JPH0756040A - ガーネット導波路の作製方法 - Google Patents

ガーネット導波路の作製方法

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JPH0756040A
JPH0756040A JP20221993A JP20221993A JPH0756040A JP H0756040 A JPH0756040 A JP H0756040A JP 20221993 A JP20221993 A JP 20221993A JP 20221993 A JP20221993 A JP 20221993A JP H0756040 A JPH0756040 A JP H0756040A
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JP
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waveguide
garnet
layer
melt
optical
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JP20221993A
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Inventor
Naoto Sugimoto
直登 杉本
Yujiro Kato
雄二郎 加藤
Akiyuki Tate
彰之 館
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高モード変換効率を示し、かつ低伝搬損失であ
り、同時にコア部またはリッジ部の材料と、各クラッド
層の材料の屈折率差を制御性よく設定することができる
ガーネット導波路の作製方法を提供する。 【構成】所定の基板1上に、LaとGaとYを含む鉄ガ
ーネット材料よりなる光束の伝搬部位と閉じ込め部位を
有するガーネット導波路の作製方法において、光束の伝
搬部位は、所定組成の融液を用いて液相エピタキシャル
成長により導波層5を堆積した後、エッチングにより所
望の形状に加工する工程を用いて形成し、光束の閉じ込
め部位は、光束の伝搬部位に用いた融液とは異なる組成
の融液を用いて、液相エピタキシャル成長により各種ク
ラッド層3,4を堆積して、光束の伝搬部位と閉じ込め
部位に屈折率差を与える工程を含むガーネット導波路の
作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信の分野におい
て、レーザ光源や光増幅器等に、不要な反射光が戻らな
いようにするために用いられる光アイソレータあるいは
一本の光線路で双方向通信を行う際に使用する光サーキ
ュレータ等の磁気光学デバイスを、導波路型光部品の組
合せからなる光集積回路に組み込む際に好適に用いられ
る導波路型磁気光学デバイス用ガーネット導波路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光アイソレータは光通信の分野におい
て、レーザ光源の安定、線路エコーの抑制、光増幅器の
雑音防止等の目的に使用される重要な素子である。ま
た、光サーキュレータは、同じく光通信の分野におい
て、一本の光線路で双方向通信を行う際に使用される重
要な素子である。これらの光アイソレータや光サーキュ
レータは、動作原理としてファラデー効果等の磁気光学
効果を利用するため、一般に磁気光学デバイスと呼ばれ
ている。近年、光通信装置全体を低価格化および小型化
をはかるために、レーザ光源、光増幅器等の光部品を導
波路化し、一枚の基板上に集積する光集積回路が開発さ
れている中で、これら磁気光学デバイスの導波路化が検
討されている。磁気光学デバイスを導波路化するために
は、その基幹部分である光を伝搬する部位に薄膜状態で
の容易磁化方向が面内にあり、かつ磁気光学効果の大き
い鉄ガーネット材料を用いたガーネット3次元導波路が
要望されている。特に導波路型の磁気光学デバイス用の
ガーネット3次元導波路を、他の導波路型光部品と低損
失に結合させるためには、導波路を、図1(a)に示す
ような埋め込み型または図1(b)に示すようなリブ型
にして、光を伝搬させるコア部2(光束の伝搬部位)お
よびリッジ部6(光束の伝搬部位)と、各種のクラッド
層である下部クラッド層3および上部クラッド層4(光
束の閉じ込め部位)の屈折率差を、設定の範囲で精度よ
く制御し、導波光の光束分布を、他の導波路型光部品と
合わせる必要がある。例えば、光ファイバと低損失に結
合させるためには、コア部2およびリッジ部6と、各種
のクラッド層3、4との屈折率差を0.001以下の精
度で制御することが必要とされる。導波路型の磁気光学
デバイス用ガーネット導波路としては、ランタン(L
a)とガリウム(Ga)とイットリウム(Y)を含有し
た鉄ガーネット(YLIGG)を、コア部およびリッジ
部と、各種のクラッド層の材料に用いた導波路が、バル
ク型の光アイソレータの材料であるビスマス(Bi)を
添加した希土類元素を含有する鉄ガーネット(Bi−R
IG)を用いた導波路よりも低い伝搬損失を示す良好な
導波路であることが知られている(例えば、N.Sugim
oto et al.Japan Journal of Applied Physics V
ol.31,PartI,No.5A,p.1372,199
2.)。上記のYLIGG導波路の作製方法としては、
液相エピタキシャル成長(LPE)法が用いられてお
り、この場合には、コア部およびリッジ部と、各種のク
ラッド層の屈折率を制御する方法として、従来は一種類
の所定組成のメルト(融液)を用いて、結晶成長温度を
制御する方法により作製されていた。しかし、上記の同
一組成のメルトを用いるLPE法は、ガーネット材料の
屈折率と格子定数を独立して制御することができないた
め、コア部またはリッジ部と、各種のクラッド層に屈折
率差を付けようとすると、同時に両者の格子定数にも差
が生じてしまい、この格子定数差に起因する応力誘導複
屈折により、作製した導波路において非相反モード変換
効率が高い値を示さないという欠点がある(例えば、
N.Sugimoto et al.Proceedings of the sixth int
ernational conference on ferrites p.1609,1
992.)。ガーネット導波路を、導波路型磁気光学デ
バイス用の導波路として、使用するためには非相反モー
ド変換効率が最低でも96%以上の値を示す必要があ
り、上記のLPE法で作製した導波路では、上記応力誘
導複屈折により30%以下の値しか得ることができな
い。この非相反モード変換効率が30%以下では、ガー
ネット導波路を、導波路型磁気光学デバイスの一つであ
る上記光アイソレータに使用した場合、デバイスの最も
重要な基本的特性であるアイソレーションが5dB(デ
シベル)以下の値しか示さない。この5dB以下のアイ
ソレーションしか示さない光アイソレータは、光通信の
分野においてレーザ光源の安定、光線路エコーの抑制等
の使用目的に対しては全く役に立たない。また、非相反
モード変換効率が30%以下のガーネット導波路を使用
した導波路型の磁気光学デバイスの一つである上記光サ
ーキュレータは、5dB以下のアイソレーションしか示
さないため、一本の光線路で双方向通信を行う時に使用
する際に、クロストークが大きいので、信号光を受信素
子だけではなくレーザ光源等の発信素子にも伝達してし
まい発信素子の動作不安定を招くことになる。このた
め、上記の方法で作製したガーネット導波路を用いた上
記光サーキュレータは、一本の光線路で双方向通信を行
う際に使用する光サーキュレータとしては全く実用に供
することができない。このように、上記のLPE法で作
製したガーネット導波路は、応力誘導複屈折のため導波
路型磁気光学デバイス用の導波路として全く使用に耐え
ないという問題がある。また、上記の屈折率を結晶成長
温度により制御するLPE法で導波路を作製する際に、
コア部またはリッジ部を、各種のクラッド層よりも低い
温度で結晶成長を行わねばならないが、この成長温度の
低下はLPE成長に用いるメルト内の溶融剤成分である
鉛と、メルト内に発生する微結晶のガーネット材料への
混入を誘発する(例えば、N.Sugimoto et al.Japa
n Journal of Applied Physics Vol.31,Part
I,No.5A,p.1372,1992.)。鉛のガ
ーネット材料への混入は、光通信で使用する波長域での
光吸収の増大を招き、微結晶の混入は光散乱の増大を招
く。この結果、上記のLPE成長で作製した導波路は、
そのコア部またはリッジ部のガーネット材料の吸収損失
や散乱損失が大きくなるので、伝搬損失が増大する。コ
ア部またはリッジ部を構成するガーネット材料への鉛や
微結晶の混入を避けるためには、890℃以上のLPE
成長温度で導波層を形成すればよいが、このためには各
クラッド層を910℃以上の高い温度で形成する必要が
ある。しかし、910℃以上の高温はYLIGG材料の
メルトの飽和温度を超えているか、あるいはそれにかな
り近いため、この高温ではYLIGG材料は全く成長し
ないか、あるいは成長したとしても成長速度が極めて遅
く、かつ成長が不安定であるため、各クラッド層を作製
することは実用上不可能である。したがって、屈折率を
LPE成長温度により制御する方法で導波路を作製する
場合、コア部またはリッジ部を構成するガーネット材料
への鉛や微結晶の混入を避けることは不可能であり、こ
のため形成した導波路の伝搬損失は2dB/cm以上の大
きな値を示す。光通信に使用する導波路型の磁気光学デ
バイス用導波路は最低でも伝搬損失が1dB/cm以下の
小さな値を示す必要があり、このため従来のLPE成長
法で作製したガーネット導波路は、伝搬損失が大きいと
いう点からも全く実用に供しないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術における問題点を解消するものであって、高モ
ード変換効率を示し、かつ低伝搬損失であり、同時にコ
ア部またはリッジ部の材料と、各クラッド層の材料の屈
折率差を制御性よく設定することができるガーネット導
波路の作製方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明の導波路型の磁気光学デバイス用ガ
ーネット導波路の作製は、所定の基板上に、ランタン
(La)とガリウム (Ga)とイットリウム(Y)を
含有した鉄ガーネットからなるコア部またはリッジ部
と、上部、下部の各クラッド層からなるガーネット導波
路を形成する場合に、上記コア部またはリッジ部を、L
aとGaとYを含む所定組成の融液を用いて液相エピタ
キシャル成長により堆積した後、上記コア部またはリッ
ジ部をエッチングにより所望の形状に加工すると共に、
上記各クラッド層は、上記コア部またはリッジ部の形成
に用いた融液とは異なる組成のLaとGaとYを含む融
液を用い、液相エピタキシャル成長により堆積すること
によって、上記コア部またはリッジ部と、各クラッド層
との間に屈折率差を与えるものである。本発明のガーネ
ット導波路の作製方法の具体的構成は、所定の基板上
に、ランタンとガリウムとイットリウムを含む鉄ガーネ
ット材料よりなる光束の伝搬部位(コア部またはリッジ
部)と閉じ込め部位(上、下の各クラッド層)を有する
ガーネット導波路の作製方法において、上記光束の伝搬
部位は、上記ランタンとガリウムとイットリウムを含む
所定組成の融液を用いて、液相エピタキシャル成長によ
り導波層を堆積した後、エッチングにより所望の形状に
加工する工程を用いて形成し、上記光束の閉じ込め部位
は、上記光束の伝搬部位の形成に用いた融液とは異なる
組成のランタンとガリウムとイットリウムを含む融液を
用いて、液相エピタキシャル成長により各種のクラッド
層を堆積して、上記光束の伝搬部位と閉じ込め部位に屈
折率差を与える工程を、少なくとも含むことを特徴とす
るガーネット導波路の作製方法である。
【0005】
【作用】図1(a)、(b)は、本発明のガーネット導
波路の作製方法において対象とする代表的なガーネット
導波路の基本構成を示す模式図である。図において、埋
め込み型ガーネット導波路は、図1(a)に示すよう
に、基板1、コア部2、下部クラッド層3および上部ク
ラッド層4により構成されている。コア部2、下部クラ
ッド層3および上部クラッド層4の材料としては、いず
れもYLIGGを用いる。基板1の材料としては、下部
クラッド層3等に用いるYLIGGと、格子定数差の小
さいガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)が望
ましい。リブ型ガーネット導波路は、図1(b)に示す
ように、基板1、下部クラッド層3、上部クラッド層
4、導波層5およびリッジ部6により構成されている。
このうち、上部クラッド層4は、接続する相手の導波路
の導波光の光束分布によっては無くても良い。図1
(b)に示すリブ型ガーネット導波路の下部クラッド層
3、上部クラッド層4、導波層5およびリッジ部6の材
料としてはYLIGGを用いる。基板1の材料は、下部
クラッド層3等に用いるYLIGGと、格子定数差が小
さいガドリニウム ガリウム ガーネット(GGG)が望
ましい。図1(a)に示す埋め込み型のガーネット導波
路の作製方法は、図2に示すように、まず、基板1上
に、下部クラッド層3、導波層5をLPE法で堆積し
〔図2(a)〕、次に、導波層5上に、フォトリソグラ
フィ等でマスク7を形成し〔図2(b)〕、その後、導
波層5のマスク7に隠されていない部分を、下部クラッ
ド層3まで燐酸系エッチャントによるウェットエッチン
グ法やArイオンビームエッチング等によるドライエッ
チング法でエッチングして、コア部2を形成し〔図2
(c)〕、最後に、マスク7を選択エッチング等により
除去した後、上部クラッド層4を、LPE法で堆積する
方法を用いる〔図2(d)〕。また、リブ型ガーネット
導波路の作製は、図3に示すように、まず基板1上に、
下部クラッド層3、導波層5をLPE法で堆積し〔図3
(a)〕、次に導波層5上に、フォトリソグラフィ等で
マスク7を形成し〔図3(b)〕、その後、導波層5の
マスク7に隠されていない部分を、下部クラッド層3に
達しない深さにまでウェットエッチング法等でエッチン
グして、導波層5にリッジ部6を形成し〔図3
(c)〕、最後に、マスク7を選択エッチング等により
除去し、上部クラッド層4をLPE法で堆積する方法を
用いる〔図3(d)〕。本発明では、コア部2およびリ
ッジ部6を構成する導波層5と、各種のクラッド層3、
4の屈折率差を、それぞれのLPE成長の際に異なった
組成のメルトを用いることにより生じさせる。具体的に
は、図2および図3に示す製造工程(a)および(d)
における導波層5および各種のクラッド層3、4の成長
の際に、異なった組成のメルトを用いることにより屈折
率を制御する。本発明では、この導波層5および各種の
クラッド層3、4の成長の際に、異なった組成のメルト
を用いることにより、従来の作製法では実質的に不可能
だった各層の屈折率と格子定数の独立制御ができるた
め、導波路の導波光の光束分布と応力誘導複屈折の同時
制御が可能となる。このため、導波路の導波光の光束分
布の形状を制御しながら、同時に非相反モード変換効率
を、従来の作製法に比べ飛躍的に向上させることがで
き、導波路を導波路型磁気光学デバイス用の導波路とし
て使用するために最低必要とされ、かつ従来の作製方法
では実現することができなかった96%以上の変換効率
が容易に得られるという利点がある。また、導波層5お
よび各種のクラッド層3、4の成長の際に、異なった組
成のメルトを用いることは、導波層5および各クラッド
層3、4を共に高い成長温度で成長できるため、従来法
では避けることができなかった各層への鉛と微結晶の混
入を抑制することができるという利点がある。このため
本発明で作製した導波路では、導波層5のガーネット材
料の吸収損失と散乱損失を大幅に低減することができる
ので、伝搬損失が従来法で作製した導波路の伝搬損失に
比べ大幅に低減され、導波路を導波路型磁気光学デバイ
ス用の導波路として使用するために最低必要とされ、か
つ従来の作製方法では得ることができなかった1dB/c
m以下の小さい伝搬損失値を容易に得ることができる。
上述したように、他の導波路型光部品とガーネット導波
回路系との複合化をはかる上で両者の結合を低損失にす
るためには、光束分布の整合をはかることが必要とされ
る。光束分布の整合をとるためには、両者の導波路構造
を最適設計となし、その設計値に対し忠実に屈折率制御
を行う必要がある。本発明においては、異なった組成の
メルトを用いることにより導波層5および各クラッド層
3、4の屈折率を容易に精度よく制御することができ、
かつこの屈折率制御の際に従来法とは異なり格子定数の
変動や鉛および微結晶の混入の制約を受けることが全く
ないため、導波路型の磁気光学デバイス用ガーネット導
波路の作製上の利点は極めて多大である。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いて
さらに詳細に説明する。 〈実施例1〉本実施例においては、図3に示すごとく、
基板1の材料としてGGG(ガドリニウム ガリウム ガ
ーネット)を用い、下部クラッド層3、上部クラッド層
4、導波層5、リッジ部6の材料としてLPE法によっ
て成長したYLIGG(LaとGaとYを含有した鉄ガー
ネット)を用いた。そして、リッジ幅2〜6μm、リッ
ジ高さ3.0μm、導波層5と各クラッド層3、4の設
計屈折率差0.0065のリブ型ガーネット導波路の作
製を行った。本実施例では、YLIGGの成長に、La2
3、Y23、Fe23、Ga23、PbOおよびB23
成分からなるメルトを用いた。この際、導波層5のYL
IGGの成長に、La23、Y23、Fe23、Ga
23、PbO、B23が重量比で、0.196:0.70
1:7.097:0.170:100:2.451の組成
のメルトを用い、上部、下部の各クラッド層4、3のY
LIGGの成長に、メルトとしてLa23、Y23、Fe
23、Ga23、PbO、B23が重量比で、0.20
2:0.690:7.034:0.255:100:2.4
50の組成のメルトを用いることにより、両者の屈折率
差を設計値である0.0065とすることが容易にでき
た。この場合、上記屈折率差を、その他の任意の値にす
ることもメルトの組成を変えることで容易に実現できる
ことは言うまでもない。導波層5の成長温度は896
℃、上部、下部の各クラッド層4、3の成長温度は89
9℃とした。また下部クラッド層3、上部クラッド層
4、導波層5の厚さを、それぞれ6μm、6μm、4μ
mとした。本実施例では、マスク7として窒化シリコン
の直線パターンを用い、燐酸をエッチャントとしたウェ
ットエッチングによりリッジ部6を形成した。また、マ
スク7の除去には緩衝フッ酸を用いた。図4は、磁場2
0 Oeを導波光に平行に印加して測定したYLIGGの
リブ型ガーネット導波路の波長1.55μmでの非相反
モード変換効率を示したものである。図中の黒丸は本実
施例で作製したリブ型ガーネット導波路の非相反モード
変換効率を示し、図中の白丸は、比較例として従来法で
作製した本実施例と同形状のリブ型ガーネット導波路の
非相反モード変換効率を示すグラフである。図4から分
かるように、比較例の導波路は25%以下の低い変換効
率を示すのに対して、本実施例で作製した導波路は、い
ずれのリッジ幅の導波路も、導波路を導波路型磁気光学
デバイス用の導波路として、使用するのに十分な97%
以上の高い変換効率を示した。表1は、本実施例で作製
したリブ型ガーネット導波路と比較例のリブ型ガーネッ
ト導波路における導波層5と各クラッド層3、4の特性
を比較して示したものである。比較例では、導波層5と
各クラッド層3、4の間に、本実施例と同等の屈折率差
を得るために、導波層5の成長温度を863℃に設定し
なければならないので、伝搬損失の原因となる鉛や微結
晶の膜中への取り込みは避けられない。これに対し本実
施例では、導波層5中への鉛や微結晶の取り込みが避け
られる890℃以上の温度でLPE成長が行えるので、
導波層内の鉛濃度が測定限界の0.1at(原子)%以下
となり、また微結晶の取り込みもなくなるため、膜状態
での導波層の損失を測定限界の0.5dB/cm以下とす
ることができ、従来法で作製した比較例に示す導波路よ
りも大幅に低減できることを確認した。
【0007】
【表1】
【0008】図5は、本実施例で作製したリブ型ガーネ
ット導波路と比較例のリブ型ガーネット導波路の伝搬損
失を比較して示したものである。比較例の導波路は導波
路型磁気光学デバイス用の導波路として使用するのに必
要な1dB/cm以下の伝搬損失値を示さないのに対し
て、本実施例で作製した導波路は、いずれのリッジ幅の
導波路も導波路型磁気光学デバイス用の導波路として使
用するのに十分な0.7dB/cm以下の値を示すことが
確認できた。本実施例で作製した導波路が比較例の導波
路よりも伝搬損失の値が低いのは、表1に示したように
導波層の膜状態での損失が低いためであることは言うま
でもない。また、本実施例で作製した導波路を、長さ
3.0mmに切断し、両端にファイバ偏光子を接続し
て、導波路型光アイソレータとして特性を評価したとこ
ろ、いずれの素子もアイソレーション20dB以上、挿
入損失1dB以下の値を示し、従来法で作製した導波路
では達成することができないアイソレーションが高く、
挿入損失が極めて小さい導波路型光アイソレータとして
実用に供する値を示すことが確認できた。
【0009】〈実施例2〉本実施例においては、図2に
示すごとく、基板1の材料としてGGGを用い、コア部
2、下部クラッド層3、上部クラッド層4の材料として
LPE法によって成長したYLIGGを用いた。コア幅
2〜4.5μm、コア高さ4.0μm、コア部2と上部、
下部の各クラッド層4、3の設計屈折率差が0.005
5の埋め込み型ガーネット導波路を作製した。本実施例
では、YLIGGの成長に、実施例1と同じLa23
23、Fe23、Ga23、PbOおよびB23の成分
からなるメルトを用いた。この際、コア部2を構成する
導波層5のYLIGGの成長には、La23、Y23
Fe23、Ga23、PbO、B23が重量比で、0.19
6:0.701:7.097:0.170:100:2.4
51の組成のメルトを用い、各クラッド層4、3のYL
IGGの成長にメルトとしてLa23、Y23、Fe
23、Ga23、PbO、B23が重量比で、0.18
6:0.700:7.034:0.255:100:2.4
50の組成のメルトを用いることによって、両者の屈折
率差を設計値である0.0055に容易に設定すること
ができた。この際、屈折率差を、任意の値にすることも
メルトの組成を変えることにより容易に実現できること
は言うまでもない。導波層5の成長温度は899℃、各
クラッド層4、3の成長温度は894℃とした。また、
下部クラッド層3、上記クラッド層4、導波層5の厚さ
をそれぞれ6μm、6μm、4μmとした。本実施例で
は、マスク7としてTa(タンタル)層と有機物層から
なる2層マスクの直線パターンを用い、Arイオンビー
ムエッチングによりコア部2を形成した。また、マスク
7の除去には酸素プラズマアッシングを用いた。図6
は、磁場20 Oeを導波光に平行に印加して測定した本
実施例で作製した埋め込み型ガーネット導波路の波長
1.55μmでの非相反モード変換効率を示したもので
ある。図6から明らかなように本実施例で作製した導波
路は、いずれのコア幅の導波路も導波路型磁気光学デバ
イス用の導波路として使用するのに十分な99%以上の
高い変換効率を示した。また、本実施例により作製した
すべての導波路は、導波層の成長を899℃という高い
温度でLPE成長を行ったので、実施例1と同様に鉛や
微結晶の膜中への取り込みが避けられ、いずれのコア幅
の導波路も伝搬損失が導波路型磁気光学デバイス用の導
波路として使用するのに十分な0.5dB/cm以下の低
い値を示した。これらのモード変換効率および伝搬損失
の値は、従来法で作製した本実施例と同様の仕様のYL
IGG埋め込み型ガーネット導波路の値(変換効率28
%、伝搬損失2dB/cm)よりも大幅に優れた値を得る
ことができた。本実施例のガーネット3次元導波路のニ
アフィールドパターンをビデオモニターで観測した結
果、設計どおりの0次モードのみが伝搬されることが確
認され、設計どおりにコア部2と各クラッド層4、3の
屈折率差を制御できていることが実証された。また、本
実施例で作製した導波路を、長さ2.8mmに切断し、
両端にファイバ偏光子を接続して、導波路型光アイソレ
ータとしての特性を評価したところ、いずれの素子にお
いてもアイソレーション25dB以上、挿入損失 1dB
以下の値を示し、従来法で作製した導波路では達成する
ことのできない導波路型光アイソレータとして実用に供
する値を示すことが確認された。
【0010】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
るガーネット導波路の作製方法は、コア部またはリッジ
部と、各種のクラッド層を異なる組成のメルトを用いて
LPE成長することにより、作製した導波路の非相反モ
ード変換効率を、従来の一種類の組成のメルトを用いて
成長温度により屈折率を制御する作製方法に比べ飛躍的
に向上させることができ、また従来の作製方法において
は実現できなかった導波路型磁気光学デバイス用の導波
路に適用するために最低必要とされる96%以上の高い
変換効率を容易に得られるという利点がある。また、本
発明のガーネット導波路の作製方法は、作製した導波路
の伝搬損失が従来の方法で作製した導波路の伝搬損失に
比べ大幅に低減され、従来の作製方法による導波路では
実現できなかった導波路型磁気光学デバイス用の導波路
に適用するための最低限必要とされる1dB/cm以下と
いう極めて小さな伝搬損失の値を容易に得ることができ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガーネット導波路の代表的な構成を示
す模式図で、(a)は埋め込み型、(b)はリブ型の導
波路の構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施例2で示した埋め込み型のガーネ
ット導波路の作製工程を示す図。
【図3】本発明の実施例1で示したリブ型のガーネット
導波路の作製工程を示す図。
【図4】本発明の実施例1で示したリブ型のガーネット
導波路のリッジ幅と波長1.55μmでの非相反モード
変換効率との関係を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例1で示したリブ型のガーネット
導波路のリッジ幅と伝搬損失の関係を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例2で示した埋め込み型のガーネ
ット導波路のコア幅と非相反モード変換効率との関係を
示すグラフ。
【符号の説明】
1…基板 2…コア部 3…下部クラッド層 4…上部クラッド層 5…導波層 6…リッジ部 7…マスク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の基板上に、ランタンとガリウムとイ
    ットリウムを含む鉄ガーネット材料よりなる光束の伝搬
    部位と閉じ込め部位を有するガーネット導波路の作製方
    法において、上記光束の伝搬部位は、上記ランタンとガ
    リウムとイットリウムを含む所定組成の融液を用いて液
    相エピタキシャル成長により導波層を堆積した後、エッ
    チングにより所望の形状に加工する工程を用いて形成
    し、上記光束の閉じ込め部位は、上記光束の伝搬部位の
    形成に用いた融液とは異なる組成のランタンとガリウム
    とイットリウムを含む融液を用いて、液相エピタキシャ
    ル成長により各種のクラッド層を堆積して、上記光束の
    伝搬部位と閉じ込め部位に屈折率差を与える工程を、少
    なくとも含むことを特徴とするガーネット導波路の作製
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1182473A2 (de) * 2000-08-23 2002-02-27 Alcatel Doppelbrechungsfreie passive optische Komponente
US8254745B2 (en) 2007-08-01 2012-08-28 Nec Corporation Optical device, optical integrated device, and method of manufacturing the same

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