JPH0753877A - ユインタイト誘導トナーおよびそれを使用する印刷インキ - Google Patents

ユインタイト誘導トナーおよびそれを使用する印刷インキ

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JPH0753877A
JPH0753877A JP5176633A JP17663393A JPH0753877A JP H0753877 A JPH0753877 A JP H0753877A JP 5176633 A JP5176633 A JP 5176633A JP 17663393 A JP17663393 A JP 17663393A JP H0753877 A JPH0753877 A JP H0753877A
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E Romagosa Enrique
イー.ロマゴサ エンリッケ
F Cooper John
エフ.クーパー ジョン
Nuzoro Michael
ヌゾロ マイクル
Lane Michael
レーン マイクル
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American Gilsonite Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予め定められた性質をもって製造することが
容易であり、特に粘度特性に優れている、複写および印
刷用に有効なトナー組成物およびインキ組成物の提供。 【構成】 ユインタイトの精製画分および熱可塑性重合
体を含んでいる組成物である。好ましくは、溶剤抽出に
よって誘導された、ユインタイトのマルテン豊富画分;
熱可塑性重合体; および着色剤を含んでいる組成物であ
る。ユインタイトのマルテン豊富画分は軟化点が低く、
安定な溶液粘度を有し、しかも多機能性であり、重合体
の代わり、電荷剤の代わり、着色剤の代わりを果たすこ
ともできる。これは電子写真用トナーとして、また印刷
インキとして有利である。さらに、ユインタイトのマル
テン豊富画分を含んでいる印刷用インキ乳濁物も提供さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は特に電子写真式複写および印刷
に有効な物質の新規組成物に関する。より詳しくは、本
発明は、溶剤抽出によって誘導された、実質的に低下し
たアスファルテン(asphaltene) 含量を有する、ユイン
タイト(uintaite)の精製画分を、熱可塑性重合体または
着色剤と組み合わせて含んでいる、組成物に関する。こ
れら組成物は特にトナーやインキに有効である。
【0002】
【発明の背景】電子写真式複写は強い光照射によって静
電潜像を形成する方式である。この潜像を、着色微細粉
末、すなわち、乾式トナーを使用して、現像し、そして
転写して一般に標準的普通紙上に可視像を得る。Kirk-O
thmer の化学技術事典(Encyclopedia of Chemical Tech
nology) 第3版第8巻(1978年)第794〜826
頁参照。その内容は本願明細書中に記載の一部として組
み入れられる。また、アメリカン インキ メーカー
(American Ink Maker) 1987年7月号第18〜20
頁の「電子写真式複写プロセス用トナーの顔料ブラック
(Pigment Blacks inToners for Electrophotographic C
opying Process)」参照。その内容は本願明細書中に記
載の一部として組み入れられる。
【0003】異なるトナーを必要とする様々な複写機が
存在しているが、電子写真の幾つかの工程は殆ど全ての
システムに共通である。第一工程はコロナ放電による半
導体光導電体の静電的帯電すなわち感光性賦与である。
それから、露光によって、この光受容体表面上に、複写
されるべき原稿の静電潜像が形成される。この潜像は原
稿の明暗部の強度に対応している。この静電像は、反対
の摩擦帯電電荷を有するトナーとの接触によって現像さ
れる。それから、トナー粒子は半導体層から像担体たと
えば紙の上に転写される。最終的に、画像は、一般に熱
および/または圧力によって、定着される。最後に、光
受容体はトナーを清掃され、そして残留電荷を中和され
る。
【0004】複写機にはトナーとして様々な材料が使用
されてきた。これらは、材料科学工学事典(Encyclopedi
a of Materials Science and Engineering) 第2巻第1
503〜1508頁(1986年)に記載されている。
その内容は本願明細書中に記載の一部として組み入れら
れる。代表的には、熱可塑性有機重合体が着色剤および
電荷剤と共に使用されている。大抵の商業的トナーに使
用されている主要な熱可塑性樹脂は、アクリレートまた
はメタクリレートとスチレンの共重合体である。電荷剤
はアンモニウム塩や染料のような多様な成分を包含す
る。天然の鉱物性ユインタイトはトナー組成物中に使用
されてきた。
【0005】望ましいトナーの諸性質は、低コスト、硬
度、粉末になり易さ、疎水性、紙への良好な接着性、お
よび約60℃のガラス転移温度などである。レオロジー
および電荷特性は定着方法と調和していなければならな
い。
【0006】ユインタイトは天然に産する炭化水素鉱物
である。天然産物としてのユインタイトの化学的性質お
よび物理的性質は多様であり、その産出源に強く依存す
る。ユインタイトは「ギルソナイト(gilsonite) 」とも
呼ばれているが、この用法は正確ではない; ギルソナイ
トはユタ州ソルトレーク シティ在のアメリカ ギルソ
ナイト社の登録商標である。アメリカ ギルソナイト社
は様々なギルソナイト(登録商標)樹脂を販売してお
り、幾つかはそれらの軟化点(リングおよびボール)に
よって同定されている。たとえば、一般用(GP)ギル
ソナイト(登録商標)銘の樹脂は約350°Fの軟化点
を有している。より高価な等級のユインタイトはより低
い軟化点を有している; これらはギルソナイト(登録商
標)「セレクト」を包含し、その最も低い軟化点は約2
90°Fである。これら天然ユインタイトの軟化点は鉱
物を生産するときに採掘した源鉱脈に主として依存す
る。ユインタイトは前記のKirk-Othmer の化学技術事典
第3版第11巻(1980年)第802〜806頁に記
載されており、その内容は本願明細書中に記載の一部と
して組み入れられる。
【0007】ユインタイトは独特の物質である。それは
本性が主として炭化水素であり、非常に光沢がありかつ
硬く、そして高い溶融粘度を有する。それはしばしばア
スファルトに匹敵するが、その諸性質の多くはアスファ
ルトとは明瞭に異なる。
【0008】ユインタイトは画分に分離されてきた。た
とえば、ユインタイトから含窒素化合物を抽出するには
硫酸が使用されてきた。Baarson 他の米国特許第3,4
14,128号には、泡浮上法におけるユインタイトか
ら得た窒素系物質の使用を記載している。この特許はま
た、熱クラッキングおよび蒸留によって調製した、ユン
イタイトの画分を開示している。
【0009】ユインタイトはまた、溶剤抽出によっても
分別されてきた。これら画分のサンプルは1950年代
から入手可能であったと思われる。
【0010】また、アスファルトやユインタイトのよう
なビチューメンの(bituminous)物質は、脂肪族および芳
香族炭化水素を含有する混合物のための「抽出剤」とし
て使用されてきた; Garwinの米国特許第3,190,9
34号参照。
【0011】先に言及したように、ユインタイトはトナ
ー組成物中に使用されてきた。ユインタイトを含有する
トナーの一例はマツオ他の米国特許第3,652,31
5号であり、そこには、ユインタイトおよびカーボンブ
ラックを組成物中の着色剤として使用することが開示さ
れており、そこでは、トナー粒子はシリコーン油のよう
な液体で被覆されている。別の例はクリタ他の米国特許
第3,671,646号であり、その特許は実施例4
に、天然ユインタイトを含有する静電写真用液体現像剤
を開示している。ユインタイトを含有する更に別のトナ
ー組成物はサワイ他の米国特許第4,254,201号
に記載されている。ユインタイトは感圧性接着剤物質、
粘着付与剤として記載されている。
【0012】天然ユインタイトは印刷インキにも使用さ
れてきた。諸星インキ株式会社の特開昭60−7167
5号は、ユインタイトを油中に溶解することによって製
造した低粘度平版印刷インキを記載している。Thielen
の米国特許第3,427,967号は、高い等級のユイ
ンタイトからなる低凝縮インキを記載している。Gambli
ngの米国特許第4,773,932号は、顔料、油、タ
ル油ピッチおよび任意的にはギルソナイトを含んでいる
印刷インキを教示している。この特許は、これら組成物
は摩擦落ちが通常のインキに比べて減少していることを
教示している。
【0013】Burrisの米国特許第4,193,815号
は、33〜95%のギルソナイトを、約450°Fより
高い沸点の石油炭化水素(たとえば、ジーゼル油、ガス
油、潤滑油およびアスファルト)および本質的に水と少
量の乳化剤からなる水相と一緒に含有している、ギルソ
ナイト(ユインタイト)乳化組成物を教示している。教
示されている乳化剤は、中でも、高級脂肪酸のアルカリ
金属塩、または動物油もしくは植物油から入手可能な酸
の混合物を包含する。乳化剤の量は組成物全体の重量の
0.05〜約5%である。これら組成物は断熱板の製造
や印刷インキに有効であると記載されている。Burrisの
米国特許第4,282,037号は類似の組成物を教示
している。
【0014】さらに、特公昭55−18468号は、無
機酸またはその塩を含有する水溶液を、HLB8〜18
の非イオン界面活性剤によって、石油樹脂、硬化ロジ
ン、エステルガム、タル油ピッチおよびギルソナイトか
ら選択された一つまたはそれ以上の樹脂を鉱物油中に溶
解することによって生成されたビヒクルと共に、乳化す
ることによって製造された印刷インキを教示している。
【0015】上記特許はいずれも、天然ユインタイトか
らなる組成物を教示している。しかしながら、トナーま
たはインキの中にユインタイトを使用したときには多数
の問題が観察される。これら問題はユインタイトの物理
的性質および化学的性質に関連している。たとえば、ユ
インタイトは非常に高い軟化点および非常に高い溶融粘
度並びに溶液粘度を有している。これら性質は標準的手
法を使用してのトナーやインキの製造にユインタイトを
使用することを困難にさせる。また、採掘されたままの
ユインタイトは一般に天然産鉱物性不溶分を含有してお
り、この不溶分は加工中または使用中に問題となること
があり、特に、ユインタイトを液中に使用しているイン
キの場合には問題となる。さらに、ユインタイトの溶液
での粘度は時間の経過と共に増加する。この粘度不安定
性はユインタイトを溶液で取り扱うことを困難にさせ、
そして溶液を或る時間貯蔵する分野ではその使用を妨げ
る。
【0016】さらに、ユインタイトの臭いは拒絶されや
すいことが判明しており; そして、その、有機溶剤との
相溶性および有機溶剤中への溶解度は限定される。
【0017】ユインタイトによる非常に重大な問題はそ
の性質の多様性にある。ユインタイトは天然産物である
ので、その物理的性質および化学的性質はその産出源に
強く依存する。従って、その使用、たとえば、電子写真
での使用は、一定の経験および監視を必要とし、そのこ
とは大抵の通常の複写システムにおけるその有効性およ
び適応性を有意に低下させる。産出源は多様であるの
で、ユインタイトの性質は変動する。
【0018】ユインタイトの望ましい性質、たとえば、
その光沢、を有し、ユインタイトの欠点、たとえば、望
ましくないほどに高い溶融粘度および硬度、および溶液
での粘度不安定性、を有さず、かつトナーに有効であ
る、組成物を提供できるならば、有益であろう。
【0019】予め定められた諸性質を有するユインタイ
ト誘導組成物であって、熱可塑性樹脂、着色剤またはそ
の両方と組み合わせて電子写真または印刷に有効である
前記組成物を提供できるならば、有益であろう。
【0020】トナー組成物中の熱可塑性樹脂として、正
電荷剤として、かつ着色剤として作用することができる
単一材料を提供できるならば、有益であろう。
【0021】その他の要因の中でも、ユインタイトの精
製画分はトナー組成物中の合成重合体の部分的代わりを
することができ、しかも電荷剤を必要としないように十
分な電荷を付与するということが、予想外にも、判明し
た。本発明の一つの目的は電子写真に有効な組成物を提
供することである。本発明の別の目的は印刷に有効な組
成物を提供することである。本発明の更に別の目的は当
業者には明らかになろう。
【0022】
【発明の概要】本発明は複写および印刷に有効な組成物
である。一態様において、この組成物はユインタイトの
精製画分および熱可塑性重合体を含んでいる。好ましく
は、組成物は溶剤抽出によって誘導されたユインタイト
のマルテン(maltene) 豊富画分、熱可塑性重合体および
任意的には着色剤を含んでいる。
【0023】別の態様においては、本発明は、静電潜像
を形成し、前記潜像をユインタイトの精製画分からなる
トナーによって現像し、そして前記トナーを定着する工
程を含んでいる電子写真方法である。
【0024】
【本発明の好ましい態様の詳細】定義 本願明細中に使用されるとき、用語「ユインタイト」、
「ギルソナイト(登録商標)樹脂」、または「天然ユイ
ンタイト」は、天然に産する炭化水素鉱物、ユインタイ
トを称している。前記のKirk-Othmer の化学技術事典第
3版第11巻第802〜806頁参照。その内容は本願
明細書中に記載の一部として組み入れられる。ギルソナ
イトはユタ州ソルトレークシティ在のアメリカ ギルソ
ナイト社の登録商標である。
【0025】ER樹脂は「工学的に作り出した樹脂 (en
gineered resin) 」であり; 用語「ER樹脂」または
「ギルソナイト(登録商標)ER樹脂」は、本願明細中
に使用されるとき、ユインタイトの精製画分を意味す
る。これら画分は天然ユインタイトに比べて実質的にマ
ルテンまたはアスファルテンに富む。単に、ユインタイ
トを、ユインタイトが可溶性である溶剤(すなわち、約
90%より以上のユインタイトを溶解する溶剤)の中に
溶解し、そしてこの溶液を濾過することからは、ここに
定義されているようなユインタイトの精製画分は生成さ
れない。かかる単なる濾過法はアスファルテン/マルテ
ン比率を天然ユインタイトのかかる比率から実質的に変
化させない。従って、かかる方法は、本発明に有効な、
ユインタイトのアスファルテン豊富な及びマルテン豊富
な精製画分を生じない。
【0026】本願明細書中に使用されるとき、用語「マ
ルテン」は、微粉砕ユインタイトを80℃の温ヘプタン
20容量と1時間攪拌しながら接触させ、そしてこの温
溶液を0.8μフィルターに通して濾過した場合の、溶
解された、ユインタイトの画分を称する。ユインタイト
のマルテン豊富画分、たとえば、ER−140およびE
R−115は、約6より大きい、好ましくは、約15よ
り大きいマルテン/アスファルテン重量比を有する; 最
も好ましくは、これら樹脂はアスファルテンを実質的に
含有しない、すなわち、アルファルテンが2重量%未満
である。さらに、これら樹脂はまた、灰分を実質的に含
有しない。
【0027】マルテン豊富なER樹脂は、本願明細書中
に定義されるとき、約140℃未満の軟化点を有し、そ
して天然ユインタイトに比べてアスファルテン含量が実
質的に低下している; それらは天然ユインタイトよりも
アスファルテンが少なくとも50%少ない、好ましく
は、少なくとも75%少ない、より好ましくは、少なく
とも90%少ない。これらマルテン豊富なER樹脂はま
た、鉱物から誘導された不溶分、すなわち、灰分、が低
下している。これら不溶分は0.1重量%未満、好まし
くは0.05%未満である。本発明に有効なユインタイ
トのマルテン豊富画分は少なくとも60%マルテン、好
ましくは、少なくとも80%マルテン、最も好ましく
は、少なくとも90%マルテンからなる。マルテン豊富
なER樹脂は、天然ユインタイトの軟化点より低い軟化
点を有する。溶液粘度、粘度安定性および溶融粘度もま
た、入手可能な等級の天然ユインタイトよりも実質的に
改良されている。より小さな溶解性の、高融点の、アス
ファルテン豊富画分も、ER樹脂と呼ばれる。
【0028】用語「アスファルテン」は、本願明細書中
に使用されるとき、微粉砕ユインタイトを80℃の温ヘ
プタン20容量と1時間攪拌しながら接触させ、そして
この温溶液を0.8μフィルターに通して濾過した場合
の、不溶性である、ユインタイトの画分を称する。ユイ
ンタイトのアスファルテン豊富画分、たとえば、ER−
200は、マルテン/アスファルテン重量比が約0.2
5より小さい; より好ましくは、約0.15より小さ
い; 最も好ましくは、これら樹脂はマルテンを実質的に
含有していない。本発明に有効なアスァルテン豊富画分
は少なくとも75%アスファルテン、より好ましくは、
少なくとも90%アスファルテンからなる。
【0029】用語「トナー」は静電インキまたは静電ト
ナー組成物を意味する。用語「トナー」は乾式トナーお
よび液体トナーどちらも包含する。乾式トナーは熱可塑
性重合体中に分散された顔料からなる粉末である。粉末
粒子は特定の基準を満足していなければならない。たと
えば、それらは自由流動性でなければならない; それら
は適切な電気的性質を有していなければならず、そして
電子写真用に正確な粒子サイズ範囲になければならな
い。
【0030】用語「画像形成方法」は、本願明細書中に
使用されるとき、電子写真やゼログラフィーのような複
写および複製方法ばかりでなく、印刷およびオフセット
複製も意味する。
【0031】ユインタイト樹脂の製造 残油のような重炭化水素のための溶剤抽出法は周知であ
る。商業的方法は、たとえば、溶剤脱アスファルト法
(SDA)、ローズ超臨界流体法 (Rose Supercritical
Fluid Technology)、低エネルギー脱アスファルト法、
および残油溶剤精製法を包含する。これら方法は一般
に、約150°F未満の軟化点を有する石油残油または
アスファルトに対して使用されてきた。
【0032】これら溶剤抽出法または溶剤精製法をユイ
ンタイトに対して適用してユインタイトの精製画分、本
発明に有効な樹脂を製造することができる。これら樹脂
は、ユインタイトの、アスファルテン含量が実質的に低
下した、マルテン豊富画分、またはマルテン含量が実質
的に低下した、高度にアスファルテン豊富な画分である
ことができる。従って、マルテン豊富画分は、ユインタ
イトの望ましい諸性質、たとえば、光沢、低硫黄および
高窒素、を維持するが、ユインタイトの欠点、たとえ
ば、望ましくないほど高い溶融粘度および硬度、および
溶液での粘度不安定性、を有しない。分離されたアスフ
ァルテン豊富画分も有効である。さらに、アスファルテ
ン豊富画分とマルテン豊富画分を様々な割合で組み合わ
せて、天然ユインタイトとは違った組成を有する合成樹
脂を生成することもできる。
【0033】本発明に有効なER樹脂を製造する好まし
い一方法は溶剤抽出による。一態様においては、天然ユ
インタイトを、ユインタイトを一部溶解する溶剤または
混合溶剤によってスラリ化する; 好ましくは、これら溶
剤は、3〜10個の炭素原子を有する有機溶剤である;
より好ましくは、溶剤は、5〜8個の炭素原子を有する
脂肪族炭化水素、最も好ましくは、ヘキサンまたはヘプ
タンまたはそれらの混合物である。このスラリを攪拌
し、そして好ましくは、マルテンを溶解するのに十分な
時間加熱し、それから、不溶性アスファルテン画分を可
溶性マルテン豊富画分から分離する。この溶剤抽出のた
めの温度は、好ましくは、60〜175°F、より好ま
しくは、70〜120°Fである。代表的な反応時間は
約5分〜約8時間、好ましくは、2〜4時間である。高
い温度では、高い分子量の、長い鎖長の分子が溶解さ
れ、そして軟化点が高くなる。
【0034】得られたマルテン画分から、加熱処理また
は水蒸気接触によって、溶剤および任意的には可溶性
(および蒸留可能)油の部分を分離して、ER樹脂を生
成する。一般に、油画分は最終樹脂組成物の5%未満を
構成する。
【0035】本発明に有効なER樹脂を製造する別の好
ましい方法はR.M. Carlsonによってチェブロン(Chevro
n) リサーチ社に譲渡された米国出願第047,846
号「低い等級のユインタイトを高い等級の物質に変換す
る方法」に開示されている。この特許出願は、ユインタ
イトを塩化メチレンや芳香族炭化水素のような第一の有
機溶剤に溶解した後に、脂肪族炭化水素のような第二の
有機溶剤によってアスファルテンを沈殿させる、2溶剤
沈殿方式を開示している。得られたER樹脂は本発明に
有効である。このCarlson 特許出願の内容は本願明細書
中に記載の一部として組み入れられる。
【0036】ユインタイトの溶剤精製は精製ユインタイ
ト誘導画分を生じる。これらギルソナイト(登録商標)
ER樹脂は予め定められた諸性質をもって製造できる。
これら性質は上記の抽出または沈殿工程に使用された溶
剤の量およびタイプ、抽出温度、および濾過の有効性に
依存する。これら性質はまた、たとえば、溶剤除去工程
中に除去された油の量に依存する。溶剤、反応の時間お
よび温度を調節することによって、樹脂の熱的性質は数
度以内に制御できる。
【0037】ER樹脂は一般にその軟化点によって記述
される。代表的なマルテン豊富ER樹脂は約175°F
〜285°Fまたは約80℃〜140℃の範囲内の軟化
点(または「融点」)を有する。マルテン豊富画分は天
然ユインタイトまたはアスファルテン豊富ユインタイト
よりも低い平均分子量(蒸気圧浸透圧法による)を有す
る。ER樹脂は、ASTM法E−28によって測定され
たときの℃単位のリングおよびボール軟化点に対応して
命名される。従って、たとえば、140℃の軟化点を有
する工学的に製造された樹脂(ER樹脂)はER−14
0と呼ばれる。トナー用には、ER樹脂の軟化点は、A
STM E−28によって測定したとき、好ましくは、
約105〜140℃の範囲にある。アスファルテン豊富
ER樹脂は約195℃より大きい軟化点を有する。
【0038】トナー組成物 ER樹脂は電子写真や印刷のような画像形成方法に有効
である。それらは、液体トナーおよび乾式トナーの中
の、並びにインキの中の、着色剤、特にカーボンブラッ
クと組み合わせて、磁性顔料と組み合わせて、両者と組
み合わせて、使用することができる。
【0039】本発明者らは驚くべきことには、トナー配
合物に少量のER樹脂を添加することは、トナーが通常
の複写機用キャリアと組み合わされたときに非常に高い
正の摩擦帯電電荷を得る傾向を著しく増大させるという
ことを解明した。
【0040】乾式トナー分野では、ER樹脂と熱可塑性
重合体との均質混合物を微細粉末の形態で有することが
望ましい。代表的には、1〜40μの大きさの粒子が望
ましく、より好ましくは、5〜25μの大きさである。
この粉末は、ユインタイトの精製画分を熱可塑性重合体
および任意的には着色剤と合わせ; この組み合わせを加
熱してユインタイトおよび重合体を軟化させ; そして、
この組み合わせを混合して均質混合物を生成する; こと
によって、製造できる。加熱工程は溶融混合工程であ
る。乾式トナー用の好ましいER樹脂は、80℃〜14
5℃、より好ましくは、105℃〜140℃の範囲の軟
化点を有する。
【0041】さらに、混合物を冷却し; そしてこの冷却
混合物を微粉砕して約1〜40μ、好ましくは5〜25
μの大きさを有する粒子を生成することを含む工程も使
用できる。
【0042】任意的には、カーボンブラックのような着
色剤、およびその他の添加剤も包含される。
【0043】溶融混合工程では、樹脂重合体および顔料
を押出機またはバンバリーミキサーで一般に80〜16
0℃の温度で合わせることができる。必要ならば、後続
の混合をラバーミルで行うことができる。混合後、冷却
トナーを粉砕し、そして代表的には高速流体ジェットか
らの高速衝撃によって超微粉砕する。
【0044】代表的なトナー組成物は、各々特有の機能
を果たす下記成分、すなわち、合成または天然の熱可塑
性重合体、電荷剤、および着色剤を包含する。さらに、
流動助剤、分散剤、潤滑剤および感圧性接着剤のような
成分も添加できる。
【0045】驚くべきことには、ユインタイトの精製画
分はこれら成分の幾つかの代わりに又は一部代わりに使
用することができることが判明した。ER樹脂は特に電
荷剤として有効である。
【0046】天然または合成の熱可塑性重合体はキャリ
アおよび結合剤として機能する。それは現像トナー像を
溶融によって紙に定着することを可能にする。ギルソナ
イト(登録商標)ER樹脂との組み合わせにおいて、様
々な天然および合成の熱可塑性重合体が本発明に有効で
ある。それらはスチレン/アクリレート共重合体、たと
えば、スチレン/n−ブチルメタクリレート(好ましく
は、スチレンに富む重合体)、スチレン/n−ブチルア
クリレート、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレー
ト、スチレン/イソブチルメタクリレート、およびスチ
レン/n−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリ
レート、を包含する。その他の有効な熱可塑性重合体は
スチレン/アリルアルコール共重合体; ポリスチレン;
ポリエステル、たとえば、アトラック(Atlac) 328
E; アクリル、たとえば、B−66; ポリブチルメタク
リレート、たとえば、エルバサイト(Elvacite); エポキ
シ樹脂、たとえば、エポン(Epon)1004; ポリアミ
ド、たとえば、バーサミド(Versamid); エチレン/酢酸
ビニル共重合体; ポリエチレン樹脂; ポリプロピレン樹
脂、たとえば、サンヨービスコール(Sanyo Viscol)55
0P; ポリ(ビニルブチラール); ポリ(酢酸ビニ
ル); ロジン、たとえば、ペンタリン(Pentalyn)および
アンベロール(Amberol); ポリ(フェニルフェノールホ
ルムアルデヒド)樹脂; および類似物である。分枝鎖ま
たは部分交叉結合重合体もここでは熱可塑性重合体とし
て包含される。重合体の混合物も使用できる。スチレン
/アクリル系エステル共重合体が好ましく; より好まし
くは、スチレン/n−ブチルメタクリレート共重合体で
ある。ER樹脂はこれらスチレンおよびアクリル系樹脂
と相溶性である。電荷剤はトナーをして潜像に引き付け
させる。ギルソナイト(登録商標)ER樹脂に加えて、
本発明に有効な電荷剤は第四アンモニウム化合物、ニグ
ロシン染料、塩化セチルピリジニウムなどである。
【0047】ER樹脂は正帯電トナーの製造に有効であ
り; それらはトナー中の他成分の負電荷の大きさを減少
させることができる。さらに、それらはトナー組成物の
帯電の速度を増加させ、そしてより均一な帯電をもたら
す。
【0048】ここに使用されている用語「着色剤」は有
機または無機の顔料または染料である。着色剤は形成さ
れた像に色を付与する。ギルソナイト(登録商標)樹脂
に加えて、本発明に有効な着色剤はカーボンブラックの
ような黒色着色剤であり、抵抗性または導電性どちらの
ブラックも包含される。シアン、マゼンタおよび黄色着
色剤のようなその他の着色剤も使用できる。これらは、
幾つか挙げるならば、フタロシアニン、キナクリドンお
よびジアリーリドである。カーボンブラックは好ましい
着色剤である。
【0049】単成分トナーにおいては、酸化鉄やマグネ
タイトのような磁性顔料が本発明に有効である。
【0050】トナーのためのその他の添加剤は周知であ
り、そして本発明に使用できる。それらは界面活性剤、
発泡剤および潤滑剤のような多様な化合物を包含する。
これらトナーは単成分トナーにおいては単独で、または
二成分現像剤においてはキャリアビーズと組み合わせ
て、どちらかで使用できる。有効なキャリアは磁性金
属、たとえば、鉄、鋼およびフェライト、並びにガラス
ヒーズである。
【0051】本発明者らは、予想外にも、本発明のER
樹脂はトナー組成物の主要機能の幾つかを付与する又は
部分的に付与することができることを明らかにした。た
とえば、それは、トナー組成物中に使用されているスチ
レン/n−ブチルメタクリレート共重合体のようなより
高価な合成重合体の部分的代わりをすることができ、従
って、樹脂増量剤として機能する。このことは有意なコ
スト上の利益をもたらす。何故ならば、ER樹脂を生成
することは、単量体から合成重合体を製造することより
も、エネルギー強度が小さく、そして技術的複雑さも少
ないからである。また、ER樹脂の驚くほど高い摩擦帯
電特性(Q/M)は電荷剤の添加を不必要にすることが
できる。従って、ER樹脂はそれ自体が電荷剤であり得
る。さらに、これらER樹脂の極めて高い光沢および色
はそれらをして黒色トナーのための着色剤として機能す
ることを可能にさせる。
【0052】本発明の代表的なトナー組成物は、ER樹
脂が熱可塑性重合体の部分的代替物として、すなわち、
重合体増量剤として、使用される場合には、次のような
成分を含有する:
【0053】 範囲(%) 好ましい範囲(%) 最も好ましい範囲(%) 重合体 50〜98 60〜85 70〜80 ER樹脂 0.5〜45 0.5〜30 5〜25 着色剤 0〜15 5〜10 5〜10 電荷剤 0〜5 1〜5 1〜5
【0054】これら組成物中の好ましいER樹脂はユイ
ンタイトのマルテン豊富画分である。好ましいER樹脂
は約105〜145℃の軟化点を有する。より好ましい
樹脂はギルソナイト(登録商標)ER−140である。
好ましくは、着色剤はカーボンブラックである。
【0055】本発明の代表的なトナー組成物は、ER樹
脂が電荷剤の代替物として使用された場合には、次のよ
うな成分を含有する:
【0056】
【0057】ER樹脂は、電荷の有意な損失を伴わずに
驚くほど長時間維持できる高い正電荷を付与する。これ
ら組成物中の好ましい樹脂は、約105〜145℃の軟
化点を有する、ユインタイトのマルテン豊富画分からな
る。より好ましい樹脂はギルソナイト(登録商標)ER
−140樹脂である。
【0058】本発明の代表的なトナー組成物は、ER樹
脂が電荷移動剤の代替物として、かつ重合体の部分的代
替物として使用された場合には、次のような成分を含有
する:
【0059】
【0060】ここでもやはり、これら組成物中の好まし
いER樹脂はユインタイトのマルテン豊富画分からな
る。好ましい樹脂は約105〜145℃の軟化点を有す
る。より好ましい樹脂はギルソナイト(登録商標)ER
−140樹脂である。
【0061】従って、本発明の組成物中のER樹脂の量
は変動可能であることが理解できる。代表的には、これ
ら組成物中のER樹脂の量は組成物の0.1〜約45
%、好ましくは、組成物の0.5〜25%、より好まし
くは、1〜15%である。本組成物中の重合体の量は一
般に50〜98重量%である。
【0062】トナーでのER樹脂の使用は、それが独特
かつ驚くべき仕方で熱可塑性重合体と正電荷剤と黒色ト
ナー用着色剤の各性質を合わせ持っているという点で特
に有利であることが判明した。
【0063】本ER樹脂の摩擦帯電能力(Q/M)は酸
化フレーク鉄試験によって測定したときに非常に高い。
後で第7表に示されているように、ギルソナイト(登録
商標)ER−140樹脂はトナー組成物の5重量%また
は1重量%で高い正電荷を付与する。これら値は代表的
な電荷剤より十分に高い。
【0064】また、ER樹脂を含んでいる乾式トナーで
は、驚くほど高い電荷安定性が観察される。電荷は、塩
化セチルピリジニウムまたはニグロシン染料のような標
準的電荷剤を含有しているトナーと同じように安定性ま
たはそれ以上に安定性である。メルトインデックスは特
定の温度および圧力における熱可塑性重合体の粘度の尺
度である。マルテン豊富ER樹脂は天然ユインタイトよ
り低いメルトインデックスを有するので、トナー組成物
中に使用でき、その場合、市販の通常の乾式トナーの典
型的かつそれに匹敵する溶融、流動および融着特性を付
与することができる。
【0065】印刷インキ組成物 ER樹脂はまた、凸版印刷やフレキソ印刷のような印刷
にも有効である。ユインタイトのアスファルテン豊富画
分およびマルテン豊富画分どちらもインキ組成物のため
に有効である。本発明者らは、ER115のようなマル
テン豊富ユインタイト樹脂は特に水性印刷インキ乳濁物
に有効であることを解明した。これらER樹脂を天然ユ
インタイトの代わりに使用することは次の3つの主要な
利点を有する:
【0066】1.得られる生成物が灰分を含有しない。
ユインタイトのマルテン豊富精製画分であるそれらER
樹脂はアスファルテンおよび粒状物を除去するように処
理されており、そのことは印刷プロセスを容易にする;
【0067】2.マルテン豊富ER樹脂の粘度は天然ユ
インタイトの粘度より有意に低いので、水による乳濁物
が容易に製造できる; および
【0068】3.マルテン豊富ER樹脂の軟化点は天然
ユインタイトより60〜170°F低いので、乳化は低
い温度で、従って、低い圧力で、行うことができる。
【0069】好ましい態様においては、本発明の乳化組
成物は油状組成物を水と合わせることによって製造され
る。インキの好ましい油状組成物はユインタイトのマル
テン豊富画分とロジンおよび任意的には炭化水素油との
混合物を含んでいる。この油状混合物を周知の方法によ
って塩基の水溶液で処理して乳濁物を生成する。たとえ
ば、ER115、炭化水素油およびロジンから油状混合
物を調製する。この混合物を、容易に流動するように、
高温で、たとえば、250°F〜375°Fの範囲で、
より好ましくは、325〜335°Fの範囲で、加熱ブ
レンドする。それから、この油状混合物を、コロイドミ
ルで、ほぼ等容量の、アルカリ金属またはアルカリ土金
属の水酸化物の水溶液、好ましくは、KOH、と合わせ
る。この水性相は、代表的には、好ましくは、80〜1
80°Fに、より好ましくは、約120〜140°F
に、予熱されている。それから、この油状混合物と水性
相を、コロイドミルの圧力限界を越えないような温度お
よび速度で合わせる。得られた乳濁物は好ましくは10
μ未満の、より好ましくは5μ未満の、ミセルを有す
る。さらに、それは安定であり、乳濁破壊なしで輸送で
きる。
【0070】本発明に有効な好ましいER樹脂は約75
〜約130℃の範囲の軟化点を有する。特に好ましい樹
脂は、約80℃の軟化点を有するER80である。
【0071】本発明に有効な好ましい炭化水素油は、水
素化処理したナフテン油、たとえば、重質ガソリン油お
よび軽質ジーゼル油、中間の蒸留物沸点範囲のイソパラ
フィン炭化水素、および鉱物油を包含する。本発明に有
効なロジン成分は天然樹脂として類別され、そして好ま
しくは木材の酸性ロジンである。ロジンは、様々な酸素
化垂下基(主に、カルボン酸基)を有する様々なテルペ
ノイドの混合物であり、主として、テトラテルペノイド
である。ロジンはロジン酸または樹脂酸とも呼ばれてい
る有機酸からなる。これら酸は化学式C20302 を有
する縮合3環系からなる。これらロジンはアビエチン型
およびピマリン型の樹脂酸からなる。これら構造は一般
に、カルボン酸官能と二重結合を有する。ロジンの説明
はマグローヒルの科学技術辞典 (McGraw-Hill Encyclop
edia of Science and Tecnology)第6版第15巻第55
1頁に見いだすことができ、その説明は本願明細書中に
記載の一部として組み入れられる。さらに、改質ロジ
ン、たとえば、マレイン酸改質ロジンも本発明に有効で
あることが認められる。
【0072】本発明に有効な好ましいロジンは、一般
に、松の木からの、樹液および関連流体から誘導され
る。好ましいロジンはガムロジン、タル油ロジンおよび
木材ロジンである。木材ロジンは最も好ましい。
【0073】油状混合物中の成分(ER樹脂と油とロジ
ン)の比率はA表に示されており、表中の量は重量で提
示されている。油状混合物が乳化温度で良好な流動性、
特に、良好な粘度、を達成するように、ER樹脂と油と
ロジンの量をバランスさせることが重要である。
【表1】 A表 乳濁物を製造するための油状混合物の成分比 ────────────────────────────── ER樹脂(%) 油(%) 酸性ロジン(%) ────────────────────────────── 一般的比率 40−75 0−35 10−35 好ましい比率 50−70 10−30 15−30 最も好ましい比率 55−65 20−25 18−23
【0074】これら量はER樹脂の軟化点に依存する。
相対的に高い軟化点を有する樹脂からなる組成物は相対
的に多量の油を必要とする。
【0075】塩基性水による乳化はロジン酸の中和を生
じてロジン酸の塩すなわち石鹸を生成する。カリウム、
カルシウムおよび亜鉛は好ましい中和剤であり; カリウ
ムが最も好ましい。一般に、pHは塩基性、たとえば、
約11.5のpH、になるように調節される。驚くべき
ことに、水酸化ナトリウムによって乳化する試みは安定
な乳濁物を生じなかった。
【0076】得られた水性乳濁物中の油状混合物の量
は、好ましくは、35〜75重量%の範囲、より好まし
くは、40〜60重量%の範囲の油状混合物であり、残
りは主として水である。この好ましい範囲において、こ
れら乳濁物は水中油型乳濁物である。これら乳濁物は、
特に、フレキソ印刷インキおよび新聞印刷に有効であ
る。
【0077】また、ER樹脂と油と界面活性剤を含んで
いる乳化配合物は特に有益である。本発明の乳濁物は水
性インキに使用されている普通のアクリル系乳濁物の代
替物を提供し、そしてこれらインキ組成物中に乳濁物約
10〜80重量%、好ましくは、30〜60重量%で、
組み合わせることができる。
【0078】トナーについて先に論じたように、これら
乳化組成物も、着色剤、特に、カーボンブラックが添加
されたときには、特に有利である。
【0079】また、ER樹脂は非乳化印刷インキにおい
ても有効である。その場合、ER樹脂は炭化水素油およ
び着色剤と組み合わせて使用される。Moynihanの米国特
許第4,554,019号はインキ中に天然ユインタイ
トを使用することを示している。天然ユインタイトの代
わりにER樹脂を使用することで、改良されたインキ組
成物が提供される。ER樹脂はまた、レーザープリンタ
ーにも有効であると考えられる。
【0080】ユインタイトのアスファルテン豊富画分は
また、カーボンブラックのための湿潤剤としても有効で
ある。カーボンブラックのような黒色着色剤をER−2
00やER210と組み合わせた場合、これら混合物は
カーボンブラックだけを使用した場合よりも容易にイン
キとして配合することができる。
【0081】電子写真法 先に論じた通り、本発明の新規組成物は電子写真処理に
おいて驚くほど有効である。本発明の組成物を使用する
好ましい電子写真法は、静電潜像を形成する工程、前記
潜像を、ユインタイトの精製画分を含んでいるトナーに
よって現像する工程、および前記トナーを定着する工程
を含んでいる。
【0082】好ましくは、この方法におけるユインタイ
トの精製画分はマルテン豊富画分である。トナーがさら
に熱可塑性重合体および任意的には着色剤を含んでいる
ことが好ましい。好ましい着色剤はカーボンブラックで
ある。任意的には、磁性顔料またはキャリアを添加でき
る。
【0083】ER樹脂は正電荷を有するので、静電潜像
が負電荷を有することが好ましい。しかしながら、静電
潜像が正電荷を有する場合には、トナー重合体からの過
剰の負電荷に対抗するようにER樹脂を使用することが
できる。
【0084】次の実施例によって、本発明はより良く理
解されよう。当業者には明らかなように、実施例は単な
る例示であって、何ら限定的に解釈されるべきでない。
【0085】
【実施例】実施例1 ER樹脂の製造 15重量%の、約350°Fの軟化点を有する粉砕ギル
ソナイト(登録商標)銘ユインタイト(アメリカ ギル
ソナイト社、GP等級)を、ヘプタン溶剤中にスラリ化
し、そして95°Fで4時間加熱した。それから、この
混合物を1.5μのフィルターに通して濾過して、ヘプ
タン中の可溶性のマルテン豊富画分と、不溶性のアスフ
ァルテン豊富画分(約60重量%)を生じた。アスファ
ルテン豊富画分(ER−200)は約200℃の軟化点
を有した。
【0086】このヘプタン溶液を重合釜の中で約350
°Fで加熱して溶剤を除去した後、水蒸気をスパージし
て残りのヘプタンおよび若干の油を除去した。ストリッ
ピング後、マルテン豊富生成物は、リングおよびボール
軟化点が約240°F(115℃)であった。このER
−115樹脂は、マギー(Magie) 470油の中に30重
量%で溶解したときに安定な溶液粘度を有しており; 2
8日後、粘度の増加は10%未満であった。
【0087】この手順で生成されたER樹脂の諸性質の
幾つかを、第1表および第2表に、天然ユインタイトと
比較して示す。
【表2】 第1表 天然ユインタイト ER−115 ER−200 ギルソナイトGP 炭素(重量%) 84.0 85.0 84.6 水素(重量%) 10.0 10.7 9.8 窒素(重量%) 3.3 2.7 3.5 13C NMR 脂肪族 C(%) 68.3 70.3 68.9 芳香族 C(%) 31.7 29.7 31.1 VTGA 1000°F〜(%) 3 4 2 1000〜1200°F(%) 3 8 2 軟化点(°F) 〜350 〜240 >390 (リングおよびボール) ASTM E−28 C7 アスファルテン(重量%) 〜60 >5 >90 マイクロカーボン残分 28.9 23.5 33.7
【0088】ER樹脂についての相溶性は第2表に示さ
れている。
【表3】 第2表 ギルソナイトER樹脂の相溶性 ギルソナイトGP ER−80 ER−115 ER−200 ユインタイト アルキド樹脂 C C P C エポキシ樹脂 C P I P 炭化水素樹脂 C C C C フェノール樹脂 C C P C ポリエステル P I I I ポリアミド P I I I ロジン誘導体 C C P C スチレン樹脂 C C P C EVA共重合体 C C P C SBSゴム C C C C クロロプレンゴム C C C C シリコーン樹脂 C C P C ──── 注) C=相溶性 P=一部相溶性 I=不相溶性
【0089】ER樹脂の溶解度は第3表に示されてい
る。理解できるように、軟化点の低い物質は、インキ
油、酸素化溶剤および脂肪族溶剤の中で、改良された溶
解度を与える。
【表4】 第3表 ギルソナイトER樹脂の溶解度 ギルソナイトGP ER−80 ER−115 ER−200 ユインタイト インキ油 S S P S 脂肪族溶剤 S S I P 芳香族溶剤 S S S S 塩素化溶剤 S S S S アルコール P I I I エステル P P I I ケトン P P I I ──── 注) S=溶解性 P=一部溶解性 I=不溶性
【0090】実施例2 ER−140の製造 溶剤、抽出温度、濾過効率、および油の除去量を調節す
ることによって、実施例1より高いまたは低い軟化点を
有するマルテン豊富ユインタイト画分を製造できる。
【0091】実施例1の手順に類似した手順を使用して
ギルソナイト(登録商標)ER−140樹脂を製造し
た。使用溶剤はヘプタンであり、加熱温度は190°F
であり、サンプルは25μのフィルターに通して濾過し
た。溶剤除去後、得られた、ユインタイトのマルテン豊
富画分は140℃の軟化点を有した。
【0092】ER樹脂および天然ユインタイトの、時間
の経過による粘度特性は図に示した。溶液は30重量%
固形分をマギー470油、インキ油、の中に溶解するこ
とによって製造し、そして時間の経過による粘度をブル
ックフィールド型RVT粘度計で測定した。理解できる
ように、ER−140、ER−115、ER−110お
よびER−80樹脂はいずれも、天然ユインタイトより
はるかに低い溶液粘度を有しており、そしてそれらの時
間の経過による粘度増加もはるかに小さい。
【0093】実施例3 ER樹脂の溶解度特性 ユインタイト、並びに、実施例1および2と同じ方法で
製造した2種のER樹脂、ER−200およびER−1
40を特徴付けるために、逐次溶離分別(SEF)法を
使用した。サンプルは順次4種類の溶剤への溶解度に基
づいて4つのSEF画分に分離した。
【0094】ほぼ1gのサンプルを正確に秤量し、そし
て約5〜10mlの塩化メチレン中に溶解した。この溶液
を、1リットルの三角フラスコの中の「不活性」支持物
質(約200gの、ガラスビーズとクロモソーブ(Chrom
osorb)−Tの重量で50:50の混合物)の上に導入し
た。フラスコを回転蒸発器の上に置き、そして周囲温度
および減圧下でゆっくり回転させて塩化メチレンを除去
した。それから、この、乾燥した、サンプルで被覆され
た支持物質を、液体クロマトグラフィーのガラスカラム
(25mmID×50cm、アルテックス(Altex) )に入れ
た。カラムを、プログラム可能な溶剤排出システム(モ
デル590、ウォーターズ(Waters))、溶剤自動選択バ
ルブ(ウォーターズ)、UV/VISダイオード−アレ
イ検出器(モデル8451A、ヒューレット−パッカー
ド)、およびプログラム可能な画分回収器(フォクシー
(Foxy)、ISCO)に連結した。4種類の溶剤(順に、
n−ペンタン、シクロヘキサン、トルエン、塩化メチレ
ンとメタノールの容量で4:1の混合液)を、20ml/
分の定流速で汲み上げてカラムに通して、4種類の溶剤
から誘導された画分を生成した。流出物は、350nm〜
650nmの範囲のスペクトルを30秒間隔で集めるUV
/VISダイオード−アレイ検出器によって監視した。
画分から溶剤を蒸発させ、そして回収物質の収率(重量
%)を重量測定によって求めた。結果は第4表に、SE
F−1、SEF−2、SEF−3およびSEF−4の各
画分の重量%として報告されている。SEF画分の元素
分析は第5表に示されている。第4表から理解できるよ
うに、ユインタイト、マルテン豊富ユインタイト画分、
およびアスファルテン豊富ユインタイト画分は、溶解度
および組成が非常に異なっている。
【表5】 第4表 逐次溶離分別(SEF)結果 濃度(重量%) アスファルテン豊富 マルテン豊富 ギルソナイト ER樹脂 ER樹脂 画分 GP (ER−200) (ER−140) SEF−1 36.5 14.7 76.6 SEF−2 24.6 18.4 20.0 SEF−3 27.6 42.9 1.3 SEF−4 6.1 11.1 1.8 ───── 注)SEF−1はn−ペンタンに可溶性。 SEF−2はシクロヘキサンに可溶性、そしてn−ペン
タンに不溶性。 SEF−3はトルエンに可溶性、そしてシクロヘキサン
に不溶性。 SEF−4は塩化メチレン:メタノール(容量で4:
1)に可溶性、そしてトルエンに不溶性。
【表6】 第5表 「SEF」画分の元素分析 濃度(重量%) 画分 分析 ギルソナイトGP ER−200 ER−140 SEF−1 炭素 85.6 85.0 83.8 . 水素 10.9 10.6 10.7 窒素 2.6 2.8 2.5 H/C原子比 1.51 1.48 1.52 SEF−2 炭素 85.1 84.2 85.2 水素 9.8 9.8 10.0 窒素 3.6 3.5 3.4 硫黄 0.24 0.25 0.23 H/C原子比 1.37 1.38 1.40 SEF−3 炭素 85.0 85.0 ND 水素 9.6 9.6 ND 窒素 3.8 3.8 ND 硫黄 0.28 0.30 ND H/C原子比 1.34 1.34 ND SEF−4 炭素 83.9 84.9 ND 水素 9.4 9.5 ND 窒素 3.8 3.9 ND H/C原子比 1.33 1.33 ND ─── 注) NDはサンプルが十分なかったので測定しなかっ
たことを表わす。
【0095】実施例4 電荷剤としてのER樹脂 この実施例は、ギルソナイト(登録商標)ER樹脂を電
荷剤として使用して製造したトナー組成物を比較するも
のである。この処方はゼロックス1075複写機に使用
されているものと類似するように選択された。ER樹脂
を2種類の量、すなわち、1重量%と5重量%で使用し
た。比較のために、ER樹脂を使用しない2種類のサン
プルを製造した。その一つは電荷剤として塩化セチルピ
リジニウムを使用し、もう一つはニグロシン染料を使用
した。
【0096】これらトナー配合物はどれも、3″×8″
の2本ロールミル(加熱フロントロールと冷却バックロ
ール)で15分間混和された。それらを、トロスト(Tro
st)TXミルで、80〜85psi の空気圧で、3g/分
の供給速度で、ジェット微粉砕した。
【0097】配合物は次の通りである:
【表7】 第6表 成分 トナー1 トナー2 トナー3 トナー4 ピコトナー12921) 93 93 89 91.5 リーガル300カーボン 6 6 6 6 ギルソナイトER−140 − 1 5 − 塩化セチルピリジニウム 1 − − − ニグロシン染料 − − − 2.5 ─── 注)1)ハーキュリーズ1292はスチレン/n−ブチル
メタクリレート(58/42)共重合体であると思われ
【0098】これら配合物については、キナー(Kynar)
で被覆されたスポンジ鉄に対して3%のトナーを使用し
て、時間の関数として電荷(Q/M)を測定した。結果
は第7表に示されている。30秒後と比べたときの4時
間後の電荷維持%も示されている。
【表8】 第7表 時間 トナー1 トナー2 トナー3 トナー4 30秒 +33.2 +27.9 +48.4 +38.4 1時間 +29.1 +28.8 +47.6 +20.8 4時間 +18.8 +20.5 +40.0 +26.1 電荷維持%(4時間後) 57 74 83 68
【0099】ER樹脂を含んでいるトナーの帯電特性、
特に、電荷安定性、が驚くほど高いことが判明した。本
発明のトナー2および3は電子写真において特に良好な
性能を示す。
【0100】実施例5 熱可塑性トナー重合体としてのER樹脂 この実施例はギルソナイト(登録商標)ER樹脂の、ト
ナー中に熱可塑性重合体の部分的代替物として使用され
る能力を実証する。ER−115およびER−140を
評価した。樹脂の諸性質を下記に示す。
【0101】 ER−115 ER−140 メルトインデックス 30.1 11.5 融点(コフラー(Koffler))(℃) 85±5 115±5 Q/M(酸化フレーク鉄) +35.6 +32.2
【0102】ER−140を選択してトナー配合物を製
造し評価した。生成物を標準トナー重合体に代わる部分
的代替物として評価するために2種類の配合物を製造し
た。トナーとしての主要な性質を有するこれら配合物を
下記に掲載する:
【0103】トナーA 重量% 重合体(スチレン/n−ブチルメタクリレート) 67 ギルソナイト(登録商標)ER−140 20 B−90 8 カーボン 5 メルトインデックス(150°/2160g) 8.3 軟化点(コフラー) 65 融点(コフラー) 118 Q/M(100球形鋼)(於: 3.4%トナー) +11.7
【0104】このトナー組成物は電子写真に有効であ
る。それは優れた電荷特定を有する。
【0105】熱ロール融着性トナー 重合体(ハーキュリーズからのレズ(Res) 277) 70 ギルソナイト(登録商標)ER−140 20 カーボン 7 ビスコール(Viscol)550P 3 メルトインデックス(150°/2160g) 9.0 軟化点(コフラー) 73 融点(コフラー) 122 Q/M(100球形鋼) +28.6
【0106】実施例6 印刷インキ用ER乳濁物の製造 160gのKOH(85.9%純度)を水道水に攪拌し
ながら添加した。得られた塩基性水溶液は0.306モ
ル濃度のKOHであり、そしてpHが13.5であっ
た。この混合液の温度は約130°Fであった。
【0107】60重量%のER−115、すなわち、1
15℃の軟化点を有する、ユインタイトのマルテン豊富
精製画分を、22重量%のサンプリント(Sunprint)HP
750、すなわち、サン リファイニング(PA州フィ
ラデルフィア)から販売されている炭化水素油、および
18重量%のディキシー(Dixie) Bロジン(アラバマ州
ウィスラー在デリッダー(DeRidder)ケミカル社から販売
されている)と組み合わせることによって、油状混合物
を製造した。サンプリントHP油は100℃で9.8cs
t の粘度、約380の平均分子量を有しており、そして
ASTM D2007によって測定したときに、約41
%の芳香族、58%の飽和物および約1%の極性化合物
を含んでいる。ディキシーBロジンは、高い酸価(90
〜110ミリ当量/l )、140の鹸化価、および約1
00℃の軟化点を有する、硬質で、脆性の、木材系ロジ
ンである。それは好ましくはフレークとしてまたは微粉
砕形態で使用される。それは高温で非常に低い粘度、す
なわち、300°Fで245cst (約270センチポア
ズ)を有する。
【0108】この油状混合物を330°Fに加熱し、そ
してチャーロッテ(Charlotte) コロイド乳化ミルで、ほ
ぼ等しい容量の塩基性水と合わせた。ミルは安定な乳濁
物を生成する秒単位の滞留時間をもって連続走行した。
得られた乳濁物は新聞印刷に使用できる; それは紙に適
用した時にミスチングが小さく、そして印刷紙から滲ま
ない硬質の非粘着性の最終皮膜を生じる。
【0109】実施例7(比較) 実施例6に類似した方法で、0.3モル濃度のNaOH
溶液を調製し、そして同じような温度および条件下で、
NaOH溶液を実施例6の油状混合物と合わせた。得ら
れた成分の組み合わせは安定な乳濁物を形成しなかっ
た。
【0110】以上、具体的態様に関連して本発明を説明
したが、特許請求の範囲に特定されていない限り、本発
明は詳細な説明によって限定されるものではない。本発
明は特許請求の範囲に記載されている思想および範囲内
で広く構成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然ユインタイトからなるインキ油と、本発明
に有効な幾つかのER樹脂からなるインキ油との、時間
の関数としての粘度特性の比較を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/02 PTG G03G 9/08 (72)発明者 マイクル ヌゾロ アメリカ合衆国ユタ州バウンティフル,サ ウス 250,ウエスト 3767 (72)発明者 マイクル レーン アメリカ合衆国ユタ州バウンティフル,ナ ンバー 10,ウエスト センター 2677

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.天然ユインタイトに比べてマルテン
    またはアスファルテンに富む、ユインタイトの精製画分
    0.1〜約45重量%;および b.熱可塑性重合体;を含んでいる組成物。
  2. 【請求項2】 前記画分が、ユインタイトを溶剤または
    混合溶剤で処理することによって製造されたものであ
    る、請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 前記溶剤が有機溶剤である、請求項2の
    組成物。
  4. 【請求項4】 ユインタイトの前記精製画分がマルテン
    に富み、約6より大きいマルテン/アスファルテン重量
    比を有する、請求項3の組成物。
  5. 【請求項5】 ユインタイトの前記精製画分がアスファ
    ルテンに富み、約0.25より小さいマルテン/アスフ
    ァルテン重量比を有する、請求項3の組成物。
  6. 【請求項6】 前記処理がマルテンの抽出を生じる、請
    求項2の組成物。
  7. 【請求項7】 前記有機溶剤が3〜10個の炭素原子を
    有する炭化水素を含んでいる、請求項4の組成物。
  8. 【請求項8】 前記炭化水素が、5〜8個の炭素原子を
    有する脂肪族炭化水素を含んでいる、請求項7の組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記脂肪族炭化水素がヘキサンまたはヘ
    プタンまたはそれらの混合物を含んでいる、請求項8の
    組成物。
  10. 【請求項10】 a.天然ユインタイトに比べてマルテ
    ンまたはアスファルテンに富む、ユインタイトの精製画
    分0.1〜約45重量%を、熱可塑性重合体と組み合わ
    せる工程; b.この組成物を加熱してユインタイトの前記精製画分
    および前記重合体を軟化させる工程;および c.前記組み合わせを混合して均質混合物を生成する工
    程;を含んでいる、組成物製造方法。
  11. 【請求項11】 さらに、 a.前記混合物を冷却する工程;および b.前記冷却混合物を微粉砕して約1〜40μの範囲の
    粒子サイズを有する粒子を生成する工程;を含んでい
    る、請求項10の組成物製造方法。
  12. 【請求項12】 溶剤抽出によって誘導された、天然ユ
    インタイトに比べてマルテンまたはアスファルテンに富
    む、ユインタイトの精製画分を、熱可塑性重合体と均質
    混合してなる粒子を含んでおり、前記粒子が1〜40μ
    の大きさである、乾式トナー組成物。
  13. 【請求項13】 前記粒子が、約5〜25μの範囲の大
    きさである、請求項12の組成物。
  14. 【請求項14】 a.(i) 60〜175°Fで、マルテ
    ンを抽出するのに十分な時間、ユインタイトをC5 〜C
    8 炭化水素によってスラリ化し; (ii)このスラリ混合物
    を濾過して、マルテンに富む溶液とアスファルテンに富
    む固体画分を生成し; (iii) 前記固体画分を分離し; そ
    して(iv)前記溶液から溶剤を除去してマルテンに富む、
    ユインタイトの精製画分を生成する; ことによって製造
    された、天然ユインタイトに比べてマルテンに富む、ユ
    インタイトの前記精製画分0.1〜約45重量%;およ
    び b.熱可塑性重合体;を含んでいる組成物。
  15. 【請求項15】 さらに着色剤を含んでいる、請求項14
    の組成物。
  16. 【請求項16】 a.天然ユインタイトに比べてマルテ
    ンまたはアスファルテンに富む、ユインタイトの精製画
    分0.1〜約45重量%; b.熱可塑性重合体;および c.着色剤;を含んでいる組成物。
  17. 【請求項17】 前記着色剤がカーボンブラックであ
    る、請求項16の組成物。
  18. 【請求項18】 前記熱可塑性重合体がスチレン/アク
    リル系エステル共重合体である、請求項16の組成物。
  19. 【請求項19】 前記熱可塑性重合体がスチレン/n−
    ブチルメタクリレート共重合体である、請求項16の組
    成物。
  20. 【請求項20】 a.脂肪族炭化水素溶剤による溶剤抽
    出によって誘導された、約6より大きいマルテン/アス
    ファルテン重量比を有する、ユインタイトのマルテン豊
    富画分; b.スチレン/アクリン系エステル共重合体;および c.黒色着色剤;を含んでいる乾式トナー組成物。
  21. 【請求項21】 前記マルテン豊富画分が80〜145
    ℃の範囲の軟化点を有する、請求項20のトナー組成物。
  22. 【請求項22】 前記マルテン画分が105〜140℃
    の範囲の軟化点を有する、請求項21のトナー組成物。
  23. 【請求項23】 前記共重合体がスチレン/n−ブチル
    メタクリレート共重合体である、請求項20のトナー組
    成物。
  24. 【請求項24】 前記組成物中の前記マルテン豊富画分
    の量が前記組成物の0.5〜15重量%を構成してい
    る、請求項20のトナー組成物。
  25. 【請求項25】 a.天然ユインタイトに比べてマルテ
    ンまたはアスファルテンに富む、ユインタイトの精製画
    分0.5〜約75重量%;および b.着色剤;を含んでいる、画像形成方法に有効な組成
    物。
  26. 【請求項26】 ユインタイトの前記画分が、約6より
    大きいマルテン/アスファルテン重量比を有するマルテ
    ン豊富画分である、請求項25の組成物。
  27. 【請求項27】 前記マルテン豊富画分が溶剤抽出によ
    って誘導されたものである、請求項26の組成物。
  28. 【請求項28】 さらに炭化水素油を含んでいる、請求
    項25の組成物。
  29. 【請求項29】 組成物が水によって乳化されている、
    請求項28の組成物。
  30. 【請求項30】 a.約6より大きいマルテン/アスフ
    ァルテン重量比を有する、ユインタイトのマルテン豊富
    画分;および b.水;を含んでいる、乳化組成物。
  31. 【請求項31】 さらに炭化水素油を含んでいる、請求
    項30の乳化組成物。
  32. 【請求項32】 さらに界面活性剤を含んでいる、請求
    項30の乳化組成物。
  33. 【請求項33】 さらにロジンを含んでいる、請求項3
    0の乳化組成物。
  34. 【請求項34】 前記ロジンが酸性ロジンである、請求
    項33の乳化組成物。
  35. 【請求項35】 前記水が、酸化カリウム、水酸化カリ
    ウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛お
    よび水酸化亜鉛からなる群から選択された塩基を含んで
    いる、請求項30の乳化組成物。
  36. 【請求項36】 前記水が酸化カリウムまたは水酸化カ
    リウムを含んでいる、請求項35の乳化組成物。
  37. 【請求項37】 前記水が、前記酸性ロジンを中和する
    のに十分な水酸化カリウムを含んでいる、請求項34の
    乳化組成物。
  38. 【請求項38】 さらに着色剤を含んでいる、請求項3
    7の乳化組成物。
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