JPH0753728Y2 - 回転噴射式ノズル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は車輌の洗車や庭園その他の散水用に使用する回
転噴射ノズルに関する。

（２）従来の技術 従来の回転式噴射ノズル装置においては噴射ノズル部の
回転速度を調整する場合には、水圧を加減するか、タイ
マー等により回転数と噴射方向とをあらかじめ設定した
ものが知られている。

（３）考案が解決しようとする問題点 しかし水圧により回転速度を調整する場合は水圧が低く
なると回転速度が下ると共に噴射力も低下して洗浄力や
散水範囲が減少する等の欠点があり、又タイマー等を使
用する場合はノズル構造が煩雑になると共に高価とな
り、且つ故障が発生し易い等の欠点を有している。

本考案は上記の欠点を解消し、簡単な構造で洗浄力や散
水条件が低下することなく、廉価にして取扱いが容易な
回転噴射式ノズル装置を提供することを目的とする。

（４）問題点を解決するための手段 本考案は上記の目的を達成するため、中心に透孔を有す
る固定筒体の先端側に、該透孔に連通し先端部に設けた
略Ｌ字状の噴射パイプに連通する流通孔を有する回転体
を回転自在に嵌挿係止し、前記透孔へ圧入した液体の前
記噴射パイプにおける反力により前記回転体が回転しな
がら該噴射パイプより液体を噴出する回転噴射式ノズル
装置において、前記回転体の前記固定筒体側の端面に摺
動する押圧板と前記固定筒体の周面にその軸線方向に移
動調整可能に設けた調整体との間に弾性体を介在したこ
とを特徴とする。

（５）作用 固定筒体の透孔に液体が圧入されると、回転体は先端の
Ｌ字状の噴射パイプから噴出する液体の反力により回転
する。そこで調整体を前記固定筒体の軸線方向に移動調
整すると弾性体を介して押圧体と前記回転体の前記端面
の摩擦力が変化し回転速度が調整される。

（６）実施例 以下本考案の１実施例を第１図及び第２図により説明す
る。

（１）は固定筒体を示し、該固定筒体（１）は中心に透
孔（1a）を有し外周の根部に段差を設けた螺条（1b）が
形成され、且つ中央部から小径の小円筒（1c）が突設さ
れ、該小円筒（1c）の先端部の周面には溝（1d）が設け
られ、該溝（1d）に抜け止めリング（２）が嵌入されて
いる。（３）は回転体を示し、該回転体（３）はその外
周が６角形をなし内部に大径の孔（3a）と小径の孔（3
b）とが連接して削孔され先端部が閉止（3c）されてお
り，該小径の孔（3b）の先端部に径方向に貫通する螺条
（3d）（3d）を有する透孔（3e）（3e）が形成されてい
る。（４）は前記回転体（３）の軸受体を示し、該軸受
体（４）はその外周に螺条（4a）が形成され該回転体
（３）の大径の孔（3a）に形成した螺条により螺止され
ると共に、前記固定筒体（１）の小円筒（1c）にメタル
（4b）を介して滑合するようにした。（５）（５）はＬ
字状の噴射パイプを示し、これら噴射パイプ（５）
（５）はその先端部に小径の噴射ノズル（5a）（5a）が
設けられ、根部において前記回転体（３）の透孔（3e）
（3e）に螺着されている。ここで前記噴射パイプ（５）
（５）はその先端部が斜前方を向くように固定されてい
る。（６）はスプリングからなる弾性体を示し、該スプ
リング（６）は前記固定筒体（１）の螺条（1b）外方に
遊嵌されており該螺条（1b）に螺合する調整体（７）に
よりスラストワッシャからなる押圧板（８）を介して前
記軸受体（４）の端面を押圧するようにした。（９）は
スラストボールベアリングで前記止めリング（２）と軸
受体（４）との間に介入されている。（10）は例えばカ
ーボンファイバー等からなる円筒状の漏水防止体を示し
該防止体（10）は前記固定筒体（１）の小円筒（1c）の
側端面に当接すると共に前記回転体（３）の小径の孔
（3b）内に嵌入装着された押圧スプリング（11）により
圧接されており、外周はＯリング（12）に圧接されてい
る。

尚、前記漏水防止体（10）と回転体（３）の小孔（3b）
により流通孔（13）が形成されている。

次に上記実施例の動作を説明する。

圧力水が矢印（Ａ）方向から固定筒体（１）内に流入す
ると透孔（1a）を経て回転体（３）の小径の孔（3b）か
ら噴射パイプ（５）（５）を通りその噴射ノズル（5a）
（5a）から斜前方に噴射（Ｂ）する。このとき該噴射パ
イプ（５）（５）がＬ字状に曲折され、且つ第２図示の
如く中心から対称に突出されているので、これら噴射ノ
ズル（5a）（5a）からの噴射に伴う反力が発生し前記回
転体（３）は軸受体（４）のメタル（4b）により固定筒
体（１）の小円筒（1c）と滑合し回転（Ｃ）する。ここ
で回転体（３）の回転を遅速する場合は調整体（７）を
回動して固定筒体（１）の軸線方向に螺合進退させるこ
とによりスプリング（６）の付勢によりスラストワッシ
ャ（８）が軸受体（Ｃ）の側端面に摩擦力を生起し、回
転体（３）の回転速度を任意に調整することができる。
尚回転時の他面のスラスト圧はスラストボールベアリン
グ（９）により除去される。又漏水防止体（10）は押圧
スプリング（11）により押圧されているので、圧力水の
流入のない不使用においても移動することなく所定の位
置に保持されている。

（７）考案の効果 このように本考案によると、固定筒体の周面に設けた調
整体を軸線方向に移動調整することにより弾性体を介し
て押圧板と回転体の固定筒体側の端面の摩擦力を変化し
て該回転体の回転速度を変化するようにしたので、噴射
力を低下させることなく回転速度の変化ができ、操作が
簡単であると共に構造簡単で廉価に得られる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の断面図、第２図は正面図で
ある。 （１）……固定筒体 （1a）……透孔 （３）……回転体 （５）……噴射パイプ （６）……弾性体 （７）……調整体 （８）……押圧板 （13）……流通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中心に透孔を有する固定筒体の先端側に、
   該透孔に連通し先端部に設けた略Ｌ字状の噴射パイプに
   連通する流通孔を有する回転体を回転自在に嵌挿係止
   し、前記透孔へ圧入した液体の前記噴射パイプにおける
   反力により前記回転体が回転しながら該噴射パイプより
   液体を噴出する回転噴射式ノズル装置において、前記回
   転体の前記固定筒体側の端面に摺動する押圧板と前記固
   定筒体の周面にその軸線方向に移動調整可能に設けた調
   整体との間に弾性体を介在したことを特徴とする回転噴
   射式ノズル装置。