラを用いて付与し、80℃
の熱延伸ピンおよび200℃のスリットヒータを用いて4
倍に延伸し、同時に熱処理を行なって1500デニールの延
伸糸とした。次いでこの延伸直後の該延伸糸を巻取るこ
となく、引き続いて前記ポリエポキシド化合物を含む予
備接着剤液を付与し巻取った。
かくして未延伸糸の段階で紡糸油剤を含む処理液を付与
し、延伸熱処理後にポリエポキシド化合物を含む予備処
理液が付与された延伸糸を得た。この時の該延伸糸に対
するポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液中の固形
分付与量は0.3重量%であった。
かくして得た該延伸糸2本を下撚40回/10cm、上撚40回/
10cmに撚糸してコードとした。この撚糸コードを45℃の
温風オーブン中で48時間後熟成処理した。次いで該熟成
処理コードを第1接着剤液に浸漬し、80℃にて3分乾燥
後190℃にて90秒間熱処理した。更に第2接着剤液に浸
漬し150℃にて2分間乾燥後、230℃にて90秒熱処理し
た。コードへの接着剤付与量は乾燥固形分でコード重量
に対して夫々第1接着剤3.1重量%、第2接着剤1.8重量
%であった。
このようにして得られた接着剤処理コードについてT−
初期接着力およびT−耐熱接着力、ゴム中における耐疲
労性、コード硬さを測定し、第1表に示す結果を得た。
なお、T−初期接着力およびT−耐熱接着力、ゴム中に
おける耐疲労性の測定に使用したゴムコンパウンドの組
成は次の通りである。
天然ゴム(RSS#1) 70(重量部) SBR(JRS1501) 30( 〃 ) SRFカーボンブラック 40( 〃 ) ステアリン酸 2( 〃 ) イオウ 2( 〃 ) 亜鉛華 5( 〃 ) 2,2′−ジチオベンゾチアゾール 2( 〃 ) ナフテン酸プロセスオイル 3( 〃 ) 一方、実施例1における延伸熱処理後のポリエポキシド
化合物を含む予備接着剤液付与を行なわないこと(比較
例1)、また、実施例1の第1接着剤液の付与とそれに
続く乾燥・熱処理を行わないこと(比較例2)、また、
実施例1の延伸熱処理後の熟成処理を行なわないこと
(比較例3)、また、実施例1における第1接着剤液に
RFLが含まれないこと(比較例4)、また、実施例1の
延伸熱処理後の熟成条件を45℃で7時間に変更したこと
(比較例5)以外は実施例1と同様にして得られた処理
コードの性能を第1表に示した。第1表から明らかなよ
うに本発明の方法によって得られた(実施例1)ゴム補
強用ポリエステル繊維材料はゴムとの耐熱接着力、初期
接着力、ゴム中における耐疲労性および柔軟性に優れて
いることが判る。
実施例2〜7 実施例1におけるポリエポキシド化合物を含む予備接着
剤液のポリエポキシド化合物をデナコールEX−810に代
えてデナコールEX−521(長瀬産業(株)ポリグリセリ
ンポリグリシジルエーテル)を使用したこと(実施例
2)、また、実施例1における接着剤液中のブロックド
ポリイソシアネート化合物をε−カプロラクタムブロッ
クドトリレンジイソシアネートに代えてε−カプロラク
タムブロックドジフェニルメタンジイソシアネート(実
施例3)、またはε−カプロラクタムブロックドポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート(実施例4)、また
はフェノールブロックドポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート(実施例5)、ジフェニルメタン−ビス(−
4,4′−カルバモイル−エチレンイミン)(実施例
6)、ε−カプロラクタムブロックドポリメチレンポリ
フェニルイソシアネートとジフェニルメタン−ビス(−
4,4′−カルバモイル−エチレンイミン)との1:1(重量
比)混合物(実施例7)を使用したこと以外は実施例1
と同様にして得られた処理コードの性能を第1表に示し
た。
第1表から明らかなように実施例1と同様に、本発明の
方法によって得られたゴム補強用ポリエステル繊維材料
はゴムとの初期接着力、耐熱接着力、ゴム中における耐
疲労性おび柔軟性に優れていることがわかる。
実施例8,9 実施例1における処理液に紡糸油剤の他にエポキシ硬化
剤としてオクチルアミンのエチレンオキシド付加物を15
重量部加えたこと(実施例8)、実施例1における予備
接着剤中にポリオキシド化合物の他にエポキシ硬化剤と
してオクチルアミンのエチレンオキシド付加物を15重量
部加えたこと(実施例9)以外は実施例1と同様にして
得られた処理コードの性能を第1表に示した。
実施例1と同様に優れたゴムとの初期接着力、耐熱接着
力、ゴム中における耐疲労性および柔軟性を示すことが
判る。
比較例6 実施例1においてポリエポキシド化合物を含む予備接着
剤液の付与を延伸熱処理後に行なわない代り、紡糸油剤
を含む処理液を付与した後の未延伸ヤーンに付与したこ
と以外は実施例1と同様にして得られた処理コードの性
能を第1表に示した。
ポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液の付与を延伸
熱処理後のヤーンに付与しない場合には、得られたコー
ドが硬くゴム中における耐疲労性が低い傾向にあること
が判る。
実施例10〜23 実施例1における処理液に紡糸油剤の他にL−グルタミ
ン酸を10重量部添加したこと(実施例10)、数平均分子
量20000のポリエチレングリコールを50重量部添加した
こと(実施例11)、ヘキサメチレングリコールを50重量
部添加したこと(実施例12)、グリセリンを50重量部添
加したこと(実施例13)、数平均分子量1000のポリプロ
ピレングリコールを50重量部添加したこと(実施例1
4)、トリアジン化合物としてシアヌール酸又は2,4,6−
エチロイル−S−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイ
ルヘキサヒドロ−S−トリアジン又はトリアリルイソシ
アヌレート又はトリアリルシアヌレート又はトリス(β
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを50重量部添加
したこと(実施例15〜20)、L−グルタミン酸5重量部
と数平均分子量20000のポリエチレングリコール45重量
部とを添加したこと(実施例21)、数平均分子量20000
のポリエチレングリコール30重量部と数平均分子量1000
のポリプロピレングリコール30重量部とを添加したこと
(実施例22)、グリセリン30重量部とトリス(β−ヒド
ロキヒエチル)イソシアヌレート30重量部とを添加した
こと(実施例23)以外は実施例1と同様にして得られた
処理コードの性能を第2表に示した。
紡糸油剤およびこれらの化合物を含む処理液を用いるこ
とにより得られたゴム補強用ポリエステル繊維材料の柔
軟性とゴム中における耐疲労性とが一段と向上し本発明
の目的上更に好ましいことがわかる。
実施例24〜37 実施例1における予備接着剤中にポリオキシド化合物の
他にL−グルタミン酸を10重量部添加したこと(実施例
24)、数平均分子量20000のポリエチレングリコールを5
0重量部添加したこと(実施例25)、ヘキサメチレング
リコールを50重量部添加したこと(実施例26)、グリセ
リンを50重量部添加したこと(実施例27)、数平均分子
量1000のポリプロピレングリコールを50部添加したこと
(実施例28)、トリアジン化合物としてシアヌール酸又
は2,4,6−エチロイル−S−トリアジン又は1,3,5−トリ
アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン又はトリア
リルイソシアヌレート又はトリアリルシアヌレート又は
トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを50
重量部添加したこと(実施例30〜34)、L−グルタミン
酸5重量部と数平均分子量20000のポリエチレングリコ
ール45重量部とを添加したこと(実施例35)、数平均分
子量20000のポリエチレングリコール30重量部と数平均
分子量1000のポリプロピレングリコール30重量部とを添
加したこと(実施例36)、グリセリン30重量部とトリス
(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート30重量部と
を添加したこと(実施例37)以外は実施例1と同様にし
て得られた処理コードの性能を第2表に示した。
ポリエポキシド化合物とこれらの化合物を含む予備接着
剤液を用いることにより得られたゴム補強用ポリエステ
ル繊維材料の柔軟性とゴム中における耐疲労性とが一段
と向上し本発の目的上、更に好ましいことがわかる。
実施例38,39 実施例1における処理液に紡糸油剤の他にグリセリン25
重量部を添加し、更に予備接着剤中にポリオキシド化合
物の他にトリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ート30重量部を添加したこと(実施例38)、同様に実施
例1における処理液に紡糸油剤の他にグリセリン15重量
部とヘキサメチレングリコール15重量部とを添加し、更
に予備接着剤中にポリオキシド化合物の他にトリス(β
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート30重量部を添加
したこと(実施例39)以外は実施例1と同様にして得ら
れたコードの性能を第2表に示した。
紡糸油剤と共にこれらの化合物を含む処理液とポリエポ
キシド化合物と共にこれらの化合物を含む予備接着剤液
を用いた場合にも、得られたゴム補強用ポリエステル繊
維材料の柔軟性とゴム中における耐疲労性とが一段と向
上し本発明の目的上、更に好ましいことがわかる。
実施例40 実施例1における第2接着剤液に2,6−ビス−(2′,
4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェ
ノール(20重量%アンモニア水溶液)を200重量部加え
たこと以外は実施例1と同様にして得た処理コードの性
能を第2表に示した。
第2接着剤液に2,6−ビス−(2′,4′−ジヒドロキシ
フェニルメチル)−4−クロロフェノールが含まれる場
合には耐熱接着力が一段と向上し本発明の目的上、更に
好ましいことがわかる。
実施例41〜43 実施例1における第2接着剤液に実施例1の第1接着剤
液に用いたと同じブロックドポリイソシアネート化合物
(ε−カプロラクタムブロックドトリレンジイソシアネ
ート)水分散液を150重量部加えたこと(実施例41)、
ジフェニルメタン−ビス(−4,4′−カルバモイル−エ
チレンイミン)を150重量部加えたこと(実施例42)、
ε−カプロラクタムブロックドポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート75重量部とジフェニルメタン−ビス
(−4,4′−カルバモイル−エチレンイミン)75重量部
とを加たこと(実施例43)以外は実施例1と同様にして
得た処理コードの性能を第2表に示した。
第2接着剤液にブロックドポリイソシアネート化合物お
よび/またはエチレンウレア化合物が含まれる場合には
耐熱接着力が一段と向上し本発明の目的上、更に好まし
いことが判る。
実施例44〜47 実施例1における処理液に紡糸油剤の他にグリセリン50
重量部とエポキシ硬化剤としてオクチルアミンのエチレ
ンオキシド付加物とを15重量部加え、第2接着剤液に2,
6−ビス−(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメチル)
−4−クロロフェノール(20重量%アンモニア水溶液)
200重量部を加えたこと(実施例44)、処理液に紡糸油
剤の他にエポキシ硬化剤としてオクチルアミンのエチレ
ンオキシド付加物を15重量部加え、予備接着剤液にポリ
エポキシド化合物の他にグリセリン50重量部を加え、第
2接着剤液に2,6−ビス(2′,4′−ジヒドロキシフェ
ニルメチル)−4−クロロフェノール(20重量%アンモ
ニア水溶液)200重量部を加えたこと(実施例45)、処
理液に紡糸油剤の他にエポキシ硬化剤としてオクチルア
ミンのエチレンオキシド付加物を15重量部加え、予備接
着剤液にポリエポキシド化合物の他にグリセリン50重量
部を加え、第2処理液にε−カプロラクタムブロックド
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート150重量部を
加えたこと(実施例46)、処理液に紡糸油剤の他にエポ
キシ硬化剤としてオクチルアミンのエチレンオキシド付
加物を15重量部加え、予備接着剤液にポリエポキシド化
合物の他にトリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート50重量部を加え、第2接着剤液に2,6−ビス
(2′,4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロ
ロフェノール(20重量%アンモニア水溶液)200重量部
を加えたこと(実施例47)以外は実施例1と同様にして
得た処理コードの性能を第2表に示した。
本発明により得られたゴム補強用ポリエステル繊維材料
は、ゴムとの初期接着力、耐熱接着力、ゴム中における
耐疲労性および柔軟性に優れたものであることが判る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融紡糸後の未延伸糸に紡糸油剤を含む処
    理液を付与した後、延伸、熱セットし、得られた延伸糸
    にポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液を付与して
    ポリエステル繊維糸条を作成し、 この繊維糸条、該繊維糸条の撚糸コードまたは該コード
    からなる織物を30℃以上、80℃以下の温度範囲で8時間
    以上熟成処理し、 次いで(A)ブロックドポリイソシアネート化合物およ
    び/または(B)エチレンウレア化合物と、(C)レゾ
    ルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの混
    合物とを、固形分重量比で、上記(A)および/または
    (B):(C)が8:2〜1:9の範囲であり、かつ上記
    (A)および/または(B)と(C)とをそれらの固形
    分合計量で3〜30重量%の範囲量含有する第1接着剤液
    を付与して熱処理し、 更に前記(C)レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴ
    ムラテックスとの混合物を含有する第2接着剤液を付与
    して熱処理することを特徴とするゴム補強用ポリエステ
    ル繊維材料の処理方法。
  2. 【請求項2】前記第2接着剤液がブロックドポリイソシ
    アネート化合物および/またはエチレンウレア化合物を
    含有する特許請求の範囲第1項に記載のゴム補強用ポリ
    エステル繊維材料の処理方法。
  3. 【請求項3】前記第2接着剤液が2,6−ビス−(2′,
    4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェ
    ノールを含有する特許請求の範囲第1項に記載のゴム補
    強用ポリエステル繊維材料の処理方法。
  4. 【請求項4】溶融紡糸後の未延伸糸に紡糸油剤を含む処
    理液を付与した後、延伸、熱セットし、得られた延伸糸
    にポリエポキシド化合物を含む予備接着剤液を付与して
    ポリエステル繊維糸条を作成するに際し、 前記紡糸油剤を含む処理液および/または前記ポリエポ
    キシド化合物を含む予備接着剤液が下記(D)〜(F)
    の化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有
    し、 (D)シアヌール酸、イソシアヌール酸、2,4,6−エチ
    ロイル−S−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイルヘ
    キサヒドロ−S−トリアジ、トリアリルイソシアヌレー
    ト、トリアリルシアヌレート、トリヒドロキシエチルイ
    ソシアヌレートの中から選ばれたトリアジン化合物 (E)モノアミノジカルボン酸化合物 (F)下記一般式(I)で示される化合物 R−(OH)n………………(I) (式中、Rは炭素数2〜10の直鎖アルキル基または脂環
    式アルキル基または数平均分子量300以上のポリオキシ
    アルキル基を表し、nは2〜3の整数を表す。) この繊維糸条、該繊維糸条の撚糸コードまたは該コード
    からなる織物を30℃以上、80℃以下の温度範囲で8時間
    以上熟成処理し、 次いで(A)ブロックドポリイソシアネート化合物およ
    び/または(B)エチレンウレア化合物と、(C)レゾ
    ルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの混
    合物とを、固形分重量比で、上記(A)および/または
    (B):(C)が8:2〜1:9の範囲であり、かつ上記
    (A)および/または(B)と(C)とをそれらの固形
    分合計量で3〜30重量%の範囲量含有する第1接着剤液
    を付与して熱処理し、 更に前記(C)レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴ
    ムラテックスとの混合物を含有する第2接着剤液を付与
    して熱処理することを特徴とするゴム補強用ポリエステ
    ル繊維材料の処理方法。
  5. 【請求項5】前記第2接着剤液がブロックドポリイソシ
    アネート化合物および/またはエチレンウレア化合物を
    含有する特許請求の範囲第4項に記載のゴム補強用ポリ
    エステル繊維材料の処理方法。
  6. 【請求項6】前記第2接着剤液が2,6−ビス−(2′,
    4′−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェ
    ノールを含有する特許請求の範囲第4項に記載のゴム補
    強用ポリエステル繊維材料の処理方法。
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