JPH0753826A - 硬化性液状樹脂組成物、およびそれに使用する液状樹脂の製造方法 - Google Patents

硬化性液状樹脂組成物、およびそれに使用する液状樹脂の製造方法

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JPH0753826A
JPH0753826A JP12875594A JP12875594A JPH0753826A JP H0753826 A JPH0753826 A JP H0753826A JP 12875594 A JP12875594 A JP 12875594A JP 12875594 A JP12875594 A JP 12875594A JP H0753826 A JPH0753826 A JP H0753826A
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JP
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liquid resin
solvent
resin
component
curing agent
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JP12875594A
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English (en)
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Kunio Horiuchi
都雄 堀内
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】湯浴温度(40〜90℃)において、従来法で
容易に造膜でき、150〜250℃に加熱硬化すること
で、溶剤やモノマーを飛散させずに、耐水性および耐溶
剤性を備えた硬化膜を与える無溶剤の硬化性液状樹脂組
成物。 【構成】一般式 CH2 =C(R1 )COOR2 (式
中、R1 はHまたはCH32 は炭素数4〜22の炭化
水素基。)で表される(メタ)アクリル酸エステル、重
合性不飽和カルボン酸、および必要に応じてその他の重
合性ビニル化合物を共重合せしめた、数平均分子量が1
0,000〜200,000であって、粘度が、500
cps〜30,000cps(50℃)である液状樹
脂、並びに斯る液状樹脂中に存在するカルボキシル基と
結合可能な官能基を1分子中に2つ以上有する、少なく
とも1種の硬化剤化合物を、上記液状樹脂中のカルボキ
シル基1当量に対し0.3〜10反応当量を含んでなる
硬化性液状樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、接着剤、インキ
等の被膜形成材料用の樹脂として溶剤を使わずに使用す
ることができる硬化性液状樹脂組成物とそれに使用する
液状樹脂の製造法に関する。また、本発明の液状樹脂は
長鎖の脂肪族炭化水素基を有することから相溶化剤、界
面改質剤、顔料分散剤等としても利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、インキ等の被膜形
成材料用としては有機溶剤を含有する樹脂系が使われて
きた。この従来からの樹脂系は、塗装、印刷工程などの
造膜工程(本発明における造膜とは、印刷および塗装な
どの方法により、紙、金属、プラスチック、セラミック
ス等よりなる基材上に、樹脂を厚さ0.1〜100μm
の膜を形成せしめることをいう。)、および硬化乾燥工
程で大量の有機溶剤を飛散することが知られている。地
球環境また作業環境への関心の高まりとともに、有機溶
剤の使用に対する制限が加えられるようになってきてい
る。そのため被膜形成材料用樹脂の無溶剤化に関しても
様々な対応策が打ち出されている。
【0003】無溶剤化に用いられる樹脂系は、大きくわ
けるとプレカーサ系とポリマー系に分けられる。プレカ
ーサ系は低分子量のモノマーやプレポリマーを用いるこ
とから低粘度の液状であり、従来の造膜法がそのまま使
用できる。しかしながら、組成物中に低分子量物を含有
するプレカーサ系では、低分子量物の飛散など安全衛生
上さらに改善が望まれる。また物性面では、オリゴマー
領域の樹脂から構成される塗料の場合、硬化物特性をコ
ントロールすることの困難さが知られており(室井宗
一、「1992年度接着と塗装研究会講座」講演要旨
集、p4、1993)、低粘性を保った上での分子量増
加が望まれる。他方ポリマー系では、固体ポリマーを何
らかの方法で液状にするか、あるいは造膜方法を変える
ことが必要となる。有機溶剤を使わないで液状にする代
表的な従来法として、不揮発性の可塑剤により液状化す
るプラスチゾル系では硬い硬化物が得にくいことや可塑
剤が移行するという問題点が指摘されている。またいエ
マルジョンやハイドロゾル等のラテックス系では、硬化
物の不均一性や乾燥速度の遅さなどの問題点が指摘され
ている。現時点で最も有効とされている水溶性樹脂系に
おいても乾燥速度が遅いことや耐水性、排水処理方法等
に問題が残されている。またほとんどの水溶性樹脂系は
顔料分散性や造膜性を向上するために10%以上の有機
溶剤を含んでいる。また、粉体、ホットメルト樹脂系の
場合には、従来の造膜方法による設備と大いに異なるた
めに、新規の設備を導入する必要が生まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記問題の
解決について様々な樹脂系について鋭意研究を行なった
結果、特定の(メタ)アクリル酸エステル、重合性不飽
和カルボン酸、および必要に応じて重合性ビニル化合物
の共重合体からなる液状樹脂が高分子量でありながら従
来より用いられている造膜方法、例えばロールコーター
やナイフコーターで造膜でき、なおかつ特定の硬化剤化
合物を用いることにより、従来ある加熱乾燥法により硬
化させることができる無溶剤型の硬化性液状樹脂組成物
となることを見いだし本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は一般式 CH2=C(R1)COOR2 (1) (式中、R1はHまたはCH3、R2は、炭素数4〜22
の炭化水素基である。)で示される少なくとも1種の
(メタ)アクリレート単量体35〜98重量%、および
重合性不飽和カルボン酸2〜40重量%、および必要に
応じてその他の重合性ビニル化合物を共重合せしめた、
数平均分子量が10,000〜200,000であっ
て、粘度が、500cps〜30,000cps(50
℃)である液状樹脂(A)、および液状樹脂(A)のカ
ルボキシル基と結合可能な官能基を1分子中に2つ以上
有する硬化剤化合物(B)を、液状樹脂(A)中のカル
ボキシル基1当量に対し0.3〜10反応当量を含んで
なる硬化性液状樹脂組成物である。更に本発明は、液状
樹脂(A)のラジカル重合を該樹脂(A)の単量体には
良溶剤であり該樹脂(A)には貧溶剤であるような溶剤
中で行なうことを特徴とする請求項1の液状樹脂の製造
方法である。
【0006】本発明における反応式(1)の(メタ)ア
クリレート単量体は、共重合体を液状とするための構成
成分として使用され、例えば、オクチル(メタ)アクリ
レート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)
アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデ
シル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アク
リレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタ
デシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アク
リレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシ
ル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレー
ト等があり、中でも炭素数9〜18のアルキル基を有す
るアクリレートまたは対応するメタアクリレートを用い
ると効果的に液状樹脂の粘度を下げることができるので
好ましい。
【0007】一般式(1)の(メタ)アクリレート単量
体類は通常上記から選ばれた1種類が用いられるが、2
種以上組み合わせて用いることも可能である。またその
成分量は共重合体である液状樹脂(A)に対して35〜
98重量%、好ましくは50〜95重量%であり、共重
合体中の(メタ)アクリレート単量体が50重量%、特
に35重量%より少なくなると、共重合体が液状を保ち
得なくなり、逆に95重量%、特に98重量%より多く
なると、硬質な膜が得られなくなるため好ましくない。
【0008】本発明における重合性不飽和カルボン酸
は、液状樹脂(A)に硬化剤化合物(B)との結合部位
を導入するために使用され、例えば、無水マレイン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ま
たは、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステ
ル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエス
テル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモ
ノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエ
チルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシ
エチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、けい皮酸等がある。重合性不飽和カルボン酸の
組成量は共重合体である液状樹脂(A)に対して、2〜
40重量%、好ましくは5〜30重量%であり、共重合
体中の重合性不飽和カルボン酸が5重量%、特に2重量
%より少なくなると、硬質な塗膜が得られず、逆に30
重量%、特に40重量%より多くなると、液状樹脂
(A)の粘度が高くなり、造膜しにくくなるので好まし
くない。
【0009】本発明において、硬化膜の耐水性や硬度な
どを調節するために、必要に応じて上記以外の重合性ビ
ニル化合物を使用できる。この目的にためには非官能性
のビニル化合物を使用することが好ましい。このような
非官能性ビニル化合物としては、スチレン、ビニルトル
エン、ビニルピリジン等の芳香族系ビニル化合物、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート等の炭素数3
以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、酢酸
ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル、N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルカルバゾール、ジアリルフタレ
ート、アクリロニトリル、塩化ビニル等がある。斯る重
合性ビニル化合物の組成量は共重合体である液状樹脂
(A)に対して0〜40重量%、好ましくは20重量%
以下であり、40重量%より多くなると液状樹脂(A)
の粘度が高くなり、造膜しにくくなるため好ましくな
い。
【0010】本発明の液状樹脂(A)は、開始剤の配合
量を調節することにより、GPC法(ゲルパーメーショ
ンクロマトグラフ)で測定した数平均分子量の値が1
0,000〜200,000、好ましくは、10,00
0〜150,000の範囲になるように合成される。数
平均分子量が上記数値より小さくなると、重合溶液中か
ら樹脂分を単離するのが困難である他、硬度、可撓性な
ど硬化膜の機械特性が低下したり、耐溶剤性、耐沸水等
が低下するので好ましくなく、また上記数値より大きく
なると樹脂が造膜可能な粘度を保てなくなるので好まし
くない。
【0011】本発明の液状樹脂(A)は、既知ラジカル
重合開始剤により、ラジカル重合の溶液法または分散法
により製造することができる。使用する溶剤としては、
酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカル
ビトール、エチルカルビトール、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート、ダイアセトンア
ルコール等、一般に使用される有機溶剤が使用できる。
【0012】しかしながら、液状樹脂(A)の溶解度パ
ラメータ(sp値)が8.0〜9.5(cal/c
31/2であることから、イソプロパノール、n−プロ
パノール、メタノール、エタノール、アリルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチ
ルセロソルブ等、sp値が10.0(cal/cm3
1/2以上、好ましくは11.5(cal/cm31/2
上の溶剤を用いると、好ましい重合度に到達したポリマ
ーのみが反応溶液から分離してくるため樹脂分を単離す
るのに上澄みを除くだけでよいので好ましい。また、ジ
オキサン、イソプロパノール、n−プロパノール、メタ
ノール、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトー
ル等の水混和性溶剤を用いると、樹脂分を単離するのに
水を添加すればよいので好ましい。
【0013】また、ラジカル重合開始剤としては、特に
限定しないが、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチル
ペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ラウ
ロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスシクロヘキサンニトリル等のアゾ系開始剤、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤
などを使用できる。斯るラジカル重合開始剤の配合量
は、全モノマー配合量に対し、0.01〜5重量%が好
ましく、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。得
られた樹脂の粘度は、回転粘度計で測定した50℃にお
ける粘度が500〜30,000cps、好ましくは8
00〜20,000cpsである。
【0014】本発明における硬化剤化合物(B)は、液
状樹脂(A)のカルボキシル基と結合して樹脂に架橋構
造を導入し、液状樹脂を硬化させることができる化合物
である。このような硬化剤は、1分子中に官能基を2つ
以上有する化合物が好ましく、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、エリトリト
ール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、ズ
ルシトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、
ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピ
ロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシ
ン、ジメチロールフェノールなどの多価アルコール、ま
たは多価フェノール系化合物、並びにこれらのアルコキ
シ変性物、またはヘキサメチロール化メラミン、ヘキサ
メトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メ
ラミンなどのアルキロール基またはアルコキシ基を有す
るメラミン系化合物、シアヌール酸、アンメリド、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジアミノピリジンなどのアミン系化合
物、トリレンジイソイシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネート等のポリイシシアネー
ト、およびこれらとグリコール類またはジアミン類との
両末端イソシアネートアダクト体等のポリイソシアネー
ト、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エ
チレングリコールグリシジルエーテル、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジオ
ールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジ
ルエーテル等のエポキシ樹脂等がある。これらは2種類
以上用いてもよい。
【0015】硬化剤化合物(B)の配合量は、液状樹脂
(A)中の重合性カルボキシル基当量と硬化剤化合物
(B)中の官能基当量との比率で決定され、液状樹脂
(A)中のカルボキシル基1当量に対して0.3〜10
反応当量、好ましくは、0.5〜5反応当量が好まし
い。液状樹脂組成物(A)のカルボキシル基1当量に対
する硬化剤化合物(B)が0.5反応当量、特に0.3
反応当量より小さくなると硬質な膜が形成されず、逆に
5反応当量、特に10反応当量より多くなると、硬化時
の体積収縮率が大きくなったり、未反応の硬化剤化合物
が残留したり、硬化膜が脆くなるので好ましくない。
【0016】本発明の硬化性液状樹脂組成物の硬化特性
を改良するために一般に使用される硬化触媒などを使用
することができる。代表的な硬化触媒を例示すれば、硬
化剤化合物として水酸基やアルコキシ基を有するものを
使用する場合には、p−トルエンスルホン酸、無水フタ
ル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ギ酸、酢酸、イタコン酸、シュウ酸、マレ
イン酸、及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、
多価金属塩等が好ましく、エポキシ基を有する硬化剤化
合物を使用する場合には、水酸化ナトリウム、リチウム
クロライド、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チ
タン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミンなどが好ましく、イソシアネート基を有する硬化剤
化合物を使用する場合には、トリエチルアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミ
ン、ジエタノールアミン、ジブチル錫ジラウレート、ジ
ブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等が好ましい。
斯る硬化触媒の添加量としては、硬化性液状樹脂組成物
に対して、好ましくは0.01〜1wt%、さらに好ま
しくは0.02〜0.5wt%である。
【0017】本発明の硬化性液状樹脂組成物は、上記単
量体の共重合体からなる液状樹脂と硬化剤化合物からな
り、実質的に無溶剤型の硬化性液状樹脂組成物として使
用できる。しかしながら、造膜性を改良するために小量
の水または有機溶剤などを配合してもよい。配合できる
量としては液状樹脂に対して5重量%までである。ま
た、チタン白、各種の顔料等の着色剤、滑剤等を添加し
てもよい。本発明の硬化性液状樹脂組成物は、印刷およ
び塗装などの方法により、紙、金属、プラスチック、セ
ラミックス等よりなる基材上に、樹脂を厚さ0.1〜1
00μmの厚さで造膜し、150〜260℃で1〜30
分間加熱することにより硬化することができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (試作例−1)撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、
滴下ロート及びコンデンサーを備えた500ミリリット
ル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 220g 水 50g n−オクチルメタクリレート(合成品) 100g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 15g アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1.2g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を50
g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、スワ
ーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコの内
容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗浄し
た後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹脂
は、無臭の粘稠な液状で、数平均分子量は19,000
であった。50℃で粘度測定を行ったところ、15,0
00cpsを示した。
【0019】(試作例−2)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 205g 水 55g ラウリルメタクリレート 100g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 10g AIBN 1.1g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を更に
50g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、
スワーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコ
の内容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗
浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹
脂は、無臭の粘稠な液状で、数平均分子量は25,00
0であった。50℃で粘度測定を行ったところ、5,0
00cpsを示した。
【0020】(試作例−3)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 285g 水 70g ステアリルメタクリレート 140g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 12g AIBN 1.52g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を更に
50g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、
スワーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコ
の内容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗
浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹
脂は、無臭の粘稠な液状で、数平均分子量は44,00
0であった。50℃で粘度測定を行ったところ、6,0
00cpsを示した。
【0021】(試作例−4)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 210g 水 50g ベヘニルメタクリレート 105g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 7.6g AIBN 1.13g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を更に
50g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、
スワーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコ
の内容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗
浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹
脂は、常温ではワックス状での固体で、数平均分子量は
45,000であったが50℃では粘稠な液体で、粘度
測定を行ったところ、25,000cpsを示した。
【0022】(試作例−5)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 250g 水 60g ラウリルメタクリレート 110g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 25g AIBN 1.35g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を更に
50g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、
スワーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコ
の内容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗
浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹
脂は、無臭の粘稠な液状で、数平均分子量は28,00
0であった。50℃で粘度測定を行ったところ、6,5
00cpsを示した。
【0023】(試作例−6)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 260g ラウリルメタクリレート 100g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 10g AIBN 1.1g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた重合体溶液を水冷し、樹
脂を沈降させる。沈降がはじまったらスワーリングしな
がら1リットルビーカーにフラスコの内容物を移し、上
層の液を除き、エタノールで数回洗浄した後、50℃で
終夜減圧乾燥を行った。得られた樹脂は、無臭の粘稠な
液状で、数平均分子量は25,000であった。50℃
で粘度測定を行ったところ、5,200cpsを示し
た。
【0024】(比較例−1)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミルリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 260g ラウリルメタクリレート 100g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 10g AIBN 6g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。この重合体溶液を水に滴下した
が、樹脂分は沈降しなかった。そこで、エバポレータで
溶剤を除去し、液状の樹脂分を得た。得られた液状樹脂
は、モノマー臭があり、やや黄変していた。そこでこれ
をGPCで分析したところ、数平均分子量は5,000
であり、数平均分子量数百の低分子量領域にもピークが
みられた。50℃における粘度は2000cpsであっ
た。
【0025】(比較例−2)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 225g 水 55g ラウリルメタクリレート 64g フタル酸β−メタアクリロキシエチルモノエステル 57g AIBN 1.2g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた重合体溶液を水/メタノ
ール=1/1溶液500ミリリットル中に滴下し樹脂を
沈降させる。上層の液を除き、さらに水/メタノール溶
液で数回洗浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。
得られた樹脂は、50℃に加熱しても粘度測定が可能な
液状にはならず、数平均分子量は42,000であっ
た。
【0026】(試作例−7)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、滴下ロート及びコンデンサーを備えた50
0ミリリットル四つ口丸底フラスコに、 イソプロピルアルコール 225g 水 55g ラウリルメタクリレート 102g フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル 12.5g エチルメタクリレート 5.7g AIBN 1.2g を仕込む。湯浴中でフラスコ内温度を65℃に昇温し、
4時間反応を続けた。得られた、重合体溶液に水を更に
50g加え、樹脂を沈降させる。沈降がはじまったら、
スワーリングしながら、1リットルビーカーにフラスコ
の内容物を移し、上層の液を除き、エタノールで数回洗
浄した後、50℃で終夜減圧乾燥を行った。得られた樹
脂は、無臭の粘稠な液状で、数平均分子量は32,00
0であった。50℃で粘度測定を行ったところ、8,0
00cpsを示した。
【0027】(実施処方例−1〜16)試作例−1〜
5,7および比較例−2で合成したカルボキシル基を含
む共重合体1反応当量に対して、一定反応当量の硬化剤
化合物を配合し、加温撹拌して透明な硬化性液状樹脂組
成物を調合した。これを、ホットプレート上で60℃に
保った硬質アルミ板に垂らし、0.5ミルアプリケータ
ーを用いて造膜した。これを200℃の電気オーブンに
入れ、20分間加熱し硬化膜を得た。表1に、各試作例
および比較例に従い合成した液状樹脂を用い、硬化剤化
合物の量、種類を変化させて作製した硬化膜について検
討した硬化膜物性を示した。
【0028】(実施処方例−17)試作例−6で合成し
たカルボキシル基を含む共重合体1反応当量に対して1
反応当量のトリメチロールプロパントリイソシアネート
を硬化剤化合物として配合し、さらに共重合体と硬化剤
化合物からなる液状樹脂組成物に対して0.05重量%
のジブチル錫ジラウレートを触媒として配合し、撹拌し
て透明な硬化性液状樹脂組成物を調合した。これを硬質
アルミ板上に垂らし、0.1ミルアプリケータを用いて
造膜した。これを200℃の電気オーブンに入れ、20
分間加熱し硬化膜を得た。表1に得られた硬化膜の物性
を示した。
【0029】(実施処方例−18)試作例−6で合成し
たカルボキシル基を含む共重合体1反応当量に対して3
反応当量のトリメチロールプロパントリグリシジルエー
テルを硬化剤化合物として配合し、さらに共重合体と硬
化剤化合物からなる液状樹脂組成物に対して0.2重量
%のN,N−ジメチルベンジルアミンを触媒として配合
し、撹拌して透明な硬化性液状樹脂組成物を調合した。
これを硬質アルミ板上に垂らし、0.1ミルアプリケー
タを用いて造膜した。これを200℃の電気オーブンに
入れ、20分間加熱し硬化膜を得た。表1に得られた硬
化膜の物性を示した。
【0030】(実施処方例−19、20)試作例−6で
合成したカルボキシル基を含む共重合体1反応当量に対
して1反応当量のヘキサメチロ−ルメラミンを硬化剤組
成物として配合し、さらに共重合体と硬化剤化合物から
なる液状樹脂組成物に対して0.3重量%のパラトルエ
ンスルホン酸を触媒として配合し、50℃で加温撹拌し
て透明な硬化性液状樹脂組成物を調合した。これを、ホ
ットプレート上で50℃に保った硬質アルミ板に垂ら
し、0.5ミルアプリケーターを用いて造膜した。これ
を200℃の電気オーブンに入れ、一定時間加熱し硬化
膜を得た。表2に、加熱時間を変化させて作成した硬化
膜について検討した硬化膜物性を示した。
【0031】表1,2中、タックは指触法で評価した。
密着性は、セロテ−プによるゴバン目剥離試験に於ける
硬化膜残存率で示した。耐溶剤性は、アルミ板を2cm
幅に切り、テトラヒドロフランに入れ室温で1日放置す
ることにより評価した。また、耐沸水性は、同様にアル
ミ片を煮沸水中に1時間保った後における硬化膜の白化
や剥離の有無で評価した。 (表1,2中で使用した略語の説明) 試作1〜試作7、比較2:それぞれ試作処方例−1〜
7、比較例2で得た樹脂 HMM:ヘキサメチロールメラミン(合成品:粉末) MM :メチル化メラミン(三井サイアナミッド製、サ
イメル350) BG :ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナミッド
製、サイメル1123) BM :ブチル化メラミン樹脂(三井サイアナミッド
製、サイメル1156) UR :メチル化尿素樹脂(三井サイアナミッド製、U
FR65) TTI:トリメチロールプロパントリイソシアネート TTG:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル 硬化剤配合量:試作液状樹脂の1反応当量に対する硬化
剤化合物の反応当量 ○:タック無し(タック)、白化せず(耐溶剤性、耐沸
水性) △:若干タックあり(タック)、若干曇る(耐溶剤性、
耐沸水性) X:タックあり(タック)、白化(耐溶剤性、耐沸水
性)
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【発明の効果】従来のオリゴマー領域の分子量を持った
硬化性組成物の造膜温度より若干高い温度で造膜するこ
とができ、なおかつ低分子量の残存モノマーが、樹脂合
成段階で除かれる為に、焼き付け時に溶剤やモノマーの
飛散を抑えることができ、作業環境が改善される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 CH2=C(R1)COOR2
    (1) (式中、R1はHまたはCH3、R2は、炭素数4〜22
    の炭化水素基である。)で示される少なくとも1種の
    (メタ)アクリレート単量体35〜98重量%、および
    重合性不飽和カルボン酸2〜40重量%、および必要に
    応じてその他の重合性ビニル化合物を共重合せしめた、
    数平均分子量が10,000〜200,000であっ
    て、粘度が、500cps〜30,000cps(50
    ℃)である液状樹脂(A)、および液状樹脂(A)のカ
    ルボキシル基と結合可能な官能基を1分子中に2つ以上
    有する硬化剤化合物(B)を、液状樹脂(A)中のカル
    ボキシル基1当量に対し0.3〜10反応当量を含んで
    なる硬化性液状樹脂組成物。
  2. 【請求項2】液状樹脂(A)のラジカル重合を該樹脂
    (A)の単量体には良溶剤であり該樹脂(A)には貧溶
    剤であるような溶剤中で行なうことを特徴とする請求項
    1の液状樹脂の製造方法。
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