JPH0753575B2 - 酸化セリウムゾルの製造方法 - Google Patents
酸化セリウムゾルの製造方法Info
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- JPH0753575B2 JPH0753575B2 JP2130383A JP13038390A JPH0753575B2 JP H0753575 B2 JPH0753575 B2 JP H0753575B2 JP 2130383 A JP2130383 A JP 2130383A JP 13038390 A JP13038390 A JP 13038390A JP H0753575 B2 JPH0753575 B2 JP H0753575B2
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- cerium
- oxide sol
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- sol
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸化セリウムゾルの製造法に関し、詳しくは高
純度で、かつ透明性にすぐれた酸化セリウムゾルを効率
よく製造する方法に関する。
純度で、かつ透明性にすぐれた酸化セリウムゾルを効率
よく製造する方法に関する。
(従来の技術) 酸化セリウムゾルの製造方法としては、セリウム塩化合
物をアルカリで中和して得た水酸化セリウムを酸で解こ
うする方法、セリウム塩化合物の対イオン類をイオン交
換樹脂や透析により除去する方法、セリウム塩化合物と
アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアとを反応させ
て得られるゲルを水熱処理して結晶質酸化第二セリウム
ゾルを得る方法などが知られている。
物をアルカリで中和して得た水酸化セリウムを酸で解こ
うする方法、セリウム塩化合物の対イオン類をイオン交
換樹脂や透析により除去する方法、セリウム塩化合物と
アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアとを反応させ
て得られるゲルを水熱処理して結晶質酸化第二セリウム
ゾルを得る方法などが知られている。
酸化セリウムゾルは、紫外線遮蔽ガラスの製造、プラス
チック、合成繊維などの紫外線による変質防止などのほ
かに、食品包装フィルム、プラスチックレンズなどにも
使用されている。例えば、紫外線遮蔽ガラスは、酸化セ
リウムゾルをガラス基材中に配合するか、またはガラス
基材表面にコーティングして製造される。
チック、合成繊維などの紫外線による変質防止などのほ
かに、食品包装フィルム、プラスチックレンズなどにも
使用されている。例えば、紫外線遮蔽ガラスは、酸化セ
リウムゾルをガラス基材中に配合するか、またはガラス
基材表面にコーティングして製造される。
近年、時に大面積の基材の場合にも比較的簡便で経済的
な、溶液によるコーティング方法が注目されている。こ
のため、従来以上に高強度で、密着性が高く、かつ透明
なコーティング膜を形成することができる酸化セリウム
ゾルが望まれている。
な、溶液によるコーティング方法が注目されている。こ
のため、従来以上に高強度で、密着性が高く、かつ透明
なコーティング膜を形成することができる酸化セリウム
ゾルが望まれている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記公知の方法によって得られる酸化セリウム
ゾルは、(イ)ゾルの粒子径が大きいため、酸化セリウ
ムゾル自体の透明性が劣り、またこの酸化セリウムゾル
を用いて得られるコーティング膜も透明性が劣る。
(ロ)ゾル中の対イオンなどの不純物含量が高いため、
塗布して得られるコーティング膜の性能が低く、あるい
は多数回コーティングする場合、さきに塗布したコーテ
ィング膜が溶解してしまうことから、一旦焼成した後コ
ーティングするという煩雑な操作によらなければ均一な
膜厚のコーティング膜が得られないなど問題があった。
ゾルは、(イ)ゾルの粒子径が大きいため、酸化セリウ
ムゾル自体の透明性が劣り、またこの酸化セリウムゾル
を用いて得られるコーティング膜も透明性が劣る。
(ロ)ゾル中の対イオンなどの不純物含量が高いため、
塗布して得られるコーティング膜の性能が低く、あるい
は多数回コーティングする場合、さきに塗布したコーテ
ィング膜が溶解してしまうことから、一旦焼成した後コ
ーティングするという煩雑な操作によらなければ均一な
膜厚のコーティング膜が得られないなど問題があった。
本発明は、上記問題点を解決し、ゾル粒子径が極めて小
さく、透明性に優れ、また対イオン類などの不純物含量
が少なく、密着性などの性能に優れたコーティング膜を
形成可能な酸化セリウムゾルを効率よく製造する方法を
提供することである。
さく、透明性に優れ、また対イオン類などの不純物含量
が少なく、密着性などの性能に優れたコーティング膜を
形成可能な酸化セリウムゾルを効率よく製造する方法を
提供することである。
(課題を解決するための手段) 有機酸セリウム塩の水溶液を加熱すると加水分解が起こ
って、水和酸化セリウムが生成し、反応が進行するにつ
れて水和酸化セリウムの沈澱が生じる。本発明者らの研
究によれば、上記加水分解を過酸化水素の共存下に実施
すると、具体的には有機酸セリウム塩と過酸化水素を含
む水溶液を加熱して加水分解すると水和酸化セリウムの
沈澱が開始する前に加水分解反応がほぼ完了し、粒子径
が極めて小さいゾルが得られること、またこのゾルを限
外ろ過膜によりろ過洗浄すると対イオンなどの不純物を
効率よく除去できることを知り、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。なお、上記ゾル粒子としての
水和酸化セリウムとは、セリウム水酸化物ないし結晶性
酸化セリウム水和物である。
って、水和酸化セリウムが生成し、反応が進行するにつ
れて水和酸化セリウムの沈澱が生じる。本発明者らの研
究によれば、上記加水分解を過酸化水素の共存下に実施
すると、具体的には有機酸セリウム塩と過酸化水素を含
む水溶液を加熱して加水分解すると水和酸化セリウムの
沈澱が開始する前に加水分解反応がほぼ完了し、粒子径
が極めて小さいゾルが得られること、またこのゾルを限
外ろ過膜によりろ過洗浄すると対イオンなどの不純物を
効率よく除去できることを知り、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。なお、上記ゾル粒子としての
水和酸化セリウムとは、セリウム水酸化物ないし結晶性
酸化セリウム水和物である。
すなわち、本発明は、有機酸セリウム塩と過酸化水素と
を含有する水溶液を加熱して有機酸セリウム塩を加水分
解し、得られた酸化セリウムゾルを限外ろ過膜によりろ
過洗浄することを特徴とする酸化セリウムゾルの製造方
法に関する。
を含有する水溶液を加熱して有機酸セリウム塩を加水分
解し、得られた酸化セリウムゾルを限外ろ過膜によりろ
過洗浄することを特徴とする酸化セリウムゾルの製造方
法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する有機酸セリウム塩とは水に可溶な化合
物であり、例えばセリウムのギ酸塩、酢酸塩などを挙げ
ることができる。具体例としては、ギ酸セリウム、酢酸
セリウムなどを挙げることができる。
物であり、例えばセリウムのギ酸塩、酢酸塩などを挙げ
ることができる。具体例としては、ギ酸セリウム、酢酸
セリウムなどを挙げることができる。
本発明の方法によれば、通常、有機酸セリウム塩の水溶
液に過酸化水素を添加し、次いで得られた水溶液を加熱
して加水分解反応を実施する。過酸化水素の添加によっ
て加水分解は開始し、またそれに続く加熱によって加水
分解は進行し、発泡とともにセリウム原子価の変化に起
因する反応液の色調の変化が認められる。
液に過酸化水素を添加し、次いで得られた水溶液を加熱
して加水分解反応を実施する。過酸化水素の添加によっ
て加水分解は開始し、またそれに続く加熱によって加水
分解は進行し、発泡とともにセリウム原子価の変化に起
因する反応液の色調の変化が認められる。
上記有機酸セリウム塩は通常水に対する溶解度が小さい
ため、例えば0.01〜0.8モル/(二酸化セリウム換
算)程度の比較的低濃度の水溶液として使用するが、加
水分解反応後得られた酸化セリウムゾルを限外ろ過膜に
よりろ過洗浄するので効率よく濃縮することができ高濃
度酸化セリウムゾルを得ることができる。
ため、例えば0.01〜0.8モル/(二酸化セリウム換
算)程度の比較的低濃度の水溶液として使用するが、加
水分解反応後得られた酸化セリウムゾルを限外ろ過膜に
よりろ過洗浄するので効率よく濃縮することができ高濃
度酸化セリウムゾルを得ることができる。
上記加水分解反応において使用する過酸化水素の量は、
出発原料である有機酸セリウム塩(二酸化セリウム換
算)1モル当り1〜5モルで十分である。過酸化水素の
使用量が上記範囲よりも少なくなると過酸化水素を使用
する効果が小さく、また上記範囲以上に添加しても特別
な効果は認められない。なお、過酸化水素は、通常、20
〜40%程度の過酸化水素水として添加するが、市販の過
酸化水素水をそのまま使用することもできる。
出発原料である有機酸セリウム塩(二酸化セリウム換
算)1モル当り1〜5モルで十分である。過酸化水素の
使用量が上記範囲よりも少なくなると過酸化水素を使用
する効果が小さく、また上記範囲以上に添加しても特別
な効果は認められない。なお、過酸化水素は、通常、20
〜40%程度の過酸化水素水として添加するが、市販の過
酸化水素水をそのまま使用することもできる。
上記加水分解反応は、通常、50〜120℃の温度で加熱し
て行うが、これより低い温度では反応速度が遅すぎて実
用的でない。
て行うが、これより低い温度では反応速度が遅すぎて実
用的でない。
上記加水分解反応の時間は、加熱温度などによって変わ
るので一概に特定できないが、通常、1〜5時間程度で
十分である。
るので一概に特定できないが、通常、1〜5時間程度で
十分である。
上記加水分解反応によって得られる酸化セリウムは種々
の酸化状態のものが混在したものであるが、これにさら
に過酸化水素を添加すると低位の酸化状態のセリウムが
容易に酸化されて、セリウムの酸化状態が均質化され、
性状がより一定した酸化セリウムゾルを得ることができ
る。
の酸化状態のものが混在したものであるが、これにさら
に過酸化水素を添加すると低位の酸化状態のセリウムが
容易に酸化されて、セリウムの酸化状態が均質化され、
性状がより一定した酸化セリウムゾルを得ることができ
る。
この追加用過酸化水素の量は、上記加水分解に使用した
過酸化水素の5〜20重量%程度で十分である。この追加
用過酸化水素の使用量が少なすぎると上記のような効果
が得られず、また多すぎても特別な効果を期待すること
ができない。
過酸化水素の5〜20重量%程度で十分である。この追加
用過酸化水素の使用量が少なすぎると上記のような効果
が得られず、また多すぎても特別な効果を期待すること
ができない。
この追加用過酸化水素も、上記加水分解に使用する過酸
化水素と同様、通常、過酸化水素水として添加する。ま
た、この追加用過酸化水素を添加すると、上記加水分解
反応におけると同様、セリウムの酸化によるセリウム原
子価の変化によって反後液の色調の変化が観測される。
化水素と同様、通常、過酸化水素水として添加する。ま
た、この追加用過酸化水素を添加すると、上記加水分解
反応におけると同様、セリウムの酸化によるセリウム原
子価の変化によって反後液の色調の変化が観測される。
このようにして得られた酸化セリウムゾルは、限外ろ過
膜によりろ過洗浄を行い未反応セリウム塩、対イオン
類、過酸化水素などを除去する。具体的には、酸化セリ
ウムゾルを限外ろ過装置に導き、限外ろ過膜を透過する
ろ過水とともに上記イオン類などを系外に排出し、ゾル
に純水を追加しながら連続的に洗浄を行う。洗浄後、ゾ
ル濃度を二酸化セリウムとして3〜30重量%程度に濃縮
する。
膜によりろ過洗浄を行い未反応セリウム塩、対イオン
類、過酸化水素などを除去する。具体的には、酸化セリ
ウムゾルを限外ろ過装置に導き、限外ろ過膜を透過する
ろ過水とともに上記イオン類などを系外に排出し、ゾル
に純水を追加しながら連続的に洗浄を行う。洗浄後、ゾ
ル濃度を二酸化セリウムとして3〜30重量%程度に濃縮
する。
このようにして、高純度で透明性の高い酸化セリウムゾ
ルが得られる。この酸化セリウムゾルは、pHが3〜6、
粘度が1〜100cpであり、6ケ月以上増粘もなく安定で
ある。
ルが得られる。この酸化セリウムゾルは、pHが3〜6、
粘度が1〜100cpであり、6ケ月以上増粘もなく安定で
ある。
本発明によって得られる高純度かつ透明性の高い酸化セ
リウムゾルは、酸化セリウムの紫外線遮蔽効果、高屈折
率などを利用してガラス、プラスチックなどの配合剤、
コーティング材などとして好適に使用することができ
る。また、セラミック、ガラス、電子部品、触媒などへ
の高純度で高分散性のセリウム源の添加剤としても好適
に使用することができる。
リウムゾルは、酸化セリウムの紫外線遮蔽効果、高屈折
率などを利用してガラス、プラスチックなどの配合剤、
コーティング材などとして好適に使用することができ
る。また、セラミック、ガラス、電子部品、触媒などへ
の高純度で高分散性のセリウム源の添加剤としても好適
に使用することができる。
例えば、本発明によって得られる酸化セリウムゾルをコ
ーティング材として使用する場合、240〜260℃程度の温
度で加熱することにより二酸化セリウムのみからなる透
明なコーティング膜が得られる。特に、ガラスに適用す
ると紫外線吸収効果、高屈折率などの機能を発揮するガ
ラス材を得ることができる。
ーティング材として使用する場合、240〜260℃程度の温
度で加熱することにより二酸化セリウムのみからなる透
明なコーティング膜が得られる。特に、ガラスに適用す
ると紫外線吸収効果、高屈折率などの機能を発揮するガ
ラス材を得ることができる。
厚いコーティング膜を得るため多数回コーティングを行
う場合、コーティング基材を常温で乾燥するだけで次の
コーティングを行うことができるので膜厚が均一な厚膜
コーティングを簡便に行うことができる。なお、前記し
たように、不純物含量が大きいと、多層コーティングす
る場合、前層が溶解するため一旦焼成してからコーティ
ングする必要がある。
う場合、コーティング基材を常温で乾燥するだけで次の
コーティングを行うことができるので膜厚が均一な厚膜
コーティングを簡便に行うことができる。なお、前記し
たように、不純物含量が大きいと、多層コーティングす
る場合、前層が溶解するため一旦焼成してからコーティ
ングする必要がある。
なお、コーティング膜の乾燥速度の調節、基材とのぬれ
性、密着性などの理由から分散媒体を水から有機溶媒に
置換した有機溶媒分散酸化セリウムゾルが必要とされる
場合もあるが、この場合は水分散酸化セリウムゾルに有
機溶媒を加え加熱蒸留により水を系外に除去したり、ま
たは限外ろ過膜を用いて水を有機溶媒に徐々に置換する
ことにより容易に有機溶媒分散酸化セリウムゾムとする
ことができる。
性、密着性などの理由から分散媒体を水から有機溶媒に
置換した有機溶媒分散酸化セリウムゾルが必要とされる
場合もあるが、この場合は水分散酸化セリウムゾルに有
機溶媒を加え加熱蒸留により水を系外に除去したり、ま
たは限外ろ過膜を用いて水を有機溶媒に徐々に置換する
ことにより容易に有機溶媒分散酸化セリウムゾムとする
ことができる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、ゾル粒子径の極めて小さい酸化
セリウムゾルを得ることができる。この酸化セリウムゾ
ムは、ゾル粒子径が極めて小さいことから透明性が高
く、またこの酸化セリウムゾルの塗布により透明なコー
ティング膜を得ることができる。
セリウムゾルを得ることができる。この酸化セリウムゾ
ムは、ゾル粒子径が極めて小さいことから透明性が高
く、またこの酸化セリウムゾルの塗布により透明なコー
ティング膜を得ることができる。
本発明の方法によれば、高純度の酸化セリウムゾルを得
ることができる。この高純度酸化セリウムゾルの塗布に
より、緻密で、密着強度などの性能に優れたコーティン
グ膜を得ることができる。
ることができる。この高純度酸化セリウムゾルの塗布に
より、緻密で、密着強度などの性能に優れたコーティン
グ膜を得ることができる。
また、本発明の方法によって得られる酸化セリウムゾル
は安定性に優れ、長期間保存することができる。
は安定性に優れ、長期間保存することができる。
本発明の方法において、加水分解反応終了後に過酸化水
素を追加添加して酸化反応をさらに進行させることによ
って、性状がより一定した酸化セリウムゾルを得ること
ができる。
素を追加添加して酸化反応をさらに進行させることによ
って、性状がより一定した酸化セリウムゾルを得ること
ができる。
(実施例) 以下、実施例および参考例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
的に説明する。
実施例 純水2900gに酢酸セリウム50.3gを加え、攪拌溶解し、次
いでこれに31%過酸化水素水49.4gを加えた。この時、
溶液は速やかに赤褐色に変色した。この反応液を加温し
て行くと発泡し、発泡後さらに昇温するにつれて反応液
の色調が黄土色、深緑色、赤紫色の順に変化した。100
℃まで昇温し、この温度で1時間加熱して加水分解反応
を行った。
いでこれに31%過酸化水素水49.4gを加えた。この時、
溶液は速やかに赤褐色に変色した。この反応液を加温し
て行くと発泡し、発泡後さらに昇温するにつれて反応液
の色調が黄土色、深緑色、赤紫色の順に変化した。100
℃まで昇温し、この温度で1時間加熱して加水分解反応
を行った。
反応後、反後液を冷却し、さらに31%過酸化水素水5ml
を添加することにより黄緑色の透明性酸化セリウムゾル
を得た。このゾルの透過型電子顕微鏡観察によれば、そ
の粒子径は約30オングストロームであった。
を添加することにより黄緑色の透明性酸化セリウムゾル
を得た。このゾルの透過型電子顕微鏡観察によれば、そ
の粒子径は約30オングストロームであった。
上記酸化セリウムゾルを限外ろ過膜により、純水を追加
しながら連続的にろ過洗浄を行い残存するイオン類、過
酸化水素を除去し、洗浄後の濃度が二酸化セリウムとし
て7重量%となるように調節した。
しながら連続的にろ過洗浄を行い残存するイオン類、過
酸化水素を除去し、洗浄後の濃度が二酸化セリウムとし
て7重量%となるように調節した。
このようにして黄緑色で透明な酸化セリウムゾルが得ら
れるが、このゾルのpH4.9、粘度1.9cp、導電率0.039mS/
cmであり、6ケ月以上安定であった。
れるが、このゾルのpH4.9、粘度1.9cp、導電率0.039mS/
cmであり、6ケ月以上安定であった。
上記導電率は不純物含量の目安となるものであり、
(株)堀場製作所製導電率計を用いて測定した。なお、
上記限外ろ過膜による洗浄前の酸化セリウムゾルの導電
率は0.41mS/cmであった。
(株)堀場製作所製導電率計を用いて測定した。なお、
上記限外ろ過膜による洗浄前の酸化セリウムゾルの導電
率は0.41mS/cmであった。
参考例 実施例で調製した酸化セリウムゾルにメチルセロソルブ
を加え、次いでこの溶液を加熱蒸留することによりゾル
中の水をメチルセルソルブとともに系外に留出させ溶媒
がメチルセルソルブからなる酸化セリウムゾルを調製
し、これをコーティング液とした。このコーティング液
は、二酸化セリウム5重量%、水15重量%、残部がメチ
ルセルソルブの組成のものであった。
を加え、次いでこの溶液を加熱蒸留することによりゾル
中の水をメチルセルソルブとともに系外に留出させ溶媒
がメチルセルソルブからなる酸化セリウムゾルを調製
し、これをコーティング液とした。このコーティング液
は、二酸化セリウム5重量%、水15重量%、残部がメチ
ルセルソルブの組成のものであった。
上記コーティング液を一辺が10cmの正方形のガラス板に
スピンコート法により塗布した。すなわち、ガラス板を
脱脂した後、ガラス板にコーティング液を塗布し、次い
で3000rpmで回転させることによりガラス板に均一なコ
ーティング膜を形成した。回転を約1分間継続すること
によりコーティング膜がほぼ乾燥し、この乾燥したコー
ティング層にさらにコーティング液を塗布・乾燥する操
作を4回繰り返した後、コーティングされたガラス板を
300℃で1時間熱処理した。このようにして、厚み0.5μ
mの均一で透明な酸化セリウムコーティング膜をガラス
板上に形成した。
スピンコート法により塗布した。すなわち、ガラス板を
脱脂した後、ガラス板にコーティング液を塗布し、次い
で3000rpmで回転させることによりガラス板に均一なコ
ーティング膜を形成した。回転を約1分間継続すること
によりコーティング膜がほぼ乾燥し、この乾燥したコー
ティング層にさらにコーティング液を塗布・乾燥する操
作を4回繰り返した後、コーティングされたガラス板を
300℃で1時間熱処理した。このようにして、厚み0.5μ
mの均一で透明な酸化セリウムコーティング膜をガラス
板上に形成した。
上記酸化セリウムコーティング膜の膜強度をラビングテ
スターを用いて測定した。すなわち、摩耗材として消し
ゴムを使用し、荷重1kg・fで400回の摩耗を行い曇化率
を測定した。その結果、コーティング膜の剥離は認めら
れず、曇化率は10%以下であった。
スターを用いて測定した。すなわち、摩耗材として消し
ゴムを使用し、荷重1kg・fで400回の摩耗を行い曇化率
を測定した。その結果、コーティング膜の剥離は認めら
れず、曇化率は10%以下であった。
フロントページの続き (72)発明者 本 輝之 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 日本触媒化学工業株式会社触媒研究所 内 審査官 中村 泰三 (56)参考文献 特開 昭62−306575(JP,A) 特開 平3−153524(JP,A) 特開 平1−301517(JP,A) 特開 昭64−27635(JP,A) 特開 昭54−500021(JP,A) 特開 平1−301517(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】有機酸セリウム塩と過酸化水素とを含む水
溶液を加熱して有機酸セリウム塩を加水分解し、得られ
た酸化セリウムゾルを限外ろ過膜によりろ過洗浄するこ
とを特徴とする酸化セリウムゾルの製造方法。 - 【請求項2】有機酸セリウム塩と過酸化水素とを含む水
溶液を加熱して有機酸セリウム塩を加水分解した後、さ
らに過酸化水素を添加する請求項(1)に記載の酸化セ
リウムゾルの製造方法。 - 【請求項3】過酸化水素の使用量が有機酸セリウム塩
(二酸化セリウム換算)1モル当り1〜5モルである請
求項(1)に記載の酸化セリウムゾルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2130383A JPH0753575B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化セリウムゾルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2130383A JPH0753575B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化セリウムゾルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0426528A JPH0426528A (ja) | 1992-01-29 |
JPH0753575B2 true JPH0753575B2 (ja) | 1995-06-07 |
Family
ID=15033021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2130383A Expired - Fee Related JPH0753575B2 (ja) | 1990-05-22 | 1990-05-22 | 酸化セリウムゾルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753575B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2724330B1 (fr) * | 1994-09-12 | 1997-01-31 | Rhone Poulenc Chimie | Dispersion colloidale d'un compose de cerium a concentration elevee et son procede de preparation |
FR2724331B1 (fr) * | 1994-09-12 | 1996-12-13 | Rhone Poulenc Chimie | Dispersions colloidales d'un compose de cerium a ph eleve et leurs procedes de preparation |
JP5013671B2 (ja) * | 2004-12-28 | 2012-08-29 | 日揮触媒化成株式会社 | 金属酸化物ゾルの製造方法および金属酸化物ゾル |
JP4869647B2 (ja) * | 2005-07-14 | 2012-02-08 | 住友大阪セメント株式会社 | 希土類元素添加酸化セリウム粉体の製造方法 |
JP5317118B2 (ja) * | 2009-07-29 | 2013-10-16 | 花王株式会社 | ポリフェノールの定量法 |
JP5548978B2 (ja) * | 2009-09-03 | 2014-07-16 | 花王株式会社 | ポリフェノールの検出法 |
-
1990
- 1990-05-22 JP JP2130383A patent/JPH0753575B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0426528A (ja) | 1992-01-29 |
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