JPH0755764B2 - 巻取機の接圧制御装置 - Google Patents
巻取機の接圧制御装置Info
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- JPH0755764B2 JPH0755764B2 JP62038884A JP3888487A JPH0755764B2 JP H0755764 B2 JPH0755764 B2 JP H0755764B2 JP 62038884 A JP62038884 A JP 62038884A JP 3888487 A JP3888487 A JP 3888487A JP H0755764 B2 JPH0755764 B2 JP H0755764B2
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- Japan
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- pressure
- contact force
- control
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65H—HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
- B65H2515/00—Physical entities not provided for in groups B65H2511/00 or B65H2513/00
- B65H2515/30—Forces; Stresses
- B65H2515/34—Pressure, e.g. fluid pressure
Landscapes
- Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)
Description
(産業上の利用分野) 本発明は、巻取機の接圧制御装置に係り、詳しくは糸条
を巻取るボビンホルダと該ボビンホルダに接触するロー
ラとの間の接圧をフィードバック制御により所定値に制
御する装置に関する。 (従来の技術) 一般に、糸条を高速でボビンホルダに巻取りパッケージ
を形成する過程においては、パッケージとローラとの間
の接圧の調整が必要であり、これは糸条の品質に影響を
与える。 従来の巻取機の接圧制御装置としては、例えば特開昭61
−18679号公報や特開昭52−55746号公報に記載のものが
ある。前者の装置では、糸条を巻取るボビンホルダと該
ボビンホルダに接触するローラとの間に接圧を与える流
体シリンダの圧力を圧力制御弁により所定値に固定して
一定圧を付与している。また、後者の装置では、ボビン
ホルダ又はローラがボビンホルダに巻取られるパッケー
ジの巻太りにより移動する距離によって圧力制御弁を制
御することで上記接圧を付与している。 この他に、米国明細書4106710号に記載の装置もあり、
この装置では、上記接圧付与を特に重力を用いて行って
いる。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の巻取機の接圧制御装置
にあっては、制御態様に若干の相違はあるものの、何れ
も接圧を付与する流体シリンダの流体の圧力を圧力制御
弁によって所定値に固定した構成、言い換えれば何れも
フィードフォワード制御という構成となっていたため、
次のような問題点があった。 すなわち、流体シリンダのシール抵抗やスライドシャフ
トの抵抗は時間的に変化することから、例えば巻取り中
に接圧が大きくなった場合はパッケージの端面がはみだ
したり、耳部に糸質斑が発生したりする。一方、接圧が
小さくなった場合はパッケージの表層の糸が中央に向か
って滑るといういわゆる中寄り現象が発生する。 また、巻き取られるパッケージの巻太りに従って接圧を
制御するようになしたものでは、実際の接圧値が検出さ
れていないから、パッケージの径と接圧値の関係を所望
する値に調整することが困難である。さらに、接圧のパ
ターンを変えるときはカム形状を変更する必要があり、
これによると接圧の設定が非常に煩雑なものとなる。 この他に、特公昭61−18503号公報に記載の従来装置も
あるが、この装置では接圧の変動によりボビンホルダの
先端と基端の双方の接圧が共に均一となるように制御す
ることが困難であった。また、ボビンホルダの両端部の
接圧を均一に保ちながらパッケージの巻太りに従って接
圧値を徐々に変更することが不可能であった。 (発明の目的) そこで本発明は、圧接力を検出し、この検出値に基づい
て所定の目標値となるように接圧値をフィードバック制
御することにより、接圧付与機構の特性の経時変化に伴
う圧接力の変動を防止しつつ、巻太りによる圧接力の任
意のパターンの変更に拘らず簡単に、かつ正確に圧接力
を制御して、接圧の変動による糸条の中寄りや糸質斑を
防止し、糸品質を向上させることを目的としている。 (問題点を解決するための手段) 本考案による巻取機の接圧制御装置は上記目的達成のた
め、その基本概念図を第1図に示すように、コンタクト
ローラとボビンホルダ又はパッケージとの間の圧接力を
検出する圧接力検出手段aと、前記圧接力の目標値を設
定する目標値設定手段bと、前記圧接力と前記目標値と
の偏差をなくすような制御値を演算する制御手段cと、
前記制御手段の出力に基づいて前記圧接力を加減操作す
る圧接力可変手段dと、を備え、前記圧接力検出手段a
は、コンタクトローラの軸方向における少なくとも2点
の圧接力を検出するセンサを有し、前記制御手段cは、
コンタクトローラとボビンホルダとの間の圧接力の軸方
向の不均一を修正するための修正値を演算し、前記圧接
力可変手段dは、該修正値に応じてコンタクトローラと
ボビンホルダとの間の軸方向の圧接力をコントロールす
る、ことを特徴とする。 (作用) 本発明では、コンタクトローラとボビンホルダ又はパッ
ケージとの間の圧接力が検出され、この検出値が所定の
目標値となるように圧接力のフィードバック制御が行わ
れる。したがって、圧接力可変手段の特性の経時変化等
に拘らず圧接力の変動が防止されるとともに、圧接力を
任意の最適パターンに簡単かつ正確に制御して、糸条の
中寄りや糸質斑が防止され、糸品質が向上する。さら
に、ボビンホルダの軸方向の圧接力を均一に保つことが
でき、パッケージ全体の糸品質も向上する。 (実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。 第2〜4図は本発明に係る巻取機の接圧制御装置の一実
施例を示す図である。まず、構成を説明する。第2図は
巻取機の正面図であり、この図において、1は巻取機、
2は巻取機1の機枠である。巻取機1の前方にはターレ
ットテーブル3が機枠2に回動可能に取付けられてお
り、ターレットテーブル3には2本のボビンホルダ4、
5が回転可能に突設されている。ボビンホルダ4の上方
にはフレーム6に回転可能に取付けられたフリクション
ローラ7が設けられており、フリクションローラ7は図
示しないモータによって駆動され、ボビンホルダ4に巻
取られるパッケージ8に接触している。フリクションロ
ーラ7の側方には糸条を綾振るためのヤーンガイド9を
有するトラバース装置10が配設されている。 第3図に移り、フレーム6はスライドブロック11に連結
されており、スライドブロック11はピン12を介してスラ
イダ13に係合し、ストッパ14、15の間でピン12を支点と
して揺動可能である。スライダ13はボディ16に固定され
たスライドシャフト17に沿って上下に移動可能であり、
スライダ13には第1のシリンダ18が設けられている。シ
リンダ18はスライドブロック11の先端部に当接するピス
トン19を有し、ピストン19によりスライドブロック11、
フリクションローラ7、フレーム6、トラバース装置10
等の重量によるモーメント力(ピン12を支点とするモー
メント力)を支え、ボビンホルダ4に巻取られるパッケ
ージ8a、8bとフリクションローラ7とがこれらの両端に
おいても所定の均一な圧接力で接触するように接圧を調
整する。シリンダ18には制御弁24から圧空が供給されて
おり、圧空は圧空供給源であるコンプレッサ25からの圧
空の供給を後述のコントロールユニット36からの制御信
号に基づいて制御する。また、スライダ13の下部には第
2のシリンダ22のピストン23の端部が連結されており、
シリンダ22はピストン23によりスライドブロック11、ス
ライダ13、フレーム6、フリクションローラ7、トラバ
ース装置10等の重量を支えるとともに、ピストン23を上
下動させてフリクションローラ7とパッケージ8a、8bの
間に所定の接圧力が作用するようにしている。すなわ
ち、第2のシリンダ22は上記接圧力が所定値となるよう
にスライダ13を移動させ、第1のシリンダ18はその接圧
力のフリクションローラ7における軸方向の不均一を是
正するようにスライドブロック11を移動させる。第2の
シリンダ22には制御弁20から圧空が供給されており、制
御弁20はコンプレッサ21からの圧空の供給をコントロー
ルユニット36からの制御信号に基づいて制御する。上記
スライドブロック11、ピン12、スライダ13、ストッパ1
4、15、ボディ16、スライドシャフト17、シリンダ18、2
2、ピストン19、23、制御弁20、24およびコンプレッサ2
1、25は全体として圧接力可変手段26を構成する。 一方、前記フリクションローラ7はフレーム6に固定さ
れたベアリング31、32によって各々両端を回転自在に支
持されており、フリクションローラ7にはボビンホルダ
4上に巻取られた2つのパッケージ8a、8bが接触してい
る。ベアリング31、32の歪みは各々歪みセンサ(圧接力
検出手段)33、34によって検出されており、歪みセンサ
33、34はベアリング31、32を支える部分のフレーム6の
歪みからパッケージ8a、8bに対するフリクションローラ
7の圧接力を検出する。なお、歪みセンサ33、34として
は、例えばストレインゲージを使用してブリッジ回路を
構成するタイプのものが用いられる。また、歪みセンサ
33、34を両端に設けているのは、フリクションローラ7
の先端と基端の圧接力を別個に検出して接圧が均一とな
るようにするための検出情報を得る必要があるからであ
る。一方、ボビンホルダ4の回転数NBHはボビンホルダ
4の基端部に形成した歯車4aに対抗して配置された回転
数センサ35により検出される。 歪みセンサ33、34および回転数センサ35の出力はコント
ロールユニット36に入力されており、コントロールユニ
ット36にはさらに設定器(目標設定手段)37からの信号
が入力される。設定器37は圧接力、巻取速度等を設定す
る。コントロールユニット36は制御手段としての機能を
有し、CPU38,ROM39、RAM40およびI/Oポート41により構
成される。CPU38はROM39に書き込まれているプログラム
に従って外部データを取り込んだり、またRAM40との間
でデータの授受を行ったりしながら、パッケージ8a、8b
の接圧制御等に必要な処理値を演算処理し、必要に応じ
て処理したデータをI/Oポート41に出力する。I/Oポート
41には歪みセンサ33、34、回転数センサ35および設定器
37からの信号が入力されるとともに、I/Oポート41から
は制御弁20、24への制御信号が出力される。ROM39はCPU
38における実行プログラムやデータを格納しており、RA
M40は外部情報や演算に使用するデータの一時記憶等を
行う。 次に、作用を説明する。 第4図はコントロールユニット36により実行される接圧
制御のプログラムを示すフローチャートである。プログ
ラムがスタートすると、まず、P1でデータおよびフラグ
をクリアし、P2で巻取り時の接圧、ターレット時の接
圧、ヘッド上昇時の圧空圧力等の制御値を設定器37によ
り設定する。これにより、巻取る糸条の種類に応じて最
適値が定められる。次いで、P3で上記設定データを読み
込み、P4でスライダ13が下降するときの制御弁20の制御
圧力(以下、下降設定値という)RG1および該下降設定
値RG1の状態でボビンホルダ4とフリクションローラ7
が接触したとき歪みセンサ33、34で検出される検出値S
a、Sbが同一の値となるような制御弁24の制御圧力(以
下、下降均一設定値という)RG2を設定するとともに、
さらに検出値Sa、Sbおよびこれらの和S′(S′=Sa+
Sb)を算出する。なお、以後の説明では便宜上、制御弁
20の制御圧力RG1を第1制御圧力といい、制御弁24の制
御圧力RG2を第2制御圧力という。 P5では第2制御圧力RG2が上記P4で設定した下降均一設
定値となるように制御し、P6で巻取機1の起動用押ボタ
ンPBがONであるか否かを判別する。OFFのときはP7で第
1制御圧力RG1を上げてスライダ13を上昇させ、P8でフ
ラグをクリアし本装置を停止状態とする。 一方、押ボタンPBがONであるときはステップP9以降に進
み、接圧制御を実行する。まず、P9でターレットフラグ
Jを判別する。ターレットフラグJは、本図に示してい
ない他のプログラムにより満巻のボビンホルダ4から空
のボビンホルダ5に(第2図参照)公知の方法で糸条を
切替えるターレット指令が発せられると
を巻取るボビンホルダと該ボビンホルダに接触するロー
ラとの間の接圧をフィードバック制御により所定値に制
御する装置に関する。 (従来の技術) 一般に、糸条を高速でボビンホルダに巻取りパッケージ
を形成する過程においては、パッケージとローラとの間
の接圧の調整が必要であり、これは糸条の品質に影響を
与える。 従来の巻取機の接圧制御装置としては、例えば特開昭61
−18679号公報や特開昭52−55746号公報に記載のものが
ある。前者の装置では、糸条を巻取るボビンホルダと該
ボビンホルダに接触するローラとの間に接圧を与える流
体シリンダの圧力を圧力制御弁により所定値に固定して
一定圧を付与している。また、後者の装置では、ボビン
ホルダ又はローラがボビンホルダに巻取られるパッケー
ジの巻太りにより移動する距離によって圧力制御弁を制
御することで上記接圧を付与している。 この他に、米国明細書4106710号に記載の装置もあり、
この装置では、上記接圧付与を特に重力を用いて行って
いる。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の巻取機の接圧制御装置
にあっては、制御態様に若干の相違はあるものの、何れ
も接圧を付与する流体シリンダの流体の圧力を圧力制御
弁によって所定値に固定した構成、言い換えれば何れも
フィードフォワード制御という構成となっていたため、
次のような問題点があった。 すなわち、流体シリンダのシール抵抗やスライドシャフ
トの抵抗は時間的に変化することから、例えば巻取り中
に接圧が大きくなった場合はパッケージの端面がはみだ
したり、耳部に糸質斑が発生したりする。一方、接圧が
小さくなった場合はパッケージの表層の糸が中央に向か
って滑るといういわゆる中寄り現象が発生する。 また、巻き取られるパッケージの巻太りに従って接圧を
制御するようになしたものでは、実際の接圧値が検出さ
れていないから、パッケージの径と接圧値の関係を所望
する値に調整することが困難である。さらに、接圧のパ
ターンを変えるときはカム形状を変更する必要があり、
これによると接圧の設定が非常に煩雑なものとなる。 この他に、特公昭61−18503号公報に記載の従来装置も
あるが、この装置では接圧の変動によりボビンホルダの
先端と基端の双方の接圧が共に均一となるように制御す
ることが困難であった。また、ボビンホルダの両端部の
接圧を均一に保ちながらパッケージの巻太りに従って接
圧値を徐々に変更することが不可能であった。 (発明の目的) そこで本発明は、圧接力を検出し、この検出値に基づい
て所定の目標値となるように接圧値をフィードバック制
御することにより、接圧付与機構の特性の経時変化に伴
う圧接力の変動を防止しつつ、巻太りによる圧接力の任
意のパターンの変更に拘らず簡単に、かつ正確に圧接力
を制御して、接圧の変動による糸条の中寄りや糸質斑を
防止し、糸品質を向上させることを目的としている。 (問題点を解決するための手段) 本考案による巻取機の接圧制御装置は上記目的達成のた
め、その基本概念図を第1図に示すように、コンタクト
ローラとボビンホルダ又はパッケージとの間の圧接力を
検出する圧接力検出手段aと、前記圧接力の目標値を設
定する目標値設定手段bと、前記圧接力と前記目標値と
の偏差をなくすような制御値を演算する制御手段cと、
前記制御手段の出力に基づいて前記圧接力を加減操作す
る圧接力可変手段dと、を備え、前記圧接力検出手段a
は、コンタクトローラの軸方向における少なくとも2点
の圧接力を検出するセンサを有し、前記制御手段cは、
コンタクトローラとボビンホルダとの間の圧接力の軸方
向の不均一を修正するための修正値を演算し、前記圧接
力可変手段dは、該修正値に応じてコンタクトローラと
ボビンホルダとの間の軸方向の圧接力をコントロールす
る、ことを特徴とする。 (作用) 本発明では、コンタクトローラとボビンホルダ又はパッ
ケージとの間の圧接力が検出され、この検出値が所定の
目標値となるように圧接力のフィードバック制御が行わ
れる。したがって、圧接力可変手段の特性の経時変化等
に拘らず圧接力の変動が防止されるとともに、圧接力を
任意の最適パターンに簡単かつ正確に制御して、糸条の
中寄りや糸質斑が防止され、糸品質が向上する。さら
に、ボビンホルダの軸方向の圧接力を均一に保つことが
でき、パッケージ全体の糸品質も向上する。 (実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。 第2〜4図は本発明に係る巻取機の接圧制御装置の一実
施例を示す図である。まず、構成を説明する。第2図は
巻取機の正面図であり、この図において、1は巻取機、
2は巻取機1の機枠である。巻取機1の前方にはターレ
ットテーブル3が機枠2に回動可能に取付けられてお
り、ターレットテーブル3には2本のボビンホルダ4、
5が回転可能に突設されている。ボビンホルダ4の上方
にはフレーム6に回転可能に取付けられたフリクション
ローラ7が設けられており、フリクションローラ7は図
示しないモータによって駆動され、ボビンホルダ4に巻
取られるパッケージ8に接触している。フリクションロ
ーラ7の側方には糸条を綾振るためのヤーンガイド9を
有するトラバース装置10が配設されている。 第3図に移り、フレーム6はスライドブロック11に連結
されており、スライドブロック11はピン12を介してスラ
イダ13に係合し、ストッパ14、15の間でピン12を支点と
して揺動可能である。スライダ13はボディ16に固定され
たスライドシャフト17に沿って上下に移動可能であり、
スライダ13には第1のシリンダ18が設けられている。シ
リンダ18はスライドブロック11の先端部に当接するピス
トン19を有し、ピストン19によりスライドブロック11、
フリクションローラ7、フレーム6、トラバース装置10
等の重量によるモーメント力(ピン12を支点とするモー
メント力)を支え、ボビンホルダ4に巻取られるパッケ
ージ8a、8bとフリクションローラ7とがこれらの両端に
おいても所定の均一な圧接力で接触するように接圧を調
整する。シリンダ18には制御弁24から圧空が供給されて
おり、圧空は圧空供給源であるコンプレッサ25からの圧
空の供給を後述のコントロールユニット36からの制御信
号に基づいて制御する。また、スライダ13の下部には第
2のシリンダ22のピストン23の端部が連結されており、
シリンダ22はピストン23によりスライドブロック11、ス
ライダ13、フレーム6、フリクションローラ7、トラバ
ース装置10等の重量を支えるとともに、ピストン23を上
下動させてフリクションローラ7とパッケージ8a、8bの
間に所定の接圧力が作用するようにしている。すなわ
ち、第2のシリンダ22は上記接圧力が所定値となるよう
にスライダ13を移動させ、第1のシリンダ18はその接圧
力のフリクションローラ7における軸方向の不均一を是
正するようにスライドブロック11を移動させる。第2の
シリンダ22には制御弁20から圧空が供給されており、制
御弁20はコンプレッサ21からの圧空の供給をコントロー
ルユニット36からの制御信号に基づいて制御する。上記
スライドブロック11、ピン12、スライダ13、ストッパ1
4、15、ボディ16、スライドシャフト17、シリンダ18、2
2、ピストン19、23、制御弁20、24およびコンプレッサ2
1、25は全体として圧接力可変手段26を構成する。 一方、前記フリクションローラ7はフレーム6に固定さ
れたベアリング31、32によって各々両端を回転自在に支
持されており、フリクションローラ7にはボビンホルダ
4上に巻取られた2つのパッケージ8a、8bが接触してい
る。ベアリング31、32の歪みは各々歪みセンサ(圧接力
検出手段)33、34によって検出されており、歪みセンサ
33、34はベアリング31、32を支える部分のフレーム6の
歪みからパッケージ8a、8bに対するフリクションローラ
7の圧接力を検出する。なお、歪みセンサ33、34として
は、例えばストレインゲージを使用してブリッジ回路を
構成するタイプのものが用いられる。また、歪みセンサ
33、34を両端に設けているのは、フリクションローラ7
の先端と基端の圧接力を別個に検出して接圧が均一とな
るようにするための検出情報を得る必要があるからであ
る。一方、ボビンホルダ4の回転数NBHはボビンホルダ
4の基端部に形成した歯車4aに対抗して配置された回転
数センサ35により検出される。 歪みセンサ33、34および回転数センサ35の出力はコント
ロールユニット36に入力されており、コントロールユニ
ット36にはさらに設定器(目標設定手段)37からの信号
が入力される。設定器37は圧接力、巻取速度等を設定す
る。コントロールユニット36は制御手段としての機能を
有し、CPU38,ROM39、RAM40およびI/Oポート41により構
成される。CPU38はROM39に書き込まれているプログラム
に従って外部データを取り込んだり、またRAM40との間
でデータの授受を行ったりしながら、パッケージ8a、8b
の接圧制御等に必要な処理値を演算処理し、必要に応じ
て処理したデータをI/Oポート41に出力する。I/Oポート
41には歪みセンサ33、34、回転数センサ35および設定器
37からの信号が入力されるとともに、I/Oポート41から
は制御弁20、24への制御信号が出力される。ROM39はCPU
38における実行プログラムやデータを格納しており、RA
M40は外部情報や演算に使用するデータの一時記憶等を
行う。 次に、作用を説明する。 第4図はコントロールユニット36により実行される接圧
制御のプログラムを示すフローチャートである。プログ
ラムがスタートすると、まず、P1でデータおよびフラグ
をクリアし、P2で巻取り時の接圧、ターレット時の接
圧、ヘッド上昇時の圧空圧力等の制御値を設定器37によ
り設定する。これにより、巻取る糸条の種類に応じて最
適値が定められる。次いで、P3で上記設定データを読み
込み、P4でスライダ13が下降するときの制御弁20の制御
圧力(以下、下降設定値という)RG1および該下降設定
値RG1の状態でボビンホルダ4とフリクションローラ7
が接触したとき歪みセンサ33、34で検出される検出値S
a、Sbが同一の値となるような制御弁24の制御圧力(以
下、下降均一設定値という)RG2を設定するとともに、
さらに検出値Sa、Sbおよびこれらの和S′(S′=Sa+
Sb)を算出する。なお、以後の説明では便宜上、制御弁
20の制御圧力RG1を第1制御圧力といい、制御弁24の制
御圧力RG2を第2制御圧力という。 P5では第2制御圧力RG2が上記P4で設定した下降均一設
定値となるように制御し、P6で巻取機1の起動用押ボタ
ンPBがONであるか否かを判別する。OFFのときはP7で第
1制御圧力RG1を上げてスライダ13を上昇させ、P8でフ
ラグをクリアし本装置を停止状態とする。 一方、押ボタンPBがONであるときはステップP9以降に進
み、接圧制御を実行する。まず、P9でターレットフラグ
Jを判別する。ターレットフラグJは、本図に示してい
ない他のプログラムにより満巻のボビンホルダ4から空
のボビンホルダ5に(第2図参照)公知の方法で糸条を
切替えるターレット指令が発せられると
〔0〕から
〔1〕にインクリメントされるもので、ターレット指令
の有無を表している。P9でJ=1のときはP10でターレ
ット中の接圧値を上昇させるために第1、第2制御圧力
RG1、RG2を所定値に設定し、P11でターレット完了か否
かを判別する。完了していないときはP6に戻り、ターレ
ットの完了信号が出力されるまでP9〜P11の処理を繰り
返す。そして、ターレット完了信号が出力されると、P
11からP12に進んでJ=0として、P6に戻る。 一方、P9でJ=0のときはP13に進み、フラグK1を判別
する。最初はステップP1でクリアされているからK1=0
であるため、P14に進む。P14では第1制御圧力RG1を下
降設定値に設定してスライダ13が下降できる状態の圧力
にする。これにより、スライダ13が下降し始める。次い
で、P15でタイマをT1なる値にセットする。T1の値はボ
ビンホルダ4に対しフリクションローラ7が下降して接
触する時間よりも若干長くセットされる。P16ではタイ
マのセット値T1に相当する時間が経過したか(T1がタイ
ムアップしたか)否かを判別し、タイムアップしていな
いときはP6に戻り、タイムアップするとP17でフラグK1
を〔1〕にセットする。これにより、ボビンホルダ4に
対してフリクションローラ7が接触する。次いで、K1=
1であるからP18に進み、フラグK2を判別する。最初は
ステップP1でクリアされているからK2=0であるため、
P19で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを読み込み、P20
で次式に従って差値S1を演算する。 S1=S−S′ =S−(Sa+Sb) …… 但し、S;基準値 P21では差値S1が所定値(本実施例ではS1=0)内であ
るか否かを判別し、所定値内でなければP22でS1=0と
なるように第1制御圧力RG1を調整する。この場合、S1
が正であれば、第1制御圧力RG1を小さく、負であればR
G1を高くする。これにより、シリンダ22のピストン23が
フリクションローラ7に沿ってスライダ13を上下方向に
移動させる。その結果、ボビンホルダ4とフリクション
ローラ7の圧接力が基準値Sとなるようにフィードバッ
ク制御され、従来のようなフィードフォワード制御と異
なり圧接力の変動が避けられる。そして、差値S1が所定
値内になるとP22で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを
読み込む。P24では圧接力が均一であるか否かをチェッ
クするための差値S2(S2=Sa−Sb)を演算し、P25で差
値S2が所定値(本実施例ではS2=0)内であるか否かを
判別する。S2≠0であればS2=0となるようにP26で第
2制御圧力RG2を調整する。この場合、S2が正であれば
第2制御圧力RG2を高くし、負であればRG2を低くする。
これにより、シリンダ18のピストン19がスライドブロッ
ク11の先端部をストッパ14およびストッパ15の間でピン
12を支点として上下方向に揺動させ、ボビンホルダ4に
対するフリクションローラ7の圧接力の軸方向の不均一
が是正される。このようなフィードバック制御により差
値S2がS2=0になると、P27で再び歪みセンサ33、34の
検出値Sa、Sbを読み込み、P28でこれらの検出値Sa、Sb
が所定値内であるか否かを判別する。Sa、Sbが所定値内
でなければP6を経てP18に戻り上記ステップP19〜P28の
処理を繰り返す。この処理は、いわゆる比例・積分演算
制御により実行される。そして、Sa、Sbが所定値になる
とP29でフラグK2を〔1〕にセットしてP6に戻る。 上述したいままでのステップ処理で圧接力が基準値Sと
なり、かつ軸方向の不均一さが是正されたため、次いで
P30で糸掛け完了フラグLを判別する。フラグLはフリ
クションローラ7およびボビンホルダ4の各回転数が所
定値になると、他のプログラムで糸掛け完了信号が出力
されたときセットされて〔1〕となる。糸掛け完了信号
が出力されていなければ、P30からP6に戻り、P9−P13−
P18−P30を経て糸掛け完了信号の出力を待って待機す
る。フラグLが〔1〕になると、P31でボビンホルダ4
の回転数NBHを読み込む。P32ではホルダ回転数NBHと糸
条の巻取り速度Vからパッケージ8a、8bの巻径Dを算出
し、P33で予めプログラミングされた巻径Dと接圧値の
データ(例えばマップ)より接圧の基準値Rを算出す
る。次いで、P34で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを
読み込み、P35で次式に従って基準値Rに対する差値S
3を演算する。 S3=R−(Sa+Sb) …… P36では差値S3が所定値(本実施例ではS3=0)内であ
るか否かを判別し、所定値内でなければP37で第1制御
圧力RG1を調整する。この場合、S3の値が正であれば第
1制御圧力RG1を高くし、負であればRG1を低くする。こ
れにより、パッケージ8a、8bの巻径Dが変化しても(例
えば、巻太りによる変化)、変化に応じた最適の圧接力
となるようにフィードバック制御される。 差値S3が所定値内になると、P37をジャンプしてP38に進
み、再び歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを読み込む。
P39では差値S4(S4=Sa−Sb)を算出し、P40で差値S4が
所定値(本実施例ではS4=0)内であるか否かを判別す
る。所定値内でないときはP41で第2制御圧力RG2を調整
する。この場合も上記同様に、S4の値が正であれば、第
2制御圧力RG2を高くし、負であればRG2を低くする。こ
れにより、パッケージ8a、8bの巻径Dが変化してもフリ
クションローラ7の軸方向の圧接力が不均一とならない
ようにフィードバック制御される。差値S4が所定値内に
なると、P41をジャンプしてP6に戻る。なお、P31〜P41
の処理も比例積分演算制御により実行される。また、上
述の一連の処理中にターレット指令が出されると、P9で
これを判別することは勿論であり、さらに巻取り中に押
しボタンPBがOFFになるとP6からNO命令に分岐してP7、P
8を経た後プログラムが終了するのは前述の通りであ
る。 このように、本実施例ではフリクションローラ7の支持
部の圧接力が歪みセンサ33、34により検出され、ボビン
ホルダ4に対するフリクションローラ7の接圧がパッケ
ージ8a、8bの巻径Dの変化に応じた最適値となるよう
に、圧接力がフィードバック制御されるとともに、フリ
クションローラ7の軸方向の圧接力の不均一がなくなる
ように適切に補正される。したがって、従来と比較して
次のような効果を得ることができる。 (I)フリクションローラ7の支持部の圧接力のフィー
ドバック制御により、シリンダ18、22のシール抵抗やス
ライドシャフト17の抵抗の経時的な変化に拘らず、圧接
力の変動を防止することができる。 (II)パッケージ8a、8bの巻太りに従って圧接力を精度
良く漸減させたりあるいは増大させることができる。そ
ればかりでなく、従来のように圧接力のパターンを決め
るカムを必要とせず、マイクロコンピュータに接圧制御
のための関数又はパターンを記憶・演算させるのみでよ
く、圧接力の設定、パターンの変更が容易にできる。 (III)ボビンホルダ4に巻取られるパッケージ8a、8b
の重量の増大によるボビンホルダ4の撓みに対して、フ
リクションローラ7を揺動するようになした巻取機にお
いても、ボビンホルダ4の先端と基端の両側の圧接力を
共に均一に保つことが可能となる。 (IV)以上のような効果により、巻取り中パッケージ8
a、8bに圧接力が均一に精度良く付与されるため、接圧
過多によるパッケージ8a、8bの端面のはみ出し、接圧低
下によるパッケージ8a、8bの表層が中央に向かって滑る
中寄り現象および接圧過多によるパッケージ8a、8bの耳
部の糸質斑を防止することができ、完巻き率の向上およ
び糸品質の向上を図ることができる。 なお、上記実施例は制御演算をマイクロコンピュータに
より実現した例であるが、本発明はこれに限らず、ワイ
ヤードロジック回路によっても実現することができ、そ
れを第2実施例として次に示す。 第5図は本発明の第2実施例を示す図であり、本実施例
ではコントロールユニット51の構成が第1実施例と異な
り、その他は同様であり同一番号が付されている。コン
トロールユニット51において、比較回路52は歪みセンサ
33、34の検出値Sa、Sbを比較してその演算結果をPI演算
制御回路53に出力し、PI演算制御回路53はフリクション
ローラ7の両端の圧接力が均一となるような制御値をPI
演算により求め、その処理値を制御弁24に出力する。加
算回路54は上記検出値Sa、Sbを加算し、比較回路55はそ
の加算値を乗算回路56の出力と比較する。乗算回路56に
は設定器37からの出力およびパターン設定回路57からの
出力が入力される。一方、巻取速度算出回路58は糸条の
巻取速度Vを演算(又は、設定器であってもよい)し、
巻径算出回路59は回転数センサ35の検出値NBHおよび巻
取速度Vに基づいてパッケージ8a、8bの巻径Dを算出す
る。前記パターン設定回路57は巻径Dからそのときの接
圧の最適パターンを設定し、乗算回路56は設定器37によ
り設定されたデータに対応する最適パターンとなるよう
な基準値を求めて比較回路55に出力する。比較回路55は
加算回路54および乗算回路56の出力を比較し、PI演算制
御回路60は比較回路55の出力に基づいて巻径Dの変化に
伴う接圧パターンやフリクションローラ7の軸方向にお
ける圧接力の不均一を是正するような制御値を演算し、
その処理値を制御弁20に出力する。 したがって、この第2実施例においても回路構成は異な
るものの、第1実施例と同様の効果を得ることができ
る。 なお、上記各実施例ではフリクションローラでボビンホ
ルダを駆動するようにしたフリクションドライブ方式の
巻取機について説明したが、本発明はこのような方式に
限らず、例えばボビンホルダをモータで直接駆動し、該
ボビンホルダと接触して駆動されるコンタクトローラの
回転数又は糸条の張力を検出し、これが所定値となるよ
うになしたスピンドルドライブ方式の巻取機にも適用で
きる。 また、フリクションローラに作用する力を検出するセン
サとしては歪みセンサに限らず、感圧素子又は変位計を
用いるようにしてもよい。 さらに、上記各実施例では制御弁の圧力のコントロール
にソレノイドの吸引力を変えてその2次側圧空圧力を調
整する方法を採用したが、ソレノイドをパルス状に作動
させて2次側圧空圧力を調整する方法又は形状記憶合金
に電圧を付加してノイズの開口度を調整し、これにより
パイロット圧力を変えて2次側圧空圧力をコントロール
するようになした減圧弁を用いるようにしてもよい。 本実施例では巻径の算出にボビンホルダの回転数を直接
検出してその値を使用したが、スライダの移動量を使用
しても良い。スピンドル駆動巻取機の場合は、ボビンホ
ルダの回転数の代わりにボビンホルダを駆動するモータ
に電源を供給するインバータの周波数を使用してもよ
い。本実施例の圧空供給源、コンプレッサ21、25は共通
の圧空供給源であっても良い。 (効果) 本発明によれば、コンタクトローラとボビンホルダ又は
パッケージ間との圧接力を検出し、この検出値が所定の
目標値となるように圧接力をフィードバック制御してい
るので、圧接力可変手段の特性の経時変化等に拘らず、
圧接力の変動を防止することができるとともに、圧接力
を任意の最適パターンに簡単かつ正確に制御することが
できる。その結果、糸条の中寄りや糸質斑を防止して糸
品質を向上させることができる。さらに、ボビンホルダ
の軸方向の圧接力を均一に保つことができ、パッケージ
全体の糸品質をも向上させることができる。
〔1〕にインクリメントされるもので、ターレット指令
の有無を表している。P9でJ=1のときはP10でターレ
ット中の接圧値を上昇させるために第1、第2制御圧力
RG1、RG2を所定値に設定し、P11でターレット完了か否
かを判別する。完了していないときはP6に戻り、ターレ
ットの完了信号が出力されるまでP9〜P11の処理を繰り
返す。そして、ターレット完了信号が出力されると、P
11からP12に進んでJ=0として、P6に戻る。 一方、P9でJ=0のときはP13に進み、フラグK1を判別
する。最初はステップP1でクリアされているからK1=0
であるため、P14に進む。P14では第1制御圧力RG1を下
降設定値に設定してスライダ13が下降できる状態の圧力
にする。これにより、スライダ13が下降し始める。次い
で、P15でタイマをT1なる値にセットする。T1の値はボ
ビンホルダ4に対しフリクションローラ7が下降して接
触する時間よりも若干長くセットされる。P16ではタイ
マのセット値T1に相当する時間が経過したか(T1がタイ
ムアップしたか)否かを判別し、タイムアップしていな
いときはP6に戻り、タイムアップするとP17でフラグK1
を〔1〕にセットする。これにより、ボビンホルダ4に
対してフリクションローラ7が接触する。次いで、K1=
1であるからP18に進み、フラグK2を判別する。最初は
ステップP1でクリアされているからK2=0であるため、
P19で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを読み込み、P20
で次式に従って差値S1を演算する。 S1=S−S′ =S−(Sa+Sb) …… 但し、S;基準値 P21では差値S1が所定値(本実施例ではS1=0)内であ
るか否かを判別し、所定値内でなければP22でS1=0と
なるように第1制御圧力RG1を調整する。この場合、S1
が正であれば、第1制御圧力RG1を小さく、負であればR
G1を高くする。これにより、シリンダ22のピストン23が
フリクションローラ7に沿ってスライダ13を上下方向に
移動させる。その結果、ボビンホルダ4とフリクション
ローラ7の圧接力が基準値Sとなるようにフィードバッ
ク制御され、従来のようなフィードフォワード制御と異
なり圧接力の変動が避けられる。そして、差値S1が所定
値内になるとP22で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを
読み込む。P24では圧接力が均一であるか否かをチェッ
クするための差値S2(S2=Sa−Sb)を演算し、P25で差
値S2が所定値(本実施例ではS2=0)内であるか否かを
判別する。S2≠0であればS2=0となるようにP26で第
2制御圧力RG2を調整する。この場合、S2が正であれば
第2制御圧力RG2を高くし、負であればRG2を低くする。
これにより、シリンダ18のピストン19がスライドブロッ
ク11の先端部をストッパ14およびストッパ15の間でピン
12を支点として上下方向に揺動させ、ボビンホルダ4に
対するフリクションローラ7の圧接力の軸方向の不均一
が是正される。このようなフィードバック制御により差
値S2がS2=0になると、P27で再び歪みセンサ33、34の
検出値Sa、Sbを読み込み、P28でこれらの検出値Sa、Sb
が所定値内であるか否かを判別する。Sa、Sbが所定値内
でなければP6を経てP18に戻り上記ステップP19〜P28の
処理を繰り返す。この処理は、いわゆる比例・積分演算
制御により実行される。そして、Sa、Sbが所定値になる
とP29でフラグK2を〔1〕にセットしてP6に戻る。 上述したいままでのステップ処理で圧接力が基準値Sと
なり、かつ軸方向の不均一さが是正されたため、次いで
P30で糸掛け完了フラグLを判別する。フラグLはフリ
クションローラ7およびボビンホルダ4の各回転数が所
定値になると、他のプログラムで糸掛け完了信号が出力
されたときセットされて〔1〕となる。糸掛け完了信号
が出力されていなければ、P30からP6に戻り、P9−P13−
P18−P30を経て糸掛け完了信号の出力を待って待機す
る。フラグLが〔1〕になると、P31でボビンホルダ4
の回転数NBHを読み込む。P32ではホルダ回転数NBHと糸
条の巻取り速度Vからパッケージ8a、8bの巻径Dを算出
し、P33で予めプログラミングされた巻径Dと接圧値の
データ(例えばマップ)より接圧の基準値Rを算出す
る。次いで、P34で歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを
読み込み、P35で次式に従って基準値Rに対する差値S
3を演算する。 S3=R−(Sa+Sb) …… P36では差値S3が所定値(本実施例ではS3=0)内であ
るか否かを判別し、所定値内でなければP37で第1制御
圧力RG1を調整する。この場合、S3の値が正であれば第
1制御圧力RG1を高くし、負であればRG1を低くする。こ
れにより、パッケージ8a、8bの巻径Dが変化しても(例
えば、巻太りによる変化)、変化に応じた最適の圧接力
となるようにフィードバック制御される。 差値S3が所定値内になると、P37をジャンプしてP38に進
み、再び歪みセンサ33、34の検出値Sa、Sbを読み込む。
P39では差値S4(S4=Sa−Sb)を算出し、P40で差値S4が
所定値(本実施例ではS4=0)内であるか否かを判別す
る。所定値内でないときはP41で第2制御圧力RG2を調整
する。この場合も上記同様に、S4の値が正であれば、第
2制御圧力RG2を高くし、負であればRG2を低くする。こ
れにより、パッケージ8a、8bの巻径Dが変化してもフリ
クションローラ7の軸方向の圧接力が不均一とならない
ようにフィードバック制御される。差値S4が所定値内に
なると、P41をジャンプしてP6に戻る。なお、P31〜P41
の処理も比例積分演算制御により実行される。また、上
述の一連の処理中にターレット指令が出されると、P9で
これを判別することは勿論であり、さらに巻取り中に押
しボタンPBがOFFになるとP6からNO命令に分岐してP7、P
8を経た後プログラムが終了するのは前述の通りであ
る。 このように、本実施例ではフリクションローラ7の支持
部の圧接力が歪みセンサ33、34により検出され、ボビン
ホルダ4に対するフリクションローラ7の接圧がパッケ
ージ8a、8bの巻径Dの変化に応じた最適値となるよう
に、圧接力がフィードバック制御されるとともに、フリ
クションローラ7の軸方向の圧接力の不均一がなくなる
ように適切に補正される。したがって、従来と比較して
次のような効果を得ることができる。 (I)フリクションローラ7の支持部の圧接力のフィー
ドバック制御により、シリンダ18、22のシール抵抗やス
ライドシャフト17の抵抗の経時的な変化に拘らず、圧接
力の変動を防止することができる。 (II)パッケージ8a、8bの巻太りに従って圧接力を精度
良く漸減させたりあるいは増大させることができる。そ
ればかりでなく、従来のように圧接力のパターンを決め
るカムを必要とせず、マイクロコンピュータに接圧制御
のための関数又はパターンを記憶・演算させるのみでよ
く、圧接力の設定、パターンの変更が容易にできる。 (III)ボビンホルダ4に巻取られるパッケージ8a、8b
の重量の増大によるボビンホルダ4の撓みに対して、フ
リクションローラ7を揺動するようになした巻取機にお
いても、ボビンホルダ4の先端と基端の両側の圧接力を
共に均一に保つことが可能となる。 (IV)以上のような効果により、巻取り中パッケージ8
a、8bに圧接力が均一に精度良く付与されるため、接圧
過多によるパッケージ8a、8bの端面のはみ出し、接圧低
下によるパッケージ8a、8bの表層が中央に向かって滑る
中寄り現象および接圧過多によるパッケージ8a、8bの耳
部の糸質斑を防止することができ、完巻き率の向上およ
び糸品質の向上を図ることができる。 なお、上記実施例は制御演算をマイクロコンピュータに
より実現した例であるが、本発明はこれに限らず、ワイ
ヤードロジック回路によっても実現することができ、そ
れを第2実施例として次に示す。 第5図は本発明の第2実施例を示す図であり、本実施例
ではコントロールユニット51の構成が第1実施例と異な
り、その他は同様であり同一番号が付されている。コン
トロールユニット51において、比較回路52は歪みセンサ
33、34の検出値Sa、Sbを比較してその演算結果をPI演算
制御回路53に出力し、PI演算制御回路53はフリクション
ローラ7の両端の圧接力が均一となるような制御値をPI
演算により求め、その処理値を制御弁24に出力する。加
算回路54は上記検出値Sa、Sbを加算し、比較回路55はそ
の加算値を乗算回路56の出力と比較する。乗算回路56に
は設定器37からの出力およびパターン設定回路57からの
出力が入力される。一方、巻取速度算出回路58は糸条の
巻取速度Vを演算(又は、設定器であってもよい)し、
巻径算出回路59は回転数センサ35の検出値NBHおよび巻
取速度Vに基づいてパッケージ8a、8bの巻径Dを算出す
る。前記パターン設定回路57は巻径Dからそのときの接
圧の最適パターンを設定し、乗算回路56は設定器37によ
り設定されたデータに対応する最適パターンとなるよう
な基準値を求めて比較回路55に出力する。比較回路55は
加算回路54および乗算回路56の出力を比較し、PI演算制
御回路60は比較回路55の出力に基づいて巻径Dの変化に
伴う接圧パターンやフリクションローラ7の軸方向にお
ける圧接力の不均一を是正するような制御値を演算し、
その処理値を制御弁20に出力する。 したがって、この第2実施例においても回路構成は異な
るものの、第1実施例と同様の効果を得ることができ
る。 なお、上記各実施例ではフリクションローラでボビンホ
ルダを駆動するようにしたフリクションドライブ方式の
巻取機について説明したが、本発明はこのような方式に
限らず、例えばボビンホルダをモータで直接駆動し、該
ボビンホルダと接触して駆動されるコンタクトローラの
回転数又は糸条の張力を検出し、これが所定値となるよ
うになしたスピンドルドライブ方式の巻取機にも適用で
きる。 また、フリクションローラに作用する力を検出するセン
サとしては歪みセンサに限らず、感圧素子又は変位計を
用いるようにしてもよい。 さらに、上記各実施例では制御弁の圧力のコントロール
にソレノイドの吸引力を変えてその2次側圧空圧力を調
整する方法を採用したが、ソレノイドをパルス状に作動
させて2次側圧空圧力を調整する方法又は形状記憶合金
に電圧を付加してノイズの開口度を調整し、これにより
パイロット圧力を変えて2次側圧空圧力をコントロール
するようになした減圧弁を用いるようにしてもよい。 本実施例では巻径の算出にボビンホルダの回転数を直接
検出してその値を使用したが、スライダの移動量を使用
しても良い。スピンドル駆動巻取機の場合は、ボビンホ
ルダの回転数の代わりにボビンホルダを駆動するモータ
に電源を供給するインバータの周波数を使用してもよ
い。本実施例の圧空供給源、コンプレッサ21、25は共通
の圧空供給源であっても良い。 (効果) 本発明によれば、コンタクトローラとボビンホルダ又は
パッケージ間との圧接力を検出し、この検出値が所定の
目標値となるように圧接力をフィードバック制御してい
るので、圧接力可変手段の特性の経時変化等に拘らず、
圧接力の変動を防止することができるとともに、圧接力
を任意の最適パターンに簡単かつ正確に制御することが
できる。その結果、糸条の中寄りや糸質斑を防止して糸
品質を向上させることができる。さらに、ボビンホルダ
の軸方向の圧接力を均一に保つことができ、パッケージ
全体の糸品質をも向上させることができる。
第1図は本発明の基本概念図、第2〜4図は本発明に係
る巻取機の接圧制御装置の第1実施例を示す図であり、
第2図はその巻取機の正面図、第3図はその全体構成
図、第4図はその接圧制御のプログラムを示すフローチ
ャート、第5図は本発明に係る巻取機の接圧制御装置の
第2実施例を示すその全体構成図である。 1……巻取機、4、5……ボビンホルダ、7……フリク
ションローラ、8a、8b……パッケージ、10……トラバー
ス装置、26……圧接力可変手段、33、34……歪みセン
サ、36、51……コントロールユニット(制御手段)、37
……設定器(目標設定手段)。
る巻取機の接圧制御装置の第1実施例を示す図であり、
第2図はその巻取機の正面図、第3図はその全体構成
図、第4図はその接圧制御のプログラムを示すフローチ
ャート、第5図は本発明に係る巻取機の接圧制御装置の
第2実施例を示すその全体構成図である。 1……巻取機、4、5……ボビンホルダ、7……フリク
ションローラ、8a、8b……パッケージ、10……トラバー
ス装置、26……圧接力可変手段、33、34……歪みセン
サ、36、51……コントロールユニット(制御手段)、37
……設定器(目標設定手段)。
Claims (1)
- 【請求項1】a)コンタクトローラとボビンホルダ又は
パッケージとの間の圧接力を検出する圧接力検出手段
と、 b)前記圧接力の目標値を設定する目標値設定手段と、 c)前記圧接力と前記目標値との偏差をなくすような制
御値を演算する制御手段と、 d)前記制御手段の出力に基づいて前記圧接力を加減操
作する圧接力可変手段と、を備え、 前記圧接力検出手段は、コンタクトローラの軸方向にお
ける少なくとも2点の圧接力を検出するセンサを有し、 前記制御手段は、コンタクトローラとボビンホルダとの
間の圧接力の軸方向の不均一を修正するための修正値を
演算し、 前記圧接力可変手段は、該修正値に応じてコンタクトロ
ーラとボビンホルダとの間の軸方向の圧接力をコントロ
ールする、ことを特徴とする巻取機の接圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62038884A JPH0755764B2 (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 巻取機の接圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62038884A JPH0755764B2 (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 巻取機の接圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63208479A JPS63208479A (ja) | 1988-08-29 |
JPH0755764B2 true JPH0755764B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=12537635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62038884A Expired - Fee Related JPH0755764B2 (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 巻取機の接圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0755764B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3012761B2 (ja) * | 1993-11-10 | 2000-02-28 | 東レエンジニアリング株式会社 | 糸条巻取機 |
CN1155499C (zh) * | 1998-03-26 | 2004-06-30 | 帝人制机株式会社 | 丝条切换卷绕机与卷绕方法 |
US6622956B2 (en) * | 2000-11-08 | 2003-09-23 | Murata Kikai Kabushiki Kaisha | Take-up winder |
WO2020148184A1 (de) * | 2019-01-18 | 2020-07-23 | Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg | Verfahren zum aufwickeln mehrerer fäden zu spulen sowie eine aufspulmaschine |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6020308A (ja) * | 1983-07-13 | 1985-02-01 | Sanyo Electric Co Ltd | 磁気ヘツド |
JPS6047187A (ja) * | 1983-08-24 | 1985-03-14 | 株式会社ファニーパーツカシワギ | 板ガラスの支持フレ−ム |
JPS60258070A (ja) * | 1984-06-04 | 1985-12-19 | Murata Mach Ltd | 糸巻取装置 |
-
1987
- 1987-02-20 JP JP62038884A patent/JPH0755764B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63208479A (ja) | 1988-08-29 |
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