JPH0753623Y2 - 鍼及び温灸治療器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、鍼及び温灸治療器の
改良創作に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、鍼及びもぐさを利用する温灸治療
方法は周知のところであり、例えば、図４、図５及び図
６に示すものがある。図４のものは、鍼（１０）の頭部
にもぐさ（１１）を取付け、このもぐさ（１１）を燃焼
し、この熱を鍼に伝えて治療の局を刺激したものであ
る。図５は紙製台（２０）上にもぐさ（２１）を載置
し、患部を紙製台（２０）を介してもぐさの熱により加
熱治療したものである。図６のものは、筒（３０）を患
部に乗せ、この筒（３０）にもぐさ（３１）をつめて燃
焼し、同時にもぐさ（３１）と筒（３０）の中心に鍼
（３２）を挿通して患部の局を鍼ともぐさの熱により治
療するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、図４の場合は治療中、鍼上部に取り付けた燃焼中の
もぐさ（１１）が皮膚上に落下し火傷する等のおそれが
あった。

【０００４】図５の場合は、治療中、過度の熱が皮膚に
伝わるために火脹れ等のおそれがあった。

【０００５】図６の場合は、治療中、鍼ともぐさの燃焼
熱が直接皮膚に加わり、熱くても鍼を刺している関係
上、もぐさの位置を移動できない欠点があった。この考
案は上記のような課題を解決するために次お手段を作用
したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、所要直径及び
高さの円筒（１）の内部中途には、もぐさ棚（２）を設
け、円筒（１）の外周一箇所には鍼位置決め環（３）を
突設してなる鍼及び温灸治療器としたものである。

【０００７】

【作用】この考案は上記のように構成されるから、これ
が使用法は、先ず治療患部の局の位置に鍼位置決め環
（３）を位置し、次に円筒（１）のもぐさ棚（２）上に
もぐさ（４）を載置し、これに点火し、鍼位置決め環
（３）の中心より局に鍼（５）を刺し、鍼と共にもぐさ
（４）の加熱により局及びこれが周囲を温灸治療するも
のである。この場合、もぐさ（４）はもぐさ棚（２）上
において燃焼し発熱するものであるから、このもぐさ
（４）の位置と患部間には空気層があるために、もくざ
熱は輻射熱となって心地よい温灸治療効果を与えるもの
である。この加熱位置は、鍼（５）を中心として３６０
度自由に移動可能であるから、患部にもぐさの過度な温
度を与えるおそがなく、極めて安全な治療効果を求める
ことが可能である。

【０００８】

【実施例】不燃素材により直径３，５Cm、高さ１，５Cm
程度の円筒（１）の内部中途には針線を細かい間隔を
とって張りめぐらして、もぐさ棚（２）を構成し、この
針線の端を円筒（１）外に引出してこれにより位置決め
環（３）を成形してなる。尚、もぐさ棚（２）は針線に
より網み目状に構成したが、もぐさ（４）は燃焼すると
固まる特性を有するので、もぐさ棚（２）に隙間があっ
ても燃焼中のもぐさが皮膚患部上に落下するおそれはな
いものであるが、必要であればもぐさ棚は細かいメッシ
ュ地の金網を使用してもよい。

【０００９】

【考案の効果】この考案は上記の如く構成されるから第
一に、もぐさによる温灸治療の作用と同時に鍼による刺
激治療を併用できる効果がある。第二に、円筒（１）の
内部中途にもぐさ棚（２）を構成したから、もぐさの加
熱面と患部間に空気層ができるので、もくさ熱は輻射熱
となり心地よい温灸作用を与える効果がある。第三に、
治療器本体に鍼位置決め環（３）を設け、この位置決め
環（３）の中心に鍼を刺して使用するものであるから、
鍼を中心にもぐさの燃焼位置を自由に移動でき、適切な
温灸効果を患部に与えることができる等、構成は簡単で
あるが極めて便利な鍼及び温灸治療具となしうるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面図

【図２】同上断面図

【図３】使用状態の斜視図

【図４】鍼頭部にもぐさを取付けた治療方法の斜視図

【図５】紙製台上においてもぐさを燃焼する治療方法の
斜視図

【図６】筒内部においてもぐさを燃焼し、これが中心に
鍼を刺す方法の斜視図

【符号の説明】

１ 円筒 ２ もぐさ棚 ３ 鍼位置決め環 ４ もぐさ ５ 鍼

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要直径及び高さの円筒（１）の内部中
   途には、もぐさ棚（２）を設け、円筒（１）の外周一箇
   所には鍼位置決め環（３）を突設してなる鍼及び温灸治
   療器。